特許第5697823号(P5697823)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5697823鉄筋構造体およびそれを用いた鉄筋コンクリートの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5697823
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】鉄筋構造体およびそれを用いた鉄筋コンクリートの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B28B 23/02 20060101AFI20150319BHJP
   E04C 5/06 20060101ALI20150319BHJP
【FI】
   B28B23/02 Z
   E04C5/06
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-235817(P2011-235817)
(22)【出願日】2011年10月27日
(65)【公開番号】特開2013-91286(P2013-91286A)
(43)【公開日】2013年5月16日
【審査請求日】2012年1月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】511260779
【氏名又は名称】麗明營造股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】LEE MING CONSTRUCTION CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 明晴
(72)【発明者】
【氏名】陳 建明
(72)【発明者】
【氏名】巫 ▲聖▼牧
【審査官】 相田 悟
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−129842(JP,A)
【文献】 特開平10−046714(JP,A)
【文献】 特公昭53−010085(JP,B1)
【文献】 特開昭60−212564(JP,A)
【文献】 特開平05−171803(JP,A)
【文献】 特開平07−247676(JP,A)
【文献】 特開平04−102652(JP,A)
【文献】 特開昭58−011253(JP,A)
【文献】 特開平10−002060(JP,A)
【文献】 特開2009−154400(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28B 7/00〜7/46,23/00〜23/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の主筋、第2の主筋、複数の固定ロッド、複数の漏れ防止網、複数の支持網、複数の外付けロッド及び複数の押圧板を備え鉄筋コンクリート製造用の鉄筋構造体であって、
前記第1の主筋および前記第2の主筋は、前記鉄筋コンクリートの壁厚方向で互いに間隔を空け配置され、
前記固定ロッドは、前記鉄筋コンクリートの壁厚方向に延び、前記第1の主筋及び前記第2の主筋に間隔をおいて固定され、前記第1の主筋から前記第2の主筋までの距離を固定し、少なくとも一端部に組立部が設けられ、
前記漏れ防止網は、前記第1の主筋及び前記第2の主筋に対し前記固定ロッドの軸方向外側に敷設され、
前記支持網は、前記漏れ防止網の前記軸方向外側に敷設され、
前記外付けロッドは、前記支持網及び前記漏れ防止網を貫通し前記固定ロッドの前記組立部に着脱自在に接続され、
前記押圧板は、前記外付けロッドが挿通可能な孔を有し、前記支持網の前記軸方向外側で当該支持網および前記漏れ防止網を固定可能であることを特徴とする鉄筋構造体。
【請求項2】
前記組立部は、前記固定ロッドに固定された固定ナットであり、
前記外付けロッドは、前記固定ナットに螺合可能なねじ部を有し、
前記押圧板の前記軸方向外側に位置し、前記外付けロッドの前記ねじ部に螺合され前記押圧板を前記支持網および前記漏れ防止網側に押し付け可能な複数の着脱自在ナットを有することを特徴とする請求項1に記載の鉄筋構造体。
【請求項3】
前記第1の主筋に対し平行に配置されるとともに当該第1の主筋に固定された第1の工作筋、及び、前記第2の主筋に対し平行に配置されるとともに当該第2の主筋に固定された第2の工作筋をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の鉄筋構造体。
【請求項4】
前記第1の工作筋に対し前記軸方向外側で前記第1の主筋に対し平行に配置されるとともに当該第1の工作筋に固定された第1の垂直主筋、及び、前記第2の工作筋に対し前記軸方向外側で前記第2の主筋に対し平行に配置されるとともに当該第2の工作筋に固定された第2の垂直主筋をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の鉄筋構造体。
【請求項5】
前記第1の垂直主筋に対し前記軸方向外側で前記第1の工作筋に対し平行に配置されるとともに当該第1の垂直主筋に固定された第1の水平主筋、及び、前記第2の垂直主筋に対し前記軸方向外側で前記第2の工作筋に対し平行に配置されるとともに当該第2の垂直主筋に固定された第2の水平主筋をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の鉄筋構造体。
【請求項6】
前記固定ロッドの少なくとも一端部に固定され、前記固定ナットが固定されたストッパ片をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の鉄筋構造体。
【請求項7】
前記第1の垂直主筋および前記第2の垂直主筋に対し平行に配置され、前記ストッパ片に固定された複数の継手筋をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の鉄筋構造体。
【請求項8】
前記第1の主筋及び前記第2の主筋にそれぞれ連結された複数の補強筋をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の鉄筋構造体。
【請求項9】
前記支持網の表面に圧着され、前記押圧板により押圧される互いに平行な複数の固定筋をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の鉄筋構造体。
【請求項10】
前記第1の主筋及び前記第2の主筋に対し前記軸方向外側に位置し、前記各水平主筋と連結された複数のせん断補強鉄筋をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の鉄筋構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄筋構造体およびそれを用いた鉄筋コンクリートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄筋コンクリートを製造する際、複数本の鉄筋により鉄筋構造体を作った後、この鉄筋構造体の外側を複数の型枠で取り囲むことでコンクリートを流し込む空間を形成し、この空間内にコンクリートを流し込み、このコンクリートが硬化した後に脱枠を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−94476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の製造方法により建築物等の鉄筋コンクリートを製造することができるが、以下(1)〜(3)の点で改善が求められていた。
(1)鉄筋コンクリートの外表面が型枠表面の凹凸により粗くなることがある。その場合、建築物の外観を良くするために、外壁にモルタルなどを塗る作業を複数回行う必要がある。そのため、製造時間が長くなり効率が悪い。
(2)上述の製造方法で用いる型枠が平面状であるため、曲面を有する鉄筋コンクリートの製作に用いることができない。そのため、その応用には限界がある。
(3)曲面を有する鉄筋コンクリートに対応する曲面状の型枠を製作するとしても、そのような曲面状の型枠を製作することが容易でない上、脱枠工程の際に釘を抜くなどの作業を行う必要があり、製造効率が悪い。
【0005】
本発明の目的は、製造時間を短縮することができる鉄筋コンクリートの製造方法を提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、曲面を有する鉄筋構造体およびそれを用いた鉄筋コンクリートの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、第1の主筋、第2の主筋、複数の固定ロッド、複数の漏れ防止網、複数の支持網、複数の外付けロッド及び複数の押圧板を備え鉄筋コンクリート製造用の鉄筋構造体である。第1の主筋および第2の主筋は、鉄筋コンクリートの壁厚方向に互いに間隔を空け配置される。固定ロッドは、鉄筋コンクリートの壁厚方向に延び、第1の主筋及び第2の主筋に間隔をおいて固定され、第1の主筋から第2の主筋までの距離を固定する。固定ロッドの少なくとも一端には組立部が設けられる。
漏れ防止網は、第1の主筋及び第2の主筋の外側に敷設され、支持網は、漏れ防止網の外側に敷設される。外付けロッドは、支持網及び漏れ防止網に貫設され、固定ロッドの組立部に着脱自在に固定される。押圧板は、外付けロッドが挿入可能な 孔を有し、支持網の外側で支持網及び漏れ防止網を固定可能である。

【0007】
請求項2に記載の発明は、固定ロッドの組立部は固定ナットであり、外付けロッドは固定ナットに螺合可能なねじ部を有する。また、外付けロッドのねじ部に螺合され、押圧板の外側に位置し、押圧板を支持網側及び漏れ防止網側に押し付け可能な着脱自在ナットを有する。
請求項3に記載の発明は、第1の主筋に対し平行に配置されるとともに第1の主筋に固定された第1の工作筋、及び、第2の主筋に対し平行に配置されるとともに第2の主筋に固定された第2の工作筋を備える。
【0008】
請求項4に記載の発明は、第1の工作筋の外側で第1の主筋に対し平行に配置されるとともに第1の工作筋に固定された第1の垂直主筋、及び、第2の工作筋の外側で第2の主筋に対し平行に配置されるとともに第2の工作筋に固定された第2の垂直主筋を備える。
請求項5に記載の発明は、第1の垂直主筋の外側で第1の工作筋に対し平行に配置されるとともに第1の垂直主筋に固定され、第2の垂直主筋の外側で第2の工作筋に対し平行に配置されるとともに第2の垂直主筋に固定された第2の水平主筋を備える。
載の発明は、第1の主筋及び第2の主筋にそれぞれ連結された複数の補強筋を備える。
【0009】
請求項6に記載の発明は、固定ロッドの少なくとも一端部に固定され、固定ナットが固定されたストッパ片を備える。
請求項7に記載の発明は、垂直主筋に対し平行に配置され、ストッパ片が固定された複数の継手筋を備える。
請求項8に記載の発明は、第1の主筋及び第2の主筋にそれぞれ連結された複数の補強筋を備える。
【0010】
請求項9に記載の発明は、支持網の表面に圧着され、押圧板により押圧される互いに平行な複数の固定筋を備える。
請求項10に記載の発明は、第1の主筋及び第2の主筋の外側に位置し、水平主筋と連結された複数のせん断補強鉄筋を備える。
【0011】
筋コンクリートを製造する方法、複数のトラス構造体を製作するステップと、複数のトラス構造体を組み合わせて1つのユニット構造体を製作するステップと、ユニット構造体の両面に漏れ防止網を敷設するステップと、ユニット構造体の漏れ防止網の外側に着脱自在に支持網を設けるステップと、ユニット構造体中にコンクリートを打設するステップと、支持網を除去するステップと、を含む。
【0012】
ラス構造体を製作するステップでは、第1の主筋及び第2の主筋を互いに平行に配置し、第1の主筋と第2の主筋との間に、互いに間隔をおいて配置されている複数の固定ロッド溶接る。
定ロッドの少なくとも一端部に固定ナットを固定し、この固定ナットに外付けロッドを固定し、この外付けロッドに押圧板を挿通させ、ストッパ片と押圧板との間に漏れ防止網及び支持網を敷設可能にする。
【0013】
持網と押圧板との間に複数の固定筋を配置するステップをさらに含む
付けロッドに着脱自在ナットを螺合し押圧板を着脱自在ナットで押圧することでストッパ片と押圧板との間に漏れ防止網及び支持網を固定するステップをさらに含む
ラス構造体を製作するステップでは、第1の主筋及び第2の主筋を弧度が同じになるように曲げる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、脱枠作業に時間がかかるという欠点が無い。
さらに、コンクリート打設作業が完了し支持網を外すと、漏れ防止網だけが残され、漏れ防止網の網目が非常に細かいため、鉄筋コンクリートの外表面が粗くなることを防ぐことができる。そのため外壁にモルタルなどを塗る時間を短縮し、製造効率を高めることができる。
さらに、鉄筋コンクリートの壁面に曲面を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態による鉄筋コンクリートの製造方法を示す工程図である。
図2】本発明の一実施形態による鉄筋コンクリートのトラス構造体を示す平面図である。
図3】本発明の一実施形態による複数のトラス構造体を組み立てて製作した1つのユニット構造体を示す斜視図である。
図4】本発明のスペーサとトラス構造体とにより構築した鉄筋構造体を示す平面図である。
図5図4の構造を基礎とし、漏れ防止網及び支持網を敷設して鉄筋構造体を製作したときの状態を示す平面図である。
図6】本発明の一実施形態による鉄筋コンクリートの漏れ防止網を示す模式図である。
図7】本発明の一実施形態による鉄筋コンクリートの支持網を示す模式図である。
図8】本発明の一実施形態による鉄筋構造体の内部にコンクリートを打設したときの状態を示す平面図である。
図9】本発明の一実施形態による支持網を取り外したときの鉄筋コンクリートの状態を示す平面図である。
図10】本発明の一実施形態による複数の鉄筋コンクリートを組み合わせて製作した曲面を有する大きな体積のコンクリート壁を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図に基づき説明する。
本発明の一実施形態による鉄筋コンクリートの製造方法によれば、平面を有する鉄筋コンクリート又は曲面を有する鉄筋コンクリートを短い時間で製造することができる。以下、曲面を有する鉄筋コンクリートの製造を例に説明を行う。
【0017】
図1に示すように、本発明の一実施形態による鉄筋コンクリートの製造方法は、トラス構造体を製作するステップ、複数のトラス構造体を組み合わせてユニット構造体を製作するステップ、ユニット構造体を補強するステップ、漏れ防止網を敷設するステップ、支持網を敷設するステップ、支持網を固定するステップ、コンクリートを打設するステップ、コンクリートを硬化させるステップ、及び、支持網を除去するステップを含む。以下、図2図5に基づきトラス構造体の製作から鉄筋構造体の完成までを説明する。
【0018】
図1のトラス構造体を製作するステップでは、図2に示すように、トラス構造体10を製作する際、まず、第1の主筋12及び第2の主筋14を同じ弧度を有するように曲成する。曲面を作る際、この弧度を基礎として作る。続いて、第1の主筋12と第2の主筋14との間にW字状の補強筋16を溶接する。続いて、第1の主筋12及び第2の主筋14に複数本の固定ロッド18を互いに間隔をおいて溶接し、第1の主筋12と第2の主筋14との間に間隔をおいて固定することによって、トラス構造体10を製作する。ここで、固定ロッド18の両端部には、円形状のストッパ片20を予め溶接し、「組立部」を構成する固定ナット22を予め溶接しておく。
【0019】
図1のユニット構造体を製作するステップでは、図3に示すように、複数のトラス構造体10を一定の間隔で配置してから、各トラス構造体10の第1の主筋12及び第2の主筋14に複数本の工作筋24を溶接し、各トラス構造体10を直列接続することによって、均一な厚さを有するユニット構造体Aを製作する。
【0020】
図1のユニット構造体を補強するステップでは、ユニット構造体を製作するステップでの工作筋24の溶接作業が終了した後、図4に示すように、複数本の垂直主筋26、複数本の水平主筋28、複数本のせん断補強鉄筋30及び複数本の継手筋32を固定する。
【0021】
垂直主筋26の一方は、第1の主筋12に溶接された工作筋24に対し固定ロッド18の軸方向外側で第1の主筋12に対し平行に配置されるとともに、工作筋24に固定される。垂直主筋26の他方は、第2の主筋14に溶接された工作筋24に対し前記軸方向外側で第2の主筋14に対し平行に配置されるとともに、工作4に固定される。
【0022】
水平主筋28の一部は、垂直主筋26に対し前記軸方向外側で工作筋24に対し平行に配置されるとともに、垂直主筋2に固定される。水平主筋28の残部は、垂直主筋26に対し前記軸方向外側で工作筋24に対し平行に配置されるとともに、垂直主筋2に固定される。
【0023】
せん断補強鉄筋30の両端部は、フック状に形成され、第1の主筋12および第2の主筋14に対し前記軸方向外側で水平主筋28に引っ掛けられて固定される。
せん断補強鉄筋30を固定した後、継手筋32を垂直主筋26に平行に配置し各ストッパ片20に溶接して、補強作業を終了させる。これにより完成した鉄筋構造体100は強度が高められている。
鉄筋構造体100は、補強ステップが完了した後、後のステップの施工現場まで吊り下げて移動し、設置する。
【0024】
図1の支持網を敷設するステップでは、図5に示すように、まず、網目が非常に細かい2枚の漏れ防止網34(図6参照)をユニット構造体Aの両側に敷設して継手筋32に対し前記軸方向外側の全てを覆う。この漏れ防止網34は、打設したコンクリートが漏れ出ることを防ぐために用いる。
続いて、金属線で製作された2枚の支持網36(図7参照)を各漏れ防止網34に対し前記軸方向外側に敷設する。この支持網36は、コンクリートの重量を支えて漏れ防止網34が破損することを防ぐために用いる。
【0025】
図1の支持網を固定するステップでは、図5に示すように、まず、複数本の固定筋38を2本1組で各支持網36の外表面に平行に配置して圧着させ、「外付けロッド」としての複数本のリードスクリュー40のねじ部を固定ナット22中に螺合する。続いて、押圧板42の穿孔にリードスクリュー40を挿通させ、互いに平行な2本の固定筋38を各押圧板42により押圧する。続いて、リードスクリュー40に着脱自在ナット44を螺合し、この着脱自在ナット44をねじ込んで押圧板42および固定筋38が押圧することで支持網36を固定し、鉄筋構造体100の製作が完了する。
【0026】
図1のコンクリートを打設するステップでは、図8に示すように、鉄筋構造体100の内部空間をコンクリートBで充満させる。この際、2つの漏れ防止網34によりコンクリートBが拘束されて漏れ出すことがない。
図1のコンクリートを硬化させるステップでは、型枠の外側を振動させてコンクリートBを締固める。
コンクリートBが硬化した後、図1の支持網を除去するステップでは、着脱自在ナット44を緩めて押圧板42及び固定筋38を外し、リードスクリュー40を回して外して支持網36を外す。
以上のようにして図9に示すような壁厚が均一で曲面を有する鉄筋コンクリートCを作ることができる。
【0027】
上述したことから分かるように、本発明の製造方法及びそれによって製造された鉄筋コンクリートは、従来技術と異なり脱枠作業に時間がかかるという欠点が無いだけでなく、鉄筋が露出されるという問題もない。
さらに、本実施形態の鉄筋構造体100は、コンクリート打設作業が完了し支持網36を外すと、漏れ防止網34だけが残され、漏れ防止網34の網目が非常に細かいため、鉄筋コンクリートCの外表面が粗くなることを防ぐことができる。そのため外壁にモルタルなどを塗る時間を短縮し、製造効率を高めることができる。
さらに、本実施形態では、トラス構造体10を利用することにより、鉄筋コンクリートCの壁面に曲面を形成することができる上、弧度が異なる多数の鉄筋コンクリートCを組み合わせることにより、図10に示すように曲面を有し体積が大きなコンクリート壁を形成することができる。
【0028】
本発明の好適な実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではない。本発明の主旨と領域を逸脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って、本発明の特許請求の範囲は、このような変更や修正を含めて広く解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0029】
10 ・・・トラス構造体
12 ・・・第1の主筋
14 ・・・第2の主筋
16 ・・・補強筋
18 ・・・固定ロッド
20 ・・・ストッパ片
22 ・・・固定ナット
24 ・・・工作筋
26 ・・・垂直主筋
28 ・・・水平主筋
30 ・・・せん断補強鉄筋
32 ・・・継手筋
34 ・・・漏れ防止網
36 ・・・支持網
38 ・・・固定筋
40 ・・・リードスクリュー(外付けロッド)
42 ・・・押圧板
44 ・・・着脱自在ナット
100・・・鉄筋構造体
A ・・・ユニット構造体
B ・・・コンクリート
C ・・・鉄筋コンクリート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10