特許第5697671号(P5697671)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5697671回転接点ブリッジを備えた単極遮断ユニット、前記ユニットを備えた開閉デバイスおよび前記デバイスを備えた回路ブレーカ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5697671
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】回転接点ブリッジを備えた単極遮断ユニット、前記ユニットを備えた開閉デバイスおよび前記デバイスを備えた回路ブレーカ
(51)【国際特許分類】
   H01H 73/18 20060101AFI20150319BHJP
   H01H 73/02 20060101ALI20150319BHJP
【FI】
   H01H73/18 C
   H01H73/02 C
   H01H73/18 A
【請求項の数】15
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-529312(P2012-529312)
(86)(22)【出願日】2010年8月30日
(65)【公表番号】特表2013-505525(P2013-505525A)
(43)【公表日】2013年2月14日
(86)【国際出願番号】FR2010000591
(87)【国際公開番号】WO2011033181
(87)【国際公開日】20110324
【審査請求日】2013年6月19日
(31)【優先権主張番号】0904456
(32)【優先日】2009年9月18日
(33)【優先権主張国】FR
(31)【優先権主張番号】0904455
(32)【優先日】2009年9月18日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】594083128
【氏名又は名称】シュネーデル、エレクトリック、インダストリーズ、エスアーエス
【氏名又は名称原語表記】SCHNEIDER ELECTRIC INDUSTRIES SAS
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【弁理士】
【氏名又は名称】名塚 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100096895
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 淳平
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【弁理士】
【氏名又は名称】森 秀行
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100158964
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 和郎
(72)【発明者】
【氏名】エルベ、アングレード
(72)【発明者】
【氏名】マルク、リバール
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ、グリュメ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン‐ポール、ゴネ
【審査官】 高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2005/0046539(US,A1)
【文献】 米国特許第05357066(US,A)
【文献】 特開2007−287708(JP,A)
【文献】 特開2007−095556(JP,A)
【文献】 特開2000−208021(JP,A)
【文献】 特表2002−522888(JP,A)
【文献】 特開2001−167681(JP,A)
【文献】 特開昭54−093469(JP,A)
【文献】 実開昭56−085341(JP,U)
【文献】 特開2000−113800(JP,A)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単極遮断ユニットであって、
−回転接点ブリッジ(22)と、
−前記接点ブリッジと連動して動作し、電流入力導体(4、5)に接続された少なくとも1つの固定接点(41、51)と、
−隙間がある状態で前記接点ブリッジを収容する横孔(21)を有する回転棒片(26)であって、前記接点ブリッジが前記回転棒片(26)の両側で突出し、前記単極遮断ユニットの2つのサイドパネル(14)間に前記回転棒片(26)が挿入され、前記サイドパネルが互いに実質的に平行である、回転棒片(26)と、
−前記単極遮断ユニットの内側と外側との間に耐密性を確保するために、前記回転棒片(26)の半径方向表面と前記サイドパネル(14)との間にそれぞれ配置された2つの密封フランジ(27)と、
−前記接点ブリッジ(22)の開口体積に開口する少なくとも1つの消弧室(24)と、
を備え、
前記サイドパネル(14)の一方に少なくとも1つの密封フランジ(27)を押圧して耐密性を達成するため、前記回転棒片(26)は、前記横孔(21)と半径方向表面との間に直接的に接続された前記少なくとも1つのチャネル(29)を備え、前記チャネル(29)は、消滅ガスが当該チャネル(29)を介して少なくとも1つの密封フランジ(27)に直接的に流れることができるようになっていることを特徴とする、単極遮断ユニット。
【請求項2】
前記サイドパネル(14)に前記密封フランジ(27)を押圧して耐密性を達成するため、前記回転棒片(26)は、前記横孔(21)と半径方向表面との間にそれぞれ接続された2つのチャネル(29)を備え、前記2つのチャネル(29)は、消滅ガスが当該2つのチャネル(29)を介して前記密封フランジ(27)に直接的に流れることができるようになっていることを特徴とする、請求項1に記載の単極遮断ユニット。
【請求項3】
前記回転棒片(26)の前記少なくとも1つのチャネル(29)は、第1の半径方向表面から第2の半径方向表面へ前記回転棒片(26)を完全に貫通するよう構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の単極遮断ユニット。
【請求項4】
前記チャネル(29)は、前記回転棒片(26)の長手軸に平行な長手軸を有することを特徴とする、請求項3に記載の単極遮断ユニット。
【請求項5】
消滅ガスが、前記回転棒片(26)の長手軸と実質的に整列され、均一に分配された推力を前記密封フランジ(27)に働かせることができるように、前記チャネル(29)は、前記回転棒片(26)の長手軸に整列された長手軸を有することを特徴とする、請求項4に記載の単極遮断ユニット。
【請求項6】
前記密封フランジ(27)は、前記回転棒片(26)の長手方向の表面を少なくとも部分的に被覆する側材を備えることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の単極遮断ユニット。
【請求項7】
前記側材は、前記回転棒片(26)を収容する前記横孔(21)を部分的に閉鎖することを特徴とする、請求項6に記載の単極遮断ユニット。
【請求項8】
前記側材は、前記密封フランジ(27)の円筒状周辺部全体にわたって位置付けられることを特徴とする、請求項6または7に記載の単極遮断ユニット。
【請求項9】
前記密封フランジ(27)は、いくつかの回転棒片(26)を互いに機械的に固定するために連結棒片(30)を通すように設計された少なくとも1つの偏心通路孔(32)を備え、
前記連結棒片(30)は、いくつかの単極遮断ユニットのセットに共通する機構によって制御されることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の単極遮断ユニット。
【請求項10】
−前記回転接点ブリッジ(22)および電流入力導体(4、5)と連動して各々が動作する一対の固定接点(41、51)と、
−前記接点ブリッジ(22)の開口体積にそれぞれ開口する2つの消弧室(24)と、を備え、
各消弧室(24)は、少なくとも1つの消滅ガス排気チャネル(38、42)に接続され、
前記排気チャネルは、前記単極遮断ユニット(10)のケース(12)のライン側のパネルに開口し、
前記ライン側のパネルは、切換手段(7)と接触して配置されるように設計された別のパネルの反対側に位置付けられている
ことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の単極遮断ユニット。
【請求項11】
前記消滅ガス排気チャネル(38、42)は、前記単極遮断ユニット(10)の前記ケース(12)のライン側のパネルに開口する共通ダクトにおいて互いに連結することを特徴とする、請求項10に記載の単極遮断ユニット。
【請求項12】
第1および第2の消弧室(24)のそれぞれの前記消滅ガス排気チャネル(38、42)の長さが異なり、
消滅ガスは、ベンチュリ効果によって第2のチャネルに流れるガスを吸引するように設計されている第1のガス排気チャネルを流れることを特徴とする、請求項11に記載の単極遮断ユニット。
【請求項13】
消弧室(24)の前記少なくとも1つのガス排気チャネル(42)は、金属シート(85)によって被覆された少なくとも1つの内壁を備える少なくとも1つの減圧室(43)を貫通することを特徴とする、請求項10乃至12のいずれか一項に記載の単極遮断ユニット。
【請求項14】
請求項10乃至13のいずれか一項に記載の単極遮断ユニット(10)を少なくとも1つ備える開閉デバイス(600)であって、
接点作動機構(8)を備え、
前記少なくとも1つの単極遮断ユニットは、一方では、負荷側の端子片(5)のレベルで前記切換手段(7)に接続され、他方では、負荷側の端子片(4)のレベルで保護される電流線に接続されるように設計されていることを特徴とする、開閉デバイス(600)。
【請求項15】
請求項14に記載の開閉デバイス(600)を備える回路ブレーカ(100)であって、
前記開閉デバイス(600)の前記負荷側の端子片(5)に接続された切換手段(7)を備えることを特徴とする、回路ブレーカ(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転接点ブリッジと、前記接点ブリッジと連動して動作し、電流入力導体に接続された少なくとも1つの固定接点と、隙間がある状態で前記接点ブリッジを収容する横孔を有する回転棒片であって、接点ブリッジが棒片の両側で突出し、遮断ユニットの2つのサイドパネル間に前記回転棒片が挿入され、前記サイドパネルが互いに実質的に平行である回転棒片と、を備える単極遮断ユニットに関する。前記回転接点ブリッジはまた、遮断ユニットの内側と外側との間に耐密性を確保するために、回転棒片の半径方向表面とサイドパネルとの間にそれぞれ配置された2つの密封フランジを備える。少なくとも1つの消弧室が、接点ブリッジの開口体積に開口する。
本発明はまた、このような遮断ユニットを備える開閉デバイスに関する。
本発明はまた、このような開閉デバイスを備える回路ブレーカに関する。
【背景技術】
【0002】
多数の特許文献において、特に、本出願人によって出願された欧州特許出願公開第0538149号明細書および同第0560697号明細書に、開閉デバイスの接点ブリッジの使用が記載されている。
【0003】
図1A図1Bに示されているような既知の方法において、モールドケース型の開閉デバイスは、極の遮断要素、すなわち、一対の固定接点41、51および可動接点ブリッジ22と、2つの消弧室24と、を含む絶縁性プラスチック材料から構成されたケース12を備える。概して矩形状のケース12は、2つの大型サイドパネルによって形成される。可動接点ブリッジ22は、2つの大型サイドパネル間に挿入された回転棒片26によって支持される。回転棒片26は、貫通収容孔21を与え、貫通収容孔21の直径は、大型サイドパネルに平行な方向に延びる。可動接点ブリッジ22は、隙間がある状態でこの孔を貫通し、棒片26の両側で突出する。接点ブリッジ22は、棒片26にフローティング状態で装着される。2つの電流入力導体4、5は、固定接点41、51に接続される。
【0004】
効率的な電流遮断を保証するために、棒片26の駆動スピンドルのレベルでガス漏れを回避する必要がある。これらのガス漏れは、逆流を生じさせ、消弧室へのアークの挿入を妨げるという影響を及ぼす。
【0005】
したがって、回転棒片とモールドケースとの間をしっかりと密封させる必要がある。このような密封は、前記棒片と2つの大型サイドパネルの内壁との間の棒片の表面にそれぞれ配置された2つのフランジによって達成されうる。しかしながら、これらの解決策の効率は、まだ完全ではない。フランジは、電流遮断に伴うガスを通過させる役割を担いうる軸方向の動作隙間がある状態で駆動スピンドルの周りに取り付けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、先行技術の欠点を修正して、効率的な密封手段を備える回転棒片を有する遮断ユニットを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による遮断ユニットの回転棒片は、貫通収容孔と半径方向表面との間に直接的に接続された少なくとも1つのチャネルを備え、これによって、消滅ガスが少なくとも1つの密封フランジへ前記チャネルを介して直接的に流れることができ、このことにより、サイドパネルの一方に少なくとも1つの密封フランジを押圧して耐密性を達成することができる。
【0008】
本発明の特定の実施形態によれば、回転棒片は、横収容孔と半径方向表面との間にそれぞれ接続された2つのチャネルを備え、これによって、消滅ガスが密封フランジへ2つのチャネルを介して直接的に流れることができ、このことにより、サイドパネルの一方に密封フランジを押圧して耐密性を達成することができる。
【0009】
本発明の特定の実施形態によれば、回転棒片は、第1の半径方向表面から第2の半径方向表面へ回転棒片を完全に貫通する貫通チャネルを備える。
【0010】
有利には、貫通チャネルは、回転棒片の長手軸に平行な長手軸を有する。
【0011】
有利には、消滅ガスが、回転棒片の長手軸に実質的に整列され、均一に分配された推力を密封フランジに働かせることができるように、貫通チャネルは、回転棒片の長手軸に整列された長手軸を有する。
【0012】
好ましくは、密封フランジは、回転棒片の長手方向の表面を少なくとも部分的に被覆する側材を備える。
【0013】
好ましくは、側材は、棒片を収容する横孔を部分的に閉鎖する。
【0014】
好ましくは、側材は、密封フランジの円筒状周辺部全体にわたって位置付けられる。
【0015】
本発明の一発展形態によれば、密封フランジは、いくつかの棒片を互いに機械的に固定するために連結棒片を通すようにされた少なくとも1つの偏心通路孔を備え、連結棒片は、いくつかの単極ユニットのセットに共通する機構によって制御される。
【0016】
有利には、遮断ユニットは、回転接点ブリッジおよび電流入力導体と連動して各々が動作する一対の固定接点を備える。遮断ユニットは、接点ブリッジの開口体積にそれぞれ開口する2つの消弧室を備える。各消弧室は、少なくとも1つの消滅ガス排気チャネルに接続され、前記排気チャネルは、遮断ユニットのケースのライン側のパネルに開口し、前記ライン側のパネルは、切換手段と接触して配置するようにされた別の負荷側のパネルの反対側に位置付けられる。
【0017】
有利には、前記消滅ガス排気チャネルは、遮断ユニットのケースのライン側のパネルに開口する共通ダクトにおいて互いに連結する。
【0018】
好ましくは、第1および第2の消弧室のそれぞれの消滅ガス排気チャネルは長さが異なり、第1のガス排気チャネルに流れる消滅ガスは、ベンチュリ効果によって第2のチャネルに流れるガスを吸引するように設計されている。
【0019】
本発明の一発展形態によれば、消弧室の前記少なくとも1つのガス排気チャネルは、少なくとも1つの金属シートによって被覆された少なくとも1つの内壁を備える少なくとも1つの減圧室を貫通する。
【0020】
本発明による開閉デバイスは、前述した記載に規定されるような少なくとも1つの遮断ユニットを備える。前記開閉デバイスは、接点の作動機構を備え、前記少なくとも1つの遮断ユニットは、一方では、負荷側の端子片5のレベルで、切換デバイス7に接続され、他方では、負荷側の端子片4のレベルで、保護される電流線に接続されるように設計されている。
【0021】
本発明による回路ブレーカは、前述した記載に規定されるような開閉デバイスを備える。前記回路ブレーカは、開閉デバイスの負荷側の端子片に接続される切換デバイスを備える。
【図面の簡単な説明】
【0022】
説明的および非制限的な例示目的でのみ与えられた添付の図面に示す本発明の特定の実施形態の以下の記載から、他の利点および特徴がより明らかになるであろう。
図1A】既知の単極遮断ユニットの側方断面図を示す。
図1B図1Aの遮断ユニットの回転棒片の詳細な斜視図を示す。
図2】本発明の一実施形態による開閉デバイスを備える回路ブレーカの概略的な斜視図を表す。
図3A】本発明の一実施形態による開閉デバイスを備える回路ブレーカの分解斜視図を表す。
図3B】本発明の一実施形態による組み立て過程における開閉デバイスの斜視図を表す。
図4】本発明の好ましい一実施形態による単極遮断ユニットおよびそのケースの一部の斜視図を示す。
図5】本発明の好ましい一実施形態による単極遮断ユニットおよびそのケースの一部の斜視図を示す。
図6】本発明の好ましい一実施形態による単極遮断ユニットおよびそのケースの一部の斜視図を示す。
図7】本発明の好ましい一実施形態による単極遮断ユニットおよびそのケースの一部の斜視図を示す。
図8】本発明の好ましい一実施形態による単極遮断ユニットおよびそのケースの一部の斜視図を示す。
図9A】本発明による遮断ユニットのガス排気チャネルの詳細な断面図を示す。
図9B】本発明による遮断ユニットのガス排気チャネルの詳細な断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の一実施形態によれば、回路ブレーカ100は、開閉デバイス600に関連付けられた切換デバイス7を備える。
【0024】
本発明による開閉デバイス600は、少なくとも1つの単極遮断ユニット10を備える。本発明による単極遮断ユニットは、一方では、負荷側の端子片5のレベルで、切換デバイス7に接続され、他方では、負荷側の端子片4のレベルで、保護される電流線に接続されるよう、設計されている。単極遮断ユニット10はまた、カートリッジとも呼ばれる。
【0025】
図3Aおよび図3Bに表すような本発明の好ましい一実施形態によれば、開閉デバイス600は、3つの単極遮断ユニットを備える。開閉装置100は、三極回路ブレーカである。図示していない他の実施形態によれば、開閉装置は、単極、二極、または四極回路ブレーカであってもよい。
【0026】
本発明の好ましい一実施形態の提示を簡潔にするために、開閉装置100を構成する要素、特に、遮断デバイス600を形成する単極遮断ユニット10は、回路ブレーカ100がパネルの適所に取り付けられた使用位置に関連して記載され、この使用位置において、突出部9は、装着パネルに平行な垂直ハンドルを備え、電線路上にあるライン側の接続端子片4は、上部に位置し、遮断デバイス100の上面74を形成し、切換デバイス7は底部に位置する。「横」、「上」、「底」などの相対位置用語の使用は、限定的要因として解釈されるべきものではない。ハンドルは、電気接点の作動機構8を制御するように設計されている。
【0027】
各単極遮断ユニット10は、単極が中断されることを可能にする。前記ユニットは、有利には、2つの平行な大型パネル14を厚さeだけ引き離した成形プラスチック製の平坦なケース12の形態のものである。特に、例示した実施形態において、厚さeは、定格160Aに対して約23mmである。
【0028】
ケース12は、好ましくは鏡面対称である2つの部品によって形成され、これらの2つの部品は、任意の適切な手段によってそれぞれの大型パネル14を介して互いに固定される。図3の好ましい一実施形態に示すように、ほぞとほぞ穴のタイプの相補型システムにより、ケース12の部品を互いに嵌合するように調節でき、2つの部品(図示せず)の一方は、他方の部品の凹部に入れるのに適した突起部を備える。アレンジメント18がさらに設けられることにより、単極ユニット10のケース12を並置でき、かつ、多極回路ブレーカ100に対して単極ユニット10を固定することができる。
【0029】
単極遮断ユニットは、ケース12に収容された遮断機構20を備える。遮断機構20は、回転軸Yの周りを回転可能な可動接点ブリッジ22を備える。可動接点ブリッジ22は、接触片を備える少なくとも1つの端部を備える。可動接点ブリッジ22の前記接触片は、固定接点と連動して動作するように設計されている。前記ブリッジは、接触片と固定接点41とが離れた状態の開位置と、接触片と固定接点41とが接触した状態の電流位置との間を枢動するように装着される。
【0030】
可動接点ブリッジ22は、前記接点ブリッジを収容する横孔21を有する回転棒片26にフローティング状態で装着される。横収容孔21を貫通する可動接点ブリッジ22が、棒片26から突出している。前記回転棒片26は、遮断ユニット10のケース12の2つのサイドパネル14間に取り付けられている。
【0031】
図5図7および図8に示す本発明の一発展形態によれば、2つの密封フランジ27が、好ましくは、遮断ユニット10の内側と外側との間に耐密性を確保するために、回転棒片26の半径方向表面とサイドパネル14との間にそれぞれ配置される。例示的に、回転棒片の形状により、密封フランジ27は円筒状のものであり、ワッシャ形態のものでありうる。
【0032】
回転棒片26は、横収容孔21とサイドパネル14との間に直接的に接続された状態の少なくとも1つのチャネル29を備える。これによって、消滅ガスが前記チャネル29を介して少なくとも1つの密封フランジ27に直接的に流れることができ、このことにより、サイドパネル14の一方に少なくとも1つの密封フランジ27を押圧して耐密性を達成することができる。
【0033】
第1の別の一実施形態によれば、回転棒片26は、好ましくは、横収容孔21と半径方向表面との間にそれぞれ接続された2つのチャネル29を備える。これによって、消滅ガスが2つのチャネル29を介して密封フランジ27に直接的に流れることができ、このことにより、サイドパネル14に密封フランジ27を押圧して耐密性を達成することができる。
【0034】
第2の別の実施形態によれば、回転棒片26のチャネル29は、好ましくは、貫通路であり、第1の半径方向表面から第2の半径方向表面へ回転棒片26を完全に貫通する。前記貫通チャネル29は、好ましくは、回転棒片26の長手軸に平行な長手軸を有する。貫通チャネル29は、好ましくは、消滅ガスが、棒片の長手軸に実質的に整列され、密封フランジに均一に分配された推力を働かせることができるように、回転棒片26の長手軸に整列された長手軸をさらに有する。
【0035】
密封フランジ27の特定の実施形態によれば、前記フランジは、横収容孔21を部分的に閉鎖するために、回転棒片26の長手方向の表面を少なくとも部分的に被覆する側材を備える。側材は、好ましくは、密封フランジ27の円筒状周辺部全体にわたって位置付けられる。
【0036】
図5図8に示す好ましい実施形態によれば、遮断機構20は、二重回転遮断タイプのものである。本発明による開閉装置100は実際に、特に、最大630Aの応用を設計したものであり、ある応用においては、最大800Aであり、この場合、単一の遮断では不十分な場合がある。次に、可動接点ブリッジ22は、各端部で接触片を備える。接点ブリッジ22の接触片は、好ましくは、回転軸Yに対して対称的な位置に設けられる。横収容孔21を貫通する回転可動接点ブリッジ22は、棒片26の両側で突出する。遮断ユニットは、可動接点ブリッジ22の接点端子片と連動して動作するように設計された一対の固定接点41、51を備える。前記ブリッジは、接触片と固定接点41、51とが離れた状態の開位置と、接触片と固定接点41、51とが接触した状態の電流位置との間を枢動するように装着される。第1の固定接点41は、ライン側の端子片4によって電流線に接続されるように設計されている。第2の固定接点51は、負荷側の端子片5によって切換デバイス7に接続されるように設計されている。単極遮断ユニット10は、電気アークを消すための2つの消弧室24を備える。各消弧室24は、接点ブリッジ22の接点端子片と固定接点41、51との間の開口体積に開口する。各消弧室24は、2つの側壁24A、開口体積から離れた背壁24B、固定接点付近の底壁24Cおよび上壁24Dによって輪郭が形成されている。図5に示すように、各消弧室24は、消滅ガスの交換空間によって互いに分離された少なくとも2つの脱イオンフィン25の積み重ねを備える。
【0037】
特に、本願と同一の出願人によって本願と同日に出願され、「Switchgear device having at least one single‐pole breaking unit comprising a contact bridge and circuit breaker comprising such a device」という発明の名称を有する仏国特許出願に記載されているような本発明の特定の実施形態によれば、遮断ユニット10のケース12は、ガスの流れを最適化するための装置をさらに備える。各消弧室24は、少なくとも1つの消滅ガス排気チャネル38、42に接続された少なくとも1つの排出口を備える。前記排気チャネル38、42は、別の負荷側のパネルとは反対側に位置付けられたケース12のライン側のパネル上に配置された、少なくとも1つの貫通孔40を介してガスを除去するように設計されている。ケース12の負荷側のパネルは、切換デバイス7と接触させて配置されるように設計されている。
【0038】
各消弧室24は、ガス排気チャネル38、42に接続された2つのフィン25の間の、少なくとも1つの交換空間を備える。すべての交換空間は、好ましくは、背壁に開口する体積から所定の距離に位置するエリアのレベル、および、消弧室24の側壁のレベルで、ガス排気チャネル38、42に接続される。
【0039】
この実施形態によれば、単極遮断ユニット10の接点ブリッジ22および回転棒片26の組み立ては「逆に」される。接点作動機構8(図2および図3Aを参照)のハンドル9が、動作中、回路ブレーカ100の開閉デバイス600の中心に合わせられることが望ましく、その場合、電気的線路保護デバイスの保護フロントパネルは対称的でありうる。この目的のために、棒片26の回転方向の反転が選択される。すなわち、端子片5と切換デバイス7との接続部は回路ブレーカ100の後方に向いた位置にあり、ライン側の接続用の端子片4は上部で前方に向いた位置にある。
【0040】
したがって、可動接点ブリッジ22は、接点の開位置と閉位置との間を時計回りの方向に回転する方式のものである。このように、回転接点ブリッジの回転方向が逆になる、この好ましい一実施形態においては、負荷側の端子片5に接続された接点からのガス排気口は、従来は下方に向けられるとともに装置の後方に向けられるが、遮断ユニット10の上部および正面に設けられる。装置の背部および底部に位置する領域は、切換デバイス7、および、存在する場合は任意の固定支持体、特に、DINレールなどが配置される領域に対応する。特に、遮断ユニット10のケース12の実質的に矩形状の筐体は、第1のガス排気チャネル38によって正面側に及ぶ。前記第1のチャネルにより、消滅ガスは、切換デバイス7に連結された負荷側の端子片5から開閉装置100の上部へ向けることができる。消滅ガスは、貫通孔40を介してケースの外側へ除去される。また、遮断デバイスの上部、特に、ライン側の端子片4の上方に貫通孔40を位置付けると、アーク閃絡の危険性が下がる。
【0041】
ライン側の端子片4に接続された接点41から発出する排気ガスは、さらに有利には、上へ向けられ、かつ、少なくとも1つの第2の排気チャネル42を介して遮断ユニット10の前方へ向けられる。特に、前記少なくとも1つの排気チャネル42は、遮断ユニット10のケース12の平行な大型パネル14に少なくとも部分的に位置付けられる。
【0042】
図6に表されているように、一発展形態によれば、2つの側方排気チャネル42は、遮断ユニット10のケース12の外側に部分的に配設される。これらの2つのチャネルは、同一の消弧室24に接続される。各側方排気チャネル42は、2つの孔44A、44Bによってケース12の内側に接続される。側方排気チャネル42における外側の部分は、好ましくは、ケース12の壁にくり抜かれてもよい。
【0043】
図5および図6に表す本発明の発展形態によれば、すべてのガス排気チャネル38、42は、遮断ユニット10のケース12のライン側のパネルに開口する共通ダクトにおいて互いに連結する。次に、消滅ガスが、単一の貫通孔40を介して除去される。このようにして、消弧室24で遮断が起こったときに発生するガスは、有利には、切換デバイス7から、そして存在する場合は例えばDINレールのような任意の固定支持体から、離れる方向に向けられる。
【0044】
第1の別の実施形態によれば、第1および第2の消弧室24のそれぞれのガス排気チャネル38および42は、異なる長さのものであり、第1のガス排気チャネルに流れる消滅ガスは、ベンチュリ効果によって第2のチャネルに流れるガスを吸引するように設計されている。
【0045】
有利には、ケース12の各部品は、遮断機構20を構成する様々な要素、特に、消弧室24の各々のための2つの対称的なハウジング、および、棒片26の取り付けを可能にする円形の中央ハウジングにおける比較的安定な位置付けを可能にする内部構成で成形される。
【0046】
特に、本願と同一の出願人によって本願と同日に出願され、「Functional spacer for separating the cartridges in a multipole breaking device and circuit breaker」という発明の名称を有する仏国特許出願に記載されているような本発明の特定の実施形態によれば、単極ユニット10は、二重筐体48を形成するよう、スペーサ46を用いて組み立てられる。このアーキテクチャを利用して、スペーサ46に部分的に各側方排気チャネル42を一体化することが有利である。特に、図4に示すように、スペーサ46は成形されたプラスチックから構成されており、主に、遮断ユニット10の大型パネル14に平行になるように設計された中央仕切り52を備える。このように、2つのスペーサ46を並置することで、単極遮断ユニット10が収容されるキャビティ56が画定される。有利には、各スペーサ46の2つの対向する底縁部54は、スペーサ46が互いに締め付けられると、実質的にしっかりと密封させてキャビティ56の背面でキャビティ56を閉鎖する。スペーサ46は、第2の側方ガス排気チャネル42を部分的に画定する構成を備える。有利には、各側方排気チャネル42は、2つの排出孔44A、44Bと、中央仕切り52上の対応する要素68のエッチングおよび/または突出外形との間で、カートリッジ10のケース12の外部大型パネル14において部分的にエッチングされる。カートリッジ10でのスペーサ46の並置および締め付けが実行されると、ガスを、仕切り52に沿って排出孔44Aから上部孔44Bへ向けることができる。
【0047】
単極遮断ユニット10は、同時に駆動されるように設計され、この目的のために、特に、棒片26のレベルで少なくとも1つのロッド30によって、および、例えば、可動接点ブリッジ22の制限ストッパを形成する孔32によって連結される。好ましい実施形態によれば、単一の駆動ロッド30が使用され、ケース12の各部品は、電流位置と開位置との間の孔34を通過するロッド30の可動を少なくとも可能にする、円弧の形状の孔34を備える。
【0048】
図5図7に表すような本発明の特定の実施形態によれば、前記少なくとも第2のガス排気チャネル42は、金属シート85によって被覆された少なくとも1つの壁を備える少なくとも1つの減圧室43を貫通する。
【0049】
前記シートによって被覆された内壁は、好ましくは、減圧室43の一部を形成する。金属シート85は、遮断から生じる金属粒子を捕捉するという役割を一方で担う粒子トラップを構成する。これによって、一方では、トラップから下流の位置にあるプラスチック部品を熱的に保護することができ、他方では、消滅ガスの温度を低下させることができる。粒子トラップは、前記少なくとも1つの金属シート85の後方の位置にあるチャネルのプラスチック部品をさらに保護し、かつ、ケース12の密封表面の耐密性を高める。
【0050】
ガス排気チャネルの内壁を少なくとも部分的に被覆する少なくとも1つの金属シート85を使用することで、電流遮断が起きたときに、セパレータ、接点および導体の腐食から生じる溶融鉄鋼および銅球を良好に捕捉できる。前記少なくとも1つの金属シートの厚さは、溶融球が金属シートを貫通するのを防ぐ程度の最小限の厚さである。最小厚さは、好ましくは、0.3〜3mmであり、製品の遮断エネルギーに応じて調節される。
【0051】
前記少なくとも1つの金属シート85は、鋼、銅または鉄ベースの合金から構成されている。
【0052】
図9Aに表されているように、粒子トラップの前記少なくとも1つの金属シート85によって被覆された排気チャネルの内壁は、ガスの流れ方向に対して45°〜140°の角度αをなす。前記少なくとも1つの金属シートを支持する壁は、好ましくは、消滅ガスの流れ方向に対して垂直な平面(α=90°)の中にある。実際、前記少なくとも1つの金属シート85を、ガスの流れの曲線または曲線の出口に配置することによって、シートに対する粒子の押圧および付着が遠心力により促される。
【0053】
前記少なくとも1つの金属シート85は、排気チャネルの内面を少なくとも部分的に被覆する。金属シートは、チャネルの長手軸に沿って延伸する。流れ方向において前記少なくとも1つの金属シート85によって被覆される内壁の全長Lは、前記シートから上流で測定されたチャネルの流れSの最小断面の平方根に少なくとも等しい。最大可能長さは、ガスの温度を低下させるのに望ましい。要求された最小長さは、以下の式に従って表される。
L≧√Smin
Sminは、排気チャネルの最小断面からなる表面である。
【0054】
前記少なくとも1つの金属シート85は、ガスの流れ方向に対して垂直な方向において、排気チャネルの内周部P上でさらに延びる。前記シートが延びる要求最小距離Iは、以下の式に従って表される。
Pm/10≦I≦Pm
Pmは、粒子トラップが位置するガス排気チャネルの平均周囲である。
【0055】
前記減圧室は、好ましくは、消弧室の排出口に対して可能な限り近くに位置付けられる。特定の実施形態によれば、減圧室は、消弧室24の底壁の下に配置される。
【0056】
実施形態の第2の変形例によれば、ガス排気チャネル38が、消滅ガスの流れによって回転して駆動されるように設計された回転弁45を備える。第1の位置から第2の位置へ弁が回転すると、開閉装置の切換手段を動作させて接点の開口をもたらすように設計されている。
【0057】
このようにして得られる本発明による回路ブレーカ100により、一見して対立する以下の工業上の要件を可能な限り最良に適合できる。
‐可動接点ブリッジ22を用いた二重遮断を使用することにより、最大800Aの全範囲に対して同じアーキテクチャを使用できる。
‐遮断機構20の信頼性および最適化は、十分に実証済みの解決策を用いることで確保される。
‐切換デバイス7は、開閉デバイス600の負荷側の端子片に底部を介して接続され得る。このため、回転接点遮断ブリッジ22の回転方向における反転により、接続ねじへの良好な接近性をもたらすことができる。
‐切換デバイス7の互換性は十分であり、開閉装置100の大幅な遅延差別化が可能である。
‐開閉デバイス600の突出部9は、遮断ユニット10における回転方向の反転により、特に、42.5mmで中心に合わせられ、これによって、対称的なフロントカバープレートをキャビネットに使用することができる。
‐消滅ガスは切換デバイス7に隣接した位置では除去されず、これによって、特に、電子的なものである場合に感応性が高い可能性があるこのような要素への汚染を制限し、空間を解放する。
‐消滅ガスの排出が、回路ブレーカ100の接続部4、5の下で実行されなくなり、これによって、遮断時のアーク閃絡の危険性を制限することができる。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B