【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、高い安全性及び強力な活性を有するPDE−5阻害剤を提供し、特定の技術的解決策は、下記一般式(I)
【0011】
【化2】
【0012】
(式中、
R
1は6員若しくは7員の含窒素ヘテロ縮合環基、7員〜12員の含窒素ヘテロスピロ環基又は7員〜12員の含窒素ヘテロ架橋環基を表し、各々がNを介してピリミジン環に結合し、非置換であるか、又は1個〜4個の置換基で置換され、
前記置換基はハロゲン原子、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、C
1〜6アルキル、ハロ化C
1〜6アルキル、ヒドロキシC
1〜6アルキル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6アルキルカルボニル又はC
1〜6アルコキシカルボニルから選択され、
R
2は水素原子、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、C
1〜6アルキルアミノ、ジ(C
1〜6アルキル)アミノ、C
1〜6アルキル、ハロ化C
1〜6アルキル、ヒドロキシC
1〜6アルキル又はC
1〜6アルコキシを表し、
R
3及びR
4は各々独立して水素原子若しくは−M−R
7を表し、
Mは単結合、若しくは非置換の若しくは1個〜4個の置換基で置換されたC
1〜6アルキリデンを表し、
R
7は非置換の若しくは1個〜4個の置換基で置換された、アダマンチル以外の環式基を表し、又は、
R
3及びR
4は、それらが結合する窒素原子とともに非置換の若しくは1個〜4個の置換基で置換された5員〜7員の含窒素ヘテロ環基を形成し、
前記置換基はハロゲン原子、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、C
1〜6アルキルアミノ、ジ(C
1〜6アルキル)アミノ、オキソ、C
1〜6アルキル、ヒドロキシC
1〜6アルキル、ハロ化C
1〜6アルキル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6アルキルカルボニル、C
1〜6アルキルスルホニル若しくはジ(C
1〜6アルキル)ホスフィノから選択され、
R
5は水素原子又は−Q−R
8を表し、
Qは単結合、又は非置換の若しくは1個〜4個の置換基で置換されたC
1〜6アルキリデンを表し、
R
8は6員〜14員のアリール、5員〜7員のヘテロ単環式基又は6員〜14員の縮合環基を表し、各々が非置換であるか、又は1個〜4個の置換基で置換され、
前記置換基はハロゲン原子、ヒドロキシ、C
1〜6アルキル、ハロ化C
1〜6アルキル、カルボキシルC
1〜6アルキル、C
2〜6アルケニル、C
2〜6アルキニル、C
1〜8アルコキシ、ハロ化C
1〜8アルコキシ、アミノ、C
1〜6アルキルアミノ、ジ(C
1〜6アルキル)アミノ、シアノ、ニトロ、C
1〜6アルキルカルボニル、スルホニルアミノ又はC
1〜6アルキルスルホニルアミノから選択される)によって表される化合物及びその薬学的に許容可能な塩又はその立体異性体に関する。
【0013】
一般式(I)において、R
1は例えば6員若しくは7員の含窒素ヘテロ縮合環基、7員〜10員の含窒素ヘテロスピロ環基又は7員若しくは8員の含窒素ヘテロ架橋環基を表し、各々がNを介してピリミジン環に結合し、非置換であるか、又は1個〜3個の置換基で置換され、
上記置換基はハロゲン原子、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、C
1〜6アルキル、ハロ化C
1〜6アルキル、ヒドロキシC
1〜6アルキル又はC
1〜6アルコキシから選択され、
また、R
1は、例えば以下の群:
【0014】
【化3】
【0015】
の基であり、
また、R
1は、例えば以下の群:
【0016】
【化4】
【0017】
の基であり、
また、R
1は、例えば以下の群:
【0018】
【化5】
【0019】
の基であり、
また、R
1は、例えば以下の群:
【0020】
【化6】
【0021】
の基である。
【0022】
一般式(I)において、R
2が、例えば、水素原子、ヒドロキシ又はメチルを表し、また例えば水素原子である。
【0023】
一般式(I)において、R
3は例えば−M−R
7であり、
Mは単結合、若しくは非置換の若しくは1個〜4個の置換基で置換されたC
1〜6アルキリデンを表し、
R
7はフェニル、5員〜7員のヘテロ単環式基、4員〜7員のシクロアルキル、6員〜14員の縮合環基、7員〜10員のスピロ環基若しくは、アダマンチル以外の7員〜10員の架橋環基から選択され、各々が非置換であるか、若しくは1個〜3個の置換基で置換され、又は、
R
3及びR
4が、それらが結合する窒素原子とともに、非置換の若しくは置換された5員〜6員の含窒素ヘテロ環基を形成し、
上記置換基はハロゲン原子、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、C
1〜6アルキルアミノ、ジ(C
1〜6アルキル)アミノ、オキソ、C
1〜6アルキル、ヒドロキシC
1〜6アルキル、ハロ化C
1〜6アルキル若しくはC
1〜6アルコキシから選択され;
R
3は例えば−M−R
7であり、
Mは単結合、若しくは非置換の若しくは1個〜2個の置換基で置換されたC
1〜6アルキリデン)を表し、
R
7はフェニル、5員〜7員のヘテロ単環式基、4員〜7員のシクロアルキル、8員〜10員の縮合環基、7員〜10員のスピロ環基若しくは、アダマンチル以外の7員〜10員の架橋環基から選択され、各々が非置換であるか、若しくは1個〜3個の置換基で置換され、又は、
R
3及びR
4は、それらが結合する窒素原子とともに、非置換の若しくは置換された5員〜6員の含窒素ヘテロ環基を形成し、
上記置換基はハロゲン原子、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、C
1〜6アルキルアミノ、ジ(C
1〜6アルキル)アミノ、オキソ、C
1〜6アルキル、ヒドロキシC
1〜6アルキル、ハロ化C
1〜6アルキル若しくはC
1〜6アルコキシから選択され;
R
3は例えば
【0024】
【化7】
【0025】
からなる群の基であり、又は、
R
3及びR
4が、それらが結合する窒素原子とともに
【0026】
【化8】
【0027】
を形成し;
R
3は例えば
【0028】
【化9】
【0029】
からなる群の基であり;
R
3は例えば
【0030】
【化10】
【0031】
からなる群の基であり;
R
3は例えば
【0032】
【化11】
【0033】
からなる群の基である。
【0034】
一般式(I)において、R
4は例えば水素原子である。
【0035】
一般式(I)において、R
5は例えば−Q−R
8であり、
Qは非置換の又は1個〜3個の置換基で置換されたC
1〜6アルキリデンから選択され、
R
8は6員〜14員のアリール、5員〜7員のヘテロ単環式基又は6員〜14員の縮合環基から選択され、各々が非置換であるか、又は1個〜3個の置換基で置換され、
上記置換基はハロゲン原子、ヒドロキシ、C
1〜6アルキル、ハロ化C
1〜6アルキル、カルボキシルC
1〜6アルキル、C
1〜8アルコキシ、ハロ化C
1〜8アルコキシ、アミノ、C
1〜6アルキルアミノ、ジ(C
1〜6アルキル)アミノ、シアノ、ニトロ、C
1〜6アルキルカルボニル、スルホニルアミノ又はC
1〜6アルキルスルホニルアミノから選択され;
R
5は例えば−Q−R
8であり、
Qは非置換の若しくは1個〜2個の置換基で置換されたメチリデン、又は非置換の若しくは1個〜3個の置換基で置換されたエチリデンから選択され、
R
8はフェニル、5員〜7員のヘテロ単環式基又は6員〜14員の縮合環基から選択され、各々が非置換であるか、又は1個〜3個の置換基で置換され、
上記置換基はC
1〜3アルキル、フッ素、塩素、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメトキシ、ジメチルアミノ又はカルボキシメチルから選択され;
R
5は例えば−Q−R
8であり、
Qは非置換の又は1個〜2個の置換基で置換されたメチリデン又はエチリデンから選択され、
R
8はフェニル、5員〜7員のヘテロ単環式基又は8員〜10員の縮合環基から選択され、各々が非置換であるか、又は1個〜3個の置換基で置換され、
上記置換基はC
1〜3アルキル、フッ素、塩素、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメトキシ、ジメチルアミノ又はカルボキシメチルから選択され;
R
5は例えば
【0036】
【化12】
【0037】
からなる群の基であり;
R
5は例えば
【0038】
【化13】
【0039】
からなる群の基であり;
R
5は例えば
【0040】
【化14】
【0041】
である。
【0042】
本発明による化合物は例えば、
R
1は6員若しくは7員の含窒素ヘテロ縮合環基、7員〜12員の含窒素ヘテロスピロ環基又は7員〜12員の含窒素ヘテロ架橋環基を表し、各々がNを介してピリミジン環に結合し、非置換であるか、又は1個〜4個の置換基で置換され、
前記置換基はハロゲン原子、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、C
1〜6アルキル、ハロ化C
1〜6アルキル、ヒドロキシC
1〜6アルキル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6アルキルカルボニル又はC
1〜6アルコキシカルボニルから選択され、
R
2は水素原子、ヒドロキシ又はメチルを表し、
R
3は水素原子若しくは−M−R
7を表し、
Mは単結合、若しくは非置換の若しくは1個〜4個の置換基で置換されたC
1〜6アルキリデンを表し、
R
7は非置換の若しくは1個〜4個の置換基で置換された、アダマンチル以外の環式基を表し、、又は、
R
3及びR
4は、それらが結合する窒素原子とともに非置換の若しくは1個〜4個の置換基で置換された5員〜7員の含窒素ヘテロ環基を形成し、
前記置換基はハロゲン原子、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、C
1〜6アルキルアミノ、ジ(C
1〜6アルキル)アミノ、オキソ、C
1〜6アルキル、ヒドロキシC
1〜6アルキル、ハロ化C
1〜6アルキル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6アルキルカルボニル、C
1〜6アルキルスルホニル若しくはジ(C
1〜6アルキル)ホスフィノから選択され、
R
4は水素原子を表し、
R
5は水素原子又は−Q−R
8を表し、
Qは単結合、又は非置換の若しくは1個〜4個の置換基で置換されたC
1〜6アルキリデンを表し、
R
8は6員〜14員のアリール、5員〜7員のヘテロ単環式基又は6員〜14員の縮合環基を表し、各々が非置換であるか、又は1個〜4個の置換基で置換され、
前記置換基はハロゲン原子、ヒドロキシ、C
1〜6アルキル、ハロ化C
1〜6アルキル、カルボキシルC
1〜6アルキル、C
2〜6アルケニル、C
2〜6アルキニル、C
1〜8アルコキシ、ハロ化C
1〜8アルコキシ、アミノ、C
1〜6アルキルアミノ、ジ(C
1〜6アルキル)アミノ、シアノ、ニトロ、C
1〜6アルキルカルボニル、スルホニルアミノ又はC
1〜6アルキルスルホニルアミノから選択される、
一般式(I)の化合物である。
【0043】
本発明による化合物は例えば、
R
1は6員若しくは7員の含窒素ヘテロ縮合環基、7員〜12員の含窒素ヘテロスピロ環基又は7員〜12員の含窒素ヘテロ架橋環基を表し、各々がNを介してピリミジン環に結合し、非置換であるか、又は1個〜4個の置換基で置換され、
前記置換基はハロゲン原子、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、C
1〜6アルキル、ハロ化C
1〜6アルキル、ヒドロキシC
1〜6アルキル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6アルキルカルボニル又はC
1〜6アルコキシカルボニルから選択され、
R
2は水素原子、ヒドロキシ又はメチルを表し、
R
3は水素原子若しくは−M−R
7を表し、
Mは単結合、若しくは非置換の若しくは1個〜4個の置換基で置換されたC
1〜6アルキリデンを表し、
R
7は非置換の若しくは1個〜4個の置換基で置換された、アダマンチル以外の環式基を表し、、又は、
R
3及びR
4は、それらが結合する窒素原子とともに非置換の若しくは1個〜4個の置換基で置換された5員〜7員の含窒素ヘテロ環基を形成し、
前記置換基はハロゲン原子、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、C
1〜6アルキルアミノ、ジ(C
1〜6アルキル)アミノ、オキソ、C
1〜6アルキル、ヒドロキシC
1〜6アルキル、ハロ化C
1〜6アルキル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6アルキルカルボニル、C
1〜6アルキルスルホニル若しくはジ(C
1〜6アルキル)ホスフィノから選択され、
R
4は水素原子を表し、
R
5は−Q−R
8を表し、
Qは非置換の又は1個〜3個の置換基で置換されたC
1〜6アルキリデンから選択され、
R
8は6員〜14員のアリール、5員〜7員のヘテロ単環式基又は6員〜14員の縮合環基から選択され、各々が非置換であるか、又は1個〜3個の置換基で置換され、
前記置換基はハロゲン原子、ヒドロキシ、C
1〜6アルキル、ハロ化C
1〜6アルキル、カルボキシルC
1〜6アルキル、C
1〜8アルコキシ、ハロ化C
1〜8アルコキシ、アミノ、C
1〜6アルキルアミノ、ジ(C
1〜6アルキル)アミノ、シアノ、ニトロ、C
1〜6アルキルカルボニル、スルホニルアミノ又はC
1〜6アルキルスルホニルアミノから選択される、
一般式(I)の化合物である。
【0044】
本発明による化合物は例えば、
R
1が6員若しくは7員の含窒素ヘテロ縮合環基、7員〜10員の含窒素ヘテロスピロ環基又は7員若しくは8員の含窒素ヘテロ架橋環基から選択され、各々がNを介してピリミジン環に結合し、非置換であるか、又は1個〜3個の置換基で置換され、
上記置換基がハロゲン原子、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、C
1〜6アルキル、ハロ化C
1〜6アルキル、ヒドロキシC
1〜6アルキル又はC
1〜6アルコキシから選択され、
R
2が水素原子、ヒドロキシ又はメチルを表し、
R
3が−M−R
7から選択され、
Mが単結合、若しくは非置換の若しくは1個〜4個の置換基で置換されたC
1〜6アルキリデンを表し、
R
7がフェニル、5員〜7員のヘテロ単環式基、4員〜7員のシクロアルキル、6員〜14員の縮合環基、7員〜10員のスピロ環基若しくは、アダマンチル以外の7員〜10員の架橋環基から選択され、各々が非置換であるか、若しくは1個〜3個の置換基で置換され、又は、
R
3及びR
4が、それらが結合する窒素原子とともに、非置換の若しくは置換された5員〜6員の含窒素ヘテロ環基を形成し、
上記置換基がハロゲン原子、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、C
1〜6アルキルアミノ、ジ(C
1〜6アルキル)アミノ、オキソ、C
1〜6アルキル、ヒドロキシC
1〜6アルキル、ハロ化C
1〜6アルキル若しくはC
1〜6アルコキシから選択され、
R
4が水素原子を表し、
R
5が−Q−R
8を表し、
Qが非置換の若しくは1個〜2個の置換基で置換されたメチリデン、又は非置換の若しくは1個〜3個の置換基で置換されたエチリデンから選択され、
R
8がフェニル、5員〜7員のヘテロ単環式基又は6員〜14員の縮合環基から選択され、各々が非置換であるか、又は1個〜3個の置換基で置換され、
上記置換基がC
1〜3アルキル、フッ素、塩素、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメトキシ、ジメチルアミノ又はカルボキシメチルから選択される、
一般式(I)の化合物である。
【0045】
本発明による化合物は例えば、
R
1が6員若しくは7員の含窒素ヘテロ縮合環基、7員〜10員の含窒素ヘテロスピロ環基又は7員若しくは8員の含窒素ヘテロ架橋環基から選択され、各々がNを介してピリミジン環に結合し、非置換であるか、又は1個〜3個の置換基で置換され、
上記置換基がハロゲン原子、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、C
1〜6アルキル、ハロ化C
1〜6アルキル、ヒドロキシC
1〜6アルキル又はC
1〜6アルコキシから選択され、
R
2が水素原子、ヒドロキシ又はメチルを表し、
R
3が−M−R
7から選択され、
Mが単結合、若しくは非置換の若しくは1個〜2個の置換基で置換されたC
1〜6アルキリデンを表し、
R
7がフェニル、5員〜7員のヘテロ単環式基、4員〜7員のシクロアルキル、8員〜10員の縮合環基若しくは7員〜10員のスピロ環基から選択され、各々が非置換であるか、若しくは1個〜3個の置換基で置換され、又は、
R
3及びR
4が、それらが結合する窒素原子とともに、非置換の若しくは置換された5員〜6員の含窒素ヘテロ環基を形成し、
上記置換基がハロゲン原子、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、C
1〜6アルキルアミノ、ジ(C
1〜6アルキル)アミノ、オキソ、C
1〜6アルキル、ヒドロキシC
1〜6アルキル、ハロ化C
1〜6アルキル若しくはC
1〜6アルコキシから選択され、
R
4が水素原子を表し、
R
5が−Q−R
8を表し、
Qが非置換の又は1個〜2個の置換基で置換されたメチリデン又はエチリデンから選択され、
R
8がフェニル、5員〜7員のヘテロ単環式基又は8員〜10員の縮合環基から選択され、各々が非置換であるか、又は1個〜3個の置換基で置換され、
上記置換基がC
1〜3アルキル、フッ素、塩素、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメトキシ、ジメチルアミノ又はカルボキシメチルから選択される、
一般式(I)の化合物である。
【0046】
本発明による化合物は例えば、
R
1が
【0047】
【化15】
【0048】
からなる群から選択され、
R
2が水素原子から選択され、
R
4が水素原子から選択され、
R
3が
【0049】
【化16】
【0050】
からなる群から選択されるか、又は、
R
3及びR
4が、それらが結合する窒素原子とともに
【0051】
【化17】
【0052】
を形成し、
R
5が
【0053】
【化18】
【0054】
からなる群から選択される、
一般式(I)の化合物である。
【0055】
本発明による化合物は例えば、
R
1が
【0056】
【化19】
【0057】
からなる群から選択され、
R
2が水素原子から選択され、
R
3が
【0058】
【化20】
【0059】
からなる群から選択され、
R
4が水素原子から選択され、
R
5が
【0060】
【化21】
【0061】
からなる群から選択される、
一般式(I)の化合物である。
【0062】
本発明による化合物は例えば、
R
1が
【0063】
【化22】
【0064】
からなる群から選択され、
R
2が水素原子から選択され、
R
3が
【0065】
【化23】
【0066】
からなる群から選択され、
R
4が水素原子から選択され、
R
5が
【0067】
【化24】
【0068】
からなる群から選択される、
一般式(I)の化合物である。
【0069】
本発明による化合物は例えば、
R
1が
【0070】
【化25】
【0071】
からなる群から選択され、
R
2が水素原子から選択され、
R
3が
【0072】
【化26】
【0073】
からなる群から選択され、
R
4が水素原子から選択され、
R
5が
【0074】
【化27】
【0075】
からなる群から選択される、
一般式(I)の化合物である。
【0076】
本発明では、「ハロ化」という用語は、「ハロゲン原子」で置換されていることを指し、「ハロゲン原子」はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を指す。
【0077】
本発明では、「C
1〜6アルキル」という用語は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、2−メチルブチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、イソヘキシル、3−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メチルペンチル、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、1,2−ジメチルプロピル等の原子数1〜6の直鎖又は分岐アルキルを指す。例えば、C
1〜3アルキルである。本発明では、「C
1〜3アルキル」という用語は、炭素原子数1〜3の上記の例を指す。
【0078】
本発明では、「C
1〜6アルキリデン」という用語は、1つの水素原子を取り除くことによって上記のアルキルから得られる直鎖又は分岐アルカンを指し、−(CH
2)
t−(tは1〜6の整数である)、例えばメチリデン(−CH
2−)、エチリデン(−CH
2CH
2−)、プロピリデン(−CH
2CH
2CH
2−)等が挙げられる。
【0079】
本発明では、「C
1〜6アルコキシ」という用語は、「C
1〜6アルキル」が酸素原子を介して別の構造に結合した基、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、ペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキソキシ等を指す。
【0080】
本発明では、R
1は6員若しくは7員の含窒素ヘテロ縮合環基、7員〜12員の含窒素ヘテロスピロ環基、又は7員〜12員の含窒素ヘテロ架橋環基を表し、
「6員若しくは7員の含窒素ヘテロ縮合環基」は、6個若しくは7個の環原子を含有し(少なくとも1つの窒素ヘテロ原子を含有し、更に他のヘテロ原子を含有していてもよい)、2つ以上の環状構造同士が隣接した2つの原子を共有して結合することによって構成する6員若しくは7員の飽和した又は部分的に飽和した含窒素縮合環基を指し、具体例としては、任意の置換可能な水素原子が置換された
【0081】
【化28】
【0082】
等の環状構造が挙げられるが、これらに限定されない。
【0083】
「7員〜12員の含窒素ヘテロスピロ環基」という用語は、7個〜12個の環原子を含有(少なくとも1つの窒素ヘテロ原子を含有し、更に他のヘテロ原子を含有していてもよい)、少なくとも2つの環が1つの原子を共有するスピロ環構造を指し、飽和した7員〜12員の含窒素スピロ環基及び部分的に飽和した7員〜12員の含窒素ヘテロスピロ環基を含む。
【0084】
飽和した7員〜12員の含窒素ヘテロスピロ環基は、当該スピロ環の全ての環が飽和環式基であるスピロ環基を指し、その例としては、任意の置換可能な水素原子が置換された
【0085】
【化29】
【0086】
等の環状構造、例えば飽和した7員〜10員の含窒素ヘテロスピロ環基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0087】
部分的に飽和した7員〜12員の含窒素ヘテロスピロ環基は、スピロ環の少なくとも1つの環が不飽和環式基であるスピロ環基を指し、その例としては、任意の置換可能な水素原子が置換された
【0088】
【化30】
【0089】
等の環状構造、例えば部分的に飽和した7員〜10員の含窒素ヘテロスピロ環基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0090】
「7員〜12員の含窒素ヘテロ架橋環基」は、7個〜12個の環原子を含有し(少なくとも1つの窒素ヘテロ原子を含有し、更に他のヘテロ原子を含有していてもよい)、任意の2つの環が互いに直接結合していない2つの原子を共有する環状構造を指し、7員〜12員の飽和した架橋環、7員〜12員の部分的に飽和した架橋環が含まれる。
【0091】
飽和した7員〜12員の含窒素ヘテロ架橋環基は、架橋環の全ての環が飽和した環式環基、例えば飽和した7員若しくは8員の含窒素ヘテロ架橋環基であることを指し、具体例としては、任意の置換可能な水素原子が置換された
【0092】
【化31】
【0093】
等の環状構造が挙げられるが、これらに限定されない。
【0094】
部分的に飽和した7員〜12員の含窒素架橋環基は、架橋環の少なくとも1つの環が不飽和環式環基、例えば7員若しくは8員の部分的に不飽和の架橋環であることを指し、具体例としては、任意の置換可能な水素原子が置換された
【0095】
【化32】
【0096】
等の環状構造が挙げられるが、これらに限定されない。
【0097】
本発明では、R
7で表される「環式基」はフェニル、5員〜7員のヘテロ単環式基、4員〜7員のシクロアルキル、6員〜14員の縮合環基、7員〜10員のスピロ環基又は7員〜10員の架橋環基を含み、
「5員〜7員のヘテロ単環式基」は、窒素、酸素又は硫黄等のヘテロ原子を含有する飽和した、部分的に飽和した及び不飽和の含窒素5員〜7員の環式基を含む。
【0098】
「飽和した5員〜7員のヘテロ単環式基」の具体例としては、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピロリル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジル、モルホリニル、ピペラジニル、2−オキソ−アザシクロヘプチル、2−オキソ−ピペラジニル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0099】
「部分的に飽和した5員〜7員のヘテロ単環式基」の具体例としては、ジヒドロチエニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロピラゾリル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0100】
「不飽和の5員〜7員のヘテロ単環式基」の具体例としては、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピリミジル、ピリジル、ピラジニル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0101】
「4員〜7員のシクロアルキル」という用語は、4員〜7員のモノシクロアルキルを指し、例としてはシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0102】
「6員〜14員の縮合環基」という用語は、2つ以上の環状構造が隣接した2つの原子を共有する原子数6〜14の縮合環構造を指し、6員〜14員の飽和した縮合環基、6員〜14員の部分的に飽和した縮合環基、6員〜14員の不飽和の縮合ヘテロ環基、6員〜14員の部分的に飽和した縮合ヘテロ環基、6員〜14員の飽和した縮合ヘテロ環基が含まれる。例えば、8員〜10員の縮合環基である。6員〜14員の飽和した縮合環基とは、縮合環基が完全に飽和した炭素環であることを指し、その例としては、ジシクロ[3.1.0]ヘキシル、ジシクロ[4.1.0]ヘプチル、ジシクロ[2.2.0]ヘキシル、ジシクロ[3.2.0]ヘプチル、ジシクロ[4.2.0]オクチル、オクタヒドロシクロペンタジエニル、オクタヒドロ−1H−インデニル、デカヒドロナフタレニル、テトラデカヒドロフェナントリルが挙げられるが、これらに限定されない。6員〜14員の部分的に飽和した縮合環基とは、縮合環の少なくとも1つの環が部分的に飽和した炭素環であることを指し、その例としては、ジシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−エニル、ジシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−エニル、ジシクロ[3.2.0]ヘプタン−3−エニル、ジシクロ[4.2.0]オクタン−3−エニル、1,2,3,3a−テトラヒドロシクロペンタジエニル、2,3,3a,4,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−インデニル、1,2,3,4,4a,5,6,8a−オクタヒドロナフタレニル、1,2,4a,5,6,8a−ヘキサヒドロナフタレニル、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10−オクタヒドロナフタレニルが挙げられるが、これらに限定されない。6員〜14員の不飽和縮合ヘテロ環基とは、縮合環の全ての環が不飽和環、例えばフェニルと3員〜8員の不飽和ヘテロ単環式基との縮合、3員〜8員の不飽和ヘテロ単環式基と3員〜8員の不飽和ヘテロ単環式基との縮合によって形成される構造であることを指し、その具体例としては、ベンゾフリル、ベンゾイソフリル、ベンゾチエニル、インドリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、アクリジニル、フェナントリジニル、ベンゾピリダジニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フェナジニル、プテリジニル、プリニル、ナフチリジニル、又は任意の置換可能な水素原子が置換された
【0103】
【化33】
【0104】
等の環状構造が挙げられるが、これらに限定されない。6員〜14員の部分的に飽和した縮合ヘテロ環基とは、少なくとも1つの部分的に飽和した環を含有する縮合環構造、例えばフェニルと3員〜8員の部分的に飽和したヘテロ単環式基との縮合によって形成される構造、3員〜8員の部分的に飽和したヘテロ単環式基と3員〜8員の部分的に飽和したヘテロ単環式基との縮合によって形成される構造を指し、具体例としては、1,3−ジヒドロベンゾフリル、ベンゾ[d][1.3]ジオキソリル、イソインドリニル、クロマニル、1,2,3,4−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロリル、又は任意の置換可能な水素原子が置換された
【0105】
【化34】
【0106】
等の環状構造が挙げられるが、これらに限定されない。6員〜14員の飽和した縮合ヘテロ環基とは、縮合環の全ての環が飽和環、例えば3員〜8員の飽和したヘテロ単環式基と3員〜8員の飽和したヘテロ単環式基との縮合によって形成される構造であることを指し、その具体例としては、シクロブタノテトラヒドロピロリル、シクロペンタノテトラヒドロピロリル、アザシクロブタノイミダゾリジニル、又は任意の置換可能な水素原子が置換された
【0107】
【化35】
【0108】
等の環状構造が挙げられるが、これらに限定されない。
【0109】
「8員〜10員の縮合環基」は、原子数8〜10の上記の縮合環構造を指し、その具体例としては、任意の置換可能な水素原子が置換された
【0110】
【化36】
【0111】
等の環状構造が挙げられるが、これらに限定されない。
【0112】
「7員〜10員のスピロ環基」は、少なくとも2つの環が1つの原子を共有して、7個〜10個の環原子を含有する(ヘテロ原子を含んでいてもよい)スピロ環構造を形成するスピロ環構造を指し、その具体例としては、任意の置換可能な水素原子が置換された
【0113】
【化37】
【0114】
等の環状構造が挙げられるが、これらに限定されない。
【0115】
「7員〜10員の架橋環基」は、任意の2つの環が直接結合していない2つの原子を共有して、7個〜10個の環原子を含有する(ヘテロ原子を含んでいてもよい)環状構造を形成する環状構造を指し、その具体例としては、任意の置換可能な水素原子が置換された
【0116】
【化38】
【0117】
等の環状構造が挙げられるが、これらに限定されず、アダマンチルを含まない。
【0118】
本発明では、R
3及びR
4と、それらが結合する窒素原子と形成される置換の又は非置換の「5員〜7員の含窒素ヘテロ環基」は、部分的に飽和した及び不飽和の5員〜7員の含窒素ヘテロ環基を含む。
【0119】
「飽和した5員〜7員の含窒素ヘテロ環基」の具体例としては、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニルが挙げられるが、これらに限定されず、「部分的に飽和した5員〜7員の含窒素ヘテロ環基」の具体例としては、ジヒドロピロリル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロオキサジニルが挙げられるが、これらに限定されず、「不飽和の5員〜7員の含窒素ヘテロ環基」の具体例としては、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0120】
本発明では、R
8は「6員〜14員のアリール」、「5員〜7員のヘテロ単環式基」又は「6員〜14員の縮合環基」を表し、
ここで、「6員〜14員のアリール」は、全ての環原子が炭素原子である環式芳香族基、例えばフェニル、ナフチル等を指し、
「5員〜7員のヘテロ単環式基」は、窒素、酸素及び硫黄等のヘテロ原子を含有する5員〜7員の飽和した、部分的に飽和した又は不飽和の構造を指す。
【0121】
「飽和した5員〜7員のヘテロ単環式基」の具体例としては、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、アザシクロヘプチルが挙げられるが、これらに限定されず、「部分的に飽和した5員〜7員のヘテロ単環式基」の具体例としては、ジヒドロピロリル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロオキサジニルが挙げられるが、これらに限定されず、「不飽和の5員〜7員のヘテロ単環式基」の具体例としては、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、アゼピニル等が挙げられるが、これらに限定されず、
ここで、「6員〜14員の縮合環基」は上に規定されたとおりである。
【0122】
本発明では、「オキソ」という用語は
【0123】
【化39】
【0124】
を指す。
【0125】
本発明では、ヘテロ環基は1つ又は複数のヘテロ原子を含有する環式基を指し、「ヘテロ原子」の例としては、N、S、O、SO又はSO
2が挙げられるが、これらに限定されない。
【0126】
本発明の化合物としては、以下のものが挙げられる。
【0127】
【表1】
【0128】
上記の本発明の化合物は、以下のスキームに示すような方法又は当業者に既知の他の方法によって合成することができるが、以下の方法に限定されない。
【0129】
便宜上、多くの化学化合物を、以下のものを含むが、これらに限定されない当該技術分野で既知の頭字語を用いて表す:
THF:テトラヒドロフラン、DCM:ジクロロメタン、DIEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン、HATU:2−(7−アゾベンゾトリアゾリル)−N,N,N’,N’−テトラメチル尿素ヘキサフルオロホスフェート、m−CPBA:m−クロロ過安息香酸。
【0130】
反応スキーム:
【0131】
【化40】
【0132】
反応工程:
工程1:出発物質2をTHFに溶解し、NaHを氷浴下で添加し、0.5時間の反応の後、出発物質1のTHF溶液に添加し、反応が完了するまで撹拌し、その後、水を添加し、抽出し、有機層を乾燥させ、濃縮して中間体1を得る。
工程2:対応する中間体をTHFと水との混合物に溶解し、NaOHを添加し、反応が完了するまで撹拌し、その後、溶媒を除去し、酸性となるように調整し、濾過して固体を得て、真空下で乾燥させて対応する生成物を得る。
工程3:対応する中間体をDCMに溶解し、m−CPBAを添加し、室温で反応を完了させた後、水を添加してクエンチさせ、抽出し、乾燥させ、濃縮して対応する生成物を得る。
工程4:対応する中間体、出発物質3、HATUをDCM又はTHFに溶解し、DIEA又はトリエチルアミンを滴加し、反応が完了するまで室温で撹拌し、その後、水を添加し、抽出し、乾燥させ、濃縮し、カラムクロマトグラフィー分離に供して対応する生成物を得る。
工程5:対応する中間体をTHFに溶解し、出発物質4を添加し、DIEAを添加し、室温又は反応が終わるまで加熱下で反応を行い、その後、水を添加し、抽出し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって分離して生成物を得る。
【0133】
ここで、出発物質2はR
5OHであり、出発物質3はR
3R
4NHであり、出発物質4はR
1Hであり、R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5は上に規定されたとおりである。
【0134】
臨床的には、本発明の式(I)の化合物は、遊離形態又は薬学的に許容可能な塩の形態で使用することができる。本発明の式(I)の化合物はアルカリ性であり、無機酸又は有機酸と酸性塩を形成することができる。本発明では、薬学的に許容可能な塩とは、1つ又は複数の有機酸又は無機酸と形成される塩を指し、有機酸としては、酒石酸、クエン酸、ギ酸、酢酸、エタン二酸、シュウ酸、コハク酸、メチルスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、マレイン酸、アルギニン、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、p−トルエンスルホン酸が挙げられるが、これらに限定されず、無機酸としては塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸及び硝酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0135】
本発明の式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、キラル分子のために光学異性体形態で存在し得る。このため、本発明はこれらの光学異性体及びその混合物を更に含む。
【0136】
本発明の式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は二重結合又は小環構造を有し、該二重結合又は環の原子間の結合の自由回転は制限されているため、シス/トランス異性体とも呼ばれる、異なる空間的配置の立体異性体が存在する。このため、本発明はシス/トランス異性体及びその混合物を更に含む。
【0137】
本発明は、配座異性体とも呼ばれる、単結合の回転のために炭素原子に結合する原子又は原子団の空間的配置を変化させることによって生成する立体異性体及びその混合物を更に含む。
【0138】
本発明の式(I)の化合物、その薬学的に許容可能な塩又は立体異性体は、1つ又は複数の薬学的に許容可能な担体とともに医薬組成物を形成することができる。「薬学的に許容可能な担体」とは、非毒性の不活性な固体、半固体又は液体のフィラー、希釈剤、封入材料、又は賦形剤、結合剤、増湿剤、崩壊剤、増粘剤等の任意のタイプの添加剤等を指す。
【0139】
医薬組成物を加工して、従来の臨床用の医薬製剤を形成することができ、治療を必要とする患者に一般的な臨床投与経路によって投与することができる。投与経路としては、腸内投与、非経口注射及び局所投与が挙げられる。腸内投与には経口投与、舌下投与(舌下錠、舌下スプレー、膜)及び直腸投与(坐剤、浣腸剤)が含まれる。非経口注射には静脈注射、筋肉注射、皮下注射が含まれる。局所投与には粘膜、皮膚及び眼への局所投与(膜、軟膏、点眼薬)が含まれる。
【0140】
経口投与については、医薬組成物を加工して錠剤、カプセル剤、丸薬、顆粒剤等の従来の固形製剤、又は経口溶液、経口懸濁液、シロップ等の経口液体製剤を形成することができる。経口製剤の加工の際には、好適な充填剤、結合剤、崩壊剤又は潤滑剤を添加することができる。一般に使用される充填剤としては、デンプン、粉糖、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム二水塩、デキストリン、微結晶性セルロース、ラクトース、アルファ化デンプン、マンニトールが挙げられ、一般に使用される結合剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、PVP−K30、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプンスラリー、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ゼラチン化デンプンが挙げられ、一般に使用される崩壊剤としては、乾燥デンプン、架橋ポリピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルデンプンナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられ、一般に使用される潤滑剤としては、ステアリン酸マグネシウム、タルク粉末、ドデシル硫酸ナトリウム、超微細シリカ粉末が挙げられる。
【0141】
非経口の注射については、医薬組成物を加工して注射剤を形成することができる。注射剤とは、身体に注射する薬物を含む溶液、エマルション又は懸濁液、及び臨床に使用する前に希釈して溶液又は懸濁液を形成する粉末又は濃縮液の形態の滅菌製剤を指す。注射剤には注射液、注射用滅菌粉末、注射用濃縮液が含まれる。注射剤を調製する場合、当該技術分野の従来の調製方法を用いることができ、水性溶媒又は非水溶媒を使用することができる。最も一般的な水性溶媒は注射用水である。0.9%塩化ナトリウム溶液又は他の好適な水溶液を使用することもできる。一般的な非水溶媒には注射用大豆油等の植物油が含まれ、他の溶媒としては、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールの水溶液が挙げられる。注射剤を調製する場合、添加剤を添加しなくてもよく、又は浸透圧調節剤、pH調節剤、可溶化剤、充填剤、酸化防止剤、静菌剤、乳化剤、懸濁助剤等の好適な添加剤を薬物の特性に応じて添加してもよい。一般的な浸透圧調節剤には塩化ナトリウム、グルコース、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、ソルビトール、好ましくは塩化ナトリウム又はグルコースが含まれ、一般的なpH調節剤には酢酸−酢酸ナトリウム、乳酸、クエン酸−クエン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム−炭酸ナトリウムが含まれ、一般的な可溶化剤にはポリソルベート80、プロピレングリコール、レシチン、ポリオキシエチル化ヒマシ油が含まれ、一般的な充填剤にはラクトース、マンニトール、ソルビトール、デキストランが含まれ、一般的な酸化防止剤には亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウムが含まれ、一般的な静菌剤にはフェノール、クレゾール、トリクロロブタノールが含まれる。
【0142】
本発明の式(I)の化合物、その薬学的に許容可能な塩又は立体異性体は、PDE−5(ホスホジエステラーゼ−5)を阻害するより良好な活性を有し、cGMPシグナル伝達機能不全に起因する性機能不全及び下部尿路症状等の疾患の予防又は治療用の薬剤の製造に使用することができる。したがって、本発明は更に、cGMPシグナル伝達を増進する薬剤の製造における式(I)の化合物、その薬学的に許容可能な塩又は立体異性体の使用を保護しようとするものである。
【0143】
本発明による治療方法は、患者に上記の疾患の治療又は予防用の治療的に有効な量の本発明の化合物(又はその薬学的に許容可能な塩若しくは立体異性体)を投与することを含み、その投与量及び期間は所要の効果を達成するのに十分であるものとする。本発明では、「治療的に有効な量」は患者の症状を緩和するのに十分な化合物の量を指す。
【0144】
本発明の化合物の投与量は、合理的な医学的判断に基づき医師によって決定される。任意の特定の患者に対する具体的な投与量は、障害の種類及び重症度、使用される本発明の化合物の活性、患者の年齢、体重及び健康状態、性別及び食生活、投与回数、投与経路、使用される本発明の化合物の排出率、治療過程、本発明の化合物と組み合わせて使用される薬物を含む様々な要因、並びに医療分野及び医薬分野で既知の類似の要因によって決定する必要がある。
【0145】
本発明の化合物の総1日投与量は例えば、単回投与又は分割投与によって患者に投与する場合、0.01mg/kg(体重)〜50mg/kg(体重)又は0.1mg/kg(体重)〜25mg/kg(体重)であり得る。一実施形態では、本発明による治療計画は、この療法を必要とする患者に、1日当たり約10mg〜約1000mgの本発明の1つ又は複数の化合物を単回投与又は分割投与によって投与することを含む。別の実施形態では、治療計画は、この療法を必要とする患者に、1日当たり約10mg〜約500mgの本発明の1つ又は複数の化合物を単回投与又は分割投与によって投与することを含む。
【0146】
本発明の式(I)の化合物、その薬学的に許容可能な塩又は立体異性体は、1つ又は複数の第2の治療活性剤と医薬組成物を形成することができ、治療活性剤は血管拡張剤、プロスタグランジンE1、プロスタサイクリン、α−アドレナリン受容体遮断薬、混合α、β−遮断薬、α−遮断薬(例えばアルフゾシン)、5α−還元酵素阻害剤、α2−アドレナリン受容体遮断薬、ACE阻害剤、NEP阻害剤、中枢ドーパミン剤、血管作動性腸管ペプチド、カルシウムチャネル遮断薬、チアジン、エンドセリン受容体作動薬(例えばボセンタン)、アンドロゲン(例えばテストステロン)、プロピオニル−L−カルニチン、プロスタサイクリン類似体(例えばベラプロスト、イロプロスト)、5−ヒドロキシトリプタミン再取り込み阻害剤(トラゾドン)、又はそれらの混合物から選択される。
【0147】
本発明の化合物の有益な効果を、以下のin vitro薬理活性試験によって更に説明するが、本発明の化合物が以下の有益な効果しか有しないことを意味しているわけではない。
【0148】
実験1:本発明の化合物のin vitro薬理活性
試験対象のサンプル:幾つかの本発明の化合物(表1を参照されたい、自製、化学名及び構造は上に述べた通りである);アバナフィル(市販、構造は上に述べた通りである)。
【0149】
実験方法:酵素アッセイ
キャリパー移動度シフト(Caliper Mobility-Shift)PDE−5Aアッセイ:
試験対象のサンプルを正確に秤量し、DMSOを添加することによって溶解し、十分に混合して10mM溶液を形成した。上記の母液をDMSOで0.5mMに希釈した後、3.162の勾配倍率で希釈し、合計11の濃度を得た。
【0150】
20μlの基質(10μM FL−cGMP)を96ウェルプレートに添加し、これに1μlの化合物のDMSO溶液又は化合物を含まないDMSO溶液を添加し、続いて29μlの1.38ng/μl PDE−5A酵素緩衝液(100mM Hepes(pH7.5)、5mM MgCl
2、0.002%Brij−35)を添加した。化合物の最大最終濃度は10μMであった。30℃で1時間インキュベートした後、20μlの70μM EDTAを添加して反応を終了させた。基質と生成物とを分離し、電気泳動によって分析した。変換率をCaliperのReviewerソフトウェアによって算出し、阻害率を以下の式によって算出し、Prism 5.0を用いて阻害率からIC
50を算出した。
阻害率=[変換率(ZPE)−変換率(サンプル)]×100/[変換率(ZPE)−変換率(HPE)]
注記:HPE:酵素を添加しないブランク対照;ZPE:化合物を添加しないブランク対照。
【0151】
実験結果及び結論:
【0152】
【表2】
【0153】
結論:表1は、本発明の化合物がPDE−5Aに対してより良好な阻害活性を有することを示す。
【0154】
実験2:半減期の決定
1.実験設計
【0155】
【表3】
【0156】
2.試験対象のサンプル
対照薬物としてのアバナフィル及び本発明の化合物(自製)を、好適な溶媒に溶解した。
【0157】
3.デバイス
機器:API4000 LC−MS/MS
クロマトグラフィーカラム:AgilentのXDB C
18(2.1×50mm、5μm)
【0158】
4.採血
ラットにおける採血:動物を固定し、各時点の10分前に尾部を水浴で温め、約100μlの血液を尾静脈から採取し、ヘパリンナトリウムの入った抗凝固管に採取した血液サンプルを入れた。血液サンプルを4℃及び8000rpmで6分間遠心分離し、血漿サンプルを得た。この場合、血漿サンプルは採血の30分後に調製するものとする。血漿は−80℃の冷凍室で保管した。
【0159】
5.実験方法
(1)試験対象のサンプルを冷凍室(−80℃)から取り出し、室温で溶かした後、5分間旋回に供した;
(2)20μlのサンプルを正確に1.5ml容の遠心分離管に移した;
(3)200μlの内部標準液を添加した;
(4)5分間の旋回後、5分間の遠心分離(12000rpm)を行った;
(5)100μlの上清を正確に取り、100μlの水を添加し、5分間の旋回に供し、LC−MS/MSによって分析した。
【0160】
6.データ処理の方法
試験対象のサンプル(血漿サンプル)の濃度は、AB SCIEXのAnalyst1.5.1(Shanghai Aibocaisi Analytical Instruments Trading Co., Ltd.)の出力結果であった。平均値、標準偏差及び変数係数等のパラメータを、Microsoft Excelによって算出した(パラメータがAnalyst 1.5.1によって直接与えられる場合には算出しなかった)。PKパラメータを、PharsightのPhoenix 6.1ソフトウェアを用いて算出した。
【0161】
7.実験結果及び結論
【0162】
【表4】
【0163】
結論:アバナフィルと比較する場合、ラット体内に、IV方法及びPO方法によって測定される本発明の化合物の半減期の値は、アバナフィルの半減期の値よりも長く、その薬理活性は長時間維持され得るため、EDの治療だけでなく、BPH/OAB等の下部尿路症状疾患の治療にも使用することができ、臨床応用における有望な使用が示される。
【0164】
実験3:in vivo薬理活性の測定(静脈注射)
試験対象のサンプル:本発明の一部の化合物(表3、表4、表5、表6を参照されたい、自製、化学名及び構造は上に述べた通りである);アバナフィル(市販、構造は上に述べた通りである)。
【0165】
実験方法:
ニュージーランドウサギを環境に適合させ、ウサギを実験前に毎日捕捉し、ウサギが繰り返し捕捉操作に慣れた後、投与及び刺激を開始した。動物を体重によって無作為に分け、試験対象のサンプルを別個に溶媒に溶解し(表3群:アバナフィル及び化合物19を5%DMSO+30%Cremophor EL+65%注射用水に別個に溶解した;表4群、表5群:アバナフィル、化合物14、化合物17及び化合物7を45%DMA+20%Cremophor EL+35%注射用水に別個に溶解した;表6群:アバナフィル及び化合物15を30%DMF+50%PEG−400+20%注射用水に別個に溶解した)、対応する試験対象のサンプルを、これらの群の耳縁静脈を介して注射した。表3、表4、表5、表6の群は全て用量10mg/kg、投与容量2ml/kgであり、0.2mg/kgのニトロプルシドナトリウムを投与の5分後に投与容量0.5ml/kgで静脈注射した。
【0166】
ウサギの陰茎長を、投与前並びに投与の5分後、10分後、15分後、30分後、50分後、60分後、90分後及び120分後にデジタルノギスによって別個に測定した。各測定の間、陰茎とノギスとの接触を避けるものとする。
【0167】
【表5】
【0168】
【表6】
【0169】
【表7】
【0170】
【表8】
【0171】
結論:表3、表4、表5、表6から、本発明の化合物がニュージーランドウサギにおいて陰茎の勃起を促進することができ、アバナフィルよりも良好な効果を有することが示された。