特許第5697738号(P5697738)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5697738
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】手術器具および手術器具システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/56 20060101AFI20150319BHJP
   A61B 17/16 20060101ALI20150319BHJP
【FI】
   A61B17/56
   A61B17/16
【請求項の数】15
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-500587(P2013-500587)
(86)(22)【出願日】2011年3月22日
(65)【公表番号】特表2013-521967(P2013-521967A)
(43)【公表日】2013年6月13日
(86)【国際出願番号】GB2011050567
(87)【国際公開番号】WO2011117623
(87)【国際公開日】20110929
【審査請求日】2014年3月10日
(31)【優先権主張番号】1004851.0
(32)【優先日】2010年3月24日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】509229810
【氏名又は名称】デピュイ・(アイルランド)
【氏名又は名称原語表記】DEPUY (IRELAND)
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】コーワン・ディーン
(72)【発明者】
【氏名】レスリー・イアン
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルテラモ・アルベルト
【審査官】 堀川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/029333(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0204222(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断平面を画定する切断スロットを有する切断ブロックに取り付けられる手術器具において、
(i)第1の平面の可視化を可能にし、(ii)前記第1の平面に垂直な第2の平面からの所定の距離を示すように構成された、二目的用インジケーター部材と、
前記第1の平面または前記第2の平面が前記切断平面に平行になるように、互いに垂直な2つの向きのいずれかで前記手術器具を前記切断スロットに取り付けるための取り付け部材と、
を含む、手術器具。
【請求項2】
請求項1に記載の手術器具において、
前記二目的用インジケーター部材は、
前記第1の平面を画定する平坦な表面と、
前記第1の平面に垂直である前記第2の平面から所定の距離に位置付けられた先端部と、
を含む、手術器具。
【請求項3】
請求項1または2に記載の手術器具において、
前記取り付け部材は、
前記切断スロットに挿入されるよう前記第1の平面に延びる第1のタブと、
切断スロットに挿入されるよう前記第2の平面に延びる第2のタブと、
を含む、手術器具。
【請求項4】
請求項3に記載の手術器具において、
前記第1および第2のタブは、隣接しており、互いに離間している、手術器具。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の手術器具において、
(i)前記第1の平面の可視化を可能にし、(ii)前記第2の平面からの第2の所定の距離を示すように構成された、第2の二目的用インジケーター部材、
をさらに含む、手術器具。
【請求項6】
請求項3または4に記載の手術器具において、
前記取り付け部材は、
前記切断スロットに挿入されるよう前記第1の平面に延びる第3のタブであって、前記第1のタブと反対の方向に延びる、第3のタブと、
前記切断スロットに挿入されるよう前記第2の平面に延びる第4のタブであって、前記第2のタブと反対の方向に延びる、第4のタブと、
をさらに含む、手術器具。
【請求項7】
請求項5に記載の手術器具において、
前記所定の距離は、約9mmであり、前記第2の所定の距離は、約2mmである、手術器具。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の手術器具において、
前記取り付け部材は、前記切断スロットに係合する少なくとも1つの固定部材を含む、手術器具。
【請求項9】
請求項8に記載の手術器具において、
前記少なくとも1つの固定部材は、弾性突起を含む、手術器具。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の手術器具において、
前記二目的用インジケーター部材および前記取り付け部材は、一体的に形成される、手術器具。
【請求項11】
手術器具システムにおいて、
請求項1〜10のいずれか1項に記載の手術器具と、
切断平面を画定する切断スロットを有する切断ブロックと、
を含む、手術器具システム。
【請求項12】
請求項11に記載の手術器具システムにおいて、
前記切断ブロックは、脛骨切断ブロックである、手術器具システム。
【請求項13】
請求項11に記載の手術器具システムにおいて、
前記切断ブロックは、大腿骨切断ブロックである、手術器具システム。
【請求項14】
請求項12に記載の手術器具システムにおいて、
切断平面を画定する切断スロットを有する大腿骨切断ブロック、
をさらに含む、手術器具システム。
【請求項15】
請求項11〜14のいずれか1項に記載の手術器具システムにおいて、
前記切断ブロックは、固定穴をさらに含む、手術器具システム。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
本発明は、手術器具に関し、特に、切断ブロックに取り付けるためのものである二つの目的を有する手術器具に関する。
【0002】
膝の手術中、切断ブロックを使用して、切断部の位置を定める。これらの切断ブロックは、切断および切除用の器具を受容するスロットを含む。切除の高さを示すため、または切断部の平面を可視化するために、切断ブロックの切断スロットに取り付けられる器具を提供することが知られている。
【0003】
膝の手術では、切断部の平面は、「天使の翼(angel wing)」、「可視化用の翼(visualisation wing)」または「切除ガイド」と呼ばれることもある器具を使用して可視化されることができ、これは切断スロットに挿入される。この天使の翼は、概ね平坦であり、また、切断部の平面が外科医によって可視化されることを可能にする。
【0004】
膝の手術処置の別の段階において、外科医は、脛骨切断ブロックを使用して、近位脛骨切除部の上方/下方高さを設定しなければならない。この場合、脛骨スタイラスを、脛骨切断ブロックの切断スロットに挿入する。脛骨スタイラスは、外科医が所望の高さを設定できるよう切断スロットからの様々な異なる高さに調節され得るポインタを含むか、または特定の高さに固定ポインタを有することができる。
【0005】
膝の手術に必要な器具の在庫および数を減らすことが望ましい。
【0006】
本発明は、切断部の平面の可視化をもたらすこと、および切断部の高さを設定することの双方に使用され得る、手術器具を提供する。
【0007】
したがって、本発明の第1の態様では、切断平面を画定する切断スロットを有する切断ブロックに取り付けられる手術器具が提供され、この手術器具は、(i)第1の平面の可視化を可能にし、(ii)第1の平面に垂直な第2の平面からの所定の距離を示すように構成された、二目的用インジケーター部材と、第1の平面または第2の平面が切断平面に平行になるように互いに垂直な2つの向きのいずれかで手術器具を切断スロットに取り付ける取り付け部材と、を含む。
【0008】
本発明は、先行技術の「天使の翼」およびスタイラス器具が、処置の異なる段階で異なる切断ブロックに挿入されるが、2つのタイプの器具の表示平面間の関係が垂直であるという発見に基づいている。これにより、二目的用の器具を提供することができ、この器具により、第1の平面の可視化を可能にし、また、第1の平面に垂直な第2の平面からの距離を示すことができる。したがって、2つの器具の代わりにただ1つの器具が必要であり、手術処置用の器具類のコストが減少する。
【0009】
本発明の手術器具は、切断ブロックが切断スロットを有するという条件で、異なるタイプの切断ブロックに挿入されてよいことに注意すべきである。例えば、平面を可視化する際、第1の平面に垂直な第2の平面からの所定の距離を示すのに使用される場合とは異なるタイプの切断ブロックに器具を挿入することができる。
【0010】
好ましくは、二目的用インジケーター部材は、第1の平面を画定する平坦な表面と、第1の平面に垂直な第2の平面から所定の距離に位置付けられた先端部と、を含む。この形態のインジケーター部材により、インジケーター部材は、形成しやすい形状で、二重の機能を実行することができる。いくつかの実施形態では、二目的用インジケーター部材は、単にシートから形成されてよく、このシートは、第1の平面を可視化するための平坦な表面をもたらす。
【0011】
好ましくは、取り付け部材は、切断スロットに挿入されるよう第1の平面に延びる第1のタブと、切断スロットに挿入されるよう第2の平面に延びる第2のタブと、を含む。これらのタブは、器具の使用を可能にするため、単に切断スロットに挿入されることができる。2つのタブはそれぞれ、器具が作動する平面のうちの1つに延び、それにより、器具を所望の向きで容易に取り付けることができる。好ましくは、第2のタブは、第1のタブと同じ方向に延び、この方向は、典型的には、第1の平面および第2の平面に近接する(adjoining)線により定められる方向である。
【0012】
一実施形態では、第1および第2のタブは、隣接しており、互いに離間している。これにより、一方のタブが切断スロットに挿入される際に、他方のタブが、切断スロットへのタブの挿入の邪魔をしないように使用中のタブから十分に離間することが確実となる。この実施形態は、2つのタブが、第1および第2の平面をつなぐ線により定められる同じ方向に延びている場合に、容易に形成され得る。その場合、隣接している離間したタブは、2つの平面をつなぐ線に直接隣接した材料を取り除くことにより製造されることができ、それによって、互いに離間し、隣接しているタブが作られる。
【0013】
手術器具は、(i)第1の平面の可視化を可能にし、(ii)第2の平面からの第2の所定の距離を示すように構成された、第2の二目的用インジケーター部材をさらに含んでよい。これは、いくつかの利点をもたらす。第2の二目的用インジケーター部材により、切断スロットに対する、より多くの器具位置から、第1の平面を可視化することができる。第2の二目的用インジケーター部材は、第1の二目的用インジケーター部材とは異なる、第2の平面からの距離を示すのにも使用され得る。
【0014】
この実施形態では、取り付け部材は、好ましくは、切断スロットに挿入されるよう第1の平面に延びる第3のタブと、切断スロットに挿入されるよう第2の平面に延びる第4のタブと、をさらに含み、第3のタブは、第1のタブと反対の方向に延びており、第4のタブは、第2のタブと反対の方向に延びている。反対の方向とは、第1および第2の平面をつなぐ線に沿った反対の方向であってよい。好適な実施形態では、第1および第3のタブは、互いに鏡のように対称(mirror symmetric)であり、第2および第4のタブは、互いに鏡のように対称である。
【0015】
好適な実施形態では、第1の所定の距離は、約9mmであり、第2の所定の距離は、約2mmである。先行技術では、脛骨スタイラスは、異なる距離を表示するように調節可能である。しかしながら、2mmおよび9mmの距離の表示は、手術処置の大部分にとって十分であることが分かっている。これにより、異なる距離に調節する必要がなくなるので、器具の構築が単純化される。他の実施形態では、通常はインプラントデザインの構造厚さに基づく異なる距離を示す、異なるバージョンの器具が提供され得ることが、認識されるであろう。
【0016】
いくつかの実施形態では、取り付け部材は、切断スロットに係合する、少なくとも1つの固定部材を含み得る。これは、手術器具が切断スロット内部に保持され、動いたり抜け落ちたりする可能性が低いことを確実にするのに役立ち得る。切断スロットへの確実な取り付けは、器具が第2の平面における距離を示すのに使用されている際に、特に有利である。したがって、固定部材は、第2のタブおよび/または、第4のタブがある場合には第4のタブ、上に設けられるのが好ましい。固定手段は、弾性突起(resilient tang)により形成され得る。これは、容易に製造でき、切断スロットの表面に対して作用することにより器具を固定するための十分な力を提供することができる。
【0017】
本発明の手術器具は、いくつかの技術により製造され得る。これらの技術は、射出成形、または金属など弾性材料の1枚のシートからの成形を含む。代替的な製造方法には、スタンピング(stamping)またはフォトエッチングが含まれる。したがって、手術器具は、単一の一体化部品に形成され得る。他の実施形態では、手術器具は、例えば接合、溶接、もしくは任意の他の適切な取り付け手段によって、互いに取り付けられた様々な異なる部品を含み得る。
【0018】
本発明の別の態様では、前記に定義した手術器具は、やはり前述したオプションの特徴部があってもなくても、手術器具システムの一部を形成する。手術器具システムはまた、手術器具と共に使用される切断スロットを有する切断ブロックを含む。使用中、手術器具の取り付け部材は、切断スロットに挿入される。
【0019】
一実施形態では、手術器具システムは、膝の手術で使用するためのものであり、脛骨切断ブロックおよび/または大腿骨切断ブロックを含む。システムが脛骨切断ブロックおよび大腿骨切断ブロックの双方を含む場合、取り付け部材は、大腿骨切断ブロックに取り付けるのとは異なる向きで、脛骨切断ブロックに手術器具を取り付けるのに使用され得る。これにより、同じ手術器具を、異なる機能のために、異なる切断ブロックと共に使用することができる。切断ブロックは、固定穴も含むことができる。使用中、固定穴により、切断ブロックを患者の骨、例えば脛骨または大腿骨、に固定することができる。
【0020】
本発明の実施形態は、添付図面を参照して、一例として説明される。
【0021】
図1は、本発明の実施形態による手術器具の斜視図を示す。この手術器具は、第1の二目的用インジケーター部材2と、第1の二目的用インジケーター部材2とは反対の方向に延びる第2の二目的用インジケーター部材4と、2つの二目的用インジケーター部材2、4をつなぐ取り付け部材と、を含む。二目的用インジケーター部材2、4はそれぞれ、切断部の平面を可視化するための平坦な表面6、8を含む。二目的用インジケーター部材2、4はそれぞれ、平坦な表面6、8の平面に垂直な第2の平面上の所定の距離を示す先端部10、12も含む。
【0022】
取り付け部材は、4つのタブ14、16、18、20を含む。タブ14およびタブ18は、平坦な表面6および8の平面に平行な平面に延びる。タブ16および20は、平坦な表面6および8により示される平面に垂直な平面に延び、二目的用インジケーター部材2、4の先端部10、12は、タブ16およびタブ20の平面からの所定の距離を示す。
【0023】
タブ16および20は双方、弾性突起(resilient tang)22、24を含む。これは、タブ16、20の平面からわずかに曲げられている。タブ16または20が切断スロットに挿入されると、弾性突起22、24は、弾性的に変形して、切断スロットの表面にもたれかかり、手術器具を、よりしっかりと所定の場所に保持する。
【0024】
図2は、タブ16が脛骨切断ブロック26の切断スロットに挿入された、図1の手術器具の側面図を示す。図2ではっきりと見ることができるように、第2の二目的用インジケーター部材2の先端部10は、第2の二目的用インジケーター部材4の先端部12よりも、タブ16、20により画定される第2の平面から離れている。この実施形態では、先端部10は、平面から約9mmである(図2中、距離28で示される)。第2の二目的用インジケーター部材4の先端部12は、タブ16、20により画定される平面から約2mmである(図2中、距離30で示される)。したがって、タブ16またはタブ20が切断ブロック26のスロットに挿入されているかどうかによって、手術器具は、切断スロットの平面からの9mmまたは2mmの距離を示すスタイラスとして使用され得る。
【0025】
使用中、タブ16またはタブ20は、切断スロットの表面に対して作用する弾性突起22、24の作用によって、切断スロット内にしっかりと保持される。タブ16および20はそれぞれ、脛骨切断スロット26における切断スロットの幅よりも、幅が狭い。これにより、先端部10、12が、並進および回転の双方により切断ブロックに対して動くことができ、切断ブロックに対する様々な地点における距離を示すことができる。
【0026】
図3は、大腿骨切断ブロック32の切断スロットに据え付けられた手術器具の側面図を描いたものである。大腿骨切断ブロックも、大腿骨に取り付けるための固定穴を画定している。固定穴への入口34は、図3では、小さな凹部として見ることができる。大腿骨切断ブロック32は、膝の手術で従来使用される標準的な大腿骨切断ブロックであり、4つの切断スロットを備え、2つは面取り部、1つは後方、1つは前方にある。これらのスロットは合わせて、膝の手術で大腿骨構成要素を受容するような形状を切り出すことを可能にする。このような使用において、手術器具は、大腿骨切断ブロック32の前方スロットに挿入される。これにより、大腿骨切断ブロック32を使用して作られるべき前方切断部の平面を可視化することができる。この切断部の平面は、二目的用インジケーター部材の平坦な表面6、8によって示される。このような使用において、タブ14またはタブ18のいずれかを、切断スロットに挿入する。次に、平坦な表面6または8が、切断ブロック32のスロットにより画定された平面と平行になる。タブ14またはタブ18が切断ブロックの切断スロットに挿入されたかどうかによって、器具は、内側および外側の双方で切断部の平面を可視化するのに使用されることができる。
【0027】
図2および図3から分かるように、タブ14、16、18もしくは20のうちの1つが切断ブロックの切断スロットに挿入される際、隣接した垂直なタブ(tags)の存在が、切断スロットへの挿入の邪魔をする場合がある。このような理由から、タブ14および16とタブ18および20との間の空間は、タブの平面が接する場所で画定される線に沿って切り取られる。これにより、タブ16または20が(図2に示すように)切断スロットに挿入されるとき、タブ14および18が、(図2ではっきりと描かれているように)切断ブロックと接触しないように十分間隔をあけることが確実となる。同様に、タブ14、18が切断ブロックの切断スロットに挿入される際、タブ16および20は、切断ブロックの邪魔をしないように十分に間隔をあける。
【0028】
この実施形態の手術器具は金属から形成されるのが好ましく、そうすれば、手術器具は、タブ14、16、18、20の比較的薄い外形(約1〜2mmの厚さ)を保つと共に、十分な強度および剛性を備えて形成されることができる。ステンレス鋼などの任意の医療グレードの金属または金属合金を使用することができる。代替的な実施形態では、ポリマーを使用することができる。
【0029】
代替的な実施形態では、タブ16および20により画定される平面上の先端部10および12の距離は、2mmおよび9mm以外であってよい。例えば、器具は、異なる対の測定値を示す、いくつかの器具が設けられた状態で、キットの一部を形成してよい。一実施形態では、これらの対は、1mmおよび10mm、2mmおよび9mm、3mmおよび8mm、4mmおよび7mm、ならびに5mmおよび6mmである。単一の器具のみが供給される場合は、多くの手術処置に適用されるので、2mmおよび9mmの組み合わせが好ましい。
【0030】
代替的な実施形態では、二目的用インジケーター部材は、平面の可視化を可能にする平坦な表面と、その平坦な表面に垂直な平面からの距離表示を可能にする先端部と、を含む場合には、図1に描いたもの以外の形態を有してもよい。
【0031】
〔実施の態様〕
(1) 切断平面を画定する切断スロットを有する切断ブロックに取り付けられる手術器具において、
(i)第1の平面の可視化を可能にし、(ii)前記第1の平面に垂直な第2の平面からの所定の距離を示すように構成された、二目的用インジケーター部材と、
前記第1の平面または前記第2の平面が前記切断平面に平行になるように、互いに垂直な2つの向きのいずれかで前記手術器具を前記切断スロットに取り付けるための取り付け部材と、
を含む、手術器具。
(2) 実施態様1に記載の手術器具において、
前記二目的用インジケーター部材は、
前記第1の平面を画定する平坦な表面と、
前記第1の平面に垂直である前記第2の平面から所定の距離に位置付けられた先端部と、
を含む、手術器具。
(3) 実施態様1または2に記載の手術器具において、
前記取り付け部材は、
前記切断スロットに挿入されるよう前記第1の平面に延びる第1のタブと、
切断スロットに挿入されるよう前記第2の平面に延びる第2のタブと、
を含む、手術器具。
(4) 実施態様3に記載の手術器具において、
前記第1および第2のタブは、隣接しており、互いに離間している、手術器具。
(5) 実施態様1〜4のいずれかに記載の手術器具において、
(i)前記第1の平面の可視化を可能にし、(ii)前記第2の平面からの第2の所定の距離を示すように構成された、第2の二目的用インジケーター部材、
をさらに含む、手術器具。
【0032】
(6) 実施態様5に記載の手術器具において、
前記取り付け部材は、
前記切断スロットに挿入されるよう前記第1の平面に延びる第3のタブであって、前記第1のタブと反対の方向に延びる、第3のタブと、
前記切断スロットに挿入されるよう前記第2の平面に延びる第4のタブであって、前記第2のタブと反対の方向に延びる、第4のタブと、
をさらに含む、手術器具。
(7) 実施態様5または6に記載の手術器具において、
前記所定の距離は、約9mmであり、前記第2の所定の距離は、約2mmである、手術器具。
(8) 実施態様1〜7のいずれかに記載の手術器具において、
前記取り付け部材は、前記切断スロットに係合する少なくとも1つの固定部材を含む、手術器具。
(9) 実施態様8に記載の手術器具において、
前記少なくとも1つの固定部材は、弾性突起を含む、手術器具。
(10) 実施態様1〜9のいずれかに記載の手術器具において、
前記二目的用インジケーター部材および前記取り付け部材は、一体的に形成される、手術器具。
【0033】
(11) 手術器具システムにおいて、
実施態様1〜10のいずれかに記載の手術器具と、
切断平面を画定する切断スロットを有する切断ブロックと、
を含む、手術器具システム。
(12) 実施態様11に記載の手術器具システムにおいて、
前記切断ブロックは、脛骨切断ブロックである、手術器具システム。
(13) 実施態様11に記載の手術器具システムにおいて、
前記切断ブロックは、大腿骨切断ブロックである、手術器具システム。
(14) 実施態様12に記載の手術器具システムにおいて、
切断平面を画定する切断スロットを有する大腿骨切断ブロック、
をさらに含む、手術器具システム。
(15) 実施態様11〜14のいずれかに記載の手術器具システムにおいて、
前記切断ブロックは、固定穴をさらに含む、手術器具システム。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の第1の実施形態の斜視図を示す。
図2】脛骨切断ブロックと組み合わせて脛骨スタイラスとして機能する、図1に示した器具の側面図を示す。
図3】大腿骨切断ブロックと組み合わせて切断部の平面を可視化するのに使用される、図1の器具の側面図を示す。
図1
図2
図3