特許第5697800号(P5697800)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5697800
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】複素環置換ピリミジン化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 403/04 20060101AFI20150319BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20150319BHJP
   A61P 13/02 20060101ALI20150319BHJP
   A61P 15/10 20060101ALI20150319BHJP
   C07D 403/14 20060101ALI20150319BHJP
   C07D 498/08 20060101ALI20150319BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20150319BHJP
   A61K 31/5386 20060101ALI20150319BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20150319BHJP
   C07D 401/04 20060101ALI20150319BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20150319BHJP
【FI】
   C07D403/04CSP
   A61P43/00 111
   A61P13/02
   A61P15/10
   C07D403/14
   C07D498/08
   A61K31/506
   A61K31/5386
   A61K31/5377
   C07D401/04
   C07D401/14
【請求項の数】15
【全頁数】65
(21)【出願番号】特願2014-520496(P2014-520496)
(86)(22)【出願日】2012年7月19日
(65)【公表番号】特表2014-522859(P2014-522859A)
(43)【公表日】2014年9月8日
(86)【国際出願番号】CN2012000973
(87)【国際公開番号】WO2013010382
(87)【国際公開日】20130124
【審査請求日】2014年3月19日
(31)【優先権主張番号】201110204862.2
(32)【優先日】2011年7月21日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201110380109.9
(32)【優先日】2011年11月25日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512202749
【氏名又は名称】シュエンジュウ・ファーマ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100161115
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 智史
(72)【発明者】
【氏名】ウー、ヨーンチエン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、アイチェン
【審査官】 小川 由美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−012587(JP,A)
【文献】 国際公開第01/83460(WO,A1)
【文献】 国際公開第01/27105(WO,A1)
【文献】 特表2004−523558(JP,A)
【文献】 特表2010−508338(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D,A61K
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】
(式中、
は6員若しくは7員の含窒素ヘテロ縮合環基、7員〜12員の含窒素ヘテロスピロ環基又は7員〜12員の含窒素ヘテロ架橋環基を表し、各々がNを介してピリミジン環に結合し、非置換であるか、又は1個〜4個の置換基で置換され、
前記置換基はハロゲン原子、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、ハロ化C1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルカルボニル又はC1〜6アルコキシカルボニルから選択され、
は水素原子、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、C1〜6アルキルアミノ、ジ(C1〜6アルキル)アミノ、C1〜6アルキル、ハロ化C1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル又はC1〜6アルコキシを表し、
及びRは各々独立して水素原子若しくは−M−Rを表し、
Mは単結合、若しくは非置換の若しくは1個〜4個の置換基で置換されたC1〜6アルキリデンを表し、
は非置換の若しくは1個〜4個の置換基で置換された、アダマンチル以外の環式基を表し、、又は、
及びRは、それらが結合する窒素原子とともに非置換の若しくは1個〜4個の置換基で置換された5員〜7員の含窒素ヘテロ環基を形成し、
前記置換基はハロゲン原子、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジ(C1〜6アルキル)アミノ、オキソ、C1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル、ハロ化C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルカルボニル、C1〜6アルキルスルホニル若しくはジ(C1〜6アルキル)ホスフィノから選択され、
は水素原子又は−Q−Rを表し、
Qは単結合、又は非置換の若しくは1個〜4個の置換基で置換されたC1〜6アルキリデンを表し、
は6員〜14員のアリール、5員〜7員のヘテロ単環式基又は6員〜14員の縮合環基を表し、各々が非置換であるか、又は1個〜4個の置換基で置換され、
前記置換基はハロゲン原子、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、ハロ化C1〜6アルキル、カルボキシルC1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜8アルコキシ、ハロ化C1〜8アルコキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジ(C1〜6アルキル)アミノ、シアノ、ニトロ、C1〜6アルキルカルボニル、スルホニルアミノ又はC1〜6アルキルスルホニルアミノから選択される)によって表される化合物及びその薬学的に許容可能な塩又はその立体異性体。
【請求項2】
が水素原子、ヒドロキシ又はメチルを表し、Rが水素原子を表す、請求項1に記載の化合物及びその薬学的に許容可能な塩又はその立体異性体。
【請求項3】
が−Q−Rを表し、
Qが非置換の又は1個〜3個の置換基で置換されたC1〜6アルキリデンから選択され、
が6員〜14員のアリール、5員〜7員のヘテロ単環式基又は6員〜14員の縮合環基から選択され、各々が非置換であるか、又は1個〜3個の置換基で置換され、
前記置換基がハロゲン原子、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、ハロ化C1〜6アルキル、カルボキシルC1〜6アルキル、C1〜8アルコキシ、ハロ化C1〜8アルコキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジ(C1〜6アルキル)アミノ、シアノ、ニトロ、C1〜6アルキルカルボニル、スルホニルアミノ又はC1〜6アルキルスルホニルアミノから選択される、請求項2に記載の化合物及びその薬学的に許容可能な塩又はその立体異性体。
【請求項4】
が6員若しくは7員の含窒素ヘテロ縮合環基、7員〜10員の含窒素ヘテロスピロ環基又は7員若しくは8員の含窒素ヘテロ架橋環基から選択され、各々がNを介してピリミジン環に結合し、非置換であるか、又は1個〜3個の置換基で置換され、
前記置換基がハロゲン原子、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、ハロ化C1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル又はC1〜6アルコキシから選択され、
が−M−Rから選択され、
Mが単結合、若しくは非置換の若しくは1個〜4個の置換基で置換されたC1〜6アルキリデンを表し、
がフェニル、5員〜7員のヘテロ単環式基、4員〜7員のシクロアルキル、6員〜14員の縮合環基、7員〜10員のスピロ環基若しくは、アダマンチル以外の7員〜10員の架橋環基から選択され、各々が非置換であるか、若しくは1個〜3個の置換基で置換され、又は、
及びRが、それらが結合する窒素原子とともに非置換の若しくは置換された5員〜6員の含窒素ヘテロ環基を形成し、
前記置換基がハロゲン原子、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジ(C1〜6アルキル)アミノ、オキソ、C1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル、ハロ化C1〜6アルキル若しくはC1〜6アルコキシから選択され、
が−Q−Rを表し、
Qが非置換の若しくは1個〜2個の置換基で置換されたメチリデン、又は非置換の若しくは1個〜3個の置換基で置換されたエチリデンから選択され、
がフェニル、5員〜7員のヘテロ単環式基又は6員〜14員の縮合環基から選択され、各々が非置換であるか、又は1個〜3個の置換基で置換され、
前記置換基がC1〜3アルキル、フッ素、塩素、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメトキシ、ジメチルアミノ又はカルボキシメチルから選択される、請求項3に記載の化合物及びその薬学的に許容可能な塩又はその立体異性体。
【請求項5】
が6員若しくは7員の含窒素ヘテロ縮合環基、7員〜10員の含窒素ヘテロスピロ環基又は7員若しくは8員の含窒素ヘテロ架橋環基から選択され、各々がNを介してピリミジン環に結合し、非置換であるか、又は1個〜3個の置換基で置換され、
前記置換基がハロゲン原子、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、ハロ化C1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル又はC1〜6アルコキシから選択され、
が水素原子、ヒドロキシ又はメチルを表し、
が水素原子から選択され、
が−M−Rから選択され、
Mが単結合、若しくは非置換の若しくは1個〜2個の置換基で置換されたC1〜6アルキリデンを表し、
がフェニル、5員〜7員のヘテロ単環式基、4員〜7員のシクロアルキル、8員〜10員の縮合環基若しくは7員〜10員のスピロ環基から選択され、各々が非置換であるか、若しくは1個〜3個の置換基で置換され、又は、
及びRが、それらが結合する窒素原子とともに非置換の若しくは置換された5員〜6員の含窒素ヘテロ環基を形成し、
前記置換基がハロゲン原子、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジ(C1〜6アルキル)アミノ、オキソ、C1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル、ハロ化C1〜6アルキル若しくはC1〜6アルコキシから選択され、
が−Q−Rを表し、
Qが非置換の又は1個〜2個の置換基で置換されたメチリデン又はエチリデンから選択され、
がフェニル、5員〜7員のヘテロ単環式基又は8員〜10員の縮合環基から選択され、各々が非置換であるか、又は1個〜3個の置換基で置換され、
前記置換基がC1〜3アルキル、フッ素、塩素、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメトキシ、ジメチルアミノ又はカルボキシメチルから選択される、請求項4に記載の化合物及びその薬学的に許容可能な塩又はその立体異性体。
【請求項6】

【化2】
からなる群から選択され、
が水素原子から選択され、
が水素原子から選択され、

【化3】

からなる群から選択されるか、又は、
及びRが、それらが結合する窒素原子とともに
【化4】
を形成し、

【化5】
からなる群から選択される、請求項5に記載の化合物及びその薬学的に許容可能な塩又はその立体異性体。
【請求項7】

【化6】
からなる群から選択され、
が水素原子から選択され、

【化7】
からなる群から選択され、
が水素原子から選択され、

【化8】
からなる群から選択される、請求項6に記載の化合物及びその薬学的に許容可能な塩又はその立体異性体。
【請求項8】

【化9】
からなる群から選択され、
が水素原子から選択され、

【化10】
からなる群から選択され、
が水素原子から選択され、

【化11】
からなる群から選択される、請求項7に記載の化合物及びその薬学的に許容可能な塩又はその立体異性体。
【請求項9】

【化12】
からなる群から選択され、
が水素原子から選択され、

【化13】
からなる群から選択され、
が水素原子から選択され、

【化14】
からなる群から選択される、請求項8に記載の化合物及びその薬学的に許容可能な塩又はその立体異性体。
【請求項10】
【化15】










から選択される、請求項9に記載の化合物及びその薬学的に許容可能な塩又はその立体異性体。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物、その薬学的に許容可能な塩又は立体異性体を含有する医薬製剤であって、1つ又は複数の薬学的に許容可能な担体を含むことを特徴とする前記医薬製剤。
【請求項12】
cGMPシグナル伝達を増進する薬剤の製造における請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物、その薬学的に許容可能な塩又は立体異性体の使用。
【請求項13】
性機能不全疾患及び下部尿路症状を伴う疾患の治療又は予防用の薬剤の製造における、請求項12に記載の化合物、その薬学的に許容可能な塩又はその立体異性体の使用。
【請求項14】
性機能不全疾患の治療又は予防用の薬剤の製造における、請求項13に記載の化合物、その薬学的に許容可能な塩又はその立体異性体の使用。
【請求項15】
PDE−5活性を阻害する薬剤の製造における、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物、その薬学的に許容可能な塩又はその立体異性体の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は製薬技術の分野に関し、具体的には複素環置換ピリミジン化合物、その薬学的に許容可能な塩又はその立体異性体、これらの化合物を調製する方法、及びcGMPシグナル伝達を増進する薬剤の製造におけるこれらの化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
cGMP(サイクリックグアノシン−3’,5’−一リン酸、サイクリックGMP)は環状ヌクレオチドであり、動物及び植物の細胞に存在し、細胞反応に広く関与する二次メッセンジャーであり、PDE−5(ホスホジエステラーゼ−5)によって加水分解されることができる。PDE−5が阻害されると、cGMPのレベルが増加し、血管平滑筋拡張等の多くの生理学的効果が生じる。したがって、PDE−5阻害剤をcGMPシグナル伝達障害に起因する疾患に用いることができる。これらの疾患としては、とりわけ高血圧、心不全、肺高血圧、勃起不全、前立腺肥大及び女性性機能不全などが挙げられる。
【0003】
勃起不全(Erectile dysfunction、ED)は成人男性において最も一般的な性機能不全であり、継続的に陰茎の勃起を達成又は維持して性生活を楽しむことができない疾患を指す。EDには器質性ED、心因性ED及び混合性EDが含まれる。EDは命に関わる疾患ではないが、生活の質及び配偶者の愛情に強い影響を与える。
【0004】
EDの治療には多くの療法があるが、主として末梢薬物療法、中枢薬物療法及び遺伝子療法の3つの群が含まれる。末梢薬物療法は、主としてホスホジエステラーゼ−5阻害剤(例えばシルデナフィル)の投与、並びにパパベリン、可溶性グアニル酸シクラーゼ活性剤、Rhoキナーゼアゴニスト及び局所アルプロスタジルの投与を指す。中枢薬物療法は、ドーパミン受容体作動薬、αアドレナリン受容体拮抗薬、5−ヒドロキシトリプタミン(5−HT)受容体作動薬、オキシトシン及びオキシトシン受容体作動薬等の薬物を用いる療法を指す。遺伝子療法では、イオンチャネルが海綿体平滑筋の緊張の調節に重要な物的基礎であるということに基づき、hSlo遺伝子を発現するプラスミドベクターhMaxi−K(pVAX−hSLO)を海綿体に注入する。このプラスミドは海綿体平滑筋で発現され、より多くのカリウムチャネルを生成して、海綿体の弛緩をもたらす。
【0005】
現在、EDには多くの療法があるが、中でもホスホジエステラーゼ−5(PDE−5)阻害剤(シルデナフィル(バイアグラ)が代表的なものである)が、EDの治療の第一選択薬であり、最も患者に人気のある療法である。現時点では、市販されているPED−5阻害剤として、シルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィル、ウデナフィル等、及び臨床試験の第III相にあるアバナフィルが挙げられる。これらの薬物は経口投与され、使用に容易で、速くに効果を奏し、治療効果が明確である。それらの中、シルデナフィル及びタダラフィルは、それぞれPfizer及びEli Lilly Companyの最も利益の高い製品である。したがって、これらの薬物は市場で有望である。
【0006】
【化1】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
PDE−5阻害剤の臨床応用では、幾つかの潜在的な安全性の問題が徐々に現れ、中でもシルデナフィル及びバルデナフィルはPDE−5を阻害するが、同時にPDE−6を或る程度阻害する。PDE−6は網膜機能に影響を与えるため、これら2つの薬物はヒトの視覚に影響を与える可能性があり、より多くのレポートがシルデナフィルについて報告されている。タダラフィルはPDE−6に対してより良好な選択性を有するが、PDE−11に対しても或る程度の阻害効果を有する。PDE−11の臨床薬理効果は未知であるが、潜在的なリスクがある。タダラフィルが下背部痛を引き起こすことが報告されている文献があるが、下背部痛とPDE−11との関連性はまだ実証されていない。加えて、タダラフィルはヒトの体内で約16時間という過度に長い半減期を有し、他の薬物との相互作用を容易にもたらし得る。例えば、硝酸薬とタダラフィルとを併用する場合、血圧が過度に低下することにより、生命の危険が生じる可能性がある。
【0008】
アバナフィルは第二世代のPDE−5阻害剤に属し、PDE−6に対して良好な選択性を有し、PDE−6/PDE−5の比率は約120であり、かつPDE−11を阻害せず、臨床治療の安全性が確保される。しかしながら、この薬物はin vitro酵素活性が低く、その臨床投与量は非常に高く(50mg、100mg及び200mg)、シルデナフィル、バルデナフィル及びタダラフィルの臨床投与量よりも高く、また患者の臨床治療に対して安全性リスクをもたらす。加えて、投与量の増加に伴い、治療コストも増加するため、アバナフィルは少なくとも薬剤経済学の観点から更に改善する必要がある。
【0009】
疫学の観点から、多くの高齢の男性ED患者は、下部尿路症状(LUTS)、例えば良性前立腺肥大(BPH)、過活動膀胱(OAB)等の他の泌尿生殖器疾患も有する。これらの疾患は高齢患者に多大な苦痛を与え、彼らの生活に深刻な影響を与える。病理分析から、ED及びLUTSが同じ病因を有し、どちらも平滑筋収縮又は平滑筋増殖に関連することが示される。このため、PDE−5阻害剤を病因の同じLUTSの治療に使用することもできる。現時点では、市販のバルデナフィル及びタダラフィルの両方がLUTSの治療の臨床試験に使用され、明白な治療効果が得られている。アバナフィルは、ヒトの体内で約1.2時間という短い半減期を有する。その短い半減期のために、アバナフィルは勃起不全の治療にしか使用することができず、BPH、OAB等の疾患の治療に好適ではない。したがって、高齢患者の生活の質の改善(ED及びLUTSの治療)にとって、より強力な薬理活性、より高い安全性及び好適な(比較的長いが過度に長くはない)半減期を有するPDE−5阻害剤を開発することは依然として非常に重要な意味を有する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、高い安全性及び強力な活性を有するPDE−5阻害剤を提供し、特定の技術的解決策は、下記一般式(I)
【0011】
【化2】
【0012】
(式中、
は6員若しくは7員の含窒素ヘテロ縮合環基、7員〜12員の含窒素ヘテロスピロ環基又は7員〜12員の含窒素ヘテロ架橋環基を表し、各々がNを介してピリミジン環に結合し、非置換であるか、又は1個〜4個の置換基で置換され、
前記置換基はハロゲン原子、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、C1〜6アルキル、ハロ化C1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルカルボニル又はC1〜6アルコキシカルボニルから選択され、
は水素原子、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、C1〜6アルキルアミノ、ジ(C1〜6アルキル)アミノ、C1〜6アルキル、ハロ化C1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル又はC1〜6アルコキシを表し、
及びRは各々独立して水素原子若しくは−M−Rを表し、
Mは単結合、若しくは非置換の若しくは1個〜4個の置換基で置換されたC1〜6アルキリデンを表し、
は非置換の若しくは1個〜4個の置換基で置換された、アダマンチル以外の環式基を表し、又は、
及びRは、それらが結合する窒素原子とともに非置換の若しくは1個〜4個の置換基で置換された5員〜7員の含窒素ヘテロ環基を形成し、
前記置換基はハロゲン原子、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジ(C1〜6アルキル)アミノ、オキソ、C1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル、ハロ化C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルカルボニル、C1〜6アルキルスルホニル若しくはジ(C1〜6アルキル)ホスフィノから選択され、
は水素原子又は−Q−Rを表し、
Qは単結合、又は非置換の若しくは1個〜4個の置換基で置換されたC1〜6アルキリデンを表し、
は6員〜14員のアリール、5員〜7員のヘテロ単環式基又は6員〜14員の縮合環基を表し、各々が非置換であるか、又は1個〜4個の置換基で置換され、
前記置換基はハロゲン原子、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、ハロ化C1〜6アルキル、カルボキシルC1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜8アルコキシ、ハロ化C1〜8アルコキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジ(C1〜6アルキル)アミノ、シアノ、ニトロ、C1〜6アルキルカルボニル、スルホニルアミノ又はC1〜6アルキルスルホニルアミノから選択される)によって表される化合物及びその薬学的に許容可能な塩又はその立体異性体に関する。
【0013】
一般式(I)において、Rは例えば6員若しくは7員の含窒素ヘテロ縮合環基、7員〜10員の含窒素ヘテロスピロ環基又は7員若しくは8員の含窒素ヘテロ架橋環基を表し、各々がNを介してピリミジン環に結合し、非置換であるか、又は1個〜3個の置換基で置換され、
上記置換基はハロゲン原子、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、ハロ化C1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル又はC1〜6アルコキシから選択され、
また、Rは、例えば以下の群:
【0014】
【化3】
【0015】
の基であり、
また、Rは、例えば以下の群:
【0016】
【化4】
【0017】
の基であり、
また、Rは、例えば以下の群:
【0018】
【化5】
【0019】
の基であり、
また、Rは、例えば以下の群:
【0020】
【化6】
【0021】
の基である。
【0022】
一般式(I)において、Rが、例えば、水素原子、ヒドロキシ又はメチルを表し、また例えば水素原子である。
【0023】
一般式(I)において、Rは例えば−M−Rであり、
Mは単結合、若しくは非置換の若しくは1個〜4個の置換基で置換されたC1〜6アルキリデンを表し、
はフェニル、5員〜7員のヘテロ単環式基、4員〜7員のシクロアルキル、6員〜14員の縮合環基、7員〜10員のスピロ環基若しくは、アダマンチル以外の7員〜10員の架橋環基から選択され、各々が非置換であるか、若しくは1個〜3個の置換基で置換され、又は、
及びRが、それらが結合する窒素原子とともに、非置換の若しくは置換された5員〜6員の含窒素ヘテロ環基を形成し、
上記置換基はハロゲン原子、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジ(C1〜6アルキル)アミノ、オキソ、C1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル、ハロ化C1〜6アルキル若しくはC1〜6アルコキシから選択され;
は例えば−M−Rであり、
Mは単結合、若しくは非置換の若しくは1個〜2個の置換基で置換されたC1〜6アルキリデン)を表し、
はフェニル、5員〜7員のヘテロ単環式基、4員〜7員のシクロアルキル、8員〜10員の縮合環基、7員〜10員のスピロ環基若しくは、アダマンチル以外の7員〜10員の架橋環基から選択され、各々が非置換であるか、若しくは1個〜3個の置換基で置換され、又は、
及びRは、それらが結合する窒素原子とともに、非置換の若しくは置換された5員〜6員の含窒素ヘテロ環基を形成し、
上記置換基はハロゲン原子、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジ(C1〜6アルキル)アミノ、オキソ、C1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル、ハロ化C1〜6アルキル若しくはC1〜6アルコキシから選択され;
は例えば
【0024】
【化7】
【0025】
からなる群の基であり、又は、
及びRが、それらが結合する窒素原子とともに
【0026】
【化8】
【0027】
を形成し;
は例えば
【0028】
【化9】
【0029】
からなる群の基であり;
は例えば
【0030】
【化10】
【0031】
からなる群の基であり;
は例えば
【0032】
【化11】
【0033】
からなる群の基である。
【0034】
一般式(I)において、Rは例えば水素原子である。
【0035】
一般式(I)において、Rは例えば−Q−Rであり、
Qは非置換の又は1個〜3個の置換基で置換されたC1〜6アルキリデンから選択され、
は6員〜14員のアリール、5員〜7員のヘテロ単環式基又は6員〜14員の縮合環基から選択され、各々が非置換であるか、又は1個〜3個の置換基で置換され、
上記置換基はハロゲン原子、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、ハロ化C1〜6アルキル、カルボキシルC1〜6アルキル、C1〜8アルコキシ、ハロ化C1〜8アルコキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジ(C1〜6アルキル)アミノ、シアノ、ニトロ、C1〜6アルキルカルボニル、スルホニルアミノ又はC1〜6アルキルスルホニルアミノから選択され;
は例えば−Q−Rであり、
Qは非置換の若しくは1個〜2個の置換基で置換されたメチリデン、又は非置換の若しくは1個〜3個の置換基で置換されたエチリデンから選択され、
はフェニル、5員〜7員のヘテロ単環式基又は6員〜14員の縮合環基から選択され、各々が非置換であるか、又は1個〜3個の置換基で置換され、
上記置換基はC1〜3アルキル、フッ素、塩素、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメトキシ、ジメチルアミノ又はカルボキシメチルから選択され;
は例えば−Q−Rであり、
Qは非置換の又は1個〜2個の置換基で置換されたメチリデン又はエチリデンから選択され、
はフェニル、5員〜7員のヘテロ単環式基又は8員〜10員の縮合環基から選択され、各々が非置換であるか、又は1個〜3個の置換基で置換され、
上記置換基はC1〜3アルキル、フッ素、塩素、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメトキシ、ジメチルアミノ又はカルボキシメチルから選択され;
は例えば
【0036】
【化12】
【0037】
からなる群の基であり;
は例えば
【0038】
【化13】
【0039】
からなる群の基であり;
は例えば
【0040】
【化14】
【0041】
である。
【0042】
本発明による化合物は例えば、
は6員若しくは7員の含窒素ヘテロ縮合環基、7員〜12員の含窒素ヘテロスピロ環基又は7員〜12員の含窒素ヘテロ架橋環基を表し、各々がNを介してピリミジン環に結合し、非置換であるか、又は1個〜4個の置換基で置換され、
前記置換基はハロゲン原子、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、ハロ化C1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルカルボニル又はC1〜6アルコキシカルボニルから選択され、
は水素原子、ヒドロキシ又はメチルを表し、
は水素原子若しくは−M−Rを表し、
Mは単結合、若しくは非置換の若しくは1個〜4個の置換基で置換されたC1〜6アルキリデンを表し、
は非置換の若しくは1個〜4個の置換基で置換された、アダマンチル以外の環式基を表し、、又は、
及びRは、それらが結合する窒素原子とともに非置換の若しくは1個〜4個の置換基で置換された5員〜7員の含窒素ヘテロ環基を形成し、
前記置換基はハロゲン原子、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジ(C1〜6アルキル)アミノ、オキソ、C1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル、ハロ化C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルカルボニル、C1〜6アルキルスルホニル若しくはジ(C1〜6アルキル)ホスフィノから選択され、
は水素原子を表し、
は水素原子又は−Q−Rを表し、
Qは単結合、又は非置換の若しくは1個〜4個の置換基で置換されたC1〜6アルキリデンを表し、
は6員〜14員のアリール、5員〜7員のヘテロ単環式基又は6員〜14員の縮合環基を表し、各々が非置換であるか、又は1個〜4個の置換基で置換され、
前記置換基はハロゲン原子、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、ハロ化C1〜6アルキル、カルボキシルC1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜8アルコキシ、ハロ化C1〜8アルコキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジ(C1〜6アルキル)アミノ、シアノ、ニトロ、C1〜6アルキルカルボニル、スルホニルアミノ又はC1〜6アルキルスルホニルアミノから選択される、
一般式(I)の化合物である。
【0043】
本発明による化合物は例えば、
は6員若しくは7員の含窒素ヘテロ縮合環基、7員〜12員の含窒素ヘテロスピロ環基又は7員〜12員の含窒素ヘテロ架橋環基を表し、各々がNを介してピリミジン環に結合し、非置換であるか、又は1個〜4個の置換基で置換され、
前記置換基はハロゲン原子、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、ハロ化C1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルカルボニル又はC1〜6アルコキシカルボニルから選択され、
は水素原子、ヒドロキシ又はメチルを表し、
は水素原子若しくは−M−Rを表し、
Mは単結合、若しくは非置換の若しくは1個〜4個の置換基で置換されたC1〜6アルキリデンを表し、
は非置換の若しくは1個〜4個の置換基で置換された、アダマンチル以外の環式基を表し、、又は、
及びRは、それらが結合する窒素原子とともに非置換の若しくは1個〜4個の置換基で置換された5員〜7員の含窒素ヘテロ環基を形成し、
前記置換基はハロゲン原子、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジ(C1〜6アルキル)アミノ、オキソ、C1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル、ハロ化C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルカルボニル、C1〜6アルキルスルホニル若しくはジ(C1〜6アルキル)ホスフィノから選択され、
は水素原子を表し、
は−Q−Rを表し、
Qは非置換の又は1個〜3個の置換基で置換されたC1〜6アルキリデンから選択され、
は6員〜14員のアリール、5員〜7員のヘテロ単環式基又は6員〜14員の縮合環基から選択され、各々が非置換であるか、又は1個〜3個の置換基で置換され、
前記置換基はハロゲン原子、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、ハロ化C1〜6アルキル、カルボキシルC1〜6アルキル、C1〜8アルコキシ、ハロ化C1〜8アルコキシ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジ(C1〜6アルキル)アミノ、シアノ、ニトロ、C1〜6アルキルカルボニル、スルホニルアミノ又はC1〜6アルキルスルホニルアミノから選択される、
一般式(I)の化合物である。
【0044】
本発明による化合物は例えば、
が6員若しくは7員の含窒素ヘテロ縮合環基、7員〜10員の含窒素ヘテロスピロ環基又は7員若しくは8員の含窒素ヘテロ架橋環基から選択され、各々がNを介してピリミジン環に結合し、非置換であるか、又は1個〜3個の置換基で置換され、
上記置換基がハロゲン原子、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、ハロ化C1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル又はC1〜6アルコキシから選択され、
が水素原子、ヒドロキシ又はメチルを表し、
が−M−Rから選択され、
Mが単結合、若しくは非置換の若しくは1個〜4個の置換基で置換されたC1〜6アルキリデンを表し、
がフェニル、5員〜7員のヘテロ単環式基、4員〜7員のシクロアルキル、6員〜14員の縮合環基、7員〜10員のスピロ環基若しくは、アダマンチル以外の7員〜10員の架橋環基から選択され、各々が非置換であるか、若しくは1個〜3個の置換基で置換され、又は、
及びRが、それらが結合する窒素原子とともに、非置換の若しくは置換された5員〜6員の含窒素ヘテロ環基を形成し、
上記置換基がハロゲン原子、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジ(C1〜6アルキル)アミノ、オキソ、C1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル、ハロ化C1〜6アルキル若しくはC1〜6アルコキシから選択され、
が水素原子を表し、
が−Q−Rを表し、
Qが非置換の若しくは1個〜2個の置換基で置換されたメチリデン、又は非置換の若しくは1個〜3個の置換基で置換されたエチリデンから選択され、
がフェニル、5員〜7員のヘテロ単環式基又は6員〜14員の縮合環基から選択され、各々が非置換であるか、又は1個〜3個の置換基で置換され、
上記置換基がC1〜3アルキル、フッ素、塩素、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメトキシ、ジメチルアミノ又はカルボキシメチルから選択される、
一般式(I)の化合物である。
【0045】
本発明による化合物は例えば、
が6員若しくは7員の含窒素ヘテロ縮合環基、7員〜10員の含窒素ヘテロスピロ環基又は7員若しくは8員の含窒素ヘテロ架橋環基から選択され、各々がNを介してピリミジン環に結合し、非置換であるか、又は1個〜3個の置換基で置換され、
上記置換基がハロゲン原子、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、ハロ化C1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル又はC1〜6アルコキシから選択され、
が水素原子、ヒドロキシ又はメチルを表し、
が−M−Rから選択され、
Mが単結合、若しくは非置換の若しくは1個〜2個の置換基で置換されたC1〜6アルキリデンを表し、
がフェニル、5員〜7員のヘテロ単環式基、4員〜7員のシクロアルキル、8員〜10員の縮合環基若しくは7員〜10員のスピロ環基から選択され、各々が非置換であるか、若しくは1個〜3個の置換基で置換され、又は、
及びRが、それらが結合する窒素原子とともに、非置換の若しくは置換された5員〜6員の含窒素ヘテロ環基を形成し、
上記置換基がハロゲン原子、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、ジ(C1〜6アルキル)アミノ、オキソ、C1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキル、ハロ化C1〜6アルキル若しくはC1〜6アルコキシから選択され、
が水素原子を表し、
が−Q−Rを表し、
Qが非置換の又は1個〜2個の置換基で置換されたメチリデン又はエチリデンから選択され、
がフェニル、5員〜7員のヘテロ単環式基又は8員〜10員の縮合環基から選択され、各々が非置換であるか、又は1個〜3個の置換基で置換され、
上記置換基がC1〜3アルキル、フッ素、塩素、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメトキシ、ジメチルアミノ又はカルボキシメチルから選択される、
一般式(I)の化合物である。
【0046】
本発明による化合物は例えば、
【0047】
【化15】
【0048】
からなる群から選択され、
が水素原子から選択され、
が水素原子から選択され、
【0049】
【化16】
【0050】
からなる群から選択されるか、又は、
及びRが、それらが結合する窒素原子とともに
【0051】
【化17】
【0052】
を形成し、
【0053】
【化18】
【0054】
からなる群から選択される、
一般式(I)の化合物である。
【0055】
本発明による化合物は例えば、
【0056】
【化19】
【0057】
からなる群から選択され、
が水素原子から選択され、
【0058】
【化20】
【0059】
からなる群から選択され、
が水素原子から選択され、
【0060】
【化21】
【0061】
からなる群から選択される、
一般式(I)の化合物である。
【0062】
本発明による化合物は例えば、
【0063】
【化22】
【0064】
からなる群から選択され、
が水素原子から選択され、
【0065】
【化23】
【0066】
からなる群から選択され、
が水素原子から選択され、
【0067】
【化24】
【0068】
からなる群から選択される、
一般式(I)の化合物である。
【0069】
本発明による化合物は例えば、
【0070】
【化25】
【0071】
からなる群から選択され、
が水素原子から選択され、
【0072】
【化26】
【0073】
からなる群から選択され、
が水素原子から選択され、
【0074】
【化27】
【0075】
からなる群から選択される、
一般式(I)の化合物である。
【0076】
本発明では、「ハロ化」という用語は、「ハロゲン原子」で置換されていることを指し、「ハロゲン原子」はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を指す。
【0077】
本発明では、「C1〜6アルキル」という用語は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、2−メチルブチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、イソヘキシル、3−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メチルペンチル、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、1,2−ジメチルプロピル等の原子数1〜6の直鎖又は分岐アルキルを指す。例えば、C1〜3アルキルである。本発明では、「C1〜3アルキル」という用語は、炭素原子数1〜3の上記の例を指す。
【0078】
本発明では、「C1〜6アルキリデン」という用語は、1つの水素原子を取り除くことによって上記のアルキルから得られる直鎖又は分岐アルカンを指し、−(CH−(tは1〜6の整数である)、例えばメチリデン(−CH−)、エチリデン(−CHCH−)、プロピリデン(−CHCHCH−)等が挙げられる。
【0079】
本発明では、「C1〜6アルコキシ」という用語は、「C1〜6アルキル」が酸素原子を介して別の構造に結合した基、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、ペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキソキシ等を指す。
【0080】
本発明では、Rは6員若しくは7員の含窒素ヘテロ縮合環基、7員〜12員の含窒素ヘテロスピロ環基、又は7員〜12員の含窒素ヘテロ架橋環基を表し、
「6員若しくは7員の含窒素ヘテロ縮合環基」は、6個若しくは7個の環原子を含有し(少なくとも1つの窒素ヘテロ原子を含有し、更に他のヘテロ原子を含有していてもよい)、2つ以上の環状構造同士が隣接した2つの原子を共有して結合することによって構成する6員若しくは7員の飽和した又は部分的に飽和した含窒素縮合環基を指し、具体例としては、任意の置換可能な水素原子が置換された
【0081】
【化28】
【0082】
等の環状構造が挙げられるが、これらに限定されない。
【0083】
「7員〜12員の含窒素ヘテロスピロ環基」という用語は、7個〜12個の環原子を含有(少なくとも1つの窒素ヘテロ原子を含有し、更に他のヘテロ原子を含有していてもよい)、少なくとも2つの環が1つの原子を共有するスピロ環構造を指し、飽和した7員〜12員の含窒素スピロ環基及び部分的に飽和した7員〜12員の含窒素ヘテロスピロ環基を含む。
【0084】
飽和した7員〜12員の含窒素ヘテロスピロ環基は、当該スピロ環の全ての環が飽和環式基であるスピロ環基を指し、その例としては、任意の置換可能な水素原子が置換された
【0085】
【化29】
【0086】
等の環状構造、例えば飽和した7員〜10員の含窒素ヘテロスピロ環基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0087】
部分的に飽和した7員〜12員の含窒素ヘテロスピロ環基は、スピロ環の少なくとも1つの環が不飽和環式基であるスピロ環基を指し、その例としては、任意の置換可能な水素原子が置換された
【0088】
【化30】
【0089】
等の環状構造、例えば部分的に飽和した7員〜10員の含窒素ヘテロスピロ環基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0090】
「7員〜12員の含窒素ヘテロ架橋環基」は、7個〜12個の環原子を含有し(少なくとも1つの窒素ヘテロ原子を含有し、更に他のヘテロ原子を含有していてもよい)、任意の2つの環が互いに直接結合していない2つの原子を共有する環状構造を指し、7員〜12員の飽和した架橋環、7員〜12員の部分的に飽和した架橋環が含まれる。
【0091】
飽和した7員〜12員の含窒素ヘテロ架橋環基は、架橋環の全ての環が飽和した環式環基、例えば飽和した7員若しくは8員の含窒素ヘテロ架橋環基であることを指し、具体例としては、任意の置換可能な水素原子が置換された
【0092】
【化31】
【0093】
等の環状構造が挙げられるが、これらに限定されない。
【0094】
部分的に飽和した7員〜12員の含窒素架橋環基は、架橋環の少なくとも1つの環が不飽和環式環基、例えば7員若しくは8員の部分的に不飽和の架橋環であることを指し、具体例としては、任意の置換可能な水素原子が置換された
【0095】
【化32】
【0096】
等の環状構造が挙げられるが、これらに限定されない。
【0097】
本発明では、Rで表される「環式基」はフェニル、5員〜7員のヘテロ単環式基、4員〜7員のシクロアルキル、6員〜14員の縮合環基、7員〜10員のスピロ環基又は7員〜10員の架橋環基を含み、
「5員〜7員のヘテロ単環式基」は、窒素、酸素又は硫黄等のヘテロ原子を含有する飽和した、部分的に飽和した及び不飽和の含窒素5員〜7員の環式基を含む。
【0098】
「飽和した5員〜7員のヘテロ単環式基」の具体例としては、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピロリル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジル、モルホリニル、ピペラジニル、2−オキソ−アザシクロヘプチル、2−オキソ−ピペラジニル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0099】
「部分的に飽和した5員〜7員のヘテロ単環式基」の具体例としては、ジヒドロチエニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロピラゾリル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0100】
「不飽和の5員〜7員のヘテロ単環式基」の具体例としては、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピリミジル、ピリジル、ピラジニル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0101】
「4員〜7員のシクロアルキル」という用語は、4員〜7員のモノシクロアルキルを指し、例としてはシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0102】
「6員〜14員の縮合環基」という用語は、2つ以上の環状構造が隣接した2つの原子を共有する原子数6〜14の縮合環構造を指し、6員〜14員の飽和した縮合環基、6員〜14員の部分的に飽和した縮合環基、6員〜14員の不飽和の縮合ヘテロ環基、6員〜14員の部分的に飽和した縮合ヘテロ環基、6員〜14員の飽和した縮合ヘテロ環基が含まれる。例えば、8員〜10員の縮合環基である。6員〜14員の飽和した縮合環基とは、縮合環基が完全に飽和した炭素環であることを指し、その例としては、ジシクロ[3.1.0]ヘキシル、ジシクロ[4.1.0]ヘプチル、ジシクロ[2.2.0]ヘキシル、ジシクロ[3.2.0]ヘプチル、ジシクロ[4.2.0]オクチル、オクタヒドロシクロペンタジエニル、オクタヒドロ−1H−インデニル、デカヒドロナフタレニル、テトラデカヒドロフェナントリルが挙げられるが、これらに限定されない。6員〜14員の部分的に飽和した縮合環基とは、縮合環の少なくとも1つの環が部分的に飽和した炭素環であることを指し、その例としては、ジシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−エニル、ジシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−エニル、ジシクロ[3.2.0]ヘプタン−3−エニル、ジシクロ[4.2.0]オクタン−3−エニル、1,2,3,3a−テトラヒドロシクロペンタジエニル、2,3,3a,4,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−インデニル、1,2,3,4,4a,5,6,8a−オクタヒドロナフタレニル、1,2,4a,5,6,8a−ヘキサヒドロナフタレニル、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10−オクタヒドロナフタレニルが挙げられるが、これらに限定されない。6員〜14員の不飽和縮合ヘテロ環基とは、縮合環の全ての環が不飽和環、例えばフェニルと3員〜8員の不飽和ヘテロ単環式基との縮合、3員〜8員の不飽和ヘテロ単環式基と3員〜8員の不飽和ヘテロ単環式基との縮合によって形成される構造であることを指し、その具体例としては、ベンゾフリル、ベンゾイソフリル、ベンゾチエニル、インドリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、アクリジニル、フェナントリジニル、ベンゾピリダジニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フェナジニル、プテリジニル、プリニル、ナフチリジニル、又は任意の置換可能な水素原子が置換された
【0103】
【化33】
【0104】
等の環状構造が挙げられるが、これらに限定されない。6員〜14員の部分的に飽和した縮合ヘテロ環基とは、少なくとも1つの部分的に飽和した環を含有する縮合環構造、例えばフェニルと3員〜8員の部分的に飽和したヘテロ単環式基との縮合によって形成される構造、3員〜8員の部分的に飽和したヘテロ単環式基と3員〜8員の部分的に飽和したヘテロ単環式基との縮合によって形成される構造を指し、具体例としては、1,3−ジヒドロベンゾフリル、ベンゾ[d][1.3]ジオキソリル、イソインドリニル、クロマニル、1,2,3,4−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロリル、又は任意の置換可能な水素原子が置換された
【0105】
【化34】
【0106】
等の環状構造が挙げられるが、これらに限定されない。6員〜14員の飽和した縮合ヘテロ環基とは、縮合環の全ての環が飽和環、例えば3員〜8員の飽和したヘテロ単環式基と3員〜8員の飽和したヘテロ単環式基との縮合によって形成される構造であることを指し、その具体例としては、シクロブタノテトラヒドロピロリル、シクロペンタノテトラヒドロピロリル、アザシクロブタノイミダゾリジニル、又は任意の置換可能な水素原子が置換された
【0107】
【化35】
【0108】
等の環状構造が挙げられるが、これらに限定されない。
【0109】
「8員〜10員の縮合環基」は、原子数8〜10の上記の縮合環構造を指し、その具体例としては、任意の置換可能な水素原子が置換された
【0110】
【化36】
【0111】
等の環状構造が挙げられるが、これらに限定されない。
【0112】
「7員〜10員のスピロ環基」は、少なくとも2つの環が1つの原子を共有して、7個〜10個の環原子を含有する(ヘテロ原子を含んでいてもよい)スピロ環構造を形成するスピロ環構造を指し、その具体例としては、任意の置換可能な水素原子が置換された
【0113】
【化37】
【0114】
等の環状構造が挙げられるが、これらに限定されない。
【0115】
「7員〜10員の架橋環基」は、任意の2つの環が直接結合していない2つの原子を共有して、7個〜10個の環原子を含有する(ヘテロ原子を含んでいてもよい)環状構造を形成する環状構造を指し、その具体例としては、任意の置換可能な水素原子が置換された
【0116】
【化38】
【0117】
等の環状構造が挙げられるが、これらに限定されず、アダマンチルを含まない。
【0118】
本発明では、R及びRと、それらが結合する窒素原子と形成される置換の又は非置換の「5員〜7員の含窒素ヘテロ環基」は、部分的に飽和した及び不飽和の5員〜7員の含窒素ヘテロ環基を含む。
【0119】
「飽和した5員〜7員の含窒素ヘテロ環基」の具体例としては、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニルが挙げられるが、これらに限定されず、「部分的に飽和した5員〜7員の含窒素ヘテロ環基」の具体例としては、ジヒドロピロリル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロオキサジニルが挙げられるが、これらに限定されず、「不飽和の5員〜7員の含窒素ヘテロ環基」の具体例としては、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0120】
本発明では、Rは「6員〜14員のアリール」、「5員〜7員のヘテロ単環式基」又は「6員〜14員の縮合環基」を表し、
ここで、「6員〜14員のアリール」は、全ての環原子が炭素原子である環式芳香族基、例えばフェニル、ナフチル等を指し、
「5員〜7員のヘテロ単環式基」は、窒素、酸素及び硫黄等のヘテロ原子を含有する5員〜7員の飽和した、部分的に飽和した又は不飽和の構造を指す。
【0121】
「飽和した5員〜7員のヘテロ単環式基」の具体例としては、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、アザシクロヘプチルが挙げられるが、これらに限定されず、「部分的に飽和した5員〜7員のヘテロ単環式基」の具体例としては、ジヒドロピロリル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロオキサジニルが挙げられるが、これらに限定されず、「不飽和の5員〜7員のヘテロ単環式基」の具体例としては、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、アゼピニル等が挙げられるが、これらに限定されず、
ここで、「6員〜14員の縮合環基」は上に規定されたとおりである。
【0122】
本発明では、「オキソ」という用語は
【0123】
【化39】
【0124】
を指す。
【0125】
本発明では、ヘテロ環基は1つ又は複数のヘテロ原子を含有する環式基を指し、「ヘテロ原子」の例としては、N、S、O、SO又はSOが挙げられるが、これらに限定されない。
【0126】
本発明の化合物としては、以下のものが挙げられる。
【0127】
【表1】



【0128】
上記の本発明の化合物は、以下のスキームに示すような方法又は当業者に既知の他の方法によって合成することができるが、以下の方法に限定されない。
【0129】
便宜上、多くの化学化合物を、以下のものを含むが、これらに限定されない当該技術分野で既知の頭字語を用いて表す:
THF:テトラヒドロフラン、DCM:ジクロロメタン、DIEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン、HATU:2−(7−アゾベンゾトリアゾリル)−N,N,N’,N’−テトラメチル尿素ヘキサフルオロホスフェート、m−CPBA:m−クロロ過安息香酸。
【0130】
反応スキーム:
【0131】
【化40】
【0132】
反応工程:
工程1:出発物質2をTHFに溶解し、NaHを氷浴下で添加し、0.5時間の反応の後、出発物質1のTHF溶液に添加し、反応が完了するまで撹拌し、その後、水を添加し、抽出し、有機層を乾燥させ、濃縮して中間体1を得る。
工程2:対応する中間体をTHFと水との混合物に溶解し、NaOHを添加し、反応が完了するまで撹拌し、その後、溶媒を除去し、酸性となるように調整し、濾過して固体を得て、真空下で乾燥させて対応する生成物を得る。
工程3:対応する中間体をDCMに溶解し、m−CPBAを添加し、室温で反応を完了させた後、水を添加してクエンチさせ、抽出し、乾燥させ、濃縮して対応する生成物を得る。
工程4:対応する中間体、出発物質3、HATUをDCM又はTHFに溶解し、DIEA又はトリエチルアミンを滴加し、反応が完了するまで室温で撹拌し、その後、水を添加し、抽出し、乾燥させ、濃縮し、カラムクロマトグラフィー分離に供して対応する生成物を得る。
工程5:対応する中間体をTHFに溶解し、出発物質4を添加し、DIEAを添加し、室温又は反応が終わるまで加熱下で反応を行い、その後、水を添加し、抽出し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって分離して生成物を得る。
【0133】
ここで、出発物質2はROHであり、出発物質3はRNHであり、出発物質4はRHであり、R、R、R、R及びRは上に規定されたとおりである。
【0134】
臨床的には、本発明の式(I)の化合物は、遊離形態又は薬学的に許容可能な塩の形態で使用することができる。本発明の式(I)の化合物はアルカリ性であり、無機酸又は有機酸と酸性塩を形成することができる。本発明では、薬学的に許容可能な塩とは、1つ又は複数の有機酸又は無機酸と形成される塩を指し、有機酸としては、酒石酸、クエン酸、ギ酸、酢酸、エタン二酸、シュウ酸、コハク酸、メチルスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、マレイン酸、アルギニン、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、p−トルエンスルホン酸が挙げられるが、これらに限定されず、無機酸としては塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸及び硝酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0135】
本発明の式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、キラル分子のために光学異性体形態で存在し得る。このため、本発明はこれらの光学異性体及びその混合物を更に含む。
【0136】
本発明の式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は二重結合又は小環構造を有し、該二重結合又は環の原子間の結合の自由回転は制限されているため、シス/トランス異性体とも呼ばれる、異なる空間的配置の立体異性体が存在する。このため、本発明はシス/トランス異性体及びその混合物を更に含む。
【0137】
本発明は、配座異性体とも呼ばれる、単結合の回転のために炭素原子に結合する原子又は原子団の空間的配置を変化させることによって生成する立体異性体及びその混合物を更に含む。
【0138】
本発明の式(I)の化合物、その薬学的に許容可能な塩又は立体異性体は、1つ又は複数の薬学的に許容可能な担体とともに医薬組成物を形成することができる。「薬学的に許容可能な担体」とは、非毒性の不活性な固体、半固体又は液体のフィラー、希釈剤、封入材料、又は賦形剤、結合剤、増湿剤、崩壊剤、増粘剤等の任意のタイプの添加剤等を指す。
【0139】
医薬組成物を加工して、従来の臨床用の医薬製剤を形成することができ、治療を必要とする患者に一般的な臨床投与経路によって投与することができる。投与経路としては、腸内投与、非経口注射及び局所投与が挙げられる。腸内投与には経口投与、舌下投与(舌下錠、舌下スプレー、膜)及び直腸投与(坐剤、浣腸剤)が含まれる。非経口注射には静脈注射、筋肉注射、皮下注射が含まれる。局所投与には粘膜、皮膚及び眼への局所投与(膜、軟膏、点眼薬)が含まれる。
【0140】
経口投与については、医薬組成物を加工して錠剤、カプセル剤、丸薬、顆粒剤等の従来の固形製剤、又は経口溶液、経口懸濁液、シロップ等の経口液体製剤を形成することができる。経口製剤の加工の際には、好適な充填剤、結合剤、崩壊剤又は潤滑剤を添加することができる。一般に使用される充填剤としては、デンプン、粉糖、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム二水塩、デキストリン、微結晶性セルロース、ラクトース、アルファ化デンプン、マンニトールが挙げられ、一般に使用される結合剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、PVP−K30、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプンスラリー、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ゼラチン化デンプンが挙げられ、一般に使用される崩壊剤としては、乾燥デンプン、架橋ポリピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルデンプンナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられ、一般に使用される潤滑剤としては、ステアリン酸マグネシウム、タルク粉末、ドデシル硫酸ナトリウム、超微細シリカ粉末が挙げられる。
【0141】
非経口の注射については、医薬組成物を加工して注射剤を形成することができる。注射剤とは、身体に注射する薬物を含む溶液、エマルション又は懸濁液、及び臨床に使用する前に希釈して溶液又は懸濁液を形成する粉末又は濃縮液の形態の滅菌製剤を指す。注射剤には注射液、注射用滅菌粉末、注射用濃縮液が含まれる。注射剤を調製する場合、当該技術分野の従来の調製方法を用いることができ、水性溶媒又は非水溶媒を使用することができる。最も一般的な水性溶媒は注射用水である。0.9%塩化ナトリウム溶液又は他の好適な水溶液を使用することもできる。一般的な非水溶媒には注射用大豆油等の植物油が含まれ、他の溶媒としては、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールの水溶液が挙げられる。注射剤を調製する場合、添加剤を添加しなくてもよく、又は浸透圧調節剤、pH調節剤、可溶化剤、充填剤、酸化防止剤、静菌剤、乳化剤、懸濁助剤等の好適な添加剤を薬物の特性に応じて添加してもよい。一般的な浸透圧調節剤には塩化ナトリウム、グルコース、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、ソルビトール、好ましくは塩化ナトリウム又はグルコースが含まれ、一般的なpH調節剤には酢酸−酢酸ナトリウム、乳酸、クエン酸−クエン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム−炭酸ナトリウムが含まれ、一般的な可溶化剤にはポリソルベート80、プロピレングリコール、レシチン、ポリオキシエチル化ヒマシ油が含まれ、一般的な充填剤にはラクトース、マンニトール、ソルビトール、デキストランが含まれ、一般的な酸化防止剤には亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウムが含まれ、一般的な静菌剤にはフェノール、クレゾール、トリクロロブタノールが含まれる。
【0142】
本発明の式(I)の化合物、その薬学的に許容可能な塩又は立体異性体は、PDE−5(ホスホジエステラーゼ−5)を阻害するより良好な活性を有し、cGMPシグナル伝達機能不全に起因する性機能不全及び下部尿路症状等の疾患の予防又は治療用の薬剤の製造に使用することができる。したがって、本発明は更に、cGMPシグナル伝達を増進する薬剤の製造における式(I)の化合物、その薬学的に許容可能な塩又は立体異性体の使用を保護しようとするものである。
【0143】
本発明による治療方法は、患者に上記の疾患の治療又は予防用の治療的に有効な量の本発明の化合物(又はその薬学的に許容可能な塩若しくは立体異性体)を投与することを含み、その投与量及び期間は所要の効果を達成するのに十分であるものとする。本発明では、「治療的に有効な量」は患者の症状を緩和するのに十分な化合物の量を指す。
【0144】
本発明の化合物の投与量は、合理的な医学的判断に基づき医師によって決定される。任意の特定の患者に対する具体的な投与量は、障害の種類及び重症度、使用される本発明の化合物の活性、患者の年齢、体重及び健康状態、性別及び食生活、投与回数、投与経路、使用される本発明の化合物の排出率、治療過程、本発明の化合物と組み合わせて使用される薬物を含む様々な要因、並びに医療分野及び医薬分野で既知の類似の要因によって決定する必要がある。
【0145】
本発明の化合物の総1日投与量は例えば、単回投与又は分割投与によって患者に投与する場合、0.01mg/kg(体重)〜50mg/kg(体重)又は0.1mg/kg(体重)〜25mg/kg(体重)であり得る。一実施形態では、本発明による治療計画は、この療法を必要とする患者に、1日当たり約10mg〜約1000mgの本発明の1つ又は複数の化合物を単回投与又は分割投与によって投与することを含む。別の実施形態では、治療計画は、この療法を必要とする患者に、1日当たり約10mg〜約500mgの本発明の1つ又は複数の化合物を単回投与又は分割投与によって投与することを含む。
【0146】
本発明の式(I)の化合物、その薬学的に許容可能な塩又は立体異性体は、1つ又は複数の第2の治療活性剤と医薬組成物を形成することができ、治療活性剤は血管拡張剤、プロスタグランジンE1、プロスタサイクリン、α−アドレナリン受容体遮断薬、混合α、β−遮断薬、α−遮断薬(例えばアルフゾシン)、5α−還元酵素阻害剤、α2−アドレナリン受容体遮断薬、ACE阻害剤、NEP阻害剤、中枢ドーパミン剤、血管作動性腸管ペプチド、カルシウムチャネル遮断薬、チアジン、エンドセリン受容体作動薬(例えばボセンタン)、アンドロゲン(例えばテストステロン)、プロピオニル−L−カルニチン、プロスタサイクリン類似体(例えばベラプロスト、イロプロスト)、5−ヒドロキシトリプタミン再取り込み阻害剤(トラゾドン)、又はそれらの混合物から選択される。
【0147】
本発明の化合物の有益な効果を、以下のin vitro薬理活性試験によって更に説明するが、本発明の化合物が以下の有益な効果しか有しないことを意味しているわけではない。
【0148】
実験1:本発明の化合物のin vitro薬理活性
試験対象のサンプル:幾つかの本発明の化合物(表1を参照されたい、自製、化学名及び構造は上に述べた通りである);アバナフィル(市販、構造は上に述べた通りである)。
【0149】
実験方法:酵素アッセイ
キャリパー移動度シフト(Caliper Mobility-Shift)PDE−5Aアッセイ:
試験対象のサンプルを正確に秤量し、DMSOを添加することによって溶解し、十分に混合して10mM溶液を形成した。上記の母液をDMSOで0.5mMに希釈した後、3.162の勾配倍率で希釈し、合計11の濃度を得た。
【0150】
20μlの基質(10μM FL−cGMP)を96ウェルプレートに添加し、これに1μlの化合物のDMSO溶液又は化合物を含まないDMSO溶液を添加し、続いて29μlの1.38ng/μl PDE−5A酵素緩衝液(100mM Hepes(pH7.5)、5mM MgCl、0.002%Brij−35)を添加した。化合物の最大最終濃度は10μMであった。30℃で1時間インキュベートした後、20μlの70μM EDTAを添加して反応を終了させた。基質と生成物とを分離し、電気泳動によって分析した。変換率をCaliperのReviewerソフトウェアによって算出し、阻害率を以下の式によって算出し、Prism 5.0を用いて阻害率からIC50を算出した。
阻害率=[変換率(ZPE)−変換率(サンプル)]×100/[変換率(ZPE)−変換率(HPE)]
注記:HPE:酵素を添加しないブランク対照;ZPE:化合物を添加しないブランク対照。
【0151】
実験結果及び結論:
【0152】
【表2】
【0153】
結論:表1は、本発明の化合物がPDE−5Aに対してより良好な阻害活性を有することを示す。
【0154】
実験2:半減期の決定
1.実験設計
【0155】
【表3】
【0156】
2.試験対象のサンプル
対照薬物としてのアバナフィル及び本発明の化合物(自製)を、好適な溶媒に溶解した。
【0157】
3.デバイス
機器:API4000 LC−MS/MS
クロマトグラフィーカラム:AgilentのXDB C18(2.1×50mm、5μm)
【0158】
4.採血
ラットにおける採血:動物を固定し、各時点の10分前に尾部を水浴で温め、約100μlの血液を尾静脈から採取し、ヘパリンナトリウムの入った抗凝固管に採取した血液サンプルを入れた。血液サンプルを4℃及び8000rpmで6分間遠心分離し、血漿サンプルを得た。この場合、血漿サンプルは採血の30分後に調製するものとする。血漿は−80℃の冷凍室で保管した。
【0159】
5.実験方法
(1)試験対象のサンプルを冷凍室(−80℃)から取り出し、室温で溶かした後、5分間旋回に供した;
(2)20μlのサンプルを正確に1.5ml容の遠心分離管に移した;
(3)200μlの内部標準液を添加した;
(4)5分間の旋回後、5分間の遠心分離(12000rpm)を行った;
(5)100μlの上清を正確に取り、100μlの水を添加し、5分間の旋回に供し、LC−MS/MSによって分析した。
【0160】
6.データ処理の方法
試験対象のサンプル(血漿サンプル)の濃度は、AB SCIEXのAnalyst1.5.1(Shanghai Aibocaisi Analytical Instruments Trading Co., Ltd.)の出力結果であった。平均値、標準偏差及び変数係数等のパラメータを、Microsoft Excelによって算出した(パラメータがAnalyst 1.5.1によって直接与えられる場合には算出しなかった)。PKパラメータを、PharsightのPhoenix 6.1ソフトウェアを用いて算出した。
【0161】
7.実験結果及び結論
【0162】
【表4】
【0163】
結論:アバナフィルと比較する場合、ラット体内に、IV方法及びPO方法によって測定される本発明の化合物の半減期の値は、アバナフィルの半減期の値よりも長く、その薬理活性は長時間維持され得るため、EDの治療だけでなく、BPH/OAB等の下部尿路症状疾患の治療にも使用することができ、臨床応用における有望な使用が示される。
【0164】
実験3:in vivo薬理活性の測定(静脈注射)
試験対象のサンプル:本発明の一部の化合物(表3、表4、表5、表6を参照されたい、自製、化学名及び構造は上に述べた通りである);アバナフィル(市販、構造は上に述べた通りである)。
【0165】
実験方法:
ニュージーランドウサギを環境に適合させ、ウサギを実験前に毎日捕捉し、ウサギが繰り返し捕捉操作に慣れた後、投与及び刺激を開始した。動物を体重によって無作為に分け、試験対象のサンプルを別個に溶媒に溶解し(表3群:アバナフィル及び化合物19を5%DMSO+30%Cremophor EL+65%注射用水に別個に溶解した;表4群、表5群:アバナフィル、化合物14、化合物17及び化合物7を45%DMA+20%Cremophor EL+35%注射用水に別個に溶解した;表6群:アバナフィル及び化合物15を30%DMF+50%PEG−400+20%注射用水に別個に溶解した)、対応する試験対象のサンプルを、これらの群の耳縁静脈を介して注射した。表3、表4、表5、表6の群は全て用量10mg/kg、投与容量2ml/kgであり、0.2mg/kgのニトロプルシドナトリウムを投与の5分後に投与容量0.5ml/kgで静脈注射した。
【0166】
ウサギの陰茎長を、投与前並びに投与の5分後、10分後、15分後、30分後、50分後、60分後、90分後及び120分後にデジタルノギスによって別個に測定した。各測定の間、陰茎とノギスとの接触を避けるものとする。
【0167】
【表5】
【0168】
【表6】
【0169】
【表7】
【0170】
【表8】
【0171】
結論:表3、表4、表5、表6から、本発明の化合物がニュージーランドウサギにおいて陰茎の勃起を促進することができ、アバナフィルよりも良好な効果を有することが示された。
【実施例】
【0172】
上記の本発明の内容を以下の実施例によって更に説明する。しかしながら、上記の本発明の主題の範囲は以下の実施例に限定されず、上記の本発明の内容に基づく全ての技術的解決法は本発明の範囲内にある。
【0173】
実施例1:N−ベンジル−2−(3−アザジシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)−4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)ピリミジン−5−カルボキサミド(化合物1)の調製
【0174】
【化41】
【0175】
(1)エチル4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(メチルメルカプト)ピリミジン−5−カルボキシレートの調製
【0176】
【化42】
【0177】
3−クロロ−4−メトキシベンジルアルコール(20g、116mmol)を、200mLのDMFに溶解し、NaH(7.0g、174mmol)を氷水浴下で添加した。1時間の反応の後、エチル4−クロロ−2−(メチルメルカプト)ピリミジン−5−カルボキシレート(27g、116mmol)を数回に分けて添加し、反応を3時間継続した。300mLの水を添加し、酢酸エチルによる抽出を行い、有機層を乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラム(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)を用いて分離して、エチル4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(メチルメルカプト)ピリミジン−5−カルボキシレートを白色の固体として得た(5.0g、12%)。
【0178】
(2)4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(メチルメルカプト)ピリミジン−5−カルボン酸の調製
【0179】
【化43】
【0180】
エチル4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(メチルメルカプト)ピリミジン−5−カルボキシレート(3.0g、8.15mmol)及び水酸化ナトリウム(652mg、16.3mmol)を10mLの水及び50mLのTHFに溶解し、室温で5時間反応させた。希塩酸を添加してpHを6に調整し、ジクロロメタン(30mL×3)による抽出を行い、抽出物を乾燥させ、濃縮して白色の固体を得て、この生成物を精製することなく直接次の反応に使用した。
【0181】
(3)N−ベンジル−4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(メチルメルカプト)ピリミジン−5−カルボキサミドの調製
【0182】
【化44】
【0183】
4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(メチルメルカプト)ピリミジン−5−カルボン酸(2.2g、6.47mmol)、ベンジルアミン(1.0g、9.34mmol)及びHATU(2.95g、7.76mmol)を60mLのTHFに溶解し、DIEA(N,N−ジイソプロピルエチルアミン、3.36mL、19.41mmol)を滴加し、室温で8時間反応させた。反応溶液に100mLの水を添加した後、ジクロロメタン(50mL×3)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、回転乾燥し、シリカゲルカラム(ジクロロメタン:メタノール=100:1)を用いて固体を分離して、白色の固体であるN−ベンジル−4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(メチルメルカプト)ピリミジン−5−カルボキサミドを得た(600mg、収率22%)。
【0184】
(4)N−ベンジル−4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(メチルスルフィニル)ピリミジン−5−カルボキサミドの調製
【0185】
【化45】
【0186】
N−ベンジル−4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(メチルメルカプト)ピリミジン−5−カルボキサミド(100mg、0.23mmol)を10mLのジクロロメタンに溶解し、m−CPBA(m−クロロ過安息香酸、40mg、0.23mmol)を添加し、室温で3時間反応させ、反応が完了した後に水で洗浄し、ジクロロメタンで抽出し、有機層を乾燥させ、回転乾燥して黄色の固体を得て、この生成物を精製することなく直接次の反応に使用した。
【0187】
(5)N−ベンジル−2−(3−アザジシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)−4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)ピリミジン−5−カルボキサミドの調製
【0188】
【化46】
【0189】
N−ベンジル−4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(メチルスルフィニル)ピリミジン−5−カルボキサミド(100mg、0.22mmol)及び3−アザジシクロ[3.1.0]ヘキサン塩酸塩(32mg、0.27mmol)を10mLの無水THFに溶解し、トリエチルアミン(67mg、0.66mmol)を滴加し、室温で8時間反応させた。水を添加した後、ジクロロメタンによる抽出を行い、無水硫酸ナトリウムによる乾燥を行い、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=80:1)による分離を行って、白色の固体を得た(26mg、収率25%)。
分子式:C2525ClN、分子量:464.9、質量スペクトル(m/e):464.9(M+1)
H NMR(400M,CDCl)δ:8.98(s,1H)、7.56(m,1H)、7.55(d,1H)、7.15〜7.38(m,5H)、7.13(d,1H)、6.79(d,1H)、5.31(m,2H)、4.56(d,2H)、3.96(m,2H)、3.92(s,3H)、3.62(m,2H)、1.67(m,2H)、0.80(m,1H)、0.22(s,1H)。
【0190】
実施例2:N−ベンジル−2−(3−オキサ−8−アザジシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル)−4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)ピリミジン−5−カルボキサミド(化合物2)の調製
【0191】
【化47】
【0192】
N−ベンジル−4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(メチルスルフィニル)ピリミジン−5−カルボキサミド(200mg、0.45mmol)及び3−オキサ−8−アザジシクロ[3.2.1]オクタン(76mg、0.67mmol)を10mLの無水THFに溶解し、トリエチルアミン(68mg、0.67mmol)を滴加し、室温で8時間反応させた。水を添加した後、ジクロロメタンによる抽出を行い、無水硫酸ナトリウムによる乾燥を行い、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=150:1)による分離を行って、白色の固体を得た(41mg、収率18%)。
分子式:C2627ClN、分子量:495.0、質量スペクトル(m/e):495.2(M+1)
H NMR(400M,CDCl)δ:8.90(s,1H)、7.63(m,1H)、7.61(d,1H)、7.18〜7.41(m,5H)、7.16(d,1H)、6.83(d,1H)、5.35(m,2H)、4.75(d,2H)、4.60(m,2H)、3.95(s,3H)、7.752(m,4H)、2.17(m,2H)、2.08(m,2H)。
【0193】
実施例3:2−(3−アザジシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)−4−(3−クロロ−4−メトキシ−ベンジルオキシ)−N−(ピリミジン−2−イルメチル)ピリミジン−5−カルボキサミド(化合物3)の調製
【0194】
【化48】
【0195】
(1)4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(メチルメルカプト)−N−(ピリミジン−2−イルメチル)ピリミジン−5−カルボキサミドの調製
【0196】
【化49】
【0197】
4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(メチルメルカプト)ピリミジン−5−カルボン酸(300mg、0.88mmol)、DIEA(0.5mL、2.88mmol)を30mLのTHFに溶解し、HATU(405mg、1.06mmol)及びピリミジン−2−イルメチルアミン(115mg、1.06mmol)を氷水浴下で添加し、室温で一晩反応させ、反応溶液に100mLの水を添加した後、ジクロロメタンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、回転乾燥した後、シリカゲルカラム(ジクロロメタン:メタノール=40:1)を用いて固体を分離して、白色の固体である4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(メチルメルカプト)−N−(ピリミジン−2−イルメチル)ピリミジン−5−カルボキサミドを得た(60mg、収率16%)。
【0198】
(2)4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(メチルスルフィニル)−N−(ピリミジン−2−イルメチル)ピリミジン−5−カルボキサミドの調製
【0199】
【化50】
【0200】
4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(メチルメルカプト)−N−(ピリミジン−2−イルメチル)ピリミジン−5−カルボキサミド(250mg、0.58mmol)を20mLのジクロロメタンに溶解し、m−CPBA(110mg、0.64mmol)を添加し、室温で12時間反応させ、反応が完了した後に水で洗浄し、ジクロロメタンで抽出し、有機層を乾燥させ、回転乾燥して黄色の固体を得て(250mg、収率97%)、この生成物を精製することなく直接次の反応に使用した。
【0201】
(3)2−(3−アザジシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)−4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−N−(ピリミジン−2−イルメチル)ピリミジン−5−カルボキサミドの調製
【0202】
【化51】
【0203】
4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(メチルスルフィニル)−N−(ピリミジン−2−イルメチル)ピリミジン−5−カルボキサミド(250mg、0.56mmol)及びDIEA(0.22mL、1.12mmol)を、30mLのDCMに溶解し、3−アザジシクロ[3.1.0]ヘキサン塩酸塩(71mg、0.60mmol)を氷水浴下で添加し、室温で一晩反応させた。水を添加した後、ジクロロメタンによる抽出を行い、無水硫酸ナトリウムによる乾燥を行い、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=30:1)によって分離を行って、白色の固体を得た(50mg、収率19%)。
分子式:C2323ClN、分子量:466.9、質量スペクトル(m/e):466.9(M+1)
H NMR(400M,CDCl)δ:8.99(s,1H)、8.60(d,2H)、8.55(m,1H)、7.60(d,1H)、7.38(d,1H)、7.17(t,1H)、6.90(d,1H)、5.50(m,2H)、4.87(d,2H)、3.96(m,2H)、3.93(s,3H)、3.60(m,2H)、1.66(m,2H)、0.78(m,1H)、0.24(s,1H)。
【0204】
実施例4:2−(3−アザジシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)−4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−N−(ピリジン−2−イルメチル)ピリミジン−5−カルボキサミド(化合物4)の調製
【0205】
【化52】
【0206】
(1)4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(メチルメルカプト)−N−(ピリジン−2−イルメチル)ピリミジン−5−カルボキサミドの調製
【0207】
【化53】
【0208】
4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(メチルメルカプト)ピリミジン−5−カルボン酸(300mg、0.88mmol)及びピリジン−2−イルメチルアミン(115mg、1.06mmol)を10mLのTHFに溶解し、トリエチルアミン(141mg、1.4mmol)を滴加し、HATU(405mg、1.06mmol)を氷水浴下で添加し、室温で4時間反応させ、反応溶液に100mLの水を添加した後、ジクロロメタンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、回転乾燥した後、シリカゲルカラム(ジクロロメタン:メタノール=20:1)を用いて固体を分離して、白色の固体である4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(メチルメルカプト)−N−(ピリジン−2−イルメチル)ピリミジン−5−カルボキサミドを得た(180mg、収率48%)。
【0209】
(2)4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(メチルスルフィニル)−N−(ピリジン−2−イルメチル)ピリミジン−5−カルボキサミドの調製
【0210】
【化54】
【0211】
4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(メチルメルカプト)−N−(ピリジン−2−イルメチル)ピリミジン−5−カルボキサミド(180mg、0.42mmol)を20mlのジクロロメタンに溶解し、m−CPBA(80mg、0.46mmol)を添加し、室温で12時間反応させ、反応後に水で洗浄し、ジクロロメタンで抽出し、有機層を乾燥させ、回転乾燥して黄色の固体を得て、この生成物を精製することなく直接次の反応に使用した。
【0212】
(3)2−(3−アザジシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)−4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−N−(ピリジン−2−イルメチル)ピリミジン−5−カルボキサミドの調製
【0213】
【化55】
【0214】
上記の生成物4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(メチルスルフィニル)−N−(ピリジン−2−イルメチル)ピリミジン−5−カルボキサミド及び3−アザジシクロ[3.1.0]ヘキサン塩酸塩(48mg、0.40mmol)を10mLのTHFに溶解し、トリエチルアミン(101mg、1mmol)を氷水浴下で添加し、室温で4時間反応させた。水を添加した後、ジクロロメタンによる抽出を行い、無水硫酸ナトリウムによる乾燥を行い、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)による分離を行って、白色の固体を得た(35mg、収率19%)。
分子式:C2424ClN、分子量:465.9、質量スペクトル(m/e):466.0(M+1)
H NMR(400M,CDCl)δ:8.98(s,1H)、8.39(d,2H)、7.64(t,1H)、7.52(d,1H)、7.35(d,1H)、7.32(t,1H)、7.27(m,1H)、6.87(d,1H)、5.48(m,2H)、4.71(d,2H)、3.96(m,2H)、3.94(s,3H)、3.60(m,2H)、1.64(m,2H)、0.80(m,1H)、0.24(m,1H)。
【0215】
実施例5:2−(3−アザジシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)−4−(3−クロロ−4−メトキシ−ベンジルオキシ)−N−[(5−メチルピラジン−2−イル)メチル]ピリミジン−5−カルボキサミド(化合物5)の調製
【0216】
【化56】
【0217】
(1)エチル4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(メチルスルフィニル)ピリミジン−5−カルボキシレートの調製
【0218】
【化57】
【0219】
手順は実施例1の(4)と同じであり、生成物を精製することなく直接次の反応に使用した。
【0220】
(2)エチル2−(3−アザジシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)−4−(3−クロロ−4−メトキシ−ベンジルオキシ)ピリミジン−5−カルボキシレートの調製
【0221】
【化58】
【0222】
手順は実施例1の(5)と同じであった(収率77%)。
【0223】
(3)2−(3−アザジシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)−4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)ピリミジン−5−カルボン酸の調製
【0224】
【化59】
【0225】
手順は実施例1の(2)と同じであった(収率54%)。
【0226】
(4)2−(3−アザジシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)−4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−N−(5−メチルピラジン−2−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドの調製
【0227】
【化60】
【0228】
手順は実施例1の(3)と同じであった(収率16%)。
分子式:C2425ClN、分子量:481.0、質量スペクトル(m/e):481.0(M+1)
H NMR(400M,CDCl)δ:8.97(s,1H)、8.46(s,1H)、8.23(s,1H)、8.20(m,1H)、7.50(d,1H)、7.33(d,1H)、6.91(d,1H)、5.43(m,2H)、4.70(d,2H)、3.97(m,2H)、3.93(s,3H)、3.60(m,2H)、2.56(s,3H)、1.67(m,2H)、0.81(m,1H)、0.24(m,1H)。
【0229】
実施例6:2−(3−アザジシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)−4−(3−クロロ−4−メトキシ−ベンジルオキシ)−N−(4−フルオロベンジル)ピリミジン−5−カルボキサミド(化合物6)の調製
【0230】
【化61】
【0231】
(1)4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(メチルメルカプト)−N−(4−フルオロベンジル)ピリミジン−5−カルボキサミドの調製
【0232】
【化62】
【0233】
4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(メチルメルカプト)ピリミジン−5−カルボン酸(300mg、0.88mmol)及び4−フルオロベンジルアミン(165mg、1.32mmol)を20mLのTHFに溶解し、DIEA(0.45mL、2.64mmol)を滴加し、HATU(401mg、1.06mmol)を氷水浴下で添加し、室温で4時間反応させ、反応溶液に100mLの水を添加した後、ジクロロメタンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、回転乾燥し、シリカゲル分離(ジクロロメタン:メタノール=100:1)によって固体を分離して、白色の固体である4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(メチルメルカプト)−N−(4−フルオロベンジル)ピリミジン−5−カルボキサミドを得た(206mg、収率52%)。
【0234】
(2)4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(メチルスルフィニル)−N−(4−フルオロベンジル)ピリミジン−5−カルボキサミドの調製
【0235】
【化63】
【0236】
4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(メチルメルカプト)−N−(4−フルオロベンジル)ピリミジン−5−カルボキサミド(206mg、0.46mmol)を20mLのジクロロメタンに溶解し、m−CPBA(80mg、0.46mmol)を添加し、室温で12時間反応させ、反応が完了した後に反応溶液を水で洗浄し、ジクロロメタンで抽出し、有機層を乾燥させ、回転乾燥して黄色の固体を得て、生成物を精製することなく直接次の反応に使用した。
【0237】
(3)2−(3−アザジシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)−4−(3−クロロ−4−メトキシ−ベンジルオキシ)−N−(4−フルオロベンジル)ピリミジン−5−カルボキサミドの調製
【0238】
【化64】
【0239】
4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(メチルスルフィニル)−N−(4−フルオロベンジル)ピリミジン−5−カルボキサミド(200mg、0.43mmol)及び3−アザジシクロ[3.1.0]ヘキサン塩酸塩(77mg、0.65mmol)を10mLのTHFに溶解し、トリエチルアミン(130mg、1.29mmol)を氷水浴下で添加し、室温で4時間反応させた。水を添加した後、ジクロロメタンによる抽出を行い、無水硫酸ナトリウムによる乾燥を行い、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=100:1)による分離を行って、白色の固体を得た(48mg、収率23%)。
分子式:C2524ClFN、分子量:482.9、質量スペクトル(m/e):483.0(M+1)
H NMR(400M,CDCl)δ:8.97(s,1H)、7.52(m,1H)、7.50(d,1H)、7.11〜7.15(m,3H)、6.96(t,2H)、6.80(d,1H)、5.32(m,2H)、4.48(d,2H)、3.95(m,2H)、3.93(s,3H)、3.60(m,2H)、1.66(m,2H)、0.80(m,1H)、0.25(m,1H)。
【0240】
実施例7:2−(3−アザジシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)−4−(3−クロロ−4−メトキシ−ベンジルオキシ)−N−[(トランス)−4−ヒドロキシシクロヘキシル]ピリミジン−5−カルボキサミド(化合物7)の調製
【0241】
【化65】
【0242】
手順は実施例1の(3)と同じであった(収率36%)。
分子式:C2429ClN、分子量:473.0、質量スペクトル(m/e):473.2(M+1)
H NMR(400M,CDCl)δ:8.96(s,1H)、7.52(d,1H)、7.33(t,1H)、7.30(d,1H)、7.00(d,1H)、5.38(m,2H)、3.99(s,3H)、3.97(m,2H)、3.96(m,1H)、3.64(m,2H)、3.62(m,1H)、2.06(m,2H)、1.92(m,2H)、1.70(s,1H)、1.67(m,2H)、1.45(m,2H)、1.20(m,2H)、0.84(m,1H)、0.25(m,1H)。
【0243】
実施例8:4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−N−(ピリミジン−2−イルメチル)−2−(6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド(化合物8)の調製
【0244】
【化66】
【0245】
(1)エチル4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル)ピリミジン−5−カルボキシレートの調製
【0246】
【化67】
【0247】
手順は実施例1の(5)と同じであった(収率82%)。
【0248】
(2)4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル)ピリミジン−5−カルボン酸の調製
【0249】
【化68】
【0250】
手順は実施例1の(2)と同じであった(収率67%)。
【0251】
(3)4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−N−(ピリミジン−2−イルメチル)−2−(6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドの調製
【0252】
【化69】
【0253】
手順は実施例1の(3)と同じであった(収率32%)。
分子式:C2527ClN、分子量:495.0、質量スペクトル(m/e):495.2(M+1)
H NMR(400M,CDCl)δ:9.00(s,1H)、8.61(d,2H)、8.60(m,1H)、7.60(s,1H)、7.39(d,1H)、7.19(t,1H)、6.91(d,1H)、5.48(s,2H)、4.88(d,2H)、3.96(m,4H)、3.93(s,3H)、1.45(t,4H)、0.42(s,4H)。
【0254】
実施例9:4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−N−(ピリジン−2−イルメチル)−2−(6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド(化合物9)の調製
【0255】
【化70】
【0256】
手順は実施例1の(3)と同じであった(収率49%)。
分子式:C2628ClN、分子量:494.0、質量スペクトル(m/e):494.2(M+1)
H NMR(400M,CDCl)δ:8.99(s,1H)、8.41(m,2H)、7.64(t,1H)、7.50(s,1H)、7.35(d,1H)、7.26(d,1H)、7.17(m,1H)、6.88(d,1H)、5.45(s,2H)、4.72(d,2H)、3.95(m,4H)、3.92(s,3H)、1.44(t,4H)、0.41(s,4H)。
【0257】
実施例10:N−ベンジル−4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド(化合物10)の調製
【0258】
【化71】
【0259】
手順は実施例1の(3)と同じであった(収率21%)。
分子式:C2729ClN、分子量:493.0、質量スペクトル(m/e):493.2(M+1)
H NMR(400M,CDCl)δ:9.00(s,1H)、7.59(m,1H)、7.38(s,1H)、7.15〜7.31(m,5H)、7.13(d,1H)、6.80(d,1H)、5.33(s,2H)、4.56(d,2H)、3.94(m,4H)、3.92(s,3H)、1.43(t,4H)、0.41(s,4H)。
【0260】
実施例11:4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−N−(2−モルホリニルエチル)−2−(6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド(化合物11)の調製
【0261】
【化72】
【0262】
手順は実施例1の(3)と同じであった(収率22%)。
分子式:C2634ClN、分子量:516.0、質量スペクトル(m/e):516.3(M+1)
H NMR(400M,CDCl)δ:8.93(s,1H)、7.75(m,1H)、7.48(s,1H)、7.31(t,1H)、6.93(d,1H)、5.44(s,2H)、3.92(m,4H)、3.91(s,3H)、3.62(m,4H)、3.53(m,2H)、2.60(t,2H)、2.35(m,4H)、1.46(t,4H)、0.40(s,4H)。
【0263】
実施例12:4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−N−[(トランス)−4−ヒドロキシシクロヘキシル]−2−(6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド(化合物12)の調製
【0264】
【化73】
【0265】
手順は実施例1の(3)と同じであった(収率23%)。
分子式:C2633ClN、分子量:501.0、質量スペクトル(m/e):501.3(M+1)
H NMR(400M,CDCl)δ:8.93(s,1H)、7.47(s,1H)、7.28(d,1H)、7.19(d,1H)、6.94(d,1H)、5.34(s,2H)、3.93(m,8H)、3.58(m,1H)、2.02(m,2H)、1.88(m,2H)、1.40(m,8H)、0.39(s,4H)。
【0266】
実施例13:2−(3−アザジシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)−4−(3−クロロ−4−メトキシ−ベンジルオキシ)−N−(2−モルホリニルエチル)ピリミジン−5−カルボキサミド(化合物13)の調製
【0267】
【化74】
【0268】
手順は実施例1の(3)と同じであった(収率33%)。
分子式:C2430ClN、分子量:488.0、質量スペクトル(m/e):488.2(M+1)
H NMR(400M,CDCl)δ:8.92(s,1H)、7.71(m,1H)、7.47(d,1H)、7.30(d,1H)、6.92(d,1H)、5.43(m,2H)、3.90(s,3H)、3.89(m,2H)、3.58(m,6H)、3.49(m,2H)、2.52(t,2H)、2.42(m,4H)、1.64(m,2H)、0.78(m,1H)、0.20(m,1H)。
【0269】
実施例14:N−ベンジル−4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(4−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−イル)−ピリミジン−5−カルボキサミド(化合物14)の調製
【0270】
【化75】
【0271】
手順は実施例2と同じであった(収率19%)。
分子式:C2627ClN、分子量:479.0、質量スペクトル(m/e):479.2(M+1)
H NMR(400M,CDCl)δ:8.99(s,1H)、7.52(m,1H)、7.35(s,1H)、7.25(m,3H)、7.17(m,2H)、7.10(d,1H)、6.77(d,1H)、5.31(m,2H)、4.52(d,2H)、3.91(s,3H)、3.83(m,2H)、2.00(m,6H)、0.53(m,2H)。
【0272】
実施例15:N−ベンジル−4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)−ピリミジン−5−カルボキサミド(化合物15)の調製
【0273】
【化76】
【0274】
手順は実施例2と同じであった(収率40%)。
分子式:C2627ClN、分子量:479.0、質量スペクトル(m/e):479.2(M+1)
H NMR(400M,DMSO−d)δ:8.60(d,1H)、8.18(m,1H)、7.59(d,1H)、7.40(m,1H)、7.20〜7.27(m,5H)、7.08(m,1H)、5.43(d,2H)、4.44(d,2H)、3.83(s,3H)、3.68(m,2H)、3.42(d,2H)、1.86(m,2H)、0.62(t,4H)。
【0275】
実施例16:2−(3−アザジシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)−4−(3−クロロ−4−メトキシ−フェニルエトキシ)−N−[(トランス)−4−ヒドロキシシクロヘキシル]ピリミジン−5−カルボキサミド(化合物16)の調製
【0276】
【化77】
【0277】
(1)エチル4−(3−クロロ−4−メトキシフェニルエトキシ)−2−(メチルメルカプト)ピリミジン−5−カルボキシレートの調製
【0278】
【化78】
【0279】
手順は実施例1の(1)と同じであった(収率71%)。
【0280】
(2)エチル4−(3−クロロ−4−メトキシフェニルエトキシ)−2−(メチルスルフィニル)ピリミジン−5−カルボキシレートの調製
【0281】
【化79】
【0282】
手順は実施例1の(4)と同じであり、生成物を精製することなく直接次の反応に使用した。
【0283】
(3)エチル2−(3−アザジシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)−4−(3−クロロ−4−メトキシ−フェニルエトキシ)ピリミジン−5−カルボキシレートの調製
【0284】
【化80】
【0285】
手順は実施例1の(5)と同じであった(収率69%)。
【0286】
(4)2−(3−アザジシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)−4−(3−クロロ−4−メトキシ−フェニルエトキシ)ピリミジン−5−カルボン酸の調製
【0287】
【化81】
【0288】
手順は実施例1の(2)と同じであった(収率71%)。
【0289】
(5)2−(3−アザジシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)−4−(3−クロロ−4−メトキシ−フェニルエトキシ)−N−[(トランス)−4−ヒドロキシシクロヘキシル]ピリミジン−5−カルボキサミドの調製
【0290】
【化82】
【0291】
手順は実施例1の(3)と同じであった(収率56%)。
分子式:C2531ClN、分子量:487.0、質量スペクトル(m/e):487.2(M+1)
H NMR(400M,CDCl)δ:8.91(s,1H)、7.28(d,1H)、7.08(d,1H)、6.88(d,2H)、4.71(t,2H)、3.93(m,2H)、3.89(s,3H)、3.81(m,1H)、3.59(m,3H)、3.05(t,2H)、1.92(m,4H)、1.64(m,2H)、1.40(m,3H)、1.00(m,2H)、0.83(m,1H)、0.21(m,1H)。
【0292】
実施例17:4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−N−(4−フルオロベンジル)−2−(5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド(化合物17)の調製
【0293】
【化83】
【0294】
(1)エチル4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)ピリミジン−5−カルボキシレートの調製
【0295】
【化84】
【0296】
手順は実施例1の(5)と同じであった(収率72%)。
【0297】
(2)4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)ピリミジン−5−カルボン酸の調製
【0298】
【化85】
【0299】
手順は実施例1の(2)と同じであった(収率95%)。
【0300】
(3)4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−N−(4−フルオロベンジル)−2−(5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドの調製
【0301】
【化86】
【0302】
手順は実施例1の(3)と同じであった(収率43%)。
分子式:C2626ClFN、分子量:497.0、質量スペクトル(m/e):497.2(M+1)
H NMR(400M,CDCl)δ:8.99(d,1H)、7.52(m,1H)、7.37(d,1H)、7.13(m,3H)、6.95(m,2H)、6.79(m,1H)、5.34(d,2H)、4.49(d,2H)、3.92(s,3H)、3.81(m,2H)、3.52(d,2H)、1.92(t,2H)、0.65(s,4H)。
【0303】
実施例18:4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−N−(ピリミジン−2−イルメチル)−2−(5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)−ピリミジン−5−カルボキサミド(化合物18)の調製
【0304】
【化87】
【0305】
手順は実施例1の(3)と同じであった(収率47%)。
分子式:C2425ClN、分子量:481.0、質量スペクトル(m/e):481.2(M+1)
H NMR(400M,CDCl)δ:9.02(d,1H)、8.60(m,2H)、8.56(m,1H)、7.59(d,1H)、7.39(m,1H)、7.18(t,1H)、6.91(t,1H)、5.49(d,2H)、4.88(d,2H)、3.91(s,3H)、3.82(m,2H)、3.52(d,2H)、1.93(t,2H)、0.67(m,4H)。
【0306】
実施例19:4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−N−[(トランス)−4−ヒドロキシシクロヘキシル]−2−(5−アザスピロ[2.4]ヘプタン−5−イル)−ピリミジン−5−カルボキサミド(化合物19)の調製
【0307】
【化88】
【0308】
手順は実施例1の(3)と同じであった(収率45%)。
分子式:C2531ClN、分子量:487.0、質量スペクトル(m/e):487.2(M+1)
H NMR(400M,CDCl)δ:8.95(d,1H)、7.49(d,1H)、7.27(m,1H)、7.22(m,1H)、6.95(m,1H)、5.37(d,2H)、3.94(s,3H)、3.90(m,1H)、3.80(m,2H)、3.59(m,1H)、3.51(m,2H)、2.04(m,2H)、1.87〜1.94(m,4H)、1.42(m,3H)1.14(m,2H)、0.65(m,4H)。
【0309】
実施例20:4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−N−[(トランス)−4−ヒドロキシシクロヘキシル]−2−(4−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド(化合物20)の調製
【0310】
【化89】
【0311】
(1)エチル4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(4−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−イル)ピリミジン−5−カルボキシレートの調製
【0312】
【化90】
【0313】
手順は実施例1の(5)と同じであった(収率76%)。
【0314】
(2)4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−2−(4−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−イル)ピリミジン−5−カルボン酸の調製
【0315】
【化91】
【0316】
手順は実施例1の(2)と同じであった(収率91%)。
【0317】
(3)4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−N−[(トランス)−4−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−2−(4−アザスピロ[2.4]ヘプタン−4−イル)ピリミジン−5−カルボキサミドの調製
【0318】
【化92】
【0319】
手順は実施例1の(3)と同じであった(収率53%)。
分子式:C2531ClN、分子量:487.0、質量スペクトル(m/e):487.3(M+1)
H NMR(400M,CDCl)δ:8.89(br s,1H)、7.47(d,1H)、7.28(m,1H)、7.17(m,1H)、6.95(d,1H)、5.26(m,2H)、3.94(s,3H)、3.87(m,3H)、3.57(m,1H)、2.10(m,2H)、2.02(m,6H)、1.86(m,2H)、1.41(m,3H)、1.10(m,2H)、0.55(s,2H)。
【0320】
実施例21:4−(3−クロロ−4−メトキシベンジルオキシ)−N−(4−フルオロベンジル)−2−(6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド(化合物21)の調製
【0321】
【化93】
【0322】
手順は実施例1の(3)と同じであった(収率44%)。
分子式:C2728ClFN、分子量:511.0、質量スペクトル(m/e):511.2(M+1)
H NMR(400M,CDCl)δ:8.98(s,1H)、7.51(m,1H)、7.36(d,1H)、7.15(m,3H)、6.93(m,2H)、6.79(d,1H)、5.30(s,2H)、4.49(d,2H)、3.93(m,4H)、3.92(s,3H)、1.43(t,4H)、0.40(s,4H)。
【0323】
本願に引用される全ての文献の内容は、引用することにより本明細書の一部をなすものとする。他に規定のない限り、本明細書中の全ての技術用語及び科学用語は当該技術分野で知られる一般的な意味を有する。
【0324】
当業者は、従来の実験的手段によって本発明の実施形態の多くの均等物を理解又は決定し、これらの均等物は添付の特許請求の範囲内に含まれる。