(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
起点となるノードと終点となるノードとを含む複数のノードの特定情報と、該複数のノード間を連結する複数のリンクと、前記複数のリンクのそれぞれについての距離と速度とリンク信頼度に関する情報とを含むネットワーク設定情報の入力に応じて、第1設定手段により、評価対象の道路ネットワークを設定する第1工程と、
一様乱数発生手段により、前記評価対象の道路ネットワークを構成する前記複数のリンクそれぞれに対して一様乱数を発生させて与えることと、第1決定手段により、前記リンク信頼度に関する情報と与えられた一様乱数とを用いて、リンク毎にそのリンクが機能しているか否かを決定することと、第2設定手段により、機能しているリンクのみから成る損傷ネットワークを設定することと、連結判断手段により、前記設定された前記損傷ネットワークについて、起点から終点に到達が可能であるか否か判断することと、到達可能である場合には脆弱断面の選定を行わず、到達不能である場合には脆弱断面選定手段により、所定の手順により少なくとも1つの前記起点と前記終点との間が非連結となるために必要な最小リンク集合で形成される脆弱断面を選定することと、を、予め定められた試行必要回数繰り返す第2工程と、
最脆弱断面決定手段により、前記第2工程で選定された複数の脆弱断面の中から演算により最脆弱断面を決定する第3工程と、を含む道路ネットワーク評価方法。
前記脆弱断面を構成する候補リンクを選定することでは、設定された最新の起点から到達可能なノードと到達不可能なノードとを連結するリンクが、前記候補リンクとして選定される請求項2又は3に記載の道路ネットワーク評価方法。
脆弱断面構成リンクであるか否かの判定では、前記損傷ネットワークを構成する前記候補リンク以外の全てのリンクを機能しているリンクと仮定し、さらに前記候補リンクを1リンクのみ機能しているリンクと仮定した判定用損傷ネットワークを作成し、その判定用損傷ネットワークにおいて起点から終点に到達が可能である場合、その機能しているリンクと仮定された判定対象の候補リンクは、脆弱断面構成リンクであると判定され、前記起点から終点に到達が不可能である場合、前記判定対象の候補リンクは、脆弱断面構成リンクではないと判定される請求項2〜4のいずれか一項に記載の道路ネットワーク評価方法。
前記第3工程では、前記第2工程で選定された複数の脆弱断面を、損傷ネットワーク別に蓄積し、出現回数が最大の脆弱断面を最脆弱断面として決定する請求項1〜5のいずれか一項に記載の道路ネットワーク評価方法。
起点となるノードと終点となるノードとを含む複数のノードの特定情報と、該複数のノード間を連結する複数のリンクと、前記複数のリンクのそれぞれについて距離と速度とリンク信頼度に関する情報とを含むネットワーク設定情報の入力に応じて、評価対象の道路ネットワークを設定する第1設定手段と、
前記評価対象の道路ネットワークを構成する前記複数のリンクそれぞれに対して一様乱数を発生させて与えることを、予め定められた試行必要回数繰り返す一様乱数発生手段と、
前記一様乱数発生手段で一様乱数が発生され、前記複数のリンクそれぞれに対して与えられる度に、前記評価対象の道路ネットワークを構成する各リンクについて、前記リンク信頼度に関する情報と与えられた一様乱数とを用いて、リンク毎にそのリンクが機能しているか否かを決定する第1決定手段と、
前記第1決定手段により、前記決定がなされる度に、リンクが機能していないと決定された全てのリンクを、前記評価対象の道路ネットワークから除去した損傷ネットワークを設定する第2設定手段と、
前記第2設定手段により、前記損傷ネットワークが設定される度に、その設定された前記損傷ネットワークにおいて、起点から終点に到達が可能であるか否かを判断する連結判断手段と、
前記連結判断手段により、到達不能であるとの判断がなされる度に、所定の手順により少なくとも1つの前記起点と前記終点との間が非連結となるために必要な最小リンク集合で形成される脆弱断面を選定する脆弱断面選定手段と、
前記第2設定手段による前記損傷ネットワークの設定及び前記連結判断手段による前記判断が前記試行必要回数行われたときに、それまでに選定されている複数の脆弱断面の中から演算により最脆弱断面を決定する最脆弱断面決定手段と、を備える道路ネットワーク評価装置。
前記脆弱断面選定手段は、所定の条件が満足されるまで、前記設定された損傷ネットワークを構成するノードを、その時点で設定されている最新の起点から到達可能なノードと到達不可能なノードとに分類し、該分類結果に基づいて前記脆弱断面を構成する候補リンクを選定する候補リンク選定手段と、
前記所定の条件が満足されるまで、前記候補リンク選定手段によって前記候補リンクが選定されたとき、選定された前記候補リンクのそれぞれについて脆弱断面構成リンクであるか否かを判定するとともに、前記脆弱断面構成リンクと判定されたリンクのみを連続的に横切る前記評価対象の道路ネットワーク上の特定断面を見つけ、該特定断面の終点側に、そのノードから終点へ到達不能なノードが存在するか否かを判定する判定手段と、
前記所定の条件が満足されるまで、前記判定手段により、前記特定断面の終点側に、そのノードから終点へ到達不能なノードが存在すると判定されたとき、前記特定断面の終点側に存在する任意のノードを前記起点として新たに設定する起点設定手段と、
前記所定の条件が満足されたとき、それまでに見つけられた全ての前記特定断面を脆弱断面として選定する選定手段と、を含み、
前記所定の条件は、前記特定断面の終点側に、そのノードから終点へ到達不能なノードが存在しなくなることである請求項9に記載の道路ネットワーク評価装置。
前記候補リンク選定手段は、設定された最新の起点から到達可能なノードと到達不可能なノードとを連結するリンクを、前記候補リンクとして選定する請求項10に記載の道路ネットワーク評価装置。
前記判定手段は、前記損傷ネットワークを構成する前記候補リンク以外の全てのリンクを機能しているリンクと仮定し、さらに候補リンクを1リンクのみ機能しているリンクと仮定した判定用損傷ネットワークを作成し、その判定用損傷ネットワークにおいて起点から終点に到達が可能である場合、その機能しているリンクと仮定された判定対象の候補リンクは、脆弱断面構成リンクであると判定し、前記起点から終点に到達が不可能である場合、前記判定対象の候補リンクは、脆弱断面構成リンクではないと判定する請求項10又は11に記載の道路ネットワーク評価装置。
前記脆弱断面を構成する候補リンクを選定することでは、設定された最新の起点から到達可能なノードと到達不可能なノードとを連結するリンクが、前記候補リンクとして選定される請求項14又は15に記載のプログラム。
脆弱断面構成リンクであるか否かの判定では、前記損傷ネットワークを構成する前記候補リンク以外の全てのリンクを機能しているリンクと仮定し、さらに前記候補リンクを1リンクのみ機能しているリンクと仮定した判定用損傷ネットワークが作成され、その判定用損傷ネットワークにおいて起点から終点に到達が可能である場合、その機能しているリンクと仮定された判定対象の候補リンクは、脆弱断面構成リンクであると判定され、前記起点から終点に到達が不可能である場合、前記判定対象の候補リンクは、脆弱断面構成リンクではないと判定される請求項14〜16のいずれか一項に記載のプログラム。
前記第2の手順では、前記損傷ネットワークにおいて、起点から終点に到達が可能である場合に、連結状態の出現回数を1カウントアップするとともに該連結状態の出現回数と前記試行必要回数とに基づいて、前記起点と終点との間の連結信頼度を算出する第4の手順を、前記コンピュータにさらに実行させる請求項13〜17のいずれか一項に記載のプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態について、
図1〜
図18に基づいて説明する。
【0023】
図1には、一実施形態に係るネットワーク評価装置50のハードウェア構成が概略的に示されている。ネットワーク評価装置50は、中央演算処理装置(Central Processing Unit:以下「CPU」と称する)51、メインメモリ52、ROM(Read Only Memory)53、RAM(Random Access Memory)54、ハードディスクドライブ(HDD)又はソリッドステートドライブ(SSD)などのストレージデバイス56、入力装置57及び表示装置58などを備えている。そして、それぞれは共通のバスBUSを介して接続されている。
【0024】
CPU51は、ネットワーク評価装置50の全体の動作を制御する。メインメモリ52は、プログラムやデータを一時的に蓄えておくための装置で、CPU51から直接アクセスできる装置である。
【0025】
ROM53は、CPU51の駆動(起動)に用いられるIPL(Initial Program Loader)等のプログラムを記憶している。RAM54は、CPU51のワークエリアとして使用される。
【0026】
ストレージデバイス56には、CPU51で解読可能なコードで記述されたプログラムが格納されている。なお、ストレージデバイス56に格納されているプログラムは、必要に応じてメインメモリ52にロードされ、CPU51により実行される。
【0027】
入力装置57は、例えばキーボード、マウスなどの入力媒体(図示省略)を備え、ユーザから入力された各種情報をCPU51に通知する。なお、入力媒体からの情報はワイヤレス方式で入力されても良い。
【0028】
表示装置58は、例えばCRT、液晶ディスプレイ(LCD)及びプラズマディスプレイパネル(PDP)などを用いた表示部(図示省略)を備え、各種情報を表示する。
【0029】
次にネットワーク評価装置50の機能構成について説明する。
図2には、ネットワーク評価装置50の機能構成が示されている。各機能部は、前述のハードウェア構成における構成各部と後述するフローチャートで示される処理アルゴリズムに対応するプログラムとによって実現される。
【0030】
ネットワーク評価装置50は、第1設定部12、一様乱数発生部14、第1決定部16、第2設定部18、連結判断部20、第1カウンタ22、脆弱断面選定部24、結果格納部26、最脆弱断面決定部28、連結信頼度算出部30、及び第2カウンタ32を、備えている。
【0031】
第1設定部12は、入力装置57を介して入力されたネットワーク設定情報の入力に応じて、評価対象の道路ネットワーク(道路網)を設定する。本実施形態では、入力されるネットワーク設定情報には、起点となるノードと終点となるノードとを含む複数のノードの特定情報(2次元座標値)と、該複数のノード間を連結する複数のリンクと、該複数のリンクのそれぞれについて距離と速度(平均的な移動速度)とリンク信頼度(非遮断確率)p(0≦p≦1)とが少なくとも含まれている。一例として、
図3に示されるように、複数のノードのそれぞれには、1から順番に番号が与えられる。起点は、番号1(1番)、終点は、入力されるノードの総数(M(
図3ではMは22)とする)と同じ番号(M番)となる。ここで、リンク信頼度(非遮断確率)pは災害科学などの専門知識から投与されるものとする。
【0032】
図2に戻り、第1設定部12は、入力された上記ネットワーク設定情報に応じ、M個のノードとそれらを起点から終点まで連結する複数のリンクとから成る道路ネットワーク(
図3参照)を仮設定する仮設定部12aと、該仮設定された道路ネットワークから、起点となるノードと終点となるノードとを結ぶ最短経路のα倍(例えば2倍)を超える経路を構成するリンクを除外することで評価対象の道路ネットワークを設定する本設定部12bとを含む。ここで、最短経路は、距離又は所要時間(距離/速度)が最短となる経路であり、最短経路のα倍は、距離又は所要時間がα倍であることを意味する。最短経路のα倍を超える経路を構成するリンクが除外された場合、リンク番号を再付番する。その結果、終点のノード番号は、Nに設定されるものとする。ここで、最短経路のα倍を超える経路を構成するリンクを除外するのは、自動車の交通行動特性を踏まえて、長大な迂回経路を排除するとともに、計算時間の短縮を図るためである。
【0033】
一例として、最短経路が所要時間が最短となる経路である場合について説明すると、起点(番号1のノード)から番号m(1<m<M)のノードまでの所要時間をa1分、その番号mのノードから終点(番号Mのノード)までの所要時間をb1分とした場合に、(a1+b1)分が、起点と終点との間の最短所要時間T分のα(αは、例えば2.0)倍を超えるか否かを、起点と終点とを除く最短経路構成ノード以外のノードについて判定する。そして、(a1+b1)>αTとなる番号mのノード、及びそのノードに接続する全てのリンクを除外する。
【0034】
例えば、
図3に示される、番号20のノード、及び番号21のノードが、ともに(a1+b1)>αTとなる場合、すなわちそのノードを通るいかなる経路を選択しても最短経路のα倍を超える場合、ノード20及びノード21、並びにこれらのノードに接続する全てのリンクが、除外される。除外後、ノードの番号が再付番されたネットワークが
図4に示されている。
図4では、N(=20)個のノードと、この20個のノードを同図のように連結する複数のリンクとから成る道路ネットワークが、評価対象の道路ネットワークとして選定されている。なお、(a1+b1)>αTを満たすノードが存在しない場合には、先に仮設定された道路ネットワークが、評価対象の道路ネットワークとなる。各ノードに、同じ番号が再付番されるからである。
【0035】
なお、以下では、例えばn番目のノード(ノードnとも表記する)とm番目のノード(ノードmとも表記する)とを結ぶリンクをリンク(n,m)と表記する。具体的には、一例としてノード1と、ノード2とを結ぶリンクは、リンク(1,2)と表記される。
【0036】
上述のようにして第1設定部12で設定された評価対象の道路ネットワークの情報は、RAM54内の評価対象ネットワーク格納領域に格納される。
【0037】
上述の説明では、評価対象の道路ネットワークの規模について,交通行動特性を考えて、起終点間の最短経路のα倍を超えるようなリンクを対象ネットワークから除去することとしている。しかしながら、第1設定部12は、必ずしも、最短経路のα倍を超える経路を構成するリンクを除外する必要はなく、(a1+b1)>αTを満たすノードが存在しなかった場合と同様、与えられた全てのリンクを含むネットワークを、評価対象の道路ネットワークとして設定しても良い。すなわち、本設定部12bを設けること無く、仮設定部12aのみで、第1設定部12を構成しても良い。
【0038】
一様乱数発生部14は、第1設定部12で設定された評価対象の道路ネットワークを構成する複数のリンクのそれぞれに対して与えるべく、一様乱数z(0≦z≦1)を発生させる。ここで、一様乱数とは、ある有限の区間を区切って、その区間内で全ての値が同じ確率で現れるような乱数のことであり,ここでは、リンクの遮断確率1−p(pはリンク信頼度(非遮断確率))に対応させて、有限区間を0から1までの範囲とする。一様乱数発生部14は、一様乱数zの発生を、最脆弱断面決定部28から指令が与えられる度に、繰り返す。最脆弱断面決定部28では、一様乱数発生部14の一様乱数zの発生回数をカウントする第2カウンタ32のカウント値が、予め定められた試行必要回数(例えば1000回)になるまで、後述する第1カウンタ22からカウントアップ動作の終了が通知される度に、又は後述する選定部24eにより脆弱断面の選定がなされる度に、一様乱数の発生指令を、一様乱数発生部14に与える。なお、一様乱数発生部14は、最初の乱数発生のみ、最脆弱断面決定部28からの指令ではなく、第1設定部12で評価対象の道路ネットワークが設定されたタイミングで実行する。
【0039】
第1決定部16は、一様乱数発生部14で一様乱数zが発生され、前記複数のリンクそれぞれに対して与えられる度に、評価対象の道路ネットワークを構成する各リンクについてその非遮断確率pから求まる遮断確率1-pと、与えられた一様乱数zとを比較して、リンク毎にそのリンクが機能しているか否かを決定する。第1決定部16では、0.0≦z≦1-pの場合は、そのリンクは機能していない(遮断状態にある)と決定して、リンクの機能状態を示すパラメータX
a=0とし、z>1-pの場合は、そのリンクは機能していると決定して、X
a=1とする。ここで、aは、リンクの番号を示す。
【0040】
例えば,あるリンク(m,n)に与えられている非遮断確率が0.88(遮断確率0.12)のとき、発生させた一様乱数zが、0.0≦z≦0.12であれば,リンクAは遮断しているとして、X
a=0とし、そうでなければ、機能しているとして、X
a=1とする。
【0041】
第2設定部18は、第1決定部16により、前記決定がなされる度に、遮断リンク(X
a=0のリンク)であると決定された全てのリンクを、第1設定部12によって設定された評価対象の道路ネットワークから除去し、機能リンク(X
a=1のリンク)はそのまま存続させて、損傷ネットワーク(
図5参照)を設定する。損傷ネットワークは、RAM54内の一時格納領域に格納される。
【0042】
例えば、
図5では、リンク(1,2)、リンク(1,4)、リンク(2,5)、リンク(4,7)、リンク(5,6)、リンク(5,8)、リンク(6,7)、リンク(6,10)、リンク(9,12)、リンク(11,14)、リンク(12,16)、リンク(13,14)、リンク(15,19)、リンク(17,20)、リンク(19,20)が機能しており、機能しているリンクが実線で示され、機能していないリンクが破線で示されている。
【0043】
連結判断部20は、第2設定部18により、損傷ネットワークが設定される度に、その設定された損傷ネットワークについて、起点(番号1のノード)から終点(番号Nのノード)までの到達の可否を判断する。ここで、連結判断部20により、起点から終点に到達が可能であるとの判断がなされる度に、連結状態の出現回数をカウントする第1カウンタ22が、カウント値を1カウントアップ(インクリメント)する。この第1カウンタ22により、カウントアップが行われる度に、最脆弱断面決定部28にカウントアップ動作の終了が通知される。
【0044】
脆弱断面選定部24は、連結判断部20により、起点から終点に到達不能であるとの判断がなされる度に、所定の手順により少なくとも1つの脆弱断面を選定する。これをさらに詳述すると、脆弱断面選定部24は、候補リンク選定部24aと、第1判定部24bと、第2判定部24cと、起点設定部24dと、選定部24eとを有している。
【0045】
候補リンク選定部24aは、連結判断部20によって起点から終点に到達不能であるとの判断がなされる度に、第2判定部24cにより後述する肯定的な判断がなされるまで(すなわち、後述する最新の特定断面の終点側に終点へ到達不能なノードが存在しなくなるまで)設定された損傷ネットワークを構成するノードを、その時点で設定されている最新の起点から到達可能なノードと到達不可能なノードとに分類し、該分類結果に基づいて脆弱断面を構成する候補リンク(ただし、既に候補リンクとして選定されているものを除く)を選定する。候補リンク選定部24aは、一例として、上記の分類の結果、最新の起点から到達可能なノードと到達不可能なノードとを連結するリンクを、前記候補リンクとして選定する。例えば、
図5に示される損傷ネットワークの場合、
図6に示されるように、太い実線の丸で囲まれた番号で示される、起点(番号1のノード)から到達可能なノード(1、2、4、5、6、7、8,10)と、それ以外の細い実線の丸で囲まれた番号で示される到達不可能なノードとに分類される。そして、この分類結果に基づいて、
図7に示される、到達可能なノードと、到達不可能なノードとを結ぶリンク(通行不可能なリンク)、すなわち波線の遮断線が付されているリンクが、候補リンクとして、選定される。
【0046】
第1判定部24bは、候補リンク選定部24aによって候補リンクが選定される度に、選定された候補リンクのそれぞれについて脆弱断面構成リンク(すなわち、脆弱断面の一部を構成するリンク)であるか否かを判定する。この判定とともに、第1判定部24bは、その判定終了後の時点で設定されている起点の終点側に位置する脆弱断面構成リンクと判定された候補リンク(脆弱断面構成リンク)のみを連続的に横切る評価対象の道路ネットワーク上の最新の特定断面を見つけ、その最新の特定断面のリンク構成をRAM54内の一時格納領域に格納する。ここで、最新の特定断面としているのは、脆弱断面構成リンクのみを含む評価対象の道路ネットワーク上の特定断面の選定は、後述する起点の設定毎に行われるので、脆弱断面構成リンクであるか否かの判定終了後の時点で設定されている起点の終点側に位置する脆弱断面構成リンクを含む特定断面は、最新の特定断面となるからである。以下、脆弱断面構成リンクと判定された候補リンク(脆弱断面構成リンク)のみを連続的に横切る特定断面を、適宜、単に特定断面と略記する。
【0047】
ここで、選定された前記候補リンクのそれぞれについて脆弱断面構成リンクであるか否かを判定するのは、この段階では、例えば
図7中の、番号3のノードのように、起点グループに囲まれてドーナツの穴のようになっている、起点から到達不能なノードが存在する場合がある。この場合、番号3のノードに接続されたリンクは、起点と終点との連結性に影響を与えない、すなわち脆弱断面とは関係のないリンクである。各候補リンクが、このようなリンクか否かを判定するためである。
【0048】
ここで、第1判定部24bによる上記の脆弱断面構成リンクであるか否かの判定は、一例として次のように行われる。すなわち、第1判定部24bは、そのとき設定されている損傷ネットワークを構成する、前記候補リンク以外の全てのリンクを機能しているリンクと仮定し、さらに候補リンクを1リンクのみ機能しているリンクと仮定した判定用損傷ネットワークを、各候補リンクについて作成する。そして、第1判定部24bは、作成された判定用損傷ネットワークのそれぞれについて、その起点から終点に到達が可能であるか否かを判断し、到達が可能であれば、その機能しているリンクと仮定した判定対象の候補リンクは、脆弱断面構成リンクであると判定し、到達が不可能であれば、その判定対象の候補リンクは、脆弱断面構成リンクではないと判定する。
【0049】
一例として、候補リンク選定部24aによって、
図7に示される候補リンク(1,3)、(2,3)、(3,4)、(3,6)、(5,9)、(7,11)、(8,12)、(8,15)、(9,10)、(10,11)、(10,13)が選定された場合について説明する。この場合、例えば候補リンク(3,6)については、
図8に示されるように、波線の遮断線が付された候補リンク以外の全てのリンクが機能しているリンクと仮定されたネットワークが仮定され、さらにリンク(3,6)が機能しているリンクと仮定された
図9に示されるような判定用損傷ネットワークが作成される。この場合、起点(ノード1)から終点(ノード20)まで到達はできないので、候補リンク(3,6)は、脆弱断面構成リンクではないと第1判定部24bによって、判定される。
【0050】
また、例えば、候補リンク(8,15)については、
図8に示されるネットワークにおいて、リンク(8,15)のみが機能しているリンクと仮定された
図10に示されるような判定用損傷ネットワークが作成される。この場合、起点ノード1から終点ノード20まで到達可能であるので、候補リンク(8,15)は、脆弱断面構成リンクであると第1判定部24bによって、判定される。
【0051】
候補リンク選定部24aによって、
図7に示される候補リンクが選定された場合、第1判定部24bは、上述のようにして、
図7に示される11個の候補リンクのそれぞれについて脆弱断面構成リンクであるか否かの判定を行い、その判定結果に基づいて、特定断面として、
図11に示される7つのリンク(8,15)、(8,12)、(5,9)、(9,10)、(10,13)、(10,11)、(7,11)を連続的に横切る断面を選定する。
【0052】
第2判定部24cは、第1判定部24bにより、最新の特定断面の選定、一時格納領域への格納が行われる度に、設定されている損傷ネットワークにおいて、その最新の特定断面の終点側に、そのノードから終点へ到達不能なノードが存在するか否かを判定(判断)する。
【0053】
起点設定部24dは、第2判定部24cにより、前記最新の特定断面の終点側に、そのノードから終点へ到達不能なノードが存在すると判定される度に、前記特定断面の終点側に存在する任意のノード(例えば、番号が最も小さいノード)を起点として新たに設定する。この新たな起点の設定情報は、候補リンク選定部24aに伝達され、その新たに設定された起点が、候補リンク選定部24aで最新の起点として取り扱われる。
【0054】
例えば、
図11に示されるような特定断面が最新の特定断面として選定されている場合、第2判定部24cにより、その最新の特定断面の終点側に、そのノードから終点へ到達不能なノードとして、7つのノード(9、11、12、13、14、16、18)が存在するとの判定がなされ、起点設定部24dにより、特定断面の終点側に存在する任意のノード(例えば、番号が最も小さいノード9)が、新たな起点として設定される。
【0055】
候補リンク選定部24aでは、新たな起点(ノード9)の設定情報に基づき、設定されている損傷ネットワーク(
図5参照)を構成するノードを、その時点で設定されている最新の起点(ノード9)から到達可能なノード(9、12、16)(
図11中の太い実線の丸で囲まれた番号のノード)とそれら以外の到達不可能なノードとに分類し、該分類結果に基づいて脆弱断面を構成する候補リンク(12,13)、(15,16)、(16,17)を選定する。なお、リンク(5,9)、(9,10)、(8,12)は、既に脆弱断面構成リンクとして選定されているので、この場合の候補リンクとはならない。そして、第1判定部24bにより、選定された候補リンク(12,13)、(15,16)、(16,17)のいずれについても脆弱断面構成リンクであるとの判定がなされ、その判定終了後の時点で設定されている起点(ノード9)の終点側に位置する脆弱断面構成リンクを含む特定断面、すなわち
図12中に太い実線で示されている、リンク(12,13)、(16,17)、(15,16)を連続的に横切る断面構成要素を含む最新の特定断面が見つけられ、その最新の特定断面のリンク構成がRAM54内の一時格納領域に格納される。
【0056】
そして、
図12中に太い実線で示されている断面構成要素を含む最新の特定断面が選定された場合、第2判定部24cにより、その最新の特定断面の終点側に、そのノードから終点へ到達不能なノードとして、4つのノード(11、13、14、18)が存在するとの判定がなされ、起点設定部24dにより、特定断面の終点側に存在する任意のノード(例えば、番号が最も小さいノード11)が、新たな起点として設定される。その新たな起点(ノード11)の設定情報が、候補リンク選定部24aへ伝達される。
【0057】
候補リンク選定部24aでは、新たな起点(ノード11)の設定情報に基づき、設定されている損傷ネットワーク(
図5参照)を構成するノードを、その時点で設定されている最新の起点(ノード11)から到達可能なノード(11、13、14)(
図12中の太い実線の丸で囲まれた番号のノード)とそれら以外の到達不可能なノードとに分類し、該分類結果に基づいて脆弱断面を構成する候補リンク(13,17)、(14,18)を選定する。なお、リンク(7,11)、(10,11)、(10,13)、(12,13)は、既に脆弱断面構成リンクとして選定されているので、この場合の候補リンクとはならない。そして、第1判定部24bにより、選定された候補リンク(13,17)、(14,18)のいずれについても脆弱断面構成リンクであるとの判定がなされ、その判定終了後の時点で設定されている起点(ノード11)の終点側に位置する脆弱断面構成リンクを含む特定断面、すなわち
図13中に太い実線で示されている、リンク(13,17)、(14,18)を連続的に横切る断面構成要素を含む最新の特定断面が見つけられ、その最新の特定断面のリンク構成がRAM54内の一時格納領域に格納される。
【0058】
そして、
図13中に太い実線で示されている断面構成要素を含む最新の特定断面が選定された場合、第2判定部24cにより、その最新の特定断面の終点側に、そのノードから終点へ到達不能なノードとして、1つのノード18が存在するとの判定がなされ、起点設定部24dにより、特定断面の終点側に存在する任意のノード(例えば、番号が最も小さいノード15)が、新たな起点として設定される。その新たな起点(ノード15)の設定情報が、候補リンク選定部24aへ伝達される。
【0059】
候補リンク選定部24aでは、新たな起点(ノード15)の設定情報に基づき、設定されている損傷ネットワーク(
図5参照)を構成するノードを、その時点で設定されている最新の起点(ノード15)から到達可能なノード(15、17、19、20)(
図13中の太い実線の丸で囲まれた番号のノード)と到達不可能なノード18とに分類し、該分類結果に基づいて脆弱断面を構成する候補リンク(17,18)、(18,20)を選定する。なお、リンク(8,15)、(13,17)、(15,16)、(16,17)は、既に脆弱断面構成リンクとして選定されているので、この場合の候補リンクとはならない。そして、第1判定部24bにより、選定された候補リンク(17,18)、(18,20)のいずれについても脆弱断面構成リンクであるとの判定がなされ、その判定終了後の時点で設定されている起点(ノード15)の終点側に位置する脆弱断面構成リンクを含む特定断面、すなわち
図14中に太い実線で示されている、リンク(17,18)、(18,20)を連続的に横切る断面構成要素を含む最新の特定断面が見つけられ、その最新の特定断面のリンク構成がRAM54内の一時格納領域に格納される。
【0060】
そして、
図14中に太い実線で示されている断面構成要素を含む最新の特定断面が選定された場合、第2判定部24cにより、前記最新の特定断面の終点側に、そのノードから終点へ到達不能なノードは存在しないと判定される。
【0061】
選定部24eは、第2判定部24cにより、前記最新の特定断面の終点側に、そのノードから終点へ到達不能なノードは存在しないと判定されたとき、それまでにRAM54内の一時格納領域に格納されている全ての特定断面(特定断面が1つの場合もある)を、脆弱断面として選定し、結果格納部26(RAM54内の別の領域)内の所定の領域に格納する。例えば、前述した例の場合、
図15に示されるような、損傷ネットワークと、該損傷ネットワーク上に太い実線で示される脆弱断面との情報が、結果格納部26内の所定の領域に格納される。選定部24eは、上記の脆弱断面の選定が終了すると、その旨を最脆弱断面決定部28に通知する。
【0062】
最脆弱断面決定部28は、前述したように、第2カウンタ32のカウント値が、予め定められた試行必要回数(例えば1000回)になるまで、選定部24eにより脆弱断面の選定がなされる度、あるいは第1カウンタ22のカウントアップ動作が終了する度に、一様乱数の発生指令を、一様乱数発生部14に与える。一方、第2カウンタ32のカウント値が、予め定められた試行必要回数に達すると、最脆弱断面決定部28は、選定部24eによりそれまでに選定され、結果格納部26内に格納されている、複数の脆弱断面の中から所定の演算により最脆弱断面を決定する。最脆弱断面決定部28は、例えば結果格納部26内に格納されている複数の脆弱断面を、損傷ネットワーク別に蓄積し、出現回数が最大の脆弱断面を最脆弱断面として決定する。さらに、最脆弱断面決定部28は、一例として、前記脆弱断面で最も出現回数の多いリンクを、最脆弱リンクとして決定する。なお、最脆弱断面の決定については、さらに後述する。
【0063】
連結信頼度算出部30は、最脆弱断面決定部28により最脆弱断面の決定が行われた時点における第1カウンタ22のカウント値(前記連結状態の出現回数)と既知の試行必要回数(最脆弱断面決定部28により最脆弱断面の決定が行われた時点における第2カウンタ32のカウント値に一致)とに基づいて、第1設定部12で設定された評価対象の道路ネットワークの起点と終点との間の連結信頼度を算出する。
【0064】
これまでは、ハードウェアに模した
図2の各機能部について説明したが、これらは、実際には、ネットワーク評価システムのCPU51が所定のソフトウェアプログラムを実行することによって実現される。以下では、これについて、
図16〜
図18に基づいて、かつ他の図面を適宜参照して説明する。
【0065】
図16には、CPU51によって実行される処理アルゴリズムに対応するフローチャートが示されている。以下では、CPU51に関する記載は省略する。前提条件として、後述する第1カウンタのカウント値iは零に初期化され、第2カウンタのカウント値kは1に初期化されているものとする。
【0066】
図16のフローチャートに対応する処理アルゴリズムがスタートするのは、ユーザにより、道路ネットワーク設定情報(起点となるノードと終点となるノードとを含む複数のノードの特定情報(2次元座標値)と、該複数のノード間を連結する複数のリンクと、該複数のリンクのそれぞれについて距離と速度(平均的な移動速度)と、リンク信頼度(非遮断確率)p(0≦p≦1)とが少なくとも含まれる)が、入力装置57を介して入力されたときである。
【0067】
ステップ102において、入力された情報に対応する道路ネットワーク(道路網)を仮設定する。この結果、一例として、
図3に示されるような、起点と終点とを含み、M個(
図3ではMは22)のノードと複数のリンクとから成る道路ネットワークが仮設定される。
【0068】
次のステップ104では、評価対象の道路ネットワークを選定する。すなわち、起点と終点との間の例えば最短所要時間(又は最短距離)Tのα(αは例えば2.0)倍を超える経路を構成するノード、一例として前述した(a1+b1)>αTを満たすノード及びそのノードに接続する全てのリンクを除外する。
図3に示されるネットワークの場合、一例として番号20、21のノードが(a1+b1)>αTを満たすものとすると、これらのノード20、21、及びこれらに接続する全てのリンクが除外される。残りのノードとリンクとから成るネットワークについて、起点を1、終点をNとして、ノード番号の再付番を行い、その再付番後のN個のノードと複数のリンクとから成る道路ネットワークを評価対象のネットワークとして選定し、RAM54内の評価対象ネットワーク格納領域に格納する。この結果、評価対象のネットワークとして、
図4に示される、N(=20)個のノードと、この20個のノードを同図のように連結する複数のリンクとから成る道路ネットワークが、選定され、RAM内の評価対象ネットワーク格納領域に格納される。なお、(a1+b1)>αTを満たすノードが存在しない場合には、各ノードに、同じ番号が再付番され、先に仮設定された道路ネットワークが、評価対象の道路ネットワークとなる。
【0069】
次のステップ106では、一様乱数z(0≦z≦1)を各リンクに与えた後、ステップ106に進む。ステップ106では、前述したように、その一様乱数zと、予め与えられている各リンクの非遮断確率pから求まる遮断確率1-pとを比較して、各リンクが機能している機能リンク(パラメータX
a=1のリンク)であるか、遮断状態にある(機能していない)遮断リンク(X
a=0のリンク)であるかを決定する。
【0070】
次のステップ108では、損傷ネットワークを設定し、RAM54内の一時格納領域に格納する。具体的には、遮断リンク(X
a=0のリンク)は対象ネットワークから除去し、機能リンク(X
a=1のリンク)はそのまま存続させて、損傷ネットワークを設定する。
図4の道路ネットワークについては、一例として、
図5に示される損傷ネットワークが設定される。
【0071】
次のステップ110では、上記ステップ108で設定された損傷ネットワークについて、起点(番号1のノード)から終点(番号Nのノード)まで到達が不可能であるか否かを判断する。そして、このステップ110における判断が否定された場合、すなわち起点から終点まで到達可能である場合には、ステップ120に移行して、連結状態の出現回数をカウントする第1カウンタのカウント値iを1カウントアップ(インクリメント)とした(i←i+1)後、ステップ122に移行する。
【0072】
一方、上記ステップ110における判断が肯定された場合、すなわち起点から終点まで到達が不可能である場合には、ステップ112の脆弱断面を構成する候補リンクを選定のサブルーチンに移行する。
【0073】
このステップ112のサブルーチンでは、まず、
図17のステップ200において、ノードの番号を示すカウンタのカウント値nを初期化する(n←1)。
【0074】
次のステップ202では、番号nのノードは、起点から到達可能であるか否かを判断する。そして、この判断が肯定された場合、すなわち番号nのノードが、起点から到達可能である場合には、ステップ204に進んで、番号nのノードを到達可能なノード(ラベル付与のノード)として分類し、番号nを、RAM54内の第1領域に一時的に格納する。この場合、カウント値nは1であり、番号1のノードは、起点そのものであるから、ここでの判断は肯定され、番号1が、上記の第1領域に一時的に格納される。
【0075】
一方、ステップ202における判断が否定された場合、すなわち番号nのノードには、起点から到達が不可能である場合には、ステップ206に移行して、番号nのノードを到達不能なノード(ラベル不能のノード)として分類し、番号nを、RAM54内の第2領域に一時的に格納する。
【0076】
ステップ204又はステップ206の処理の後、ステップ208に進み、カウンタのカウント値nを1インクリメントした(n←n+1)後、ステップ210でカウント値nがNに達しているか否かを判断することで、N個のノードの全てについて、起点から到達可能か否かの判断が終了したか否かを判断する。そして、ここでの判断が否定された場合には、ステップ202に戻り、ステップ210での判断が肯定されるまで、ステップ202〜ステップ210のループの処理を繰り返す。
【0077】
そして、N個のノードの全てについて、起点から到達可能か否かの判断が終了し、ステップ210の判断が肯定されると、ステップ212に移行する。
【0078】
上記ステップ200からステップ210によって、N個のノードを、到達可能ノード(ラベル付与のノード)集合と、到達不能ノード(ラベル不能のノード)集合に分けるラベリング処理が行われる。
【0079】
例えば、
図5に示される損傷ネットワークの場合、上記ステップ200からステップ210におけるラベリング処理において、
図6に示されるように、太い実線の丸で囲まれた番号で示される、起点(番号1のノード)から到達可能なノード(1、2、4、5、6、7、8,10)と、それ以外の細い実線の丸で囲まれた番号で示される到達不可能なノードとに分類される。
【0080】
ステップ212においては、RAM54内の第1領域に一時的に格納されているノード(の番号)を1つ選択し、次のステップ214に進んで、そのノード(選択された到達可能ノード)と、RAM内の第2領域に一時的に格納されているいずれかの番号のノード(到達不能ノード)とを連結するリンクが、損傷ネットワークに含まれているか否かを判断する。そして、この判断が否定された場合には、ステップ218に移行する。一方、ステップ214における判断が肯定された場合には、その条件を満たすリンクを脆弱断面を構成するリンクの候補(候補リンク)として選定し、その候補リンクを特定するための情報を、RAM54内の所定の領域(候補リンク格納領域)に一時的に格納した後、ステップ218に移行する。
【0081】
ステップ218では、起点から到達可能な全てのノードについて、上記の候補リンクの選定は終了したか否かを判断する。そして、この判断が否定された場合には、ステップ212に戻り、ステップ218における判断が肯定されるまで、ステップ212〜ステップ218のループを繰り返す。これにより、ステップ212で、RAM54内の第1領域に一時的に格納されているノードの番号が順次選択され、その選択されたノードについて、上記の候補リンクの選定が行われる。そして、起点から到達可能な全てのノードについて上記の候補リンクの選定が終了し、ステップ218における判断が肯定されると、本サブルーチン(ステップ)112の処理を終了し、メインルーチンのステップ114にリターンする。
【0082】
例えば、
図6に示されるように、起点(番号1のノード)から到達可能なノードとして、番号(1、2、4、5,6、7、8、10)のノードが選定された場合、上記ステップ212〜218のループの繰り返しにより、
図7に示される、11個の候補リンク(波線の遮断線が付されているリンク)が選定される。
【0083】
ただし、この段階では、例えば
図7中の、番号3のノードに接続された4つのリンクのように、起点と終点との連結性に影響を与えないリンク、すなわち、脆弱断面とは関係のないリンクが含まれている。
【0084】
そこで、次のステップ114の脆弱断面を構成する候補リンクの判定サブルーチンにおいて、上記ステップ112で選定された候補リンクの各々について、脆弱断面を構成するリンクであるか否かを判定する。
【0085】
ステップ114のサブルーチンでは、まず、
図18のステップ220において、RAM54内の候補リンク格納領域に一時的に格納されている、候補リンクを1つ選択する(その候補リンクの両端のノード番号の組の情報を取り出す)。
【0086】
次のステップ222では、そのとき設定されている損傷ネットワークにおいて、候補リンク以外の全てのリンクを機能しているリンクと仮定し、さらに上記ステップ220で選択した候補リンク(判定対象の候補リンク)を機能リンクと仮定した判断用損傷ネットワークを作成する。
【0087】
一例として、
図5の損傷ネットワークについて、
図7に示される候補リンク(1,3)、(2,3)、(3,4)、(3,6)、(5,9)、(7,11)、(8,12)、(8,15)、(9,10)、(10,11)、(10,13)が選定された場合に、ステップ220で候補リンク(3,6)が選択されたものとする。この場合、
図8に示されるように、波線の遮断線が付された候補リンク以外の全てのリンクが機能しているリンクに設定されたネットワークが仮定され、さらにリンク(3,6)のみが機能しているリンクと仮定された
図9に示されるような判断用損傷ネットワークが作成される。
【0088】
次のステップ224では、設定された判定用損傷ネットワークについて、起点から終点へ到達可能か否かを判断する。そして、このステップ224における判断が肯定された場合には、ステップ226に進んで、上記ステップ220で選択した候補リンク(判定対象の候補リンク)は、脆弱断面構成リンクであると判定する。一方、ステップ224における判断が否定された場合には、上記判定対象の候補リンクは、脆弱断面を構成しない非構成リンクであると判定する。
【0089】
例えば、リンク(3,6)の選択に応じて、作成された
図9に示される判定用損傷ネットワークでは、起点(ノード1)から終点(ノード20)まで到達はできないので、候補リンク(3,6)は、脆弱断面構成リンクではないとの判定がなされる。
【0090】
一方、
図5の損傷ネットワークについて、
図7に示される11個の候補リンクが選定された場合に、ステップ220において候補リンク(8,15)が選択されると、
図8に示されるネットワークにおいて、リンク(8,15)のみが機能しているリンクと仮定された
図10に示されるような判定用損傷ネットワークが作成される。この判定用損傷ネットワークでは、起点(ノード1)から終点(ノード20)まで到達可能であるので、候補リンク(8,15)は、脆弱断面構成リンクであるとの判定がなされる。
【0091】
ステップ226又はステップ228の処理の後、ステップ230に移行する。ステップ230では、ステップ112で選定された全ての候補リンクについて脆弱断面構成リンクであるか否かの判定が終了したか否かを判断する。そして、このステップ230における判断が否定された場合には、ステップ220に戻り、ステップ230における判断が肯定されるまで、ステップ220〜ステップ230のループの処理を繰り返す。そして、全ての候補リンクについて脆弱断面構成リンクであるか否かの判定が終了し、ステップ230における判断が肯定されると、メインルーチンのステップ115にリターンする。
【0092】
上記のステップ220〜ステップ230のループの処理の繰り返しにより、例えば
図7の11個の候補リンクのうち、
図11に示される7つのリンク(8,15)、(8,12)、(5,9)、(9,10)、(10,13)、(10,11)、(7,11)が、脆弱断面構成リンクとして選定される。
【0093】
ステップ115では、ステップ114において脆弱断面構成リンクであると判定された候補リンク(脆弱断面構成リンク)のみを横切る評価対象のネットワーク中の特定断面を、RAM54内の一時格納領域に格納する。本実施形態では、後述するように、起点の設定(再設定)が繰り返し行われる場合があり、その場合ステップ112〜ステップ115の処理が、起点の設定毎に行われる。すなわち、ステップ115で一時格納領域に格納される特定断面の情報は、最新の起点に対応する最新の特定断面の情報になる。
【0094】
次のステップ116において、上記ステップ115でRAM54内の一時格納領域に格納された最新の特定断面の終点側に、そのノードから終点へ到達不能なノードが存在しないか否かを判断する。そして、この判断が否定された場合、すなわちそのノードから終点へ到達不能なノードが存在する場合には、ステップ117へ進み、起点の再設定を行う。起点の再設定は、例えば前記特定断面の終点側に存在する任意のノード(例えば、番号が最も小さいノード)を新たな起点として設定することで行われる。
【0095】
そして、ステップ112に戻り、以降、ステップ116における判断が肯定されるまで、ステップ112〜ステップ117のループの処理が行われる。
【0096】
例えば、
図11に太い実線で示されるような特定断面が最新の特定断面として選定されている場合、ステップ116において、その最新の特定断面の終点側に、そのノードから終点へ到達不能なノードとして、7つのノード(9、11、12、13、14、16、18)が存在するとの判定がなされ、ステップ117において、特定断面の終点側に存在する任意のノード(例えば、番号が最も小さいノード9)が、新たな起点として設定される。
【0097】
ステップ112のサブルーチンでは、ステップ200〜ステップ210のループの処理により、新たな起点(ノード9)の設定情報に基づき、設定されている損傷ネットワーク(
図5参照)を構成するノードが、その時点で設定されている最新の起点(ノード9)から到達可能なノード(9、12、16)(
図11中の太い実線の丸で囲まれた番号のノード)とそれら以外の到達不可能なノードとに分類され、ステップ212〜ステップ218のループの処理により、上記分類結果に基づいて脆弱断面を構成する候補リンク(12,13)、(15,16)、(16,17)が選定される。なお、リンク(5,9)、(8,12)、(9,10)は、既に脆弱断面構成リンクとして選定されているので、この場合の候補リンクとはならない。
【0098】
そして、ステップ114において、選定された候補リンク(12,13)、(15,16)、(16,17)のいずれについても脆弱断面構成リンクであるとの判定がなされ、ステップ115において、その判定終了後の時点で設定されている起点(ノード9)の終点側に位置する脆弱断面構成リンクを含む脆弱断面構成リンクのみを含む特定断面、すなわち
図12中に太い実線で示されている、リンク(12,13)、(16,17)、(15,16)を連続的に横切る断面構成要素を含む最新の特定断面のリンク構成がRAM54内の一時格納領域に格納される。
【0099】
次いで、ステップ116において、その最新の特定断面(
図12中の太い実線で示されている断面構成要素を含む特定断面)の終点側に、そのノードから終点へ到達不能なノードとして、4つのノード(11、13、14、18)が存在するとの判定がなされ、ステップ117において、特定断面の終点側に存在する任意のノード(例えば、番号が最も小さいノード11)が、新たな起点として設定される。
【0100】
ステップ112のサブルーチンでは、ステップ200〜ステップ210のループの処理により、新たな起点(ノード11)の設定情報に基づき、設定されている損傷ネットワーク(
図5参照)を構成するノードが、その時点で設定されている最新の起点(ノード11)から到達可能なノード(11、13、14)(
図12中の太い実線の丸で囲まれた番号のノード)とそれら以外の到達不可能なノードとに分類され、ステップ212〜ステップ218のループの処理により、上記分類結果に基づいて脆弱断面を構成する候補リンク(13,17)、(14,18)が選定される。なお、リンク(7,11)、(10,11)、(10,13)、(12,13)は、既に脆弱断面構成リンクとして選定されているので、この場合の候補リンクとはならない。
【0101】
そして、ステップ114において、選定された候補リンク(13,17)、(14,18)のいずれについても脆弱断面構成リンクであるとの判定がなされ、ステップ115において、その判定終了後の時点で設定されている起点(ノード11)の終点側に位置する脆弱断面構成リンクを含む脆弱断面構成リンクのみを含む特定断面、すなわち
図13中に太い実線で示されている、リンク(13,17)、(14,18)を連続的に横切る断面構成要素を含む最新の特定断面のリンク構成がRAM54内の一時格納領域に格納される。
【0102】
次いで、ステップ116において、その最新の特定断面(
図13中の太い実線で示されている断面構成要素を含む特定断面)の終点側に、そのノードから終点へ到達不能なノードノードとして、1つのノード18が存在するとの判定がなされ、ステップ117において、特定断面の終点側に存在する任意のノード(例えば、番号が最も小さいノード15)が、新たな起点として設定される。
【0103】
ステップ112のサブルーチンでは、ステップ200〜ステップ210のループの処理により、新たな起点(ノード15)の設定情報に基づき、設定されている損傷ネットワーク(
図5参照)を構成するノードが、その時点で設定されている最新の起点(ノード15)から到達可能なノード(15、17、19、20)(
図13中の太い実線の丸で囲まれた番号のノード)とそれら以外の到達不可能なノード18とに分類され、ステップ212〜ステップ218のループの処理により、上記分類結果に基づいて脆弱断面を構成する候補リンク(17,18)、(18,20)が選定される。なお、リンク(8,15)、(13,17)、(15,16)、(16,17)は、既に脆弱断面構成リンクとして選定されているので、この場合の候補リンクとはならない。
【0104】
そして、ステップ114において、選定された候補リンク(17,18)、(18,20)のいずれについても脆弱断面構成リンクであるとの判定がなされ、ステップ115において、その判定終了後の時点で設定されている起点(ノード15)の終点側に位置する脆弱断面構成リンクを含む脆弱断面構成リンクのみを含む特定断面、すなわち
図14中に太い実線で示されている、リンク(17,18)、(18,20)を連続的に横切る断面構成要素を含む最新の特定断面のリンク構成がRAM54内の一時格納領域に格納される。
【0105】
次いで、ステップ116において、その最新の特定断面(
図14中の太い実線で示されている断面構成要素を含む特定断面)の終点側に、そのノードから終点へ到達不能なノードは存在しないとの判定がなされ、ステップ118に移行する。
【0106】
ステップ118では、それまでにRAM54内の一時格納領域に格納されている全ての特定断面を、脆弱断面として選定し、RAM54内の所定の結果格納領域(前述の結果格納部26に相当)に格納する。例えば、前述した例の場合、
図15に示されるような、損傷ネットワークと、該損傷ネットワーク上に太い実線で示される脆弱断面との情報が、RAM54内の結果格納領域に格納される。
【0107】
上記ステップ118の処理の後、ステップ122に移行する。ステップ122では、一様乱数zの発生回数をカウントする第2カウンタのカウント値kが、予め定められた試行必要回数K(例えばKは1000)に達したか否かを判断する。そして、この判断が否定された場合、ステップ124でカウント値kを1インクリメント(k←k+1)した後、ステップ105に戻り、以降、ステップ122における判断が肯定されるまで、ステップ105〜ステップ124のループの処理を繰り返す。
【0108】
そして、ステップ105において、K回(例えば1000回)、一様乱数zが発生され、その都度、上記ステップ106以下の処理が行われると、ステップ122の判断が肯定され、ステップ126に移行する。
【0109】
ステップ126では、それまでに選定され、RAM54内の結果格納領域内に格納されている、複数の脆弱断面の中から所定の演算により最脆弱断面を決定し、併せて最脆弱リンクを決定する。具体的には、例えばRAM54内の結果格納領域内に格納されている複数の脆弱断面(を構成するリンク)のうち、出現回数が最大の脆弱断面を最脆弱断面として決定する。また、例えば前記脆弱断面で最も出現回数の多いリンクを、最脆弱リンクとして決定する。なお、最脆弱断面の決定については、さらに後述する。
【0110】
次のステップ128では、前記連結状態の出現回数を示す第1カウンタのカウント値iと既知の試行必要回数K(その時点における第2カウンタのカウント値Kに一致)とに基づいて、評価対象の道路ネットワークの起点と終点との間の連結信頼度(=到達可能回数/試行回数=i/K)を算出する。
【0111】
しかる後、本ルーチンの一連の処理を終了する。
【0112】
ここで、上記ステップ126で行われる、最脆弱断面の決定について、さらに説明する。
【0113】
上記ステップ105〜ステップ124のループの繰り返し処理により実現される、モンテカルロシミュレーションでは、ステップ105において各リンクに与えられる一様乱数zの内容によっては、ステップ116における判断が、1回目に肯定されることがあり、この場合には、ステップ118では、1つの特定断面のみが、脆弱断面として決定される。実際には、ステップ116における判断は、2回目以降に肯定されることが多いと考えられ、その場合には、ステップ118では、複数の特定断面が、脆弱断面として決定される。このように、一様乱数発生の度に、脆弱断面は、1断面だけになる場合と複数断面になる場合とがある。
【0114】
上述のように、一様乱数発生の度に、ステップ118において、1断面又は複数断面の脆弱断面が選定されている。この選定された脆弱断面は、一様乱数発生毎にRAM54内の結果格納領域内に蓄積されている。ここで、この蓄積された脆弱断面を用いて、ステップ126で行われる最脆弱断面の決定方法について、説明する。
【0115】
ステップ126では、まず、蓄積された脆弱断面を、その構成するリンク数の少ない順番で、並び替える。この結果、脆弱断面は、リンク数の少ない順にソートされる。
【0116】
例えば、
図19(A)、
図19(B)及び
図19(C)にそれぞれ示される脆弱断面A、脆弱断面B、及び脆弱断面Cが蓄積されている場合、脆弱断面をリンク数でソートした結果、脆弱断面B、脆弱断面C、脆弱断面Aの順番に並び替えられる。
【0117】
次に、リンク数の少ない脆弱断面から順番に、その他の蓄積された脆弱断面について、この脆弱断面に含まれるリンクが含まれるかどうかを照合し、含まれる場合、この脆弱断面をカウントする。この例の場合、脆弱断面Bは、脆弱断面C、脆弱断面Aにも含まれることとなり、脆弱断面Bは、3カウントされることとなる。
【0118】
次に、最脆弱断面の決定についての具体例について説明する。
【0119】
一例として、ステップ104で選定された評価対象の道路ネットワークの脆弱断面として次のA〜Iまでの断面が含まれていたものとする。なお、それぞれの括弧内の数字は、その脆弱断面を構成するリンク数を示す。
【0120】
A(2),B(3),C(4),D(3),E(4),F(5),G(2),H(3),I(7)
上述のA〜Iまでの脆弱断面は、構成するリンク数でソートされると、次のように並び変えられる。
【0121】
A(2),G(2),B(3),D(3),H(3),C(4),E(4),F(5),I(7)
ここで、例えば断面Fの中に、断面Gが含まれていたと仮定すると、ソート前の場合、断面Gが含まれている断面を探索するために、断面Gから左側の断面ブロック(すなわち断面A〜F)と右側の断面ブロック(すなわち断面H及びI)とを探索する必要がある。これに対して、ソート後であれば、断面Gが含まれている断面を探索するために、断面Gから右側の断面ブロック(すなわち断面B,D,H,C,E,F,及びI)のみを探索すれば良い。
【0122】
次に、脆弱断面の出現回数のカウント方法について説明する。
【0123】
断面A(2)に含まれているリンクが、断面A〜Iに含まれているかを探索し、リンクが含まれていた場合、その断面数がカウントされる。
【0124】
同様に、断面G(2)以降の断面についてもカウントが行われる。ここで、同一断面を含む脆弱断面は、リンク数の少ない順番となっている。従って、断面A(2)で探索した後は、断面B(3)から右側の断面のみを探索すれば良い。
【0125】
ステップ126では、上述の方法で、損傷ネットワーク毎に、脆弱断面の出現回数をカウントし、出現回数が最も多い脆弱断面を最脆弱断面と決定する。
【0126】
なお、前述の最脆弱断面決定部28においても、上述と同様の手順で最脆弱断面が決定される。
【0127】
なお、前述のステップ110、及びステップ200〜ステップ210の処理に代えて、例えば、下記に示すノード識別を行うラベリング処理による方法を採用しても良い。
【0128】
ノード識別を行うラベリング処理による方法では、あるノードから別のあるノードまで到達可能であるとき、ラベル付けが可能であるという。このラベリング処理方法においては、次の記号が用いられるものとする。
[m,n,A,B]
ここで、mはリンク発側ノード、nはリンク着側ノードを示す番号である。Aは、着側ノードnに既にラベルが付けられているかどうか(経由ルートは問わない)を表す記号である。Aは、既に着側ノードnにラベル付けされているとき(到達可能となっているとき)はL、そうでないとき(到達可能となっていないとき)はULと表示される。
【0129】
Bは、発側ノードmから着側ノードnに新たにラベルが付けられるかどうか(到達可能性)を示す記号である。Bは、AがすでにLとなっているときはLと表示され、着側ノードnへの改めてのラベル付けは行われない。すなわち、着側ノードnが既に到達可能となっているので、ラベリング探索は不要だからである。
【0130】
一方、AがULのときは,発側ノードmから着側ノードnにラベル付けが可能かどうか(到達可能性)が調べられる。Bは、発側ノードmから着側ノードnに到達可能であるときL、到達不能であるときULと、それぞれ表示される。
【0131】
このラベリング処理方法では、起点であるノード1においては,無条件にラベルが付けられるとして,[0,1,UL,L]と表される。この表記は後続のラベリンク記号と合わせるための便宜的なものである。すなわち,仮想ノード0からノード1にはまだラベル付けがなされていない(A=UL)として、ノード1に新たにラベル付けがなされる(B=L)。
【0132】
ここで、ラベリング処理方法の具体的な計算方法の一例を説明する。まず、
図20(A)に基づいて、ネットワークが連結である場合のラベリング処理方法の計算例について説明する。
【0133】
まず、前述の如く、起点であるノード1においてラベリング記号[0,1,UL,L]と表される。
【0134】
次に、ノード2へのラベリンクが行われる。ノード1からノード2へはまだラベル付けが探索されておらず(A=UL)、またリンクが連結されているので到達可能であり,ラベルが付けられる(B=L)ことになる。したがって,ノード2のラベリング記号は[1,2,UL,L] と表記される。続いて、ノード1からノード3へのラベル付けが行われる。この場合、上と同様、ノード3のラベリング記号は[1,3,UL,L]となる。
【0135】
これにより、ノード1からすべての隣接ノードへのラベリングが終了したので,次にノード2をリンク発側ノードとするラベリングに移る。この場合、ノード3にはすでにラベル付けがなされているので、ノード2からノード3への新たなラベリングは行われない。ノード3をリンク発側ノードとする、ノード2へのラベリングにおいてもすでにノード2へのラベル付けがなされているのでラベリングする必要がない。
【0136】
このようにして、起点ノード1から順次隣接ノードへのラベリングが行われ、終点ノード6まで続けられる.この例ではノード1からノード6までのラベリングが可能なので、到達可能であることを表しており、連結状態となっている。この場合、前述のステップ110での判断が否定された場合と同様、到達可能なノード集合と到達不能なノード集合との分類、ひいては脆弱断面の選定は行われない。
【0137】
上述の説明からわかるように、このラベリング処理方法は起点ノードから終点ノードまでの経路探索法であり、経路は終点ノードからラベル付けされたリンク発側ノードを順次逆に辿ることによって知ることができる。この例では,終点ノード6のラベルはノード4から、ノード4のラベルはノード2から、ノード2のラベルはノード1からなされているので,ノード1からノード6には,経路はリンク(1,2)、リンク(2,4)、リンク(4,6)を経由して連結されていることがわかる。
【0138】
次に、ネットワークが非連結となるこのラベリング処理方法の計算例を
図20(B)に基づいて説明する。
図20(A)の例と同様にして,ノード2とノード3にラベルが付けられる。ノード2からノード4へはリンク(2,4)が損傷しており,到達不能なのでラベルが付けられない。従って、ラベリング記号は[2,4,UL,UL]となる。ノード2からノード5へは到達可能なので,ノード5にはラベルが付けられ、ラベリング記号は、[2,5,UL,L]となる。ノード5からノード6へは、リンク(5,6)が損傷しているのでラベル付けが不能であり、ラベリング記号は、[5,6,UL,UL]となる。また、ノード5からノード4へは、リンク(4,5)が損傷しているのでラベル付けできず、ラベリング記号は、[5,4,UL,UL]となる。
【0139】
このようにして、各ノードに対するラベリング探索が終了すると、ラベルが付けられるノード(到達可能なノード)集合と,ラベルが付けられないノード(到達不能なノード)集合に分離される。
図20(B)の例では、前者のノード集合は{1,2,3,5}であり,後者のノード集合は{4,6}である。
【0140】
そして,この2つのノード集合を切断する集合{リンク(2,4),リンク(4,5),リンク(5,6)}から構成されるカットセットCが出現する。カットセットCを構成するリンクは,いずれも発側ノードはラベル付可能(B=L)、着側ノードはラベル付不能(B=UL)となっているので、このようなリンク集合を探索することによって、カットセットを抽出することができる。このカットセットが、災害時における道路ネットワークの脆弱断面となる。
【0141】
上述したラベリング処理方法は、以下の手順にまとめられる。
手順1(初期状態) m=0かつn=1とし、ラベリング記号[0,1,UL,L]とする。
手順2 m=m+1、及びn=n+1とする。ノードnがまだ到達可能となっていない(A=UL)とき、ノードmからノードnへラベル付けが可能であればB=L、ラベル付け不能であればB=ULとする。ノードnがすでに到達可能であるとき,すなわちラベルが付けられている(A=L)とき、ラベル付けを行う必要はない。
手順3 ノードmから全ての隣接ノードnに対して、上のラベリングを行う。全ての隣接ノードnに対してのラベリングが終了すれば、m及びnにそれぞれ1を足して、m+1、及びn+1とする。
手順4 起点ノードから終点ノードまで順次すべてのノードについて手順3の操作を繰り返す。最終ノードまでラベルが付けられる(到達可能である)とき、ネットワークは連結となっている。最終ノードまでラベル付けが出来ない(到達できない)とき、ネットワークは非連結となる。
手順5 非連結となるとき、ラベル付けされるノード集合とラベル付けされないノード集合に分離されるので、この2つのノード集合を切断するリンク集合であるカットセットを抽出する。カットセットの抽出は、B=LとなっているノードmとB=ULとなっているノードnを結ぶ損傷リンク(m,n)の集合を探索することで行うことができる。
【0142】
上述したように、ノード識別を行うラベリング処理による方法において、起点ノードOから終点ノードDまで途中ノードを順次経由して到達可能であれば、このOD間はネットワークが連結されていることになる。ネットワークが連結とならない場合、起点ノードからラベルが付けられる(到達可能である)ノード集合と、ラベルが付けられない(到達不能である)ノード集合に分類される。この2つのノード集合を切断するリンク集合、すなわちカットセットが、災害発生時における交通ネットワークの脆弱断面となる。
【0143】
なお、上述したノード識別を行うラベリング処理による方法を含む、ラベリング法に関しては、例えば「基礎土木光学シリーズ22 赤井浩一監修 土木計画システム分析 最適化編 飯田恭敬 編著 森北出版株式会社」の154頁〜167頁に記載されており、上記のノード識別を行うラベリング処理による方法と同様の方法については、記号が上記と幾分異なるが、同157頁に記載されている。
【0144】
これまでの説明から明らかなように、本実施形態では、CPU51がステップ102の処理を実行することで仮設定部12aが実現され、CPU51がステップ104の処理を実行することで本設定部12bが実現され、CPU51がステップ105の処理を実行することで一様乱数発生部14が実現され、CPU51がステップ106の処理を実行することで第1決定部16が実現され、CPU51がステップ108の処理を実行することで第2設定部18が実現され、CPU51がステップ110の処理(判断)を実行することで連結判断部20が実現され、CPU51がステップ112の処理を実行することで候補リンク選定部24aが実現され、CPU51がステップ114及び115の処理を実行することで第1判定部24bが実現され、CPU51がステップ116の処理(判断)を実行することで第2判定部24cが実現され、CPU51がステップ117の処理を実行することで起点設定部24dが実現され、CPU51がステップ118の処理を実行することで選定部24eが実現され、CPU51がステップ126の処理を実行することで最脆弱断面決定部28が実現され、CPU51がステップ128の処理を実行することで連結信頼度算出部30が実現されている。しかし、これに限らず、上記各部を、マイクロプロセッサ等をそれぞれ含むハードウェアにより構成しても良い。
【0145】
また、本実施形態では、仮設定部12aにより仮設定手段が構成され、本設定部12bにより本設定手段が構成され、第1設定部12によって第1設定手段が構成されている。また、一様乱数発生部14により一様乱数発生手段が構成され、第1決定部16により第1決定手段が構成され、第2設定部18により第2設定手段が構成され、連結判断部20により連結判断手段が構成されている。また、候補リンク選定部24aにより候補リンク選定手段が構成され、第1判定部24bと第2判定部24cとによって判定手段が構成され、起点設定部24dによって起点設定手段が構成され、選定部24eによって選定手段が構成され、候補リンク選定部24a、第1判定部24b、第2判定部24c、起点設定部24d、及び選定部24eを含む脆弱断面選定部24により脆弱断面選定手段が構成されている。また、最脆弱断面決定部28により、最脆弱断面決定手段が構成され、連結信頼度算出部30により連結信頼度算出手段が構成されている。
【0146】
以上詳細に説明したように、本実施形態によると、従来の理論的解析方法によっては困難であった道路ネットワークの連結性の算定、最脆弱断面及び最脆弱リンクの選定を、モンテカルロシミュレーションの手法により、容易に実行することが可能になる。これにより、現実の大規模道路ネットワークの強靭性評価への実務適用も可能になる。加えて、評価対象の道路ネットワーク内の最脆弱断面及び最脆弱リンクを選定することができるので、補強すべきリンク(道路)の候補を容易に選定することが可能になる。
【0147】
なお、上記実施形態では、遮断確率1-pと一様乱数zとを比較して、各リンクが機能しているか否かを決定することとしたが、これに限らず、非遮断確率pと一様乱数zとを比較して、各リンクが機能しているか否かを決定することとしても良い。要は、リンク信頼度に関する情報と与えられた一様乱数とを用いて各リンクが機能しているか否かを決定すれば良い。
【0148】
また、上記実施形態では、最脆弱断面決定部28が、最脆弱断面の決定に加えて、最脆弱リンクの決定を行うものとしたが、最脆弱リンクの決定は必ずしも行わなくても良い。
【0149】
また、上記実施形態では、ネットワーク評価装置50に、連結信頼度算出部30が設けられている場合について説明したが、本発明のネットワーク評価装置には、連結信頼度算出手段が設けられていなくても良い。
【0150】
また、上記実施形態では、最脆弱断面の決定に際し、計算時間(探索時間を含む)の短縮のため、複数の脆弱断面を、各脆弱断面を構成するリンク数が少ない順にソートすることとしたが、必ずしもソートしなくても良い。
【0151】
また、上記実施形態では、連結状態の出現回数をカウントする第1カウンタ22と、一様乱数の発生回数をカウントする第2カウンタ32とが設けられる場合について例示したが、これに限らず、連結状態の出現回数をカウントする第1カウンタ22と、非連結状態の出現回数をカウントする別のカウンタとを設けても良い。すなわち、第1カウンタ22のカウント値とその別のカウンタのカウント値との合計が、一様乱数の発生回数になるような構成を採用しても良い。同様に、
図16のフローチャートにおいて、ステップ124を取り去り、ステップ110からステップ122に至る直線の流れのどこか、例えばステップ118とステップ122との間(ただし、ステップ120からの矢印の合流点のステップ118側の位置)に、非連結状態の出現回数をカウントするステップを設けても良い。
【0152】
また、前述したフローチャート(
図16〜
図18)に対応するプログラムは、CD−ROM、DVD−ROMその他の情報記録媒体に格納しておいても良い。
【解決手段】 評価装置50は、設定情報の入力に応じて、評価対象の道路ネットワークを設定する第1設定部12、該道路ネットワークを構成する各リンクに対して一様乱数を与えることを、所定回数繰り返す一様乱数発生部、一様乱数が各リンクに与えられる度に、各リンクについて機能しているか否かを決定する第1決定部16、該決定がなされる度に、損傷ネットワークを設定する第2設定部18、損傷ネットワークが設定される度にその起点から終点への連結性を判断する連結判断部20、非連結であるとの判断がなされる度に、脆弱断面を選定する脆弱断面選定部24及び損傷ネットワークの設定及び連結性の判断が前記所定回数行われたときに、それまでに選定されている複数の脆弱断面の中から最脆弱断面を決定する最脆弱断面決定部28を備えている。