特許第5697737号(P5697737)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5697737薄膜トランジスタアレイ基板及びその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5697737
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】薄膜トランジスタアレイ基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20150319BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20150319BHJP
   G02F 1/1343 20060101ALI20150319BHJP
【FI】
   H01L29/78 616K
   H01L29/78 619A
   H01L29/78 627C
   H01L29/78 616T
   H01L29/78 616U
   H01L29/78 613Z
   G02F1/1343
【請求項の数】16
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-259141(P2013-259141)
(22)【出願日】2013年12月16日
(65)【公開番号】特開2014-220483(P2014-220483A)
(43)【公開日】2014年11月20日
【審査請求日】2013年12月16日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0047956
(32)【優先日】2013年4月30日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(72)【発明者】
【氏名】崔 熙 東
【審査官】 山口 大志
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−242468(JP,A)
【文献】 特開2004−006788(JP,A)
【文献】 特開2011−170387(JP,A)
【文献】 特開2009−182345(JP,A)
【文献】 特開2010−165922(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
G02F 1/1343
H01L 29/786
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の上に互いに交差するように形成されたゲートラインとデータラインと、
前記ゲートラインとデータラインとの間に形成されたゲート絶縁膜と、
前記ゲートラインとデータラインの交差領域に形成されたゲート電極と、
前記ゲート絶縁膜の上に前記ゲート電極と重畳されるように形成されたアクティブ層と、
前記アクティブ層の上に形成され、前記アクティブ層のチャネル領域を定義するエッチング停止層と、
前記アクティブ層の上で前記アクティブ層と部分的に重畳されるように形成されたソース電極及びドレイン電極とを含み、
前記エッチング停止層は、前記ソース電極及びドレイン電極との間に形成され、前記ソース電極及びドレイン電極は、前記エッチング停止層から離隔して形成され、前記ソース電極および前記ドレイン電極は、第1電極層および第2電極層を含み、前記第1電極層は乾式エッチング可能な材料から構成され、前記第2電極層は湿式エッチング可能な材料から構成されていることを特徴とする、薄膜トランジスタアレイ基板。
【請求項2】
前記ソース電極及びドレイン電極は、前記ゲート電極と重畳していないことを特徴とする、請求項1に記載の薄膜トランジスタアレイ基板。
【請求項3】
前記アクティブ層は、前記ゲート電極の上の領域にのみ形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の薄膜トランジスタアレイ基板。
【請求項4】
前記ソース電極は、U字型に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の薄膜トランジスタアレイ基板。
【請求項5】
前記ソース電極の両端は、前記ゲート電極と重畳していないことを特徴とする、請求項に記載の薄膜トランジスタアレイ基板。
【請求項6】
前記ソース電極は、ゲート電極と重畳される領域にのみ形成されていることを特徴とする、請求項に記載の薄膜トランジスタアレイ基板。
【請求項7】
前記ソース電極は、第1ソース電極層及び第2ソース電極層が積層されることにより形成され、前記ドレイン電極は、第1ドレイン電極層及び第2ドレイン電極層が積層されることにより形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の薄膜トランジスタアレイ基板。
【請求項8】
前記ソース電極とドレイン電極とエッチング停止層は、前記アクティブ層の上に前記アクティブ層と接するように形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の薄膜トランジスタアレイ基板。
【請求項9】
基板の上にゲート電極を形成するステップと、
前記ゲート電極の上にゲート絶縁膜を形成するステップと、
前記ゲート絶縁膜の上にアクティブ層を形成するステップと、
前記アクティブ層の上にアクティブ層のチャネル領域を定義するエッチング停止層を形成するステップと、
前記エッチング停止層と離隔してソース電極及びドレイン電極を形成するステップとを含み、
前記エッチング停止層は、ソース電極とドレイン電極との間に形成され
前記ソース電極及びドレイン電極を形成するステップは、
前記エッチング停止層が形成された基板の全面にバリア層を形成するステップと、
前記バリア層の上に金属層を形成するステップと、
前記金属層を湿式エッチングして第2ソース電極層及び第2ドレイン電極層を形成するステップと、
前記第2ソース電極層と第2ドレイン電極層をエッチングマスクとして前記バリア層を乾式エッチングし、第1ソース電極層及び第1ドレイン電極層を形成するステップと、を含み、
前記ソース電極は、前記第1ソース電極層及び前記第2ソース電極層で形成され、前記ドレイン電極は、前記第1ドレイン電極層及び前記第2ドレイン電極層で形成されていることを特徴とする、薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法。
【請求項10】
前記ソース電極及びドレイン電極は、前記ゲート電極と重畳していないことを特徴とする、請求項に記載の薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法。
【請求項11】
前記エッチング停止層を形成するステップは、
前記アクティブ層が形成された基板の全面にアクティブ保護膜とフォトレジストを順次に積層して形成するステップと、
前記ゲート電極をマスクとして背面露光を進行し、前記アクティブ保護膜の上に前記ゲート電極と重畳される領域にフォトレジストパターンを形成するステップと、
前記フォトレジストパターンをマスクとしてアクティブ保護膜をエッチングしてエッチング停止層を形成するステップと、
前記エッチング停止層の上のフォトレジストパターンをストリップするステップとを含むことを特徴とする、請求項に記載の薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法。
【請求項12】
前記アクティブ層は、前記ゲート電極の上の領域にのみ形成されていることを特徴とする、請求項に記載の薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法。
【請求項13】
前記ソース電極は、U字型に形成されていることを特徴とする、請求項に記載の薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法。
【請求項14】
前記ソース電極の両端は、ゲート電極と重畳していないことを特徴とする、請求項13に記載の薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法。
【請求項15】
前記ソース電極は、ゲート電極と重畳する領域にのみ形成されていることを特徴とする、請求項13に記載の薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法。
【請求項16】
前記エッチング停止層を形成するステップは、ソース電極とドレイン電極が形成される領域で前記エッチング停止層にホールを形成するステップを含むことを特徴とする、請求項9に記載薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薄膜トランジスタアレイ基板に関するものであり、より詳しくは、チャネルをより短い長さに形成して不必要なキャパシタの発生を防止することで駆動性能を改善し、輝度と品質を改善する薄膜トランジスタアレイ基板及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、本格的な情報化時代に入ることによって電気的情報信号を視覚的に表現するディスプレー(display)分野が急速に発展しており、それに応じて薄型化、軽量化、低消費電力化の優秀な性能を有する様々な多様な平板表示装置(Flat Display Device)が開発されて従来のブラウン管(Cathode Ray Tube:DRT)を急速に代替しつつある。
【0003】
このような平板表示装置の具体的な例としては、液晶表示装置(Liquid Crystal Display device:LCD)、有機電界発光表示装置(Organic Light Emitting Display:OLED)、電気泳動表示装置(Electrophoretic Display:EPD,Electric Paper Display)、プラズマ表示装置(Plasma Display Panel device:PDP)、電界放出表示装置(Field Emission Display device:FED)、電気発光表示装置(Electro luminescence Display device:ELD)、電気湿潤表示装置(Electro−Wetting Display:EWD)などが挙げられる。それらは共通的に映像を具現する平板表示パネルを必須的な構成要素とするが、平板表示パネルは固有の発光物質又は偏光物質層を介在して対面合着された一対の基板を含んで形成される。
【0004】
一方、平板表示パネルの駆動方式は大きく手動マトリックス駆動方式(Passive Matrix Driving Mode)と能動マトリックス駆動方式(Active Matrix Driving Mode)に区分される。
【0005】
手動マトリックス駆動方式は、走査ラインと信号ラインが交差する領域に複数の画素を形成し、互いに交差する走査ラインと信号ライン共に信号が印加される間にそれに対応する画素を駆動させる方式である。このような手動マトリックス駆動方式は制御が簡単であるという長所を有する一方、各画素が独立的に駆動されることができないため鮮明度及び応答速度が低く、それによって高解像度を実現することが難しいという短所を有する。
【0006】
能動マトリックス駆動方式は、複数の画素にそれぞれ対応するスイッチ素子として複数の薄膜トランジスタを含み、各薄膜トランジスタのターンオン/ターンオフを介して複数の画素を選択的に駆動させる方式である。このような能動マトリックス駆動方式は制御が複雑であるという短所がある一方、各画素が独立的に駆動されるため手動マトリックス駆動方式より鮮明度及び応答速度が高く、高解像度に有利な長所を有する。
【0007】
このような能動マトリックス駆動方式の平板表示装置は、複数の画素を個々に駆動させるためのトランジスタアレイ基板を必須的に含む。
【0008】
トランジスタアレイ基板は、各画素領域を定義するように互いに交差して配置されるゲートラインとデータライン及び複数の画素にそれぞれ対応してゲートラインとデータラインが交差する領域に配置される複数の薄膜トランジスタを含んで形成される。
【0009】
この際、各薄膜トランジスタはゲートラインと連結されるゲート電極、データラインと連結されるソース電極、画素電極と連結されるドレイン電極、ゲート絶縁層を介在してゲート電極と少なくとも一部が重畳され、ゲート電極の電圧レベルに応じてソース電極とドレイン電極との間にチャネル(Channel)を形成するアクティブ層を含む。このような薄膜トランジスタはゲートラインの信号に応答してターンオンされると、データラインの信号を画素電極に印加する。
【0010】
前記薄膜トランジスタはa−Si TFT、Oxide TFT及びLTPS TFTなど多様な種類があるが、そのうちOxide TFTの場合アクティブ層に熱処理工程が追加され、アクティブ層のチャネル領域を保護するためのエッチング停止層(Etch stop layer)が形成される。このような従来のOxide TFT構造の場合、エッチング停止層と重畳されるアクティブ層の領域がチャネル領域として定義される。この際、前記エッチング停止層とソース電極及びドレイン電極が重畳される領域が必要である。このような重畳領域に対する工程マージンが必要であるため、チャネルが必要以上に長く形成されなければならない。必要以上の長さで形成されるチャネル領域によって薄膜トランジスタのサイズが大きくなり、電流能力が著しく落ちる。
【0011】
また、ソース電極及びドレイン電極は前記エッチング停止層、アクティブ層及びゲート電極と重畳される。前記ソース電極及びドレイン電極がゲート電極と重畳されることで、その間に望まないキャパシタが形成される。このような望まないキャパシタの形成によって高速駆動が難しくなり、他の薄膜トランジスタ構造に比べ駆動的側面で短所がある。
【0012】
また、前記従来の薄膜トランジスタアレイ基板を製造する工程は、一般にゲートライン及びゲート電極を形成するステップと、アクティブ層を形成するステップと、エッチング停止層を形成するステップと、データ電極、ソース電極及びドレイン電極を形成するステップと、保護膜を形成するステップ及び画素電極を形成するステップで総6つのマスクが必要となる。このようなマスク工程が多いほど工程時間とコストが増えるため、マスク工程を減らす工程が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2011−253178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は薄膜トランジスタのゲート電極とソース電極及びドレイン電極を重畳されないように形成することで、不必要な寄生キャパシタを減少し、高速駆動性能を改善した薄膜トランジスタアレイ基板に及びその製造方法を提供することにその目的がある。
【0015】
また、本発明はエッチング停止層とソース電極及びドレイン電極を重畳されないように形成することでチャネル領域を短く形成し、薄膜トランジスタの性能及びパネルの輝度及び品質を確保する薄膜トランジスタアレイ基板に及びその製造方法を提供することに他の目的がある。チャネル領域の長さとは、チャネル領域におけるソース電極とドレイン電極との間の距離を意味する。また、チャネル領域の長さはソース電極とドレイン電極との間の電気的通路(current path)を含む。
【0016】
また、本発明は薄膜トランジスタのエッチング停止層をゲート電極をマスクとして背面露光をして形成することで、マスク工程を減らし工程時間及びコストを減少する薄膜トランジスタアレイ基板に及びその製造方法を提供することにまた他の目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上述した従来技術の課題を解決するための本発明の薄膜トランジスタアレイ基板は、基板の上で互いに交差するように形成されたゲートラインとデータラインと、前記ゲートラインとデータラインとの間に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲートラインとデータラインの交差領域に形成されるゲート電極と、前記ゲート絶縁膜の上で前記ゲート電極と重畳されるように形成されたアクティブ層と、前記アクティブ層の上に形成されて前記アクティブ層のチャネル領域を定義するエッチング停止層と、前記アクティブ層の上で前記アクティブ層と部分的に重畳されるように形成されたソース電極及びドレイン電極と、を含み、前記エッチング停止層はソース電極とドレイン電極との間に形成され、前記ソース電極及びドレイン電極は前記エッチング停止層と離隔されて形成されることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法は、基板の上にゲート電極を形成するステップと、前記ゲート電極の上にゲート絶縁膜を形成するステップと、前記ゲート絶縁膜の上にアクティブ層を形成するステップと、前記アクティブ層の上に前記アクティブ層のチャネル領域を定義するエッチング停止層を形成するステップと、前記エッチング停止層と離隔してソース電極及びドレイン電極を形成するステップと、を含み、前記エッチング停止層はソース電極とドレイン電極との間に形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明による薄膜トランジスタアレイ基板及びその製造方法は、薄膜トランジスタのゲート電極とソース電極及びドレイン電極を重畳されないように形成することで不必要な寄生キャパシタを減少し、高速駆動性能を改善する第1効果がある。
【0020】
また、本発明による薄膜トランジスタアレイ基板及びその製造方法は、エッチング停止層とソース電極及びドレイン電極を重畳されないように形成することでチャネル領域を短く形成し、薄膜トランジスタの性能及びパネルの輝度及び品質を確保する第2効果がある。チャネル領域の長さとは、チャネル領域におけるソース電極とドレイン電極との間の距離を意味する。また、チャネル領域の長さはソース電極とドレイン電極との間の伝記的通路を含む。
また、本発明による薄膜トランジスタアレイ基板及びその製造方法は、薄膜トランジスタのエッチング停止層をゲート電極をマスクとして背面露光をして形成することで、マスク工程を減らし工程時間及びコストを減少する第3効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1実施例による薄膜トランジスタアレイ基板を示す平面図である。
図2a】本発明の第1実施例による薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法を示す断面図である。
図2b】本発明の第1実施例による薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法を示す断面図である。
図2c】本発明の第1実施例による薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法を示す断面図である。
図2d】本発明の第1実施例による薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法を示す断面図である。
図2e】本発明の第1実施例による薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法を示す断面図である。
図2f】本発明の第1実施例による薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法を示す断面図である。
図2g】本発明の第1実施例による薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法を示す断面図である。
図2h】本発明の第1実施例による薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法を示す断面図である。
図2i】本発明の第1実施例による薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法を示す断面図である。
図3a】本発明の第1実施例による薄膜トランジスタアレイ基板のエッチング停止層を形成する方法を示す断面図である。
図3b】本発明の第1実施例による薄膜トランジスタアレイ基板のエッチング停止層を形成する方法を示す断面図である。
図4】本発明の第2実施例による薄膜トランジスタアレイ基板を示す平面図である。
図5a】本発明の第2実施例による薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法を示す断面図である。
図5b】本発明の第2実施例による薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法を示す断面図である。
図5c】本発明の第2実施例による薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法を示す断面図である。
図5d】本発明の第2実施例による薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法を示す断面図である。
図5e】本発明の第2実施例による薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法を示す断面図である。
図5f】本発明の第2実施例による薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法を示す断面図である。
図5g】本発明の第2実施例による薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法を示す断面図である。
図6】本発明の第3実施例による薄膜トランジスタアレイ基板を示す平面図である。
図7】本発明の第4実施例による薄膜トランジスタアレイ基板を示す平面図である。
図8】本発明の第5実施例による薄膜トランジスタアレイ基板を示す平面図である。
図9】本発明の第6実施例による薄膜トランジスタアレイ基板を示す平面図である。
図10】本発明の第7実施例による薄膜トランジスタアレイ基板を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。以下に紹介する実施例は、当業者に本発明の思想が十分に伝達されるようにする他の例として提供されるものである。よって、本発明は以下に説明する実施例に限らずに他の形で具体化されてもよい。そして、図面において装置のサイズ及び厚さなどは説明の便宜上誇張されて表現されてもよい。明細書全体において、同じ参照番号は同じ構成要素を示す。
【0023】
図1は、本発明の第1実施例による薄膜トランジスタアレイ基板を示す平面図である。
【0024】
図1を参照すると、本発明は表示領域と非表示領域に区分される基板100の上に一方向に形成されるゲートライン120とデータライン130が垂直交差して形成され、基板100の表示領域で画素領域を定義する。ゲートライン120とデータライン130の交差領域に薄膜トランジスタが形成される。また、前記薄膜トランジスタとコンタクトホールを介して連結される画素領域108が形成される。この際、前記薄膜トランジスタは酸化物半導体薄膜トランジスタであってもよい。
【0025】
前記薄膜トランジスタはゲートライン120から延長されたゲート電極101、ゲート絶縁膜、アクティブ層103、データライン130から分岐されたソース電極105及びソース電極105と同じ層でソース電極105と離隔されて形成されたドレイン電極106を含んで構成される。また、アクティブ層103の上にはアクティブ層103のチャネル領域を定義するエッチング停止層104が形成される。
【0026】
ソース電極105及びドレイン電極106が第1電極層と第2電極層で形成される。前記第1電極層と第2電極層は互いに異なる物質で形成され、それぞれ相異なるエッチング工程を介して別途の工程で形成される。
【0027】
エッチング停止層104とソース電極105及びドレイン電極106はアクティブ層103の上でアクティブ層103と重畳され、同じ層で形成される。エッチング停止層104はソース電極105及びドレイン電極106との間に形成される。エッチング停止層104とソース電極105は離隔して形成され、エッチング停止層104とドレイン電極106は互いに離隔して形成される。また、エッチング停止層104はゲート電極101及びゲートライン120と重畳される領域で形成される。
【0028】
エッチング停止層104とソース電極105及びドレイン電極106がそれぞれ離隔して形成されることで、エッチング停止層104によって定義されるアクティブ層103のチャネル領域の長さが従来より短く形成される。即ち、エッチング停止層104とソース電極105及びドレイン電極106が重畳される際、工程上必要であったエッチング停止層104の工程マージンの長さが必要でなくなるため、チャネル領域の長さが短く形成される。チャネル領域の長さが短く形成されて薄膜トランジスタの電流能力が改善されることによって薄膜トランジスタの性能が改善され、前記薄膜トランジスタアレイ基板を使用したパネルの信頼性を改善し、輝度と品質を確保することができる。
【0029】
また、ソース電極105及びドレイン電極106はゲート電極101と離隔して形成される。従来の薄膜トランジスタはソース電極105とゲート電極101が重畳されて形成され、ドレイン電極106とゲート電極101が重畳されて形成されることで望まない寄生キャパシタが形成される。本発明はソース電極105及びドレイン電極106がそれぞれゲート電極101と重畳されないように形成されるため望まない寄生キャパシタの発生を減らすことができる。そのため寄生キャパシタが減少し、薄膜トランジスタの高速駆動が可能となる。以下、薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法を図1のI−I’を示す断面図を参照して詳細に説明する。
【0030】
図2a乃至図2iは、本発明の第1実施例による薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法を示す断面図である。
【0031】
図2aを参照すると、基板100の上にゲート電極101が形成される。基板100の上にゲート金属層を形成し、前記ゲート金属層の上にフォトレジストを形成する。次に、透過部と遮断部で形成されたマスクを利用して露光及び現像工程でフォトレジストパターンを形成する。前記フォトレジストパターンをマスクとして前記ゲート金属層をエッチングし、ゲートラインと前記ゲートラインから分岐されたゲート電極101を形成する。ゲート電極101が形成された基板100の全面にゲート絶縁膜102を形成する。
【0032】
基板100としてはシリコーン(Si)、ガラス(glass)、プラスチック又はポリイミド(PI)などが使用される。また、ゲート電極101は不透明な金属材質、例えば、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)及びそれらの組み合わせから形成される合金を含む導電性金属グループのうちから選択された少なくとも一つで形成される。ゲート電極101は図面上では単一層で形成されているが、2つ以上の層で形成された多重層で形成されてもよい。また、ゲート絶縁膜102はSiOx,SiNx,SiON,HfO,Al,Y,Taなどのような誘電体又は高誘電率誘電体又はそれらの組み合わせで形成される。ゲート絶縁膜102は図面上では単一層で形成されているが、2つ以上の層で形成された多重層で形成されてもよい。
【0033】
図2bを参照すると、ゲート絶縁膜102の上にゲート電極101と少なくとも一部が重畳されるようにアクティブ層103を形成する。ゲート絶縁膜102の上に半導体物質を塗布し、前記半導体物質の上にフォトレジストを形成し、透過部と遮断部で形成されたマスクを利用して露光及び現像工程でフォトレジストパターンを形成する。前記フォトレジストパターンはゲート電極101と重畳される領域に形成され、前記フォトレジストパターンをマスクとして前記半導体物質をエッチングして薄膜トランジスタのアクティブ層103を形成する。また、アクティブ層103には熱処理工程が追加されてもよい。
【0034】
アクティブ層103はシリコーン半導体より高い移動度及び安定した静電流特性を有すると知られているAxByCzO(x、y、z≧0)の酸化物半導体として選択される。この際、A,B及びCそれぞれはZn,Cd,Ga,In,Sn,Hf及びZrのうちから選択される。好ましくは、アクティブ層103はZnO,InGaZnO,ZnInO,ZnSnO、InZnHfO,SnInO及びSnOのうちから選択されてもよいが、本発明はそれに限らない。
【0035】
図2cを参照すると、アクティブ層103の上にアクティブ保護層140を形成する。アクティブ保護層140の上にゲート電極101と重畳される領域にフォトレジストパターン151を形成する。アクティブ保護層140はSiOで形成されてもよいが、それに限らない。
【0036】
図2dを参照すると、フォトレジストパターン151をマスクとしてアクティブ保護層140をエッチングし、エッチング停止層104を形成する。エッチング停止層104はアクティブ層103の上でゲート電極101と重畳される領域に形成され、アクティブ層103のチャネル領域を定義する。エッチング停止層104はゲート電極101と重畳される領域に形成され、ゲートラインと重畳される領域に形成される。また、ゲート電極101及びゲートラインと重畳される領域にのみ形成されてもよい。
【0037】
後の工程でソース電極及びドレイン電極とエッチング停止層104が重畳されないゆえ、エッチング停止層104はソース電極及びドレイン電極との重畳領域に対する工程マージンを考慮しなくてもよい。よって、アクティブ層103のチャネル領域に当たる領域を除いた不必要な領域にまでエッチング停止層104を形成する必要がない。即ち、チャネル領域の長さを従来のエッチング停止層104とソース電極及びドレイン電極と重畳される従来の薄膜トランジスタに比べ半分以上小さく形成することができる。チャネル領域の長さが短く形成されることによって電流能力が向上され、薄膜トランジスタの性能が改善される。また、前記薄膜トランジスタを含むパネルの輝度と品質の信頼性を改善することができる。
【0038】
図2eを参照すると、エッチング停止層104が形成された基板100の全面にバリア層110を形成し、バリア総110の上に金属層111を形成する。金属層111とバリア層110は湿式エッチング(wet etching)が可能な物質又は乾式エッチング(dry etching)が可能な物質で形成する。金属層111とバリア層110はエッチング方法を選択して形成してもよい。また、選択的に金属層111又はバリア層110を別々にエッチングして形成してもよい。
【0039】
金属層111とバリア層110は互いに異なる物質で形成される。金属層111はバリア層110より容易に湿式エッチングされる物質で形成される。例えば、金属層111はモリブデン(Mo)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)などで形成されてもよい。バリア層110は金属層111より容易に乾式エッチングされる物質で形成される。例えば、バリア層110はモリチタン(MoTi)などで形成されてもよい。但し、本発明は前記物質に限らない。
【0040】
図2fを参照すると、金属層111をエッチングして第2ソース電極層105bと第2ドレイン電極層106bを形成する。金属層111の上にフォトレジストを形成し、透過部と遮断部で形成されたマスクと利用して露光及び現像工程でフォトレジストパターンを形成する。前記フォトレジストパターンをマスクとして金属層111をエッチングし、第2ソース電極層105bと第2ドレイン電極層106bを形成する。金属層111は湿式エッチングを介してエッチングする。
【0041】
第2ソース電極層105bと第2ドレイン電極層106bは互いに離隔して形成され、それぞれアクティブ層103と重畳する領域に形成される。また、第2ソース電極層105bと第2ドレイン電極層106bは間にエッチング停止層104を介在して形成され、それぞれエッチング停止層104と離隔して形成される。即ち、第2ソース電極層105bはエッチング停止層104と重畳されない領域に形成され、第2ドレイン電極層106bもエッチング停止層104と重畳されない領域に形成される。また、第2ソース電極層105bと第2ドレイン電極層106bはゲート電極101と重畳されない領域に形成される。
【0042】
金属層111が湿式エッチングされても、金属層111の下部にバリア層110が形成されているためアクティブ層103はエッチング液に直接露出されない。それによって、エッチング液がアクティブ層103と反応して半導体が導体に変質されて半導体特性を失うことを防止することができる。よって、バリア層110を形成することでエッチング停止層104とソース電極及びドレイン電極が重畳されなくてもアクティブ層103を保護することができる。
【0043】
図2gを参照すると、バリア層110をエッチングして第1ソース電極層105a及び第1ドレイン電極層106bを形成する。また、第1ソース電極層105aと第2ソース電極層105bで形成されたソース電極105と、第1ドレイン電極層106aと第2ドレイン電極層106bで形成されたドレイン電極106を形成する。ソース電極105及びドレイン電極106と共にデータラインも形成される。バリア層110は第2ソース電極層105bと第2ドレイン電極総106bをマスクとしてエッチングする。バリア層110のエッチングは乾式エッチングであってもよい。
【0044】
ソース電極105とドレイン電極106はエッチング停止層104と同じ層に形成され、アクティブ層103と重畳されてエッチング停止層104と重畳されない領域に形成される。即ち、ソース電極105とドレイン電極106との間にエッチング停止層104を介在し、それぞれエッチング停止層104と離隔して形成される。それによって、エッチング停止層104で定義されるアクティブ層103のチャネル領域の長さが短く形成され、薄膜トランジスタの性能を向上しパネルの輝度と品質を確保することができる。
【0045】
また、ソース電極105とドレイン電極106はゲート電極101と重畳されない領域に形成される。ソース電極105とドレイン電極106がゲート電極101と重畳されると、望まない寄生キャパシタが形成されて駆動速度を遅くする。よって、本発明のソース電極105とドレイン電極106はゲート電極101と寄生キャパシタを形成せず、薄膜トランジスタとパネルの高速駆動を可能にする。
【0046】
図2hを参照すると、ソース電極105及びドレイン電極106の上に保護膜107を形成する。保護膜107とフォトレジストを基板100の全面に積層して形成し、透過部と遮断部で形成されたマスクを利用して露光及び現像工程でドレイン電極106の一部を除いた領域にフォトレジストパターンを形成する。前記フォトレジストパターンをマスクとして保護膜107をエッチングし、ドレイン電極106を露出するコンタクトホールを形成する。
【0047】
図2iを参照すると、前記コンタクトホールが形成された保護膜107の上に画素電極108を形成する。画素電極108はゲートラインとデータラインが交差して定義する画素領域の全面で前記ゲートライン及びデータラインと離隔して形成される。画素電極108はITO(Indiun Tim Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)を含む透明物質のグループのうちから選択されたいずれか一つで形成される。なお、画素電極108は前記コンタクトホールを経てドレイン電極107に電気的に接続される。
【0048】
図3a及び図3bは、本発明の第1実施例による薄膜トランジスタアレイ基板のエッチング停止層を形成する方法を示す断面図である。
【0049】
図3aを参照すると、フォトレジストパターン151を形成する第1方法は背面露光を利用することである。アクティブ保護層140の上にフォトレジスト150を形成し、基板100の背面で光170を露光する。この際、ゲート電極101が遮断部のマスクの役割をし、フォトレジスト150はゲート電極101と重畳されない領域にのみ光が走査される。この際、フォトレジスト150はポジティブフォトレジスト(positive photo resist)として形成される。前記ポジティブフォトレジストは、光が走査されると軟化する物質である感光性材料である。次に、軟化されたフォトレジストを除去し、ゲート電極101と重畳される領域にフォトレジストパターン151が形成される。また、フォトレジストパターン151はゲートラインが形成される領域にも形成される。
【0050】
ゲート電極101をマスクとして背面露光工程を進行するため、フォトレジストパターン151を形成する際に別途のマスクを必要としない。そのため、従来の技術に比べマスク工程数を減らすことができ、工程時間及びコストを減らすことができる。
【0051】
図3bを参照すると、フォトレジストパターン151を形成する第2方法はマスク露光を利用することである。アクティブ保護層140の上にフォトレジスト150を形成し、透過部と遮断部で形成されたマスク160を介して光170を走査する。この際、フォトレジスト150はポジティブフォトレジスト又はネガティブフォトレジスト(negative photoresist)として形成される。前記ネガティブフォトレジストは、光が走査されると硬化する物質である感光性材料である。
【0052】
ポジティブフォトレジストを使用する場合、マスク160はゲート電極101と重畳される領域で遮断部B、その他の領域で透過部Aを有する。また、ネガティブフォトレジストを使用する場合、マスク160はゲート電極101と重畳される領域で透過部B、その他の領域で遮断部Aを有する。この際、ゲート電極101と重畳される領域にのみ硬化されるか軟化されていないフォトレジスト150が形成され、ゲート電極101と重畳される領域にフォトレジストパターン151が形成される。
【0053】
以下、本発明の第2実施例乃至第7実施例による薄膜トランジスタアレイ基板について説明する。第1実施例と重複する内容に対しては一部詳細な説明を省略する。
【0054】
図4は、本発明の第2実施例による薄膜トランジスタアレイ基板を示す平面図である。
【0055】
図4を参照すると、表示領域と非表示領域に区分される基板200の上に一方向に形成されるゲートライン220とデータライン230が垂直交差して形成され、基板200の表示領域で画素領域を定義する。ゲートライン220とデータライン230の交差領域に薄膜トランジスタが形成される。また、前記薄膜トランジスタとコンタクトホールを介して連結される画素領域208が形成される。この際、前記薄膜トランジスタは酸化物半導体薄膜トランジスタであってもよい。
【0056】
前記薄膜トランジスタはゲートライン220から延長されたゲート電極201、ゲート絶縁膜、アクティブ層203、データライン230から分岐されたソース電極205及びソース電極205と同じ層でソース電極205と離隔されて形成されたドレイン電極206を含んで構成される。また、アクティブ層203の上にはアクティブ層203のチャネル領域を定義するエッチング停止層204が形成される。
【0057】
ソース電極205及びドレイン電極206が第1電極層と第2電極層で形成される。前記第1電極層と第2電極層は互いに異なる物質で形成され、それぞれ相異なるエッチング工程を介して別途の工程で形成される。
【0058】
エッチング停止層204とソース電極205及びドレイン電極206はアクティブ層203の上でアクティブ層203と重畳され、同じ層で形成される。エッチング停止層204はソース電極205及びドレイン電極206との間に形成される。エッチング停止層204とソース電極205は離隔して形成され、エッチング停止層204とドレイン電極206は互いに離隔して形成される。
【0059】
この際、アクティブ層203はゲート電極201と重畳される領域にのみ形成される。ゲート電極201にのみアクティブ層203が形成されることで、前記アクティブ層は段差がなく平らな構造で形成される。アクティブ層203がゲート電極201を含んでゲート電極201が形成されていない領域にまで広く形成される場合には段差が発生し、アクティブ層203が折られる領域で断線が発生する恐れがある。よって、本発明の第2実施例による薄膜トランジスタはアクティブ層203の全面がゲート電極201にのみ形成されるようにすることで、アクティブ層203の断線を防止する。以下、薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法を図4のII−II’を示す断面図を参照して詳細に説明する。
【0060】
図5a乃至図5bは、本発明の第2実施例による薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法を示す断面図である。
【0061】
図5aを参照すると、基板200の上にゲート電極201を形成し、ゲート電極201が形成された基板200の全面にゲート絶縁膜102を形成する。ゲート絶縁膜202の上にアクティブ層203を形成する。また、アクティブ層203には熱処理工程が追加されてもよい。ゲート電極201及びアクティブ層203はマスクを利用したフォトレジスト工程を介して形成される。
【0062】
この際、アクティブ層203は段差がなく平らな構造でゲート電極201と重畳される領域にのみ形成される。アクティブ層203がゲート電極201が形成されていない領域にまで形成される場合には段差が発生し、アクティブ層203が折られる領域で断線などの不良が発生する恐れがある。即ち、アクティブ層203の全面がゲート電極201にのみ形成されてアクティブ層203の断線を防止する。
【0063】
図5bを参照すると、アクティブ層203の上にアクティブ保護層240及びフォトレジスト250を形成し、透過部Aと遮断部Bで形成されたマスク260を介して光270を走査する。前記露光工程の後に現像工程を経て、アクティブ保護層240の上にゲート電極201と重畳される領域にフォトレジストパターンを形成する。この際、フォトレジスト250はポジティブフォトレジスト又はネガティブフォトレジストとして形成される。
【0064】
図5cを参照すると、フォトレジストパターン251をマスクとしてアクティブ保護層240をエッチングし、エッチング停止層204を形成する。エッチング停止層204はアクティブ層203の上でゲート電極201と重畳される領域に形成され、アクティブ層203のチャネル領域を定義する。後の工程でソース電極及びドレイン電極とエッチング停止層204が重畳されないゆえ、エッチング停止層204はソース電極及びドレイン電極との重畳領域に対する工程マージンを考慮しなくてもよい。よって、アクティブ層203のチャネル領域に当たる領域を除いた不必要な領域までエッチング停止層204を形成する必要がない。即ち、チャネル領域の長さをエッチング停止層とソース電極及びドレイン電極と重畳される従来の薄膜トランジスタに比べ半分以上小さく形成することができる。チャネル領域の長さが短く形成されることによって電流能力が向上され、薄膜トランジスタの性能が改善される。また、前記薄膜トランジスタを含むパネルの輝度と品質の信頼性を改善することができる。
【0065】
図5dを参照すると、エッチング停止層204の上にバリア層210を形成し、バリア層210の上に金属層211を形成する。金属層211とバリア層210は互いに異なる物質で形成される。金属層211は湿式エッチングが可能な物質で形成し、バリア層201は乾式エッチングが可能な物質で形成する。
【0066】
図5eを参照すると、金属層211をエッチングして第2ソース電極層205bと第2ドレイン電極層206bを形成する。金属層211はフォトレジスト工程を介してフォトレジストパターンを形成し、前記フォトレジストパターンをマスクとして湿式エッチング介してエッチングする。第2ソース電極層205bと第2ドレイン電極層206bは互いに離隔して形成され、それぞれアクティブ層203と重畳する領域に形成される。また、第2ソース電極層205bと第2ドレイン電極層206bは間にエッチング停止層204を介在して形成され、それぞれエッチング停止層204と離隔して形成される。
【0067】
金属層211が湿式エッチングされても、金属層211下部にバリア層210が形成されているためアクティブ層203はエッチング液に直接露出されない。それによって、エッチング液がアクティブ層203と反応して半導体が導体に変質されて半導体特性を失うことを防止することができる。よって、バリア層210を形成することでエッチング停止層204とソース電極及びドレイン電極が重畳されなくてもアクティブ層203を保護することができる。
【0068】
図5fを参照すると、バリア層210をエッチングして第1ソース電極層205a及び第1ドレイン電極層206aを形成する。また、第1ソース電極層205aと第2ソース電極層205bで形成されたソース電極205と、第1ドレイン電極層206aと第2ドレイン電極層206bで形成されたドレイン電極206を形成する。ソース電極205及びドレイン電極206と共にデータラインも形成する。バリア層210は第2ソース電極層205b及び第2ドレイン電極層206bをマスクとしてエッチングする。バリア層210のエッチングは乾式エッチングであってもよい。
【0069】
ソース電極205とドレイン電極206はエッチング停止層204と同じ層でアクティブ層203と重畳され、エッチング停止層204と重畳されない領域に形成される。
【0070】
図5gを参照すると、ソース電極205及びドレイン電極206の上にドレイン電極206を露出するコンタクトホールを含む保護膜207を形成する。コンタクトホールが形成された保護膜207の上に画素電極208を形成する。画素電極208はゲートラインとデータラインが交差して定義する画素領域の前面で前記ゲートライン及びデータラインと離隔して形成される。なお、画素電極108は前記コンタクトホールを経てドレイン電極107に電気的に接続される。保護膜207のコンタクトホールと画素電極208は、フォトレジスト工程でフォトレジストパターンを形成しエッチングして形成する。
【0071】
図6は、本発明の第3実施例による薄膜トランジスタアレイ基板を示す平面図である。
【0072】
図6を参照すると、表示領域と非表示領域に区分される基板の上にゲートライン320とデータライン330が垂直交差して画素領域を定義する。前記画素領域には薄膜トランジスタと前記薄膜トランジスタに連結される画素領域308が形成される。この際、前記薄膜トランジスタは酸化物半導体薄膜トランジスタであってもよい。前記薄膜トランジスタはゲート電極301、ゲート絶縁膜、アクティブ層303、ソース電極305及びドレイン電極306を含み、アクティブ層303の上にはアクティブ層303のチャネル領域を定義するエッチング停止層304が形成される。
【0073】
エッチング停止層304とソース電極305及びドレイン電極306はアクティブ層303の上でアクティブ層303と重畳され、同じ層で形成される。エッチング停止層304はソース電極305及びドレイン電極306との間に形成され、ソース電極305及びドレイン電極306とそれぞれ互いに離隔して形成される。
【0074】
ソース電極305およびドレイン電極306は第1電極層と第2電極層で形成される。前記第1電極層と第2電極層は互いに異なる物質で形成され、それぞれ相異なるエッチング工程を介して別途の工程で形成される。また、ソース電極305はU字型に形成され、ドレイン電極306はU字型のソース電極306の内部に挿入される形状で形成される。
【0075】
U字型ソース電極305は、前記ソース電極の両端を含む第1面及び第2面とソース電極305とデータ電極330の連結部である第3面で形成される。ソース電極305の少なくとも一面はゲート電極301と重畳されない領域で形成される。即ち、ソース電極305の第1面、第2面及び第3面のうち少なくとも一面はゲート電極301と重畳されない。好ましくは、ソース電極305の両端を含む第1面及び第2面はゲート電極301と重畳されないように形成される。図示していないが、ソース電極305の第3面のみをゲート電極301と重畳されないように形成してもよい。
【0076】
図7は、本発明の第4実施例による薄膜トランジスタアレイ基板を示す平面図である。
【0077】
図7を参照すると、基板の上にゲートライン420とデータライン430が垂直交差されて画素領域を定義し、前記画素領域には薄膜トランジスタと前記薄膜トランジスタと連結される画素電極408が形成される。この際、前記薄膜トランジスタは酸化物半導体薄膜トランジスタであってもよい。前記薄膜トランジスタはゲート電極401、ゲート絶縁膜、アクティブ層403、ソース電極405及びドレイン電極406を含み、アクティブ層403の上にはアクティブ層403のチャネル領域を定義するエッチング停止層404が形成される。
【0078】
エッチング停止層404とソース電極405及びドレイン電極406はアクティブ層403の上でアクティブ層403と重畳され、同じ層で形成される。エッチング停止層404はソース電極405及びドレイン電極406との間に形成され、ソース電極405及びドレイン電極406とそれぞれ互いに離隔して形成される。
【0079】
ソース電極405及びドレイン電極406は第1電極層と第2電極層で形成され、前記第1電極層と前記第2電極層は互いに異なる物質で形成され、それぞれ相異なるエッチング工程を介して別途の工程で形成される。また、ソース電極405はU字型に形成され、ドレイン電極406はU字型のソース電極406の内部に挿入される形状で形成される。この際、ソース電極405はゲート電極401と重畳される領域にのみ形成される。即ち、ソース電極405の全面はゲート電極401の上に形成される。
【0080】
また、アクティブ層403はゲート電極401と重畳される領域にのみ形成される。ゲート電極401にのみアクティブ層403が形成されることで、前記アクティブ層は段差がなく平らな構造で形成される。アクティブ層403がゲート電極401を含んでゲート電極401が形成されていない領域にまで広く形成される場合には段差が発生し、アクティブ層403が折られる領域で断線が発生する恐れがある。よって、アクティブ層403の全面がゲート電極401の上にのみ形成されるようにすることで、アクティブ層403の断線を防止することができる。
【0081】
図8は、本発明の第5実施例による薄膜トランジスタアレイ基板を示す平面図である。
【0082】
図8を参照すると、本発明の第5実施例は本発明の第2実施例による薄膜トランジスタアレイ基板とエッチング停止層504を除いては同じ構成で形成される。即ち、基板の上にゲートライン520とデータライン530の垂直交差領域で画素領域が定義され、薄膜トランジスタと画素電極508が形成される。前記薄膜トランジスタはゲート電極501、ゲート絶縁膜、アクティブ層503、エッチング停止層504、ソース電極505及びドレイン電極506を含んで構成される。
【0083】
この際、アクティブ層503のチャネル領域を定義するエッチング停止層504はパターン504aとホール504bを含む。エッチング停止層504のホール504bは、ソース電極505及びドレイン電極506と重畳される領域に形成される。また、エッチング停止層504のパターン504aは、ソース電極505及びドレイン電極506と重畳されない領域に形成される。即ち、アクティブ層503の上にエッチング停止層504が形成され、ソース電極505及びドレイン電極506が形成される領域でエッチング停止層504にホール504bが形成される。それによって、エッチング停止層504のパターン504aはソース電極505及びドレイン電極506と離隔して形成される。
【0084】
ホール504bはソース電極505及びドレイン電極506とエッチング停止層504のパターン504aが離隔されるようにすると十分であり、ホール504bは図面と異なる模様で形成されてもよい。
【0085】
図9は、本発明の第6実施例による薄膜トランジスタアレイ基板を示す平面図である。
【0086】
図9を参照すると、本発明の第6実施例は本発明の第3実施例による薄膜トランジスタアレイ基板とエッチング停止層604を除いては同じ構成で形成される。即ち、基板の上にゲートライン620とデータライン630の垂直交差領域で画素領域が定義され、薄膜トランジスタと画素電極608が形成される。前記薄膜トランジスタはゲート電極601、ゲート絶縁膜、アクティブ層603、エッチング停止層604、ソース電極605及びドレイン電極606を含んで構成される。
【0087】
この際、エッチング停止層604はパターン604a、第1ホール604b及び第2ホール604cを含む。エッチング停止層604の第1ホール604bはソース電極605と重畳される領域に形成され、エッチング停止層604の第2ホール604cはドレイン電極606と重畳される領域に形成される。また、エッチング停止層604のパターン604aは、ソース電極605及びドレイン電極606と重畳されない領域に形成される。即ち、アクティブ層603の上にエッチング停止層604が形成され、ソース電極605及びドレイン電極606が形成される領域でエッチング停止層604にそれぞれ第1ホール604b及び第2ホール604cが形成される。それによって、エッチング停止層604のパターン604aはソース電極605及びドレイン電極606と離隔されて形成される。
【0088】
第1ホール604bはソース電極605とエッチング停止層604のパターン604aが離隔されて形成されるようにすると十分であり、第1ホール604bは図面と異なる模様で形成されてもよい。また、第2ホール604cはドレイン電極606とエッチング停止層604のパターン604aが離隔されて形成されるようにすると十分であり、第2ホール604cは図面と異なる模様で形成されてもよい。
【0089】
図10は、本発明の第7実施例による薄膜トランジスタアレイ基板を示す平面図である。
【0090】
図10を参照すると、本発明の第7実施例は本発明の第4実施例による薄膜トランジスタアレイ基板とエッチング停止層704を除いては同じ構成で形成される。即ち、基板の上にゲートライン720とデータライン730の垂直交差領域で画素領域が定義され、薄膜トランジスタと画素電極708が形成される。前記薄膜トランジスタはゲート電極701、ゲート絶縁膜、アクティブ層703、エッチング停止層704、ソース電極705及びドレイン電極706を含んで構成される。
【0091】
この際、エッチング停止層704はパターン704a、第1ホール704b及び第2ホール704cを含む。エッチング停止層704の第1ホール704bはソース電極705と重畳される領域に形成され、エッチング停止層704の第2ホール704cはドレイン電極706と重畳される領域に形成される。また、エッチング停止層704のパターン704aは、ソース電極705及びドレイン電極706と重畳されない領域に形成される。即ち、アクティブ層703の上にエッチング停止層704が形成され、ソース電極705及びドレイン電極706が形成される領域でエッチング停止層704それぞれ第1ホール704b及び第2ホール704cが形成される。それによって、エッチング停止層704のパターン704aはソース電極705及びドレイン電極706と離隔されて形成される。
【0092】
第1ホール704bはソース電極705とエッチング停止層704のパターン704aが離隔されて形成されるようにすると十分であり、第1ホール704bは図面と異なる模様で形成されてもよい。また、第2ホール704cはドレイン電極706とエッチング停止層704のパターン704aが離隔されて形成されるようにすると十分であり、第2ホール704cは図面と異なる模様で形成されてもよい。
【0093】
上述した本発明の薄膜トランジスタは、液晶表示装置(LCD)や有機電解発光表示装置(OLED)のような平板ディスプレーの画素別駆動回路を成す薄膜トランジスタを代替することができる。液晶表示装置や有機電解発光表示装置のような平板ディスプレーの構成は広く知られているゆえ、ここでそれに対する詳細な説明は省略する。
【0094】
よって、本発明による薄膜トランジスタアレイ基板及びその製造方法は、薄膜トランジスタのゲート電極とソース電極及びドレイン電極を重畳されないように形成することで、不必要な寄生キャパシタを減少し、高速駆動性能を改善する。また、エッチング停止層とソース電極及びドレイン電極を重畳されないように形成することでチャネル領域を短く形成し、薄膜トランジスタの性能及びパネルの輝度及び品質を確保する。また、薄膜トランジスタのエッチング停止層をゲート電極をマスクとして背面露光をして形成することで、マスク工程を減らし工程時間及びコストを減少する。
【0095】
上述した内容を介して、当業者であれば本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で多様な変更及び修正が可能であることを理解できるはずである。よって、本発明の技術的範囲は発明の概要に記載された内容に限られず、特許請求の範囲によって決められるべきである。
【符号の説明】
【0096】
100:基板
101:ゲート電極
102:ゲート絶縁膜
103:アクティブ層
104:エッチング停止層105:ソース電極
106:ドレイン電極
107:保護膜
108:画素電極
120:ゲートライン
130:データライン
図1
図2a
図2b
図2c
図2d
図2e
図2f
図2g
図2h
図2i
図3a
図3b
図4
図5a
図5b
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図6
図7
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図10