(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5697855
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】手術用照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20060101AFI20150319BHJP
A61B 19/00 20060101ALI20150319BHJP
F21Y 101/02 20060101ALN20150319BHJP
【FI】
F21S2/00 610
A61B19/00 504
F21Y101:02
【請求項の数】12
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2009-147531(P2009-147531)
(22)【出願日】2009年6月22日
(65)【公開番号】特開2010-123563(P2010-123563A)
(43)【公開日】2010年6月3日
【審査請求日】2012年4月16日
(31)【優先権主張番号】08011296.4
(32)【優先日】2008年6月20日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】505072845
【氏名又は名称】トルンプフ メディツィーン ジステーメ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】TRUMPF Medizin Systeme GmbH + Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100061815
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 敏雄
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100112793
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳大
(74)【代理人】
【識別番号】100128679
【弁理士】
【氏名又は名称】星 公弘
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(72)【発明者】
【氏名】ルドルフ マルカ
(72)【発明者】
【氏名】ルーヴェン ローゼンハイマー
(72)【発明者】
【氏名】ディルク フリッツェ
【審査官】
栗山 卓也
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−288474(JP,A)
【文献】
特開昭61−226031(JP,A)
【文献】
特開昭55−032586(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21S 8/04
A61B 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸線(12)を有するランプ本体(4)と、
光ビーム束(I,I′,II,III)を有する少なくとも2つの照明手段(9)を含んでおり、
個々の光ビーム束(I,I′,II,III)の軸線(a,a′,b,c)が中心軸線(12)上のそれぞれ1つのポイント(13,13′,13″)に配向されており、
この場合前記それぞれのポイント(13,13′,13″)とランプ本体(4)の間の間隔距離(L,L′,L″)は中心軸線(12)方向で異なっており、複数の照明手段(9)が設けられ、該照明手段がグループに纏められてそれぞれのポイント(13,13′,13″)を照明している手術用照明装置において、
前記個々の照明手段(9)の独立した調光、スイッチオン、スイッチオフのための手段が設けられており、
前記手術用照明装置(1)は、ランプ本体(4)と手術箇所との間の間隔距離を測定する距離測定センサと、間隔距離情報を制御デバイス(7)に転送する手段とを含んでおり、
該制御デバイス(7)は、軸線(a,a′,b,c)の個々の光ビーム束(I,I′,II,III)から生じる、最大輝度を有する光ビーム束の軸線束が、測定された間隔距離において中心軸線(12)との交点を有するように、前記照明手段(9)若しくは前記照明手段のグループを調光するように構成されていることを特徴とする手術用照明装置。
【請求項2】
前記照明手段(9)は、前記中心軸線(12)に対して垂直な1つの平面内に配設されている、請求項1記載の手術用照明装置。
【請求項3】
1つのグループの照明手段(9)は、ランプ本体(4)に亘って均等に分割されている、請求項1または2記載の手術用照明装置。
【請求項4】
前記照明手段(9)は、傾斜した固定面(15)に配設されている、請求項1から3いずれか1項記載の手術用照明装置。
【請求項5】
1つのグループの各傾斜固定面(15)上の垂直な軸線が中心軸線上の前記ポイント(13,13′,13″)において交差している、請求項4記載の手術用照明装置。
【請求項6】
前記照明手段(9)はLEDである、請求項1から5いずれか1項記載の手術用照明装置。
【請求項7】
前記照明手段(9)は屈折器を備えたLEDである、請求項1から6いずれか1項記載の手術用照明装置。
【請求項8】
前記照明手段(9)は反射器を備えたLEDである、請求項1から6いずれか1項記載の手術用照明装置。
【請求項9】
前記手術用照明装置(1)は、手術箇所の輝度を測定するための輝度センサと、輝度情報を前記制御デバイス(7)に転送するための手段とを含んでいる、請求項1から8いずれか1項記載の手術用照明装置。
【請求項10】
前記手術用照明装置(1)は、アクチュエータ機構と、アクチュエータ情報を前記制御デバイス(7)に転送するための手段とを含んでいる、請求項1から9いずれか1項記載の手術用照明装置。
【請求項11】
前記照明手段(9)の1つにより形成された照明フィールド(11,11′,11″)の直径と、前記中心軸線(12)上のポイント(13,13′、13″)から前記ランプ本体(4)までの間隔距離が固定されているように、前記照明手段(9)は前記ランプ本体(4)に配置されている、
請求項1から10のいずれか1項記載の手術用照明装置。
【請求項12】
前記ランプ本体(4)と前記手術箇所との間で、設計上の間隔距離(L,L′,L″)のいずれか1つに相応しない間隔距離が測定された場合には、前記照明手段(9)の光ビーム束(I,I′,II,III)の軸線(a,a′,b,c)の交点(13,13′,13″)が、測定された間隔距離に隣接するように、前記制御デバイス(7)により前記照明手段(9)が駆動される、請求項1から11のいずれか1項記載の手術用照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中心軸線を有するランプ本体と、光ビーム束を有する少なくとも2つの照明手段を含んでいる手術用照明装置に関している。この装置では光ビームの焦点とランプ本体との間の間隔距離と、照明フィールドが可変であり、それ故機械的な調整デバイスはもたない。
【背景技術】
【0002】
手術用照明装置の実施形態に対する1つの手段としていわゆるシングルリフレクタランプがある。この場合は光源がハロゲンランプか若しくはガス放電ランプであり、それらは直径が500mm〜1000mmの大型反射器の焦点に配置されている。反射器の中心軸線上の光源のシフトによって、及び多少なりとも最適な反射器焦点からのシフト若しくは最適な反射器焦点へのシフトによって、照明フィールドの直径、すなわち手術領域において照明される領域の直径は拡大若しくは縮小され、焦点が変化する。つまり手術用ランプのランプ本体の中心軸線上での反射された光ビームが交差する最も明るい箇所と、ランプ本体との間隔距離が変化する。その場合には操作者に多大な手間をかけさせることなく、容易でかつ安全なプロセス条件を可能にさせる高価な技術が必要とされる。
【0003】
また手術用照明装置の別の実施形態としてマルチリフレクタランプが挙げられる。この場合は、手術用照明装置が通常は中央スポットライトか若しくはランプ本体に剛性的に固定された中央光モジュールを含み、複数のヘッドランプないし光モジュールが中央のスポットライトを中心に円形に取り囲む配置構成を有している。スポットライトまたは光モジュールからの光出射方向の変更は半径方向に旋回可能な照明手段若しくは反射器を介して実現されるか、またはスポットライト全体若しくは光モジュール全体を半径方向に旋回させて調整される。それにより外部スポットライトないし光モジュールからの光ビームの焦点は中心軸線上のランプ本体からの距離を変更する。この場合にも外部照明手段、反射器または光モジュールとの同期、確実な調整のための高価な技術が必要となる。
【0004】
手術用照明装置のさらに別の形式は照明フィールドの直径と焦点距離の調整手段なしで実施される。この場合は光技術上のデータ、すなわち照明フィールド直径と焦点が作業ポイントに対して最適に調整される。照明フィールド直径の変更はここでは手術領域からランプ本体までの距離の変更を介してのみ可能である。焦点距離の変更は不可能である。マルチレフレクタランプの使用には照明領域がもはや均一ではなくなるリスクが伴う。すなわちランプ本体と手術箇所の間の短い間隔距離のもとで個々の照明ポイントが手術箇所に照射される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、コストをかけることなく、ランプ本体から焦点までの間隔距離と、照明フィールド直径とを変更することのできる手段を伴った手術用照明装置を提供することである。、
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題は本発明により、個々の
照明手段の独立した調光、スイッチオン、スイッチオフのための手段が設けられており、前記手術用照明装置は、ランプ本体と手術箇所との間の間隔距離を測定す距離測定センサと、間隔距離情報を制御デバイスに転送する手段とを含んでおり、該制御デバイスは、軸線の個々の光ビーム束から生じる、最大輝度を有する光ビーム束の軸線束が、測定された間隔距離において中心軸線との交点を有するように、前記照明手段若しくは前記照明手段のグループを調光するように構成されていることにより解決される。
【発明の効果】
【0007】
本発明による手術用照明装置は照明手段の特別な配置構成と駆動制御によって照明フィールドの直径と、ランプ本体から焦点までの間隔距離とを変更する手段を提供できる。このことは機械的な調整手段なしで行われる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明による手術用照明装置の実施例を表した透視図
【
図2】種々の光ビームの走行を伴うランプ本体の断面図
【
図3】照明手段の配置構成と共にランプ本体の断面を示した図
【実施例】
【0009】
次に本発明を図面に基づき以下の明細書で詳細に説明する。
【0010】
図1には本発明による手術用照明装置1の実施例が透視図で示されている。この手術用照明装置1は支持システム2,懸架装置3,ランプ本体4を含んでいる。前記支持システム2は、天井、壁、走行式スタンドなどに固定され得る。前記支持システム2と懸架装置3によってランプ本体4は、作業半径内で、それぞれ任意の空間位置に位置付け可能であり、任意の配向も可能である。ランプ本体4の図には示していない反対側でもほぼ全面に光出射開口部が設けられ、この開口部が作動中に所定の間隔にある手術領域へ配向される。
【0011】
ランプ本体4の非減菌的な位置付けに対してはランプ本体4の2つの半部にそれぞれ1つのグリップ5,6が設けられる。この場合ランプ本体4の2つの半部は回転不動に相互に接続されている。そのため一方の半部の旋回の際には、光出射面を常に1つの平面で維持するために、他方の半部も稼働する。
【0012】
ランプ本体4の内部には制御デバイス7が配設されている。但しこの制御デバイス7は必ずしもランプ本体4の内部に配設されていなければならないわけではなく、ランプ本体4や懸架装置3が配設されている別個のケーシング内に設けてもよい。また代替的に次のような可能性も考えられる。すなわち制御デバイス7が図には示されていない外部の操作ユニット内に設けられていることである。この操作ユニットは医療用供給ユニット内又は壁部に設けられ得る。
【0013】
ランプ本体4の外側には操作装置8が配設されている。但しこの操作装置8も別個のケーシング内に設けられていてもよい。この別個のケーシングは例えばランプ本体4や懸架装置4、あるいは医療用の供給ユニット若しくは壁に設けられている。
【0014】
図2には前記ランプ本体4の断面図が示されており、このランプ本体内部には多数の照明手段9が設けられている。ランプ本体4は中央軸線12を有しており、この中央軸線12は照明手段9が配設されている平面に対して垂直方向に延在している。照明装置9は環状に配設されるか若しくはランプ本体4に相応する形態で配設される。
【0015】
各照明手段9は、光を集束させるための装置を備えており、ここでは屈折器10に備えられている。別個の屈折器10の代わりに別個の反射器若しくは光の集束のための集積化された手段を備えた別個の照明手段が用いられていてもよい。
【0016】
照明手段9の集束された光は、屈折器10からそれぞれ光ビーム束I,I′,II,IIIに出射する。これらの光ビーム束I,I′,II,IIIはそれぞれ1つの軸線a,a′,b,cを有している。前記光ビーム束I,I′,II,IIIは、それぞれ1つの照明フィールド11,11′,11″,を照明している。
【0017】
屈折器10を備えた照明手段9は、傾斜して配置されており、それによって各光ビーム束I,I′,II,IIIの軸線a,a′,b,cは交点13,13′,13″においてそれぞれ中心軸線12と交差している。
【0018】
照明フィールド11の形成は例示的に描写されたものであり、さらなる照明フィールド11′、11″の形成も類似のように行われる。
【0019】
光ビーム束I,I′は、間隔距離Lをおいて中心軸線12に対して垂直方向に延在している平面内にそれぞれ照明フィールドを形成している。交点13は2つの軸線I,I′と中心軸線12との交点、すなわち焦点であり、そのため2つの照明フィールドがカバーされ、一緒に照明フィールド11を形成している。この照明フィールド11は、所定の直径Dを有し、照明フィールドの直径に関する光強度の所定の分布を有している。これは通常は予め定められる。
【0020】
図2には2つの照明手段9のみが示され、それらが照明フィールド11を形成している。しかしながら照明フィールド11は光ビーム束I,I′の束によって形成されてもよい。これは照明手段9から照射され、光出射面に亘って均一に分散し、光ビーム束I,I′の軸線a,a′が交点13において交差する。
【0021】
照明手段9は平面内で均一に分散されている。これはランプ本体4と手術領域の間にもたらされそれによって光ビーム束を中断させる障害物(これはシャドー形成を引き起こす)を照らし出しそれによってシャドー形成が回避されるか若しくは減衰される。
【0022】
照明フィールド11′、11″の形成のための光ビーム束II,IIIは
図2においてそれぞれ照明手段9から出発して描写されているが、本願実施例では光ビーム束のそれぞれ1つの束であってもよい。これらは交点13′、13″において交差し、間隔距離L′、L″の中で焦点を形成している。
【0023】
関連する基準によって定められる、ランプ本体4と手術箇所の間の100cmの間隔距離に基づいて、経験的試みにおいてそれぞれ間隔距離L=約90cm、L′=約110cm、L″=約110cmが良好な値として用いられる。それらの値は固定の間隔距離として定められていてもよい。間隔距離L、L′、L″は、それぞれのランプ本体4と手術領域との間のそのつどの間隔距離に相応しており、前記手術領域に照明フィールド11,11′,11″が照射される。ランプ本体4のサイズに依存してこれらの値も異なり得る。
【0024】
それぞれの照明フィールド11,11′,11″に配向されている複数の照明手段9が用いられる場合には、種々のカラーの照明手段9が用いられ得る。その場合には光から生じる色温度を所定の色温度領域に調整する手段が設けられる。
【0025】
前記照明手段9は当該実施例においてはLEDで形成されているが、しかしながら照明手段9はハロゲンランプ若しくはガス放電ランプとして、場合によってはカラーフィルタと共に構成することも可能である。
【0026】
ランプ本体4内には図には示されていないが制御デバイス7が配設されている。この制御デバイスは、照明手段9の調光、スイッチオン、スイッチオフのための手段、例えば電流制御器、操作装置8のスイッチング及び調整素子のスイッチング及び調整情報を伝送するための手段、作動パラメータの記憶のための記憶領域、CPUを有している。このCPUはスイッチング及び調整情報から、記憶されている作動パラメータを用いて、前記照明手段の調光、スイッチオン、スイッチオフのための手段に対する所要の設定量を算出若しくは確定する。
【0027】
前記制御デバイス7は、グループ毎に駆動される複数の照明手段9に接続されている。1つのグループは同じ電力パラメータによって駆動制御される複数の照明手段9から形成されている。個々のグループはそれぞれ、その光ビームI,I′、II、IIIが同じ中心軸線12との交点13,13′,13″を有している照明手段9からなっている。しかしながら、照明手段9の光ビームI,I′,II,IIIが同じ交点13,13′,13″に配向されている複数のグループも可能である。
【0028】
前記制御デバイス7は操作装置8にも接続されている。この操作装置8には、
スイッチオン/スイッチオフのための素子、
間隔調整のための素子、
輝度調整のための素子、
が設けられている。
【0029】
前記スイッチオン/スイッチオフのための素子は、当該の手術用照明装置1をスタンバイモードから作動モードへ切り替える。このスタンバイモードでは照明手段9はまだ点灯していない。その際照明手段9は調整素子の調整量に応じて駆動される。給電の遮断による完全なスイッチオフに対しては図には示されていない外部メインスイッチが設けられる。前記間隔調整のための素子は、制御デバイス7に次のような情報を与える。すなわち、ランプ本体4から照明フィールド11,11′,11″までのどのような間隔距離に対して手術用照明装置が設定されるべきかに関する情報である。この間隔調整のための素子は、当該実施形態においては3つの間隔距離L,L′,L″に設定調整される。また代替的な実施形態によれば、さらに離散的な間隔距離値による間隔距離調整素子や無段階の間隔距離調整素子も可能である。
【0030】
手術用照明装置が設計された間隔距離L,L′,L″の1つに相応している設定された間隔距離(この間隔距離で照明手段は光ビームI,I′,II,IIIを配向する)で作動される場合には、当該実施例においては制御デバイス7によって照明手段9が拡大された電力で駆動制御され、前記光ビームI,I′,II,IIIの軸線a,a′,b,cはそれぞれの交点13,13′,13″に配向される。それにより例えば設定される間隔距離が90cmの場合には、照明手段は光ビームI,I′を拡大された電力で駆動制御し、それらの軸線a,a′は間隔距離Lの交点13において中心軸線12と交差し、照明フィールド11を手術領域において形成する。それに類似して例えば間隔距離が100cmの場合でも、照明手段9は拡大された電力で駆動制御され、光ビームIIを生成し、その軸線bは交点13′において中心軸線12と交差し、照明フィールド11′が手術領域において形成される。さらに間隔距離が110cmの場合には、照明手段9が同じように駆動制御され、該照明手段は光ビームIIIを生成し、その軸線cは交点13″において中心軸線12と交差し、照明フィールド11″が手術領域において形成される。前述した「拡大された電力で駆動制御する」とは、手術用照明装置が最大輝度に設定された場合にそれぞれの照明手段が最大出力で駆動制御されることを意味する。所定の照明強度を達成するためには、光ビームを隣接する交点13,13,13″に配向する照明手段9が補足的に所定の電力で駆動される。そのつどの電力設定は、経験的に求められ、制御デバイス7に記憶される。輝度が僅かにしか設定されない場合には、電力値も相応にしか変化しない。
【0031】
代替的な実施形態によれば、専ら照明手段9が駆動され、設計された間隔距離L、L′、L″に相応するように設定された間隔距離で光ビーム束I,I′,II,IIIが配向される。
【0032】
設計された間隔距離L、L′、L″に相応しない間隔距離に設定される場合には、代替的実施形態によれば、制御デバイス7によって照明手段9が、その光ビーム束I,I′,II,IIIの軸線a,a′,b,cの交点13,13′,13″が設定された間隔距離に隣接するように駆動される。従って個々の照明手段9の輝度設定は、次のように選択される。すなわち個々の光ビーム束I,I′,II,IIIから生じる最大輝度の軸線束とランプ本体4の中心軸線12との交点が設定された間隔距離に相応するように選択される。例えば設定された間隔距離が間隔距離L′とL″の間にある場合には、光ビームII及びIII形成する照明手段9が駆動される。光ビームII及びIIIは結果として個別の光ビームII,IIIよりも大きい輝度を有する光ビームを形成する。その軸線の交点は、軸線b及びcと中心軸線12との交点13′と13″の間にある。光ビームII及びIIIのための照明手段9の輝度は次のように調整される。すなわち、結果として生じる光ビームの軸線が設定された間隔において中心軸線12と交差するように調整される。例えば設定された間隔距離が"L″"に近い場合には、光ビームIIIを形成照明手段9はより明るく設定され、光ビームIIを形成する照明手段9はより暗く設定される。また設定された間隔距離が"L′"に近い場合には、光ビームIIを形成する照明手段9はより明るく設定され、光ビームIIIを形成する照明手段9はより暗く設定される。
【0033】
設定した間隔距離が実際の間隔距離に相応している設定調整のもとでは照明フィールドが照明フィールドの輝度分布に関する通常の設定を充たしている。設定した間隔距離が実際の間隔距離に相応していない設定調整のもとでは、照明フィールドの輝度分布が変更される。そのため当該の手術用照明装置1は、照明フィールド内の輝度分布を操作者の要求に調整するための手段を提供する。
【0034】
光ビームIIIを増幅する場合、すなわち間隔距離設定のための素子において間隔距離L″を設定する場合には、実際の間隔距離がL″よりも僅かである限り照明フィールドが拡大され、照明フィールドの中心における輝度が低減される。同じように光ビームIを増幅する場合、すなわち間隔距離設定のための素子における間隔距離Lを設定する場合にも実際の間隔距離がLよりも大きい限りは照明フィールドが拡大され、照明フィールドの中心における輝度が低減される。
【0035】
輝度設定のための素子は、手術用照明装置の設定された全輝度に関する設定情報を制御デバイス7に供給している。調光及びスイッチオン/スイッチオフのための手段は制御デバイス7によって次のように制御される。すなわち個別の照明手段9の輝度分布が不変のまま維持され、かつ総輝度がのみが変化するように制御される。
【0036】
設定調整に対する作動パラメータは、経験的に求められ、制御デバイス7の記憶領域に記憶される。
【0037】
別の代替的な実施形態によれば、手術用照明装置1がランプ本体4と手術箇所との間の間隔距離を測定するための間隔距離センサと、間隔距離を制御デバイス7に転送するための手段とを含んでいる。手術箇所からランプ本体4までの間隔距離の検出と間隔距離情報を制御デバイス7に転送することによって、制御デバイス7は、手術箇所からランプ本体までの間隔距離において最大輝度を生じ得るポイントを設定調整することができ、それによって手術箇所は最大輝度で照明される。
【0038】
さらに別の代替的な実施形態によれば、手術用照明装置1が手術箇所における輝度を測定する輝度測定センサと、輝度情報を制御デバイス7に転送するための手段とを含んでいる。輝度の検出と(この場合は、照明フィールドの中心における輝度を検出する手段の他に、照明フィールド全体の平均輝度を検出する手段も可能である)、当該輝度情報を制御デバイス7に転送することによって、制御デバイス7は、手術箇所からランプ本体までの間隔距離において最大輝度を生じ得るポイントを次のように設定調整することができる。すなわち手術箇所からランプ本体までの間隔距離が変化した場合でも、当該手術箇所の同じ探索領域が同じ輝度で照明されるようにである。
【0039】
さらに付加的に当該の代替的な実施形態によれば、手術用照明装置1が任意にアクチュエータ機構と、当該アクチュエータ情報を制御デバイス7に転送するための手段とを含んでいる。最大限生じる輝度を有するポイントの間隔距離を定に適応化させなければならないことは執刀医をいらつかせることにつながる。なぜなら例えば医療器具や執刀医自身の手や頭などの障害物が光ビームI,I′,II,IIIに入った場合、間隔距離自体の変化若しくは輝度の変化などに起因して当該ポイントの間隔距離の後調整が必要となるからである。アクチュエータ機構は執刀医から望まれる時点での最大限生じる輝度を有するポイントの間隔距離の適応化を可能にさせる。
【0040】
図3には照明手段9装置を備えたランプ本体4の断面図が示されている。このランプ本体4は軽金属若しくは適切なプラスチック材料からなるケーシング14を有しており、このケーシング内では照明手段9毎にそれぞれ1つの固定面15が設けられている。
【0041】
これらの固定面15は次のように設けられている。すなわち照明手段9がランプ本体4の中心軸線12に対して垂直方向の平面内に配置されるように設けられている。それによりフラットな構造形態が得られる。これは換気技術的にみても有利であり、それによって手術領域の上方で低乱流の層流に変位空気流(TAV)が影響及ぼすようなことはほとんど生じなくなる。
【0042】
前記固定面15は、中心軸線12に対して傾斜しており、そのためその垂直軸線もそれぞれの軸線a,a′,b,cに対して平行し、軸線12はポイント13,13′,13″において交差する。それにより屈折器10を備えた理想的な照明手段9が全ての固定面15において使用可能となる。ここでは間隔距離が異なっていても直径の差は最小となる。
【符号の説明】
【0043】
1 手術用照明装置
4 ランプ本体
5 グリップ
6 グリップ
7 制御デバイス
8 操作装置
9 照明手段
12 中心軸線
14 ケーシング
15 固定面
I,I′,II,III 光ビーム束
a,a′,b,c 軸線
L,L′,L″ 間隔距離