特許第5697683号(P5697683)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5697683RF装置、RFカードリーダ、関連する通信システムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5697683
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】RF装置、RFカードリーダ、関連する通信システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/07 20060101AFI20150319BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20150319BHJP
   H04B 5/02 20060101ALI20150319BHJP
   H04B 1/59 20060101ALI20150319BHJP
【FI】
   G06K19/07 230
   G06K7/10 148
   H04B5/02
   H04B1/59
【請求項の数】22
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-542337(P2012-542337)
(86)(22)【出願日】2009年12月31日
(65)【公表番号】特表2013-513837(P2013-513837A)
(43)【公表日】2013年4月22日
(86)【国際出願番号】CN2009076349
(87)【国際公開番号】WO2011069312
(87)【国際公開日】20110616
【審査請求日】2012年12月27日
(31)【優先権主張番号】200910250430.8
(32)【優先日】2009年12月9日
(33)【優先権主張国】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】510117931
【氏名又は名称】ネイションズ テクノロジーズ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100105463
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100102576
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 敏章
(74)【代理人】
【識別番号】100101063
【弁理士】
【氏名又は名称】松丸 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100153903
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 明
(72)【発明者】
【氏名】ユー,ユンボ
(72)【発明者】
【氏名】ジュウ,シャン
(72)【発明者】
【氏名】オーヤン,リー
【審査官】 久保 正典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−177775(JP,A)
【文献】 特開平09−212603(JP,A)
【文献】 社団法人日本自動認識システム協会編,「よくわかるRFID −電子タグのすべて−」,日本,株式会社オーム社,2008年 8月10日,第1版,p.22〜25
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K19/00−19/18
G06K7/00−7/14
G06K17/00
H04B1/59
H04B5/00−5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFリーダ装置とRF信号を交換するように構成されたRFトランシーバモジュール、
RFアンテナ、
磁界を検出し、前記磁界の強度の変化を検出し、前記磁界の変化情報を抽出するように構成された磁気モジュール、
前記磁界の前記変化情報を処理するように構成されたマイクロコントローラ、
を備えることを特徴とするRF装置。
【請求項2】
前記磁気モジュールは、コイル、ホールデバイス、または磁気誘導スイッチのうち1つを備える
ことを特徴とする請求項1記載のRF装置。
【請求項3】
前記RFトランシーバモジュール、前記RFアンテナ、前記磁気モジュール、前記マイクロコントローラは、全て集積回路(IC)カード内に統合されている
ことを特徴とする請求項1記載のRF装置。
【請求項4】
前記磁気モジュールは、所定の検出範囲を有することを特徴とする請求項1記載のRF装置。
【請求項5】
前記磁気モジュールが磁界を検出していない場合は、前記RFトランシーバモジュールと前記マイクロコントローラは休止状態にあり、
前記磁界が検出された場合は、前記磁気モジュールは検出された磁界を電気信号に変換し、前記RFトランシーバモジュールと前記マイクロコントローラが起動される
ことを特徴とする請求項1記載のRF装置。
【請求項6】
前記磁気モジュールは、前記電気信号と比較して前記RFトランシーバモジュールと前記マイクロコントローラを起動すべきか否かを判定するための、所定の閾値を有する
ことを特徴とする請求項5記載のRF装置。
【請求項7】
前記閾値は調整可能であることを特徴とする請求項6記載のRF装置。
【請求項8】
前記RF装置は、集積回路(IC)カード、SDIOカード、SDカード、MMCカード、マザーボード、または装置筐体に直接統合されている
ことを特徴とする請求項1記載のRF装置。
【請求項9】
前記ICカードはSIMカードであることを特徴とする請求項8記載のRF装置。
【請求項10】
前記マイクロコントローラは、ICカード、SDIOカード、SDカード、MMCカード、またはマザーボードのプロセッサである
ことを特徴とする請求項1記載のRF装置。
【請求項11】
前記RF装置は、モバイル端末内または固定端末内に配置されている
ことを特徴とする請求項1記載のRF装置。
【請求項12】
前記モバイル端末は、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、またはラップトップコンピュータであり、
前記固定端末は、パーソナルコンピュータ、工業用制御コンピュータ、自動現金預払機(ATM)、またはアクセス制御端末である
ことを特徴とする請求項11記載のRF装置。
【請求項13】
RF装置とRF信号を交換するように構成されたRFトランシーバモジュール、
RFアンテナ、
磁界を生成し磁界信号を送信するように構成された磁気送信モジュール、
前記磁気送信モジュールを制御し、前記磁気送信モジュールに対して前記磁界の強度を変化させるよう指示するように構成されたマイクロコントローラ、
を備え、
前記磁気送信モジュールはさらに、前記マイクロコントローラからの指示にしたがって前記磁界の強度を変化させるように構成されている
ことを特徴とするRFリーダ装置。
【請求項14】
前記磁界は非交流磁界であることを特徴とする請求項13記載のRFリーダ装置。
【請求項15】
前記磁界は、低周波数交流磁界である
ことを特徴とする請求項13記載のRFリーダ装置。
【請求項16】
前記低周波数交流磁界は、約0.1kHz〜100kHzの周波数を有する
ことを特徴とする請求項15記載のRFリーダ装置。
【請求項17】
前記低周波数交流磁界は、約1kHz〜30kHzの周波数を有する
ことを特徴とする請求項15記載のRFリーダ装置。
【請求項18】
前記低周波数交流磁界は、約1kHz、2kHz、5kHz、10kHz、20kHz、30kHz、または50kHzの周波数を有する
ことを特徴とする請求項15記載のRFリーダ装置。
【請求項19】
前記磁気送信モジュールは、前記マイクロコントローラから指示されると、振幅可変の磁界を送信するように構成されている
ことを特徴とする請求項13記載のRFリーダ装置。
【請求項20】
前記磁気送信モジュールは、所定の有効通信距離を有する
ことを特徴とする請求項13記載のRFリーダ装置。
【請求項21】
前記磁気送信モジュールは、指示情報を前記磁界信号に変調するように構成されている
ことを特徴とする請求項13記載のRFリーダ装置。
【請求項22】
前記磁気送信モジュールは、ON−OFFキーイング方式(OOK)または時間変調方式を介して、指示情報を前記磁界信号へ変調するように構成されている
ことを特徴とする請求項21記載のRFリーダ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線周波数(RF)端末とRF通信装置との間で距離制御可能な短距離の安全なデータ通信を実施する装置、方法、およびシステムに関する。より具体的には、短距離RF通信装置(例えば、POS機器またはカードリーダ)と通信する短距離RF通信機能を有するRF装置(例えばRFカード)またはRF通信端末(例えば携帯電話、PDA)を備えた距離制御通信装置、システム、および安全な通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、RF通信端末、特にRFカードは、一般的になっている。これにともない、モバイルまたは固定通信端末に短距離通信機能を設けることに対する要求は、次第に強くなっている。特に、携帯電話のようなモバイルRF通信端末を用いることによる電子支払を実現する機能に対する要求は強い。今日においては、携帯電話の契約者識別モジュール(SIM)カード(SIMカードとして知られている)にRF機能を追加するか、または携帯電話のマザーボードに短距離通信モジュールを追加することにより、携帯電話の短距離通信を実現する方法が存在する。上記のような方法が登場することにより、携帯電話を、チャージ、消費、取引、ID認証などができるスーパースマート端末にすることができる。これは市場の活発な要求によく合致している。
【0003】
携帯電話のRF SIMベースの短距離手段は、簡易で携帯電話を変更する必要がないという利点があるので、幅広く関心をもたれている。この手段において、RF SIMにより、極超短波(UHF)のような技術を用いて、RF SIMカードが携帯電話の内部に組み込まれたとき、RF信号を携帯電話から送信することができる。これにより携帯電話は、既存の携帯電話の構造を変更することなく短距離通信機能を備えることができる。しかし、内部構造が異なる携帯電話は、RF信号の送信効率が非常に多様である。送信器能が強力な携帯電話のRF SIMカードは、RF通信距離が数メートルである。送信器能が弱い携帯電話のRF SIMカードは、RF通信距離が数十センチである。バスや地下鉄におけるスワープカードのようなモバイル支払アプリケーションにおいては、通信の安全を確保するため、一般に通信距離に関する厳密な制約がある。例えば、損失を生じさせるユーザが気づかないカードの誤スワープを避けるため、通信距離は10cm以内に限定する必要がある。一方で、通信距離内の通信の信頼性を確保し、通信効率を向上させる必要がある。したがって、RF SIMベースの携帯電話は、短距離通信機能を用いている間は、通信範囲を効率的に制御できることが望ましい。
【0004】
既存のRF通信技術において、距離制御可能な通信は、ISO14443規格に基づく非接触カード技術により実現することができる。同技術において、カードリーダは継続的に交流磁界送信信号およびエネルギーを送信する。カードがカードリーダに接近したとき、内部コイルはエネルギーを検出し、非接触カードの内部回路は動作することができる。一方で、内部の信号を復調し、カードとカードリーダとの間の通信を実現する。磁界エネルギーが距離に応じて著しく減衰するため、長距離送信することは難しい。そのため、上記技術を用いて距離制御可能通信を実現する。しかし実際には、上記技術はSIMカードのような組込デバイスのRFカードに適用することが難しい。その理由は、SIMカードのような製品は比較的面積が小さく、携帯電話の内部に組み込まれるからである。これは、バッテリーその他の金属を含む構成部品が携帯電話内に存在し、交流磁界が渦電流を生成して急速に減衰し、カードリーダが照射した磁力エネルギーおよび信号が携帯電話を貫通してRF SIMカードと通信することができなくなることによる。この問題は、長年解決することができないでいる。例えば日本において、携帯電話を用いた電子支払は一般的である。しかし、特別に設計された携帯電話のみ、支払に必要な短距離通信を実施するために用いることができる。上記のようなモードにおけるモバイル支払を実施するための事業コストは、SIMカードを変更するのみによって実現するモバイル支払を実施するためのコストよりもずっと高い。ISO14443技術は、SIMカード上では実現することができない。これが、日本においてSIMカードを変更するのみのモードが用いられない理由である。
【0005】
中国特許出願第200810142624.1号の発明は、モバイル端末のRF通信距離を制御するシステムおよび方法を提案している。同方法はまず、テスト手順を通じて、無線制御端末上の無線モバイル端末の各タイプについて対応する近接場スペクトルを確立する。検出器アレイを利用して、現在の無線モバイル端末の磁界強度をマッチングアルゴリズムで近接場スペクトルと比較し、比較の合致度を取得する。得られた合致度は、あらかじめ無線制御端末内にセットされ、無線モバイル端末のタイプに対応する閾値と比較される。これにより、現在の無線モバイル端末と無線制御端末との間の距離が規定距離内にあるか否かを判定する。上記方法は、実験などの手法により、最初に各無線制御端末について近接場スペクトルを取得することを必要とする。これは較正と呼ばれ、手順に関する要件が厳密であり、比較的複雑である。さらに上記方法は、RF信号の強度に基づいており、RF信号の干渉に影響を受け易い。そのため、システムが干渉を遮断し除去しようとする場合は、複雑な手法を必要とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
ISO14443および中国特許出願第200810142624.1号の技術的欠点を除去するため、本発明は、RF装置、対応するRFカードリーダ、通信システム、および上記RF装置とRFカードリーダを利用するRF安全通信方法を提案する。これらは、RF装置(特にデバイスに組み込まれたRFカード、例えばRF SIMカード)とRFカードリーダとの間の短距離通信の距離制御の課題のためのものである。上記通信システムは、磁界を用いることにより通信認証を実施し、通信距離および通信を送信した者のIDを確認する。その後、高周波RF信号は携帯電話の内部構造を貫通し高速データ交換を実現できるという特性を用いることにより、ID認証と通常通信を実施する。これにより、距離制御可能な短距離安全通信を実現する。上記システムは、RF装置を含むRF通信端末(例えばRF SIMカードを有する携帯電話)とRF通信装置(例えばカードリーダ)との間のデータ通信距離(すなわち取引距離)を、あらかじめ定めた範囲内で確実に制御することができる。
【0007】
本発明は、少なくとも1つのRFトランシーバモジュール、少なくとも1つのRFアンテナ、少なくとも1つの磁気誘導レシーバモジュール、少なくとも1つのマイクロコントローラを備えるRF装置を提供する。磁気誘導レシーバモジュールは、磁界を検知し、磁界の変化情報を検出することができる。RFトランシーバモジュールは、少なくとも1つのRFアンテナおよび少なくとも1つのマイクロコントローラにそれぞれ電気的に接続されている。マイクロコントローラは、送受信するRF情報を処理する。磁気誘導レシーバモジュールは、少なくとも1つのマイクロコントローラに電気的に接続されている。マイクロコントローラは、磁界の変化情報を処理する。
【0008】
さらに、磁気誘導レシーバモジュールは、ソレノイドコイル、ホールデバイス、または磁気誘導スイッチで構成することができる。
【0009】
さらに、RFトランシーバモジュール、RFアンテナ、マイクロコントローラ、磁気誘導レシーバモジュールは、1つのカード本体に統合されている。
【0010】
さらに、磁気誘導レシーバモジュールの誘導距離は、所定範囲内にセットされる。
【0011】
さらに、磁気誘導レシーバモジュールが磁界を検知しないとき、RFトランシーバモジュールとマイクロコントローラ(RF装置上にその他のモジュールを含んでもよい)は、休止状態にある。磁気誘導レシーバモジュールが磁界を検知したとき、検出した磁界信号は電気信号に変換され、RFトランシーバモジュールとマイクロコントローラが起動される(RF装置上のその他のモジュールを同時に起動してもよい)。
【0012】
さらに、閾値または閾値範囲が磁気誘導レシーバモジュール内にあらかじめセットされる。変換された電気信号が閾値または閾値範囲に合致したとき、RFトランシーバモジュールとマイクロコントローラが起動され(RF装置上のその他のモジュールを同時に起動してもよい)、そうでない場合は起動されない。
【0013】
さらに、磁気誘導レシーバモジュール内にあらかじめセットされた閾値または閾値範囲は、調整することができる。
【0014】
さらに、RF装置は、集積回路(IC)カード、SDIOカード、SDカード、MMCカード、装置のマザーボード、または装置筐体に直接統合することができる。すなわちRF装置は、全体としてその他のカード(例えばSIMカード)、マザーボード、または装置に統合することができる。
【0015】
さらに、RF装置は、ICカード、SDIOカード、MMCカード、またはマザーボード上のCPUを、マイクロコントローラとして直接用いることができる。
【0016】
さらに、RF装置は、モバイル装置内または固定装置内に配置されている。モバイル装置は、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、またはラップトップコンピュータである。固定端末は、パーソナルコンピュータ、工業用制御コンピュータ、自動現金預払機(ATM)、またはアクセス制御端末である。
【0017】
上述の技術手段は、互いに組み合わせて、より望ましい技術手段を備えたRF装置を形成することもできる。
【0018】
本発明はさらに、少なくとも1つのRFトランシーバモジュール、少なくとも1つのRFアンテナ、少なくとも1つのマイクロコントローラを備えたRFカードリーダを提供する。RFトランシーバモジュールは、少なくとも1つのRFアンテナと少なくとも1つのマイクロコントローラにそれぞれ電気的に接続されている。マイクロコントローラは、送受信するRF情報を処理する。RFカードリーダはさらに、誘導磁界を生成し送信する少なくとも1つの磁気送信モジュールを備える。磁気送信モジュールは、少なくとも1つのマイクロコントローラに電気的に接続されている。磁気送信モジュールは、マイクロコントローラからの指示情報に基づき磁界を送信することができる。
【0019】
さらに、磁気送信モジュールが送信した磁界は、非交流磁界でもよい。
【0020】
さらに、磁気送信モジュールが送信した磁界は、非常に低周波数の交流磁界でもよい。
【0021】
さらに、交流磁界は100KHz〜0.1KHzの周波数を有するものでもよい。
【0022】
さらに、交流磁界は30KHz〜1KHzの周波数を有するものでもよい。
【0023】
さらに、交流磁界は50KHz、30KHz、20KHz、10KHz、5KHz、2KHz、または1KHzの周波数を有するものでもよい。
【0024】
さらに、磁気送信モジュールは、マイクロコントローラからの指示情報に基づき振幅可変の磁界を送信する。
【0025】
さらに、磁気送信モジュールが送信する磁界は、磁界分布の変化が全くないかまたは小さい磁界である。
【0026】
さらに、磁気送信モジュールの送信距離は、あらかじめ定めた範囲内にセットされる。
【0027】
さらに、磁気送信モジュールは、指示情報を送信磁界に変調する。
【0028】
さらに、変調モードは、ON−OFFキーイング方式または時間変調方式である。
【0029】
上述の技術手段は、互いに組み合わせて、より望ましい技術手段を備えたRFカードリーダを形成することもできる。
【0030】
本発明はさらに、RF安全通信システムを提供する。同システムは、上述のRF装置、上述のRFカードリーダを備える。距離制御は、磁界を通じて実施される。ID認証は、磁界と無線周波数を通じて実施される。情報通信は、RF装置とRFカードリーダとの間の無線通信を通じて実施される。
【0031】
本発明はさらに、RF安全通信方法を提供する。同方法において、磁界を検知し磁界の変化情報を検出することができる少なくとも1つの磁気誘導レシーバモジュールが、RF装置上で提供される。誘導磁界を生成し送信する少なくとも1つの磁気送信モジュールがRFカードリーダ上で提供される。同方法は、以下のステップを有する。
【0032】
ステップa:RFカードリーダ上の磁気送信モジュールは、あらかじめセットされた指示情報を磁界信号に変調し、その磁界信号を送信する。
【0033】
ステップb:RF装置上の磁気誘導レシーバモジュールが磁気送信モジュールによって送信された磁界を受信すると、磁界内の指示情報が復調される。
【0034】
ステップc:RF装置は、変調によって得られた指示情報に基づき、RFチャネルを介して、対応するRF情報をRFカードリーダへ送信する。
【0035】
ステップd:RFカードリーダは、RFチャネルが受信したRF情報に基づき、ID認証を実施する。
【0036】
ステップe:ID認証が成功した場合、RFカードリーダとRF装置との間の無線通信を介して情報通信が実施される。そうでなければ、動作は実施されない。
【0037】
さらに、磁気送信モジュールが送信した磁界は、非交流磁界でもよい。
【0038】
さらに、磁気送信モジュールが送信した磁界は、非常に低周波数の交流磁界でもよい。
【0039】
さらに、交流磁界は100KHz〜0.1KHzの周波数を有するものでもよい。
【0040】
さらに、交流磁界は30KHz〜1KHzの周波数を有するものでもよい。
【0041】
さらに、交流磁界は50KHz、30KHz、20KHz、10KHz、5KHz、2KHz、または1KHzの周波数を有するものでもよい。
【0042】
さらに、磁気送信モジュールは、あらかじめセットされた指示情報に基づき振幅可変の磁界を送信する。
【0043】
さらに、磁気送信モジュールが送信する磁界は、磁界分布の変化が全くないかまたは小さい磁界である。
【0044】
さらに、ステップaにおいて、変調モードはON−OFFキーイング方式または時間変調方式である。
【0045】
さらに、ステップcにおいて、RF装置は、RFチャネルを介して、変調によって得られた指示情報をRFカードリーダに直接送信する。ステップeにおいて、RFカードリーダがRFチャネルから受信したRF装置からの指示情報があらかじめセットした指示情報と同じである場合はID認証が成功し、そうでなければID認証は失敗する。
【0046】
さらに、磁気送信モジュールの通信距離は、規定範囲内にセットされる。
【0047】
さらに、磁気誘導レシーバモジュールの検知範囲は、規定範囲内にセットされる。
【0048】
さらに、磁気誘導レシーバモジュールが磁界を検知しないとき、RF装置上の他のモジュールは休止状態にある。磁気誘導レシーバモジュールが磁界を検知したとき、検出した磁界信号は電気信号に変換され、RF装置上の他のモジュールは起動する。
【0049】
さらに、閾値または閾値範囲は、磁気誘導レシーバモジュール内にあらかじめセットされる。変換した電気信号が閾値または閾値範囲に合致したとき、RF装置上の他のモジュールは起動し、そうでなければ起動しない。
【0050】
さらに、磁気誘導レシーバモジュール内にあらかじめセットされた閾値または閾値範囲は、調整することができる。
【0051】
上述の技術手段は、互いに組み合わせ、より望ましい技術手段を備えたRF安全通信方法を形成することができる。
【0052】
従来技術における、RF装置(特に装置に組み込まれたRFカード、例えばRF SIMカード)とRFカードリーダとの間の短距離通信の距離制御の課題は、本発明の解決手段を用いることにより、克服することができる。本発明において、まず通信範囲は磁界を通じて制御される。さらにID認証は、磁界を通じて実施される。RFカードとRFカードリーダとの間の無線通信を介して、確実な通信(例えば、ID認証、非接触電子取引)を実施することができる。
【0053】
本発明の重要な望ましい技術手段として、本発明におけるRFカードリーダの磁気送信モジュールが送信する磁界は、非交流磁界である。
【0054】
物理法則により、磁界エネルギーは距離が増えると急速に減衰する。さらに、磁界の特性は周辺環境に対する感度が比較的小さく、その特性は比較的安定し信頼性がある。しかし、交流磁界と磁界内の静磁場のような非交流磁界は、物体を通過する能力に関する特性が非常に異なる。
【0055】
交流磁界の磁力線は常に変わるので、金属物体が磁界に接近しているとき、磁力線を横断する移動が必ず生じ、金属物体内に渦電流が形成され、磁界強度の損失が生じる。これにより、磁界の貫通能力が大きく減少する。上述のように、13.56MHzのISO14443技術を利用する非接触カードシステムは、交流磁界を用いる通信のみを実施する。しかし、RF ICカードが携帯電話のような端末内部に配置されたとき、携帯電話内の金属部品、モバイル端末の筐体金属部品などの影響により、カードリーダの磁気信号はこれら金属を貫通してICカードとの通信を確立することが非常に困難である。上記のような状況は、金属筐体を有する携帯電話にとってはより深刻である。これは特に、交流磁界が中間周波数または高周波数の交流磁界である場合にあてはまる。例えば、125KHz以上の交流磁界、またはISO14443技術における13.56MHzの交流磁界のような1MHz以上の交流磁界である。磁気信号のうち装置の筐体を貫通するものがあったとしても、信号が不安定であるか、または通信用には弱すぎる場合もある。
【0056】
静磁場のような非交流磁界については、磁力線は方向や位置があまり変化しない。金属物体が磁界に接近し静止しているとき、磁力線を横断する移動は生じず、金属物体内に渦電流は生じない。そのため、磁界は容易に金属を通過することができる。本発明のさらに進歩した技術手段において、非交流磁界の良好な貫通能力を利用して、距離制御可能な短距離安全通信を実現する。これにより、従来の電磁界通信と交流磁界通信では解決できなかった、信号通過と制御可能な通信距離に関する主要な技術課題を解決する。非交流磁界のデメリットは、実施可能な変調速度が高くないことである。例えば通信速度は1KHzに達しない。しかし、本発明のRFカードリーダは非常にわずかな量の情報コードをRFカードに送信するためのみにそれを用い、IDを検証し、悪意の攻撃を回避する。そのため、上述の課題は本発明で説明するようにアプリケーションに影響しない。
【0057】
本システムは、特性の異なる2つの通信チャネルがあることを特徴とする(例えばモバイル装置内に配置されたRF SIMカード)。
【0058】
1)安定で距離制御可能、かつ非交流磁界を用いて実施した通信によって生成された低速1方向の第1チャネルを用いて、ID認証を実施するための少量の情報を送信し、悪意の干渉および攻撃を回避する。RFカードリーダは、指示情報ルールに基づき磁気送信モジュールを制御し、磁界強度を変化させるが、磁界分布は全く変化しないかわずかに変化するのみとし、渦電流を回避する。これにより、磁界の貫通能力を向上させる。RF SIMカード内の磁気誘導レシーバモジュールは、磁界強度の変化を検知し、変化情報を抽出することができる。そのため、RFカードリーダとRF SIMカードとの間の1方向情報送信を実現することができる。この情報は、RFカードリーダとRF SIMカードの通信のような主要通信のIDを検証するためのものである。
【0059】
2)RFトランシーバによって形成された高速な第2通信チャネルを用いて、ID認証を完了し、主要通信を実施する。RF信号高速通信を、RFカードリーダとRF SIMカードとの間で、RFトランシーバモジュールを直接介して実現することができる。RFカードリーダとRF SIMカードとの間のID認証は、このRF信号通信を通じて、磁気誘導により送信された情報を用いることにより実施される。これにより、通常通信が実施される。
【0060】
磁界、特に非交流磁界は、距離増加にともないエネルギーが急速に減衰する。磁界特性は、周辺環境の影響を受けにくい。金属物体、導体、または人体が存在するか否かによらず、磁界エネルギーは固有のルールにしたがって確実に減衰する。したがって、上記のような磁界を用いて情報を短距離で送信すると、予測がし易く信頼性が高い。
【0061】
非交流磁気変調短距離RF安全通信システムは、この磁界の特性に基づき、距離制御可能な短距離通信のみを実施する。非交流磁気変調短距離RF安全通信システムを用いて、磁気送信モジュールの最大照射強度と磁気誘導レシーバモジュールの受信感度をあらかじめセットし、最大誘導距離を目標距離にセットすることができる。例えば、以下の方法を用いて距離制御可能な安全通信を実現することができる。
【0062】
1)磁気送信モジュールの磁界照射パワーと磁気誘導レシーバモジュールの受信感度をあらかじめセットし、最大誘導距離がセットした目標距離に達するようにする。例えば、1cm、2cm、5cm、10cm、15cm、20cm、などである。
【0063】
2)RFカードリーダは、ルールに基づき磁気送信モジュールを制御し、磁界強度を変化させるが、磁界分布が大きく変わらないようにする。強度情報を含む情報A1を、磁界強度の振幅へ変調する。RF SIMカードは、磁界振幅変化を検知し、磁気誘導レシーバモジュールを通じて抽出情報A2を取得する。
【0064】
3)RF SIMカードは、第1RFトランシーバモジュールと第2RFトランシーバモジュールによって構成されたRFチャネルを介して、情報A2をRFカードリーダへ送信する。カードリーダは、RFチャネルを介して情報A3を受信し取得する。
【0065】
4)RFカードリーダは、受信した情報A3を、磁気変調によって送信された元の情報A1と比較する。これらが合致した場合、カードリーダ自身によってこの通信が開始され、正当であると判定される。また、磁界性能に基づき通信距離を長くできないという特性により、現在の通信距離があらかじめセットした範囲内にあると判定することができる。したがって、通常通信処理を実施することができる。
【0066】
上述の方法において、情報A1、A2、A3などは、それぞれ同一の情報であってもよいし、または所定の暗号鍵で暗号化された情報もしくは規定の処理モードによって処理された情報のような特別処理された情報であってもよい。これにより、通信の安全をより確実に保護することができる。
【0067】
上述の距離制御方法内のステップ2)において、磁界分布を大きく変えることなくRFカードリーダが情報を磁界に変調するため、様々な方法を用いることができる。以下のような方法を用いることができる。
【0068】
1)ON−OFFキーイング(OOK)方式。これは簡易変調フォーマットであり、変調は信号ビットに基づき磁界信号ソースをONまたはOFFすることによって実施される。図3は、簡易磁気通信OOK変調方式を示す概略図である。図3に示すように、RFカードリーダには電磁デバイスとスイッチが設けられている。スイッチがOFFになったとき、電磁デバイスが起動し、静磁場が生成される。スイッチがONになったとき、磁界は消滅する。RF SIMカードにはホールデバイスのような磁気誘導センサが設けられている。磁界が存在するとき、磁気センサはhighレベルを出力する。磁界が存在しないとき、磁気センサはlowレベルを出力する。スイッチをONまたはOFFする情報ビット「1」または「0」のシーケンスに続いて、磁界が生成されまたはOFFされ、磁気誘導センサはビット「1」と「0」に対応して、highレベルとlowレベルをそれぞれ順次出力し、情報変調および通信を実現することができる。
【0069】
2)時間変調方式。磁気送信器の通信時間を制御することにより、磁気誘導レシーバモジュールは受信した磁界信号を時間制御する。磁界内の異なる時間は異なるバイナリ値に対応する。例えば10msは「1」に対応し、20msは「0」に対応する。
【0070】
3)他の変調方式には、マンチェスター符号化、パルス幅変調(PWM)、パルス時間変調(PPM)が含まれる。これらは通信システムにおいて一般に用いられており、詳細を説明する必要はないであろう。
【0071】
距離制御の安全性を高めるため、上述の距離制御方法内のステップ3とステップ4において、情報A2の送信時と受信時に暗号化モードを用い、不正な悪意ある攻撃を回避することができる。また、距離制御方法のステップ3において、RF SIMカード自身の識別情報を情報A2に追加し、RFカードリーダへ送信して、双方向ID認証を実現することもできる。
【0072】
RF SIMカード上の磁気誘導レシーバモジュールの電力消費を抑えるため、非交流磁気変調短距離RF安全通信システムは、休止と周期的起動の方法により、RF SIMカードの電力消費を減少させることができる。これは上述の段落で説明したものであり、詳細を説明する必要はないであろう。
【0073】
RF SIMカード内の磁気誘導レシーバモジュールは、第1RFトランシーバモジュールに接続することもできる。第1RFトランシーバモジュールは、信号処理機能を備える。トランシーバモジュールは、磁気誘導トランシーバモジュールから信号出力を検出および抽出し、その信号を第1マイクロコントローラへ送信することができる。
【0074】
上記システムにおけるRF SIMカードを備えるモバイル通信端末は、短距離RF通信機能を有するモバイル通信端末でもよい。すなわち、第1RFトランシーバモジュールをモバイル通信端末内に組み込み、RFカードリーダとの短距離通信を実現することができる。
【0075】
RF SIMカード内の磁気誘導レシーバモジュールは、ソレノイドコイル、ホールデバイス、または磁気誘導スイッチであってもよい。
【0076】
RF SIMカード内の第1RFトランシーバモジュールおよびRFカード内の第2トランシーバモジュールは、超高周波帯(SHF)、超短波帯(VHF)、または極超短波帯(UHF)で動作することができる。
【0077】
非交流磁気変調技術または交流磁気変調技術が用いられるか否かによらず、2つの通信チャネル(すなわち、磁界と無線)が用いられ、距離制御とID認証を実施するので、RF装置(特にデバイスに組み込まれたRFカード、例えばRF SIMカード)とRFカードリーダとの間の短距離通信における距離制御とID認証の課題は、従来技術と比較してより良好に解決される。
【0078】
本発明のさらに向上した技術手段は、非交流磁気変調技術を用いる。交流磁気変調を用いる技術と比較すると、非交流磁気変調の技術効果は以下の通りである。非交流磁界が距離にともなって急速に減衰し、磁界は干渉の影響が少ないという特性を用いることにより、確実な距離制御を実現し、非交流磁気変調情報通信技術手段によりID検証を実施して悪意ある攻撃回避し、システム通信の頑健性を向上させ、より商業的価値の高いモバイル支払のような主要アプリケーションを実現する。非交流磁界変調通信は短距離であり、信頼性が高いという特性とともに、RF信号は広帯域で携帯電話端末を提供できることも組み合わせる。エネルギー送信および非交流磁界の誘導は、モバイル通信端末の全体構造との相関が小さいので、異なるモバイル通信端末におけるRF信号の誘導信号強度の一貫性が保証される。これにより、特にRF SIMカードのようなRF装置の効果的な促進および応用を促進することができる。
【0079】
従来技術において用いられる交流磁界は、少なくとも125KHz以上であり、同周波数より高周波の交流磁界が本発明に適用された場合、貫通効果は非常に低い。しかし実際には、非常に低い周波数(100KHz以下)の交流磁界により、ある程度の磁気貫通効果が得られる。そのため、非常に低い周波数の交流磁界を用いて、交流磁界に代えて通信することもできる。より良好な通信効果を得るためには、周波数が低いほどよいが、周波数が低すぎてもよくない。周波数が低すぎると通信速度が影響を受ける。例えば、周波数は0.1KHz未満でないほうがよい。交流磁界の望ましい周波数として、80KHz、60KHz、50KHz、30KHz、20KHz、10KHz、5KHz、2KHz、1KHz、0.5KHz、0.3KHzなどの周波数を選択することができる。30KHz〜1KHz、20KHz〜1KHz、10KHz〜1KHzの周波数を選択すれば、良好な通信効果が得られる。
【0080】
非交流磁界を用いる技術手段は、交流磁界または低変化周波数の交流磁界を用いる技術手段と比較して、通信において良好な効果を発揮する。非交流磁界を用いる技術手段は、容易に実装することができ、強力な磁界貫通パワーと良好な通信効果を有する。
【0081】
本発明は、以下の図面と組み合わせて、特定の実施形態を通じてさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0082】
図1】本発明に係るRF SIMカードの論理概略ブロック図である。
図2】本発明に係るRFカードリーダの論理概略ブロック図である。
図3】簡易磁気通信OOK変調方式の概略図である。
図4】本発明に係る距離制御システムの図である。
図5】本発明に係る距離制御フロー図である。
図6】本発明に係る、非常に低い周波数の交流磁界を用いることによって実施される通信を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0083】
図1に示すように、RF SIMカード100が提供される。RF SIMカード100は、SIMカードメイン筐体105、第1RFトランシーバモジュール101、第1RFアンテナ102、第1マイクロコントローラ103を備える。第1RFトランシーバモジュール101は、第1RFアンテナ102と第1マイクロコントローラ103にそれぞれ電気的に接続されている。RF SIMカード100はさらに、磁気誘導レシーバモジュール104を備える。磁気誘導レシーバモジュール104は、第1マイクロコントローラ103に電気的に接続されている。
【0084】
磁気誘導レシーバモジュール104は、従来技術におけるソレノイドコイル、ホールデバイス、または磁気誘導スイッチを用いるか、またはホール磁気センサを用いてアナログデジタル(A/D)変換回路と協調動作させることにより、実現することができる。
【0085】
図2に示すように、RFカードリーダ200が提供され、RF SIMカード100とともに用いることができる。RFカードリーダ200は、第2RFトランシーバモジュール201、第2RFアンテナ202、第2マイクロコントローラ203を備える。第2RFトランシーバモジュール201は、第2RFアンテナ202と第2マイクロコントローラ203にそれぞれ電気的に接続されている。RFカードリーダ200はさらに、誘導磁界を生成する磁気送信モジュール204を備える。磁気送信モジュール204は、第2マイクロコントローラ203に電気的に接続されている。
【0086】
磁気送信モジュール204は、永久磁石、DC電磁石、または同様のデバイスを用いることにより実現することができる。低周波OOK変調方式を通じて、強い磁界が1を表し弱い磁界がまたは無磁界が0を表すモードを用いることにより、デジタル信号が磁気誘導レシーバモジュール104へ送信され、磁気誘導レシーバモジュール104によってデジタル電気信号に変換され、第1マイクロコントローラ103に処理のため提供される。
【0087】
RF SIMカード100がRFカードリーダ200に接近したとき、磁気誘導レシーバモジュール104は、磁気送信モジュール204から生成され調整された磁界信号を検知する。磁界信号は、電気信号に変換され処理された後、RF SIMカードの第1マイクロコントローラ103に送信される。第1マイクロコントローラ103は、磁界強度変化のルールを分析し、振幅などの変調情報を抽出する。これにより、RFカードリーダ200とRF SIMカード100との間の情報送信を実現する。RFカードリーダ200とRF SIMカード100はさらに、第1RFトランシーバモジュール101と第2RFトランシーバモジュール201を直接介したRF信号通信を実現する。
【0088】
実際の「第1マイクロコントローラ103が磁界強度変化のルールを分析し、振幅などの変調情報を抽出する」方法は、OOK変調方式でもよい。すなわち、「0」「1」のバイナリ信号は、磁界の存在(または強度)を検出することによって判定し復元することができる。
【0089】
図4図5には、スマートRFカードとして機能するRF SIMカード100とRFカードリーダ200との間のRF通信処理が、簡易的に記載されている。すなわち、本発明におけるRF通信の非交流磁気誘導距離制御方法のための特定の制御フローである。
【0090】
ステップ1:通常状態において、すなわちRF SIMカード100がRFカードリーダ200に接近していないとき、RF SIMカードの第1RFトランシーバモジュール101と第1マイクロコントローラ103は、休止状態にある。RF SIMカード100は、第1RFトランシーバモジュールを介してデータを送信しまたは受信することができない状態にある。カード全体は電力消費が最も低い状態にある。
【0091】
ステップ2:RF SIMカード100がRFカードリーダ200に接近したとき、RF SIMカード100はRFカードリーダ100の磁気送信モジュール204が生成した磁界内にある。RF SIMカード100の磁気誘導レシーバモジュール104は、磁気送信モジュール204からの磁界信号A1を検知する。磁界信号は、OOK変調信号または磁界送信時間を制御することによって変調された信号でもよい。
【0092】
ステップ3:検知した磁界信号は、特定の電気信号A2へ変換され処理される。電気信号A2は、第1RFトランシーバモジュール101を起動する(これに代えて、起動するか否かを、あらかじめ電気信号閾値をセットすることにより判定することもできる)。RF SIMカード100は、情報A2を処理して情報A3を形成する。情報A3は、第1RFトランシーバモジュールと第2トランシーバモジュールによって形成されたRFチャネルを介して、RFカードリーダへ送信される。
【0093】
ステップ4:RFカードリーダは、受信した情報A3を比較し認証する。磁界能力に基づき通信距離は長距離に達しないという特性により、この通信がRFカードリーダ自身によって開始されたと判定する場合は、この通信は通信距離要件を満たす正当なものであると判定することができる。通信が正当なものでない場合は、この通信は直接破棄される。
【0094】
ステップ5:この通信が通信距離要件を満たす正当なものであると判定されたとき、RF通信データがRF SIMカード100の第1RFトランシーバモジュール101とRFカードリーダ200の第2トランシーバモジュール201との間で交換され、処理される(第1RFアンテナ102と第2RFアンテナ202をそれぞれ介して)。
【0095】
ステップ6:第1マイクロコントローラ103と第2マイクロコントローラ203は、通信データの処理を終了する。
【0096】
この実施形態において、第1RFトランシーバモジュール101が磁気誘導を通じて変換された電気信号によって起動するための閾値は、調整することができる。
【0097】
電気信号は、閾値を起動する。閾値は、アナログ回路内の電圧値もしくは電流値、またはデジタル回路内のバイナリシーケンスコードでもよい。例えば、RF SIMカード100がデジタル回路内のバイナリコード「10011101」を起動閾値として用いる場合、RFカードリーダ200が磁気送信モジュールを介してバイナリコード「10011101」を変調および送信し、RF SIMカード100が信号「10011101」を検出および復調するときのみ、これら2つは接続とこれに続く通信プロセスを開始することができる。
【0098】
RF SIMカード100内の第1RFトランシーバモジュール101とRFカードリーダ200内の第2RFトランシーバモジュール201は、超高周波帯(SHF)、超短波帯(VHF)、または極超短波帯(UHF)で動作することができる。
【0099】
磁気誘導レシーバモジュール104が用いるソレノイドコイル、ホールデバイス、または磁気誘導スイッチのような装置、および磁気送信モジュール204が用いる永久磁石、DC電磁石は、全て共通する技術に属する。ホールデバイスは、ホール効果に基づき製造される磁界センサまたはコントローラである。
【0100】
電磁信号を変換するプロセスは、磁気誘導レシーバモジュール104内で実施するか、または第1マイクロコントローラ103内で実施することができる。また、最も簡易な処理モードとして、OOK復調方式を通じて実施することができる。すなわち、バイナリ信号「0」「1」は、磁界の存在を検出することによって判定し復元することができる。同プロセスは、時間変調方式によって実施することもできる。すなわち、磁気送信モジュールによって送信された磁界時間を識別することによってデコードを実施することができる。例えば、要件を満たし10ms継続して受信される磁界信号は「1」を表し、要件を満たし20ms継続して受信される磁界信号は「0」を表す。これらは従来技術であり、詳細を説明する必要はないであろう。
【0101】
図6は、OOK変調方式を用いることによる低周波交流磁界通信を示す簡易例である。図6に示すように、RFカードリーダには、低周波信号生成器、コイルアンテナ、スイッチが設けられている。スイッチがOFFされたとき、低周波信号はコイル上で低周波交流磁界を生成する。スイッチがONされたとき、低周波交流磁界は消去される。RF SIMカードには、磁気誘導コイルと磁気誘導センサが設けられている。交流磁界が存在しているとき、磁気誘導コイルと磁気誘導センサは交流信号を出力する。交流磁界が存在していないとき、これらはlowレベルを出力する。スイッチをONまたはOFFする「1」または「0」の情報ビットのシーケンスに続いて、磁界が対応して生成されまたはOFFされる。磁気誘導センサは、交流信号とlowレベル(信号なし)を順次出力することができる。したがって、フィルタとOOK復調回路を介して「1」「0」の情報ビットを復調し、これにより情報変調および送信を実現することができる。
【0102】
上述の説明は本発明の望ましい実施形態のみであり、本発明を限定するために用いられるものではない。本発明の要旨と原理の範囲内において、本発明の保護範囲内に含まれる任意の修正、等価置換、改善などを施すことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6