(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5697753
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】TDM装置内共存干渉回避の方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04W 16/14 20090101AFI20150319BHJP
H04W 72/12 20090101ALI20150319BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20150319BHJP
【FI】
H04W16/14
H04W72/12
H04W88/06
【請求項の数】17
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-530554(P2013-530554)
(86)(22)【出願日】2011年9月30日
(65)【公表番号】特表2013-543686(P2013-543686A)
(43)【公表日】2013年12月5日
(86)【国際出願番号】CN2011080479
(87)【国際公開番号】WO2012041255
(87)【国際公開日】20120405
【審査請求日】2013年4月1日
(31)【優先権主張番号】13/200,775
(32)【優先日】2011年9月29日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/388,687
(32)【優先日】2010年10月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510122658
【氏名又は名称】メディアテック シンガポール ピーティーイー エルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】とこしえ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】リン,クン−チェン
(72)【発明者】
【氏名】フ,イ−カン
(72)【発明者】
【氏名】スー,ヨーク−テドゥ
【審査官】
田畑 利幸
(56)【参考文献】
【文献】
特表2009−540632(JP,A)
【文献】
特表2011−523521(JP,A)
【文献】
特表2009−512244(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 16/14
H04W 72/12
H04W 88/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信装置において、第一無線モジュールにより、前記第一無線モジュールと共同設置される第二無線モジュールのトラフィックまたはスケジューリング情報を得る工程と、
前記トラフィックまたはスケジューリング情報に基づいて、前記第一無線モジュールの望ましい時分割多重化パターン(以下、TDMパターンと称す)を決定して、前記第二無線モジュールとの装置内共存(IDC)干渉を軽減する工程と、
前記望ましいTDMパターンに基づいて、共存パターン情報を基地局に伝送する工程と、
を含み、
前記共存パターン情報は、一組の推奨される不連続受信 (以下、DRXと称す)設定パラメータ、及び、DRXサイクル開始点と前記第二無線モジュールの入力信号との間の時間オフセットを含む
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記共存パターン情報は、推奨されるTDMパターン周期性およびスケジューリング期間を含むことを特徴する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
長いDRX周期は128ms または 64msであり、
前記第二無線モジュールは、102.4ms または 102.4msの複数倍のWiFiビーコン信号周期性を有するWiFi無線モジュールである
ことを特徴する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
onDurationTimerは十分に小さく、前記第一および前記第二無線モジュール間の衝突確率がスレショルド値より低いことを特徴する請求項1に記載の方法。
【請求項5】
IDC干渉インジケータを前記基地局に伝送し、各DRXサイクル中のON期間のフレキシブル拡張が制限されて、前記第一および前記第二無線モジュール間の衝突確率を減少させる工程をさらに含むことを特徴する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
IDC干渉測定結果に基づいて、IDC干渉軽減メカニズムをトリガーし、前記IDC干渉軽減メカニズムがトリガーされる時、前記共存パターン情報が前記基地局に伝送される工程をさらに含むことを特徴する請求項1に記載の方法。
【請求項7】
無線通信装置であって、
第一無線モジュールと共同設置される第二無線モジュールのトラフィックまたはスケジューリング情報を得る第一無線モジュールと、
前記トラフィックまたはスケジューリング情報に基づいて、前記第一無線モジュールの望ましい時分割多重化パターン(以下、TDMパターンと称す)を決定し、前記第二無線モジュールとの装置内共存(IDC)干渉を軽減する制御エンティティと、
前記望ましいTDMパターンに基づいて、共存パターン情報を基地局に伝送するトランスミッタと、を含み、
前記共存パターン情報は、一組の推奨される不連続受信 (以下、DRXと称す)設定パラメータ、及び、DRXサイクル開始点と前記第二無線モジュールの入力信号との間の時間オフセットを含む
ことを特徴とする装置。
【請求項8】
前記共存パターン情報は、推奨されるTDMパターン周期性およびスケジューリング期間を含むことを特徴する請求項7に記載の装置。
【請求項9】
長いDRX周期は128ms または 64msであり、
前記第二無線モジュールは、102.4ms または102.4msの複数倍のWiFiビーコン信号周期性を有するWiFi無線モジュールである
ことを特徴する請求項7に記載の装置。
【請求項10】
onDurationTimerが十分に小さく、前記第一および前記第二無線モジュール間の衝突確率がスレショルド値より小さいことを特徴する請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記装置はIDC干渉インジケータを前記基地局に伝送して、各DRXサイクル中のON期間のフレキシブル拡張が制限されて、前記第一および前記第二無線モジュール間の衝突確率を減少させることを特徴する請求項7に記載の装置。
【請求項12】
前記装置は、IDC干渉測定結果に基づいて、IDC干渉軽減メカニズムをトリガーし、前記IDC干渉軽減メカニズムがトリガーされる時、前記共存パターン情報が前記基地局に伝送されることを特徴する請求項7に記載の装置。
【請求項13】
ロングタームエボリューション (LTE)3GPP無線システムにおいて、第二無線モジュールと同じデバイスプラットフォームに共同設置されている第一LTE無線モジュールから、時分割多重化 (以下、TDMと称す)共存パターン情報を受信し、
前記TDM共存パターン情報に基づいて、前記第一無線モジュールの一組の不連続受信 (DRX)設定パラメータを決定し、前記第一LTE無線モジュールおよび前記第二無線モジュール間の装置内共存(IDC)干渉を軽減し、
前記TDM共存パターン情報は、一組の推奨される不連続受信 (以下、DRXと称す)設定パラメータ、及び、DRXサイクル開始点と前記第二無線モジュールの入力信号との間の時間オフセットを含む
ことを特徴とする方法。
【請求項14】
前記TDM共存パターン情報は、推奨されるTDMパターン周期性およびスケジューリング期間を含むことを特徴する請求項13に記載の方法。
【請求項15】
長いDRX周期が 128ms または 64msになるように配置され、
前記第二無線モジュールは、102.4ms または102.4msの複数倍のWiFiビーコン信号周期性を有するWiFi無線モジュールである
ことを特徴する請求項13に記載の方法。
【請求項16】
onDurationTimerが十分に小さくなるように配置されて、前記第一および前記第二無線モジュール間の衝突確率がスレショルド値より低いことを特徴する請求項13に記載の方法。
【請求項17】
IDC干渉指示を受信する工程と、
各DRXサイクル中のON期間のフレキシブル拡張を制限して、前記第一および前記第二無線モジュール間の衝突確率を減少させる工程と、
を含むことを特徴する請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2010年10月1日に出願された“Method of TDM In-Device Coexistence Interference Avoidance,”と題された米国特許仮出願番号第61/388687号から、合衆国法典第35編第119条の下、優先権を主張するものであり、その内容は引用によって本願に援用される。
【0002】
本発明は、無線ネットワーク通信に関するものであって、特に、装置内共存(IDC:in-device coexistence)干渉回避のTDM方策に関するものである。
【背景技術】
【0003】
今日、ユビキタスネットワークアクセスはほぼ実現している。ネットワークインフラの観点から、異なるネットワークは、異なる層(たとえば、分布層、セルラー層、ホットスポット層、パーソナルネットワーク層および固定/線路層)に属し、層は、異なるレベルのサービスエリアと接続性をユーザーに提供する。特定ネットワークのサービスエリアはどこでも利用できるものではなく、および、異なるネットワークは異なるサービスに最適化されるので、ユーザー装置が、同じデバイスプラットフォーム上の多重無線アクセスネットワークをサポートすることが望まれる。無線通信の需要が不断に増大するにつれて、無線通信装置、たとえば、携帯電話、PDA、スマート携帯端末、ラップトップコンピュータタブレットコンピュータ等が、ますます、複数の無線トランシーバを備えるようになっている。多重無線端子(MRT:Multiple Radio Terminal)は同時に、ロングタームエボリューション (LTE)またはLTE-アドバンスト (LTE-A)無線、無線LAN (WLAN、たとえば、WiFi)アクセス無線、ブルートゥース (BT)無線および全地球的航法衛星システム (GNSS)無線を含む。
【0004】
スペクトル規則のため、異なる技術は、重複または隣接する電波スペクトルで操作する。たとえば、LTE/LTE−AのTDDモードは、通常、2.3-2.4GHzで操作し、WiFiは、通常、2.400-2.483.5GHzで操作し、BTは、通常、2.402-2.480GHzで操作する。よって、同じ物理的デバイス上に共同設置される多重無線の同時操作は、重複または隣接する電波スペクトルのため、それらの間で顕著な共存干渉を含んだ著しい低下を受ける。物理的近接と無線電力漏洩のため、時間ドメインで、第一無線トランシーバの信号の伝送が、第二無線トランシーバの信号の受信と重複する時、第二無線トランシーバ受信は、第一無線トランシーバ送信からの干渉を受ける。同様に、第二無線トランシーバの信号伝送は、第一無線トランシーバの信号受信に干渉する。
【0005】
図1 (従来の技術)は、LTEトランシーバと共同設置されるWiFi/BTトランシーバおよびGNSSレシーバ間の干渉を示す図である。
図1の例において、ユーザー装置 (UE)10は、同じデバイスプラットフォーム上に共同設置されるLTEトランシーバ11、GNSSレシーバ12およびBT/WiFiトランシーバ13を含むMRTである。LTEトランシーバ11は、アンテナ #1に結合されるLTEベースバンドモジュールとLTE RFモジュールを含む。GNSSレシーバ12は、アンテナ #2に結合されるGNSS ベースバンドモジュールおよびGNSS RFモジュールを含む。BT/WiFiトランシーバ13は、アンテナ #3に結合されるBT/WiFiベースバンドモジュールおよびBT/WiFi RFモジュールを含む。LTEトランシーバ11が無線信号を伝送する時、GNSSレシーバ12およびBT/WiFiトランシーバ13両方は、LTEからの共存干渉を受ける。同様に、BT/WiFiトランシーバ13が無線信号を伝送する時、GNSSレシーバ12およびLTEトランシーバ11両方は、BT/WiFiからの共存干渉を受ける。UE10が、どのように、異なるトランシーバにより、同時に、多重ネットワークと通信し、共存干渉を回避/減少させるかが課題である。
【0006】
図2 (従来の技術)は、2個の共同設置されたRFトランシーバからの無線信号の信号電力を示す図である。
図2の例において、トランシーバAとトランシーバBは、同じデバイスプラットフォーム (即ち、装置内)に共に設置される。周波数ドメイン中、トランシーバA (たとえば、ISM CH1中のWiFi TX)による伝送(TX)信号は、トランシーバBの受信(RX)信号(たとえば、Band 40中のLTE RX)に非常に接近する。トランシーバAの不完全TXフィルターとRF設計による帯域外(OOB)発射とスプリアス発射はトランシーバBに受け入れられない。たとえば、トランシーバAによるTX信号電力レベル(たとえば、フィルタリング前60dB より高い)は、フィルタリング後(たとえば、50dB 抑制後)でも、トランシーバBのRX信号電力レベルより高い。
【0007】
不完全なTXフィルターとRF設計に加え、不完全RXフィルターとRF設計も受け入れられない装置内共存干渉を生じる。たとえば、あるRFコンポーネンツは、別の装置内トランシーバからの、完全にはフィルタリングできない伝送電力によって、飽和するため、、その結果として、低雑音増幅器 (LNA)の飽和が生じ、アナログデジタルコンバータ (ADC)が正常に機能しなくなる。TXチャネルとRXチャネル間の周波数分離がいくらであっても、実際には、このような問題が存在する。これは、あるレベルのTX電力 (たとえば、調和TX信号から) がRX RF前端に結合され、そのLNAを飽和させるからである。レシーバ設計がこのような共存干渉を考慮しない場合、LNAは全く適応せず、共存干渉が排除されるまで飽和状態が維持される (たとえば、干渉源をオフにすることにより)。
【0008】
既に、各種装置内の共存(IDC)干渉回避の方策が提案されている。たとえば、UEは、周波数分割多重化 (FDM)、時分割多重化 (TDM)および/または電源管理原理により、ネットワーク補助を要求し、IDC干渉を防止する。TDM方策の主要な関心事は、eNBスケジューラの複雑性の大小、UEがどのようにeNBの適当なギャップを生成するのを助けるか、UEがどのようにeNBにより生成されるギャップを利用するか、どのくらいのパフォーマンス改善が達成されるか、及び現存のLTE/LTE−A標準仕様へのどのようなに影響するか、である。可能なTDM方策は、DRX/DTX、測定、SPS、MBMS、PDCCHによるスケジューリングおよび新しいプロトコルを含む。よって、さらに精確にTX/RXギャップを生成することができ、現存の設計と実施に対する影響が少ないTDM方策を見つけることが望まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
TDM装置内共存 (IDC)干渉回避の方法及び装置が提案される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
無線通信装置において、第一無線モジュールは、同じデバイスプラットフォームで、第二無線モジュールと共同設置される。第一無線モジュールは、第二無線モジュールのトラフィックおよびスケジューリング情報を得る。その後、第一無線モジュールは、トラフィックおよびスケジューリング情報に基づいて、望ましいTDMパターンを決定し、第二無線モジュールとのIDC干渉を防止する。第一無線モジュールは、望ましいTDMパターンに基づいて、TDM共存パターン情報も基地局 (eNB)に伝送する。一具体例において、TDM共存パターン情報は、推奨されるTDMパターン周期性およびスケジューリング期間を含み、IDC干渉可能性の制限レベルを満足させる条件下で、IDC効率を最大化する。
【0011】
TDM共存パターン情報は、3GPPロングタームエボリューション (LTE)基準で定義される一組の不連続受信 (DRX)設定パラメータを含む。第二無線モジュールが102.4msのWiFiビーコン信号周期性を有するWiFi無線である場合、eNBは、128msまたは64msに等しい長いDRX周期を有するDRX操作を配置し、OnDurationTimerは十分に小さく、第一および第二無線モジュール間の衝突確率は、スレショルド値より低い。IDC干渉指示受信時、eNBは、各DRX周期で、ON期間のあるフレキシブル拡張を制限し、さらに、衝突確率を減少させる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】LTEトランシーバと共同設置されるWiFi/BTトランシーバおよびGNSSレシーバ間の干渉を示す図である。
【
図2】同じデバイスプラットフォーム中、2個の共同設置されたRFトランシーバからの無線信号の信号電力を説明する図である。
【
図3】本実施形態に係る無線通信システムにおいて、複数の無線トランシーバを有するユーザー装置を示す図である。
【
図4】中央制御エンティティを有する無線装置簡略化したブロック図である。
【
図5】本実施形態に係るIDC干渉回避のTDM方策の一具体例を示す図である。
【
図6】基本DRX周期および対応するDRX設定パラメータを示す図である。
【
図7】異なるDRX設定パラメータを有するLTE DRXトラフィックパターンの例を示す図である。
【
図8】共存問題のLTEシステムおよびISMターゲットシステムのトラフィックパターンおよびスケジューリングパラメータを示す図である。
【
図9】WiFiビーコンと共存する各種LTE DRX配置の例を示す図である。
【
図10】異なるDRX設定パラメータ下の衝突の可能性対共存効率のシミュレーションを示す図である。
【
図11】現存するDRXプロトコルへの可能な修正を示す図である。
【
図12】本実施形態に係るUE観点からのIDC干渉回避のTDM方策の方法のフローチャートである。
【
図13】本実施形態に係るeNB観点からのIDC干渉回避のTDM方策の方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図3は、好ましい態様による無線通信システム30において、複数の無線トランシーバを有するユーザー装置UE31を示す図である。無線通信システム30は、ユーザー装置UE31、サービング基地局 (たとえば、evolved node-B)eNB32、WiFiアクセスポイント(WiFi AP)33、ブルートゥース装置(BT)34およびグローバルポジショニングシステム衛星装置(GPS)35を含む。無線通信システム30は、異なる無線アクセス技術により、各種ネットワークアクセスサービスをUE31に提供する。たとえば、eNB32はOFDMA-ベースのセル無線ネットワーク(たとえば、3GPPロングタームエボリューション (LTE)またはLTE-アドバンスト (LTE-A)システム) アクセスを提供し、WiFi AP33は、無線LAN (WLAN)アクセスにおいて、ローカルサービスエリアを提供し、BT34は短距離パーソナル通信ネットワークを提供し、GPS35は、全地球的航法衛星システム (GNSS)の一部として、グローバルアクセスを提供する。各種無線ネットワークにアクセスするため、UE31は、多重無線端子(MRT)で、MRTは、同じデバイスプラットフォーム (即ち、装置内)に共存/共同設置される複数の無線を備えている。
【0014】
スペクトル規則のため、異なる無線アクセス技術は、重複または隣接する電波スペクトルで操作する。
図3に示されるように、UE31とeNB32は無線信号36により通信し、UE31とWiFi AP33は無線信号37により通信し、UE31とBT34は無線信号38により通信し、GPS35から無線信号39を受信する。無線信号36は3GPPバンド40に属し、無線信号37はWiFiチャネルのひとつに属し、無線信号38は79個のブルートゥースチャネルのひとつに属する。それら全ての無線信号の周波数は2.3GHz から 2.5GHzの間で、これは互いの間で明らかな装置内共存(IDC)干渉を生じる。この問題は、2.4GHz ISM (工業、化学および医学的)無線周波数バンド周辺でさらにひどくなる。各種IDC干渉回避方策が提案されている。本実施形態において、UE31は、IDC干渉回避のために、特定の時分割多重化 (TDM)-ベースの方策を引き起こしている。TDM-ベースの方策は、内部装置協調、たとえば、UE31内で多重無線と通信する中央制御エンティティを必要とする。
【0015】
図4は、IDC干渉回避のTDM方策を促進する中央制御エンティティを有する無線デバイス41を簡略化したブロック図である。無線デバイス41は、メモリ43、プロセッサ44、中央制御エンティティ45、LTEトランシーバ46、GPSレシーバ47、WiFiトランシーバ48、ブルートゥーストランシーバ49およびバス101を含む。
図4の例において、中央制御エンティティ45は、実質上、LTEトランシーバ46内で実施される論理要素である。または、中央制御エンティティ45は、実質上、プロセッサ内で実施される論理要素で、プロセッサは、実質上、WiFiトランシーバ48、BTトランシーバ49内に位置する、または、プロセッサは、デバイス41の装置応用過程に用いられるプロセッサ44である。中央制御エンティティ45は、デバイス41中の各種トランシーバに接続され、バス101により、各種トランシーバと通信する。
【0016】
たとえば、WiFiトランシーバ48は、WiFi信号情報および/またはWiFiトラフィックおよびスケジューリング情報を中央制御エンティティ45に伝送する (たとえば、点線102で示される)。受信されたWiFi情報に基づいて、中央制御エンティティ45は制御情報を決定して、制御情報をLTEトランシーバ46に伝送する (たとえば、点線103で示される)。一具体例において、LTEトランシーバ46は、制御エンティティ45により、WiFiアクティビティを獲得し、LTEとWiFi間のIDC干渉を検出する。LTEトランシーバ46は、IDC干渉回避のTDM方策を引き出し、そのサービング基地局eNB42と通信して、推奨されるTDM共存パターンを指示する (たとえば、点線104で示される)。TDM共存パターン情報に基づいて、eNB42は、デバイス41に、最も適当なTDM方策を決定し、LTEとWiFi間のIDC干渉を効果的に防止する。
【0017】
図5は、好ましい態様による無線ネットワーク50において、IDC干渉回避のTDM方策の一例を示す図である。無線ネットワーク50は、eNB51、WiFi AP52およびUE53を含む。UE53は、LTE無線モジュール (たとえば、トランシーバ)54、ISM BT/WiFi無線モジュール (たとえば、トランシーバ)55および中央制御エンティティ56を含む。本実施形態において、制御エンティティ56は、BT/WiFiトランシーバ55から、ISM TX/RXアクティビティを取得し(工程1)、ISM TX/RXタイミング情報をLTEトランシーバ54に通知する (工程2)。ISM TX/RXタイミング情報に基づいて、LTE無線モジュール54はIDC干渉回避メカニズムをトリガーし、推奨される共存パターンをeNB51に指示する(工程3)。このとき、LTE無線モジュール54は、ISMトラフィックおよびスケジューリング情報をeNB51に報告して、さらに、IDC配置を補助する。受信された共存パターン情報に基づいて、eNB51は、UE53に、最も適当なTDM方策を決定し、IDC干渉を防止する (工程4)。ある特定の具体例において、eNB51は、一組のDRXパラメータを配置することにより、UE53を配置して、不連続受信 (DRX)操作を実行し、DRX操作は、UE53のON/OFF周期とTX/RXアクティビティを制御する。
【0018】
図6は、基本DRX周期および対応するDRX設定パラメータを示す図である。基本DRX周期は、ON期間 (たとえば、時に、スケジューリング期間と称される)およびOpportunity for DRX 期間をもつ。RRC_CONNECTEDモードにおいて、DRX操作がUEに配置される場合、UEは、DRX操作を用いることにより、不連続で、物理ダウンリンク制御チャネル (PDCCH)を監視することが許可される。一般に、UEは、ON期間中、PDCCHを監視し、Opportunity for DRX 期間中、PDCCHの監視を停止する。あるDRX配置下で、DRX周期長および On 期間は固定で、ON期間から開始するアクティブ期間 (即ち、UEが可能なRXとTXにアクティブな時の期間)は延長可能で、アクティブ期間は、Opportunity for DRX Duration期間で発生する。DRX周期は、onDurationTimer、DRXInactivityTimer、DRXRetransmissionTimer、長いDRX周期、DRXStartOffsetの値、および、任意で、DRXShortCycleTimerおよび shortDRXCycleを配置することにより、無線リソース制御 (RRC)層メッセージングにより制御される。
【0019】
DRX周期が配置される時、各DRX周期中の活動期間は、配置されたDRXパラメータに基づいて変化する。以下の4種の状況に基づいて、アクティブ期間はON期間から延長することができる。まず、アクティブ期間は、onDurationTimerまたは DRXInactivityTimerまたは macContentionResolutionTimerが運行する時間を含む。第二に、アクティブ期間は、スケジューリング要求(Scheduling Request)がPUCCHで伝送され、かつ、スケジューリング要求は保留中(pending)である時間を、含む。第三に、アクティブ期間は、保留中のHARQ再伝送のアップリンクグラントが発生し、対応するHARQバッファにデータがある時間、を含む。第四に、アクティブ期間は、UEにより選択されない序文のランダムアクセス応答の受信成功後、UEのC-RNTIにアドレスする新しい伝送を示すPDCCHがまだ受信されない時間を含む。上述の四種の状況のどれかが満たされる場合、アクティブ期間はON期間から延長される。
【0020】
図7は、異なるDRX設定パラメータを有するLTE DRXトラフィックパターンを示す図である。
図7の例において、3種のDRXトラフィックパターンは全て、128msに等しい長いDRX周期を有する。しかし、異なるDRX配置下で、onDuration パラメータは異なる。DRX CONFIG#1下で、トラフィックパターン (7A)は100msのonDurationTimerを有し、且つ、10msに設置されるDRXInactivityTimerを有する。DRX CONFIG#2下で、トラフィックパターン (7B) は80msのonDurationTimerを有し、且つ、20msに設置されるDRXInactivityTimerを有する。DRX CONFIG#3下で、トラフィックパターン (7C)は60msのonDurationTimerを有し、且つ、40ms に設置されるDRXInactivityTimerを有する。ここから分かるように、DRXデューティサイクルが同じでも、異なる onDurationTimerを有するUEは、異なるON期間を有する。さらに、DRXInactivityTimerは、UEがアクティブ期間で留まるように維持し、同等にON期間に延長する (即ち、Opportunity for DRXDuration期間で発生する)。これにより、DRXプロトコルは、配置におけるよいフレキシビリティをサポートし、異なるパラメータ値は、時間ドメイン上の各種ギャップパターンにつなげることができる。その結果、DRXプロトコルは、IDC干渉回避のよいTDM方策となる。
【0021】
共存システムに用いるTDM方策の原理は、eNBに最大スケジューリングフレキシビリティを有させると共に、LTEおよびISMトラフィック間の時間重複を減少させることにより、共存干渉を回避することである。これにより、一例において、TDM方策下、共存システムの一般的目的関数は:
【数1】
【0022】
関数(1)において、
Coexistence Efficiency (CE) = (eNBがLTE TX/RXのリソースを承諾できる期間)/ (観察時間)
Probability to Collide (PC) = [(“ISMトランシーバがRX/TXできる”または“GNSSレシーバがRXできる”時)、eNBがLTE TX/RXのリソースを承諾する期間+ 拡張因子] / (観察時間)
PC_REQ = PCの所定のスレショルド値を示す
【0023】
共存効率 (CE)は、eNBスケジューリングフレキシビリティと関連する。高いCEは、eNBがさらに多くの時間を有し、出来る限り、UEとのデータ送受信をスケジュールすることを意味する。Probability to collide (PC)は、共存干渉が発生する可能性のレベルを意味する。実際の衝突確率は、さらに、eNBがDL/UL承諾をスケジュールする可能性、および、ISMシステムがUL/DL承諾をスケジュールする可能性、または、GNSSシステムがDL受信を実行する可能性を考慮する。LTEサブフレーム境界は、100%、ISMまたはGNSSシステムと照準しないので、この問題が、整数プログラミング(integer-programming)問題に転換することで、衝突の余分な確率が増加する。このとき、拡張因子がこの例に導入されて、DRX境界状況の変化を捕捉し、拡張因子は整数値で、よって、さらに、衝突の可能性を増加させる。
【0024】
LTEの観点から、共存システムの一般的目的は、共存干渉の可能性 (たとえば、PCの関数)を、所定のスレショルド PC_REQより小さく制限する時に、eNBスケジューリングフレキシビリティ (たとえば、CEの関数)を最大化することである。ISMトランシーバまたはGNSSレシーバに関連するトラフィックパターンおよびQoS要求に基づいて、PC_REQ を定義する。一例において、ユーザーにより許可される音声トラフィックの容認できるQoS低下に基づくと、PC_REQ は10% である。別の例において、ISMトランシーバ (たとえば、WiFiビーコンまたはBT初期接続設定)により交換される重要なシステム情報により、PC_REQ は 0% である。
【0025】
図8は、共存問題に用いるLTEシステムおよびISMターゲットシステムのトラフィックパターンおよびスケジューリングパラメータを示す図である。 周期性無線信号がISMターゲットシステム (たとえば、WiFiビーコン)で伝送され、および、DRX操作がLTEシステムで有効であると仮定する。 以下のトラフィックスケジューリングパラメータが
図8に示される:
- Ttarget:ターゲットシステム中で伝送される信号の周期性
- ttransmit(m): 第m回伝送の伝送時間
- TonDuration: eNBにより配置されるonDurationTimer
- TlongDRX-Cycle: eNBにより配置される長いDRX周期
- tDRX Inactivity (n): 第n個のDRXサイクル中、DRXInactivityタイマーにより延長されるonDurationTimer
- Toffset:第一個のDRXサイクル開始点とターゲットシステム中の入力信号間の時間オフセット
【0026】
上述のトラフィックスケジューリングパラメータに基づいて、共存効率 (CE)および衝突の可能性(PC)が計算される。その結果、eNBが正確なターゲットシステムの信号伝送タイミングおよび周期性を知っている前提下で、もっとも適切なDRX設定パラメータがeNBにより決定されて、関数(1)の一般的な目的を満たす。
【0027】
しかし、一般的な目的関数 (1)の実現は困難である。まず、eNBは、通常、ターゲットシステムのトラフィックスケジューリングパラメータを知らないため、最高のDRX設定パラメータを決定することができない。次に、ターゲットシステムのトラフィックスケジューリングパラメータは複雑、且つ、予測不能である。第一の問題を解決するため、eNBは、装置内協調能力を有するUEに依存して、好ましいDRX配置を推薦する必要がある。
図5を参照すると、たとえば、eNB51は、LTE無線モジュール54から伝送される共存パターン情報に依存して、好ましいDRX設定パラメータを決定する。第二の問題を解決するため、たとえば、WiFiビーコン信号のような簡潔な周期トラフィックパターンは、共存問題の潜在的DRXベースの方策を調べるために、開始点として用いられる。
【0028】
図9は、WiFiビーコンと共存する各種LTE DRX配置を示す図である。
図9の例において、WiFiビーコントラフィックパターン (9A)の信号周期性は102.4msで、且つ、WiFiビーコン信号伝送期間は、一般に、3msより小さい。LTE DRX CONFIG#1にとって、トラフィックパターン (9B)の長いDRX周期は128msで、且つ、onDuration = 100msである。LTE DRX CONFIG#2にとって、トラフィックパターン (10C)の長いDRX周期は128msで、且つ、onDuration = 80msである。LTE DRX CONFIG#3にとって、トラフィックパターン (10D) の長いDRX周期は128msで、且つ、onDuration = 60msである。第一LTE DRXサイクル境界が、すでに、WiFiビーコンと照準していると仮定する。 tWiFi_Rx が、WiFiビーコンを受信する時間を示す場合、 tLTE_Tx は、可能なLTE UL TXを有する時間を示し、且つ、 x は長いDRX周期を示し、その後、 得るのは:
【数2】
【数3】
【0029】
関数(1)の一般的目的を満たすため、tLTE_TX が増加する場合、共存効率 (CE)が増加する。一方、tLTE_TX が増加する場合、WiFiビーコンがLTE TXと衝突する可能性 PC も増加する。変化 tLTE_TX が矛盾するパフォーマンスを生じても、最高のトレードオフを見つけることができる。
図9に示されるように、onDurationが60msに減少するとき、WiFiビーコンと可能なLTEトラフィック間のコリジョンが少ない。これにより、どのDRX設定パラメータが最高の方策を提供し、LTEおよびWiFiビーコン間のIDC干渉を回避するかを決定することができる。
【0030】
図10は、異なるDRX設定パラメータ下の衝突の可能性対共存効率のシミュレーションを示す図である。シミュレーションは、eNBがDRXパラメータを配置して、UEに共存干渉回避を実行して、装置内WiFiトランシーバのWiFiビーコンと共存させることを考慮する。WiFiビーコン周期性は102.4ms、WiFiビーコン伝送時間は 1-3msである。制御されるDRXパラメータは、長いDRX周期とonDurationTimerである。DRXInactivityTimer = 1msとし、シミュレーション複雑性を減少させるために、onDurationの最後のサブフレーム中、eNBによりスケジュールされる承諾がない、と仮定する。システムレベルで、さらに、eNBは、WiFiビーコンが共存目標(subject)であることを知り、かつ、eNBは、WiFiビーコン伝送タイミングと周期性であることを知ると仮定する。
【0031】
図10のシミュレーション結果から分かるように、 “衝突の可能性” と“共存効率”間のよりトレードオフは、適当なDRX配置により達成される。さらに特に、長いDRX周期 = 128ms または 64msのDRXパターンは、最高パフォーマンスのトレードオフを生じる。たとえば、長いDRX周期 = 128の場合、onDurationTimerが小さい時、たとえば、共存効率が 0.17より小さい時、衝突の可能性はほぼゼロである。これにより、DRXベースの方策は、装置内共存の干渉回避に対し実行可能なTDM方策である。
【0032】
ある有利な態様において、eNBはON期間のフレキシブル拡張を制限して、衝突確率を減少させる。DRXプロトコルが延長可能なON期間をサポートしても (たとえば、
図6に関する上述の四種の状況)、このような拡張性は衝突確率を増加させる。これは、装置内WiFi無線が、“Opportunity for DRX Duration” 期間で、全トラフィックを配置して、“ON Duration”を回避し、eNBが、それらの四種の状態に基づいて、弾性的に、ON期間を延長する場合、深刻な衝突が発生するからである。よって、少なくともひとつの状況を無効にして (たとえば、DRXInactivityTimerを無効にする)、eNBフレキシビリティを制限し、装置内無線にさらに信頼できる保護を提供することを提案する。注意すべきことは、UEが、共存干渉問題を有することを示す時、それらの状況が無効になり、且つ、これらの状況は、正常な状況に応用されないことである。一例において、IDC干渉が検出され、IDC干渉回避メカニズムがトリガーされる時、UEはIDC干渉インジケータをeNBに伝送する。IDC干渉指示の受信時、eNBはある状況を無効にして、ON期間のフレキシブル拡張を制限する。別の例において、一旦、UEがIDC干渉を検出すると、UEはインジケータをeNBに伝送して、DRX ON期間のフレキシブル拡張を制限する。
【0033】
IDC干渉回避の別の可能なTDM方策は、半永続スケジューリング (SPS)、測定ギャップ、MBMSサブフレーム、PDCCHによるスケジューリングおよび新しいプロトコルを含む。これらの方策と比較すると、DRXがRel-8/9 規格中で可用な現存するプロトコルのひとつで、且つ、DRXは、 RRC_Connected モードとRRC_Idel モード両方に応用可能であるから、DRXは最も期待できる方策である。複数のDRX設定パラメータ値は、各種ギャップパターンを生じ、共存効率を最適化して、衝突の可能性を減少させる。このとき、若干の修正が許可される場合、さらに多くのパラメータまたは現存するパラメータの追加の値が高効率で考慮されるので、DRXが最も理想的な方策である。
【0034】
図11は、現存するDRXプロトコルに対する可能な修正を示す図である。各種トラフィックパターンが、longDRX-CycleStartOffset、onDurationTimer、DRXInactivityTimerおよび shortDRXCycleを一緒に利用することにより生成されて、共存のギャップパターンを配置する。このとき、DRXInactivityTimerは、さらに共存効率を改善するのを手助けする。
図11の例において、DRXトラフィックパターン (11A)はlongDRX-CycleStartOffsetおよびDRXInactivityTimerに基づき、DRXトラフィックパターン (11B)はshortDRXCycleに基づき、DRXトラフィックパターン (11C)は、longDRX-CycleStartOffset、DRXInactivityTimerおよびshortDRXCycleに基づく。
【0035】
図12は、好ましい態様によるUE観点からのIDC干渉回避のTDM方策の方法のフローチャートである。UEは、同じデバイスプラットフォームにおいて、第二無線モジュールと共同設置される第一無線モジュールを含む。ステップS1201において、第一無線モジュールは、第二無線モジュールのトラフィックまたはスケジューリング情報を得る。ステップS1202において、第一無線モジュールは、トラフィックおよびスケジューリング情報に基づいて、望ましいTDMパターンを決定し、IDC干渉を軽減する。ステップS1203において、第一無線モジュールは、干渉測定結果に基づいて、IDC干渉を検出し、干渉回避メカニズムをトリガーする。ステップS1204において、IDC干渉回避メカニズムがトリガーされる時、第一無線モジュールは、望ましいTDMパターンに基づいて、共存パターン情報を基地局に伝送する。共存パターン情報は、推奨されるTDMパターン周期性およびスケジューリング期間を含み、IDC干渉可能性の制限レベルを満足させる条件下で、IDC効率を最大化する。
【0036】
図13は、好ましい態様によるeNB観点からのIDC干渉回避のTDM方策の方法のフローチャートである。ステップS1301において、eNBは、同じデバイスプラットフォームで、第二無線モジュールと共同設置されたLTE無線モジュールから、共存パターン情報を受信する。ステップS1302において、eNBは、受信した共存パターン情報に基づいて、LTE無線の一組のDRX設定パラメータを決定し、IDC干渉を軽減する。ステップS1303において、一旦、eNBがIDC干渉指示を受信すると、eNBは、各DRXサイクルで、ON期間のフレキシブル拡張を制限し、さらに、衝突確率を減少させる。
【0037】
本発明では好ましい実施例を前述の通り開示したが、これらは決して本発明に限定するものではない。たとえば、LTE/LTE−AまたはWiMAX移動通信システムを例として、本発明を説明しているが、本発明は、同様に、別の移動通信システム、たとえば、ティーディーエスシーディーエムエー (TD-SCDMA) システムに応用することができる。