(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
炎症性疼痛、術後疼痛、内臓痛、歯痛、月経前疼痛、中心性疼痛、火傷による疼痛、偏頭痛または群発性頭痛、神経損傷、神経炎、神経痛、中毒、虚血損傷、間質性膀胱炎、癌性疼痛、ウイルス性、寄生虫性または細菌性の感染、外傷後の損傷、または過敏性腸症候群に関連する疼痛から選択される疼痛症状、または慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息および気管支攣縮から選択される呼吸器障害の処置用の薬剤の調製のための、請求項1に記載の式Iの化合物の使用。
【技術分野】
【0001】
本発明は、P2Xプリン受容体に関連する疾患の処置に有用な化合物に関し、より詳しくは、尿生殖器、疼痛、炎症性、胃腸および呼吸性の疾患、状態および障害の処置に使用しうるP2X
3および/またはP2X
2/3アンタゴニストに関する。
【0002】
膀胱は、2つの重要な生理機能:尿保存および排尿を担う。このプロセスは、2つの主要なステップ:(1)膀胱壁の張力が上昇して閾値レベルを超えるまで、膀胱が徐々に充満するステップ;および(2)排尿反射と称される神経の反射が起こり、膀胱を空にするステップ、あるいは、空にすることが出来ない場合、少なくとも意識的に尿意を催させるステップが関与する。排尿反射は、脊髄の自律神経反射のひとつであるが、大脳皮質または脳の中枢により阻害されまたは媒介されうる。
【0003】
細胞外プリン受容体を介して作用するプリンは、様々な生理的なおよび病理的な役割を有することが示唆されてきた(Burnstock (1993) Drug Dev. Res. 28:195-206参照)。ATP、および、より程度は少ないものの、アデノシンは、知覚神経終末を刺激し、その結果、激痛および知覚神経の放電の顕著な増大を生じうる。ATP受容体は、分子構造、伝達機序、および薬理学的特徴付けに基づいて、2つの主なファミリーであるP2Y−およびP2X−プリン受容体に分類されている。P2Y−プリン受容体は、Gタンパク質共役型受容体であるが、P2X−プリン受容体は、ATPゲートカチオンチャネルのファミリーである。プリン受容体、特に、P2X受容体は、ホモ多量体またはヘテロ多量体を形成することが知られている。現在までに、6個のホモマー受容体、P2X
1;P2X
2;P2X
3;P2X
4;P2X
5;およびP2X
7;および3個のヘテロマー受容体P2X
2/3、P2X
4/6、P2X
1/5(例えば、Chen et al. (1995) Nature 377:428-431;Lewis et al. (1995) Nature 377:432-435;and Burnstock (1997) Neurophamacol. 36:1127-1139参照)を含む、幾つかのP2X受容体サブタイプ用のcDNAが、クローン化されている。マウスゲノムP2X
3受容体サブユニットの構造および染色体マッピングについても記載されている(Souslova et al. (1997) Gene 195:101-111)。P2X
2およびP2X
3受容体サブユニットのインビトロ同時発現は、いくつかの知覚神経に見られる特性を有するATPゲート型電流を生成するのに必要である(Lewis et al. (1995) Nature 377:432-435)。
【0004】
P2X受容体サブユニットは、げっ歯類およびヒト膀胱尿路上皮(urothelium)の求心神経(afferent)に見出される。膨満の結果、膀胱または他の中空器官の上皮/内皮細胞からATPが放出される可能性があることを示唆するデータが存在する(Burnstock (1999) J. Anatomy 194:335-342;and Ferguson et al. (1997) J. Physiol. 505:503-511)。この方式で放出されるATPは、上皮下成分、例えば、尿路上皮下固有薄膜(suburothelial lamina propria)に位置する感覚神経に情報を伝達する役割を担うことができる(Namasivayam, et al. (1999) BJU Intl. 84:854-860)。P2X受容体は、感覚、交感、副交感、腸間膜、および中枢神経を含む、多くの神経で研究されてきた(Zhong, et al. (1998) Br. J. Pharmacol. 125:771-781)。これらの研究は、プリン作動性受容体が、膀胱からの求心神経伝達の役割を果たし、P2X受容体モジュレーターが、膀胱障害、および他の泌尿生殖器疾患または状態の処置に潜在的に有用であることを示す。
【0005】
近年の証拠は、マウスでの侵害受容応答における、内在性ATPおよびプリン作動性受容体の一役割についても示唆している(Tsuda et al. (1999) Br. J. Pharmacol. 128:1497-1504)。脊髄の背面根神経節神経終末での、P2X受容体のATP−誘発活性化が、侵害受容性シグナル伝達に関与する主要な神経伝達物質であるグルタマートの放出を刺激することが示されている(Gu and MacDermott, Nature 389:749-753 (1997))。P2X
3受容体は、歯髄侵害受容性神経で同定されている(Cook et al., Nature 387:505-508 (1997))。すなわち、損傷を受けた細胞から放出されたATPは、侵害受容性感覚神経終末の受容体を含む、P2X
3および/またはP2X
2/3を活性化することによって、疼痛を引き起こしうる。これは、ヒト疱疹ベースモデルで、皮内施用したATPによる疼痛誘発に一致する(Bleehen, Br J Pharmacol 62:573-577 (1978))。P2Xアンタゴニストは、動物モデルで鎮痛的であることが示されている(Driessen and Starke, Naunyn Schmiedebergs Arch Pharmacol 350:618-625 (1994))。この証拠が、P2X
2およびP2X
3が侵害受容(nociception)に関与し、P2X受容体モジュレーターが鎮痛薬として潜在的に有用であることを示唆する。
【0006】
別の研究者達は、P2X
3受容体がヒト結腸で発現し、正常結腸よりも炎症している結腸において高レベルで発現することを示している(Yiangou et al, Neurogastroenterol Mot (2001) 13:365-69)。別の研究者は、腸における、膨満または菅内圧力の検出、および反射収縮の開始にP2X
3受容体を関連付け(Bian et al., J Physiol (2003) 551.1:309-22)、そしてこれと大腸炎を結び付けた(Wynn et al., Am J Physiolgastrointest Liver Physiol (2004) 287:G647-57)。
【0007】
Brounsら(Am J Respir Cell MoI Biol (2000) 23:52-61)は、P2X
3受容体が、肺神経上皮体(NEB)で発現し、肺での疼痛伝達に受容体が関与することを見出した。より最近では、別の研究者達が、肺NEBでのpO
2の検出におけるP2X
2およびP2X
3受容体を暗に示している(Rong et al., J Neurosci (2003) 23(36):11315-21)。
【0008】
従って、P2X
3およびP2X
2/3受容体アンタゴニストを含む、P2X受容体モジュレーターとして作用する化合物、ならびに、P2X
3および/またはP2X
2/3受容体が介在する疾患、状態、および障害の処置方法が必要とされる。本発明は、他の必要性とともにこれらの必要性も満たす。
【0009】
本発明は、式I:
【0010】
【化1】
{式中、
R
1は、場合により置換されているトリアゾリルであり;
R
2は、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているピリジニル、場合により置換されているピリミジニル、場合により置換されているピリダジニルまたは場合により置換されているチオフェニルであり;
R
3は、水素;C
1−6アルキル;ヘテロ−C
1−6アルキル;またはシアノであり;
R
4は、水素;C
1−6アルキル;またはヘテロ−C
1−6アルキルであり;
あるいはR
3およびR
4は、それらが結合する原子と一緒になって、C
3−6炭素環を形成することができ;
R
5は、C
1−6アルキル;ヘテロ−C
1−6アルキル;ハロ−C
1−6アルキル;N−C
1−6アルキルアミノ;N,N−ジ−(C
1−6アルキル)−アミノ;C
3−7シクロアルキル;アリール;ヘテロアリール;ヘテロシクリル;C
3−7シクロアルキル−C
1−6アルキル;ヘテロアリール−C
1−6アルキル;ヘテロシクリル−C
1−6アルキル;アリール−C
1−6アルキル;アリールオキシ−C
1−6アルキル;−(CR
aR
b)
m−C(O)−R
8’[ここで、mは、0または1であり;R
aおよびR
bは、それぞれ独立して水素であるか;またはC
1−6アルキルであり;R
8’は水素;C
1−6アルキル;ヘテロ−C
1−6アルキル;C
3−7シクロアルキル;アリール;ヘテロアリール;ヘテロシクリル;C
3−7シクロアルキル−C
1−6アルキル;アリール−C
1−6アルキル;ヘテロアリール−C
1−6アルキル;ヘテロシクリル−C
1−6アルキル;C
3−7シクロアルキルオキシ;アリールオキシ;ヘテロアリールオキシ;ヘテロシクリルオキシ;C
3−7シクロアルキルオキシ−C
1−6アルキル;アリールオキシ−C
1−6アルキル;ヘテロアリールオキシ−C
1−6アルキル;ヘテロシクリルオキシ−C
1−6アルキル;またはNR
9R
10(ここで、R
9は、水素;またはC
1−6アルキルであり;R
10は、水素;C
1−6アルキル;ヘテロ−C
1−6アルキル;C
3−7シクロアルキル;アリ-ル;ヘテロアリール;ヘテロシクリル;C
3−7シクロアルキル−C
1−6アルキル;アリ-ル−C
1−6アルキル;ヘテロアリール−C
1−6アルキル;またはヘテロシクリル−C
1−6アルキルである)である]であるか;
あるいはR
4およびR
5は、それらが結合する原子と一緒になって、場合によりヒドロキシで置換されているC
3−6炭素環であるか;
あるいはR
4およびR
5は、それらが結合する原子と一緒になって、O、NおよびSからそれぞれ独立して選択される、1個または2個のヘテロ原子を含むC
4−6複素環を形成することができるか;
あるいはR
3、R
4およびR
5は、それらが結合する原子と一緒になって、1個または2個の窒素原子を含む6員環ヘテロアリールであって、場合によりハロ、アミノまたはC
1−6アルキルにより置換されている6員環ヘテロアリールを形成することができ;
R
6、R
7およびR
8は、それぞれ独立して水素;C
1−6アルキル;C
1−6アルキルオキシ;ハロ;C
1−6ハロアルキル;またはシアノである}の化合物、または薬学的に許容しうるその塩を提供する。
【0011】
本発明は、また、その化合物を含む医薬組成物、その化合物を使用する方法、およびその化合物を調製する方法を提供する。
【0012】
特に明記しない限り、本明細書および特許請求の範囲を含む本出願で使用される以下の用語は以下に示す定義を有する。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」および「the」は、分脈上明確な他の指示がある場合を除き、複数の意味も有することに留意されたい。
【0013】
「アゴニスト」は、別の化合物または受容体部位の活性を増強する化合物をいう。
【0014】
「アルキル」は、1〜12個の炭素原子を有する、炭素原子および水素原子のみからなる、一価の直鎖または分岐鎖の飽和炭化水素部分を意味する。「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子のアルキル基、すなわち、C
1〜C
6アルキルをいう。アルキル基の例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、n−ヘキシル、オクチル、ドデシルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0015】
「アルケニル」は、少なくとも1個の二重結合を含有する、2〜6個の炭素原子の直鎖の一価炭化水素基、または3〜6個の炭素原子の分岐鎖の一価炭化水素基、例えば、エテニル、プロペニルなどを意味する。
【0016】
「アルキニル」は、少なくとも1個の三重結合を含有する、2〜6個の炭素原子の直鎖の一価炭化水素基、または3〜6個の炭素原子の分岐鎖の一価炭化水素基、例えば、エチニル、プロピニルなどを意味する。
【0017】
「アルキレン」は、1〜6個の炭素原子の直鎖の飽和二価炭化水素基、または3〜6個の炭素原子の分岐鎖の飽和二価炭化水素基、例えば、メチレン、エチレン、2,2−ジメチルエチレン、プロピレン、2−メチルプロピレン、ブチレン、ペンチレンなどを意味する。
【0018】
互換的に使用しうる「アルコキシ」および「アルキルオキシ」は、式−ORの部分を意味し、ここで、Rは、本明細書で定義するアルキル部分である。アルコキシ部分の例として、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】
「アルコキシアルキル」は、式R
a−O−R
b−の部分を意味し、ここで、R
aはアルキルであり、R
bは本明細書に定義されるようなアルキレンである。例示的なアルコキシアルキル基として、例えば、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、1−メチル−2−メトキシエチル、1−(2−メトキシエチル)−3−メトキシ−プロピル、および1−(2−メトキシエチル)−3−メトキシプロピルが挙げられる。
【0020】
「アルキルカルボニル」は、式−R’−R”の部分を意味し、ここで、R’はオキソであり、R”は本明細書に定義されるようなアルキルである。
【0021】
「アルキルスルホニル」は、式−R’−R”の部分を意味し、ここで、R’は−SO
2−であり、R”は本明細書に定義されるようなアルキルである。
【0022】
「アルキルスルホニルアルキル」は、式−R’−R”−R'''の部分を意味し、ここで、R’は、アルキレンであり、R”は、−SO
2−であり、R'''はアルキルであり、本明細書に定義されるとおりである。
【0023】
「アミノ」は、式−NRR’の部分を意味し、ここで、R’およびR’は、それぞれ独立して、水素または本明細書に定義されるようなアルキルである。従って、「アミノ」は、「アルキルアミノ」(ここで、RおよびR’のうちの一方はアルキルであり、もう一方は水素である)、および「ジアルキルアミノ」(ここで、RおよびR’は、両方ともアルキルである)を包含する。
【0024】
「アルコキシアミノ」は、式−NR−OR’の部分を意味し、ここで、Rは水素またはアルキルであり、R’はアルキルであり、本明細書に定義されるとおりである。
【0025】
「アルキルスルファニル」は、式−SRの部分を意味し、ここで、Rは本明細書に定義されるようなアルキルである。
【0026】
「アミノアルキル」は、基−R−R’を意味し、ここで、R’はアミノであり、Rはアルキレンであり、本明細書に定義されるとおりである。「アミノアルキル」として、アミノメチル、アミノエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピルなどが挙げられる。「アミノアルキル」のアミノ部分は、アルキルで1回または2回置換されていてもよく、それぞれ「アルキルアミノアルキル」および「ジアルキルアミノアルキル」を生じる。「アルキルアミノアルキル」として、メチルアミノメチル、メチルアミノエチル、メチルアミノプロピル、エチルアミノエチルなどが挙げられる。「ジアルキルアミノアルキル」として、ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノプロピル、N−メチル−N−エチルアミノエチルなどが挙げられる。
【0027】
「アミノアルコキシ」は、基−OR−R’を意味し、ここで、R’はアミノであり、Rはアルキレンであり、本明細書に定義されるとおりである。
【0028】
「アルキルスルホニルアミド」は、式−NR’SO
2−Rの部分であり、ここで、Rはアルキルであり、R’は水素またはアルキルである。
【0029】
「アミノカルボニルオキシアルキル」または「カルバミルアルキル」は、式−R−O−C(O)−NR’R”の基を意味し、ここで、Rはアルキレンであり、R’、R”は、各々独立して、水素またはアルキルであり、本明細書に定義されるとおりである。
【0030】
「アルキニルアルコキシ」は、式−O−R−R’の基を意味し、ここで、Rはアルキレンであり、R’はアルキニルであり、本明細書に定義されるとおりである。
【0031】
「アンタゴニスト」は、別の化合物または受容体部位の作用を低減し、または防止する化合物をいう。
【0032】
「アリール」は、単環、二環、または三環式芳香族環からなる一価環式芳香族炭化水素部分を意味する。アリール基は、本明細書で定義するように、場合により置換されていてもよい。アリール部分の例として、各々場合により置換されている、フェニル、ナフチル、フェナントリル、フルオレニル、インデニル、ペンタレニル、アズレニル、オキシジフェニル、ビフェニル、メチレンジフェニル、アミノジフェニル、ジフェニルスルフィジル、ジフェニルスルホニル、ジフェニルイソプロピリデニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾフラニル、ベンゾジオキシリル、ベンゾピラニル、ベンゾオキサジニル、ベンゾオキサジノニル、ベンゾピペラヂニル(benzopiperadinyl)、ベンゾピペラジニル(benzopiperazinyl)、ベンゾピロリジニル、ベンゾモルホリニル、メチレンジオキシフェニル、エチレンジオキシフェニルなど(それらの部分的に水素化されている誘導体も含む)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
互換的に使用しうる、「アリールアルキル」および「アラルキル」は、基−R
aR
b(ここで、R
aは、アルキレン基であり、R
bはアリール基であり、本明細書に定義されるとおりである。)を意味し;例えば、フェニルアルキル、例えばベンジル、フェニルエチル、3−(3−クロロフェニル)−2−メチルペンチルなどがアリールアルキルの例である。
【0034】
「アリールスルホニル」は、式−SO
2−Rの基を意味し、ここで、Rは本明細書に定義されるようなアリールである。
【0035】
「アリールオキシ」は、式−O−Rの基を意味し、ここで、Rは本明細書に定義されるようなアリールである。
【0036】
「アラルキルオキシ」は、式−O−R−R”の基を意味し、ここで、Rはアルキレンであり、R’はアリールであり、本明細書で定義されるとおりである。
【0037】
「シアノアルキル」は、式−R’−R”の部分を意味し、ここで、R’は本明細書に定義されるようなアルキレンであり、R”はシアノまたはニトリルである。
【0038】
「シクロアルキル」は、単環または二環からなる一価飽和炭素環式部分を意味する。シクロアルキルは、1個以上の置換基で場合により置換されていてもよく、ここで各置換基は、特に断りない限り、独立して、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、モノアルキルアミノ、またはジアルキルアミノである。シクロアルキル部分の例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなど(それらの部分的に不飽和な誘導体も含む)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0039】
「シクロアルキルアルキル」は、式−R’−R”の部分を意味し、ここで、R’はアルキレンであり、R”はシクロアルキルであり、本明細書で定義されるとおりである。
【0040】
「ヘテロアルキル」は、1、2、または3個の水素原子が、−OR
a、−NR
bR
c、およびS(O)
nR
d(ここで、nは0〜2の整数である)からなる群より独立して選択される置換基に置き換えられている、本明細書に定義されるようなアルキル基を意味し、ヘテロアルキル基の結合点は、炭素原子を介してであると理解され、ここで、R
aは、水素、アシル、アルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルであり;R
bおよびR
cは、互いに独立して、水素、アシル、アルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルであり;nが0である場合、R
dは、水素、アルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルであり、nが1または2である場合、R
dは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アミノ、アシルアミノ、モノアルキルアミノ、またはジアルキルアミノである。代表的な例として、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチルエチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシメチルエチル、3−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシブチル、2−ヒドロキシ−1−メチルプロピル、2−アミノエチル、3−アミノプロピル、2−メチルスルホニルエチル、アミノスルホニルメチル、アミノスルホニルエチル、アミノスルホニルプロピル、メチルアミノスルホニルメチル、メチルアミノスルホニルエチル、メチルアミノスルホニルプロピルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
「ヘテロアリール」は、N、O、またはSから選択される1、2、または3個の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子はCである、少なくとも1個の芳香族環を有する5〜12個の環原子の単環または二環式基を意味し、ヘテロアリール基の結合点は芳香族環上になるであろうと理解される。ヘテロアリール環は、本明細書に定義されるように、場合により置換されていてもよい。ヘテロアリール部分の例として、場合により置換されている、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピラジニル、チエニル、ベンゾチエニル、チオフェニル、フラニル、ピラニル、ピリジル、ピロリル、ピラゾリル、ピリミジル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾピラニル、インドリル、イソインドリル、トリアゾリル、トリアジニル、キノキサリニル、プリニル、キナゾリニル、キノリジニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アゼピニル、ジアゼピニル、アクリジニルなど(それらの部分的に水素化されている誘導体も含む)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
「ヘテロアリールアルキル」および「ヘテロアラルキル」は、式−R−R’の基を意味し、ここで、Rはアルキレンであり、R’は本ヘテロアリールであり、本明細書に定義されるとおりである。
【0043】
「ヘテロアリールスルホニル」は、式−SO
2−Rの基を意味し、ここで、Rは本明細書に定義されるようなヘテロアリールである。
【0044】
「ヘテロアリールオキシ」は、式−O−Rの基を意味し、ここで、Rは本明細書に定義されるようなヘテロアリールである。
【0045】
「ヘテロアラルキルオキシ」は、式−O−R−R”の基を意味し、ここで、Rはアルキレンであり、R”はヘテロアリールであり、本明細書に定義されるとおりである。
【0046】
互換的に使用しうる、「ハロ」、「ハロゲン」および「ハロゲン化物」なる用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨード置換基をいう。
【0047】
「ハロアルキル」は、1個以上の水素が、同じまたは異なるハロゲンに置き換えられている、本明細書に定義されるようなアルキルを意味する。例示的なハロアルキルとして、−CH
2Cl、−CH
2CF
3、−CH
2CCl
3、ペルフルオロアルキル(例えば−CF
3)などが挙げられる。
【0048】
「ハロアルコキシ」は、式−ORの部分を意味し、ここでRは、本明細書に定義されるようなハロアルキル部分である。例示的なハロアルコキシは、ジフルオロメトキシである。
【0049】
「ヘテロシクロアミノ」は、少なくとも1個の環原子が、N,NHまたはN−アルキルであり、残りの環原子が、アルキレン基を形成する、飽和環を意味する。
【0050】
「ヘテロシクリル」は、1、2、3または4個のヘテロ原子(窒素、酸素または硫黄から選択される)を取り込んだ、1〜3個の環からなる、一価飽和部分を意味する。ヘテロシクリル環は、本明細書に定義されるように場合により置換されていてもよい。ヘテロシクリル部分の例として、場合により置換されている、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、アゼピニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、キヌクリジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、チアジアゾリリジニル、ベンゾチアゾリジニル、ベンゾアゾリリジニル、ジヒドロフリル、テトラヒドロフリル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、ジヒドロキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
「ヘテロシクリルアルキル」は、式−R−R’の部分を意味し、ここで、Rはアルキレンであり、R’はヘテロシクリルであり、本明細書に定義されるとおりである。
【0052】
「ヘテロシクリルオキシ」は、式−ORの部分を意味し、ここで、Rは、本明細書に定義されるようなヘテロシクリルである。
【0053】
「ヘテロシクリルアルコキシ」は、式−OR−R’の部分を意味し、ここで、Rはアルキレンであり、R’はヘテロシクリルであり、本明細書に定義されるとおりである。
【0054】
「ヒドロキシアルコキシ」は、式−ORの部分を意味し、ここで、Rは本明細書に定義されるようなヒドロキシアルキルである。
【0055】
「ヒドロキシアルキルアミノ」は、式−NR−R’の部分を意味し、ここで、Rは水素またはアルキルであり、R’はヒドロキシアルキルであり、本明細書に定義されるとおりである。
【0056】
「ヒドロキシアルキルアミノアルキル」は、式−R−NR’−R”の部分を意味し、ここでRはアルキレンであり、R’は水素またはアルキルであり、R”はヒドロキシアルキルであり、本明細書に定義されるとおりである。
【0057】
「ヒドロキシカルボニルアルキル」または「カルボキシアルキル」は、式−R−(CO)−OHの基を意味し、ここで、Rは本明細書に定義されるようなアルキレンである。
【0058】
「ヒドロキシアルキルオキシカルボニルアルキル」または「ヒドロキシアルコキシカルボニルアルキル」は、式−R−(CO)−O−R−OHの基を意味し、ここで、各Rはアルキレンであり、同一または異なってもよい。
【0059】
「ヒドロキシアルキル」は、1個以上、好ましくは1、2または3個のヒドロキシ基で置換されている本明細書に定義されるようなアルキル部分を意味するが、ただし、同一の炭素原子が、2個以上のヒドロキシ基を有していない。代表的な例として、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチルエチル、2,3−ジヒドロキシブチル、3,4−ジヒドロキシブチルおよび2−(ヒドロキシメチル)−3−ヒドロキシプロピルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0060】
「ヒドロキシシクロアルキル」は、シクロアルキル基中の1、2、または3個の水素原子が、ヒドロキシ置換基に置き換えられている、本明細書に定義されるようなシクロアルキル部分を意味する。代表的な例として、2−、3−、または4−ヒドロキシシクロヘキシルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0061】
「尿素」または「ウレイド」は、式−NR’−C(O)−NR”R'''の基を意味し、ここで、R’、R”、およびR'''は各々独立して、水素またはアルキルである。
【0062】
「カルバマート」は、式−O−C(O)−NR’R”の基を意味し、ここで、R’およびR”は各々独立して、水素またはアルキルである。
【0063】
「カルボキシ」は、式−O−C(O)−OHの基を意味する。
【0064】
「スルホンアミド」は、式−SO
2−NR’R”の基を意味し、ここで、R’、R”およびR'''は各々独立して、水素またはアルキルである。
【0065】
「アリール」、「フェニル」、「ヘテロアリール」、「シクロアルキル」または「ヘテロシクリル」に関連して使用されている場合の「場合により置換されている」は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アシルアミノ、モノ−アルキルアミノ、ジ−アルキルアミノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロアルキル、−COR、−SO
2R(ここで、Rは、水素、アルキル、フェニル、またはフェニルアルキルである)、−(CR’R”)
n−COOR(ここで、nは0〜5の整数であり、R’およびR”は独立して、水素またはアルキルであり、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、またはフェニルアルキルである)、または(CR’R”)
n−CONR
aR
b(ここで、nは0〜5の整数であり、R’およびR”は独立して、水素またはアルキルであり、R
aおよびR
bは、互いに独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、またはフェニルアルキルである)から選択される1〜4個の置換基、好ましくは1個または2個の置換基で独立して場合により置換されている、アリール、フェニル、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクリルを意味する。「アリール」、「フェニル」、「ヘテロアリール」、「シクロアルキル」または「ヘテロシクリル」に対する特定の好ましい、場合による置換基として、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、シアノ、アミノおよびアルキルスルホニルが挙げられる。より好ましい置換基は、メチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、メトキシ、アミノおよびメタンスルホニルである。
【0066】
「脱離基」は、合成有機化学で慣用的にそれに関連づけられている意味を有する基を意味し、すなわち、置換反応条件下で置換可能な原子または基を意味する。脱離基の例として、ハロゲン、アルカン−またはアリーレンスルホニルオキシ、例えばメタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、チオメチル、ベンゼンスルホニルオキシ、トシルオキシ、およびチエニルオキシ、ジハロホスフィノイルオキシ、場合により置換されているベンジルオキシ、イソプロピルオキシ、アシルオキシなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0067】
「モジュレーター」は、標的と相互作用する分子を意味する。相互作用には、本明細書に定義されるような、アゴニスト、アンタゴニストなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0068】
「場合による」または「場合により」は、その後に記載されている事象または状況が起こってもよいが起こる必要はなく、またこの記載には、事象または状況が起こる場合と起こらない場合とが含まれることを意味する。
【0069】
「疾患」および「疾患状態」は、疾患、状態、症状、障害、または適応症を意味する。
【0070】
「不活性有機溶媒」または「不活性溶媒」は、溶媒が、それと共に記載されている反応条件下で不活性であることを意味し、これには、例えば、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、クロロホルム、塩化メチレンまたはジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、ジオキサン、ピリジンなどが挙げられる。特に断りない限り、本発明の反応に使用する溶媒は不活性溶媒である。
【0071】
「薬学的に許容しうる」は、一般的に安全で無毒性で生物学的にもその他の点でも望ましくないものではなく、医薬組成物の調製において有用であることを意味し、獣医学的使用およびヒトの医薬的使用にも許容しうるものを含む。
【0072】
化合物の「薬学的に許容しうる塩」は、本明細書に定義されるように薬学的に許容しうるものであり、親化合物の所望の薬理活性を有する塩を意味する。このような塩として、
塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸とで形成される酸付加塩;または、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシナフトエ酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムコン酸、2−ナフタレン−スルホン酸、プロピオン酸、サリチル酸、コハク酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、トリメチル酢酸などの有機酸とで形成される酸付加塩;あるいは、
親化合物に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、もしくはアルミニウムイオンにより置き換えられている場合に形成される塩;または、有機もしくは無機塩基と配位している場合に形成される塩が挙げられる。許容しうる有機塩基として、ジエタノールアミン、エタノールアミン、N−メチルグルカミン、トリエタノールアミン、トロメタミンなどが挙げられる。許容される無機塩基として、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、および水酸化ナトリウムが挙げられる。
【0073】
好ましい薬学的に許容しうる塩は、酢酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、マレイン酸、リン酸、酒石酸、クエン酸、ナトリウム、カリウム、カルシウム、亜鉛、およびマグネシウムから形成される塩である。
【0074】
薬学的に許容しうる塩への全ての言及は、同酸付加塩の、本明細書に定義されるような溶媒付加形態(溶媒和物)または結晶形(多形)を含むと理解されるべきである。
【0075】
「保護基(protective group)」または「保護基(protecting group)」は、多官能性化合物中の1個の反応性部位を選択的にブロックする基を意味し、これにより、合成化学における慣用的にそれに関連づけられている意味において、別の保護されていない反応性部位で化学反応を選択的に行なうことができる。本発明の特定の工程は、反応体に存在する反応性窒素原子および/または酸素原子をブロックするための保護基に依拠する。例えば、「アミノ保護基」および「窒素保護基」なる用語は、本明細書において互換的に使用され、合成手順中の望ましくない反応から窒素原子を保護することを目的とする有機基を意味する。例示的な窒素保護基として、トリフルオロアセチル、アセトアミド、ベンジル(Bn)、ベンジルオキシカルボニル(カルボベンジルオキシ、CBZ)、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル(BOC)などが挙げられるが、これらに限定されない。当業者は、除去し易さおよびそれ以降の反応に耐えられるかという点から、基を選択する方法を理解するであろう。
【0076】
「溶媒和物」は、化学量論的または非化学量論的な量の溶媒を含む、溶媒付加形態を意味する。いくつかの化合物は、結晶固体状態中に一定モル比の溶媒分子を捕捉し、これにより溶媒和物を形成する傾向がある。溶媒が水の場合、形成される溶媒和物は水和物であり、溶媒がアルコールである場合、形成される溶媒和物はアルコラートである。水和物は、1個以上の水の分子と、その水がその物質中でH
2Oとしてその分子状態を保持する物質の1つとの組合せにより形成され、このような組合せにより1種類以上の水和物を形成できる。
【0077】
「対象」は、哺乳動物および非哺乳動物を意味する。哺乳動物は、ヒト;非ヒト霊長類、例えばチンパンジー、および他の類人猿およびサル種;家畜動物、例えばウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、およびブタ;家庭動物、例えばウサギ、イヌ、およびネコ;実験動物(げっ歯類、例えばラット、マウス、モルモットを含む)などが含まれるがこれに限定されない、哺乳類綱の任意のメンバーを意味する。非哺乳動物の例として、鳥類などが挙げられるが、これらに限定されない。「対象」なる用語は、特定の年齢または性別を意味しない。
【0078】
「尿路の症状」と互換的に使用される「尿路の障害」または「尿路疾患」は、尿路の病的変化を意味する。尿路障害の例として、失禁、良性前立腺肥大症(BPH)、前立腺炎、排尿筋反射亢進、排尿開口部閉塞、頻尿、夜間頻尿、尿意逼迫、過活動膀胱、骨盤過敏症、切迫尿失禁、尿道炎、前立腺痛、膀胱炎、特発性膀胱過敏症などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0079】
「尿路の症状」と互換的に使用される「尿路に関連した疾患状態」または「尿路疾患状態」または「尿路疾患」は、尿路の病的変化、または、異常な尿貯留もしくは排尿を引き起こす膀胱平滑筋もしくはその神経支配の機能不全を意味する。尿路の症状として、過活動性膀胱(排尿筋過活動としても知られる)、排尿開口部閉塞、排尿開口部不全、および骨盤過敏症などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0080】
「過活動膀胱」または「排尿筋過活動」として、切迫、頻回、膀胱容量の変化、尿失禁、排尿閾値、不安定な膀胱収縮、括約筋痙縮、排尿筋反射亢進(神経性膀胱)、排尿筋不安定性などとして症状的に顕現する変化が挙げられるが、これらに限定されない。
【0081】
「排尿開口部閉塞」として、良性前立腺肥大症(BPH)、尿道狭窄疾患、腫瘍、遅い流速、排尿開始困難、切迫、恥骨上疼痛などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0082】
「排尿開口部不全」として、尿道過度運動性、内因性括約筋不全、混合尿失禁、緊張性尿失禁などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0083】
「骨盤過敏症」として、骨盤痛、間質(細胞)性膀胱炎、前立腺痛、前立腺炎、外陰部痛、尿道炎、精巣睾丸痛、過活動膀胱などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0084】
「呼吸器障害」とは、限定されないが、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、気管支攣縮などのことをいう。
【0085】
「胃腸障害」(「GI障害」)とは、限定されないが、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、胆石疝痛および他の胆道系疾患、腎疝痛、下痢型IBS、胃腸膨満に関連する疼痛などをいう。
【0086】
「疼痛」として、炎症性疼痛;手術による疼痛;内臓痛;歯痛;月経前疼痛;中心性疼痛;火傷による疼痛;偏頭痛または群発性頭痛;神経損傷;神経炎;神経痛;中毒;虚血性損傷;間質性膀胱炎;癌性疼痛;ウイルス性、寄生虫または細菌性感染;外傷後損傷;または過敏性腸症候群に関連する疼痛が挙げられるが、これらに限定されない。
【0087】
「治療有効量」は、疾患状態を処置するために対象に投与する場合に、疾患状態のためのこのような処置を行なうのに十分な化合物の量を意味する。「治療有効量」は、化合物、処置する疾患状態、重症度または処置する疾患、対象の年齢および相対的健康状態、投与経路および投与形態、担当医師または獣医の判断、ならびに他の因子に応じて変動する。
【0088】
変形を言及する際の「上で定義したもの」および「本明細書に定義されるようなもの」なる用語は、変形における広義な定義、ならびに、存在する場合には、好ましい、より好ましい、および最も好ましい定義が、参照により組み入れられる。
【0089】
疾患状態の「処置する」または「処置」には、
(i)疾患状態を予防すること、すなわち、疾患状態にさらされているかまたはその素因がある可能性があるが、まだ疾患状態の症状を経験または呈していない対象において、疾患状態の臨床症状を発症させないこと、
(ii)疾患状態を抑止すること、すなわち、疾患状態またはその臨床症状の発症を停止させること、
(iii)疾患状態を寛解すること、すなわち、疾患状態またはその臨床症状の一時的または永久的減退を引き起こすこと
が含まれる。
【0090】
化学反応に言及する際の「処理する」、「接触させる」、および「反応させる」なる用語は、2種類以上の試薬を適切な条件下で添加または混合して、指定のおよび/または所望の生成物を製造することを意味する。指定のおよび/または所望の生成物を生成する反応は、最初に添加した2種類の試薬の組合せから必ずしも直接的に得られる必要はなく、すなわち、指定のおよび/または所望の生成物の形成を最終的にもたらす、混合物中に生成される1種類以上の中間体が存在していてもよい。
【0091】
一般に、本出願で使用した命名法は、IUPAC体系的命名法の作成のためのバイルシュタイン研究所のコンピューターシステムであるAUTONOM(商標)v.4.0に基づいている。本明細書で示される化学構造は、ISIS(登録商標)バージョン2.2を使用して作成した。本明細書の構造中の炭素原子、酸素、硫黄、または窒素の原子上に出現する全ての開放原子価(open valency)は、他に断りのない限り、水素原子の存在を示す。窒素含有ヘテロアリール環が窒素原子上の開放原子価と共に示され、R
a、R
bまたはR
cのような変化が、そのヘテロアリール環上に示されている場合、これらの変化は、その開放原子価の窒素に結合(bound)または連結(joined)する可能性がある。キラル中心が構造中に存在するが、そのキラル中心について特定の立体化学が示されていない場合は、そのキラル構造に関連する双方の鏡像異性体が、その構造に包含される。本明細書に示される構造が、複数の互変異性型で存在しうる場合は、そのすべての互変異性体が、その構造により包含される。
【0092】
本明細書で特定される全ての特許および刊行物のすべてが、参照により本明細書に組み入れられる。
【0093】
式Iの多くの実施態様において、R
1は、C
1−6アルキルで場合により1回または2回、より好ましくは、1回置換されているトリアゾリルである。
【0094】
式Iの多くの実施態様において、R
1は、C
1−6アルキルで1回置換されているトリアゾリルである。
【0095】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、C
1−6アルキル、ハロ−C
1−6アルキル、ヘテロ−C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ、アミノ、フェニル、ヘテロシクリル、C
3−6シクロ-アルキル、C
3−6シクロアルキル−C
1−6アルキルまたはシアノで場合により1回または2回、より好ましくは、1回置換されている。
【0096】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、C
1−6アルキル、ハロ−C
1−6アルキル、ヘテロ−C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ、アミノ、フェニル、ヘテロシクリル、C
3−6−シクロアルキル、C
3−6シクロアルキル−C
1−6アルキルまたはシアノで場合により1回置換されているトリアゾリルである。
【0097】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、ハロ−C
1−6アルキルで場合により1回置換されているトリアゾリルである。
【0098】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、−C
1−6アルキルまたはハロ−C
1−6アルキルで1回置換されているトリアゾリルである。
【0099】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、ヒドロキシ−C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ−C
1−6アルキル、C
1−6アルキルアミノ−C
1−6アルキル、またはN,N−ジ−(C
1−6アルキル)−アミノ−C
1−6アルキルから選択されるヘテロ−C
1−6アルキルで1回置換されているトリアゾリルである。
【0100】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロプロピルメチル、フェニル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、ペンタフルオロ−エチル、1,1−ジフルオロ−エチル、2,2−ジフルオロエチル、1−メトキシ−エチル、1−エトキシ−エチル、2−メトキシ−1−メチル−エチル、1−ヒドロキシ−エチル、イソプロポキシ、ジメチルアミノ、アゼチジン−2−イル、1−メチル−アゼチジン−2−イル、1−ジメチルアミノ−エチルまたはジメチルアミノ−メチルで場合により1回置換されているトリアゾリルである。
【0101】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、シクロプロピル、シクロブチルまたはシクロプロピルメチルから選択されるC
1−6アルキルで1回置換されているトリアゾリルである。
【0102】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、ペンタフルオロ−エチル、1,1−ジフルオロ−エチルまたは2,2−ジフルオロエチルから選択されるハロ−C
1−6アルキルで場合により1回置換されているトリアゾリルである。
【0103】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、場合により置換されている、[1,2,3]トリアゾリルである。
【0104】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、場合により置換されている、[1,2,3]トリアゾール−1−イルである。
【0105】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、場合により置換されている、[1,2,3]トリアゾール−2−イルである。
【0106】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、場合により置換されている、[1,2,3]トリアゾール−5−イルである。
【0107】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、場合により置換されている、[1,2,4]トリアゾリルである。
【0108】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、場合により置換されている、[1,2,4]トリアゾール−1−イルである。
【0109】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、場合により置換されている、[1,2,4]トリアゾール−4−イルである。
【0110】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、場合により置換されている、[1,2,4]トリアゾール−3−イルである。
【0111】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、C
1−6アルキルで場合により置換されている、[1,2,4]トリアゾール−1−イルである。
【0112】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、C
1−6アルキル、ハロ−C
1−6アルキル、ヘテロ−C
1−6アルキル、C
3−6−シクロアルキル、C
3−6シクロアルキル−C
1−6アルキルまたはシアノで場合により置換されている、[1,2,4]トリアゾール−1−イルである。
【0113】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、ハロ−C
1−6アルキルで場合により置換されている、[1,2,4]トリアゾール−1−イルである。
【0114】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、ヒドロキシ−C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ−C
1−6アルキル、C
1−6アルキルアミノ−C
1−6アルキル、またはN,N−ジ−(C
1−6アルキル)−アミノ−C
1−6アルキルから選択されるヘテロ−C
1−6アルキルで場合により置換されている、[1,2,4]トリアゾール−1−イルである。
【0115】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロプロピルメチル、フェニル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、ペンタフルオロ−エチル、1,1−ジフルオロ−エチル、2,2−ジフルオロエチル、1−メトキシ−エチル、1−エトキシ−エチル、2−メトキシ−1−メチル−エチル、1−ヒドロキシ−エチル、イソプロポキシ、ジメチルアミノ、アゼチジン−2−イル、1−メチル−アゼチジン−2−イル、1−ジメチルアミノ−エチルまたはジメチルアミノ−メチルで場合により置換されている、[1,2,4]トリアゾール−1−イルである。
【0116】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、シクロプロピルまたはシクロプロピルメチルで場合により置換されている、[1,2,4]トリアゾール−1−イルである。
【0117】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、C
1−6アルキルで場合により置換されている[1,2,3]トリアゾール−1−イルである。
【0118】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、C
1−6アルキル、ハロ−C
1−6アルキル、ヘテロ−C
1−6アルキル、C
3−6−シクロアルキル、C
3−6シクロアルキル−C
1−6アルキルまたはシアノで場合により置換されている、[1,2,3]トリアゾール−1−イルである。
【0119】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、ハロ−C
1−6アルキルで場合により置換されている[1,2,3]トリアゾール−1−イルである。
【0120】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、ヒドロキシ−C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ−C
1−6アルキル、C
1−6アルキルアミノ−C
1−6アルキル、またはN,N−ジ−(C
1−6アルキル)−アミノ−C
1−6アルキルから選択されるヘテロ−C
1−6アルキルで場合により置換されている、[1,2,3]トリアゾール−1−イルである。
【0121】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロプロピルメチル、フェニル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、ペンタフルオロ−エチル、1,1−ジフルオロ−エチル、2,2−ジフルオロエチル、1−メトキシ−エチル、1−エトキシ−エチル、2−メトキシ−1−メチル−エチル、1−ヒドロキシ−エチル、イソプロポキシ、ジメチルアミノ、アゼチジン−2−イル、1−メチル−アゼチジン−2−イル、1−ジメチルアミノ−エチルまたはジメチルアミノ−メチルで場合により置換されている、[1,2,3]トリアゾール−1−イルである。
【0122】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、シクロプロピルまたはシクロプロピルメチルで場合により置換されている、[1,2,3]トリアゾール−1−イルである。
【0123】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、C
1−6アルキルで5位が場合により置換されている、[1,2,4]トリアゾール−1−イルである。
【0124】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、C
1−6アルキル、ハロ−C
1−6アルキル、ヘテロ−C
1−6アルキル、C
3−6−シクロアルキル、C
3−6シクロアルキル−C
1−6アルキルまたはシアノで5位が場合により置換されている、[1,2,4]トリアゾール−1−イルである。
【0125】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、ハロ−C
1−6アルキルで5位が場合により置換されている、[1,2,4]トリアゾール−1−イルである。
【0126】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、ヒドロキシ−C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ−C
1−6アルキル、C
1−6アルキル-アミノ−C
1−6アルキル、またはN,N−ジ−(C
1−6アルキル)−アミノ−C
1−6アルキルから選択されるヘテロ−C
1−6アルキルで5位が場合により置換されている、[1,2,4]トリアゾール−1−イルである。
【0127】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロ−エチル、1,1−ジフルオロ−エチル、1−メトキシ−エチル、1−エトキシ−エチル、2−メトキシ−1−メチル−エチル、1−ヒドロキシ−エチル、またはジメチルアミノ−メチルで5位が場合により置換されている、[1,2,4]トリアゾール−1−イルである。
【0128】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、シクロプロピルまたはシクロプロピルメチルで5位が場合により置換されている、[1,2,4]トリアゾール−1−イルである。
【0129】
式Iの特定の実施態様において、R
2は、独立してハロまたはメチルで1回または2回置換されているフェニルである。
【0130】
式Iの多くの実施態様において、R
2は、4位がメチルまたはハロで置換されており、かつ2位および6位がハロで場合により置換されているフェニルである。
【0131】
式Iの多くの実施態様において、R
2は、4位がメチルまたはハロで置換されており、かつ2位がハロで場合により置換されているフェニルである。
【0132】
式Iの特定の実施態様において、R
2は、4−メチル−フェニル、2−フルオロ−4−メチル−フェニル、2−クロロ−4−フルオロ−フェニル、4−クロロ−2−フルオロ−フェニル、2,4−ジクロロ−フェニル、2,4−ジフルオロ−フェニル、または2−クロロ−4−メチル−フェニルである。
【0133】
式Iの特定の実施態様において、R
2は、4−メチル−フェニルまたは4−クロロ−フェニルである。
【0134】
式Iの特定の実施態様において、R
2は、4−メチル−フェニルである。
【0135】
式Iの特定の実施態様において、R
2は、2−フルオロ−4−メチル−フェニルである。
【0136】
式Iの特定の実施態様において、R
2は、2−クロロ−4−フルオロ−フェニルである。
【0137】
式Iの特定の実施態様において、R
2は、4−クロロ−2−フルオロ−フェニルである。
【0138】
式Iの特定の実施態様において、R
2は、2,4−ジクロロ−フェニルである。
【0139】
式Iの特定の実施態様において、R
2は、2,4−ジフルオロ−フェニルである。
【0140】
式Iの特定の実施態様において、R
2は、2−クロロ−4−メチル−フェニルである。
【0141】
式Iの多くの実施態様において、R
2は、場合により置換されているピリジニルである。例示的なピリジニルとして、各々、C
1−6アルキル、C
1−6アルキルオキシ、ハロ、C
1−6ハロアルキル、ヘテロ−C
1−6アルキル、C
1−6アルキルスルホニルまたはシアノのいずれかで場合により1回、2回または3回置換されている、ピリジン−2−イル、およびピリジン−2−オン−1−イルが挙げられる。好ましいピリジルとして、4−メチル−ピリジン−2−イル、4−フルオロ−ピリジン−2−イルおよび4−メチル−ピリジン−2−オン−1−イルが挙げられる。
【0142】
式Iの特定の実施態様において、R
2は、5位がメチルまたはハロで置換されているピリジン2−イルである。
【0143】
式Iの特定の実施態様において、R
2は、5位がメチルまたはハロで置換されており、かつ3位がハロで場合により置換されているピリジン2−イルである。
【0144】
式Iの特定の実施態様において、R
2は、5−メチル−ピリジン−2−イル、5−クロロ−ピリジン−2−イル、5−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メチル−3−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メチル−3−クロロ−ピリジン−2−イル、3,5−ジフルオロ−ピリジン−2−イルまたは3,5−ジクロロ−ピリジン−2−イルである。
【0145】
式Iの特定の実施態様において、R
2は、5−メチル−ピリジン−2−イルである。
【0146】
式Iの特定の実施態様において、R
2は、5−クロロ−ピリジン−2−イルである。
【0147】
式Iの特定の実施態様において、R
2は、5−フルオロ−ピリジン−2−イルである。
【0148】
式Iの特定の実施態様において、R
2は、5−メチル−3−フルオロ−ピリジン−2−イルである。
【0149】
式Iの特定の実施態様において、R
2は、5−メチル−3−クロロ−ピリジン−2−イルである。
【0150】
式Iの特定の実施態様において、R
2は、3,5−ジフルオロ−ピリジン−2−イルである。
【0151】
式Iの特定の実施態様において、R
2は、3,5−ジクロロ−ピリジン−2−イルである。
【0152】
式Iの特定の実施態様において、R
2は、場合により置換されているピリダジニルである。このような実施態様において、R
2は、6−クロロ−ピリダジニルまたは6−メチル−ピリダジニルであってよく、好ましくは6−クロロ−ピリダジニルである。
【0153】
式Iの特定の実施態様において、R
2は、場合により置換されているチオフェニルである。このような実施態様において、R
2は、C
1−6アルキルまたはハロで場合により置換されているチオフェン−2−イルであってよい。好ましいチオフェニルとして、3−メチル−チオフェン−2−イル、5−メチル−チオフェン−2−イルおよび5−クロロ−チオフェン−2−イルが挙げられる。
【0154】
式Iの多くの実施態様において、R
6は、水素である。式Iの特定の実施態様において、R
6は、メチルであってよい。
【0155】
式Iの多くの実施態様において、R
3は、水素である。
【0156】
式Iの特定の実施態様において、R
4は、水素である。
【0157】
式Iの多くの実施態様において、R
3は、C
1−6アルキルである。このような実施態様において好ましいC
1−6アルキルは、メチルである。
【0158】
式Iの多くの実施態様において、R
4は、C
1−6アルキルである。このような実施態様において好ましいC
1−6アルキルは、メチルである。
【0159】
式Iの多くの実施態様において、R
3は、水素であり、R
4は、C
1−6アルキルであり、好ましくはメチルである。
【0160】
式Iの特定の実施態様において、R
3およびR
4は、水素である。
【0161】
式Iの特定の実施態様において、R
3およびR
4は、それらが結合する原子と一緒になってC
3−6炭素環を形成しうる。
【0162】
式Iの特定の実施態様において、R
3およびR
4は、それらが結合する原子と一緒になって、シクロプロピル基を形成しうる。
【0163】
式Iの特定の実施態様において、R
4およびR
5は、それらが結合する原子と一緒になって、場合によりヒドロキシで置換されているC
3−6炭素環を形成する。
【0164】
式Iの特定の実施態様において、R
4およびR
5は、それらが結合する原子と一緒になって、シクロプロピル基を形成する。
【0165】
式Iの特定の実施態様において、R
3は水素であり、R
4およびR
5は、それらが結合する原子と一緒になって、シクロプロピル基を形成する。
【0166】
式Iの特定の実施態様において、R
3は水素であり、R
4およびR
5は、それらが結合する原子と一緒になって、場合によりヒドロキシで置換されているシクロペンチル基を形成する。
【0167】
式Iの特定の実施態様において、R
4およびR
5は、それらが結合する原子と一緒になって、それぞれ独立して、O、NおよびSから選択される1個または2個のヘテロ原子を含有するC
4−6複素環を形成する。
【0168】
式Iの特定の実施態様において、R
4およびR
5は、それらが結合する原子と一緒になって、ピペリジニル基またはオキセタニル(oxetanyl)環基を形成する。
【0169】
式Iの特定の実施態様において、R
4およびR
5は、それらが結合する原子と一緒になって、ピペリジン−3−イル基またはオキセタン−3−イル基を形成する。
【0170】
式Iの特定の実施態様において、R
3、R
4およびR
5は、それらが結合する原子と一緒になって、1個または2個の窒素原子を含有し、ハロ、アミノまたはC
1−6アルキルで場合により置換されている、6員環ヘテロアリールを形成する。
【0171】
式Iの特定の実施態様において、R
3、R
4およびR
5は、それらが結合する原子と一緒になって、各々メチルまたはアミノで場合により置換されている、2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリミジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニルまたはピリダジニルから選択されるヘテロアリールを形成する。
【0172】
式Iの特定の実施態様において、R
3、R
4およびR
5は、それらが結合する原子と一緒になって、2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリミジン−4−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリミジン−4−イル、1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリミジン−4−イル、6−メチル−ピリジン−3−イル、ピリダジン−4−イル、6−アミノ−ピリジン−2−イル、2−アミノピリミジン−4−イルまたは2−アミノ−ピリミジン−3−イルから選択されるヘテロアリールを形成する。
【0173】
式Iの特定の実施態様において、R
5は、C
1−6アルキル;C
1−6アルキルオキシ−C
1−6アルキル;ヒドロキシ−C
1−6アルキル;C
1−6アルキルスルファニル−C
1−6アルキル;C
1−6アルキルスルホニル−C
1−6アルキル;アミノ−C
1−6アルキル;N−C
1−6アルキル−アミノ−C
1−6アルキル;N,N−ジ−C
1−6アルキル−アミノ−C
1−6アルキル;C
3−7シクロアルキル;場合により置換されているフェニル;ヘテロアリール、またはヘテロシクリル−C
1−6アルキルである。
【0174】
式Iの特定の実施態様において、R
5は、ハロで置換されているN−C
1−6アルキル−アミノ−C
1−6アルキルである。
【0175】
式Iの特定の実施態様において、R
5は、C
1−6アルキルオキシ−C
1−6アルキル;ヒドロキシ−C
1−6アルキル;ヘテロアリール、またはヘテロシクリル−C
1−6アルキルである。
【0176】
式Iの特定の実施態様において、R
5は、C
1−6アルキルオキシ−C
1−6アルキルである。1つの好ましいC
1−6アルキルオキシ−C
1−6アルキルは、メトキシメチルである。
【0177】
式Iの特定の実施態様において、R
5は、ヒドロキシ−C
1−6アルキルである。1つの好ましいヒドロキシ−C
1−6アルキルは、ヒドロキシメチルである。
【0178】
式Iの特定の実施態様において、R
5は、ヘテロアリールである。
【0179】
R
5がヘテロアリールである特定の実施態様において、そのヘテロアリールは、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、3−オキソ−2,3−ジヒドロ−イソオキサゾリル、テトラゾリル、イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、イミダゾ[1,2−a]−ピリジニル、イミダゾ[4,5−b]ピリジニル、およびベンズイミダゾリルであってよく、その各々が、C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ、C
1−6アルコキシ−C
1−6アルキル、ハロ−C
1−6アルキル、ハロ、アミノ、N−C
1−6アルキル−アミノ、またはN,N−ジ−(C
1−6アルキル)−アミノから独立して選択される1つまたは複数の基で場合により1回、2回または3回置換されていてよい。より好ましくは、そのヘテロアリール(heteroarly)は、メチル、エチル、n−プロピル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、アミノ、メチルアミノまたはジメチルアミノから独立して選択される1つまたは複数の基で1回または2回場合により置換されていてよい。
【0180】
R
5がヘテロアリールである特定の実施態様において、そのヘテロアリールは、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラゾリルまたはチアゾリルであってよく、その各々が、メチル、エチル、n−プロピル、フルオロ、クロロ、アミノ、メチルアミノまたはジメチルアミノから独立して選択される1つまたは複数の基で1回または2回場合により置換されていてもよい。
【0181】
R
5がヘテロアリールである特定の実施態様において、そのヘテロアリールは、ピリジニル、ピリミジニルまたはピラジニルであってよく、その各々は、メチル、フルオロ、クロロ、アミノ、メチルアミノまたはジメチルアミノから独立に選択される基または複数の基で1回または2回場合により置換されていてもよい。
【0182】
R
5がヘテロアリールである式Iの特定の実施態様において、そのヘテロアリールは、チオフェン−2−イル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、オキサゾール−2−イル、ピリミジン−2−イル、ピリダジン−4−イル、ピラジン−2−イル、5−メチル−ピラジン−2−イル、イミダゾール−1−イル、ピラゾール−1−イル、3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル、2−メチル−チアゾール−4−イル、3−(2−クロロ−フェニル)−[1,2,4]−オキサジアゾール−5−イル、3−(ピリジン−4−イル)−[1,2,4]−オキサジアゾール−5−イル、ピリダジン−3−イル、2−メチル−ピラゾール−3−イル、チアゾール−5−イル、1−メチル−イミダゾール−2−イル、6−クロロ−ピリミジン−4−イル、4−エチル−[1,2,4]−トリアゾール−3−イル、1,3,5−トリメチル−ピラゾール−4−イル、1,5−ジメチル−ピラゾール−4−イル、1,3−ジメチル−ピラゾール−4−イル、3−(2−メトキシ−エチル)−[1,2,4]−オキサジアゾール−5−イル、3−(ピリジン−3−イル−[1,2,4]−オキサジアゾール−5−イル、テトラゾール−5−イル、ピラゾール−3−イル、4−アミノ−2−メチル−ピリミジン−5−イル、2−アミノ−ピリミジン−4−イル、6−メトキシ−ピリダジン−3−イル、3−オキソ−2,3−ジヒドロ−イソオキサゾール−5−イル、3−メチル−チオフェン−2−イル、5−メチル−[1,3,4]−オキサジアゾール−2−イル、4−メチル−イソオキサゾール−3−イル、3−トリフルオロメチル−ピラゾール−1−イル、1−メチル−ピラゾール−3−イル、3−メチル−ピラゾール−1−イル、5−メチル−3−トリフルオロメチル−ピラゾール−1−イル、5−シクロプロピル−3−トリフルオロメチル−ピラゾール−1−イル、イミダゾ[2,1−b]−チアゾール−6−イル、チアゾール−4−イル、2−プロピル−ピラゾール−3−イル、2−エチル−ピラゾール−3−イル、5−アミノ−ピリダジン−2−イル、3−アミノ−ピリダジン−2−イル、3−クロロ−ピリダジン−2−イル、2−アミノ−ピリミジン−5−イル、1−メチル−イミダゾール−4−イル、6−アミノ−ピリジン−3−イル、6−アミノ−ピリダジン−2−イル、2−アミノ−ピリジン−4−イル、2−ジメチルアミノ−ピリミジン−5−イル、6−アミノ−ピリジン−2−イル、2−メチルアミノ−ピリジン−4−イル、2−ジメチルアミノ−ピリジン4−イル、3−メチル−2−ジメチルアミノ−ピリジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、2−メチル−ピリジン−4−イル、6−メチルアミノ−ピリジン−3−イル、6−ジメチルアミノ−ピリジン−3−イル、6−メチルアミノ−ピリミジン−4−イル、6−ジメチルアミノ−ピリジン−3−イル、6−メチルアミノ−ピリジン−3−イル、2−メチルアミノ−ピリミジン−5−イル、6−メチル−ピリジン−3−イル、4−メチル−チアゾール−2−イル、2,6−ジメチル−ピリジン−3−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル、6−メチル−ピリジン−2−イル、1−エチル−ピラゾール−3−イル、3−メチル−ピリジン−2−イル、4−メチル−チアゾール−5−イル、1−エチル−イミダゾール−2−イル、1−メチル−ピラゾール−4−イル、イミダゾ[4,5−b]-ピリジン−2−イル、3,5−ジフルオロ−ピリジン−2−イル、6−フルオロ−ピリジン−2−イル、1,5−ジメチル−ピラゾール−3−イル、5−メチル−ピリジン−2−イル、6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル、5−メチル−イソオキサゾール−3−イル、5−メチル−イミダゾール−2−イル、5−メトキシ−ベンズイミダゾール2−イル、[1,2,4]トリアゾール−3−イル、6−メチル−ピリダジン−3−イル、1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イルまたは8−メチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルでありうる。
【0183】
式Iの特定の実施態様において、R
5は、ヘテロシクリル−C
1−6アルキルである。
【0184】
R
5がヘテロシクリル−C
1−6アルキルである実施態様において、そのヘテロシクリル−C
1−6アルキルは、例えばモルホリノメチル、ピペリジニル−メチル、ピペラジニル−メチル、チオモルホリニルメチル、ピロリジニルメチル、またはアゼチジニルメチルのようなヘテロシクリルメチルであることができ、その各々のヘテロシクリル部分は、メチル、メトキシ、ハロ、メタンスルホニル、オキソまたはアセチルから独立に選択される基または複数の基で1回または2回場合により置換されていてもよい。
【0185】
R
5がヘテロシクリルメチルである実施態様において、そのヘテロシクリルメチルは、モルホリン−4−イル−メチル、4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イル−メチル、4−アセチル−ピペラジン−1−イル−メチル、ピペリジン−1−イル、チオモルホリン−4−イル−メチル、4−メチル−ピペラジン−1−イル−メチル、3−オキソ−ピペラジン−1−イル−メチル、3−メトキシ−ピペリジン−1−イル−メチル、4−メトキシ−ピペリジン−1−イル−メチル、4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル−メチル、1−オキソ−チオモルホリン−4−イル−メチル、3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル−メチル、アゼチジン−3−イル−メチル、4−メタンスルホニル−ピペリジン−1−イル−メチル、4−フルオロ−ピペリジン−1−イル−メチル、4−アセチル−3−メチル−ピペラジン−1−イル−メチル、4−アセチル−3,5−ジメチル−ピペラジン−1−イル−メチル、2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル−メチル、4,4−ジフルオロ−ピペリジン−1−イル−メチル、3−フルオロ−ピペリジン−1−イル−メチル、4−メチル−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル−メチル、または3−フルオロ−4−メトキシ−ピペリジン−1−イル−メチルであってよい。
【0186】
式Iの特定の実施態様において、R
5は、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、ピラジン−2−イルまたは5−メチル−ピラジン−2−イルである。
【0187】
式Iの特定の実施態様において、R
5は、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、ピラジン−2−イル、5−メチル−ピラジン−2−イル、6−メチル−ピリダジン−3−イル、または1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イルである。
【0188】
式Iの特定の実施態様において、R
5は、ヒドロキシメチルである。
【0189】
式Iの特定の実施態様において、R
5は、メトキシメチルである。
【0190】
式Iの特定の実施態様において、R
5は、ピラジン−2−イルである。
【0191】
式Iの特定の実施態様において、R
5は、5−メチル−ピラジン−2−イルである。
【0192】
式Iの特定の実施態様において、R
5は、1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イルである。
【0193】
式Iの特定の実施態様において、R
5は、6−メチル−ピリダジン−3−イルである。
【0194】
式Iの特定の実施態様において、R
6、R
7およびR
8は、水素である。
【0195】
式Iの特定の実施態様において、R
7およびR
8は、水素である。
【0196】
式Iの特定の実施態様において、R
7およびR
8の一方は、ハロまたはC
1−4アルコキシであり、他方は、水素である。
【0197】
式Iの特定の実施態様において、R
7およびR
8は、共にハロまたはC
1−4アルコキシである。
【0198】
式Iの特定の実施態様において、R
7およびR
8の一方は、フルオロ、クロロまたはメトキシであり、他方は、水素である。
【0199】
式Iの特定の実施態様において、R
7およびR
8は、それぞれ独立してフルオロ、クロロまたはメトキシである。
【0200】
式Iの特定の実施態様において、R
7およびR
8は、フルオロである。
【0201】
式Iの特定の実施態様において、R
7およびR
8の一方は、フルオロであり、他方は、水素である。
【0202】
式Iの特定の実施態様において、R
7およびR
8の一方は、クロロであり、他方は、水素である。
【0203】
式Iの特定の実施態様において、R
7およびR
8の一方は、メトキシであり、他方は、水素である。
【0204】
式Iの特定の実施態様において、R
6は、ハロである。
【0205】
式Iの特定の実施態様において、R
6は、フルオロである。
【0206】
式Iの特定の実施態様において:
R
1は、C
1−6アルキル、ハロ−C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ−C
1−6アルキル、ヒドロキシ−C
1−6アルキル、C
1−6アルキルアミノ−C
1−6アルキル、N,N−ジ−(C
1−6アルキル)−アミノ−C
1−6アルキル、C
3−6−シクロアルキル、またはC
3−6シクロアルキル−C
1−6アルキル5位が場合により置換されている[1,2,4]トリアゾール−1−イルであり;
R
2は、4−メチル−フェニル;2−フルオロ−4−メチル−フェニル;2−クロロ−4−フルオロ−フェニル;4−クロロ−2−フルオロ−フェニル;2,4−ジクロロ−フェニル;2,4−ジフルオロ−フェニル;または2−クロロ−4−メチル−フェニルであり;
R
3は、水素であり;
R
4は:水素;またはメチルであり;
R
5は、C
1−6アルキル;C
1−6アルキルオキシ−C
1−6アルキル;ヒドロキシ−C
1−6アルキル;C
1−6アルキルスルファニル−C
1−6アルキル;C
1−6アルキルスルホニル−C
1−6アルキル;アミノ−C
1−6アルキル;N−C
1−6アルキル−アミノ−C
1−6アルキル;N,N−ジ−C
1−6アルキル−アミノ−C
1−6アルキル;C
3−7シクロアルキル;場合により置換されているフェニル;ヘテロアリール、またはヘテロシクリル−C
1−6アルキルである。
【0207】
式Iの特定の実施態様において:
R
1は、C
1−6アルキル、ハロ−C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ−C
1−6アルキル、ヒドロキシ−C
1−6アルキル、C
1−6アルキルアミノ−C
1−6アルキル、N,N−ジ−(C
1−6アルキル)−アミノ−C
1−6アルキル、C
3−6−シクロアルキル、またはC
3−6シクロアルキル−C
1−6アルキルで5位が場合により置換されている[1,2,4]トリアゾール−1−イルであり;
R
2は、5−メチル−ピリジン−2−イル、5−クロロ−ピリジン−2−イル、5−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メチル−3−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メチル−3−クロロ−ピリジン−2−イル、3,5−ジフルオロ−ピリジン−2−イルまたは3,5−ジクロロ−ピリジン−2−イルであり;
R
3は、水素であり;
R
4は、水素;またはメチルであり;
R
5は、C
1−6アルキル;C
1−6アルキルオキシ−C
1−6アルキル;ヒドロキシ−C
1−6アルキル;C
1−6アルキルスルファニル−C
1−6アルキル;C
1−6アルキル-スルホニル−C
1−6アルキル;アミノ−C
1−6アルキル;N−C
1−6アルキル−アミノ−C
1−6アルキル;N,N−ジ−C
1−6アルキル−アミノ−C
1−6アルキル;C
3−7シクロアルキル;場合により置換されているフェニル;ヘテロアリール、またはヘテロシクリル−C
1−6アルキルである。
【0208】
式Iの特定の実施態様において:
R
1は、C
1−6アルキル、ハロ−C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ−C
1−6アルキル、ヒドロキシ−C
1−6アルキル、C
3−6−シクロアルキル、またはC
3−6シクロアルキル−C
1−6アルキルで5位が場合により置換されている[1,2,4]トリアゾール−1−イルであり;
R
2は、4−メチル−フェニル;2−フルオロ−4−メチル−フェニル;2−クロロ−4−フルオロ−フェニル;4−クロロ−2−フルオロ−フェニル;2,4−ジクロロ−フェニル;2,4−ジフルオロ−フェニル;または2−クロロ−4−メチル−フェニルであり;
R
3は、水素であり;
R
4は、水素;またはメチルであり;
R
5は、ヒドロキシメチル;メトキシメチル;モルホリン−4−イルメチル;メチル、メタンスルホニルまたはアセチルで4位が場合により置換されているピペリジン−1−イルメチル;1,1,−ジオキソ−チオモルホリン−1−イル;メチル、メトキシまたはハロから独立して選択される1つまたは複数の基で1回または2回場合により置換されているピペリジン−1−イル−メチル;ピリジニル;ピリミジニル;ピラジニル;ピリダジニル;ピラゾリル;またはチアゾリルであり;そのピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラゾリルおよびチアゾリルは、各々、メチル、メチルアミノ、ジメチルアミノおよびハロから独立して選択される1つまたは複数の基で1回または2回場合により置換されていてよい。
【0209】
式Iの特定の実施態様において:
R
1は、C
1−6アルキル、ハロ−C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ−C
1−6アルキル、ヒドロキシ−C
1−6アルキル、C
1−6アルキルアミノ−C
1−6アルキル、C
3−6−シクロアルキル、またはC
3−6シクロアルキル−C
1−6アルキルで5位が場合により置換されている[1,2,4]トリアゾール−1−イルであり;
R
2は、5−メチル−ピリジン−2−イル、5−クロロ−ピリジン−2−イル、5−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メチル−3−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メチル−3−クロロ−ピリジン−2−イル、3,5−ジフルオロ−ピリジン−2−イルまたは3,5−ジクロロ−ピリジン−2−イルであり;
R
3は、水素であり;
R
4は、水素;またはメチルであり;
R
5は、ヒドロキシメチル;メトキシメチル;モルホリン−4−イルメチル;メチル、メタンスルホニルまたはアセチルで4位が場合により置換されているピペリジン−1−イルメチル;1,1,−ジオキソ−チオモルホリン−1−イル;メチル、メトキシまたはハロから独立して選択される1つまたは複数の基で1回または2回場合により置換されているピペリジン−1−イル;ピリジニル;ピリミジニル;ピラジニル;ピリダジニル;ピラゾリル;またはチアゾリルであり;そのピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラゾリルおよびチアゾリルは、各々、メチル、メチルアミノ、ジメチルアミノおよびハロから独立して選択される1つまたは複数の基で1回または2回場合により置換されていてよい。
【0210】
式Iの特定の実施態様において:
R
1は、C
1−6アルキル、ハロ−C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ−C
1−6アルキル、ヒドロキシ−C
1−6アルキル、C
3−6−シクロアルキル、またはC
3−6シクロアルキル−C
1−6アルキルで5位が場合により置換されている[1,2,4]トリアゾール−1−イルであり;
R
2は、4−メチル−フェニル;2−フルオロ−4−メチル−フェニル;2−クロロ−4−フルオロ−フェニル;4−クロロ−2−フルオロ−フェニル;2,4−ジクロロ−フェニル;2,4−ジフルオロ−フェニル;または2−クロロ−4−メチル−フェニルであり;
R
3は、水素であり;
R
4およびR
5は、一緒になって、シクロプロピル基を形成する。
【0211】
式Iの特定の実施態様において:
R
1は、C
1−6アルキル、ハロ−C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ−C
1−6アルキル、ヒドロキシ−C
1−6アルキル、C
1−6アルキルアミノ−C
1−6アルキル、C
3−6−シクロアルキル、またはC
3−6シクロアルキル−C
1−6アルキルで5位が場合により置換されている[1,2,4]トリアゾール−1−イルであり;
R
2は、5−メチル−ピリジン−2−イル、5−クロロ−ピリジン−2−イル、5−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メチル−3−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メチル−3−クロロ−ピリジン−2−イル、3,5−ジフルオロ−ピリジン−2−イルまたは3,5−ジクロロ−ピリジン−2−イルであり;
R
3は、水素であり;
R
4およびR
5は、一緒になって、シクロプロピル基を形成する。
【0212】
式Iの特定の実施態様において:
R
1は、C
1−6アルキル、ハロ−C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ−C
1−6アルキル、ヒドロキシ−C
1−6アルキル、C
1−6アルキルアミノ−C
1−6アルキル、N,N−ジ−(C
1−6アルキル)−アミノ−C
1−6アルキル、C
3−6−シクロアルキル、またはC
3−6シクロアルキル−C
1−6アルキルで5位が場合により置換されている[1,2,4]トリアゾール−1−イルであり;
R
2は、4−メチル−フェニル;2−フルオロ−4−メチル−フェニル;2−クロロ−4−フルオロ−フェニル;4−クロロ−2−フルオロ−フェニル;2,4−ジクロロ−フェニル;2,4−ジフルオロ−フェニル;または2−クロロ−4−メチル−フェニルであり;
R
3は、水素であり;
R
4は、メチルであり;
R
5は、メトキシメチル、ヒドロキシメチル、5−メチル−ピラジン−2−イルまたはピラジン−2−イルである。
【0213】
式Iの特定の実施態様において:
R
1は、C
1−6アルキル、ハロ−C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ−C
1−6アルキル、ヒドロキシ−C
1−6アルキル、C
1−6アルキルアミノ−C
1−6アルキル、N,N−ジ−(C
1−6アルキル)−アミノ−C
1−6アルキル、C
3−6−シクロアルキル、またはC
3−6シクロアルキル−C
1−6アルキルで5位が場合により置換されている[1,2,4]トリアゾール−1−イルであり;
R
2は、5−メチル−ピリジン−2−イル、5−クロロ−ピリジン−2−イル、5−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メチル−3−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メチル−3−クロロ−ピリジン−2−イル、3,5−ジフルオロ−ピリジン−2−イルまたは3,5−ジクロロ−ピリジン−2−イルであり;
R
3は、水素であり;
R
4は、メチルであり;
R
5は、メトキシメチル、ヒドロキシメチル、5−メチル−ピラジン−2−イルまたはピラジン−2−イルである。
【0214】
式Iの特定の実施態様において:
R
1は、C
1−6アルキル、ハロ−C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ−C
1−6アルキル、ヒドロキシ−C
1−6アルキル、C
1−6アルキルアミノ−C
1−6アルキル、N,N−ジ−(C
1−6アルキル)−アミノ−C
1−6アルキル、C
3−6−シクロアルキル、またはC
3−6シクロアルキル−C
1−6アルキルで5位が場合により置換されている[1,2,4]トリアゾール−1−イルであり;
R
2は、4−メチル−フェニル;2−フルオロ−4−メチル−フェニル;2−クロロ−4−フルオロ−フェニル;4−クロロ−2−フルオロ−フェニル;2,4−ジクロロ−フェニル;2,4−ジフルオロ−フェニル;または2−クロロ−4−メチル−フェニルであり;
R
3およびR
4は、水素であり;
R
5は、5−メチル−ピラジン−2−イルである。
【0215】
式Iの特定の実施態様において:
R
1は、C
1−6アルキル、ハロ−C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ−C
1−6アルキル、ヒドロキシ−C
1−6アルキル、C
1−6アルキルアミノ−C
1−6アルキル、N,N−ジ−(C
1−6アルキル)−アミノ−C
1−6アルキル、C
3−6−シクロアルキル、またはC
3−6シクロアルキル−C
1−6アルキルで5位が場合により置換されている[1,2,4]トリアゾール−1−イルであり;
R
2は、5−メチル−ピリジン−2−イル、5−クロロ−ピリジン−2−イル、5−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メチル−3−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メチル−3−クロロ−ピリジン−2−イル、3,5−ジフルオロ−ピリジン−2−イルまたは3,5−ジクロロ−ピリジン−2−イルであり;
R
3およびR
4は、水素であり;
R
5は、5−メチル−ピリダジン−2−イルである。
【0216】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、式AまたはB;
【0217】
【化2】
(式中、R
cおよびR
dは、それぞれ独立して水素;C
1−6アルキル;C
1−6アルコキシ;C
1−6アルキルスルホニル;フェニル;アミノ;N−C
1−6アルキル−アミノ;N,N−ジ−C
1−6アルキル−アミノハロ−C
1−6アルキル;ハロ−C
1−6アルコキシ;ヘテロ−C
1−6アルキル;C
3−6−シクロアルキル;C
3−6シクロアルキル−C
1−6アルキル;アミノカルボニル;ヘテロシクリルカルボニル;C
1−6アルコキシカルボニル;またはシアノであるか;またはR
cおよびR
dは、それらが結合する原子と一緒になって、各々場合により置換されているフェニル、ピリジニルまたはピリミジニル基を形成しうる)の基である。
【0218】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、式Aの基である。
【0219】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、式A1:
【0220】
【化3】
(式中、R
aおよびR
bは、本明細書に定義されるとおりである)の基である。
【0221】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、式A2:
【0222】
【化4】
(式中、R
aおよびR
bは、本明細書に定義されるとおりである)の基である。
【0223】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、式A3:
【0224】
【化5】
(式中、R
aおよびR
bは、本明細書に定義されるとおりである)の基である。
【0225】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、式Bの基である。
【0226】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、の式B1:
【0227】
【化6】
(式中、R
aおよびR
bは、本明細書に定義されるとおりである)の基である。
【0228】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、式B2:
【0229】
【化7】
(式中、R
aおよびR
bは、本明細書に定義されるとおりである)の基である。
【0230】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、式B3:
【0231】
【化8】
(式中、R
aおよびR
bは、本明細書に定義されるとおりである)の基である。
【0232】
式Iの特定の実施態様において、R
cは、水素であり、R
dは、水素;C
1−6アルキル;C
1−6アルコキシ;C
1−6アルキルスルホニル;アミノ;N−C
1−6アルキル−アミノ;N,N−ジ−C
1−6アルキル−アミノハロ−C
1−6アルキル;ハロ−C
1−6アルコキシ;ヘテロ−C
1−6アルキル;C
3−6−シクロアルキル;C
3−6シクロアルキル−C
1−6アルキル;アミノカルボニル;ヘテロシクリルカルボニル;C
1−6アルコキシカルボニル;またはシアノである。
【0233】
R
cまたはR
dが、ヘテロ−C
1−6アルキルである式Iの実施態様において、そのヘテロ−C
1−6アルキルは、ヒドロキシ−C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ−C
1−6アルキル、C
1−6アルキルアミノ−C
1−6アルキル、およびN,N−ジ−(C
1−6アルキル)−アミノ−C
1−6アルキルから選択されうる。
【0234】
式Iの特定の実施態様において、R
cは、水素であり、R
dは、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロプロピルメチル、フェニル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、ペンタフルオロ−エチル、1,1−ジフルオロ−エチル、2,2−ジフルオロエチル、1−メトキシ−エチル、1−エトキシ−エチル、2−メトキシ−1−メチル−エチル、1−ヒドロキシ−エチル、イソプロポキシ、ジメチルアミノ、アゼチジン−2−イル、1−メチル−アゼチジン−2−イル、1−ジメチルアミノ−エチルまたはジメチルアミノ−メチルである。
【0235】
式Iの特定の実施態様において、R
cは、水素であり、R
dは、C
1−6アルキルまたはハロ−C
1−6アルキルである。
【0236】
式Iの特定の実施態様において、R
cは、水素であり、R
dは、C
1−6アルキルである。
【0237】
式Iの特定の実施態様において、R
cは、水素であり、R
dは、C
1−6アルコキシである。
【0238】
式Iの特定の実施態様において、R
cは、水素であり、R
dは、C
1−6アルキルスルホニルである。
【0239】
式Iの特定の実施態様において、R
cは、水素であり、R
dは、アミノである。
【0240】
式Iの特定の実施態様において、R
cは、水素であり、R
dは、N−C
1−6アルキル−アミノである。
【0241】
式Iの特定の実施態様において、R
cは、水素であり、R
dは、N,N−ジ−C
1−6アルキル−アミノである。
【0242】
式Iの特定の実施態様において、R
cは、水素であり、R
dは、ハロ−C
1−6アルキルである。
【0243】
式Iの特定の実施態様において、R
cは、水素であり、R
dは、ハロ−C
1−6アルコキシである。
【0244】
式Iの特定の実施態様において、R
cは、水素であり、R
dは、ヘテロ−C
1−6アルキルである。
【0245】
式Iの特定の実施態様において、R
cは、水素であり、R
dは、C
3−6−シクロアルキルである。
【0246】
式Iの特定の実施態様において、R
cは、水素であり、R
dは、C
3−6シクロアルキル−C
1−6アルキルである。
【0247】
式Iの特定の実施態様において、R
cは、水素であり、R
dは、アミノカルボニルである。
【0248】
式Iの特定の実施態様において、R
cは、水素であり、R
dは、ヘテロシクリルカルボニルである。
【0249】
式Iの特定の実施態様において、R
cは、水素であり、R
dは、C
1−6アルコキシカルボニルである。
【0250】
式Iの特定の実施態様において、R
cは、水素であり、R
dは、シアノである。
【0251】
式Iの特定の実施態様において、R
bは、水素であり、R
dは、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロ−エチル、1,1−ジフルオロ−エチル、1−メトキシ−エチル、1−エトキシ−エチル、2−メトキシ−1−メチル−エチル、1−ヒドロキシ−エチル、またはジメチルアミノ−メチルである。
【0252】
式Iの特定の実施態様において、R
cは、水素であり、R
dは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、シクロプロピルまたはシクロプロピルメチルである。
【0253】
式Iの特定の実施態様において、R
cおよびR
dは、それらが結合する原子と一緒になって、場合により置換されているフェニルを形成する。
【0254】
式Iの特定の実施態様において、R
cおよびR
dは、それらが結合する原子と一緒になって場合により置換されているピリジニルを形成する。
【0255】
式Iの特定の実施態様において、R
cおよびR
dは、それらが結合する原子と一緒になって場合により置換されているピリミジニルを形成する。
【0256】
本明細書で使用される「場合により置換されているトリアゾリル」は、場合により縮合6員環芳香族または窒素含有ヘテロアリール環をその上に有するトリアゾリルを包含する。したがって、「場合により置換されているトリアゾリル」として、ベンゾトリアゾリル、[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジニル、およびアザ置換されているそれらの誘導体が挙げられる。よって、式Iの特定の実施態様において、R
1が、式Aのそれであり、R
cおよびR
dが、それらが結合する原子と一緒になって、フェニル、ピリジニルまたはピリミジニル基を形成する場合、R
1は、式A4:
【0257】
【化9】
(式中、X
1およびX
2は、それぞれ独立してCR
fまたはNであり、R
eおよびR
fは、それぞれ独立して水素、C
1−6アルキル、C
1−6アルキルオキシ、またはハロである。多くのこのような実施態様において、R
cおよびR
dは、それらが結合する原子と一緒になって、X
1およびX
2がCHであるようなピリジニル基を形成する)の基で表されうる。
【0258】
式Iの特定の実施態様において、R
1が、式Bのそれであり、R
cおよびR
dが、それらが結合する原子と一緒になってフェニル、ピリジニルまたはピリミジニル基を形成する場合、R
1は、式B4:
【0259】
【化10】
(式中、X
1およびX
2は、それぞれ独立してCR
fまたはNであり、R
eおよびR
fは、それぞれ独立して水素、C
1−6アルキル、C
1−6アルキルオキシ、またはハロである。多くのこのような実施態様において、R
aおよびR
bは、それらが結合する原子と一緒になって、X
1およびX
2がCHであるようなフェニル基を形成する)の基で表されうる。
【0260】
式Iの多くの実施態様において、R
3は水素であり、およびR
4は、C
1−6アルキル、好ましくはメチルである。
【0261】
式Iの特定の実施態様において、R
2は、4−メチル−フェニル、4−クロロ−フェニルまたは2−フルオロ−4−メチル−フェニルであり、R
3は水素である。
【0262】
式Iの特定の実施態様において、R
2は、4−メチル−フェニル、4−クロロ−フェニルまたは2−フルオロ−4−メチル−フェニルであり、R
3は水素であり、R
4は、メチルである。
【0263】
式Iの特定の実施態様において、R
2は、4−メチル−フェニル、4−クロロ−フェニルまたは2−フルオロ−4−メチル−フェニルであり、R
3は水素であり、R
4は、メチルであり、R
6は、水素である。
【0264】
式Iの特定の実施態様において、R
2は、4−メチル−フェニルであり、R
3は水素であり、R
4は、メチルであり、R
6は、水素であり、R
5は:
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチルおよびイソペンチルから選択されるC
1−6アルキル;
C
1−6アルキルオキシ−C
1−6アルキル、ヒドロキシ−C
1−6アルキル、C
1−6アルキルスルファニル−C
1−6アルキル、C
1−6アルキル−スルフィニル−C
1−6アルキル、C
1−6アルキル−スルホニル−C
1−6アルキル、アミノ−C
1−6アルキル、N−C
1−6アルキル−アミノ−C
1−6アルキル、N,N−ジ−C
1−6アルキルアミノ−C
1−6アルキルおよびヒドロキシ−C
1−6アルキルオキシから選択されるヘテロ−C
1−6アルキル;
各々場合により置換されている、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルから選択されるC
3−7シクロアルキル;
場合により置換されているフェニルおよび場合により置換されているナフチルから選択されるアリール;
各々場合により置換されている、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、フラニル、イソオキサゾリルおよびイソチアゾリルから選択されるヘテロアリール;
各々場合により置換されている、ピペルヂニル(piperdinyl)、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1−オキソ−チオモルホリニル、1,1−ジオキソ−チオモルホリニル、ピラニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、2−オキサ−8−アザ−スピロ[4.5]デカン−8−イル、2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−イル、および3−オキサ−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]−オクタン−8−イルから選択されるヘテロシクリル;
シクロプロピル−C
1−6アルキル、シクロブチル−C
1−6アルキル、シクロペンチル−C
1−6アルキルおよびシクロヘキシル−C
1−6アルキルから選択されるC
3−7シクロアルキル−C
1−6アルキル(各々のそのシクロアルキル部分は、場合により置換されている);
フェニル−C
1−6アルキルおよびナフチル−C
1−6アルキルから選択されるアリール−C
1−6アルキル(各々のそのアリール部分は、場合により置換されている);
ピリジニル−C
1−6アルキル、ピリミジニル−C
1−6アルキル、ピリダジニル−C
1−6アルキル、ピラジニル−C
1−6アルキル、フラニル−C
1−6アルキル、チエニル−C
1−6アルキル、ピロリル−C
1−6アルキル、オキサゾリル−C
1−6アルキル、チアゾリル−C
1−6アルキル、イミダゾリル−C
1−6アルキル、イソオキサゾリル−C
1−6アルキルおよびイソチアゾリル−C
1−6アルキルから選択されるヘテロアリール−C
1−6アルキル(各々のそのヘテロアリール部分は、場合により置換されている);
ピペルヂニル(piperdinyl)−C
1−6アルキル、ピペラジニル−C
1−6アルキル、モルホリニル−C
1−6アルキル、チオモルホリニル−C
1−6アルキル、1−オキソ−チオモルホリニル−C
1−6アルキル、1,1−ジオキソ−チオモルホリニル−C
1−6アルキル、ピラニル−C
1−6アルキル、ピロリジニル−C
1−6アルキル、テトラヒドロフラニル−C
1−6アルキル、2−オキサ−8−アザ−スピロ[4.5]デカン−8−イル−−C
1−6アルキル、2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−イル−−C
1−6アルキル、3−オキサ−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル−−C
1−6アルキルから選択されるヘテロシクリル−C
1−6アルキル(各々のそのヘテロシクリル部分は、場合により置換されている);
フェノキシ−C
1−6アルキルおよびナフチルオキシ−C
1−6アルキルから選択されるアリールオキシ−C
1−6アルキル(各々のそのアリール部分は、場合により置換されている);
−C(O)−R
8またはCH
2−C(O)−R
8(式中、R
8は、本明細書に定義されるとおりである)である。
【0265】
式Iの特定の実施態様において、R
2は、4−メチル−フェニル、4−クロロ−フェニルまたは2−フルオロ−4−メチル−フェニルであり、R
3は水素であり、R
4は、メチルであり、R
6は、水素であり、そしてR
5は、C
1−6アルコキシ−C
1−6アルキル;ヒドロキシ−C
1−6アルキル;モルホリン−4−イル−C
1−6アルキル;ピラジニル;またはピペラジン−1−イル−C
1−6アルキル(ここで、ピペラジニル部分(moeity)は、C
1−6アルキル、C
1−6アルキルカルボニルまたはC
1−6アルキルスルホニルで4位が場合により置換されている)である。
【0266】
式Iの特定の実施態様において、R
2は、4−メチル−フェニル、4−クロロ−フェニルまたは2−フルオロ−4−メチル−フェニルであり、R
3は水素であり、R
4は、メチルであり、R
6は、水素であり、そしてR
5は、メトキシメチル;ヒドロキシメチル;モルホリン−4−イル−メチル;ピラジン−2−イル;または4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イルである。
【0267】
式Iの特定の実施態様において、R
1は、式Aの基であり、R
2は、4−メチル−フェニル、4−クロロ−フェニルまたは2−フルオロ−4−メチル−フェニルであり、R
3は水素であり、R
4は、メチルであり、R
6は、水素であり、そしてR
5は、C
1−6アルコキシ−C
1−6アルキル;ヒドロキシ−C
1−6アルキル;モルホリン−4−イル−C
1−6アルキル;ピラジニル;またはピペラジン−1−イル−C
1−6アルキル(ここで、ピペラジニル部分は、C
1−6アルキル、C
1−6アルキルカルボニルまたはC
1−6アルキルスルホニルで4位が場合により置換されている)である。
【0268】
式Iの特定の実施態様において、R
1は式Aの基であり、R
2は、4−メチル−フェニル、4−クロロ−フェニルまたは2−フルオロ−4−メチル−フェニルであり、R
3は水素であり、R
4は、メチルであり、R
6は、水素であり、そしてR
5は、メトキシメチル;ヒドロキシメチル;モルホリン−4−イル−メチル;ピラジン−2−イル;または4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イルである。
【0269】
式Iの特定の実施態様において、R
1は式Bの基であり、R
2は、4−メチル−フェニル、4−クロロ−フェニルまたは2−フルオロ−4−メチル−フェニルであり、R
3は水素であり、R
4は、メチルであり、R
6は、水素であり、そしてR
5は、C
1−6アルコキシ−C
1−6アルキル;ヒドロキシ−C
1−6アルキル;モルホリン−4−イル−C
1−6アルキル;ピラジニル;またはピペラジン−1−イル−C
1−6アルキル(ここで、ピペラジニル部分は、C
1−6アルキル、C
1−6アルキルカルボニルまたはC
1−6アルキルスルホニルで4位が場合により置換されている)である。
【0270】
式Iの特定の実施態様において、R
1は式Bの基であり、R
2は、4−メチル−フェニル、4−クロロ−フェニルまたは2−フルオロ−4−メチル−フェニルであり、R
3は水素であり、R
4は、メチルであり、R
6は、水素であり、そしてR
5は、メトキシメチル;ヒドロキシメチル;モルホリン−4−イル−メチル;ピラジン−2−イル;または4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イルである。
【0271】
式Iの特定の実施態様において、R
2は、メチルまたはハロで5位が置換されているピリジン−2−イルであり、R
3は水素である。
【0272】
式Iの特定の実施態様において、R
2は、メチルまたはハロで5位が置換されているピリジン−2−イルであり、R
3は水素であり、R
4は、メチルである。
【0273】
式Iの特定の実施態様において、R
2は、メチルまたはハロで5位が置換されているピリジン−2−イルであり、R
3は水素であり、R
4は、メチルであり、R
6は、水素である。
【0274】
式Iの特定の実施態様において、R
2は、メチルまたはハロで5位が置換されているピリジン−2−イルであり、R
3は水素であり、R
4は、メチルであり、R
6は、水素であり、そしてR
5は:
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチルおよびイソペンチルから選択されるC
1−6アルキル;
C
1−6アルキルオキシ−C
1−6アルキル、ヒドロキシ−C
1−6アルキル、C
1−6アルキルスルファニル−C
1−6アルキル、C
1−6アルキル−スルフィニル−C
1−6アルキル、C
1−6アルキル−スルホニル−C
1−6アルキル、アミノ−C
1−6アルキル、N−C
1−6アルキル−アミノ−C
1−6アルキル、N,N−ジ−C
1−6アルキルアミノ−C
1−6アルキルおよびヒドロキシ−C
1−6アルキルオキシから選択されるヘテロ−C
1−6アルキル;
各々場合により置換されている、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルから選択されるC
3−7シクロアルキル;
場合により置換されているフェニルおよび場合により置換されているナフチルから選択されるアリール;
各々場合により置換されているピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、フラニル、イソオキサゾリルおよびイソチアゾリルから選択されるヘテロアリール;
各々場合により置換されているピペルヂニル(piperdinyl)、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1−オキソ−チオモルホリニル、1,1−ジオキソ−チオモルホリニル、ピラニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、2−オキサ−8−アザ−スピロ[4.5]デカン−8−イル、2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−イル、および3−オキサ−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]−オクタン−8−イルから選択されるヘテロシクリル;
シクロプロピル−C
1−6アルキル、シクロブチル−C
1−6アルキル、シクロペンチル−C
1−6アルキルおよびシクロヘキシル−C
1−6アルキル(各々のそのシクロアルキル部分は、場合により置換されている)から選択されるC
3−7シクロアルキル−C
1−6アルキル;
フェニル−C
1−6アルキルおよびナフチル−C
1−6アルキル(各々のそのアリール部分は、場合により置換されている)から選択されるアリール−C
1−6アルキル;
ピリジニル−C
1−6アルキル、ピリミジニル−C
1−6アルキル、ピリダジニル−C
1−6アルキル、ピラジニル−C
1−6アルキル、フラニル−C
1−6アルキル、チエニル−C
1−6アルキル、ピロリル−C
1−6アルキル、オキサゾリル−C
1−6アルキル、チアゾリル−C
1−6アルキル、イミダゾリル−C
1−6アルキル、イソオキサゾリル−C
1−6アルキルおよびイソチアゾリル−C
1−6アルキル(各々のそのヘテロアリール部分は、場合により置換されている)から選択されるヘテロアリール−C
1−6アルキル;
ピペルヂニル(piperdinyl)−C
1−6アルキル、ピペラジニル−C
1−6アルキル、モルホリニル−C
1−6アルキル、チオモルホリニル−C
1−6アルキル、1−オキソ−チオモルホリニル−C
1−6アルキル、1,1−ジオキソ−チオモルホリニル−C
1−6アルキル、ピラニル−C
1−6アルキル、ピロリジニル−C
1−6アルキル、テトラヒドロフラニル−C
1−6アルキル、2−オキサ−8−アザ−スピロ[4.5]デカン−8−イル−−C
1−6アルキル、2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−イル−−C
1−6アルキル、3−オキサ−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル−−C
1−6アルキル(各々のそのヘテロシクリル部分は、場合により置換されている)から選択されるヘテロシクリル−C
1−6アルキル;
フェノキシ−C
1−6アルキルおよびナフチルオキシ−C
1−6アルキル(各々のそのアリール部分は、場合により置換されている)から選択されるアリールオキシ−C
1−6アルキル;または
−C(O)−R
8またはCH
2−C(O)−R
8(式中、R
8は、本明細書に定義されるとおりである)である。
【0275】
式Iの特定の実施態様において、R
2は、メチルまたはハロで5位が置換されているピリジン−2−イルであり、R
3は水素であり、R
4は、メチルであり、R
6は、水素であり、およびR
5は、C
1−6アルコキシ−C
1−6アルキル;ヒドロキシ−C
1−6アルキル;モルホリン−4−イル−C
1−6アルキル;ピラジニル;またはピペラジン−1−イル−C
1−6アルキル(ここで、ピペラジニル部分は、C
1−6アルキル、C
1−6アルキルカルボニルまたはC
1−6アルキルスルホニルで4位が場合により置換されている)である。
【0276】
式Iの特定の実施態様において、R
2は、メチルまたはハロで5位が置換されているピリジン−2−イル、R
3は水素であり、R
4は、メチル、R
6は、水素、およびR
5は、メトキシメチル;ヒドロキシメチル;モルホリン−4−イル−メチル;ピラジン−2−イル;または4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イルである。
【0277】
式Iの特定の実施態様において、R
1は式Aの基であり、R
2は、メチルまたはハロで5位が置換されているピリジン−2−イル、R
3は水素であり、R
4は、メチルであり、R
6は、水素であり、R
5は、C
1−6アルコキシ−C
1−6アルキル;ヒドロキシ−C
1−6アルキル;モルホリン−4−イル−C
1−6アルキル;ピラジニル;またはピペラジン−1−イル−C
1−6アルキル(式中、ピペラジニル部分は、C
1−6アルキル、C
1−6アルキルカルボニルまたはC
1−6アルキルスルホニルで4位が場合により置換されている)である。
【0278】
式Iの特定の実施態様において、R
1は式Aの基であり、R
2は、メチルまたはハロで5位が置換されているピリジン−2−イルであり、R
3は水素であり、R
4は、メチルであり、R
6は、水素であり、R
5は、メトキシメチル;ヒドロキシメチル;モルホリン−4−イル−メチル;ピラジン−2−イル;または4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イルである。
【0279】
式Iの特定の実施態様において、R
1は式Bの基であり、R
2は、メチルまたはハロで5位が置換されているピリジン−2−イルであり、R
3は水素であり、R
4は、メチルであり、R
6は、水素であり、R
5は、C
1−6アルコキシ−C
1−6アルキル;ヒドロキシ−C
1−6アルキル;モルホリン−4−イル−C
1−6アルキル;ピラジニル;またはピペラジン−1−イル−C
1−6アルキル(ここで、ピペラジニル部分は、C
1−6アルキル、C
1−6アルキルカルボニルまたはC
1−6アルキルスルホニルで4位が場合により置換されている)である。
【0280】
式Iの特定の実施態様において、R
1は式Bの基であり、R
2は、メチルまたはハロで5位が置換されているピリジン−2−イルであり、R
3は水素であり、R
4は、メチルであり、R
6は、水素であり、そしてR
5は、メトキシメチル;ヒドロキシメチル;モルホリン−4−イル−メチル;ピラジン−2−イル;または4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イルである。
【0281】
式Iの特定の実施態様において、対象化合物は、より具体的には、式II:
【0282】
【化11】
(式中、Xは、CまたはNであり;
R
11およびR
12は、それぞれ独立して水素;C
1−6アルキル;C
1−6アルキルオキシ;ハロ;ハロ−C
1−6アルキル;ハロ−C
1−6アルコキシ;ヘテロ−C
1−6アルキル;C
1−6アルキルスルホニル;またはシアノであり;R
1およびR
5は、本明細書に定義されるとおりである)で示されるか、またはその薬学的に許容しうる塩である。
【0283】
式IIの特定の実施態様において、本発明の化合物は、式IIaまたはIIb:
【0284】
【化12】
(式中、X、R
1、R
5、R
11およびR
12は、本明細書に定義されるとおりである)である。
【0285】
式Iの特定の実施態様において、対象化合物は、より具体的には、式III:
【0286】
【化13】
(式中、X、R
1、R
5、R
11およびR
12は、本明細書に定義されるとおりである)またはその薬学的に許容しうる塩である。
【0287】
式I、IIa、IIb、またはIIIのいずれかの特定の実施態様において、R
5は:
【0288】
【化14】
(式中、
nは、0、1または2であり;
R
cおよびR
dは、それぞれ独立して水素またはC
1−6アルキルであり;
R
eは、水素、C
1−6アルキル、アセチルまたはC
1−6アルキル−スルホニルであり;
R
fおよびR
gは、それぞれ独立して水素またはC
1−6アルキルであり;
R
hおよびR
iは、それぞれ独立して水素、C
1−6アルキル、フルオロ、ヒドロキシまたはC
1−6アルキルオキシであり;
R
jおよびR
kは、それぞれ独立して水素またはC
1−6アルキルであり;
R
m、R
n、R
o、R
p、R
qおよびR
rは、それぞれ独立して、水素,C
1−6アルキル、ハロ、C
1−6アルコキシ、C
1−6アルキル−スルホニルハロ−C
1−6アルキル、またはシアノ)である。
【0289】
式I、IIa、IIb、またはIIIのいずれかの特定の実施態様において、R
5は:
【0290】
【化15】
(式中、R
eは、本明細書に定義されるとおりである)である。
【0291】
式I、IIa、IIb、またはIIIのいずれかの特定の実施態様において、R
5は:
【0292】
【化16】
である。
【0293】
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
a、R
b、R
c、R
dおよびR
eのいずれかが、アルキルまたはアルキル部分を含む場合、そのアルキルは、好ましくは低級アルキル、すなわち、C
1−C
6アルキル、およびより好ましくはC
1−C
4アルキルである。
【0294】
本発明はまた、P2X
3受容体アンタゴニスト、P2X
2/3受容体アンタゴニストが介在するか、その他の方法で関連する、あるいはその両方である疾患または状態を処置する方法であり、それを必要とする対象者に本発明の化合物の有効量を投与することを含む方法を提供する。
【0295】
疾患は、泌尿生殖器疾患または尿路疾患でありうる。他の事例では、疾患は、疼痛に関連する疾患でありうる。尿路疾患は、低膀胱容量、頻繁な排尿、切迫性失禁、ストレス性失禁、膀胱過敏症、良性前立腺肥大、前立腺炎、排尿筋過反射、頻尿、夜間多尿、尿意切迫、過活動膀胱、骨盤過感受症、尿道炎、前立腺炎、骨盤痛症候群、前立腺痛、膀胱炎、または特発性膀胱過感受症でありうる。
【0296】
疼痛を伴う疾患は、炎症性疼痛、手術痛、内臓痛、歯痛、月経前疼痛、中枢性疼痛、熱傷による疼痛、偏頭痛もしくは群発性頭痛、神経損傷、神経炎、神経痛、中毒、虚血性損傷、間質性膀胱炎、癌性疼痛、ウイルス感染、寄生虫感染もしくは細菌感染、外傷後損傷、または過敏性腸症候群による疼痛でありうる。
【0297】
その疾患は、呼吸器疾患、例えば、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、または気管支痙攣、または胃腸(GI)障害、例えば、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、胆嚢疝痛および他の胆嚢障害、腎疝痛、下痢型IBS、GI膨満随伴疼痛でありうる。
【0298】
本発明の方法による代表的な化合物を表1に示す。
【0299】
【表1】
【0300】
本発明の化合物は、以下に示し、記載する実例的な合成反応スキーム中に図示した様々な方法によって製造することができる。
【0301】
これらの化合物の製造に使用される出発物質および試薬は、一般的に、商業的供給者、例えば、Aldrich Chemical Co.から入手可能であるか、または標準的な参照文献に記載されている手順に従い、当業者には公知の方法によって製造される。以下の合成反応スキームは、本発明の化合物を合成できる数種の方法の単に例示に過ぎず、これらの合成反応スキームに様々な変更を加えることは可能であり、様々な変更は、本出願に含まれる開示を参照することにより、当業者に示唆されよう。
【0302】
合成反応スキームの出発物質および中間体は、所望により、それだけには限定されないが、ろ過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィーなど含む従来技術を使用して単離され、精製されうる。該物質は、物理的定数およびスペクトルデータを含む従来の手段を使用し、特徴付けられうる。
【0303】
反することが明記されていない限り、本明細書に記載した反応は、好ましくは、不活性雰囲気、常圧下、約−78℃〜約150℃の反応温度範囲で、より好ましくは、約0℃〜約125℃で、最も好ましく、そして好都合には、およそ室温(または周辺温度)、例えば約20℃で、実施される。
【0304】
以下のスキームAは、式(1)(式中、Yは、場合により脱離基であり、Z
1、Z
2およびZ
3のうちの2つは、場合により窒素であり、その他は、炭素であり、X、R
3、R
4、R
5、R
6、R
11、R
12、R
cおよびR
dは、本明細書に定義されるようなとおりである)の具体的な化合物を調製するのに利用できる一合成手順を例示する。
【0305】
【化17】
【0306】
スキームAの工程1において、ニトロ安息香酸aを、硫酸条件下でのヨウ素化に付すと、ヨード−ニトロ安息香酸bが得られる。安息香酸化合物bを、テトラキス−(トリフェニルホスフィン)パラジウム触媒の存在下に、アリールボロン酸化合物cと反応させると、ビフェニル酸化合物dが得られる。ビフェニル酸dの酸基を工程3でエステル化することにより保護すると、ビフェニル酸メチルエステルeが生成する。次いで、ビフェニルエステルeを還元に付すと、工程4でビフェニルアミンfが生成する。工程5で、ヨウ素化反応を、ビフェニルアミンfをヨウ化メチレンのようなヨウ素化試薬で処理することにより行うと、ヨード化合物gが得られる。工程6において、化合物gのエステル基を加水分解すると、酸化合物hが得られる。工程7において、アミド生成は、カルボジイミドの存在下にビフェニルヨード化合物hをアミンiと反応させることにより達成されて、化合物jが得られる。化合物jを次にヘテロアリール試薬kと反応させると化合物mが得られるが、これは本発明に係る式Iの化合物である。ヘテロアリール試薬kは、ピロール、イミダゾ−ル、ピラゾールまたはトリアゾ−ルを含みうる。特定の実施態様におけるYは、ハロであってよく、別の実施態様においては、−B(OH)
2であってよい。さらに別の実施態様においては、Yは、存在しなくてよい。
【0307】
スキームAの多くの変形が可能であり、当業者には自明であろう。例えば、工程3で形成されるメチルエステルは、工程3で適切なアルコールを用いることにより、他の低級アルキルエステルと置き換えうる。多くの実施態様において、工程8を工程6および7に先立って行ってもよく、その結果、ヨードビフェニル(iodobiphenyl)化合物gは、試薬kと反応する。得られたヘテロアリール置換化合物(図示せず)を、次に工程6でエステル加水分解し、工程7でのように、その後アミドを生成すると、化合物mが得られる。さらに別の実施態様においては、工程7でのアミド生成は、スキームAの一連の事象におけるより早い時点で実施しうる。
【0308】
特定の実施態様において、対象化合物は、スキームBの手順で調製しうるが、ここで、X、R
3、R
4、R
5、R
6、R
11、R
12およびR
dは、本明細書に定義したとおりである。
【0309】
【化18】
【0310】
スキームBの工程1において、(上記スキームAで得られた)アミン化合物fを、酸の存在下で亜硝酸ナトリウムで、次に塩化第一スズで処理すると、ヒドラジン化合物nが得られる。工程2において、アミド化合物oとジメチルアセトアミドジメチルアセタールの混合物を、ヒドラジン化合物nと反応させると、トリアゾリル化合物pが得られる。工程2において、アミドoとアセタール化合物は、式s:
【0311】
【化19】
のイミンを形成するが、これは、多くの実施態様で単離せずにインサイツ(in situ)で生成されうる。工程3のエステル加水分解および工程4のアミド生成は、スキームAの工程6および7に関する記述のとおり実施される。
【0312】
スキームAの場合と同様に、スキームBの手順の多くの変形が本発明の範囲内において可能である。本発明の化合物生成のための具体的な詳細は、以下の実施例の欄で記載される。
【0313】
本発明の化合物は、膀胱開口部閉塞および尿失禁状態に関連する尿路疾患状態、例えば、膀胱容量の減少、排尿頻数、切迫尿失禁、緊張性尿失禁、膀胱過活動、良性前立腺肥大症(BPH)、前立腺炎、排尿筋反射亢進、頻尿、夜間頻尿、尿意切迫、過活動膀胱、骨盤過敏症、尿道炎、前立腺炎、骨盤痛疼痛症候群、前立腺痛、膀胱炎、および特発性膀胱過敏症、および過活動膀胱に関連する他の症候群を含む、広範囲の泌尿生殖器疾患、状態および障害の処置に使用可能である。
【0314】
本発明の化合物は、炎症性疼痛、例えば、関節炎(リウマチ性関節炎および骨関節炎を含む)に関連する疼痛、術後疼痛、内臓痛、歯痛、月経前疼痛、中心性疼痛、火傷による疼痛、偏頭痛または群発性頭痛、神経損傷、神経炎、神経痛、中毒、虚血損傷、間質性膀胱炎、癌性疼痛、ウイルス性、寄生虫性または細菌性の感染、外傷後の損傷(骨折およびスポーツによる損傷を含む)、および過敏性腸症候群などの機能的腸疾患に関連する疼痛が挙げられるが、これらに限定されない、多種多様の原因からの疼痛に関連する疾患および状態の処置において鎮痛薬としての有用性を見出すことが期待されている。
【0315】
また、本発明の化合物は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、気管支攣縮などを含む、呼吸器障害を処置するのに有用である。
【0316】
さらに、本発明の化合物は、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、胆石疝痛および他の胆石障害、腎疝痛、下痢優位IBS、GI膨満に伴う疼痛などを含む、胃腸管障害を処置するのに有用である。
【0317】
本発明は、少なくとも1つの本発明の化合物、または個々の異性体、ラセミもしくは非ラセミ異性体混合物、またはその薬学的に許容しうる塩もしくは溶媒和物を、少なくとも1つの薬学的に許容しうる担体ならびに場合により他の治療成分および/または予防成分と一緒に含む、医薬組成物を包含する。
【0318】
一般に、本発明の化合物は、治療有効量で、類似の有用性をもたらす薬剤について許容される任意の投与形態により投与される。適切な用量範囲は、典型的には、処置する疾患の重症度、対象の年齢および相対的な健康状態、使用する化合物の効力、投与経路および投与形態、投与が目指す適応症、ならびに担当医師の好みと経験などの数多くの因子に応じて、1日あたり1〜500mg、好ましくは1日あたり1〜100mg、最も好ましくは1日あたり1〜30mgである。このような疾患を処置する当業者は、過度の実験を行なうことなく、個人の知識および本出願の開示を頼りにして、所与の疾患に対する本発明の化合物の治療有効量を確定することができる。
【0319】
本発明の化合物は、経口(口腔内および舌下を含む)、直腸、鼻腔、局所、肺内、膣内、または非経口(筋肉内、動脈内、髄腔内、皮下および静脈内を含む)投与に適した医薬製剤などの医薬製剤として、あるいは、吸入または注入による投与に適した形態の医薬製剤として投与してもよい。好ましい投与方法は、一般に、罹患度に応じて調整できる、簡便な1日量計画を使用しての、経口である。
【0320】
本発明の化合物は、1つ以上の慣用的な補助剤、担体、または希釈剤と一緒に、医薬組成物または単位用量の形態とすることができる。医薬組成物および単位用量形態は、追加の活性化合物または活性成分を含むかまたは含まない、慣用的な比率の慣用的な成分から構成されていてもよく、単位用量形態は、採用する目的の1日量範囲に相応する任意の適切な有効量の活性成分を含みうる。医薬組成物は、錠剤もしくは充填カプセル剤、半固体剤、散剤、持続放出製剤などの固体として使用しても、または、液剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤、もしくは経口使用のための充填カプセル剤などのように液体として使用してもよく、あるいは、直腸もしくは膣内投与のための坐剤の形態で使用してもよく、あるいは、非経口使用のための無菌注射溶液の形態で使用してもよい。したがって、錠剤1個あたり約1mgの活性成分、より広くは約0.01〜約100mgの活性成分を含有する製剤が、適切な代表的な単位用量形態である。
【0321】
本発明の化合物は、多種多様な経口投与用の用量形態で製剤化してもよい。医薬組成物および用量形態は、本発明の化合物またはその薬学的に許容しうる塩を活性成分として含みうる。薬学的に許容しうる担体は、固体でも液体でもよい。固体形態の調製物として、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、および分散性顆粒剤などが挙げられる。固体担体は、希釈剤、芳香剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤、保存剤、錠剤崩壊剤、またはカプセル化材料としても作用しうる1つ以上の物質であってもよい。散剤では、担体は、一般に、微粉砕された活性成分との混合物である微粉砕された固体である。錠剤では、活性成分は、一般に、必要な結合能を有する担体と適切な比率で混合されており、所望の形状およびサイズに圧縮されている。散剤および錠剤は、好ましくは、活性化合物を約1〜約70%含む。適切な担体として、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、乳糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点蝋、ココアバターなどが挙げられるが、これらに限定されない。「調製物」なる用語は、担体を有するかまたは有さない活性成分がそれと関連する担体により周囲を囲まれているカプセル剤を与える、担体としてのカプセル化材料を有する活性化合物の製剤を包含することが意図されている。同様に、カシェ剤およびトローチ剤も包含される。錠剤、散剤、カプセル剤、丸剤、カシェ剤、およびトローチ剤は、経口投与に適した固体形態でありうる。
【0322】
経口投与に適した他の形態には、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤、水性液剤、水性懸濁剤などのような液体形態調製物、または、使用直前に液体形態調製物に変換されることが意図されている固体形態の調製物などがある。乳剤は、溶液中、例えばプロピレングリコール水溶液中で調製しても、または、例えばレシチン、ソルビタンモノオレエートもしくはアカシアなどの乳化剤を含んでいてもよい。水性液剤は、活性成分を水に溶かし、適切な着色剤、芳香剤、安定化剤および粘稠化剤を加えることにより調製することができる。水性懸濁剤は、微粉砕活性成分を、天然もしくは合成のガム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび他の公知の懸濁化剤などの粘性物質と一緒に水に分散させることにより調製することができる。固体形態の調製物には、液剤、懸濁剤、および乳剤が包含され、活性成分に加えて、着色剤、芳香剤、安定化剤、緩衝剤、人工および天然の甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含んでいてもよい。
【0323】
本発明の化合物は、非経口投与(例えば、注射による投与、例えば、ボーラス注射または連続注入による投与)用に製剤化することが可能であり、アンプル、予め充填してある注射器もしくは小容積輸液内の単位投与形態で供することができるか、または、保存剤を添加してある複数回服用のための容器で供することができる。その組成物は、懸濁剤、液剤、または、油性もしくは水性ビヒクル中の乳剤のような形態、例えば、水性ポリエチレングリコール中の液剤の形態を取ることができる。油性もしくは非水性の担体、希釈剤、溶媒またはビヒクルの例としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油)および注射可能な有機エステル類(例えば、オレイン酸エチル)などを挙げることができ、製剤助剤、例えば、保存剤、湿潤剤、乳化剤もしくは懸濁化剤、安定化剤および/または分散剤を含んでいてもよい。あるいは、活性成分は、無菌の固体を無菌的に単離することにより得られるかまたは溶液から凍結乾燥により得られる、使用する前に適切なビヒクル(例えば、無菌で、発熱性物質を含まない水)で構成するための粉末形態であり得る。
【0324】
本発明の化合物は、表皮への局所投与用に、軟膏剤、クリーム剤もしくはローション剤または経皮貼付剤として製剤化してもよい。軟膏剤およびクリーム剤は、例えば、水性または油性の基剤を使用し、それに、適切な増粘剤および/またはゲル化剤を添加して製剤化しうる。ローション剤は、水性または油性の基剤を使用して製剤化可能であり、一般に、1種類以上の乳化剤、安定化剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤、または着色剤を含む。口内に局所投与するのに好適な製剤には、風味を付けた基剤(通常、ショ糖およびアカシアまたはトラガカント)中に活性薬剤を含有するトローチ剤;ゼラチンおよびグリセリンまたはショ糖およびアカシアのような不活性基剤中に活性成分を含有するパステル剤;ならびに、適切な液体担体中に活性成分を含有する洗口液などがある。
【0325】
本発明の化合物は、坐剤として投与するために製剤化しうる。脂肪酸グリセリドまたはココアバターの混合物などの低融点蝋を最初に融解させ、例えば攪拌することにより、活性成分を均質に分散させる。次いで、融解している均質な混合物を好都合な寸法の型に注ぎ入れ、冷却し、凝固させる。
【0326】
本発明の化合物は、膣内投与用に製剤化しうる。活性成分の他に、この技術分野において適切であることが知られている担体を含有する、ペッサリー剤、タンポン剤、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、泡剤、またはスプレー剤。
【0327】
主題化合物は、鼻腔内投与用に製剤化しうる。液剤または懸濁剤を、慣用的な手段により、例えば、点滴器、ピペット、またはスプレーを用いて、鼻腔に直接適用する。製剤は、単一用量形態または複数の用量を含む形態で供しうる。点滴器またはピペットの後者の場合、これは、適切な所定容積の液剤または懸濁剤を、患者が投与することによって達成しうる。スプレー剤の場合は、これは、例えば、計量噴霧スプレーポンプを用いて達成しうる。
【0328】
本発明の化合物は、特に気道への、エアゾール投与(鼻腔内投与を含む)用に製剤化することができる。この化合物は、一般に、小さな粒径、例えば、5ミクロン以下の粒径を有する。このような粒径は、この技術分野において既知の手段により、例えば、微粒化により得ることができる。活性成分は、適切な噴射剤、例えばクロロフルオロカーボン(CFC)、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、もしくはジクロロテトラフルオロエタン、または二酸化炭素、あるいは他の適切なガスを用いた加圧パックに入れて供される。エアゾールは、好都合には、レシチンのような界面活性剤をも含有しうる。薬物の用量は、計量バルブで調節しうる。あるいは、活性成分は、乾燥粉末の形態で、例えば適切な粉末基剤(例えば、乳糖、デンプン、デンプン誘導体、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリビニルピロリドン(PVP))内のその化合物の混合粉末の形態で供することができる。粉末状担体は、鼻腔内でゲルを形成する。粉末組成物は、単位投与形態で、例えば、カプセルまたはカートリッジ(例えば、ゼラチンの)またはブリスターパックに入れて供することができ、そこから、吸入器を用いてその粉末を投与することができる。
【0329】
望ましい場合には、製剤は、活性成分の持続性放出投与または制御放出投与に適合させた腸溶性コーティングを施して調製することができる。例えば、本発明の化合物は、経皮薬物送達デバイスまたは皮下薬物送達デバイス内で製剤化することができる。これらの送達システムは、その化合物の持続放出が必要な場合、および、患者による治療計画のコンプライアンスが重要である場合に有利である。経皮送達システムにおける化合物は、多くの場合、皮膚接着性固体支持体に付着させる。対象の化合物は、浸透増強剤、例えばアゾン(Azone)(1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン)と組み合わせることもできる。持続放出送達システムを、手術または注射により、皮下層に皮下挿入する。皮下インプラントでは、その化合物を、脂溶性膜(例えばシリコーンゴム)または生分解性ポリマー(例えばポリ乳酸)中に封入している。
【0330】
医薬調製物は、単位投薬形態にあることが好ましい。そのような形態において、調製物は、適切な量の活性成分を含有する単位用量へと分割されている。単位投薬形態は、パッケージ調製物であることができ、そのパッケージは、パケット錠剤、カプセル剤および、バイアルまたはアンプル中の粉末剤のような調製物の個々の分量を含有する。また、単位投薬形態は、カプセル剤、錠剤、カシェ剤、もしくはトローチ剤自体であってもよく、またはこれらのいずれかが適切な数でパッケージされた形態であることも可能である。
【0331】
その他の適切な医薬用担体およびそれらの製剤化は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 1995, edited by Martin, Mack Publishing Company, 19th edition, Easton, Pennsylvaniaに記載されている。本発明の化合物を含有している代表的な医薬製剤を、以下に記載する。
【0332】
実施例
下記の調製例および実施例は、当業者が本発明をより明確に理解し、実施できるために示されている。これらは、本発明の範囲を制限すると考えるべきではなく、本発明の例示および代表的な例としてのみ考えるべきである。
【0333】
特記しない限り、融点(すなわちMP)を含む全ての温度は、摂氏度(℃)である。表示および/または所望の生成物を生成する反応が、最初に加えられた2つの試薬の組み合わせからの直接の結果である必要はないこと、すなわち最終的に表示および/または所望の生成物の形成をもたらす混合物中に生成される1つ以上の中間体が存在しうることを理解すべきである。以下の略語が調製例および実施例において使用されうる。
【0334】
略語:DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン;DCM:ジクロロメタン/塩化メチレン;DMF:N,N−ジメチルホルムアミド;DMAP:4−ジメチルアミノピリジン;ECDI:1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド;EtOAc:酢酸エチル;EtOH:エタノール;gc:ガスクロマトグラフィー;HMPA:ヘキサメチルホスホルアミド;HOBt:N−ヒドロキシベンゾトリアゾール;hplc:高速液体クロマトグラフィー;mCPBA:m−クロロ過安息香酸;MeCN:アセトニトリル;NMM:N−メチルモルホリン;NMP:N−メチルピロリジノン;TEA:トリエチルアミン;THF:テトラヒドロフラン;LDA:リチウムジイソプロピルアミン;TLC:薄層クロマトグラフィー。
【0335】
調製例1:(S)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミン
この調製例で使用する合成手順を、下記のスキームCで概説する。
【0336】
【化20】
【0337】
工程1 (S)−Boc−2−アミノ−プロパノール
D−アラニン(3.5g、39.3mmol)を、還流しているTHF中のLiAlH
4(2.89g、76.26mmol)の懸濁液に少量ずつ加えた。還流を12時間続け、次に反応混合物を0℃に冷却し、15% NaOH水溶液(3ml)および水(9mL)を注意深く加えることにより過剰量の試薬をクエンチした。室温で10分間撹拌した後、CH
2Cl
2(40mL)中の(Boc)
2O(8.31g、38.13mmol)の溶液を加えた。反応混合物を60℃で6時間撹拌し、室温に冷まし、無水Na
2SO
4のパッドで濾過して、濾液を真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、(S)−Boc−2−アミノ−プロパノールを白色の固体として得た。収率:63%。MS(M+H)=176。
【0338】
工程2 (S)−Boc−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミン
(S)−Boc−2−アミノ−プロパノール(2.00g、11.4mmol)の溶液に、連続してAg
2O(5.89g、25.4mmol)およびヨウ化メチル(16.00g、112.7mmol)を室温で加えた。反応混合物を室温で2日間撹拌した。固体を濾別し、濾液を真空下で濃縮し、(S)−Boc−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミンを無色の油状物として得て、それを更に精製しないで使用した。
【0339】
工程3 (S)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミン
(S)−Boc−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミンをMeOH(40mL)に溶解し、3M HCl(10mL)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、次に溶媒を減圧下で除去し、残留物を更なるEtOH(20mL)で共蒸発させて、(S)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミンを塩酸塩の形態で淡褐色の油状物(1.42g、100%)として得た。MS(M+H)=90。
【0340】
(S)−2−エトキシ−1−メチル−エチルアミンを同様に調製した。
L−アラニンから、(R)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミンおよび(R)−2−エトキシ−1−メチル−エチルアミンを同様に調製した。
【0341】
調製例2:(S)−1−メチル−2−モルホリン−4−イル−エチルアミン
この調製例で使用する合成手順を、下記のスキームDで概説する。
【0342】
【化21】
【0343】
工程1 メタンスルホン酸 2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピルエステル
CH
2Cl
2中の(S)−Boc−2−アミノ−プロパノール(4.91g、0.028mol)、Et
3N(1.5当量)の溶液に、メタンスルホニルクロリド(1.1〜1.2当量)を0℃で加えた。反応物を0℃で30分間撹拌した。水(5mL)を加え、有機層を分離し、飽和NaHCO
3水溶液、ブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。溶媒を真空下で除去して、メタンスルホン酸 2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピルエステルを白色の固体として得た。収率:98%。MS(M+H)=254。
【0344】
工程2 (1−メチル−2−モルホリン−4−イル−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
CH
3CN(20mL)中のメタンスルホン酸 2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピルエステル(23mmol)の溶液に、モルホリン(28mmol)およびK
2CO
3(23mmol)を室温で加えた。反応混合物を50℃にして、同じ温度で一晩保持した。反応混合物を冷却し、溶媒を減圧下で除去し、残留物をCH
2Cl
2(50mL)およびH
2O(50mL)で処理した。有機層を分離し、水層をCH
2Cl
2で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)により精製して、(1−メチル−2−モルホリン−4−イル−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを粘性の液体として得た。収率:62%。MS(M+H)=245。
【0345】
工程3 (S)−1−メチル−2−モルホリン−4−イル−エチルアミン
メタノール(10mL)中の(1−メチル−2−モルホリン−4−イル−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.30g、1.22mmol)の溶液に、2N HCl(5mL)を0℃で加えた。反応混合物を室温に温めるにまかせて、一晩撹拌した。溶媒を真空下で除去して、(S)−1−メチル−2−モルホリン−4−イル−エチルアミンを淡黄色の固体(250mg、96%)として得た。MS(M+H)=145。
【0346】
下記を同様に調製した:
(S)−1−メチル−2−チオモルホリン−4−イル−エチルアミン、(S)−1−[4−(2−アミノ−プロピル)−ピペラジン−1−イル]−エタノン、(S)−1−(2−アミノ−プロピル)−ピペリジン−4−オール、(S)−1−(2−アミノ−プロピル)−ピペリジン−3−オール、(S)−1−メチル−2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−エチルアミン、(S)−1−メチル−2−(4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イル)−エチルアミン、(S)−4−(2−アミノ−プロピル)−ピペラジン−2−オン、1−メチル−2−ピペリジン−1−イル−エチルアミン、1−(2−アミノ−プロピル)−ピロリジン−3−オール、(S)−2−(4−メトキシ−ピペリジン−1−イル)−1−メチル−エチルアミン、(S)−2−(3−メトキシ−ピペリジン−1−イル)−1−メチル−エチルアミン、(S)−2−(4−メタンスルホニル−ピペリジン−1−イル)−1−メチル−エチルアミンおよび他の2−アミノ−1−ヘテロシクリルプロパン。
【0347】
調製例3:(S)−2−(1,1−ジオキソ−1ラムダ*6*−チオモルホリン−4−イル)−1−メチル−エチルアミン
この調製例で使用する合成手順を、下記のスキームEで概説する。
【0348】
【化22】
【0349】
工程1 (1−メチル−2−オキソ−2−チオモルホリン−4−イル−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
CH
2Cl
2中の2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピオン酸(3.5g、18.5mmol)、HOBt(22.2mmol)、NMP(22.2mmol)およびEDCI(22.2mmol)の溶液に、チオモルホリン(2.29g、22.2mmol)を0℃で加えた。反応混合物を0℃で一晩撹拌し、次に2% NaOH水溶液、水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒を真空下で除去して、(1−メチル−2−オキソ−2−チオモルホリン−4−イル−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(5.0g)、収率98%を得た。MS(M+H)=275。
【0350】
工程2 [2−(1,1−ジオキソ−1ラムダ*6*−チオモルホリン−4−イル)−1−メチル−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
CH
2Cl
2中の(1−メチル−2−オキソ−2−チオモルホリン−4−イル−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(5.0g、18.2mmol)の溶液に、m−CPBA(11.4g、46.25mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。固形物を濾過により除去し、濾液をNa
2S
2O
3により洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒を真空下で除去して、[2−(1,1−ジオキソ−1ラムダ*6*−チオモルホリン−4−イル)−1−メチル−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(5.6g)、収率100%を得た。MS(M+H)=307。
【0351】
工程3 2−アミノ−1−(1,1−ジオキソ−1ラムダ*6*−チオモルホリン−4−イル)−プロパン−1−オン
CH
2Cl
2(70mL)中の[2−(1,1−ジオキソ−1ラムダ*6*−チオモルホリン−4−イル)−1−メチル−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(5.6g、18.2mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(5mL)を0℃で加えた。反応混合物を室温に温めるにまかせて、3時間撹拌した。減圧下でCH
2Cl
2および過剰量のトリフルオロ酢酸を除去した後、2−アミノ−1−(1,1−ジオキソ−1ラムダ*6*−チオモルホリン−4−イル)−プロパン−1−オン(6.0g、収率100%)を白色の固体として得た。MS(M+H)=207。
【0352】
工程4 (S)−2−(1,1−ジオキソ−1ラムダ*6*−チオモルホリン−4−イル)−1−メチル−エチルアミン
2−アミノ−1−(1,1−ジオキソ−1ラムダ*6*−チオモルホリン−4−イル)−プロパン−1−オン(6.0g、18.2mmol)とBH
3(THF中1M、110mL)の混合物を、48時間加熱還流し、次に室温に冷まし、MeOHによりクエンチした。揮発物を減圧下で除去した。2N HCl(100mL)を残留物に加え、18時間加熱還流した。溶媒を真空下で除去して、(S)−2−(1,1−ジオキソ−1ラムダ*6*−チオモルホリン−4−イル)−1−メチル−エチルアミン(4.5g)を白色の固体として得た。収率90%。MS(M+H)=193。
【0353】
調製例4:1−ピラジン−2−イル−エチルアミン
この調製例で使用する合成手順を、下記のスキームFで概説する。
【0354】
【化23】
【0355】
メタノール(50mL)中の1−ピラジン−2−イル−エタノン(2.0g、15.85mmol)および酢酸アンモニウム(19.337g、158.5mmol)の溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.7g、11.1mmol)を一度に加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。メタノールを除去した後、水(20mL)を残留物に加え、水酸化ナトリウムを加えることにより得られた溶液をpH=13に塩基性化した。水性溶液をジクロロメタンで抽出し、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、1−ピラジン−2−イル−エシルアミン14.62g、収率:75%を得た。MS(M+H)=124。
【0356】
適切なヘテロアリールメチルケトン類またはフェニルメチルケトン類から、下記を同様に調製した:1−ピリジン−2−イル−エチルアミン、1−ピリジン−3−イル−エチルアミン、1−ピリジン−4−イル−エチルアミン、1−(2−フルオロ−フェニル)−エチルアミン、1−(3−フルオロ−フェニル)−エチルアミン、1−(4−メタンスルホニル−フェニル)−エチルアミン、1−チエン−3−イル−エチルアミン、1−フラン−2−イル−エチルアミン、1−(5−メチル−フラン)−2−イル−エチルアミン、1−チアゾール−2−イル−エチルアミン、1−チエン−2−イル−エチルアミン、1−ピリミジン−2−イル−エチルアミン、C−(6−メチル−ピリダジン−3−イル)−メチルアミン、C−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−メチルアミン、および1−ピリダジン−4−イル−エチルアミン。
【0357】
調製例5:5−ヨード−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミド
この調製例で使用する合成手順を、下記のスキームGで概説する。
【0358】
【化24】
【0359】
工程1 3−ヨード−5−ニトロ−安息香酸
発煙硫酸(250mL)中のヨウ素(137.95g、0.5436mmol)の撹拌した溶液に、室温でm−ニトロ安息香酸(64.6g、0.3866mmol)を加えた。反応混合物を2時間かけて85℃にゆっくり加熱し、同じ温度で更に12時間撹拌した。反応混合物を室温に冷まし、氷に注いで、水性溶液をジクロロメタンで抽出した。有機相を分離し、水、Na
2S
2O
3の2.0M溶液およびブラインで洗浄し、次にNa
2SO
4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、3−ヨード−5−ニトロ安息香酸を淡黄色の固体111gとして得た。収率98%。MS(M+H)=294。
【0360】
工程2 4’−メチル−5−ニトロ−ビフェニル−3−カルボン酸
トルエン300mLおよびエタノール50mL中の3−ヨード−5−ニトロ安息香酸(15.48g、52.83mmol)およびPd(Ph
3P)
4(1.84g;1.69mmol)の撹拌した溶液に、水20mL中のp−トリルボロン酸(7.87g、58.11mmol)およびCs
2CO
3(18.89g、58.11mmol)の溶液を室温で加えた。反応物を18時間還流させ、次に室温に冷ました。溶液に2N NaOHを加え、反応混合物を30分間撹拌した。有機相を分離し、12N HClを使用して水相をPH<4に調整した。得られた固体の沈殿物を濾過し、トルエンで洗浄して、4’−メチル−5−ニトロ−ビフェニル−3−カルボン酸13.2gを淡黄色の固体(97.2%)として得た。MS(M+H)=258。
【0361】
工程3 4’−メチル−5−ニトロ−ビフェニル−3−カルボン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミド
NMP(9.29ml、84.38mmol)、CH
2Cl
2(180ml)およびDMF(20ml)中の4’−メチル−5−ニトロ−ビフェニル−3−カルボン酸(15.49g、60.27mmol)、HOBt(11.44g、84.38mmol)および2−アミノ−1−メトキシ−1−プロパン(7ml、66.31mmol)の撹拌した溶液にEDCI(16.17g、84.38mmol)を0℃で、少しずつ(portion wise)加えた。混合物を室温まで温まるにまかせて、同温で14時間撹拌した。反応混合物を2N HCl、2N NaOH、飽和飽和NaHCO
3水溶液、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、4‘−メチル−5−ニトロ−ビフェニル−3−カルボン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミドを黄色の油状物(16.5g、83.5%)として得た。MS(M+H)=329。
【0362】
工程4 5−アミノ−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミド
メタノール250ml中の4’−メチル−5−ニトロ−ビフェニル−3−カルボン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミド(39mmol)の撹拌した溶液に、SnCl
2(117mmol)を室温で一度に加えた。反応混合物を3時間加熱還流した。溶媒を減圧下で除去し、残留物を酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO
3溶液で処理した。固体を濾別し、濾液を飽和NaHCO
3水溶液、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、5−アミノ−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミドを黄色の油状物(10.5g、90.3%)として得た。MS(M+H)=299。
【0363】
工程5 5−ヨード−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミド
5−アミノ−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミド(5.3g、17.8mmol)、亜硝酸イソアミル(13.5ml、88. 9mmol)およびジヨードメタン(8ml、106.7mmol)の混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を次に65℃に加熱し、8時間保持したところ、LC/MSは、反応が完了したことをした。反応混合物を室温に冷まし、ピペリジン−CH
3CN(V/V=90ml/90ml)の撹拌した溶液に反応混合物を室温で加えることにより、過剰なジヨードメタンからヨードベンゼンを分離した。激しい発熱反応が起きた。過剰量の揮発物の試薬を回転蒸発により80℃で除去した。残留物を酢酸エチルで希釈し、10% 塩酸、水およびブラインで洗浄した。有機層を分離しおよび無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過しおよび減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=10:1)により精製し、5−ヨード−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミドを黄色の固体(5.2g、83.8%)として得た。MS(M+H)=410。
【0364】
工程3の適切なアミン化合物を用いて、下記を同様に調製した:
5−ヨード−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(1−ピラジン−2−イル−エチル)−アミド、MS(M+H)=444;
5−ヨード−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(2−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−アミド、MS(M+H)=396;
5−ヨード−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(1−メチル−2−モルホリン−4−イル−エチル)−アミド、MS(M+H)=465;
5−ヨード−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸[2−(1,1−ジオキソ−1ラムダ*6*−チオモルホリン−4−イル)−1−メチル−エチル]−アミド、MS(M+H)=513;および
5−ヨード−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(ピラジン−2−イルメチル)−アミド、MS(M+H)=430。
【0365】
調製例6:5−ヨード−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸
この調製例で使用する合成手順を、下記のスキームHで概説する。
【0366】
【化25】
【0367】
工程1 4’−メチル−5−ニトロ−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステル
メタノール中の4’−メチル−5−ニトロ−ビフェニル−3−カルボン酸(10.00g、0.039mol)の溶液に、SOCl
2(5.09g、0.043mol)を0℃で加えた。反応混合物を室温に温まるにまかせて、次に2時間加熱還流した。溶媒を真空で除去して、4’−メチル−5−ニトロ−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステル(9.72g、92%)を淡黄色の固体として得た。MS(M+H)=273。
【0368】
工程2 5−アミノ−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステル
4’−メチル−5−ニトロ−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステルを調製例6の工程4の手順を用いてSnCl
2で還元し、5−アミノ−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステル、MS(M+H)=242を得た。
【0369】
工程3 5−ヨード−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステル
5−アミノ−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステルを、調製例5の工程5の手順を用いてヨウ化メチレンと硝酸イソアミルとで処理し、5−ヨード−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸、MS(M+H)=353を得た。
【0370】
2’−フルオロ−5−ヨード−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステル、MS(M+H)=371を同様に調製した。
【0371】
調製例7:3−ヨード−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸
この調製例で使用する合成手順を、下記のスキームIで概説する。
【0372】
【化26】
【0373】
工程1 3−ヨード−5−ニトロ−安息香酸メチルエステル
メタノール(50ml)中の3−ヨード−5−ニトロ安息香酸(20.00g、0.068mol)の溶液にSOCl
2(5.45ml、0.075mol)を0℃で加えた。反応混合物を室温に温まるにまかせて、次に2時間に加熱還流した。反応物を冷却し、溶媒を真空で除去して、3−ヨード−5−ニトロ−安息香酸メチルエステルを淡黄色の固体(20.67g、99%)として得た。MS(M+H)=309。
工程2 3−ニトロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−安息香酸メチルエステル
DMSO(40ml)中の3−ヨード−5−ニトロ−安息香酸メチルエステル(10g、0.0326mol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(9.1g、0.0358mol)、KOAc(9.59g、0.098mol)およびPdCl
2(dppf)(798mg、0.98mmol)の溶液をN
2雰囲気下で80℃で4時間加熱した。混合物を室温に冷まし、Et
2Oで抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させて、得られた粗3−ニトロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−安息香酸メチルエステルを、精製せずに次の工程で使用した。
【0374】
工程3 3−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−5−ニトロ−安息香酸メチルエステル
DME/H
2O(5ml/1ml)中の2−ブロモ−5−メチルピリジン(1.24g、7mmol)、Pd(PPh
3)
4(226mg、0.2mmol)およびK
3PO
4(2.76g、13mmol)の溶液に、3−ニトロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−安息香酸メチルエステル(2.00g、6.5mmol)をN
2雰囲気下で加えた。混合物を、130℃で0.5時間マイクロ波放射に付した。反応混合物を冷却し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物をフラッシュ−クロマトグラフィー(CH
2Cl
2/MeOH)で精製して、3−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−5−ニトロ−安息香酸メチルエステルを白色の固体(700mg、40%)として得た。
【0375】
工程4 3−アミノ−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステル
メタノール/酢酸エチル中の3−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−5−ニトロ−安息香酸メチルエステル(4g、14.7mmol)の溶液に、SnCl
2(11.15g、58.8mmol)を室温で加えた。反応混合物を3時間還流し、次に冷却した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をH
2O中に溶解し、Na
2CO
3を加えることによりpH=9に塩基性化した。混合物をCH
2Cl
2で抽出し、有機相を水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、3−アミノ−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステル(3.2g、90%)を白色の固体として得た。
【0376】
工程5 3−ヨード−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステル
5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステルを調製例6の工程5の手順を用いてヨウ化メチレンと硝酸イソアミルとで処理して、3−ヨード−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステルを得た。MS(M+H)=353。
【0377】
工程6 3−ヨード−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸
H
2O(7ml)のLiOH水和物(82mg、1.94mmol)の溶液を、0℃でTHF(4ml)中の3−ヨード−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステル(526mg、1.49mmol)の懸濁液に滴下した。反応混合物を室温まで温まるにまかせ、反応溶液が清澄になるまで撹拌した。溶媒を真空下で除去し、得られた水溶液を10% HClでpH=6〜7まで酸性化した。得られた沈殿物を回収し、乾燥させて、3−ヨード−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸(470mg、93%)を得た。MS(M+H)=340。
【0378】
工程3で2−ブロモ−5−メチルピリジンの代わりに2−ブロモ−5−クロロピリジンを用いた以外同様にして、3−ヨード−5−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−安息香酸を調製した。MS(M+H)=360。
【0379】
調製例8:3−ブロモ−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステル
この調製例で使用する合成手順を、下記のスキームJで概説する。
【0380】
【化27】
【0381】
工程1 3−ブロモ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−安息香酸メチルエステル
3−ブロモ−5−ヨード−安息香酸メチルエステル(14.16g、41.53mmol)、ビス(ピナトラト)−ジボラン(11.60g、45.7mmol)、PdCl
2(dppf)
2(1.02g、1.256mmol)および酢酸カリウム(12.22g、124.6mmol)をDMSO 50mlに加え、反応混合物を80℃で20時間撹拌し、次に室温に冷ました。反応混合物を水で希釈し、ジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、3−ブロモ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−安息香酸メチルエステル 18.5gを得て、更に精製しないで次の工程で直接使用した。
【0382】
工程2 3−ブロモ−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステル
DME 300ml中の2−ブロモ−5−メチル−ピリジン(10.27g、59.68mmol)とパラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(1.88g、1.65mmol)との混合物を、窒素下60℃で30分間撹拌した。この混合物に、3−ブロモ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−安息香酸メチルエステル(18.5g、54.25mmol)を加え、次に水40ml中のK
3PO
4(23.03g、108.5mmol)を加えた。混合物を8時間還流し、次に室温に冷まし、水およびEtOAcとに分配した。合わせた有機層を水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(5:1 EtOAc/ヘキサン類)をにより精製して、3−ブロモ−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステル8.5gを得た。MS(M+H)=306。
【0383】
下記を同様に調製した:
3−ブロモ−5−(2−クロロ−5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステル、MS(M+H)=341;
3−ブロモ−5−(2−フルオロ−5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステル、MS(M+H)=325;および
3−ブロモ−5−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステル、MS(M+H)=327。
【0384】
実施例1:4’−メチル−5−[1,2,3]トリアゾール−1−イル−ビフェニル−3−カルボン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミド
この調製例で使用する合成手順を、下記のスキームKで概説する。
【0385】
【化28】
【0386】
工程1 5−アジド−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミド
トリフルオロ酢酸(10ml)中の5−アミノ−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミド(500mg、1.68mmol)の溶液に、水(10ml)中のNaNO
2(21.47mmol、1.49g)の溶液を0℃で加えた。混合物を0℃で10分間撹拌し、水(10ml)中のNaN
3(44.43mmol、2.89g)の溶液を加えた。溶液を室温で16時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物を酢酸エチルで抽出し、飽和NaHCO
3水溶液、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、5−アジド−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミドを得た。(80%)。MS(M+H)=325。
【0387】
工程2 4’−メチル−5−[1,2,3]トリアゾール−1−イル−ビフェニル−3−カルボン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミド
DMF(6ml)中の5−アジド−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミド(488mg、1.5mmol)、エチニルトリメチルシラン(4.5mmol、0.64ml)の溶液を16時間110℃に加熱した。混合物を冷却し、濾過し、濾液を分取HPLCで精製して、4’−メチル−5−[1,2,3]トリアゾール−1−イル−ビフェニル−3−カルボン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミド262mgを白色の固体(50%)として得た。MS(M+H)=351。
【0388】
上記の手順で調製したその他の化合物を表1に示す。
【0389】
実施例2:4’−メチル−5−[1,2,3]トリアゾール−2−イル−ビフェニル−3−カルボン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミド
この調製例で使用する合成手順を、下記のスキームLで概説する。
【0390】
【化29】
【0391】
工程1 5−ヒドラジノ−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミド
5−アミノ−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミド(596mg、2mmol)を、濃縮HCl 6mlに溶解し、0℃で15分間撹拌した。反応混合物に、水(1.5ml)中のNaNO
2(138mg、2mmol)の溶液を0℃で滴下した。混合物を30分間撹拌し、次に濃縮HCl 2ml中のSnCl
2(4.5mmol、189.6mg)の溶液を滴下した。沈殿物が直ちに生成し始めた。さらに30分撹拌後、得られた5−ヒドラジノ−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミドを濾過により塩酸塩として単離し、直ちに次の工程で使用した。
【0392】
工程2 4’−メチル−5−[1,2,3]トリアゾール−2−イル−ビフェニル−3−カルボン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミド
5−ヒドラジノ−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミド塩酸塩(2mmol)、グリオキサール(40%水溶液、1ml)および50%酢酸水溶液(2ml)の混合物をマイクロ波照射で60分間150℃に加熱した。反応混合物を冷却し、およびEtOAcで希釈し、飽和Na
2CO
3水溶液、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過しおよび真空で濃縮した。残留物を分取HPLCで精製して、4’−メチル−5−[1,2,3]トリアゾール−2−イル−ビフェニル−3−カルボン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミド210mgを白色の固体として(30%)得た。MS(M+H)=351。
【0393】
上記の手順で調製したその他の化合物を表1に示す。
【0394】
実施例3:5−(5−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(1−ピラジン−2−イル−エチル)−アミド
この実施例で使用する合成手順を、下記のスキームMで概説する。
【0395】
【化30】
【0396】
工程1 5−(5−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステル
この実施例で使用する5−ヒドラジノ−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステルを、実施例6の工程1の手順にしたがって、5−アミノ−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステルから調製した。
【0397】
HOAc(5ml)中の5−ヒドラジノ−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステル(300mg、1.17mmol)の溶液に、N−ジメチルアミノメチレン−イソブチルアミド(233mg、1.4mmol)を一度に加えた。混合物を2時間90℃に加熱した。過剰なHOAcを除去した後、残留物をEtOAcに溶解し、飽和NaHCO
3水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO(商標))で精製して、5−(5−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステルを黄色の固体(293mg、74.6%)として得た。
【0398】
工程2 5−(5−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸
5−(5−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステルを、実施例8の工程2の手順にしたがってLiOHで加水分解して、5−(5−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸を得た。
【0399】
工程3 5−(5−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(1−ピラジン−2−イル−エチル)−アミド
5−(5−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸を、実施例6の工程4に記載のアミドカップリング反応(但し、2−アミノ−プロパン−1−オールを1−ピラジン−2−イル−エチルアミンに代えた)に付して、5−(5−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(1−ピラジン−2−イル−エチル)−アミドを得た。MS(M+H)=427。
【0400】
工程1の5−ヒドラジノ−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステルを、(実施例6の工程1に記載のとおり調製した)3−ヒドラジノ−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステルに代えた以外同様にして、3−(5−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−N−(1−ピラジン−2−イル−エチル)−ベンズアミドを調製した。MS(M+H)=428。
【0401】
実施例4:5−[5−(1−メトキシ−エチル)−[1,2,4]トリアゾール−1−イル]−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(1−ピラジン−2−イル−エチル)−アミド
この調製例で使用する合成手順を、下記のスキームNで概説する。
【0402】
【化31】
【0403】
工程1 5−[5−(1−ヒドロキシ−エチル)−[1,2,4]トリアゾール−1−イル]−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステル
ジメチルグリコール(6ml)中の2−ヒドロキシ−プロピオンアミド(1.0g、11.2mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(1.06g、8.96mmol)の混合物を2時間、80℃に加熱し、次に室温に冷ました。混合物をHOAc(5ml)中の5−ヒドラジノ−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステル(1.2g、4.1mmol)の溶液に加え、混合物を、さらに2時間80℃に加熱した。反応混合物を冷却し、揮発物を減圧下で除去した。残留物をEtOAcに溶解し、飽和NaHCO
3水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィーで精製して、5−[5−(1−ヒドロキシ−エチル)−[1,2,4]トリアゾール−1−イル]−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステルを白色の固体(410mg、29.76%)として得た。
【0404】
工程2 5−[5−(1−メトキシ−エチル)−[1,2,4]トリアゾール−1−イル]−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステル
CH
3CN(5ml)中の5−[5−(1−ヒドロキシ−エチル)−[1,2,4]トリアゾール−1−イル]−4’4メチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステル(300mg、0.89mmol)およびAg
2O(454mg、1.96mmol)の懸濁液混合物に、MeI(1ml)を加えた。反応混合物をアルミホイルで包み、一晩撹拌した。固体を濾過し、CH
3CNで洗浄した。合わせた濾液を濃縮し、残留物をISCOで精製して、5−[5−(1−メトキシ−エチル)−[1,2,4]トリアゾール−1−イル]−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステルを淡黄色の固体(290mg、93.0%)として得た。
【0405】
工程3 5−[5−(1−メトキシ−エチル)−[1,2,4]トリアゾール−1−イル]−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸
5−[5−(1−メトキシ−エチル)−[1,2,4]トリアゾール−1−イル]−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステルを、実施例8の工程2の手順にしたがってLiOHで加水分解して、5−[5−(1−メトキシ−エチル)−[1,2,4]トリアゾール−1−イル]−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸を得た。
【0406】
工程4 5−[5−(1−メトキシ−エチル)−[1,2,4]トリアゾール−1−イル]−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(1−ピラジン−2−イル−エチル)−アミド
5−[5−(1−メトキシ−エチル)−[1,2,4]トリアゾール−1−イル]−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸を、実施例6の工程4に記載のアミドカップリング反応(但し、2−アミノ−プロパン−1−オールを1−ピラジン−2−イル−エチルアミンに代えた)に付して、5−[5−(1−メトキシ−エチル)−[1,2,4]トリアゾール−1−イル]−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(1−ピラジン−2−イル−エチル)−アミドを得た。MS(M+H)=443。
【0407】
工程1の5−ヒドラジノ−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステルを(実施例6の工程1に記載のとおり調製した)3−ヒドラジノ−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステルに代えて、3−[5−(1−メトキシ−エチル)−[1,2,4]トリアゾール−1−イル]−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−N−(1−ピラジン−2−イル−エチル)−ベンズアミドを同様に調製した。MS(M+H)=444。
【0408】
実施例5:5−(5−イソプロピル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(1−ピラジン−2−イル−エチル)−アミド
この調製例で使用する合成手順を、下記のスキームOで概説する。
【0409】
【化32】
【0410】
工程1 5−イソプロピル−1−(5−メトキシカルボニル−4’−メチル−ビフェニル−3−イル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボン酸エチルエステル
この工程で使用した5−アジド−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステルを、実施例4の工程1の手順を用いて5−アミノ−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステルから調製した。
EtOH(5ml)中の5−アジド−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステル(200mg、0.75mmol)およびイソブチリル酢酸エチル(119mg、0.75mmol)の混合物に、EtONa(51mg、0.75mmol)を加え、混合物を2時間80℃に加熱し、次に室温に冷ました。反応混合物からEtOHを除去して、5−イソプロピル−1−(5−メトキシカルボニル−4’−メチル−ビフェニル−3−イル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボン酸エチルエステルをゲルとして得て、次の工程で直接使用した。
【0411】
工程2 1−(5−カルボキシ−4’−メチル−ビフェニル−3−イル)−5−イソプロピル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボン酸
工程1からの5−イソプロピル−1−(5−メトキシカルボニル−4’−メチル−ビフェニル−3−イル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボン酸エチルエステルを、THF(7ml)および水(4ml)およびLiOHに溶解した。H2O(184mg、4.38mmol)を一度に加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残存する水溶液を濃HClでpH約1まで酸性化した。溶液をEtOAcで抽出し、合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、1−(5−カルボキシ−4’−メチル−ビフェニル−3−イル)−5−イソプロピル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボン酸を淡黄色の固体(260mg)として得て、これをこれを更に精製しないで次の工程で使用した。
【0412】
工程3 5−(5−イソプロピル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸
工程2からの1−(5−カルボキシ−4’−メチル−ビフェニル−3−イル)−5−イソプロピル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボン酸を二酸化炭素がもはや放出されなくなるまで170℃に加熱した。反応混合物を室温に冷まし、得られた粗5−(5−イソプロピル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸を更に精製しないで次の工程で直接使用した。
【0413】
工程4 5−(5−イソプロピル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(1−ピラジン−2−イル−エチル)−アミド
5−(5−イソプロピル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸を、実施例6の工程4に記載のアミドカップリング反応(但し、2−アミノ−プロパン−1−オールを1−ピラジン−2−イル−エチルアミンに代えた)に付し、5−(5−イソプロピル−[1,2,3]トリアゾール−1−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(1−ピラジン−2−イル−エチル)−アミドを得た。MS(M+H)=427。
【0414】
実施例6:3−(5−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−N−(5−メチル−ピラジン−2−イルメチル)−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−ベンズアミド
この調製例で使用する合成手順を、下記のスキームPで概説する。
【0415】
【化33】
【0416】
工程1 3−ヒドラジノ−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステル
3−アミノ−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステル(1.0g、4mmol)を濃HCl水溶液16ml中に懸濁し、混合物を0℃に冷却した。水(3ml)中の亜硝酸ナトリウム(0.30g)の溶液を加え、混合物を0℃で45分間撹拌した。濃HCl水溶液 5ml中のSnCl
2水和物(2.34g)の溶液を次に加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次に濾過した。回収した固体を水で洗浄し、乾燥させて、3−ヒドラジノ−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステル1.80gを白色の粉末として得た。
【0417】
工程2 3−(5−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステル
イソブチルアミド(6.02g、69mmol)およびDMFDMA(9.22ml)を、第1のフラスコ中のDMA 10mlに加え、混合物を撹拌しながら1時間80℃に加熱した。第2のフラスコ中で、3−ヒドラジノ−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステル(6.42g、23mmol)の懸濁液を酢酸中に懸濁し、80℃に加熱した。第1のフラスコの内容物徐々に第2のフラスコに加え、合わせた混合物を80℃で2時間撹拌した。反応混合物を冷却し、減圧下で濃縮した。残留物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO
3水溶液および水で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 4:- - 2:1)を通して精製して、3−(5−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステル2.06gを、無色の油状物として得た。MS(M+H)=337。
【0418】
工程3 3−(5−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸
3−(5−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステル(2.0g、6mmol)をMeOH 30ml中に溶解し、3N NaOH水溶液2.0mlを加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌し、次に冷却し、10%HCl水溶液で酸性化し、減圧下で濃縮して、3−(5−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸2.45gを得た。
【0419】
工程4 3−(5−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−N−(5−メチル−ピラジン−2−イルメチル)−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−ベンズアミド
3−(5−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸(1.90g、6mmol)、C−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−メチルアミン(0.73g、6mmol)、EDCI(1.69g、9mmol)、HOBt(1.20g、9mmol)およびNMM(3.2ml)をアセトニトリル20mlに加えた。反応混合物を窒素雰囲気下、室温で18時間撹拌し、次に水とEtOAcとに分配した。合わせた有機層を乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(IPA/DCM 1:4))を通して精製して、3−(5−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−N−(5−メチル−ピラジン−2−イルメチル)−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−ベンズアミド1.63gを得た。MS(M+H)=428。
【0420】
実施例7:N−(5−メチル−ピラジン−2−イルメチル)−3−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−5−(5−トリフルオロメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−ベンズアミド
この調製例で使用する合成手順を、下記のスキームQで概説する。
【0421】
【化34】
【0422】
工程1 N−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−5−(5−トリフルオロメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−安息香酸メチルエステル
第1のフラスコ中のDME 15ml中にトリフルオロアセトアミド(4.70g、40mmol)を溶解し、DMF DMA 5.53mlを加えた。混合物を室温で30分間撹拌し、次に溶媒を減圧下で除去した。第2のフラスコ中で、トルエンスルホン酸(11.85g、60mmol)および3−ヒドラジノ−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステル(6.08g、20mmol)をDMSO 100ml中に溶解し、70℃に加熱した。第1のフラスコの内容物を第2のフラスコの内容物に加え、反応混合物を70℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温に冷まし、水とEtOAcとに分配した。合わせた有機層を水で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、N−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−5−(5−トリフルオロメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−安息香酸メチルエステル 1.44gを白色の固体として得た。MS(M+H)=363。
【0423】
工程2 N−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−5−(5−トリフルオロメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−安息香酸
N−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−5−(5−トリフルオロメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−安息香酸メチルエステル(1.44g)を、MeOHとTHFとの混合物(各20ml)中に、3N NaOH水溶液2mlと一緒に溶解した。混合物を18時間室温で撹拌し、次に0℃に冷却し、10%HCl水溶液でpH約4に酸性化した。溶媒を減圧下で除去して、N−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−5−(5−トリフルオロメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−安息香酸1.50を白色の固体として得た。
【0424】
工程3 N−(5−メチル−ピラジン−2−イルメチル)−3−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−5−(5−トリフルオロメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−ベンズアミド
N−(5−メチル−ピラジン−2−イルメチル)−3−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−5−(5−トリフルオロメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−ベンズアミド(670mg、MS(M+H)=454)を、N−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−5−(5−トリフルオロメチル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−安息香酸およびC−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−メチルアミンから実施例6の工程6の手順を用いて調製した。
【0425】
実施例8:5−(3−イソプロピル−5−メチル−[1,2,4]トリアゾール−4−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(1−ピラジン−2−イル−エチル)−アミド
この調製例で使用する合成手順を、下記のスキームRで概説する。
【0426】
【化35】
【0427】
工程1 5−(3−イソプロピル−5−メチル−[1,2,4]トリアゾール−4−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステル
この実施例で使用するイソ酪酸ヒドラジドを、Org. Synth. Vol. 81 p. 254 (2005)の手順にしたがって、イソ酪酸クロリドとヒドラジン水和物とから調製した。
イソ酪酸ヒドラジド(55mg、5.34mmol)および1,1−ジメトキシ−エチル)−ジメチル−アミン(774mg、5.81mmol)を、CH
3CN 6mlに加え、混合物を50℃に加熱し、30分間撹拌した。5−アミノ−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステル(1.0g、4.15mmol)と、次いで酢酸6mlを加えた。反応混合物を120℃に加熱し、5時間撹拌し、次に室温に冷ました。溶媒を減圧下で除去し、残留物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、5−(3−イソプロピル−5−メチル−[1,2,4]トリアゾール−4−イル)−4‘−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステル400mg(30%)を白色の粉末として得た。
【0428】
工程2 5−(3−イソプロピル−5−メチル−[1,2,4]トリアゾール−4−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸
5−(3−イソプロピル−5−メチル−[1,2,4]トリアゾール−4−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸を、実施例4の工程3の手順にしたがって、5−(3−イソプロピル−5−メチル−[1,2,4]トリアゾール−4−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステルの塩基性加水分解により調製した。
【0429】
工程3 5−(3−イソプロピル−5−メチル−[1,2,4]トリアゾール−4−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(1−ピラジン−2−イル−エチル)−アミド
5−(3−イソプロピル−5−メチル−[1,2,4]トリアゾール−4−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(1−ピラジン−2−イル−エチル)−アミドを、実施例6の工程4の手順を用いて、5−(3−イソプロピル−5−メチル−[1,2,4]トリアゾール−4−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸および1−ピラジン−2−イル−エチルアミンから調製した。
【0430】
実施例9:製剤化
種々の経路で送達される医薬調製物を、下記の表で示されるように製剤化した。表中で使用される「活性成分」または「活性化合物」は、1つ以上の式Iの化合物を意味する。
【0431】
【表2】
【0432】
成分を混合し、それぞれ約100mgを含有するカプセルに分配する。1カプセルが、ほぼ1日の全用量となる。
【0433】
【表3】
【0434】
成分を合わせ、メタノールのような溶媒を使用して造粒する。次に配合物を乾燥し、適切な錠剤成形機を用いて錠剤(活性化合物約20mg含有)を形成する。
【0435】
【表4】
【0436】
成分を混合して、経口投与用の懸濁剤を形成する。
【0437】
【表5】
【0438】
活性成分を注射用の水の一部に溶解する。次に塩化ナトリウムの十分な量を撹拌しながら加えて、溶液を等張にする。注射用の水の残りで溶液を増量して、0.2ミクロン膜フィルタを通して濾過し、滅菌条件下で包装する。
【0439】
【表6】
成分を一緒に溶融し、スチームバス上で混合し、全重量2.5gを含有する型に注ぐ。
【0440】
【表7】
【0441】
水以外の全ての成分を合わせ、撹拌しながら約60℃に加熱する。次に、十分な量の水を激しく撹拌しながら約60℃で加え、成分を乳化し、次に、全量を約100gにするのに十分な量の水を加える。
【0442】
鼻腔用スプレー製剤
約0.025〜0.5%の活性化合物を含むいくつかの水性懸濁剤を、鼻腔用スプレー製剤として調製した。この製剤は、場合により、例えば、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストロースなどの不活性成分を含む。塩酸を加えてpHを調整してもよい。鼻腔用スプレー製剤は、通常1回の作動で約50〜100μlの製剤を送達する鼻腔用スプレー計量ポンプにより送達してもよい。典型的な投与スケジュールでは、4〜12時間毎に2〜4回噴霧する。
【0443】
実施例10:P2X
3/P2X
2/3FLIPR(蛍光定量画像化プレートリーダー)アッセイ
CHO−K1細胞に、クローン化ラットP2X
3またはヒトP2X
2/3受容体サブユニットをトランスフェクトし、フラスコ中で継代培養した。FLIPR実験の18〜24時間前に、細胞をそのフラスコから取り出し、遠心分離にかけ、2.5×10
5細胞/mLで栄養培地中に再懸濁した。細胞を、壁の黒い96ウェルプレートに50,000細胞/ウェルの密度で分注し、5%CO
2中37℃で一晩インキュベートした。実験日に、細胞をFLIPR緩衝液(カルシウムおよびマグネシウムを含まないハンク平衡塩溶液、10mMのHEPES、2mMのCaCl
2、2.5mMのプロベネシド;FB)中で洗浄した。各ウェルに、100μlのFBおよび100μlの蛍光染料Fluo−3AM[最終濃度2μM]を加えた。37℃での1時間の染料を負荷させたインキュベート後、細胞を4回FBで洗浄し、最後の75μl/ウェルのFBを各ウェルに残した。
【0444】
試験化合物(DMSOに10mMで溶かし、FBで連続希釈した)またはビヒクルを各ウェルに加え(25μlの4×溶液)、20分間室温で平衡化させた。その後、プレートをFLIPRに入れ、100μl/ウェルのアゴニストまたはビヒクルを添加する前の蛍光測定ベースライン値(488nmで励起し、510〜570nmで発光)を10秒間取得した。このアゴニストは、1μM(P2X
3)または5μM(P2X
2/3)の最終濃度をもたらすα,β−meATPの2×溶液であった。蛍光は、アゴニスト添加後さらに2分間、1秒間隔で測定した。FLIPR試験プレートの各ウェルへのイオノマイシン(5μM、最終濃度)の最終添加を行ない、細胞生存度および染料に結合したサイトゾルカルシウムの最大蛍光を確立した。α,β−meATPの添加に応答する蛍光極大値を測定し(試験化合物の非存在下および存在下)、非線形回帰を使用して阻害曲線を作成した。標準的なP2XアンタゴニストであるPPADSを陽性対照として使用した。
【0445】
上の手順を使用すると、発明の化合物は、すべて、P2X
3受容体に対して活性であることが判った。上のアッセイを使用すると、化合物2’−フルオロ−5−(5−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸((S)−2−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−アミドは、例えば、P2X
3受容体に対して、約8.77のpIC
50示し、化合物2’−フルオロ−5−(5−イソプロピル−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(1−ピラジン−2−イル−エチル)−アミドは、P2X
2/3受容体に対して、約7.6のpKiを示した。
【0446】
実施例11:喘息および肺機能についてのインビボアッセイ
BALb/cJマウスに、標準的な免疫プロトコルで免疫化した。簡潔に述べると、マウス(N=8/群)に、0日目と14日目に、ミョウバン中のオボアルブミン(OVA;10mg)で腹腔内的に免疫性を付与した。次いで、マウスを、21日目および22日目にエアゾール化したOVA(5%)で処理した。動物には、ビヒクル(経口)または本発明の化合物(100mg/kg 経口)が与えられ、いずれも20日目に始まった。
【0447】
肺機能は、エアゾールメタコリン投与に応答したPenHを測定するBuxcoシステムを用いて、23日目に評価した。その後、マウスを安楽死させ、検討の最後に、血漿試料を収集した。
【0448】
実施例12:容量誘起膀胱収縮アッセイ
雌性スプラーグ・ドーリーラット(200〜300g)を、ウレタン(1.5g/kg、皮下注射)で麻酔した。動物を気管切開し、頚動脈と大腿動脈に、それぞれ血圧測定と薬物投与用にカニューレを挿入した。開腹して、尿管を結紮し、結紮の近くを横に切開した。外部尿道を絹縫合糸で結び合わせ、膀胱に、食塩水注入および膀胱圧測定用のドームを介してカニューレを挿入した。
【0449】
15〜30分の安定化期間の後、連続的な容量誘起膀胱収縮(VIBC)が認められるまで、膀胱にRT食塩水を100ml/minで注入した。次いで、膀胱から排尿される前の30分間は、注入速度を3〜5ml/minに落とし、次いで30分間休止した。すべての以後の注入は、低い方の注入速度を30分の代わりに15分のみにしたこと以外は指示されたとおりにして行った。閾値容量(TV;最初の排尿膀胱収縮を引き起こすのに必要な容量)が二つの連続的なベースラインに対して10%未満の変動となり、且つ収縮頻度が遅い方の注入速度の後の10分間に2回以内となるまで、膀胱注入および排尿サイクルを繰り返した。TVおよびVIBCの再現性が確立されると、膀胱は排尿され、次の予定された注入が開始される3分前に、動物に薬物またはビヒクル(0.5mL/kg、静脈内)を投与した。
【0450】
実施例13:ホルマリン疼痛アッセイ
雄性スプラーグ・ドーリーラット(180〜220g)を、個々のプレキシグラスシリンダー中に置き、30分間試験環境に慣れさせた。ビヒクル、薬物、または陽性対照(モルフィン 2mg/kg)を、5mL/kgで、皮下的に投与した。投与15分後、ホルマリン(50mml中5%)を、26ゲージ針を用いて、右後肢の足の裏表面に注射した。ラットを直ちに、観察室に戻した。部屋の周りに配置した鏡により、ホルマリンを注射した肢は、さえぎられることなく観察することが可能であった。各々の動物の侵害による挙動の持続時間を、自動行動タイマーを用いて、隠された観察器により記録した。後肢を舐めることおよび振ること/持ち上げることを、合計60分間、5分のビン毎に別々に記録した。時間0〜5分における舐めることまたは振ることに費やした秒での時間の総計を、初期段階と考え、後期段階は、15〜40分における舐めることまたは振ることに費やした秒の総計とした。血漿試料を収集した。
【0451】
実施例14:結腸疼痛アッセイ
成体雄性スプラーグ・ドーリーラット(350〜425g;Harlan, Indianapolis, IN)を、動物ケア施設中に、ケージあたり1〜2匹入れた。ラットは、腹腔内投与したペントバルビタールナトリウム(45mg/kg)で深く麻酔をかけた。筋電図(EMG)記録用に、電極を外腹斜筋筋肉組織内に入れて、固定した。電極リードを、皮下的に貫通させ、以後アクセスするために、首筋で体外に出した。手術後、ラットを別々に住まわせ、4〜5日間回復させた後、試験した。
【0452】
下向結腸と直腸を、柔軟性のあるチューブの周りに結びつけた、7〜8cm長の柔軟性のあるラテックスバルーンの圧力を調節して膨張させることにより膨らませた。バルーンを潤滑させ、肛門から結腸に挿入し、尾の基部にバルーンカテーテルをテープで巻きつけることによりしっかり固定した。結腸直腸膨満(CRD)は、定圧空気貯留器にソレノイドゲートを開口することにより、達成した。結腸内圧は、圧力調節装置により調節し、連続的にモニターした。応答は、内臓運動応答(VMR)、腹部および後肢筋肉組織の収縮として定量した。外腹斜筋筋肉組織の収縮により生じるEMG活性は、Spike2ソフトウエア(Cambridge Electronic Design)を用いて定量した。各々の膨満試行は60秒間続け、EMG活性は、膨満前20秒間(ベースライン)、20秒間の膨満中、および膨満後20秒、定量した。ベースラインより上の膨満中の記録されたカウントの合計数の増加を、応答として定義した。CRD(10、20、40および80mmHg、20秒、4分間隔で)に対する安定したベースライン応答が、任意の処理前の、知覚反応がある、鎮静化されていないラットで得られた。
【0453】
急性内臓侵害受容のモデルおよび約6cmの深さに挿入された強制飼養針で結腸に注入したザイモサン(1mL、25mg/mL)で結腸内処理することにより生起させた結腸過敏症のモデルにおいて、結腸膨満に対する応答への効果について、化合物を評価した。実験群は、各々8匹のラットからなる。
【0454】
急性内臓侵害受容:急性内臓侵害受容に対する薬物の効果を試験するために、薬物、ビヒクルまたは陽性対照(モルフィン、2.5mg/kg)の3種の投薬の一つを、ベースライン応答が確立された後に、投与した;以降の60〜90分にかけて、膨満への応答を追跡した。
【0455】
内臓過敏症:ザイモサンでの結腸内処理後の薬物またはビヒクルの効果を試験するために、結腸内処理は、ベースライン応答が確立した後に行った。4時間での薬物試験の前に、膨満への応答を査定すると、過敏症の存在が確認された。ザイモサンで処理されたラットにおいて、薬物、ビヒクル、または陽性対照(モルフィン 2.5mg/kg)の3種の投薬の一つを、ザイモサン処理の4時間後に投与し、以降の60〜90分にかけて、膨満への応答を追跡した。
【0456】
実施例15:坐骨神経の慢性狭窄損傷でのラットにおける低温異痛症
低温異痛症に対する本発明の化合物の効果は、ラットにおける神経因性疼痛の慢性狭窄損傷(CCI)モデルを用いて調査したが、ここで、低温異痛症は、金属板床と1.5〜2.0cmの深さの水および3〜4℃の温度を有する冷水浴中で測定した(Gogas et al., Analgesia 1997, 3:1-8)。
【0457】
具体的には、CCI、ラットを麻酔にかけ;坐骨神経の三叉の位置を確認し、4結紮(4−0、または5−0クロム弦(gut))を、三叉に近接して坐骨神経の周りを円周状に行った。次いで、ラットを手術から回復させた。手術後4〜7日に、ラットを、それぞれ冷水浴に動物を入れ、1分間の間に損傷した肢を持ち上げた合計を記録することにより、低温誘起異痛症について初期の評価をした:損傷した肢を水から持ち上げた。移動運動または体位変更に伴う肢の持ち上げは、記録しなかった。手術後4〜7日に1分あたり5回以上の肢の持ち上げを示したラットは、低温異痛症を示したものと考え、以降の研究に使用した。急性研究において、ビヒクル、対照化合物または本発明の化合物を、試験の30分前に皮下的に(s.c.)投与した。低温異痛症に対して本発明の化合物を繰返し投与した効果は、以下の投薬計画の最後の経口投与ののちの14、20または38hに調査した:ビヒクル、対照または本発明の化合物を〜12hの間隔(BID)で7日間経口(p.o.)投与。
【0458】
実施例16:C3H/HeJマウスにおける癌性骨痛
骨痛に対する本発明の化合物の効果は、2472肉腫細胞をC3H/HeJマウスの遠位大腿骨に髄内注入した後の7日目〜18日目の間に調査した。
【0459】
具体的には、髄内注入後に骨内で渙散性病変を生じることが先に示されている、NCTC2472腫瘍細胞(American Type Culture Collection、ATCC)を培養し、ATCCの推奨に従って維持した。約10
5細胞を、麻酔したC3H/HeJマウスの遠位大腿骨の髄腔に直接注入した。約7日目に開始して、マウスを、自発的な侵害防御挙動(尻込み&防護)、接触に誘起された侵害防御挙動(尻込み&防護)、強制された歩行上の防護および肢の使用について査定した。本発明の化合物の効果は、7日〜15日目の単回の急性(s.c.)投与ののちに調べた。さらに、7日〜15日に本発明の化合物を繰返し(BID)投与した効果は、7、9、11、13および15日目に最初に投与した1時間以内に調べた。
【0460】
本発明をその特定の・特定の実施態様に関して記載したが、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更をなしうることおよび等価物が代用されうることが、当業者により理解されるべきである。さらに、特定の状況、材料、組成物、方法、1つ以上のプロセス工程を、本発明の目的とする精神および範囲に適応させるために、多くの修正を行いうる。そのような修正は、全て、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれるものとする。