(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カバーは、前記台座に設けられた第1の通風孔と前記バックパネルに設けられた第2の通風孔とを接続するダクトの少なくとも一部を構成している、請求項2に記載のキャブ。
前記コントローラ本体はコネクタを有し、前記コネクタは前記コントローラ本体の前記バックパネル側の面に配置されている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のキャブ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、近年の作業車両の高機能化(たとえば情報化施工、周囲監視機能など)によりコントローラの数が増えている。これによりコントローラの取付けおよび配置が、スペース確保などの観点から困難になるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的はコントローラの数が増えた場合でもコントローラの取付けおよび配置が容易なキャブおよび作業機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のキャブは、床部と、台座と、運転席と、バックパネルと、コントローラ本体とを備えている。台座は、床部上に配置されている。運転席は、台座上に配置されている。バックパネルは、運転席の後方に配置されている。台座はバックパネルに向かって延びるブラケットを有している。コントローラ本体は、台座とバックパネルとの間に配置され、かつブラケットに固定されている。平面視において、コントローラ本体の少なくとも一部は台座と重畳するように台座と床部との間に位置し、かつコントローラ本体をブラケットに固定する固定部は台座の後端とバックパネルとの間に配されている。
【0008】
本発明のキャブによれば、コントローラ本体の少なくとも一部が平面視において台座に重畳するように配置されている。このため、コントローラ本体をキャブの前方側に配置することができ、コントローラ本体とバックパネルとの間の隙間を大きく確保することができる。これにより、その隙間にケーブルを配置することが容易となる。
【0009】
またコントローラ本体をブラケットに固定する固定部は、台座の後端とバックパネルとの間であって台座と重畳しない位置に設置されている。このため、上方からコントローラ本体をブラケットに固定することが可能となる。
【0010】
以上によりコントローラ本体を運転席とバックパネルとの間の隙間に配置することができるとともに、運転席とバックパネルとの間の狭い空間内においてもコントローラ本体の取り付け作業が容易となる。
【0011】
上記のキャブにおいては、平面視において台座の後端とバックパネルとの間に位置するコントローラ本体の部分の上方を覆うカバーがさらに備えられている。
【0012】
これにより、コントローラ本体に水または埃が付くことをカバーにより抑制することができ、コントローラ本体を保護することができる。
【0013】
上記のキャブにおいては、カバーは、台座に設けられた第1の通風孔とバックパネルに設けられた第2の通風孔とを接続するダクトの少なくとも一部を構成している。
【0014】
これにより、コントローラ本体の保護部材と、第1の通風孔および第2の通風孔を接続するダクトとを一体のカバーで形成することができる。またカバーを取り付けることで、コントローラ本体を保護する保護部材とダクトとを同時に構成することが可能となり、組み立てが容易となる。
【0015】
上記のキャブにおいては、コントローラ本体はコネクタを有し、そのコネクタはコントローラ本体のバックパネル側の面に配置されている。
【0016】
上記のキャブによれば、コントローラ本体とバックパネルとの間の隙間を大きく確保することができる。このため、コントローラ本体のバックパネル側の面に設けたコネクタを設けても、そのコネクタにケーブルを接続することが容易となる。
【0017】
上記のキャブにおいては、台座は、運転席側から床部側に延びる縦板を含んでいる。ブラケットは、縦板に沿って延びて縦板に取り付けられた縦板部と、縦板部の上端からバックパネルに向かって延びる横板部とを有している。
【0018】
この横板部上にコントローラ本体を取り付けることにより、コントローラ本体を床部から離れた高さに配置することができる。これによりコントローラ本体の高さを確保できるため、床部を水で洗浄する際にコントローラ本体が水に浸ることが抑制される。またコントローラ本体をブラケットに固定する際に、コントローラ本体を横板部上に載置した状態で保持することができる。このため、コントローラ本体をブラケットに固定する作業が容易となる。
【0019】
上記のキャブにおいては、コントローラ本体に接続され、かつカメラから取得された映像信号を伝送するケーブルがさらに備えられている。ケーブルは、床部を貫通してキャブの内部から外部へ延びている。
【0020】
これによりキャブの外部で撮影された映像の信号をキャブ内部に配置されたコントローラ本体で処理することが可能となる。
【0021】
本発明の作業機械は、上記のいずれかに記載されたキャブを備えている。
【0022】
本発明の作業機械によれば、コントローラの数が増えた場合でもコントローラの取付けおよび配置が容易となる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように本発明によれば、コントローラの数が増えた場合でもコントローラの取付けおよび配置が容易なキャブおよび作業機械を実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
【0026】
まず、本発明の一実施の形態における作業機械の構成について説明する。以下、本発明の思想を適用可能な作業機械の一例として油圧ショベルと、その油圧ショベルに用いられるキャブとについて
図1および
図2を用いて説明する。なお本発明は油圧ショベル以外にブルドーザ、ホイールローダなどのキャブを有する作業機械にも適用可能である。
【0027】
図1は本発明の一実施の形態における油圧ショベルの構成を概略的に示す斜視図である。
図2は
図1の油圧ショベルのキャブを示す部分拡大斜視図である。
【0028】
図1に示されるように、油圧ショベル20は、下部走行体22と、上部旋回体23と、作業機24と、コントローラ本体1とを主に有している。
【0029】
下部走行体22は左右一対の履帯22aが回動することにより自走可能に構成されている。上部旋回体23は下部走行体22に旋回自在に設置されている。作業機24は、上部旋回体23の前方側に起伏自在に軸支されている。この作業機24は、ブーム24a、アーム24b、バケット24c、油圧シリンダ24d、24e、24fなどを有している。
【0030】
上記の下部走行体22と上部旋回体23とで、作業車両本体が主に構成されている。上部旋回体23は、車両本体のたとえば前方左側にキャブ10を有し、車両本体の後方側にエンジンを収納するエンジンルーム26、カウンタウェイト27などを有している。上部旋回体23の上面にはアンテナ29が設置されている。
【0031】
図2に示されるように、キャブ10は内部空間を有している。キャブ10の内部空間には、オペレータが着座するための運転席11が配置されている。運転席11は台座4上に配置されており、台座4はキャブ10の床部13上に配置されている。運転席11の後方にはバックパネル12が配置されている。バックパネル12の後方には、空気調和ユニット14が配置されている。
【0032】
キャブ10の内部空間において運転席11とバックパネル12との間には、コントローラ本体1が配置されている。このコントローラ本体1は台座に固定されている。コントローラ本体1の上方は、カバー5により覆われている。
【0033】
なお、本実施の形態では、車両の前後・左右は、キャブ10の運転席11に着座するオペレータを基準としている。前後方向とは、運転席11に着座したオペレータの前後方向をいう。左右方向とは、運転席11に着座したオペレータの左右方向をいう。上下方向とは、運転席11に着座したオペレータの上下方向をいう。運転席11に着座したオペレータに正対する方向を前方向とし、前方向に対向する方向を後方向としている。運転席11に着座したオペレータが正面に正対した側方向の右側、左側をそれぞれ右方向、左方向としている。運転席11に着座したオペレータの足元側を下側とし、頭上側を上側としている。
【0034】
次に、本発明の一実施の形態におけるコントローラ本体の取付けに用いられる各部材の構成について
図3を用いて説明する。
【0035】
図3は、本発明の一実施の形態におけるコントローラ本体を組み付けた構成を示す分解斜視図である。
図3に示されるように、コントローラ本体1と第1ブラケット2との組立体3が、台座4に取り付けられており、コントローラ本体1の上方がカバー5により覆われている。
【0036】
コントローラ本体1は、本体部1aと、たとえば4つの固定部1bとを有している。本体部1aはMPUなどの処理装置を内部に有している。本体部1aのバックパネル12(
図2)と対面する面には、たとえば2つのケーブル用コネクタ1cが設けられている。
【0037】
4つの固定部1bの各々は、本体部1aに接続されており、本体部1aから外方に張り出している。2つの固定部1bは本体部1aの一辺から張り出しており、残りの2つの固定部1bは本体部の上記一辺に対向する対辺から張り出している。4つの固定部1bが張り出す上記一辺およびその対辺は、いずれもケーブル用コネクタ1cが設けられた面とは異なる面である。4つの固定部1bの各々には、貫通孔が設けられている。固定部1bの個数は4つに限定されるものではなく、1つ以上であればよい。
【0038】
第1ブラケット2は、コントローラ本体1を台座4および床部13に取り付けるための部材である。この第1ブラケット2は、平板部2aと、たとえば2つの脚部2bと、たとえば2つの突出部2eとを有している。平板部2aは、貫通孔2c、2dを有している。
【0039】
たとえば2つの脚部2bの双方は、平板部2aに接続されており、平板部2aから床部13(下方)に向かって互いに同じ方向に延びている。たとえば2つの突出部2eの双方は、平板部2aに接続されており、平板部2aから上方に向かって互いに同じ方向に延びている。突出部2eが平板部2aから延びる方向は、脚部2bが平板部2aから延びる方向と逆方向である。突出部2eの先端には雌ネジ部が形成されている。脚部2bおよび突出部2eの各々の個数は2つに限定されるものではなく、1つ以上であればよい。
【0040】
台座4は、運転席11(
図1、
図2)の高さを確保するための部材である。台座4は、運転席11を前後方向にスライドさせるためのスライドレール(図示せず)を取り付けるためにも必要である。スライドレールは、レール位置決め用のストッパがレールの設置面よりも下側に突き出した構成を有している。このため、スライドレールを床部13に直接設置することができず、スライドレールを設置するためには台座4が必要となる。また台座4を設けることにより、空気調和ユニット14(
図2)から送られた風を台座4と床部13との間の空間へ導いてオペレータの足元から送出することもできる。
【0041】
台座4は、天面部4aと、側面部4bと、フランジ部4cと、第2ブラケット4dと、縦板4eとを主に有している。天面部4aは、運転席11が載置される部分である。側面部4bの上端は天面部4aの端部に接続されており、側面部4bの下端はフランジ部4cに接続されている。フランジ部4cは、側面部4bよりも側方へ張り出している。天面部4a、側面部4bおよびフランジ部4cは1枚の板材から一体的に形成されている。
【0042】
縦板4eは、台座4の強度を確保するために設けられている。また縦板4eは、台座4の後方を閉じるために設けられている。これにより、空気調和ユニット14によって台座4と床部13との間の空間へ送られた風は、縦板4eにより台座4の後方から出ずに、台座4の前方から出る。
【0043】
縦板4eは、天面部4aおよび側面部4bにたとえば溶接により接続されている。この縦板4eは、天面部4a(運転席)側から床部13側に延びている。縦板4eは、天面部4aの2つの辺4aa、4abのうち一方の辺4aaから他方の辺4ab側に所定距離だけ離れた位置において天面部4aに取り付けられている。2つの辺4aa、4abの各々は、天面部4aの4つの辺のうち側面部4bが接続されていない辺である。なお一方の辺4aaは台座4の後端に該当し、他方の辺4abは台座4の前端に該当する。
【0044】
縦板4eには貫通孔(第1の通風孔)4fが形成されている。この貫通孔4fは、台座4と床部13との間の空間へ空気調和ユニット14(
図2)から送られた風を通すための通風孔となる部分である。縦板4eは包囲部4eaを有している。包囲部4eaは、貫通孔4fの少なくとも三方(上方および側方)を取り囲み、かつバックパネル側に延びている。包囲部4eaは、その包囲部4eaを後方から前方に向かって見た場合において(後方視において)、逆U字形状を有している。
【0045】
第2ブラケット4dは、組立体3を台座4に固定するための部分である。第2ブラケット4dは、横板部4daと、縦板部4dbとを有しており、側面視においてL字形状を有している。横板部4daおよび縦板部4dbは1枚の板材から一体的に形成されている。縦板部4dbは、縦板4eに沿って延びて、その縦板4eにたとえば溶接により取り付けられている。横板部4daは、縦板部4dbの上端に接続されており、バックパネル12側に向かって延びている。
【0046】
この横板部4daは、床部13に垂直な方向から見た場合において(平面視において)、天面部4aと重畳する部分と、天面部4aの辺(台座4の後端)4aaよりもバックパネル12側にはみ出した部分とを有している。横板部4daの上記天面部4aからはみ出した部分(平面視において台座4の後端4aaとバックパネル12との間の部分)には、貫通孔4dcが形成されている。
【0047】
上記包囲部4eaには仕切り部材6が取り付けられている。仕切り部材6は、コントローラ本体1が配置される領域と、空気調和ユニット14から送られる風を通すための領域とを仕切るための部材である。仕切り部材6は、包囲部4eaからバックパネル12側に延びており、縦板4eの貫通孔4fと第2ブラケット4dとの間に位置している。
【0048】
仕切り部材6は、仕切り部6aと、上端折り曲げ部6bと、下端折り曲げ部6cとを有している。仕切り部6aは、コントローラ本体1が配置される領域と、空気調和ユニット14から送られる風を通すための領域との間に位置している。上端折り曲げ部6bは、仕切り部6aの上端において空気調和ユニット14から送られる風を通すための領域側に折り曲げられている。この上端折り曲げ部6aには貫通孔6baが形成されている。下端折り曲げ部6cは、仕切り部6aの下端においてコントローラ本体1が配置される領域側に折り曲げられている。
【0049】
カバー5は、保護部5aと、ダクト天面部5bと、ダクト側面部5cとを主に有している。保護部5aは、コントローラ本体1を保護するための部分である。保護部5aおよびダクト天面部5bは、カバー5の天面部を構成している。保護部5aおよびダクト天面部5bとの間には段差があってもよい。
【0050】
ダクト側面部5cは、ダクト天面部5bの端部から下方に折り曲げられた部分である。ダクト天面部5bおよびダクト側面部5cは台座4に設けられた貫通孔4fとバックパネル側に設けられた通風孔12a(
図6)とを繋ぐダクトの一部を構成している。このカバー5には貫通孔5d、5eが設けられている。
【0051】
次に、本発明の一実施の形態におけるコントローラ本体1、カバー5などの取付けについて
図3および
図4を用いて説明する。
【0052】
図4は、
図3のコントローラ本体を組み付けた構成を示す組立斜視図である。
図3および
図4に示されるように、張り出し部1bの貫通孔と平板部2aの貫通孔2dとの双方にボルトなどの締結部材が挿入されている。このボルトとナット(図示せず)とでコントローラ本体1と第1ブラケット2とを締め付けることにより、コントローラ本体1は第1ブラケット2に固定されている。コントローラ本体1と第1ブラケット2とから組立体3が構成されている。
【0053】
この組立体3における平板部2aの貫通孔2cと第2ブラケット4dの貫通孔4dcとの双方にボルト9などの締結部材が挿入されている。そのボルト9とナット(図示せず)とで平板部2aと第2ブラケット4dとを締め付けることにより、組立体3は台座4の第2ブラケット4dに固定されている。このボルト9(固定部)は、平面視において台座4の後端4aaとバックパネル12との間であって、台座4と重畳しない位置に配されている。組立体3が第2ブラケット4dに取り付けられた状態において、平板部2aは第2ブラケット4dの横板部4da上に載置されている。
【0054】
カバー5は、ボルトなどの締結部材をカバー5の貫通孔5dに挿入したうえで突出部2eの雌ネジ部に螺合させることにより、第1ブラケット2に取り付けられている。またカバー5は、カバー5の貫通孔5eと仕切り部材6の貫通孔6baとの双方にボルトなどの締結部材を挿入し、そのボルトとナット(図示せず)とでカバー5と仕切り部材6とを締め付けることにより仕切り部材6に固定されている。
【0055】
第1ブラケット2は脚部2bを床部13にボルト締めなどすることにより床部13に固定されている。台座4は、フランジ部4cを床部13にボルト締めなどすることにより床部13に固定されている。仕切り部材6は、下端折り曲げ部6bを床部13にボルト締めなどすることにより床部13に固定されている。またカバー5もボルト締めなどにより床部13に固定されている。
【0056】
次に、本発明の一実施の形態におけるコントローラ本体1、カバー5などの取付け状態について
図5〜
図7を用いて説明する。
【0057】
図5は、
図4のコントローラ本体を組み付けた構成の一部を
図4の矢印A方向(床面に垂直な方向)から見た平面図である。
図6は、
図4のコントローラ本体を組み付けた構成の一部の構成を示す斜視図である。
図7は、
図6のVII−VII線に沿う概略断面図である。
【0058】
図5に示されるように、コントローラ本体1が台座4に取り付けられた状態では、平面視においてコントローラ本体1の少なくとも一部(
図5中のハッチング領域RA)は、台座4と重畳している。この台座4と重畳しているコントローラ本体1の部分は、台座4の天面部4aと床部13に挟まれる領域内に位置している。
【0059】
平面視において、コントローラ本体1のうち台座4と重畳しない部分(コントローラ本体1のうちハッチング領域RA以外の部分)は、台座4の後端4aaとバックパネル12との間に位置している。
【0060】
平面視において、組立体3(コントローラ本体1)を第2ブラケット4dに固定するためのボルト(固定部)9は、台座4と重畳しない位置に配されており、台座4の後端4aaとバックパネル12との間に位置している。
【0061】
コントローラ本体1のバックパネル12側の面に配置された2つのコネクタ1c(
図3、
図4)には、それぞれケーブル8aの端子7aおよびケーブル8bの端子7bが接続されている。
【0062】
平面視においてカバー5は、台座4の後端4aaとバックパネル12との間に位置するコントローラ本体1の部分(台座4と重畳しないコントローラ本体1の部分)の上方を覆っている。このカバー5は、平面視においてケーブル8aの端子7aおよびケーブル8bの端子7bの上方を覆い、かつケーブル8aおよびケーブル8bの各々の一部の上方も覆っている。
【0063】
図6に示されるように、カバー5は、台座4に設けられた貫通孔(第1の通風孔)4fとバックパネル12に設けられた通風孔(第2の通風孔)12aとを接続するダクトの少なくとも一部を構成している。
図6および
図7に示されるように貫通孔(第1の通風孔)4fと通風孔(第2の通風孔)12aとを接続するダクトの天面部はカバー5のダクト天面部5bにより構成され、上記ダクトの一方側面部はダクト側面部5cにより構成され、上記ダクトの他方側面部は仕切り部材6により構成され、上記ダクトの底面部は床部13により構成されている。なおバックパネル12に設けられた通風孔12aは、空気調和ユニット14(
図2)から送られた風を送出するための部分である。
【0064】
図7に示されるように、コントローラ本体1に接続されたケーブル8aは、床部13を貫通してキャブ10の内部から外部へ延びている。このケーブル8aは、たとえばカメラから取得された映像信号を伝送するケーブルである。
【0065】
図8に示されるように、油圧ショベル20の右側側部にたとえば2つのカメラ31、32が配置され、左側側部にたとえば1つのカメラ33が配置され、後部のカウンタウェイト27にたとえば1つのカメラ34が取り付けられている。これらのカメラ31〜34により撮影された映像の信号をケーブル8aでコントローラ本体1に送ることができる。コントローラ本体1においては、これらのカメラ31〜34の映像信号を処理することによって、キャブ10内のモニターにたとえば作業機械20のアラウンドビューを表示させることが可能となる。
【0066】
また
図5に示されるように、平面視において台座4とバックパネル12との間の領域RBにおいてケーブル8aを床部13に貫通させることにより、ケーブル8aをキャブ10内でコントローラ本体1まで引き回す距離を短くすることができる。
【0067】
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
【0068】
本実施の形態によれば、
図5に示されるように、コントローラ本体1の少なくとも一部(ハッチング領域RA)が平面視において台座4に重畳するように配置されている。このため、コントローラ本体1を台座4と重畳させない場合と比較して、コントローラ本体1をキャブ10の前方側に配置することができる。これにより、コントローラ本体1とバックパネル12との間の隙間を大きく確保することができ、その隙間にケーブル8a、8bおよびケーブル端子7a、7bを配置することが容易となる。
【0069】
またコントローラ本体1を第2ブラケット4dに固定するボルト9は、台座4の後端4aaとバックパネル12との間の位置であって、台座4と重畳しない位置に設置されている。このため、上方からボルト9を締め付けることが容易となり、コントローラ本体1を第2ブラケット4dに固定することが容易となる。
【0070】
以上によりコントローラ本体1を運転席11とバックパネル12との間の隙間に配置することができるとともに、運転席11とバックパネル12との間の狭い空間内においてもコントローラ本体1の取り付け作業が容易となる。
【0071】
また
図5に示されるように、平面視において台座4の後端4aaとバックパネル12との間に位置するコントローラ本体1の部分(台座4と重畳しないコントローラ本体1の部分)の上方が、カバー5によって覆われている。これにより、コントローラ本体1に水または埃が付くことをカバー5により抑制することができ、コントローラ本体1を保護することができる。
【0072】
また
図6に示されるように、カバー5は、台座4に設けられた貫通孔4fとバックパネル12に設けられた通風孔12aとを接続するダクトの少なくとも一部を構成している。これにより、コントローラ本体1の保護部材と、貫通孔4fおよび通風孔12aを接続するダクトとを一体のカバー5で形成することができる。またカバー5を取り付けることで、コントローラ本体1を保護する保護部材とダクトとを同時に取り付けることが可能となり、組み立てが容易となる。
【0073】
また
図3に示されるように、コントローラ本体1はコネクタ1cを有し、コネクタ1cはコントローラ本体1のバックパネル12側の面に配置されている。上記のキャブ10によれば、コントローラ本体1とバックパネル12との間の隙間を大きく確保することができる。このため、コントローラ本体のバックパネル12側の面にコネクタ1cを設けても、コネクタ1cにケーブル8a、8b(
図5〜
図7)を接続することが容易となる。
【0074】
また
図3に示されるように、台座4は縦板4eを含んでいる。第2ブラケット4dは、縦板4eに沿って延びて縦板4eに取り付けられた縦板部4dbと、縦板部4dbの上端からバックパネル12に向かって延びる横板部4daとを有している。この横板部4da上にコントローラ本体1を取り付けることにより、コントローラ本体1を床部13から離れた高さに配置することができる。これによりコントローラ本体1の高さを確保できるため、床部13を水で洗浄する際にコントローラ本体1が水に浸ることが抑制される。またコントローラ本体1を第2ブラケット4dに固定する際に、コントローラ本体1を横板部4da上に載置した状態で保持することができる。このため、コントローラ本体1を第2ブラケット4dに固定する作業が容易となる。
【0075】
また
図7に示されるように、コントローラ本体1に接続され、かつカメラ31〜34(
図8)から取得された映像信号を伝送するケーブル8aは、床部13を貫通してキャブ10の内部から外部へ延びている。これによりキャブ10の外部で撮影された映像の信号をキャブ10の内部に配置されたコントローラ本体1で処理することが可能となる。
【0076】
なお上記実施の形態においては、コントローラ本体1を含む組立体3と第2ブラケット4dとを固定する固定部がボルトおよびナットの場合について説明したが、固定部はこれに限定されるものではない。この固定部は、たとえばピン、溶接など他の部材または方法によって固定するものであってもよい。
【0077】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
台座(4)はバックパネル(12)に向かって延びる第2ブラケット(4d)を有している。コントローラ本体(1)は、台座(4)とバックパネル(12)との間に配置され、かつ第2ブラケット(4d)に固定されている。平面視において、コントローラ本体(1)の少なくとも一部は台座(4)と重畳するように台座(4)と床部(13)との間に位置し、かつコントローラ本体(1)を第2ブラケット(4d)に固定するボルト(9)は台座(4)の後端(4aa)とバックパネル(12)との間に配されている。