特許第5697715号(P5697715)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5697715
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】紙幣処理装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 9/00 20060101AFI20150319BHJP
   B65H 29/60 20060101ALI20150319BHJP
【FI】
   G07D9/00 416C
   G07D9/00 326
   G07D9/00 401E
   B65H29/60 C
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-121147(P2013-121147)
(22)【出願日】2013年6月7日
(62)【分割の表示】特願2008-285230(P2008-285230)の分割
【原出願日】2008年11月6日
(65)【公開番号】特開2013-178838(P2013-178838A)
(43)【公開日】2013年9月9日
【審査請求日】2013年6月14日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(74)【代理人】
【識別番号】100179338
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(72)【発明者】
【氏名】和 田 幹 生
(72)【発明者】
【氏名】横 田 安 志
(72)【発明者】
【氏名】関 口 順 一
【審査官】 大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−086892(JP,A)
【文献】 特開平10−283530(JP,A)
【文献】 特開2000−215344(JP,A)
【文献】 特開平10−188077(JP,A)
【文献】 特開平11−120413(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 9/00
B65H 29/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の外部から内部に紙幣を投入するための入金口と、
前記筐体の下部に配置され、略水平方向に沿って並列に複数設けられた、紙幣の収納を行うための収納庫と、
前記筐体の内部において前記各収納庫と並列に配置され、前記入金口により前記筐体の外部から内部に投入された紙幣を一時的に保留するための一時保留用収納庫と、
前記筐体の内部において前記各収納庫および前記一時保留用収納庫の上方に設けられ、前記入金口、前記各収納庫および前記一時保留用収納庫の間で紙幣の搬送を行う搬送部と、
前記搬送部と接続され、出金時のリジェクト紙幣を収納する出金リジェクト部と、
前記搬送部の上方に設けられ、当該搬送部から搬送された紙幣を帯封するための帯封部と、
前記帯封部により帯封が行われた帯封紙幣を前記筐体の外部に投出するための帯封紙幣出金口と、
を備え、
前記搬送部は、前記各収納庫および前記一時保留用収納庫の上方に配置されるループ形状の搬送路を有しており、
前記出金リジェクト部は、前記ループ形状の搬送路よりも上方で、且つ、前記帯封部よりも下方の位置に設けられ、
前記一時保留用収納庫は、紙幣を積層状態で収納し、
前記収納庫および前記一時保留用収納庫の各上端部、並びに、前記収納庫および前記一時保留用収納庫の各下端部が概ね同じ高さ位置に設けられ、
前記収納庫および前記一時保留用収納庫が略同一の容量を有することを特徴とする紙幣処理装置。
【請求項2】
記ループ形状の搬送路は、前記搬送部により搬送される紙幣を特定の収納庫または一時保留用収納庫に振り分けるための複数の分岐部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載の紙幣処理装置。
【請求項3】
前記ループ形状の搬送路のうち前記複数の分岐部材が設けられた箇所は、略直線形状となっていることを特徴とする請求項2に記載の紙幣処理装置。
【請求項4】
前記帯封紙幣出金口には、略水平方向に延びる状態から上方に回動可能な複数の爪部材が設けられ、
昇降自在のステージが設けられ、
前記爪部材は、前記略水平方向に延びる状態から上方に回動した後で前記略水平方向に延びる状態に戻り、前記ステージ上の帯封紙幣を受け取ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の紙幣処理装置。
【請求項5】
前記一時保留用収納庫は前記各収納庫と同一部品で構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の紙幣処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙幣の入金等の処理を行うための紙幣処理装置に関し、とりわけ、紙幣を大量に収納することができるとともに、一回の取引で大量の紙幣の入金処理を行うことができる紙幣処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば特許文献1等に示すように、紙幣の入金や出金等の処理を行うための様々なタイプの紙幣処理装置が知られている。特許文献1等に開示されるような従来の紙幣処理装置において、筐体の下部には金種毎に紙幣を収納する複数の収納庫が設けられており、筐体内において各収納庫の上方には紙幣を一時的に保留するための一時保留部が設けられている。また、筐体の内部において一時保留部の上方には、入金口により筐体の内部に投入された紙幣を搬送するための搬送部が設けられており、この搬送部の上方には、積層状態にある紙幣の束の帯封を行うための帯封部が設けられている。
【0003】
特許文献1に示す紙幣処理装置では、入金口により筐体の内部に投入された紙幣は搬送部により筐体の内部で搬送され、この搬送部に設けられた識別部により金種等の識別が行われ、その後、一時保留部で一時的に保留される。そして、紙幣の入金処理の確定が行われると、一時保留部で一時的に保留された紙幣は各収納庫に金種別に収納されることとなる。また、各収納庫に収納された紙幣を帯封紙幣として出金する際には、各収納庫から紙幣が帯封部に送られ、この帯封部において紙幣の束の帯封が行われ、帯封紙幣が帯封紙幣出金口から出金されるようになっている。
【0004】
【特許文献1】特開10−188077号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1等に示すような従来の紙幣処理装置においては、筐体内において各収納庫の上方に一時保留部が設けられているため、筐体の高さが大きくなってしまい、紙幣処理装置の設置スペースが大きくなってしまうという問題があった。
【0006】
また、一時保留部および各収納庫は筐体の高さ方向に並んで配置されているので、一時保留部の容量を大きくすると収納庫の容量が小さくなってしまい、紙幣処理装置全体の紙幣の収納量が減少してしまう。一方、一時保留部の容量を小さくすると、紙幣処理装置に収納すべき紙幣の量が多い場合には継続入金処理を行わなければならず、操作者にとって使い勝手が悪いという問題がある。
【0007】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、筐体の内部において各収納庫と一時保留用収納庫とを並列に配置することにより、筐体の高さが大きくなってしまうことを抑止することができるとともに収納庫および一時保留用収納庫の容量を大きくすることができ、このことにより紙幣を大量に収納することができるとともに一回の取引で大量の紙幣の入金処理を行うことができる紙幣処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の紙幣処理装置は、筐体と、前記筐体の外部から内部に紙幣を投入するための入金口と、前記筐体の下部に配置され、略水平方向に沿って並列に複数設けられた、紙幣の収納を行うための収納庫と、前記筐体の内部において前記各収納庫と並列に配置され、前記入金口により前記筐体の外部から内部に投入された紙幣を一時的に保留するための一時保留用収納庫と、前記筐体の内部において前記各収納庫および前記一時保留用収納庫の上方に設けられ、前記入金口、前記各収納庫および前記一時保留用収納庫の間で紙幣の搬送を行う搬送部と、前記搬送部における前記各収納庫または前記一時保留用収納庫への分岐箇所にそれぞれ設けられ、前記搬送部により搬送される紙幣を特定の収納庫または一時保留用収納庫に振り分けるための複数の分岐部材と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
このような紙幣処理装置によれば、筐体の内部において、紙幣の収納を行うための複数の収納庫と、紙幣を一時的に保留するための一時保留用収納庫とが並列に配置されている。そして、搬送部における各収納庫または一時保留用収納庫への分岐箇所にそれぞれ分岐部材が設けられており、これらの分岐部材により、搬送部により搬送される紙幣が特定の収納庫または一時保留用収納庫に振り分けられるようになっている。このように、各収納庫と一時保留用収納庫とが略水平方向に沿って並列に配置されているので、筐体の高さが大きくなってしまうことを抑止することができるとともに収納庫および一時保留用収納庫の容量を大きくすることができる。そして、収納庫の容量を大きくすることができるので紙幣処理装置は紙幣を大量に収納することができ、また、一時保留用収納庫の容量を大きくすることができるので一回の取引で大量の紙幣の入金処理を行うことができる。
【0010】
本発明の紙幣処理装置においては、前記一時保留用収納庫は前記各収納庫と略同一の容量を有することが好ましい。このことにより、一時保留用収納庫を収納庫と同一部品で構成させることができるようになる。
【0011】
本発明の紙幣処理装置においては、前記搬送部は、前記各収納庫および前記一時保留用収納庫の上方に配置される横長のループ形状の搬送路を有していることが好ましい。このことにより、紙幣処理装置の筐体の高さが大きくなってしまうことをより一層抑止することができる。また、筐体の奥行き方向に収納庫を増設する場合にも、紙幣処理装置の内部の構成を大幅に変更する必要がなくなる。
【0012】
上述のような紙幣処理装置においては、前記搬送部は、前記ループ形状の搬送路からそれぞれ下方に分岐して前記各収納庫および前記一時保留用収納庫に接続される複数の分岐搬送路を更に有していることが好ましい。
【0013】
また、この際に、前記各分岐部材は、前記ループ形状の搬送路から前記分岐搬送路が分岐する分岐箇所に設けられる分岐爪からなり、分岐爪からなる分岐部材は軸を中心として回転自在となっており、前記ループ形状の搬送路で搬送される紙幣を前記各収納庫または前記一時保留用収納庫に送る際に、紙幣が送られるべき収納庫または一時保留用収納庫に対応する分岐部材が回転することにより前記搬送部により搬送される紙幣が特定の収納庫または一時保留用収納庫に振り分けられることが好ましい。このような分岐爪からなる分岐部材が各分岐箇所に設けられていることにより、搬送部により搬送される紙幣を確実に特定の収納庫または一時保留用収納庫に振り分けることができる。
【0014】
本発明の紙幣処理装置においては、前記筐体の内部において前記搬送部の上部に設けられ、当該搬送部から搬送された紙幣を帯封するための帯封部と、前記入金口の近傍に設けられ、前記帯封部により帯封が行われた帯封紙幣を筐体の外部に投出するための帯封紙幣出金口と、を更に備えることが好ましい。筐体の内部において搬送部の上方に帯封部が設けられているので、入金口と帯封部の位置が近くなり、紙幣の出金処理のための紙幣処理装置の構成が簡単になる。また、入金口の近傍に帯封紙幣出金口を設けているので、この入金口を、筐体の外部から内部に紙幣を投入するともに筐体の内部から外部にバラ紙幣を投出するための入出金口として用いた場合には、バラ紙幣と帯封紙幣の出金口を別々に配置しても操作者による各出金口からの紙幣の取り忘れをできるだけ防ぐようにすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の紙幣処理装置によれば、筐体の高さが大きくなってしまうことを抑止することができるとともに収納庫および一時保留用収納庫の容量を大きくすることができ、このため、紙幣を大量に収納することができ、また、一回の取引で大量の紙幣の入金処理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の一の実施の形態について説明する。図1乃至図10は、本実施の形態に係る紙幣処理装置を示す図である。このうち、図1は、本実施の形態における紙幣処理装置の外観を示す斜視図であり、図2は、図1に示す紙幣処理装置の正面図である。また、図3は、図1に示す紙幣処理装置の内部の構成を示す構成図であり、図4乃至図6は、図3に示す紙幣処理装置に設けられた分岐部材の構成を示す拡大説明図である。また、図7乃至図9は、図3に示す紙幣処理装置に設けられた帯封紙幣出金口およびシャッター機構の構成を示す側面図であり、図10(a)〜(g)は、図3に示す紙幣処理装置に設けられた帯封部から帯封紙幣出金口に帯封紙幣が受け渡されるときの動作を順に示す図である。
【0017】
まず、図1乃至図3を用いて、本実施の形態の紙幣処理装置10の全体的な構成について概略的に説明する。なお、図3において、参照符号Sはバラ紙幣を示し、参照符号S´は積層状態に集積されたバラ紙幣の束を示し、参照符号Tは帯封紙幣を示す。図1に示すように、紙幣処理装置10は略直方体形状の筐体12を備えており、この筐体12の前面には、当該筐体12の外部から内部にバラ紙幣を投入するとともに筐体12の内部から外部にバラ紙幣を投出するための入出金口20が筐体12の外部に露出するよう設けられている。入出金口20には開口部が設けられており、この開口部にはシャッター機構22が設けられている。そして、シャッター機構22により入出金口20の開口部の開閉が行われるようになっている。また、図3等に示すように、筐体12の下部には4つの収納カセット40および1つの一時保留用収納カセット42が略水平方向に沿って並列に設けられている。ここで、各収納カセット40は、紙幣を金種別に収納するようになっている。また、一時保留用収納カセット42は、入出金口20により筐体12の外部から内部に投入された紙幣を一時的に保留するようになっている。
【0018】
また、図3等に示すように、筐体12の内部において各収納カセット40および一時保留用収納カセット42の上方には搬送部30が設けられており、この搬送部30は、入出金口20、各収納カセット40および一時保留用収納カセット42の間で紙幣の搬送を行うようになっている。また、筐体12の内部において搬送部30の上方には、この搬送部30から搬送された紙幣を帯封するための帯封部50が設けられている。また、筐体12の前面には、帯封部50により帯封が行われた帯封紙幣を筐体12の外部に投出するための帯封紙幣出金口60が筐体12の外部に露出するよう設けられている。図1図2に示すように、帯封紙幣出金口60は入出金口20の近傍に設けられている。また、帯封紙幣出金口60には開口部が設けられており、この開口部にはシャッター機構62が設けられている。そして、シャッター機構62により帯封紙幣出金口60の開口部の開閉が行われるようになっている。
【0019】
以下、このような紙幣処理装置10の各構成要素について詳述する。
【0020】
入出金口20は、図1乃至図3に示すように、筐体12の前面に設けられており、操作者がこの入出金口20にバラ紙幣Sの束を投入したりこの入出金口20からバラ紙幣Sの束を取り出したりすることができるよう構成されている。より具体的には、図3に示すように入出金口20は鉛直方向に対して斜めに傾斜しており、この入出金口20にはバラ紙幣Sが斜めに傾斜して投入されるようになっている。入出金口20には紙幣繰出機構21が設けられており、この紙幣繰出機構21により入出金口20に集積されたバラ紙幣Sが1枚ずつ搬送部30に繰り出されるようになっている。また、バラ紙幣の出金処理を行う際には、搬送部30からバラ紙幣Sが1枚ずつ入出金口20に送られるようになっている。
【0021】
図1等に示すように、入出金口20の開口部にはシャッター機構22が設けられており、このシャッター機構22により入出金口20の開口部が開閉されるようになっている。より具体的には、操作者が入出金口20にバラ紙幣Sの束を投入したり入出金口20から バラ紙幣Sの束を取り出したりする際には、シャッター機構22が開いて入出金口20が筐体12の外部に露出されるようになっている。一方、入出金口20に集積されたバラ紙幣Sが1枚ずつ紙幣繰出機構21により搬送部30に繰り出されたり搬送部30から入出金口20にバラ紙幣Sが1枚ずつ送られたりする際には、シャッター機構22が入出金口20を閉じるようになっている。
【0022】
図3に示すように、搬送部30には識別部31が設置されている。識別部31は、入出金口20から搬送部30に繰り出された紙幣の金種や正損、真偽等を識別するようになっている。また、筐体12の内部には入金リジェクト部24が設けられており、この入金リジェクト部24は搬送部30に接続されている。そして、入金された紙幣のうち識別部31により正常な紙幣ではないリジェクト紙幣であると識別された紙幣や、識別部31により識別することができなかった紙幣は搬送部30から入金リジェクト部24に送られるようになっている。また、筐体12の内部には出金リジェクト部26が設けられており、この出金リジェクト部26は搬送部30に接続されている。そして、出金の際に一時保留用収納カセット42から繰り出された紙幣のうち、識別部31により正常な紙幣ではないリジェクト紙幣であると識別された紙幣や、識別部31により識別することができなかった紙幣は搬送部30から出金リジェクト部26に送られるようになっている。
【0023】
図3に示すように、各収納カセット40および一時保留用収納カセット42は、筐体12の奥行き方向(図3の左右方向)に沿って並列に配置されている。各収納カセット40および一時保留用収納カセット42にはそれぞれ搬送部30から1枚ずつ紙幣が送られるようになっている。ここで、各収納カセット40および一時保留用収納カセット42はそれぞれ扁平状の略直方体形状のものからなり、搬送部30から送られた紙幣が積層状態に収納されるようになっている。また、各収納カセット40および一時保留用収納カセット42にはそれぞれ紙幣繰出機構41、43が設けられており、これらの収納カセット40や一時保留用収納カセット42に収納された紙幣は紙幣繰出機構41、43により1枚ずつ搬送部30に繰り出すことができるようになっている。
【0024】
ここで、一時保留用収納カセット42は各収納カセット40と略同一の容量(紙幣収納量)を有していてもよい。この場合には、一時保留用収納カセット42を収納カセット40と同一部品で構成させることができるようになる。
【0025】
図3に示すように、搬送部30は、各収納カセット40および一時保留用収納カセット42の上方に配置される横長のループ形状の搬送路32を有している。また、搬送部30は、ループ形状の搬送路32からそれぞれ下方に分岐して各収納カセット40および一時保留用収納カセット42に接続される複数の分岐搬送路34を有している。このため、図3に示すように、搬送部30には、ループ形状の搬送路32と各々の分岐搬送路34とが接続される箇所である分岐箇所35(T字路)が、搬送路32に沿って複数形成されることとなる。
【0026】
搬送部30の搬送路32における各収納カセット40または一時保留用収納カセット42への分岐箇所35には、分岐爪からなる分岐部材36がそれぞれ設けられている。各分岐部材36は、搬送部30の搬送路32により搬送される紙幣を特定の収納カセット40または一時保留用収納カセット42に振り分けるようになっている。
【0027】
ここで、分岐箇所35に設置される分岐部材36の具体的な構成について図4乃至図6を用いて説明する。ここで、図4は、分岐箇所35に対して右側の搬送路32から紙幣が搬送されたときの分岐部材36の向きを示す図であり、図5は、分岐箇所35に対して左側の搬送路32から紙幣が搬送されたときの分岐部材36の向きを示す図であり、図6は、分岐箇所35に対して分岐搬送路34から紙幣が搬送されたときの分岐部材36の向きを示す図である。
【0028】
図4乃至図6に示すように、分岐部材36は細長い二等辺三角形形状(いわゆる洗濯バサミに似た形状)の分岐爪からなり、この分岐部材36は、その中心の位置に設けられた軸36aを中心として回転自在となっている。ここで、分岐箇所35に対してどの方向から紙幣が送られるか、および分岐箇所35に送られた紙幣をどの搬送路に搬送するかに基づいて、分岐部材36の向き、より具体的には分岐部材36の先端部分36bの位置が決められるようになっている。
【0029】
より詳細には、図4に示すように、分岐箇所35に対して右側の搬送路32から紙幣が搬送されたときには、分岐部材36の先端部分36bは右側の搬送路32に向くようになっている。そして、分岐箇所35の右側の搬送路32から左側の搬送路32に紙幣を送る際には、分岐部材36が図4の実線に示すような向きとなるようこの分岐部材36が軸36aを中心として回転させられ、分岐部材36の先端部分36bの位置が調整される。一方、分岐箇所35の右側の搬送路32から分岐搬送路34に紙幣を送る際には、分岐部材36が図4の二点鎖線に示すような向きとなるようこの分岐部材36が軸36aを中心として回転させられ、分岐部材36の先端部分36bの位置が調整される。
【0030】
また、図5に示すように、分岐箇所35に対して左側の搬送路32から紙幣が搬送されたときには、分岐部材36の先端部分36bは左側の搬送路32に向くようになっている。そして、分岐箇所35の左側の搬送路32から分岐搬送路34に紙幣を送る際には、分岐部材36が図5の実線に示すような向きとなるようこの分岐部材36が軸36aを中心として回転させられ、分岐部材36の先端部分36bの位置が調整される。一方、分岐箇所35の左側の搬送路32から右側の搬送路32に紙幣を送る際には、分岐部材36が図5の二点鎖線に示すような向きとなるようこの分岐部材36が軸36aを中心として回転させられ、分岐部材36の先端部分36bの位置が調整される。
【0031】
また、図6に示すように、分岐箇所35に対して分岐搬送路34から紙幣が搬送されたときには、分岐部材36の先端部分36bは分岐搬送路34に向くようになっている。そして、分岐搬送路34から分岐箇所35の右側の搬送路32に紙幣を送る際には、分岐部材36が図6の実線に示すような向きとなるようこの分岐部材36が軸36aを中心として回転させられ、分岐部材36の先端部分36bの位置が調整される。一方、分岐搬送路34から分岐箇所35の左側の搬送路32に紙幣を送る際には、分岐部材36が図6の二点鎖線に示すような向きとなるようこの分岐部材36が軸36aを中心として回転させられ、分岐部材36の先端部分36bの位置が調整される。
【0032】
このように、搬送部30におけるループ形状の搬送路32から分岐搬送路34が分岐する分岐箇所35に、それぞれ分岐爪からなる分岐部材36が設けられており、この分岐部材36は軸36aを中心として回転自在となっており、ループ形状の搬送路32で搬送される紙幣を各収納カセット40または一時保留用収納カセット42に送る際に、紙幣が送られるべき収納カセット40または一時保留用収納カセット42に対応する分岐部材36が回転することにより、搬送部30により搬送される紙幣が特定の収納カセット40または一時保留用収納カセット42に振り分けられるようになる。また、分岐部材36の向きを調整することにより、各収納カセット40や一時保留用収納カセット42から紙幣繰出機構41、43により分岐搬送路34に繰り出された紙幣をループ形状の搬送路32に送ることができるようになる。
【0033】
搬送部30の上部に設けられた帯封部50は、この搬送部30から搬送された紙幣の帯封を行うようになっている。この帯封部50の具体的な構成について図3を用いて説明する。前述のように、図3において、参照符号S´は積層状態に集積されたバラ紙幣の束を示し、参照符号Tは帯封紙幣を示す。
【0034】
図3に示すように、帯封部50には、搬送部30から1枚ずつ送られた紙幣が積層状態で集積される一時保留ステージ51が設けられており、この一時保留ステージ51の近傍には束ガイド部材58が設けられている。また、帯封部50には搬送アーム52が設けられており、この搬送アーム52は、一時保留ステージ51に積層状態で集積されたバラ紙幣の束S´を一括して搬送するようになっている。より具体的には、一時保留ステージ51に集積されたバラ紙幣の束S´は、搬送アーム52によって一時保留ステージ51から引き抜かれるが、束ガイド部材58が上下に設けられているので、引き抜かれた時にバラ紙幣の束S´の端部の広がりを防止することができる。また、搬送アーム52は上アーム部分52aおよび下アーム部分52bから構成されており、上アーム部分52aおよび下アーム部分52bにより紙幣を上下から掴むようになっている。そして、上アーム部分52aが上下動することで紙幣を掴んだり離したりするようになっている。
【0035】
また、帯封部50は、上部札締め部材53と、下部札締め部材54と、ヒータ56と、帯封紙供給部57と、印字部67とを有している。これらの上部札締め部材53、下部札締め部材54、ヒータ56、帯封紙供給部57および印字部67により帯封機構59が構成されている。前述のように搬送アーム52にバラ紙幣の束S´が引き渡された後、この搬送アーム52は上部札締め部材53と下部札締め部材54との間の位置に移動する。そして、搬送アーム52上にあるバラ紙幣の束S´に対して帯封紙供給部57から帯封紙が供給され、バラ紙幣の束S´が帯封紙で巻かれる。その後、帯封紙で巻かれたバラ紙幣の束S´は、上部札締め部材53および下部札締め部材54により上下方向から挟圧されるとともに、ヒータ56により加熱させられる。このことにより、帯封紙によってバラ紙幣の束S´の帯封処理(結束処理)が行われ、帯封紙幣Tが形成されることとなる。
【0036】
また、帯封部50には、帯封紙幣Tの帯封紙に対して印字を行うスタンプ55が設けられている。帯封機構59により帯封処理が行われた帯封紙幣Tはスタンプ55に送られ、このスタンプ55によって帯封紙幣Tの帯封紙に対して、銀行名や、正券か損券かを示す印等の押印が行われる。また、帯封部50には、帯封紙に日付やシリアルナンバー等の印字を行うための印字部67が設けられており、帯封紙供給部57から帯封紙が供給される際にこの印字部67により帯封紙に対して印字が行われるようになっている。
【0037】
その後、帯封紙幣Tは搬送アーム52により帯封紙幣出金口60に送られる。ここで、シャッター機構62が帯封紙幣出金口60の開口部を閉じた状態で、帯封紙幣出金口60には複数の束の帯封紙幣Tを集積させることができるようになっている。そして、帯封紙幣出金口60に複数の束の帯封紙幣Tが集積された後、シャッター機構62が帯封紙幣出金口60の開口部を開くことにより、操作者は複数の束の帯封紙幣Tを一括して取り出すことができるようになっている。なお、シャッター機構62は、帯封紙幣出金口60に所定の数の帯封紙幣Tが集積されるまで帯封紙幣出金口60の開口部を開かないよう構成されている。
【0038】
また、搬送アーム52は側面視で帯封部50の略中央位置に配置され、一時保留ステージ51、帯封機構59、スタンプ55、印字部67および帯封紙幣出金口60は搬送アーム52の周囲に配置されている。そして、搬送アーム52は、これらの一時保留ステージ51、帯封機構59、スタンプ55および帯封紙幣出金口60の間で移動自在となっている。
【0039】
次に、帯封紙幣出金口60およびシャッター機構62の具体的な構成について図7乃至図9を用いて説明する。ここで、図7は、帯封紙幣出金口およびシャッター機構の構成を示す側面図であり、図8は、図7に示す帯封紙幣出金口に設けられた出金口ステージおよびこの出金口ステージの上方の空間に進入した搬送アームのA−Aライン矢視による上面図である。また、図9は、図7に示す帯封紙幣出金口に設けられた出金口ステージおよび爪部材のB−Bライン矢視による上面図である。なお、図7および図8において参照符号Tは帯封紙幣を示し、参照符号Taは帯封紙幣に巻かれた帯封紙を示す。
【0040】
図7に示すように、帯封紙幣出金口60の下部には、帯封紙幣Tが載置される昇降自在の出金口ステージ61が設けられている。ここで、出金口ステージ61には1つの帯封紙幣Tが集積されるようになっている。また、図7および図8に示すように、出金口ステージ61の縁部からは側壁部61aが上方に延びるよう設けられている。より具体的には、図8に示すように、左右一対の2つの側壁部61aが出金口ステージ61から上方に延びるよう設けられており、これらの2つの側壁部61aの間には、搬送アーム52が進入可能な空間が形成されている。
【0041】
図7に示すように、帯封紙幣Tが載置された搬送アーム52が出金口ステージ61の上方の空間に進入することができるようになっている。より具体的には、帯封紙幣Tが載置された搬送アーム52は出金口ステージ61の側壁部61aよりも上方の高さレベルにおいて出金口ステージ61の上方の空間に進入し、その後、搬送アーム52は下降するようになっている。そして、出金口ステージ61の底部の近傍の位置まで搬送アーム52が下降すると、搬送アーム52の上アーム部分52aが上昇し、この搬送アーム52は図8に示すような左右一対の側壁部61aの間の空間を通って出金口ステージ61の上方の空間から退避するようになっている。搬送アーム52が出金口ステージ61の上方の空間から退避する際に、この搬送アーム52に載置された帯封紙幣Tは側壁部61aに引っ掛かり、搬送アーム52が退避した後にこの帯封紙幣Tは出金口ステージ61上に引き渡されることとなる。
【0042】
帯封紙幣出金口60には、鉛直方向に沿って延びるガイド部材63、64、65が設けられている。これらのガイド部材63、64、65の間に、帯封紙幣Tが集積されるスペースが形成されている。ここで、ガイド部材63とガイド部材64とは互いに対向するよう設けられており、ガイド部材65はガイド部材64の上方に設けられている。また、ガイド部材63の上部には、帯封紙幣の上方への動きを規制する規制部材68が取り付けられている。この規制部材68は、帯封紙幣出金口60の上部において出金口ステージ61と対向する位置に設けられている。
【0043】
また、図7および図9に示すように、爪部材66がガイド部材63およびガイド部材64に設けられている。図7に示すように、各爪部材66はそれぞれ軸66aによりガイド部材63やガイド部材64に枢支されており、各爪部材66は図7に示すような略水平方向に延びる状態から上方にのみ回動することができるようになっている。より具体的には、各爪部材66は図示しない捩りバネが設けられており、軸66aを中心として爪部材66を略水平方向に延びる状態から上方に回動させる場合にはこの捩りバネの捩り力に逆らって爪部材66を回動させることとなる。
【0044】
帯封紙幣出金口60において、複数の束の帯封紙幣Tは各爪部材66上に載置されるよう集積されるようになっている。すなわち、各爪部材66は、当該爪部材66に下方から力が作用していないときには略水平方向に延び、この略水平方向に延びる各爪部材66上に複数の帯封紙幣Tが載置されるようになっている。そして、シャッター機構62が開いたときには、操作者は各爪部材66上にある複数の束の帯封紙幣Tを一括して取り出すことができるようになっている。
【0045】
また、図9に示すように、帯封紙幣出金口60において爪部材66は合計5つ設けられており、帯封紙幣出金口60の上方から見て、出金口ステージ61には各爪部材66に対応して5つの切欠部が形成されている。すなわち、出金口ステージ61が各爪部材66を通過するよう昇降した際に、出金口ステージ61を上方から見て各爪部材66はこの出金口ステージ61に形成された各切欠部の位置に設けられているため、出金口ステージ61が各爪部材66に衝突することはない。
【0046】
図7等に示すように、シャッター機構62は外側シャッター部材62aおよび内側シャッター部材62bの2枚のシャッター部材から構成されており、これらの2枚のシャッター部材62a、62bが二重構造となっている。そして、内側シャッター部材62bが外側シャッター部材62aと重なった時点で、両方のシャッター部材62a、62bが重なって開くようになっている。なお、シャッター機構62の内側には前述のようにガイド部材65が設けられているため、シャッター機構62が閉まっているときには各爪部材66上にある複数の束の帯封紙幣Tがガイド部材65によりガイドされ、帯封紙幣Tが散乱しないようになっている。
【0047】
帯封部50により帯封が行われた帯封紙幣Tを、帯封紙幣出金口60の各爪部材66上に集積させる方法については後述する。
【0048】
次に、上述のような構成からなる紙幣処理装置10の動作について説明する。
【0049】
最初に、紙幣処理装置10への紙幣の入金処理について説明する。紙幣の入金処理を行う際には、まず、紙幣処理装置10における入出金口20のシャッター機構22を開き、操作者がバラ紙幣Sの束を入出金口20に投入する。そして、シャッター機構22を閉じると、入出金口20に投入されたバラ紙幣Sは紙幣繰出機構21により1枚ずつ搬送部30に繰り出される。紙幣繰出機構21により搬送部30に繰り出された紙幣はループ形状の搬送路32に搬送され、識別部31によりその金種や正損、真偽等の識別が行われる。識別部31により正常な紙幣ではないリジェクト紙幣であると識別された紙幣や、識別部31により識別することができなかった紙幣は、搬送部30から入金リジェクト部24に送られ、この入金リジェクト部24で集積される。一方、識別部31により正常な紙幣であると識別された紙幣は、一時保留用収納カセット42に対応する分岐箇所35(図3における一番右側の分岐箇所35)においてループ形状の搬送路32から分岐部材36により分岐搬送路34に送られ、一時保留用収納カセット42に搬送されることとなる。この一時保留用収納カセット42において、ループ形状の搬送路32から分岐搬送路34を介して送られた紙幣が積層状態で一時的に保留される。
【0050】
その後、紙幣の入金処理の確定が行われると、一時保留用収納カセット42に一時的に保留された紙幣は識別部31を通り、金種別に各収納カセット40に送られる。この際に、一時保留用収納カセット42からループ形状の搬送路32に紙幣が一旦戻され、このループ形状の搬送路32で搬送される紙幣が各分岐部材36により各収納カセット40に金種別に振り分けられることにより、ループ形状の搬送路32から各分岐搬送路34を介して各収納カセット40に紙幣が送られ、紙幣が積層状態で金種別に各収納カセット40に収納されることとなる。
【0051】
次に、紙幣処理装置10からのバラ紙幣の出金処理について説明する。バラ紙幣の出金処理を行う際に、各収納カセット40に収納された紙幣が紙幣繰出機構41により収納カセット40から搬送部30に1枚ずつ繰り出され、搬送部30に繰り出された紙幣は識別部31により識別が行われる。そして、正常な紙幣であると識別された紙幣は搬送部30から入出金口20に1枚ずつ送られ、この入出金口20でバラ紙幣Sが積層状態に集積される。一方、識別部31により正常な紙幣ではないリジェクト紙幣であると識別された紙幣や、識別部31により識別することができなかった紙幣は、搬送部30から出金リジェクト部26に送られ、この出金リジェクト部26で集積される。
【0052】
その後、入出金口20のシャッター機構22が開くことにより、操作者は入出金口20に集積されたバラ紙幣Sの束を取り出すことができるようになる。
【0053】
次に、紙幣処理装置10からの帯封紙幣の出金処理について説明する。帯封紙幣の出金処理を行う際に、各収納カセット40に収納された紙幣が紙幣繰出機構41により収納カセット40から搬送部30に1枚ずつ繰り出され、搬送部30に繰り出された紙幣はこの搬送部30の上部にある帯封部50に搬送される。より具体的には、搬送部30から一時保留ステージ51上に紙幣が1枚ずつ送られ、この一時保留ステージ51上で複数の紙幣が積層状態で集積される。一時保留ステージ51上にある積層状態の複数のバラ紙幣の束S´は、搬送アーム52によって、束ガイド部材58でバラ紙幣の端部の広がりを防止するために押さえられながら一括して搬送される。
【0054】
その後、搬送アーム52は上部札締め部材53と下部札締め部材54との間の位置に移動する。そして、搬送アーム52上にあるバラ紙幣の束S´に対して帯封紙供給部57から帯封紙が供給され、バラ紙幣の束S´が帯封紙で巻かれる。なお、帯封紙供給部57から帯封紙が供給される際に、この帯封紙に対して印字部67により日付やシリアルナンバー等の印字が行われる。その後、帯封紙で巻かれたバラ紙幣の束S´は、上部札締め部材53および下部札締め部材54により上下方向から挟圧されるとともに、ヒータ56により加熱させられる。このことにより、帯封紙によってバラ紙幣の束S´の帯封処理(結束処理)が行われ、帯封紙幣Tが形成される。
【0055】
その後、搬送アーム52により帯封紙幣がスタンプ55に送られ、このスタンプ55によって帯封紙幣Tの帯封紙に対して銀行名等の印字が行われる。
【0056】
その後、帯封紙幣Tは帯封部50から帯封紙幣出金口60に送られ、この帯封紙幣出金口60の各爪部材66上に集積させられる。ここで、シャッター機構62が帯封紙幣出金口60を閉じた状態で、帯封紙幣出金口60の各爪部材66上には複数の束の帯封紙幣Tを集積させることができるようになっている。
【0057】
帯封部50により帯封が行われた帯封紙幣Tを、帯封紙幣出金口60の各爪部材66上に集積させる方法について図10を用いてより詳細に説明する。
【0058】
一例として、図10(a)に示すように帯封紙幣出金口60の各爪部材66上に既に1つの帯封紙幣Tが載置されているような状態において、搬送アーム52により帯封部50から更に1つの帯封紙幣Tが帯封紙幣出金口60に搬送される場合について説明する。この際に、出金口ステージ61は帯封紙幣出金口60の下部に位置している。図10(a)に示すように、帯封紙幣Tが載置された搬送アーム52は、出金口ステージ61の側壁部61aよりも上方かつガイド部材63よりも下方の高さレベルにおいて出金口ステージ61の上方の空間に進入する。
【0059】
その後、図10(b)に示すように、搬送アーム52が出金口ステージ61の底部の近傍の位置まで下降し、搬送アーム52の上アーム部分52aが上方へ移動する。この際に、図8に示すように、搬送アーム52は出金口ステージ61の左右一対の側壁部61aの間の空間を通過する。そして、図10(c)に示すように、搬送アーム52が図10(b)の右方に移動して出金口ステージ61の上方の空間から退避する。ここで、搬送アーム52が出金口ステージ61の上方の空間から退避する際に、この搬送アーム52に載置された帯封紙幣Tは側壁部61aに引っ掛かり、搬送アーム52が退避した後にこの帯封紙幣Tは出金口ステージ61上に引き渡されることとなる(図10(c)参照)。
【0060】
そして、帯封紙幣Tが搬送アーム52から出金口ステージ61に引き渡された後、図10(d)に示すように、出金口ステージ61が上昇する。出金口ステージ61が上昇すると、この出金口ステージ61に載置された帯封紙幣Tは図10(d)に示すように各爪部材66に接触するが、出金口ステージ61が図10(d)に示すような状態から更に上昇すると、図10(e)に示すように、出金口ステージ61上の帯封紙幣Tが各爪部材66を上方に押し上げ、軸66aを中心として各爪部材66を上方に回動させる。そして、出金口ステージ61が更に上昇すると、図10(f)に示すように、各爪部材66はほぼ鉛直方向上方を向くよう帯封紙幣Tにより回動させられ、最終的には、各爪部材66上に元々あった帯封紙幣Tと、出金口ステージ61上の帯封紙幣Tとが重ね合わせられることとなる。
【0061】
図10(f)に示すように、各爪部材66上に元々あった帯封紙幣Tと、搬送アーム52により新たに帯封紙幣出金口60に送られた帯封紙幣Tとが出金口ステージ61上で重ね合わせられ、更に出金口ステージ61が各爪部材66よりも上昇し、その後、図10(g)に示すようにこの出金口ステージ61は下降する。このことにより、各爪部材66はそれぞれ軸66aを中心として下方に回動し、これらの爪部材66は略水平方向に延びる状態に戻る。そして、複数の束の帯封紙幣Tが、各爪部材66上に集積されることとなる。なお、帯封紙幣出金口60の上部において出金口ステージ61と対向する位置に規制部材68が設けられているので、この規制部材68により、帯封紙幣Tの上方への動きが規制される。このことにより、各爪部材66上に帯封紙幣Tを下方から集積させる際に、規制部材68によって帯封紙幣の上方への膨らみが規制されるので、新券の帯封紙幣よりも厚さが大きくなりがちな流通紙幣の帯封紙幣は厚さ方向に圧縮されることとなる。このことにより、所定の束数の帯封紙幣を各爪部材66上に集積させることができる。
【0062】
その後、シャッター機構62が開くことにより、操作者は帯封紙幣出金口60の各爪部材66上にある複数の束の帯封紙幣Tを一括して取り出すことができるようになる。
【0063】
以上のように本実施の形態の紙幣処理装置10によれば、筐体12の内部において、紙幣の収納を行うための複数の収納カセット40と、紙幣を一時的に保留するための一時保留用収納カセット42とが並列に配置されている。そして、搬送部30における各収納カセット40または一時保留用収納カセット42への分岐箇所35にそれぞれ分岐部材36が設けられており、これらの分岐部材36により、搬送部30により搬送される紙幣は特定の収納カセット40または一時保留用収納カセット42に振り分けられるようになっている。このように、各収納カセット40と一時保留用収納カセット42とが略水平方向に沿って並列に配置されているので、筐体12の高さが大きくなってしまうことを抑止することができるとともに収納カセット40および一時保留用収納カセット42の容量を大きくすることができる。そして、収納カセット40の容量を大きくすることができるので紙幣処理装置10は紙幣を大量に収納することができ、また、一時保留用収納カセット42の容量を大きくすることができるので一回の取引で大量の紙幣の入金処理を行うことができる。
【0064】
また、本実施の形態の紙幣処理装置10では、一時保留用収納カセット42が各収納カセット40と略同一の容量(紙幣収納量)を有するようにすることができる。この場合には、一時保留用収納カセット42を収納カセット40と同一部品で構成させることができるようになる。
【0065】
また、搬送部30は、各収納カセット40および一時保留用収納カセット42の上方に配置される横長のループ形状の搬送路32を有している。このため、筐体12の高さが大きくなってしまうことをより一層抑止することができる。また、筐体12の奥行き方向に収納カセット40を増設する場合にも、紙幣処理装置10の内部の構成を大幅に変更する必要がなくなる。
【0066】
また、搬送部30は、ループ形状の搬送路32からそれぞれ下方に分岐して各収納カセット40および一時保留用収納カセット42に接続される複数の分岐搬送路34を有している。また、各分岐部材36は、ループ形状の搬送路32から分岐搬送路34が分岐する分岐箇所35に設けられる分岐爪からなり、各分岐部材36は軸36aを中心として回転自在となっている。そして、ループ形状の搬送路32で搬送される紙幣を各収納カセット40または一時保留用収納カセット42に送る際に、紙幣が送られるべき収納カセット40または一時保留用収納カセット42に対応する分岐部材36が回転することにより搬送部30により搬送される紙幣が特定の収納カセット40または一時保留用収納カセット42に振り分けられるようになっている。このような分岐爪からなる分岐部材36が各分岐箇所35に設けられていることにより、搬送部30により搬送される紙幣を確実に特定の収納カセット40または一時保留用収納カセット42に振り分けることができる。
【0067】
また、筐体12の内部において搬送部30の上方に帯封部50が設けられているので、入出金口20と帯封部50の位置が近くなり、紙幣の出金処理のための紙幣処理装置10の構成が簡単になる。また、入出金口20の近傍に帯封紙幣出金口60を設けているので、バラ紙幣と帯封紙幣の出金口を別々に配置しても操作者による各出金口からの紙幣の取り忘れをできるだけ防ぐようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
図1】本発明の一の実施の形態における紙幣処理装置の外観を示す斜視図である。
図2図1に示す紙幣処理装置の正面図である。
図3図1に示す紙幣処理装置の内部の構成を示す構成図である。
図4図3に示す紙幣処理装置に設けられた分岐部材の構成を示す拡大説明図であり、より詳細には、分岐箇所に対して右側の搬送路から紙幣が搬送されたときの分岐部材の向きを示す図である。
図5図3に示す紙幣処理装置に設けられた分岐部材の構成を示す拡大説明図であり、より詳細には、分岐箇所に対して左側の搬送路から紙幣が搬送されたときの分岐部材の向きを示す図である。
図6図3に示す紙幣処理装置に設けられた分岐部材の構成を示す拡大説明図であり、より詳細には、分岐箇所に対して分岐搬送路から紙幣が搬送されたときの分岐部材の向きを示す図である。
図7図3に示す紙幣処理装置に設けられた帯封紙幣出金口およびシャッター機構の構成を示す側面図である。
図8図7に示す帯封紙幣出金口に設けられた出金口ステージおよびこの出金口ステージの上方の空間に進入した搬送アームのA−Aライン矢視による上面図である。
図9図7に示す帯封紙幣出金口に設けられた出金口ステージおよび爪部材のB−Bライン矢視による上面図である。
図10】(a)〜(g)は、図3に示す紙幣処理装置に設けられた帯封部から帯封紙幣出金口に帯封紙幣が引き渡されるときの動作を順に示す図である。
【符号の説明】
【0069】
10 紙幣処理装置
12 筐体
20 入出金口
21 紙幣繰出機構
22 シャッター機構
24 入金リジェクト部
26 出金リジェクト部
30 搬送部
31 識別部
32 ループ形状の搬送路
34 分岐搬送路
35 分岐箇所
36 分岐部材
36a 軸
36b 先端部分
40 収納カセット
41 紙幣繰出機構
42 一時保留用収納カセット
43 紙幣繰出機構
50 帯封部
51 一時保留ステージ
52 搬送アーム
52a 上アーム部分
52b 下アーム部分
53 上部札締め部材
54 下部札締め部材
55 スタンプ
56 ヒータ
57 帯封紙供給部
58 束ガイド部材
59 帯封機構
60 帯封紙幣出金口
61 出金口ステージ
61a 側壁部
62 シャッター機構
63 ガイド部材
64 ガイド部材
65 ガイド部材
66 爪部材
66a 軸
67 印字部
68 規制部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10