(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来のこの種、生体情報測定装置は、センサ装着部に接続した測定部と、この測定部に接続した制御部と、この制御部に接続した表示部とを備えた構成となっていた(例えば特許文献1参照)。
【0003】
従来の生体情報測定装置は、センサ装着部に生体情報測定センサの一例である血糖値センサをセンサ装着部に装着すれば、制御部がアイドル状態からウェークアップし、測定部にて血糖値の測定をすることができる。その後、血糖値センサをセンサ装着部から取り外すのを忘れて一定時間が過ぎると、タイムアウトとみなして制御部をアイドル状態にし、消費電力を抑えていた。
【0004】
しかしながら、このアイドル状態(あるいはスリープ状態)では、アイドル状態から復帰するために、電源から制御部に電源供給がなされており、やはり電力消費が発生する。
【0005】
つまり、従来の生体情報測定装置においては、血糖値の測定後に、センサをセンサ装着部から取り外すのを忘れると、制御部はアイドル状態(あるいはスリープ状態)となるが、このアイドル状態(あるいはスリープ状態)から復帰するために、電源から制御部に電源供給が継続的になされており、やはり電力消費が発生した状態となっている。
【0006】
この状態を今少し説明すると、たとえば、利便性を高めようとして大型の液晶等を設けた時などには電気回路の規模が大きくなってしまうのであるが、この大きな回路規模の電気回路をドライブするため、制御部8にDC−DCコンバータ(図示せず)が設けられることになる。そして、この制御部8のDC−DCコンバータ(図示せず)が、「スリープモード」時において電源供給されると、たとえば100μA〜200μAと大きな電力消費を行ってしまうのであった。
【0007】
そこで本発明は、不用意な電力消費の発生を防止することを目的とする。
【発明の概要】
【0009】
本発明
の生体情報測定装置は、センサ装着部を有する本体ケースと、センサ装着部に接続
された測定部と、この測定部に接続
された制御部と、この制御部に接続
された表示部と、制御部に電源供給する電源と、制御部と電源
との間に介在
する電源スイッチと、センサ装着部に接続
された電源スイッチ駆動回路と、を備え
ている。センサ装着部と電源スイッチ駆動回路の間には、
電源によって駆動される ワンパルス回路
が介在
している。このワンパルス回路の出力で駆動される電源スイッチ駆動回路が、電源スイッチを開閉する。
センサ装着部にセンサが装着された時に、ワンパルス回路が電源スイッチ駆動回路を駆動する出力を出力し、この出力によって電源スイッチ駆動回路は、制御部と電源とが接続されるように電源スイッチを駆動する。
【0010】
これにより、不用意な電力消費の発生を防止することができる。
【0011】
すなわち本発明においては、センサ装着部と電源スイッチ駆動回路の間にワンパルス回路を介在させたものであり、センサ装着部にセンサを装着した時に、ワンパルス回路がワンパルス信号を一度だけ電源スイッチ駆動回路に出力する。このワンパルス信号によって電源スイッチ駆動回路が駆動し、制御部と電源の間に介在させた電源スイッチをオン状態とし、電源から制御部へ電源供給が開始される。
【0012】
このワンパルス信号は、センサをセンサ装着部に装着した時、つまり一度だけ電源スイッチ駆動回路に出力される。このため、このワンパルス信号の出力後は、センサの装着状態が、電源スイッチ駆動回路に影響を与えることはない。
【0013】
したがって、血糖値の測定後に、センサをセンサ装着部から取り外すのを忘れた場合であっても、電源スイッチ駆動回路が、独自に電源スイッチをオフ状態とすることができる。これにより、電源から制御部への電源供給は完全に遮断される。つまり、従来のスリープモードのように制御部のDC−DCコンバータに電源供給が継続されることはない。
【0014】
この結果として、電源から制御部に電源供給がなされることはなく、不用意な電力消費の発生を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下本発明の第1の実施の形態における生体情報測定装置について、添付図面を用いて説明する。
【0017】
(第1の実施の形態)
図1に示すように、本体ケース1の前方には、例えば生体情報測定センサの一例である血糖値センサを代表とするセンサ2の電極部3を挿入するセンサ装着部4が設けられている。また、本体ケース1の上面には、電源ボタン5と表示部6が設けられている。
【0018】
図2は、第1の実施の形態における生体情報測定装置の制御ブロック図を示している。センサ装着部4には測定部7が接続され、この測定部7は制御部8に接続されている。また、制御部8には、表示部6と電源遮断タイマー回路9が接続されている。
【0019】
さらに、制御部8内には電源イネーブル部10を設け、この電源イネーブル部10を電源スイッチ駆動回路11に接続している。また、センサ装着部4と電源スイッチ駆動回路11は、ワンパルス回路12を介して接続されている。
【0020】
センサ装着部4および電源ボタン5は、電源の一例として充電式の電池からなる電源13に接続しており、この電源13により、使用者が本体ケース1を携帯して持ち運ぶことができる。なお、電源13には、充電式の電池(いわゆる二次電池)を用いたが、ボタン電池あるいは乾電池のような一次電池を用いても良い。
【0021】
また、電源13と電源スイッチ駆動回路11とは、電源ボタン5を介して接続されている。さらに、制御部8と制御部8に電源供給する電源13の間には、その通電回路上に電源スイッチ14を介在させている。
【0022】
すなわち、電源スイッチ駆動回路11は、電源ボタン5とワンパルス回路12のいずれか一方を介しての入力があれば駆動され、電源スイッチ14を開閉する構成となっている。この駆動動作については、後で詳細に説明する。
【0023】
図3Aは、第1の実施の形態における生体情報測定装置のワンパルス回路12を含む要部の電気回路図である。
【0024】
図3Aに示すように、センサ装着部4とアース間には、抵抗15が接続されている。また、センサ装着部4には、抵抗16を介して、インバータ17の入力側が接続されている。抵抗16とインバータ17の入力側の間には、コンデンサ18が接続されアースに接続されている。そして、コンデンサ18と抵抗16により、ワンパルスタイマー回路19が構成されている。
【0025】
さらに、抵抗15と抵抗16の間には、スイッチ20を介して、
図2の電源スイッチ駆動回路11が接続されている。
【0026】
また、電源13は、電源供給のためにインバータ17に接続されている。さらに、インバータ17の出力側には、スイッチ21が接続され、このスイッチ21の一方の端子は、アースに接続され、他方の端子は抵抗22を介して抵抗15と抵抗16の間に接続されている。
【0027】
また、抵抗22とスイッチ21間は、スイッチ20を駆動すべく、このスイッチ20に接続されている。
【0028】
以上の構成において、
図2の制御部8を駆動するためには、
図2に示すように、電源ボタン5を押して電源スイッチ駆動回路11を駆動し、それによって電源スイッチ14を閉成し、これによって制御部8を駆動する。以降は、制御部8の電源イネーブル部10によって電源スイッチ駆動回路11を継続的に駆動することとなる。このため、電源スイッチ駆動回路11により、電源スイッチ14の閉成状態が維持され、電源13から制御部8への電源供給が継続される。
【0029】
本実施の形態においては、このように電源ボタン5を押す以外にも、センサ装着部4にセンサ2を装着すれば、電源13から制御部8への電源供給がなされるものとなっている。以下に詳細に説明する。
【0030】
まず、センサ装着部4にセンサ2を装着すれば(
図5のステップS1)、その電極部3を介して、センサ装着部4に設けたセンサ検出スイッチ4aが短絡される。そして、この短絡を検知したワンパルス回路12によりワンパルス信号が
図4に示すように、一度だけ出力され、このワンパルス信号が電源スイッチ駆動回路11を駆動する。
【0031】
図3A、
図3Bを用いて具体的に説明する。ワンパルス回路12によりワンパルス信号が出力された時には、ワンパルス回路12の抵抗15によって得られた電圧は、
図3Bに示すAの波形のように、スイッチ20を介して、電源スイッチ駆動回路11に出力される。これによって電源スイッチ駆動回路11は駆動され、上述した電源ボタン5のオンの時と同様に電源スイッチ14を閉成し、この電源スイッチ14を介して電源13から制御部8に電源を供給する。その後、電源スイッチ駆動回路11は、制御部8の電源イネーブル部10により、その駆動状態を維持することとなる。
【0032】
つまり、電源スイッチ駆動回路11は、電源ボタン5とワンパルス回路12のいずれか一方を介しての入力があれば駆動されるOR回路で構成されている。
【0033】
この状態において、コンデンサ18の電位は、
図3BのBのごとく、徐々に上昇し、インバータ17で設定した電圧を超えると、このインバータ17の出力は
図3BのCのごとく遮断されることとなる。すると、スイッチ21が開放され、これに伴ってスイッチ21と抵抗22の間の電圧は
図3BのDのごとく上昇し、その結果、スイッチ20はオフの状態となる。つまり、ワンパルス回路12の出力は、
図3BのEのごとく、センサ装着部4にセンサ2を装着してから、ワンパルスタイマー回路19が動作する間だけオン状態となるワンパルス的なものとなる(
図5のステップS2)。
【0034】
しかしながら、このようなワンパルス的な入力であっても制御部8が駆動された時には、この制御部8の電源イネーブル部10が働くことにより、電源スイッチ駆動回路11はオン状態を維持することができるものとなる(
図5のステップS3)。
【0035】
図4は、本実施の形態における生体情報測定装置の要部における動作説明図であり、センサ2をセンサ装着部4に装着した状態から、電源13が自動的に遮断されるまでを説明する。
【0036】
なお、
図4では、センサ装着部4にセンサ2が挿入され、そのまま装着し続けた状態を示している。
【0037】
この時、上述したワンパルス回路12の出力がなされると(
図3BのE)、制御部8の電源イネーブル部10は継続的にオン状態となる。
【0038】
この状態で、
図1に示すセンサ2の点着部23に血液を点着すれば(
図5のステップS4)、測定部7によって例えば血糖値が測定され(
図5のステップS5)、その値が表示部6に表示される(
図5のステップS6)。
【0039】
本実施の形態においては、例えば血糖値の測定後には、制御部8からの信号を受けて電源遮断タイマー回路9が動作を開始する。そして、たとえセンサ装着部4にセンサ2を装着し続けていたとしても、電源遮断タイマー回路9の所定のタイマー時間T(たとえば5分から10分)が経過すれば、制御部8の電源イネーブル部10が電源スイッチ駆動回路11への信号をオフの状態とする。このため、OR回路で構成された電源スイッチ駆動回路11の出力はオフ状態となる(
図5のステップS7〜ステップS10)。
【0040】
すなわち、この電源スイッチ駆動回路11の出力は、上述のごとく、電源ボタン5がオンされた時以外に、センサ装着部4にセンサ2が装着された時にもオン状態となる。なお、電源ボタン5は、オン操作した時のみに電源スイッチ駆動回路11の出力がオン状態となる。
【0041】
そして、電源ボタン5と同様に、センサ装着部4にセンサ2が装着された時には、ワンパルス回路12は、センサ装着部4にセンサ2を装着した時にのみ
図3BのEのごとくオン状態となるものであり、以降は、制御部8の電源イネーブル部10によって、電源スイッチ駆動回路11の出力がオン状態を維持する。
【0042】
したがって、電源遮断タイマー回路9の所定のタイマー時間T(たとえば5分から10分)が経過すれば、上述のごとく、制御部8の電源イネーブル部10が電源スイッチ駆動回路11への信号をオフの状態とする。このため、OR回路で構成された電源スイッチ駆動回路11の出力は、
図4のごとく、オフ状態となる。すると、電源スイッチ14が開かれてオフの状態となり、電源13から制御部8への電源供給を完全に遮断することとなる。
【0043】
その結果として、たとえセンサ装着部4にセンサ2を装着し続けた状態にしていても、電源13から制御部8に電源供給がなされることはなく、不用意な電力消費を防止することができるものとなる。
【0044】
本実施の形態における生体情報測定装置おいては、上述したように、センサ装着部4にセンサ2が装着された時には、ワンパルス回路12は、センサ装着部4にセンサ2を装着した時にのみ
図3BのEようにオン状態となり、電源スイッチ駆動回路11がオン状態となる。以降は、制御部8の電源イネーブル部10によって、電源スイッチ駆動回路11のオン状態が維持される。
【0045】
つまり、ワンパルス回路12のワンパルス信号は、センサ2をセンサ装着部4に装着した時、一度だけ電源スイッチ駆動回路11に出力される。このため、この出力後は、センサ2の装着状態が、電源スイッチ駆動回路11に影響を与えることはない。
【0046】
したがって、血糖値を含む生体情報の測定後に、たとえセンサ装着部4にセンサ2を装着し続けた状態としても、電源遮断タイマー回路9の所定のタイマー時間T(たとえば5分から10分)が経過すれば、制御部8の電源イネーブル部10が電源スイッチ駆動回路11への信号をオフの状態とする。このため、OR回路で構成された電源スイッチ駆動回路11の出力は、
図4のごとく、オフ状態となる。すると、電源スイッチ14が開かれてオフの状態となる。
【0047】
これにより、電源13から制御部8への電源供給を完全に遮断することができる。つまり、制御部8のDC−DCコンバータ(図示せず)に電源供給がされることはない。
【0048】
この結果として、電源から制御部に電源供給がなされることはなく、不用意な電力消費の発生を防止することができるのである。
【0049】
したがって、本実施の形態のように、充電式の電池からなる電源13により使用者が本体ケース1を携帯して持ち運ぶことができる機器においては、充電式の電池からなる電源13が長持ちすることとなり非常に有効なものとなる。
【0050】
なお、本実施の形態においては、制御部8内に電源イネーブル部10を設け、この電源イネーブル部10を電源スイッチ駆動回路11に接続する構成としたが、制御部8の外部に電源イネーブル部10を設けた構成としても良い。
【0051】
より具体的には、制御部8と電源スイッチ駆動回路11の間に、電源イネーブル部10を設けた構成(図示せず)としても良い。この構成では、制御部8が電源イネーブル部10を用いて電源スイッチ駆動回路11を駆動することとなる。
【0052】
以上説明したごとく、本実施の形態においては、センサ装着部4と電源スイッチ駆動回路11の間にワンパルス回路12を介在させたものであり、センサ装着部4にセンサ2を装着した時に、ワンパルス回路12がワンパルス信号を一度だけ電源スイッチ駆動回路11に出力する。このワンパルス信号によって電源スイッチ駆動回路11が駆動し、制御部8と電源13の間に介在させた電源スイッチ14をオン状態とし、電源13から制御部8へ電源供給が開始される。
【0053】
このワンパルス信号は、センサ2をセンサ装着部4に装着した時、つまり一度だけ電源スイッチ駆動回路に出力される。このため、このワンパルス信号の出力後は、センサ2の装着状態が、電源スイッチ駆動回路11に影響を与えることはない。
【0054】
したがって、血糖値の測定後に、センサ2をセンサ装着部4から取り外すのを忘れた場合であっても、電源スイッチ駆動回路11が、独自に電源スイッチ14をオフ状態とすることができる。これにより、電源13から制御部8への電源供給は完全に遮断される。つまり、従来のスリープモードのように制御部のDC−DCコンバータ(図示せず)に電源供給が継続されることはない。
【0055】
この結果として、電源13から制御部8に電源供給がなされることはなく、不用意な電力消費の発生を防止することができる。