(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5697848
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】メモリドライブ装置
(51)【国際特許分類】
G06F 12/16 20060101AFI20150319BHJP
G06F 3/06 20060101ALI20150319BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20150319BHJP
【FI】
G06F12/16 340A
G06F3/06 304Z
G06F13/00 301R
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2009-1767(P2009-1767)
(22)【出願日】2009年1月7日
(65)【公開番号】特開2010-160634(P2010-160634A)
(43)【公開日】2010年7月22日
【審査請求日】2012年1月6日
【審判番号】不服2013-21163(P2013-21163/J1)
【審判請求日】2013年10月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004651
【氏名又は名称】日本信号株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085660
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 均
(72)【発明者】
【氏名】亀山 幸宏
(72)【発明者】
【氏名】中村 一雄
(72)【発明者】
【氏名】菊地 淳
(72)【発明者】
【氏名】横田 晃
【合議体】
【審判長】
乾 雅浩
【審判官】
千葉 輝久
【審判官】
和田 志郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開平8−263229(JP,A)
【文献】
特開2005−149451(JP,A)
【文献】
特開平5−28039(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F12/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無停電電源を備えた第1の記憶手段と不揮発性の第2の記憶手段とを備え、電源が正常に動作している時は前記第1の記憶手段と前記第2の記憶手段は前記電源から電力が供給され、前記電源が停電した時は前記第1の記憶手段は前記無停電電源から電力が供給される構成を備え、且つ前記第1の記憶手段及び前記第2の記憶手段が同じ装置内に納められたメモリドライブ装置であって、
外部装置から送信されたデータの受信、該外部装置との制御情報の授受、及び前記第1の記憶手段と前記第2の記憶手段の同期制御を司る制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記第1の記憶手段に記憶したデータ量が該第1の記憶手段が有する記憶容量に近づいた場合に、前記外部装置に対してデータ送信を中断する旨を通知し、前記第1の記憶手段に記憶したデータを前記第2の記憶手段に転送完了後に前記外部装置に残りのデータの送信を要求することを特徴とするメモリドライブ装置。
【請求項2】
前記第1の記憶手段の記憶速度は、前記第2の記憶手段の記憶速度よりも速くなるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のメモリドライブ装置。
【請求項3】
前記第1の記憶手段の記憶容量は、1通信で受信するデータを全て記憶できる容量か、又は前記第2の記憶手段と同じ記憶容量であることを特徴とする請求項1又は2に記載のメモリドライブ装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第1の記憶手段にデータを記憶中に障害が発生した場合は、前記障害が復旧した後に、全てのデータの再送要求を行なうか、又は未記憶データの再送要求を行なうことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のメモリドライブ装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第1の記憶手段から前記第2の記憶手段にデータを転送中に障害が発生した場合は、前記障害が復旧した後に、前記第1の記憶手段に記憶されている全てのデータを再び転送するか、又は未記憶データをのみを転送することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のメモリドライブ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリドライブ装置に関し、さらに詳しくは、電源の瞬断等によるデータ消失の確率を最小限にするメモリドライブ装置の構成技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のメモリドライブ装置は、不揮発性で、且つ大容量のフラッシュメモリやハードディスクが使用されることが多い。しかし、フラッシュメモリやハードディスクは、スタティックRAM(SRAM)やダイナミックRAM(DRAM)と比較すると、書き込み処理に多くの時間を必要とする(即ち、アクセスタイムが長い)。そのため、例えば、ネットワークと接続されたホストから大量のデータを受信する場合、ネットワークを捕捉する時間が長くなるばかりでなく、そのデータを書き込み処理中に瞬時停電等に遭遇したりノイズの影響を受ける確率が高くなる。その結果、データを消失してしまうばかりでなく、データを再送するために多大の時間を要するといった問題があった。そこで、瞬時停電等に対応するために、フラッシュメモリやハードディスクを無停電化することも考えられるが、依然としてネットワークを捕捉する時間が長くなるといった問題は解決されない。
従来技術として特許文献1には、SRAMキャッシュがホストとフラッシュメモリの間を移動するデータを一時的に記憶するバッファとして構成されている半導体ディスク制御装置について開示されている。また、特許文献2には、バッファを内蔵したフラッシュメモリに直接アクセスしない半導体ディスク制御装置について開示されている。
【特許文献1】特開2007−133868公報
【特許文献2】特開2006−195990公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1及び2に開示されている従来技術は、SRAMキャッシュがホストとフラッシュメモリの間を移動するデータを一時的に記憶するバッファとして構成されているが、電源が瞬断した場合のデータバックアップについては開示されていない。また、SRAMキャッシュがバッファの役割であるため、大量のデータを受信する場合は、ネットワークの捕捉時間が長くなるといった問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、ホストとフラッシュメモリ間に無停電電源を備えたSRAMを配置して、ホストからのデータを高速でSRAMに記憶し、ホストとの通信を解除した後に記憶したデータをフラッシュメモリに転送することにより、電源の瞬断等によるデータ消失の確率を最小限にすると共に、ネットワークの捕捉時間を低減したメモリドライブ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、無停電電源を備えた第1の記憶手段と不揮発性の第2の記憶手段とを備え、電源が正常に動作している時は前記第1の記憶手段と前記第2の記憶手段は前記電源から電力が供給され、前記電源が停電した時は前記第1の記憶手段は前記無停電電源から電力が供給される構成を備え、且つ前記第1の記憶手段及び前記第2の記憶手段が同じ装置内に納められたメモリドライブ装置であって、外部装置から送信されたデータの受信、該外部装置との制御情報の授受、及び前記第1の記憶手段と前記第2の記憶手段の同期制御を司る制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記第1の記憶手段に記憶したデータ量が該第1の記憶手段が有する記憶容量に近づいた場合に、前記外部装置に対してデータ送信を中断する旨を通知し、前記第1の記憶手段に記憶したデータを前記第2の記憶手段に転送完了後に前記外部装置に残りのデータの送信を要求することを特徴とする。
本発明では、無停電電源を備えた第1の記憶手段と、不揮発性の第2の記憶手段と、を備え、外部装置から受信したデータは第1の記憶手段に記憶して外部装置との通信を終了し、その後に、第1の記憶手段から第2の記憶手段にデータを転送する。これにより、電源が瞬断した場合でも外部装置から受信したデータを保護することができる。
また、第1の記憶手段の記憶容量は、1通信で受信するデータを全て記憶できる容量に設定するが、低い確率でそれよりも長いデータを受信する場合もある。そのような時は、一旦、第1の記憶手段に記憶したデータを第2の記憶手段に転送する必要がある。そして、転送完了後に外部装置に残りのデータの送信を要求する。これにより、第1の記憶手段の容量不足によるデータ消失を防止することができる。
請求項2は、前記第1の記憶手段の記憶速度は、前記第2の記憶手段の記憶速度よりも速くなるように構成されていることを特徴とする。
外部装置(例えば、ホスト)との通信時間を短くすることは、結果的にネットワークの捕捉時間を短くすることに繋がる。それを実現するためには、受信データを高速で記憶する必要がある。そこで本発明では、第1の記憶手段の記憶速度を第2の記憶手段の記憶速度よりも速くなるように構成する。これにより、外部装置との通信時間を短くすることができ、結果的にネットワークの捕捉時間を短くすることができる。
【0005】
請求項3は、前記第1の記憶手段の記憶容量は、1通信で受信するデータを全て記憶できる容量か、又は前記第2の記憶手段と同じ記憶容量であることを特徴とする。
1通信で受信するデータの長さは通信毎に異なる。従って、記憶手段の記憶容量は大きいほど好ましいが、コストとの関係で所定の記憶容量に決定される。そのとき、第1の記憶手段の記憶容量と第2の記憶手段の記憶容量との関係が重要となる。即ち、第1の記憶手段の記憶容量を第2の記憶手段の記憶容量より大きくすることは無意味である。なぜならば、受信しても第2の記憶手段に記憶しきれないで、データを捨てることになるからである。そこで本発明では、1通信で受信するデータを全て記憶できる容量か、又は第2の記憶手段の記憶容量と同じ記憶容量を第1の記憶手段に備える。これにより、1通信でのデータ記憶を連続で、且つ高速で行なうことができる
。
【0006】
請求項
4は、前記制御手段は、前記第1の記憶手段にデータを記憶中に障害が発生した場合は、前記障害が復旧した後に、全てのデータの再送要求を行なうか、又は未記憶データの再送要求を行なうことを特徴とする。
瞬時停電等の障害は何時発生するか予測がつかない。従って、第1の記憶手段に記憶中に障害が発生した場合は、第1の記憶手段は無停電なので今まで記憶したデータは保存されるが、制御手段の動作が停止してしまい、データを受信することができない。そこで本発明では、記憶した全てのデータを無効として外部装置に対して再送要求を出すか、又は未記憶データのみの再送要求を行なう。これにより、障害により消失したデータを復旧することができる。
請求項
5は、前記制御手段は、前記第1の記憶手段から前記第2の記憶手段にデータを転送中に障害が発生した場合は、前記障害が復旧した後に、前記第1の記憶手段に記憶されている全てのデータを再び転送するか、又は未記憶データをのみを転送することを特徴とする。
第1の記憶手段は無停電電源を有しているので、障害が発生しても記憶されているデータは消失しないで残っている。そこで本発明では、第1の記憶手段から第2の記憶手段にデータを転送している過程で障害が発生した場合は、障害が復旧した後に、第1の記憶手段に記憶されている全てのデータを再び転送するか、又は未記憶データをのみを転送する。これにより、データ消失を未然に防止することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、無停電電源を備えた第1の記憶手段と、不揮発性の第2の記憶手段と、を備え、外部装置から受信したデータは第1の記憶手段に記憶して外部装置との通信を終了し、その後に、第1の記憶手段から第2の記憶手段にデータを転送するので、電源が瞬断した場合でも外部装置から受信したデータを保護することができる。
また、第1の記憶手段の記憶速度を第2の記憶手段の記憶速度よりも速くなるように構成するので、外部装置との通信時間を短くすることができ、結果的にネットワークの捕捉時間を短くすることができる。
また、1通信で受信するデータを全て記憶できる容量か、又は第2の記憶手段の記憶容量と同じ記憶容量を第1の記憶手段に備えるので、1通信でのデータ記憶を連続で、且つ高速で行なうことができる。
また、一旦、第1の記憶手段に記憶したデータを第2の記憶手段に転送する必要がある。そして、転送完了後に外部装置に次のデータの送信を要求するので、第1の記憶手段の容量不足によるデータ消失を防止することができる。
また、第1の記憶手段に記憶中に障害が発生すると、記憶したデータは無効となるので、外部装置に対して再送要求を出すことにより、消失したデータを復旧することができる。
また、第1の記憶手段から第2の記憶手段にデータを転送している過程で障害が発生した場合は、障害が復旧した後に、第1の記憶手段に記憶されている全てのデータを再び転送するか、又は未記憶データをのみを転送するので、データ消失を未然に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の実施形態に係るメモリドライブ装置の概略構成を示す図である。このメモリドライブ装置2は、電源バックアップ機能を備えたSRAM(第1の記憶手段)6と、不揮発性のフラッシュメモリ(第2の記憶手段)7と、ホスト(外部装置)1から送信されたデータ10の受信、ホスト1との制御情報9の授受、及びSRAM6とフラッシュメモリ7の同期制御を司るコントローラ(制御手段)3と、を備えて構成されている。尚、本実施形態では、電源8がメモリドライブ装置2のコントローラ3、フラッシュメモリ7、及び充電回路5に電圧Vを供給している。また、SRAM6はバッテリ4により駆動され、常時電圧Vにより充電されている。そして、コントローラ3は、ホスト1から受信したデータ10をSRAM6に記憶してホスト1との通信を終了後、SRAM6に記憶されたデータをフラッシュメモリ7に転送する。
即ち、本実施形態では、バッテリ4(無停電電源機能)を備えたSRAM6と、不揮発性のフラッシュメモリ7と、を備え、ホスト1から受信したデータ10はSRAM6に記憶してホスト1との通信を終了し、その後に、SRAM6からフラッシュメモリ7にデータをコピーする。これにより、電源8が瞬断した場合でもホスト1から受信したデータを保護することができる。
【0009】
また、ホスト1との通信時間を短くすることは、結果的にネットワークの捕捉時間を短くすることに繋がる。それを実現するためには、受信データ10を高速で記憶する必要がある。そこで本実施形態では、SRAM6の記憶速度はフラッシュメモリ7の記憶速度よりも速いので、ホスト1との通信時間を短くすることができ、結果的にネットワークの捕捉時間を短くすることができる。
また、SRAM6の記憶容量は、1通信で受信するデータを全て記憶できる容量か、又はフラッシュメモリ7の記憶手段と同じの記憶容量にする。即ち、1通信で受信するデータの長さは通信毎に異なる。従って、記憶手段の記憶容量は大きいほど好ましいが、コストとの関係で所定の記憶容量に決定される。そのとき、SRAM6の記憶容量とフラッシュメモリ7の記憶容量との関係が重要となる。即ち、SRAM6の記憶容量をフラッシュメモリ7の記憶容量より大きくすることは無意味である。なぜならば、受信してもフラッシュメモリ7に記憶しきれないで、データを捨てることになるからである。そこで本実施形態では、1通信で受信するデータを全て記憶できる容量か、又はフラッシュメモリ7の記憶容量と同じ記憶容量をSRAM6に備える。これにより、1通信でのデータ記憶を連続で、且つ高速で行なうことができる。
【0010】
図2は
図1のメモリドライブ装置のSRAMが一括記憶する場合の動作について説明するフローチャートである。まず、コントローラ3はホスト1に制御信号9によりデータを要求する(S1)。ホスト1はその要求に対してデータ10をコントローラ3に送信する。コントローラ3はそのデータ10をSRAM6に記憶する(S2)。全てのデータの受信が完了すると(S3でYES)、ホスト1に対して完了通知信号11を返す(S4)。これにより、メモリドライブ装置2とホスト1の通信は終了する。次に、コントローラ3はSRAM6に記憶されているデータをフラッシュメモリ7に転送(コピー)するためにデータ転送信号14を出力して信号線13を介してデータを転送する(S5)。転送が完了すると(S6でYES)、データ消去信号12を出力してSRAM6に記憶されているデータを消去する(S7)。
【0011】
図3は
図1のメモリドライブ装置のSRAMが分割記憶する場合の動作について説明するフローチャートである。まず、コントローラ3はホスト1に制御信号9によりデータを要求する(S10)。ホスト1はその要求に対してデータ10をコントローラ3に送信する。コントローラ3はそのデータ10をSRAM6に記憶する(S11)。SRAM6がメモリフルに近づくと(S12でYES)、コントローラ3にメモリ容量がフルに近いこと認識するとホスト1に対してデータ10の送信中断を通知する(S13)。次に、コントローラ3はSRAM6に記憶されているデータをフラッシュメモリ7に転送(コピー)する(S14)。転送が完了すると(S15でYES)、SRAM6に記憶されているデータを消去する(S16)。そして、ホスト1に対して残りのデータの送信を要求し(S17)、ントローラ3はそのデータ10をSRAM6に記憶する(S18)。全てのデータの受信が完了すると(S19でYES)、ホスト1に対して完了通知11を返す(S20)。
即ち、SRAM6の記憶容量は、1通信で受信するデータを全て記憶できる容量に設定するが、低い確率でそれよりも長いデータを受信する場合もある。そのような時は、一旦、SRAM6に記憶したデータをフラッシュメモリ7に転送する必要がある。そして、転送完了後にホスト1に次のデータの送信を要求する。これにより、SRAM1の容量不足によるデータ消失を防止することができる。
【0012】
図4は一括記憶動作中に障害が発生した場合の動作について説明するフローチャートである。まず、コントローラ3はホスト1に制御信号9によりデータを要求する(S30)。ホスト1はその要求に対してデータ10をコントローラ3に送信する。コントローラ3はそのデータ10をSRAM6に記憶する(S31)。ここで全てのデータの受信が完了する前に(S32でNO)、障害が発生すると(S37でYES)、ホスト1に再送要求を出す(S38)。一方、ステップS32で全てのデータの受信が完了すると(S32でYES)、ホスト1に対して完了通知11を返す(S33)。これにより、メモリドライブ装置2とホスト1の通信は終了する。次に、コントローラ3はSRAM6に記憶されているデータをフラッシュメモリ7に転送(コピー)する(S34)。ここで、転送が完了する前に(S35でNO)、障害が発生すると(S39でYES)、コントローラ3はSRAM6に再送要求を出して転送されていないデータを転送する(S40)。尚、ここで、SRAM6に記憶されているデータを全て転送するようにしても良い。一方、ステップS35で転送が完了すると(S35でYES)、SRAM6に記憶されているデータを消去する(S36)。
即ち、障害は何時発生するか予測がつかない。従って、SRAM6に記憶中に障害が発生すると、記憶したデータは無効となるので、ホスト1に対して再送要求を出す。これにより、消失したデータを復旧することができる。また、SRAM6は無停電電源機能を有しているので、障害が発生しても記憶されているデータは消失しないで残っている。そこで本実施形態では、SRAM6からフラッシュメモリ7にデータを転送している過程で障害が発生した場合は、障害が復旧した後にSRAM6に該データの再送要求を行なう。これにより、データ消失を未然に防止することができる。
【0013】
図5は
図2で説明したフローチャートに基づいた各部の信号のタイミングチャートである。まず、コントローラ3はホスト1に制御信号9によりデータを要求すると、ホスト1はその要求に対してデータ10をコントローラ3に送信する。コントローラ3はそのデータ10をSRAM6に記憶する。全てのデータの受信が完了すると、ホスト1に対して完了通知11を返す。これにより、メモリドライブ装置2とホスト1の通信は終了する。次に、コントローラ3はSRAM6に記憶されているデータをフラッシュメモリ7に転送(コピー)する。転送が完了すると、SRAM6に記憶されているデータを消去して終了する。
図6は
図3で説明したフローチャートに基づいた各部の信号のタイミングチャートである。まず、コントローラ3はホスト1に制御信号9によりデータを要求する。ホスト1はその要求に対してデータ10をコントローラ3に送信する。コントローラ3はそのデータ10をSRAM6に記憶する。SRAM6がメモリフルに近づくと、コントローラ3がメモリ容量がフルに近いこと認識してホスト1に対してデータ10の送信中断を通知する。次に、コントローラ3はSRAM6に記憶されているデータをフラッシュメモリ7に転送(コピー)する。転送が完了すると、SRAM6に記憶されているデータを消去する。そして、ホスト1に対して残りのデータの送信を要求し、ントローラ3はそのデータ10をSRAM6に記憶する。全てのデータの受信が完了すると、ホスト1に対して完了通知11を返して、コントローラ3はSRAM6に記憶されているデータをフラッシュメモリ7に転送(コピー)して、転送が完了すると、SRAM6に記憶されているデータを消去して終了する。
【0014】
図7、
図8は
図4で説明したフローチャートに基づいた各部の信号のタイミングチャートである。まず
図7において、コントローラ3はホスト1に制御信号9によりデータを要求する。ホスト1はその要求に対してデータ10をコントローラ3に送信する。コントローラ3はそのデータ10をSRAM6に記憶する。ここで全てのデータの受信が完了する前に、障害(例えば停電)が発生すると、ホスト1に再送要求を出す。それにより、ホスト1はデータ10を再送し、全てのデータの受信が完了すると、ホスト1に対して完了通知11を返す。これにより、メモリドライブ装置2とホスト1の通信は終了する。次に、コントローラ3はSRAM6に記憶されているデータをフラッシュメモリ7に転送(コピー)する。転送が完了すると、SRAM6に記憶されているデータを消去する。
次に
図8において、全てのデータの受信が完了すると、ホスト1に対して完了通知11を返す。これにより、メモリドライブ装置2とホスト1の通信は終了する。次に、コントローラ3はSRAM6に記憶されているデータをフラッシュメモリ7に転送(コピー)する。ここで、転送が完了する前に、障害(例えば停電)が発生すると、コントローラ3はSRAM6に再送要求を出して転送されていないデータを転送する。尚、ここで、SRAM6に記憶されているデータを全て転送するようにしても良い。転送が完了すると、SRAM6に記憶されているデータを消去する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態に係るメモリドライブ装置の概略構成を示す図である。
【
図2】
図1のメモリドライブ装置のSRAMが一括記憶する場合の動作について説明するフローチャートである。
【
図3】
図1のメモリドライブ装置のSRAMが分割記憶する場合の動作について説明するフローチャートである。
【
図4】一括記憶動作中に障害が発生した場合の動作について説明するフローチャートである。
【
図5】
図2で説明したフローチャートに基づいた各部の信号のタイミングチャートである。
【
図6】
図3で説明したフローチャートに基づいた各部の信号のタイミングチャートである。
【
図7】
図4で説明したフローチャートに基づいた各部の信号のタイミングチャートである。
【
図8】
図4で説明したフローチャートに基づいた各部の信号のタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0016】
1 ホスト、2 メモリドライブ装置、3 コントローラ、4 バッテリ、5 充電回路、6 SRAM、7 フラッシュメモリ、8 電源、9 制御信号、10 データ、11 完了通知信号、12 データ消去信号、13 信号線、14 データ転送信号