(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
1つ以上の光センサデバイス(1、1’)と、マスターデバイス(2)と、前記センサデバイス(1、1’)と前記マスターデバイス(2)とを接続する電気バスとを備える光センサシステムであり、前記電気バスはバスラインを含み、前記マスターデバイス(2)の信号出力ターミナル(MO)と前記センサデバイス(1、1’)の信号入力ターミナル(SI、SI’)および信号出力ターミナル(SO、SO’)とは、デージーチェーンパターンに従ってペアとして接続され、前記バスの信号デージーチェーンを形成しており、各センサデバイス(1、1’)は、光を第1光ファイバーに送るための電気光学的送信機(6、6’)と、受信した光を第2光ファイバーを通して検出するための電気光学的受信機(7、7’)と、前記送信機(6、6’)と前記受信機(7、7’)との間の光セクションの状態を示す出力値を決定するための手段とを備え、前記マスターデバイス(2)は、その信号出力ターミナル(MO)に同期イベント(36)を発生するようになっており、各センサデバイス(1、1’)は、その信号入力ターミナル(SI、SI’)で生じる同期イベント(36、38)を検出し、その同期イベント(36、38)に基づき、前記送信機(6、6’)のアクティビティのタイミングを定めると共に、前記検出された同期イベント(36、38)に対して所定のオフセット時間(T)だけ遅延された同期イベント(38、39)を前記信号出力ターミナル(SO、SO’)において発生させるようになっている光センサシステムにおいて、
前記バスラインは信号ラインを含み、当該信号ラインは前記マスターデバイス(2)の信号入力ターミナル(MI)に接続され、前記センサデバイス(1、1’)の前記信号出力ターミナル(SO、SO’)と前記信号ラインとの間にはダイオード(18、18’)が接続されており、これによって前記センサデバイス(1、1’)によって発生された同期イベント(38、39)は、前記マスターデバイス(2)へ送信され、前記センサデバイス(1、1’)によって発生される前記同期イベント(38、39)の性質は、前記それぞれのセンサデバイス(1、1’)によって決定される出力値を示し、前記マスターデバイス(2)は、これら同期イベント(38、39)から前記センサデバイス(1、1’)の出力値を抽出するための手段(30、34、35)を備えることを特徴とする光センサシステム。
各センサデバイス(1、1’)は、前記バスの個々のセグメント(3、3’)に接続されており、前記セグメント(3、3’)の各々は、バスラインのセグメントと、一端が入力側接続ターミナル(i1〜i4、i1’〜i4’)によって境界が定められ、他端が出力側接続ターミナル(x1〜x4、x1’〜x4’)によって境界が定められた、前記信号デージーチェーンのセグメントとを備え、センサ側接続ターミナル(s1〜s4、s1’〜s4’)は、前記信号入力ターミナル(SI、SI’)と前記信号出力ターミナル(SO、SO’)とを含むそれぞれの前記センサデバイス(1、1’)の接続ターミナルに係合し、前記ダイオード(18、18’)は、前記センサデバイス(1、1’)の前記信号出力ターミナル(SO、SO’)に係合する前記センサ側接続ターミナルのひとつ(s4、s4’)と前記信号ラインのセグメントとの間に接続された、それぞれのセンサデバイス(1、1’)に関連している、請求項1に記載の光センサシステム。
前記マスターデバイス(2)は、ユーザーシステムに接続するためのシリアルデータインターフェース、好ましくはIOリンクインターフェースを備え、前記シリアルデータインターフェースにより前記ユーザーシステムから前記センサデバイス(1、1’)へコマンドを送信すると共に、前記センサデバイスの出力値を前記ユーザーシステムに送信するようになっている、請求項1または2に記載の光センサシステム。
2つの対向する側面(44、45)を備え、更に前記側面(44、45)がレール(51)の長手方向に対して垂直となるように、複数の別の面(46〜49)のうちの1つ(47)にて前記取り付けレール(51)に取り付けられるようになっている、前記側面(44、45)を接続する前記複数の別の面(46〜49)を備える、全体に立方形の外形をした筺体(4)と、センサ回路とを備え、前記センサ回路は、第1光ファイバー(8)に光を送るための電気光学的送信機(6)と、第2光ファイバー(9)を通して受信した光を検出するための電気光学的受信機(7)と、前記送信機(6)と前記受信機(7)との間の光セクション(8、9、10)の状態を示す出力値を決定するための手段だけでなく、信号入力ターミナル(SI)、信号出力ターミナル(SO)および電源電圧を前記回路に供給するための1つ以上の電源ターミナル(GND、UB)を含む接続ターミナルも備え、前記センサ回路は、この回路の信号入力ターミナル(SI)で発生する同期イベント(36)を検出し、この同期イベント(36)に基づき、前記送信機(6)の光学的アクティビティの時間を定めると共に、前記検出された同期イベント(36)に対して所定のオフセット時間(T)だけ遅延された同期イベント(38)を前記信号出力ターミナル(SO)にて発生させるようになっている、センサシステムのための光センサデバイス(1)において、
前記電源ターミナル(GND、UB)、前記信号入力ターミナル(SI)および前記信号出力ターミナル(SO)は、前記筺体(4)の前記複数の別の面のうちの別の1つ(49)に配置されたコネクタ(55)の接続ターミナルであり、
前記センサデバイス(1)によって発生される前記同期イベント(38)の性質は、前記決定された出力値を示すことを特徴とする光センサデバイス。
前記センサデバイス(1)によって発生される前記同期イベント(38)は、電気パルスであり、前記電気パルスの長さは、前記決定された出力値を示すことを特徴とする、請求項4に記載の光センサデバイス。
前記センサ回路は、センサシステムにおけるシステム作動モードと、スタンドアローン作動のためのスタンドアローンモードとを含む、少なくとも2つの別個の作動モードを有し、前記送信機(6)の光学的アクティビティはシステムモードにおける前記検出された同期イベント(36)に基づき、更にスタンドアローンモードにおける内部タイミングユニット(21)によって発生されるタイミングイベントに基づき、タイミング制御されることを特徴とする、請求項4〜5のうちのいずれか1項に記載の光センサデバイス。
前記センサ回路は、システムモードにおける前記発生された同期イベント(38)を含む信号およびスタンドアローンモードにおける前記決定された出力値を示すDC信号を前記出力ターミナル(SO)で発生するようになっていることを特徴とする、請求項6に記載の光センサデバイス。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、バスセグメント3、3’によりマスターデバイス2に接続された2つのセンサデバイス1、1’を備えた光センサシステムを分解図で示す。これら2つのセンサデバイス1、1’は同一であり、以下、センサデバイス1を参照して説明する特徴は、他のセンサデバイス1’にも当てはまる。これらセンサデバイスの各々は、筺体4’(第1センサデバイス1に対しては図示されず)と、筺体内に配置されたプリント回路基板5を有するセンサ回路とを有する。
【0010】
センサ回路は、電気光学的送信機6と、電気光学的受信機7とを備え、送信機6と受信機7との間の光学的セクションの状態を示す出力値を決定するようになっている。送信機6および受信機7には、それぞれ光ファイバー8、9が接続されており、光学的セクションは光ファイバー8、9のリモート端部の間に更にヘッドセクション10を備える。以下、
図2を参照して説明するセンサデバイスの機能は、メモリデバイス11内に記憶されており、マイクロプロセッサ12によって実行されるコンピュータプログラム内で実現されることが好ましい。センサ回路の接続ターミナルは、信号入力ターミナルSIと、信号出力ターミナルSOと、2つの電源ターミナルGND、UBとを含む。
【0011】
マスターデバイス2は、二点鎖線によって示された筺体内に配置されたプリント回路基板13を備えるマスター回路を含む。このマスター回路は、2つの電源ターミナルVSS、VDDと、信号出力ターミナルMOと、信号入力ターミナルMIとを備えたバスインターフェースを有し、このバスインターフェースは、電気(的)バスによりセンサデバイス1、1’に接続されている。以下、
図2を参照して説明する送信プロトコルを使用することにより、マスターデバイス2は、センサデバイスへ電気信号を送ると共に、センサデバイスから出力値情報を受信することができる。光ダイオード14の形態をした出力値ディスプレイが、センサデバイスの出力値を表示するようになっており、マスターデバイス2のパラレル信号インターフェースにはマスターケーブル15が接続されており、センサ出力値信号を制御ユニットに送信するようになっている。マスター回路は、センサデバイス1、1’をリセットするためのリセットボタン16と、センサデバイスへ特殊なコマンドを送るためのコマンドボタン17とを更に備える(
図2参照)。
【0012】
マスター回路は、パラレル信号インターフェースの代わりに、またはこのパラレル信号インターフェースに加え、シリアルデータインターフェースを備えてもよく、このマスター回路はセンサデバイスと制御ユニットまたは他の任意のユーザーシステムとの間の通信インターフェースとして働く。この通信インターフェースは、IOリンク規格に準拠することが好ましく、接続されたユーザーシステムは、リセットコマンドを遠隔的にトリガーしたり、またはセンサデバイスの出力値にシーケンシャルにアクセスしたりできる。
【0013】
電気バスは、バスセグメント3、3’によって形成されており、バスセグメントの各々は、センサデバイス1、1’のうちの1つに別々に関連している。各バスセグメントは、それぞれのセンサデバイス1、1’の接続ターミナルに係合するためのセンサ側接続ターミナルs1〜s4、s1’〜s4’だけでなく、入力側接続ターミナルi1〜i4、i1’〜i4’、および出力側接続ターミナルx1〜x4、x1’〜x4’を備える。このバスセグメントは、マスターデバイスから延びる列として配置されており、マスターデバイスはこの列の前端部に配置されている。組み立てられた状態では、マスターデバイス2のバスインターフェースの接続ターミナルMO、VDD、MI、VSSは、第1バスセグメント3の対応する入力側接続ターミナルi1〜i4に係合している。このバスセグメント3の出力側接続ターミナルx1〜x4の各々は、関連する入力側接続ターミナルi1〜i4に対応し、後続するバスセグメント3’のうちの入力側接続ターミナルi1’〜i4’に係合している。
【0014】
次に、バスセグメント3、3’によって形成されるバスの配線トポロジーについて説明する。マスターデバイス2の信号出力ターミナルMOおよびセンサデバイス1、1’の信号入力および出力ターミナルSI、SO、SI’、SO’は、デージーチェーンパターンに従ってペアとして接続されており、バスの信号デージーチェーンを形成している。マスターデバイス2の信号入力ターミナルMIは、バスの信号ラインに接続されており、センサデバイス1、1’の信号出力ターミナルSO、SO’とこの信号ラインとの間には、ダイオード18、18’が接続されており、よってセンサデバイス1、1’によりこれらの信号出力ターミナルSO、SO’にて発生される信号イベントが信号ラインを通してマスターデバイス2へ送信されるようになっている。最後に、バスの電源ラインによりセンサデバイス1、1’の対応する電源ターミナルUB、GND、UB’、GND’に電源ターミナルVDD、VSSが接続されている。
【0015】
各バスセグメント3、3’は、信号デージーチェーンのセグメントおよびバスラインのセグメントを含むバスのセグメントを備える。第1バスセグメント3だけを参照すると、信号デージーチェーンのセグメントは、相互に関連する1対の入力側および出力側接続ターミナルi1、x1から成る。これらターミナルのうちの前者のターミナル(入力側接続ターミナルi1)は、センサデバイスの信号入力ターミナルSIに係合するよう、センサ側接続ターミナルs1に接続されており、後者のターミナル(出力側接続ターミナルx1)は、センサデバイスの信号出力ターミナルSOに係合するよう、センサ側接続ターミナルs4に接続されている。ラインのセグメントは、相互に接続されたペアの相互に関連する入力および出力側接続ターミナルi2、x2;i3、x3;i4、x4から成り、それぞれのセンサデバイスの電源ターミナルUB、GNDに係合するよう、センサ側接続ターミナルs3、s2に接続された電源ラインのセグメントi2、x2;i4、x4だけでなく信号ラインのセグメントi3、x3も含む。ダイオード18はバスセグメント3の一部であり、デージーチェーンセグメントのうちの出力側接続ターミナルx1(このターミナルは組み立てられた状態ではセンサデバイス1の信号出力ターミナルSOに接続されている)とそれぞれのバスセグメントの信号ラインi3、x3との間に接続されている。後続するバスセグメント3’は、第1バスセグメント3と同じ構造となっている。
【0016】
図2は、
図1に示されたセンサシステムの簡略化された回路図を示す。一点鎖線は、システムのうちの個々のデバイス、すなわちセンサデバイス1、1’、マスターデバイス2およびバスセグメント3、3’に属す回路部分を区切ったものである。第2センサデバイス1’の回路は、第1センサデバイス1のものと同じである。
【0017】
センサデバイス1の回路は、以下、モノフロップとも称される単安定マルチバイブレータ19を備え、このマルチバイブレータの出力は、電気光学的送信機6を駆動するようになっており、よって送信機はモノフロップ19がトリガーされるごとに、ある限られた時間の間、光ファイバー8へ光を送る。受信機7の出力は、受信機7の出力信号を評価すると共に送信機6と受信機7との間の光セクション10の状態を示す出力値を決定するようになっている評価ユニット20の入力に接続されている。決定された出力値は、評価ユニット20の出力信号の電圧レベルによって表示される。この例では、センサデバイス1は評価ユニット20の出力信号がデジタルとなるように、2つの可能な出力値しか有しない光スイッチとなっている。
【0018】
センサデバイスは、スタンドアローン作動モードおよびセンサシステム内の作動モードを含む別々の作動モードを有する。スタンドアローンモードでは、モノフロップ19は、内部パルス発生器21によって発生されるパルスにより周期的にトリガーされるが、一方、システムモードでは、マスターデバイス2のパルス発生器22により発生される同期化パルスによってトリガーされる。これらパルス発生器はマスターデバイスMOの信号出力ターミナルに設けられており、この信号出力ターミナルは、第1センサデバイスの信号入力ターミナルSIに接続されている。
【0019】
センサデバイスの作動モードは、ラッチ23の状態によって決定され、このラッチ23は、スタンドアローンモードでリセットされ、システムモードでセットされる。ラッチ23の出力は、スイッチ24の状態を制御し、スイッチ24は、スタンドアローンモードでは、モノフロップ19のトリガー入力を内部パルス発生器21の出力に接続し、システムモードでは、センサデバイスの信号入力ターミナルSIに接続する。同じように状態がラッチ23の出力によって制御される別のスイッチ25は、スタンドアローンモードでは、センサデバイスの信号出力ターミナルSOを評価ユニット20の出力に接続し、システムモードでは、センサデバイスの信号出力ターミナルSOを同期化パルス処理ユニット26の出力に接続する。
図2は、システムモードでの状態にある2つのスイッチ24、25を示す。
【0020】
同期化パルス処理ユニット26は、信号入力ターミナルSIで生じる同期化パルスを所定オフセット時間Tだけ遅延させるための遅延ユニット27を備える。このユニットは更に、評価ユニット20の出力信号に応じて、遅延された同期化パルスの幅を変調するためのパルス幅変調器28を備え、よってパルス処理ユニット26の出力端で得られる遅延された同期化パルスの幅は、評価ユニット20が決定する出力値を示すようになっている。パルス処理ユニット26の出力における同期化パルスは、評価ユニット20のデジタル出力信号のレベルに応じ、広くなったり狭くなったりする。この場合、広いパルスの幅は、狭いパルスの幅の2倍となっている。既に述べたように、パルス処理ユニット26の出力は、システムモードでは信号出力ターミナルSOに接続され、この出力ターミナルSOは、センサデバイス1’の光学的アクティビティが、第1センサデバイス1の光学的アクティビティに対してオフセット時間Tだけ遅延されるよう後続するセンサデバイス1’の信号入力ターミナルSI’に接続されている。
【0021】
ラッチ23は、S入力(セット)およびE入力(イネーブル)を有する。このラッチは、パワーアップ時にリセットされるので、スタンドアローンモードはデフォルトの作動モードである。S入力は、信号入力ターミナルSIに接続されており、E入力は、パワーアップ検出器29の出力に接続されているので、信号入力ターミナルSIに印加される同期化パルスは、パワーアップ後の限られた時間内に同期化パルスが生じる場合、この同期化パルスはシステムモードへの変化をトリガーする。これにはスタンドアローン作動のために信号入力ターミナルSIに他の機能を割り当てできるという利点がある。
【0022】
センサデバイス1、1’によって生じる同期化パルスは、ダイオード18、18’およびバスの信号ラインを介して、マスターデバイスの信号入力ターミナルMIへ送信される。ダイオード18、18’は、同期化パルスが信号ラインからセンサデバイスの信号入力ターミナルSI、SI’へ送信されることを防止する機能を有する。マスターデバイス2は、これらパルスから出力値情報を抽出し、パラレル出力によりこの情報をレジスタ30へ書き込むようになっている。この簡略化された例では、レジスタ30は、マスターデバイス2に最大4つのセンサデバイス1、1’を接続できるように、4つのビットQ1〜Q4を有する。マスターデバイスに少なくとも10個のセンサデバイスを接続できるように、10ビット以上の、より大きいレジスタを使用することが望ましい。発光ダイオード14は、センサデバイスの出力値を表示し、ケーブル33により、マスターデバイス2からリモート制御ユニット32へパラレル出力値信号Q1〜Q4が送信される。
【0023】
センサデバイスが発生する同期化パルスから出力値情報を抽出するために、マスターデバイスの信号入力ターミナルMIは、レジスタ30のシリアル入力Dに接続されると共に、モノフロップ34のトリガー入力にも接続されており、モノフロップの反転出力はレジスタ30のクロック入力RCLKに接続されているので、レジスタ30はモノフロップ34のリターン時間に対応する遅延時間に関して、ある遅延時間を有する各同期化パルスの前縁によってクロック制御されるようになっている。リターン時間は、狭い同期化パルスの幅の1.5倍となっているので、それぞれの同期化パルスによって送信されるセンサ値がレジスタ30内に書き込まれるのを保証できる。この値が書き込まれるレジスタ30のビットは、レジスタのアドレス入力A1、A2に接続されているアドレスカウンター35によりアドレス指定されており、このアドレスカウンターは、レジスタと共にクロック制御され(カウンター35のクロック入力ACLKは、レジスタのクロック入力RCLKに接続されている)、よってカウンターは、出力値の登録直後にカウントアップされる。カウンター35のリセット入力ACLRは、パルス発生器22の出力に接続されているので、このカウンターはマスターデバイスによって発生される同期化パルスによってリセットされる。
【0024】
図3は、
図2の回路内の種々のポイントにおける電圧信号の時間履歴を示す。パルス発生器22は、周期的な同期化パルス36、37を発生し、これらのパルスは第1センサデバイス1の信号入力SIへ供給される。かかる同期化パルス36の検出の後で、このセンサデバイスは検出された同期化パルス36に対してオフセット時間Tだけ遅延された同期化パルス38を、その信号出力ターミナルSOに発生する。第2センサデバイス1’は、第1センサデバイス1と全く同じように作動する。すなわち、このセンサデバイスは、信号デージーチェーンにおいて先行しているデバイスによって発生された同期化パルス38を検出し、自ら同期化パルス39を発生するが、この同期化パルス39は、検出された同期化パルス38に対してオフセット時間Tだけ遅延されている。マスターデバイス2の信号入力MIに接続されている、バスの信号ライン上の電圧レベルの時間履歴は、すべてのセンサデバイスの出力信号SO、SO’の論理OR演算の結果に対応する。この時間履歴は、センサデバイス1、1’が発生するすべての同期化パルス38、39を含む。レジスタ30およびアドレスカウンター35のクロック入力RCLK、ACLKにおける信号の反転パルス40は、これら同期化パルス38、39の前縁によりトリガーされ、後方の立ち上がりエッジ41が、レジスタ30およびアドレスカウンター35をクロック制御するので、カウンター35によってアドレス指定されるレジスタビットは、シリアル入力Dにおける信号レベルに対応する値にセットされ、カウンター35は、次のビットをアドレス指定するようにカウントアップされる。
【0025】
既に述べたように、
図2を参照して説明した回路コンポーネントのほとんどの機能は、代替方法としてマイクロプロセッサによって実行されるソフトウェアで実現できる。例えばセンサデバイス1のモノフロップ19は、信号入力ターミナルSIで生じる同期化パルスを検出すると共に、この同期化パルスに基づき、電気光学的送信機6の光学的アクティビティのタイミングを定めるようになっているコンピュータプログラムに置換してもよい。ラッチ23の代わりにマイクロプロセッサ11のフラグまたはメモリデバイス12の記憶スペースを使って、センサデバイスの作動モードを設定することもできる。スイッチ24、25の機能、時間遅延ユニット27の機能およびパルス幅変調器28の機能も同じようにソフトウェアで実現できる。重要なこととしては、評価ユニット20の機能はコンピュータプログラムで実現することが好ましい。一般に、電気光学的受信機7の出力信号の評価およびこの評価に基づく出力値の決定は、受信機の信号と所定のスレッショルド値とを比較する事項だけではなく、むしろかなり複雑なプロセスとなっている(このプロセスは、かかる比較を用いてもよい)。
【0026】
センサデバイス1、1’の測定サイクルは、限られた時間中に送信機6の起動と関係があり、更に同じ時間中に受信機7の出力信号の評価により出力値を決定することと関係する。センサシステムの測定サイクルに対応する、マスターデバイスが発生する連続する同期化パルス36、37の間の時間インターバルは、センサシステムの測定サイクルよりも長くなってはならない。このことは、出力値で変調された同期化パルスをセンサデバイスからマスターデバイスへ直接送信することにより可能となっている。
【0027】
センサデバイスによって発生される同期化パルスが、対応する検出同期化パルスに対して遅延しているオフセット時間Tは、干渉を防止するには、送信機6、6’の光学的アクティビティの時間と少なくとも同じ長さにしなければならないが、更に同期化パルス36、38、39が信号デージーチェーンの端部まで伝搬し、よってマスターデバイスがシステムの次の測定サイクルを開始する前にすべてのセンサデバイスの状態情報がマスターデバイスへ送信されるよう、同期化パルス36、38、39が信号デージーチェーンの端部まで伝搬できることを保証するよう、十分短くなっていなければならない。
【0028】
同期化パルスの代わりに同期化イベントとして、識別可能な信号パターンを有する信号時間セグメントのような同期化イベントを使用してもよい。かかる同期化イベントは、2つ以上の電圧パルスを含むことができる。アナログ出力値を有するセンサデバイスでは、センサデバイスが発生する同期化パルスの幅を、アナログ出力値のリニア関数としてもよい。
【0029】
図4、5および6は、センサデバイス(
図4)、バスセグメント(
図5)およびセンサデバイスとバスセグメントとから成るセンサユニット42(
図6)を示す。センサデバイスは、2つの平行な側面44、45と、正面46、背面47と、頂面48および底面49を含む、側面に接続する別の面とを有する立方外形をした筺体を有する。側面44、45は、別の面46〜49よりも広いので、筺体は、スライスまたはブレードの形状となっている。
【0030】
背面47には、筺体を取り付けレール51に取り付けるためのリセス(凹部)50(
図7)が設けられており、正面46にはディスプレイ52および制御スイッチ53(これらは
図2には示されず)が設けられており、頂面48には光ファイバー8、9のための開口部54が設けられており、筺体の底面49には電気コネクタ55が設けられている。電源ターミナルGND、UB、センサ回路(
図1および2)の信号入力ターミナルSIおよび信号出力ターミナルSOは、この電気コネクタ55の接点部材となっている。
【0031】
バスセグメントは、同様な立方形の外形をした筺体56を有し、この筺体は、対向する2つの側面57、58を備え、更にこれら側面を接続すると共に、開口部60が設けられている頂面59を含む別の面も備え、背面には、センサデバイスのプラグコネクタ55がこの開口部60を通して、バスセグメントの筺体内に配置された相補的なコネクタと係合できるようになっている。以下、
図8〜10を参照して更に説明するように、バスセグメントをセンサデバイスに取り付けるための手段として、結合リング61が設けられている。
【0032】
入力側接続ターミナルは、側面57から垂直方向に突出する雄型プラグ接点i1〜i4であり、出力側接続ターミナルは、反対の側面58に配置された相補的な雌型プラグ接点x1〜x4であり、各出力側接続ターミナルは、関連する入力側接続ターミナルi1〜i4と整合し、これら出力側接続ターミナルは同一の別のセグメントの入力側接続ターミナルi1’〜i4’に係合できるようになっている。突出する雄型プラグ接点i1〜i4を機械的に保護するために、同じ側面57からプラグピンi1〜i4の端部を超えてガイドピン62が突出しており、ガイドピン62に整合する反対側の側面58に設けられている孔63は、別のバスセグメントのガイドピンを収納するような形状となっている。
【0033】
図7は、取り付けレール51およびこのレールに取り付けられた
図1に示されたセンサシステムを示し、このセンサシステムは、マスターデバイス64、2つのセンサデバイス65、66および2つのバスセグメント67、68だけでなく、スタンドアローン作動するように接続された別のセンサデバイス69も備える。このセンサシステムのセンサデバイス67、68は、
図4のセンサデバイスに対応している。これらの筺体の背面は、レール51の長手方向がこれら筺体の側面45に垂直となるよう、取り付けレール51に向くように、このレールに取り付けられている。別のセンサデバイス69は、他のセンサデバイスと同様に、スタンドアローンモードで作動する。上記とは異なり、このセンサデバイス69は、スタンドアローン作動しかできない基本的なセンサ回路を有していてもよい。かかる基本センサデバイスは、
図4のセンサデバイスと同様に同じ筺体および同じ電気コネクタ55を有する。
【0034】
図8は、
図4のセンサデバイスの一部を断面図で示す。コネクタ55は、筺体4の底面49から垂直方向に突出しており、雄ネジが切られた金属スリーブ70を備え、このスリーブ70はコネクタの4つの接点ピン(この図では2つのピンSI、SOしか見ることができない)を囲んでいる。
【0035】
図9は、
図5のバスセグメントを断面図で示す。バスセグメントの立方形をした筺体の側面57、58は、同じ筺体の側壁71、72により形成されており、これら側壁71と72との間に保持された回路基板74上の筺体内にプラグコネクタ73が配置されている。このコネクタ73は、筺体の頂面59にある開口部60に整合し、この開口部60に向いている。このコネクタ73は、センサデバイスの相補的なプラグコネクタ55に係合するよう、この開口部を通してアクセス可能となっている。センサ側接続ターミナルs1〜s4(
図1および2)は、このコネクタのプラグ接点(この図では、これらプラグ接点のうちの2つの接点s1、s4しか見ることができない)となっている。プラグコネクタ73と整合するように、結合リング61が回転可能なように配置されており、この結合リング61は筺体の側壁71、72内に設けられたウィンドー75、76内で径方向に突出しているので、ユーザーはウィンドー(空所)75、76の領域内で親指と人差し指で結合リングをつまみ、この結合リングを回転することができるようになっている。この結合リングは、センサデバイスのコネクタ55のスリーブ70上の雄ネジ78に対応する雌ネジ77を有する。
【0036】
図10は、
図8および9の切断平面に対応する切断平面にある、
図6のセンサユニット42の部分を示す。このセンサデバイスのプラグコネクタ55は、バスセグメントの相補的なプラグコネクタ73にプラグインし、よってこれらコネクタの対応する接点部材が係合するようになっている(参照番号に関しては
図8および9を参照)。コネクタ55、73は、それぞれの筺体(センサデバイスおよびバスセグメントのそれぞれの筺体)の対向するスカート面に対して配置されているので、これら対向するスカート面は、接続された状態では隣接する。バスセグメントの筺体56は、結合リング61(このリングのネジはセンサデバイスのコネクタのスリーブ70の対応するネジに係合する)により、センサデバイスの筺体4に対して保持され、よってこれら2つの筺体は、センサデバイスの剛性ユニットを形成するようになっている。ネジの代わりに、回転係合のための別の結合手段、例えば差込継手も使用できる。