特許第5697688号(P5697688)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5697688半結晶質ポリマー材料を製造するための方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5697688
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】半結晶質ポリマー材料を製造するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   C08G 63/88 20060101AFI20150319BHJP
【FI】
   C08G63/88
【請求項の数】15
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-545009(P2012-545009)
(86)(22)【出願日】2010年12月27日
(65)【公表番号】特表2013-515787(P2013-515787A)
(43)【公表日】2013年5月9日
(86)【国際出願番号】AT2010000494
(87)【国際公開番号】WO2011079342
(87)【国際公開日】20110707
【審査請求日】2013年12月26日
(31)【優先権主張番号】A2043/2009
(32)【優先日】2009年12月28日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】503433958
【氏名又は名称】エレマ エンジニアリング リサイクリング マシネン ウント アンラーゲン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトフング
(74)【代理人】
【識別番号】100082887
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 利春
(74)【代理人】
【識別番号】100090918
【弁理士】
【氏名又は名称】泉名 謙治
(72)【発明者】
【氏名】フェイヒティンゲル クラウス
(72)【発明者】
【氏名】ハックル マンフレッド
(72)【発明者】
【氏名】ルッスレル・チェルマク アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイス ゲラルド
【審査官】 米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−271931(JP,A)
【文献】 特表2006−526049(JP,A)
【文献】 特開2007−297522(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/027064(WO,A1)
【文献】 特表2006−500444(JP,A)
【文献】 特開2002−018844(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 63/00−63/91
B01J 10/00−19/32
C08G 69/46
C08J 3/00−3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部分的に結晶質のポリマー材料の製造方法において、処理をする大部分が非晶質の原料ポリマー材料が、結晶化反応器(1)に導入され、結晶化反応器において、加熱下で溶融することなしに、少なくとも部分的に結晶化され、しかる後、そのようにして得られた部分的に結晶質のポリマー材料が、結晶化反応器(1)から排出され、この部分的に結晶質のポリマー材料の少なくとも一部が分岐して取り出され、ポリマー材料の互いに粘着する傾向を減少させるため、結晶化反応器(1)に入れて再混合される方法であって、分岐して取り出された部分的に結晶質のポリマー材料と原料ポリマー材料とが、結晶化反応器(1)に入れて再混合する前に、合流させられ混合され、この混合物だけが、結晶化反応器(1)に導入されることを特徴とする方法。
【請求項2】
分岐して取り出された部分的に結晶質のポリマー材料と原料ポリマー材料との合流及び混合が、結晶化反応器(1)の外側の領域で行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
結晶化反応器(1)から排出された部分的に結晶質のポリマー材料が、結晶化反応器(1)よりも上の高さまで運ばれ、次いで、分岐して取り出された部分的に結晶質のポリマー材料が、重力によって追加の領域へと流れて再混合されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
原料ポリマー材料と分岐して取り出された部分的に結晶質のポリマー材料が、出会う場所と時間において、各々ある一定の流速で流動しており、二つの材料流の流れの方向が、20°〜55°の間又は30°〜40°の間の鋭角εで互いに出会うことを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の方法。
【請求項5】
原料ポリマー材料と分岐して取り出された部分的に結晶質のポリマー材料が、絶えず方法の全ての部分で、粒状で自由流動性に保たれ及び/又はポリマーが、結晶化反応器(1)内で外部の加熱エネルギーを何ら供給することなしに加熱されることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の方法。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一つに記載の方法を実施するための装置において、結晶化反応器(1)であって、結晶化反応器(1)内のポリマー材料を動かして、そのポリマー材料を粒状に保つ手段(2)、処理をする大部分が非晶質の原料ポリマー材料が通って導入されることが可能な追加の接合管(4)とを有する結晶化反応器(1)を備え、部分的に結晶質のポリマー材料の少なくとも一部が通り結晶化反応器(1)に入って再混合されることが可能な移送経路(3、5)が結晶化反応器(1)に連結されている装置であって、移送経路(3、5)が、追加の接合管(4)に通じていることを特徴とする装置。
【請求項7】
移送経路(3、5)が、下部領域において及び/又は直接に結晶化反応器(1)に連結された搬送手段(3)を備え、この搬送手段は、結晶化反応器(1)から排出された部分的に結晶質のポリマー材料を、結晶化反応器(1)よりも上の高さまで搬送することができることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
移送経路(3、5)が、材料シュート(5)を備え、材料シュートは、搬送手段(3)の上部領域から始まり、斜めに追加の接合管(4)に通じており、材料シュート(5)は、15°〜50°の間又は20°〜30°の間の水平線に対する平均傾斜角βを有していることを特徴とする請求項6又は7に記載の装置。
【請求項9】
追加の接合管(4)が、結晶化反応器(1)の上縁領域に配置され及び/又は水平線に対する25°〜60°の間又は30°〜40°の間の角度δで下方に傾斜しており、そのため、ポリマー材料が重力によって結晶化反応器(1)に滑り込むことができることを特徴とする請求項6〜8の何れか一つに記載の装置。
【請求項10】
材料シュート(5)が、搬送手段(3)に近い上方部分(8)と追加の接合管(4)に近い下端領域又は屈曲部分(7)を有し、屈曲部分(7)は、追加接合管(4)に対して角をなして設けられており又は下方に曲げられており、材料シュート(5)の上方部分(8)と屈曲部分(7)との間の角度αが、60°〜140°の間又は90°〜100°の間であることを特徴とする請求項6〜9の何れか一つに記載の装置。
【請求項11】
追加の接合管(4)の中心軸と、屈曲部分(7)の中心軸とが、20°〜55°の間又は30°〜40°の間の鋭角εを囲んでいることを特徴とする請求項6〜10の何れか一つに記載の装置。
【請求項12】
屈曲部分(7)の中心軸が垂直線に対して0°〜45°の間又は15°〜25°の間の角度ζで方向付けされていること、及び/又は、屈曲部分(7)の中心軸と、追加の接合管(4)の中心軸が、結晶化反応器(1)を同じ大きさの二つの部分領域に分割する通常垂直な平面(9)を画定し又は張り、搬送手段(3)又は垂直なスクリューコンベア(3)の中心軸もこの平面(9)内にあることが規定されていることを特徴とする請求項6〜11の何れか一つに記載の装置。
【請求項13】
結晶化反応器(1)に近い追加の接合管(4)の終端領域が扇状に広がっていること、及び/又は、追加の接合管(4)の下側の滑り面が、長手方向に延びる多数のまっすぐな凹んだ溝(17)を有し、溝(17)の高さ又は深さ及び/又は幅が、下流に又は流れの方向に大きくなっていることを特徴とする請求項6〜12の何れか一つに記載の装置。
【請求項14】
排出のためのさらに別の排出口(10)が、垂直なスクリューコンベア(3)に設けられ、排出口(10)が、材料シュート(5)が連結された口(11)よりも低い又は最高でも同じ高さにあることを特徴とする請求項6〜13の何れか一つに記載の装置。
【請求項15】
制御装置が備わっており、この制御装置によって、分岐して取り出されて材料シュート(5)に入れる部分的に結晶質のポリマー材料の割り当て及び/又は排出口(10)を通じて排出される部分的に結晶質のポリマー材料の割り当てが調節可能であること、及び/又は、搬送手段(3)又は排出口(10)が部分的に結晶質のポリマー材料の捕集及び/又は更なる処理のための容器(6)に連結されていること、及び/又は、表面の湿気及び細粒を分離するための遠心機(12)が、結晶化反応器(1)又は充填接合管(4)の前に配置され、この遠心機により、原料ポリマー材料が、高められた速度で、又は高められた速度でかつ接線方向に、追加の充填接合管(4)に導入されることを特徴とする請求項6〜14の何れか一つに記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の公知要件事項部による部分的に結晶質のポリマー材料を製造するための方法及びこの方法を実施するための請求項6の公知要件事項部による装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリマーを結晶化させるための方法の多数のバージョンが、公知であり、主として、ポリマーの保管、搬送、処理又は更なる加工を容易にするため及びこれらのポリマーの特性に影響を与えるために用いられている。
【0003】
熱可塑性ポリマーの結晶化の間、ポリマーの分子鎖の部分的整列が生じる。結晶核から始まり、分子鎖が折り重なり合って、初めにラメラ構造を形成し、ラメラ構造は次いで球晶のようなより大きな構造を形成する。
【0004】
結晶化は、結晶化の間の温度、ポリマーの分子量、ポリマーの種類などの種々のパラメーターによるだけでなく、水分、溶剤、圧力又はポリマーにおける充填剤の存在にもよる。
【0005】
結晶化又は結晶化度は、ポリマーの光学的、機械的、熱的及び化学的特性に相当な影響を有している。特に、互いにくっつき合う又は塊になるという通例粒状の形態で存在する非晶質ポリマーの傾向を、結晶化度を増すことにより、減らすことが重要な問題である。このようにして、特に粒体の加工、搬送及び保管を、非常に簡単にすることができる。
【0006】
結晶化過程の間のポリエチレンテレフタレート(PET)などの熱可塑性ポリマーの粘着性を減少させるため、多数の方法が、先行技術から公知である。
【0007】
そのため、米国特許第3,746,688号は、結晶化過程の前に、非晶質の粒体を数時間乾燥させることを記述している。米国特許第3,014,011号は、膨張剤を用いた粒体の前処理による粘着性の減少を記述している。米国特許第5,919,872号は、塊になる傾向を減少させるためのコーティング剤の使用を記述している。ヨーロッパ特許第1 203 040号又は米国特許第3,544,525号では、粒体が、融点よりも低いある一定の温度に保たれ、焼き戻しされる。
【0008】
結晶化反応器内の粒子の流動性を維持するため、ある一定の割合の既に部分的に結晶化させた粒体を、結晶化反応器内の塊になる傾向がある非晶質の粗製粒体に添加することも、先行技術から公知である。これは、非粘着性の部分的に結晶化された粒体を、非晶質の粒体と混合し、粒体全体が、より高い温度でさえ、粒状のままで塊にならなくする場合に達成される。
【0009】
しかしながら、これら全ての上記の方法には、幾つかの不都合がある。特に、コーティング剤、膨張剤などを用いることは必ずしも有益とは限らず、原材料の前処理が、例えば、より長い処理時間及びコスト高をもたらす。
【0010】
特に、部分的に結晶化させた材料の非晶質の粗製粒体への再混合は、そのままじかに結晶化反応器に入る再混合−これは、先行技術においては現在普通のことである−では、十分な混合が、確保されずに達成することができず、反応器の少なくとも一部の領域で、粘着性の非晶質粒体の塊が形成されるので、かなり危ういプロセスである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の目的は、大部分が非晶質の粒体と部分的に結晶質の粒体の十分な混合が、粒体が互いに膠着することなしに、達成することのできる上記の種類の方法をさらに開発することである。
【0012】
さらに、本発明の目的は、この方法を実施するための装置を創作することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
方法に関しては、請求項1の特徴要件事項部により目的が達成される。そこでは、分流された部分的に結晶質のポリマー材料が、その結晶化反応器での再混合の前に、粘着の傾向のある未処理のほとんど非晶質の原材料ポリマーと合流させられて混合され、その後、初めて混合物が結晶化反応器に投入されることが規定されている。
【0014】
この方法は、材料が結晶化反応器に入る前にすでに強い混合を行うことができ、塊になる可能性が、結晶化反応器の前の段階ですでに予防されているという利点を有している。したがって、結晶化反応器に入る混合物は、すでにその塊になる傾向を失っているので、粘着性の塊の形成は、あり得なくなっている。このことは、粒子の流動性を絶えず維持できるようにし、結晶化を効果的で均一に行うことができる。
【0015】
その上、このようにして、再混合された部分的に結晶質のポリマーの必要量が減少する。これは、より有効に作用するためである。より少ない再混合割合により、更なる結果として、反応器内での必要な滞留時間が短くなり、したがって、必要な結晶化装置の大きさ及びエネルギー消費も減少する。
【0016】
前記の種類の装置では、移送部分が、追加のソケットと接合していることで問題が解決する。
【0017】
混和が、そのままじかに結晶化反応器内で行われるのではなく、上流の予備混合が追加のソケット内で行われることが規定されているため、上記の利点が簡単な態様で達成される。
【0018】
追加のソケットは、材料の高さよりも上で結晶化容器に通じている。移送部分は、材料の高さよりも下の部分において結晶化容器に連結している。
【0019】
「非晶質の粗製粒体」の語は、排他的にすなわち何ら結晶化成分のない100%非晶質の粒体と解釈されるだけでなく、当業者が、主として非晶質又は意図する要件を満たすには余りにも非晶質であると分類するであろう粒体とも解釈されるべきである。
【0020】
以下の従属請求項は、本方法及び本装置の有益な発展及び実施の形態を記述している。
【0021】
本方法の有益な実施の形態によれば、分けられた部分的に結晶質のポリマー材料と原材料ポリマーとの合流及び混合は、結晶化反応器の外側の領域で、特に追加のソケット内で行われることが規定されている。このようにして、有効な混合がなされ、塊になるリスクが効果的に減少する。
【0022】
本方法の他のバージョンによれば、結晶化反応器から取り出した部分的に結晶質のポリマー材料が、結晶化反応器よりも上の高さに、特に垂直なオーガーを経由して、移され、分けられた部分的に結晶質のポリマー材料が、次いで、再混合のため、重力により、材料シュートを通って追加の部分へと滑り落ちるのが好都合である。このようにして、重力の効果により、粒体のポテンシャルエネルギーを、運動エネルギーに容易に変換することができ、粒体は、次の良好な混合にとって利点のある一定の流速を、容易に達成する。
【0023】
これに関連して、原材料ポリマーだけでなく、分けられた部分的に結晶質のポリマー材料も、それらが互いに出会う場所及び時にある一定の流速で流れており、その際、二つの材料の流れの流動方向が、特に鋭角で、好ましくは20°〜50°の間の角度で、特に30°〜40°の間の角度で出会うと好都合である。二つの材料の流れが動いている場合には、粒子が粘着し合うリスクがさらにより小さく、粒子の運動エネルギーが、十分な混合に利用される。
【0024】
さらに、原材料ポリマーだけでなく、分けられた部分的に結晶質のポリマー材料も、絶えず方法の全ての部分において粒状で流動可能に保たれていることに注意が払われていると好都合である。このことは、粒体の取り扱い及び処理を容易にする。
【0025】
本方法の有益なバージョンによれば、ポリマーは、結晶化反応器内で、外部の加熱エネルギー又は燃料の供給なしに、加熱される。好都合なことに、有効で速やかな結晶化のために必要な熱は、もっぱら粒体の内部エネルギーから来るか又はその熱は、発熱性の結晶化の間に発生するか又はその両方である。
【0026】
移送部分が、搬送手段、特に結晶化反応器に直接連結されている搬送手段、好ましくは垂直なオーガーを備えており、この搬送手段により、結晶化反応器から出る部分的に結晶質のポリマー材料を、結晶化反応器よりも上の高さまで搬送することができることが規定されると、本装置の有益な実施の形態になる。さらに、移送部分が、搬送手段の上部から始まり追加のソケットと斜めに接合しているチューブとして形成されているのが好ましい材料シュートを備え、その際、材料シュートが、水平線に対して傾斜角βが15°〜50°の間、特に20°〜30°の間であるのが好ましいことが規定されていると好都合である。このことは、再混合する材料が、ある高さから重力下に下方に滑り、追加の搬送手段なしに、より早い速度で原料ポリマーと混合されるのを可能にする。詰まりを防止してある最低限の速度を確保するためには、前記の傾斜角βが有益である。
【0027】
追加のソケットが、結晶化反応器の上縁領域に配置されており、及び/又は水平線に対して特に25°〜60°の間、とりわけ30°〜40°の間の角度δで、下方に傾斜しており、これが、ポリマー材料が結晶化反応器内に滑り込むことを可能にしていることにより、大部分非晶質の粗製粒体も、ある一定の速度を得て、結晶化反応器内に滑り込む。
【0028】
材料シュートが、搬送手段に近い上部及び追加のソケットに近い最下端部領域即ち屈曲部を備え、ここで、屈曲部は、追加のソケットに対して角度をなしており又は下方に曲げられており、ここで、材料シュートの上部と屈曲部との間の角度αは、特に60°〜140°の間、好ましくは90°〜100°の間であると、極めて有益な実施の形態となる。屈曲部は、そらせ板として作用する。部分的に結晶質のポリマーは、より早い速度で屈曲部の向かい側の壁にぶつかり、それにより、互いに入り乱れて渦を巻く。これが、個々の粒子のより良い分散並びにいろいろな運動の方向及び速度に帰着し、そのため、追加のソケット内の二つの材料の流れが、層を形成するのを防止する。
【0029】
詰まりを防止するには、追加のソケットの中心軸が、屈曲部の中心軸と、好ましくは20°〜55°の間、とりわけ30°〜40°の間の鋭角εをなすことが規定されていると、有益である。このようにして、材料の流れは、互いにほぼ似た調節された方向のベクトルの下に出会うが、実は、それにもかかわらず、確かにソケット内に層が生じない。
【0030】
有益な実施の形態によれば、屈曲部の中心軸は、特に垂直線に対して0°〜45°の間、好ましくは15°〜25°の間の角度ζで、ほとんど垂直に方向付けされている。このようにして、跳ね返る粒体は、ほとんど自由落下で追加のソケット内に落下する。
【0031】
屈曲部の中心軸と追加のソケットの中心軸が、結晶化反応器を二つのほぼ同じ大きさのサブセクションに分割する平面を画定し又は張り、搬送手段又は垂直なオーガーの中心軸がその平面に来るようにすると、有益な装置が提供される。
【0032】
そのほか、材料シュートの上部が、その平面に対して、特に10°〜30°の間の角度γで方向付けされていること及び/又は搬送手段又は垂直なオーガーの中心軸が、その平面の外側にあることを規定することができる。垂直なオーガーの省スペースで中心を外れた配置及び(上面視で)材料シュートの屈曲した設計のおかげで、再混合する粒子に追加の推進力を与えることができる。
【0033】
十分な混合を達成するためには、材料シュートが、屈曲部の前で幅が大きくなり、場合によっては、その断面形状も変化することが、好都合なことに可能である。
【0034】
すでに混合された粒体の十分な混合及びむらのない供給が、追加のソケットが結晶化反応器に近いその端部において扇の形状に広がっている場合に達成され、好都合である。
【0035】
それに関連して、多くのまっすぐなくぼんだ溝が、追加のソケットの下側滑り面に形成されていることが規定されていると有益である。上から来る部分的に結晶質の材料も、追加の開口を通って入る原料ポリマーも、これらの溝内を滑り、追加のソケットの幅全体に亘ってむらなく分散され、十分な混合になり、広く、比較的薄い、したがって容易に均質に混和することができ十分に混合することのできる材料の流れが、結晶化反応器に入ることを可能にする。
【0036】
材料が、溝を流れると、例えば、不正確な設置のため、たとえ追加のソケットが長手方向に対して横断方向に傾斜していても、もはや大きな問題ではない。そうでない場合には、材料は、ソケットの一方の側に集まり、よく混ざらず、混和できにくいであろう厚い材料の流れとして結晶化反応器に入るであろう。
【0037】
溝の高さ又は深さ及び/又は幅が、流れの方向に下流に大きくなり、材料の追加の均一化及び均質化に帰着するのが好ましい。
【0038】
有益な実施の形態によれば、垂直なオーガーが、材料を排出するための追加の排出開口を有し、ここで、排出開口が、材料シュートが連結される開口よりも低いか又は最高でも同じ高さにあることが規定されている。
【0039】
これに関連して、材料シュートへと分流される部分的に結晶質のポリマー材料の割り当て及び/又は排出開口を通って排出される部分的に結晶質のポリマー材料の割り当てを調節することのできる制御装置が、備わっていると好都合である。それにより、再混合割合の容易で効果的な制御を行うことができる。そのほか、部分的に結晶質の材料は、別個の放出口を通じて結晶化反応器から直接分流させることもできる。
【0040】
さらに、搬送手段又は排出開口には、捕集及び保管のための容器及び/又は部分的に結晶質のポリマー材料の更なる処理のための容器、例えば固相重縮合(SSP)容器を連結させることができる。連結は、排出する部分的に結晶質の粒体の量を制御することのできるオーガーを介してなされるのが好ましい。
【0041】
有益な実施の形態によれば、結晶化反応器又は追加のソケットの上流には、表面の水分と存在しうる細粒を分離するため、遠心機が備わっていること、及びこの遠心機により、粗製ポリマー材料が、高められた速度で、好ましくは接線方向に追加のソケットに供給されることが規定されている。このようにして、追加のソケットに入る非晶質の粗製粒体は、それらが遠心機内で受けるそれらの速度推進力を維持する。この速度推進力は、次いで、混和のために用いられ、十分な混合を確実にする。
【0042】
本発明の更なる利点及び実施の形態が、明細書の記述及び添付図面から明らかになる。
【0043】
本発明を、実施の形態により以下の図面を参照して、詳細に説明する。添付図面において:
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1図1は、本発明の装置の側面図を示している。
図2図2は、図1による装置の正面図を示している。
図3図3は、本装置を他の側面から示している。
図4図4は、本装置の平面図を示している。
図5図5は、上からの斜視図を示している。
図6図6a及び6bは、有益な追加のソケットの断面図を詳細に示している。
図7図7a、7b及び7cは、有益な追加のソケットの詳細を示している。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1は、本発明装置の特に有益な実施の形態の例の側面図を示している。左低部には、従来の態様で設計された水平な底と垂直な側壁を有する円筒状の容器の形態の結晶化反応器1がある。結晶化反応器1の内部には、ミキサー/攪拌機2がある。本件の場合では、後者は、二つの相上下したレベルに配置されている。ミキサー/攪拌機2は、底と平行な水平面内を回転し共通の垂直な駆動シャフトに配置された回転ブレード又はバーを備えている。これらのブレード又はバーは、絶えず動き、結晶化反応器1内のポリマー材料を、混合し流動可能で粒状の形態に維持する。
【0046】
結晶化反応器1は、ポリマー材料を加熱及び/又は冷却する手段を備えていてもよい。加熱は、ジャケット加熱により外側から又は加熱された混合及び攪拌器具2により内側から行うことができる。しかしながら、概して、粒体は依然として十分な内部エネルギーと熱を有しているため、追加の加熱は必要でない。さらに、結晶化過程は発熱性であり、粒体の部分的溶融を防止するには、冷却を必要とすることさえある。
【0047】
効果的な結晶化のためには、粒体の温度を、絶えず、ガラス転移温度より高く融点より低く維持しなければならない。PETに関しては、最適な結晶化速度があるのは、約174℃の温度においてである。
【0048】
結晶化反応器1の左上の縁には、追加のソケット4が配置され、この追加のソケットを通って、材料が結晶化反応器1に導入される。稼働の間、追加のソケット4は、移動された粒子の材料の高さよりも高い領域にある。追加のソケット4は、約30°〜40°の角度δで下方に傾斜しており、これが、ポリマー材料が自力で結晶化反応器1に滑り込むことができるようにしている。
【0049】
追加のソケット4の上流には、遠心機12がある。遠心機12内では、新たに形成された粗製の粒体が、それらの表面の水分及び存在することのある何らかの細粒を取り除くため、処理される。原材料ポリマーは、遠心機12下部に供給され、粒子が、ある一定の運動の推進力及び速度を得ながら、回転され上方に渦を巻く。まだ非晶質の原料ポリマー粒子は、遠心機12の上部を追加のソケットの開始部分に連結する追加の開口14を通って追加のソケット4に供給される。
【0050】
結晶化反応器1の最下部において、低い方のミキサー/攪拌機2の高さに、排出開口15が設けられ、この排出開口から、処理されて今では部分的に結晶質のポリマー材料を結晶化反応器1から排出することができる。稼働の間、排出開口15は、攪拌された粒子の材料レベルよりも下にある。この排出開口15には、移送部分3、5の開始部分が連結されており、この移送部分を通じて、部分的に結晶質のポリマー材料の一部を、結晶化反応器1に戻すことができる。
【0051】
移送部分3、5は、結晶化反応器1に直接連結され、垂直なオーガー3の形態の搬送手段3を備えている。この垂直なオーガー3は、約100〜150回転/分で回転し、たとえ部分的に供給された状態でも、結晶化反応器1を出る部分的に結晶質のポリマー材料を、結晶化反応器1よりも上の高さまで、本件の場合では、結晶化反応器1の高さの約2倍の高さまで搬送する。
【0052】
垂直なオーガー3の最上部領域には、開口が形成され、この開口を通って、材料が管状に閉じた材料シュート5に供給される。材料シュート5は、水平面で測定して約30°〜40°の平均傾斜角βで、斜めに傾斜している。材料シュート5は、まっすぐに追加のソケット4につながっているのではなく、ある一定の角度をなしてつながっている。このようにして、再混合サイクルが形成され、この再混合サイクルにより、部分的に結晶質で非粘着性の粒体が、粘着性で非晶質の粗製粒体と混合される。
【0053】
材料シュート5は、搬送手段3に近い上部8及び追加のソケット4に近い下部屈曲部7を備えている。屈曲部7は、追加のソケット4に対して角をなしており、この場合には約95°の角度αで、下方に屈曲している。屈曲部7又は屈曲部7の中心軸は、比較的垂直又は鉛直に、この場合には、垂線に対して約15°〜20°の角度ζで方向付けされている。
【0054】
図1及び図3が非常によく示すように、屈曲部7と追加のソケット4は、互いに鋭角εをなして方向付けされており、それらの中心軸は、約35°の角度をなしている。したがって、二つの材料の流れは、より早い速度でこの鋭角で出会い混和する。
【0055】
図4は、本発明の装置を平面図で示している。屈曲部7及び追加のソケット4の中心軸が、平面9を画定する又は張ることが分かる。この垂直に方向付けされた平面9は、結晶化反応器1を二つのほぼ同じ大きさの部分に分ける。垂直なオーガー3は、この平面9内にはない。したがって、材料シュート5の上部8も、平面9に対して約20°の角度γをなして方向付けされている。有益な実施の形態によれば、垂直なオーガー3も平面9に配置される、即ち、垂直なオーガー3の垂直な長手方向軸がこの平面9内にある。
【0056】
角度γの材料シュート5の屈曲の領域には、水平線の方への屈曲も存在する。この領域では、傾斜角βが、約5°〜10°だけ減少する。したがって、滑動する材料は、二つの点で、方向の変化を受ける。
【0057】
図2及び図3が、材料シュート5の幅が、下方に向かって広くなっていることを示している。屈曲部7の直前の領域では、材料シュート5は、ほぼ同じ高さにとどまりながら、円錐状に広がっている。さらに、材料シュート5の断面が、屈曲部7の直前で、ほぼ円状から長方形に変化する。
【0058】
図6a及び図6bは、追加のソケット4の可能な実施の形態の領域についての詳細を、即ち、全体図において及び側面断面図で示している。これらの図は、断面が長方形に変化する材料シュート5の端部を示している。流れの方向に角度αでこれに連結されているのが、そらせ板18としての機能を有する屈曲部7である。さらに屈曲部7は、上から下流にくぼみ16を経て鋭角をなして傾斜した追加のソケット4の中央部に達する。ここは、まだ非晶質の原料ポリマーと再混合をする既に部分的に結晶質になった粒子の二つの材料の流れが出会う所でもある。追加のソケット4は、下流の方向に円錐状に広くなっている。
【0059】
図7a、図7b及び図7cは、追加のソケット4の可能な実施の形態の詳細を示している。図7aは、正面図を示しており、この図においては、明瞭にするため、上部カバーの部品は取り除かれている。図7bは、全体図を示している。図7cは、側面図を示しており、この図においては、角度δ、本件の場合には約20°の角度、での追加のソケット4の斜めの傾斜が示されている。
【0060】
追加のソケット4は、下方に向かって扇形に広がっており、その低部の滑り面は、多数のまっすぐな溝17を有している。これらの溝17は、流れの方向に遠心機12から結晶化容器1へと延びている。中央の溝17は、平面9と並行に延び、左側に及び右側に隣接する溝17は、扇形に外側に傾斜しており、このことは、溝17の間の上縁部は、互いに平行に延びているのではなく、若干末広がりになっていることを意味する。
【0061】
各溝17は、三角形の断面を有し、二つの斜面が互いに角度をなして設けられており、このようにして、それらの斜面は、中を材料が滑ることのできるより深い溝17を形成する。この実施の形態では、二つの斜面は、互いに約90°の角度をなしている。
【0062】
各溝17の高さ又は深さは、各溝17の上端の高さ又は深さのほぼ170〜180%まで、下方に向かって連続的に大きくなっている。各溝17の幅は、同程度まで大きくなっている。
【0063】
したがって、各溝17は、まっすぐで下方に傾斜しており、その高さ又は深さ並びにその幅は、下方に大きくなっている。追加の開口14を通って入る原料ポリマーと、上から来る部分的に結晶質の材料とは、これらの溝17内を滑り、そのため、追加のソケット4の幅全体に亘ってむらなく分散し、十分な混合になり、広い材料の流れが、結晶化反応器1に入ることができる。
【0064】
他の排出開口10が、垂直なオーガー3に備わっており、この排出開口を通って部分的に結晶質のポリマーが、再混合サイクルから離れる。この排出開口10は、開口11よりも低いところにあるか又は同じ高さにあり、本件の場合では、開口11の反対側にある。これに連結されているのは、上方に傾斜した非圧縮のオーガー13である。このオーガー13は、制御可能であり、したがって、排出されるポリマーの割合を正確に調節することができ、このことは、再混合の度合又は再混合割当量も、正確に調節できることを意味する。そのほか、部分的に結晶質の材料を、反応器1から直接分流させ、サイクルから外すこともできる。
【0065】
このオーガーには、保管のため及び/又はポリマー材料の更なる処理のための容器6が、連結している。斯かる容器は、先行技術から公知であり、単なる例示として、八角形のビン(Octabin)又は固相重縮合(SSP)反応器でよい。
【0066】
本発明の方法は、この装置を用いて以下のように行われる。
本方法は、ペレタイザーを経由して押出機(図示せず)によって搬送されたポリマー溶融物が、公知の態様で、初めにストランドにされ、次いで粒体に微粉砕された時に始まる。粒体は、次いで遠心機12内で乾燥され、粉塵及び細かい断片を取り除くために清掃され、次いで、追加の開口14を通って追加のソケット4の領域内に搬送される。粒体は、まだ熱く、それらの内部は、まだ溶融していることがある。それらはまだ、外部からの加熱の必要なしに残留水分を乾燥させてとばすのを有効に助け促進するのに十分な内部熱を保有している。一方、それらは、変形せずにそれらの形状を維持するのに十分に冷たい。何れにしても、これらの殆どまだ非晶質の温かい粗製の粒体は、特にそれらが動かずに互いに接している時に、粘着して塊を形成する強い傾向があり、これは処理を困難にするため、避けなければならない。
【0067】
最初の工程で、殆ど非晶質の熱い粗製の粒体は、ここで、ある一定の速度で遠心機12から追加のソケット4へと排出され、そこから、それらの粒体は、追加のソケット4の傾斜した斜面を通って結晶化反応器1へと滑り込む。結晶化反応器に、それらの粒体は、結晶化速度が最大で、それらの粒体が絶え間ない攪拌下に粒状の形態に維持される条件下で、ある一定の調節可能な滞留時間とどまる。その際、それらの粒体は、焼き戻しされ、少なくとも一部分に、部分的に結晶質の部位の形成が生じ、結晶化度が高くなる。
【0068】
この最初の工程の後、今では部分的に結晶質のポリマー材料は、結晶化反応器1の下部領域にある開口15を通って垂直なオーガー3内に排出される。垂直なオーガーにより、それらのポリマー材料は、結晶化反応器1の高さの約2倍の高さまで上方に搬送される。容器6への排出開口10は、まだ閉じており、このことは、初めは全ての部分的に結晶質の粒体が、再混合されることを意味している。
【0069】
部分的に結晶質の粒体は、開口11を通って、材料シュート5に搬送され、この材料シュートに沿って、部分的に結晶質の粒体が重力下に滑る。ここで、部分的に結晶質の粒体は、この粒体がそらせ屈曲部7における板又はそらせ部18にぶつかるまで、ある一定の速度とある一定の動的推進力を得る。これが、粒体にブレーキをかけて粒体に渦を巻かせる。粒体は、互いにぶつかり壁にもぶつかり、そのため、いろいろな方向と相対速度を得る。良好な分散が、粒体のブレーキ作用によって達成される。
【0070】
次いで、二つの材料の流れが、追加のソケット4内で、混ぜ合わされる。一方で、ほとんど非晶質の粗製粒体が、追加のソケット4内を流れる。他方で、屈曲部7によって流れをそらされる部分的に結晶質の粒体は、上から落下する。このようにして、二つの材料の流れは、それらがまだ結晶化反応器1に到達する前に、追加のソケット4の部分で混ぜ合わされる。追加のソケット4の設計及び形態により、材料の流れの十分な混合が生じ、それらの材料の流れは層を形成しない。粘着する傾向を有しない部分的に結晶質のポリマー粒子は、粘着性の非晶質粒子の間に均一に統計的によく分散しておさまり、全体として徹底的に均一な混合物ができ、この混合物は、追加のソケット4の扇形の広がりを通って結晶化反応器1に供給され、そこで、この混合物は、粘着することなしに、ミキサー及び攪拌機要素2によって撹拌することができる。
【0071】
この過程は、連続的であり、本方法において、ある一定の平衡ができあがった後、排出開口10が徐々に開き、再混合の割当量が減らされる。その後、より少量の部分的に結晶質の材料が、分流されて再混合され、材料の一部が、非圧縮のオーガー13を経由して容器6内に、本件の場合には八角形のビン(Octabin)内に搬送される。もちろん、八角形のビンの代わりに、いかなる種類の容器、例えばサイロ又は固相重縮合(SSP)容器でも用いることができる。正確な再混合率又は再混合サイクルからの使用済み材料の分離は、おもに、垂直なオーガー3の回転/分(r.p.m.)及び/又は容器6に連結するオーガー13の回転/分(r.p.m.)によって制御される。必要に応じ、調節可能なスライドを用いて開口11及び10を開閉させることも実行可能である。
【0072】
例えば、システムにおける好都合な平衡は、以下のパラメーターを用いて達成することができる。
【0073】
乾燥器から又は遠心機12から来る非晶質のPETが、約130℃の温度、350kg/時間の質量流量で、追加のソケット4に導入される。同時に、部分的に結晶質のPETが、約145℃の温度及び850kg/時間の質量流量で、材料シュート5を経て追加のソケット4に搬送される。追加のソケット4内で、材料は十分に混合された後、結晶化反応器1に搬送される。
【0074】
以下の説明は、本発明のより良い理解のために、提供されるものである。
【0075】
斯かる処理に適したポリマーは、結晶化可能な熱可塑性ポリマーである。ポリマーは、ラジカル重合、アニオン又はカチオン重合、重付加又は重縮合などの重合反応によってそれらのモノマーから得られる。特に適しているのは、結晶化可能な熱可塑性重縮合物、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリヒドロキシアルカン酸、ポリ乳酸又はそれらの共重合体である。
【0076】
ポリエステルは、通常、重縮合によってそれらのモノマー、ジオール成分及びジカルボン酸成分から得られるポリマーである。ポリエステルの典型的な例は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)及びポリエチレンナフタレート(PEN)であり、それらは、単独重合体として又は共重合体として用いられる。
【0077】
適したポリエチレンテレフタレートは、0.5gのPETを100mlのフェノール/ジクロロベンゼン(1:1)に溶解させたものを用いて測定した0.3〜1dl/gの範囲の固有粘度を有している。
【0078】
ポリ乳酸(PLA)は、脱水下に直接乳酸から、又は開環重合によりそれらの環状二量体(ラクチド)から得ることのできるポリマーである。本発明の方法及び本発明の装置は、PLAに関しても巧くゆくことが証明されている。
【0079】
ポリマーは、新しい材料でもリサイクルしたポリマーでもよい。リサイクルしたポリマーは、製造及び工業処理後からの再加工ポリマー又は消費者の使用後に集められ再加工されたポリマー(消費者後のポリマー)である。
【0080】
ポリマーには、添加剤が添加されていてもよい。適当な添加剤の例は、触媒、人工着色料及び顔料、紫外線遮断剤、加工助剤、安定剤、耐衝撃性改良剤、化学的又は物理的発泡剤、充填剤、核剤、難燃剤、軟化剤、バリヤー又は機械特性を改善する粒子、小球体又は繊維などの補強体、及び酸素吸収剤、アセトアルデヒド吸収剤又は分子量を増加させる物質などの反応性物質、などである。
【0081】
ポリマー溶融物が、先行技術において公知の装置又は反応器を用いて調製される。基本的に、中でポリマーが液相で調製される重合反応器、例えば、攪拌槽反応器、ケージ反応器又はディスク反応器、或いは、中で前もって調製したポリマーが溶融される装置、例えば、押出機又は混練機が適している。ポリマーの調製は、連続的でもバッチ式でもよい。しかしながら、さらに処理をするためには、連続法が好ましい。ポリマー溶融物調製からのモノマー、ダイマー、オリゴマー又は分解生成物だけでなく、リサイクル物からの汚染物、ポリマー調製からの残留溶剤などの望ましくない物質も、薄層蒸発器又は押出機、特に二軸スクリュー押出機などの多軸スクリュー押出機又はリング押出機、により取り除くことができる。ポリマー溶融物の加工には、圧力発生、濾過、焼き戻し又は混合などの他の処理工程を用いることができる。
【0082】
粒子は、種々の手段により、ポリマー溶融物から形成することができる。ポリマー溶融物から形成された塊、ストランド又はバンドを細断することができ、又は粒子は、例えば、小滴形成又は噴霧によって、直接形成することができる。最も普通なのは、造粒の方法であり、造粒では、個々のポリマーストランドが、ポリマー溶融物から排出手段において、特にノズル又はノズルプレートにおいて形成される。粒体は、ポリマーストランドから、先行技術において公知の方法、例えば、ストランド造粒、ウォーターリング造粒、アンダーウォーター造粒又はホットフェイス造粒、滴下或いは噴霧により形成することができる。溶融物の流路を離れるポリマーストランドは、固化され多数の個々の粒体に分離され、分離は、固化の前でも後でも行うことができる。
【0083】
造粒装置の名称における「水」の語の使用にもかかわらず、他の液体媒体も使用することができる。粒子は、例えば、独立液滴形成(independent drop formation)により、液切り媒体(liquid shear medium)を使用することにより又は機械的分離、特に切断によって分離される。独立の又は切り媒体により強いられた液滴形成が、ノズルの出口で行われるのに対し、切断は、ノズルの出口ですぐに行うことも、処理経路を通過した後に初めて行うこともできる。
【0084】
ポリマー溶融物は、一以上の冷却媒体又はそれらの組み合わせを用いる冷却により堅くされ、冷却媒体は、ガス状(例えば、空気、窒素又は二酸化炭素)又は液体(例えば、水又はエチレングリコール)でよい。液体の冷却媒体を用いる場合には、続いて粒子を、その冷却媒体から分離しなければならない。これは、例えば、吸引、ガス流、衝撃乾燥機又は遠心乾燥機によって行うことができる。平均粒度は、0.5mm〜10mmの間、好ましくは1.5mm〜5mmの間、特に2mm〜3.5mmの間とすべきである。平均粒度は、粒子の高さ、長さ及び幅の平均から得られる粒径の統計的平均である。好ましい粒体重量は、2〜100mgの間、特に5mg超、好ましくは10mg超で、特に50mg未満好ましくは30mg未満である。
【0085】
粒子は、規定された粒体形状、例えば、円筒状、回転楕円体状、滴形、球状又は例えばヨーロッパ特許第541 674(Yau)において提案されたような指定された形状を有するのが好ましい。密な粒体又は多孔質の粒体を用いることができ、それらの粒体は、例えば焼結、発泡などによって調製することができる。
【0086】
粒子の冷却は、粒子の調製の一部として行うことができ、又は粒子の冷却は、粒子の調製の後に続けて行うこともできる。粒子の調製における冷却媒体と同じものを用いることができる。しかし、他の冷却媒体を用いることもできる。そのほか、先行技術において公知の冷却装置を用いることもできる。
【0087】
ポリマー粒子が形成された後、本発明は、有意義な工程である結晶化反応器内での少なくとも部分的な結晶化を用意している。結晶化は、連続的でもバッチ式でもよい。通例、結晶化は、熱工程である。必要な熱は、例えば、結晶化反応器の加熱された壁により、結晶化反応器内の加熱されたインサートにより、熱いプロセスガスの輻射又は吹き込みにより、好ましくは粒子又はフレークの内部熱によって、得ることができる。
【0088】
結晶化は、適した温度で、適した滞留時間に亘って進行しなければならない。好都合なことに、結晶化は、粘着を引き起こすことも塊の形成を引き起こすこともなしに、乾燥又は固相重縮合などの更なる熱処理を可能にする結晶化度に少なくとも帰着しなければならない。
【0089】
適した温度範囲は、示差走査熱量測定法(DSC)により測定した結晶半衰期を温度の関数として記録すると、明らかになる。
【0090】
結晶化しつつあるポリマー粒子の粘着を防止するためには、これらの粒子を、互いに対して運動している状態に保たなければならない。これは、例えば、攪拌機、揺動された容器を用いて、又は流動化ガスにより行うことができる。
【0091】
適した結晶化反応器は、振動反応器、回転反応器、攪拌機を備えた反応器、及びプロセスガスによって灌流され、プロセスガスの流速がポリマー粒子を動かすことのできるものでなければならない反応器である。結晶化反応器として、特に適しているのが、流動床又は乱流流動床晶析装置である。
【0092】
粒子を調製するための幾つかの他の装置を、結晶化装置に連結することができる。これは、粒子を調製するための幾つかの装置の交代運転で、一定量の粒子が結晶化装置に供給されるという利点をもたらす。随意、結晶化度を上げる工程の後に、熱処理をもたらす他の工程が続く。例えば、この工程は、乾燥又は加湿のための工程及び/又は固相重縮合(SSP)のための工程であることがある。
【0093】
結晶化の直後又は熱処理の更なる工程に続いて、ポリマー粒子を、それらを保管するのに適した温度まで冷却することができる。冷却は、先行技術において公知の手段、例えば、プレート式熱交換器、流動床冷却器、余分の冷却媒体を有するコンベヤにおいて、冷却液に直接投入することによって、又は冷たい表面との接触によって、得られる。PET又はPAに関しては、これらの材料は吸湿性であるため、空気による冷却がおもに有益である。
【0094】
後に、ポリマー粒子を、繊維、リボン、チューブ、フィルム、押出ブロー成形品、射出成形品又は焼結された部品にするため、処理することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレートは、主として、ボトルなどの中空の要素に作られる。ポリマー粒子は、結晶化の直後又は熱処理の更なる工程に続いて、製品に加工することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7