特許第5697871号(P5697871)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5697871薬物送達カプセル、及び生体内での薬剤送達又は診断システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5697871
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】薬物送達カプセル、及び生体内での薬剤送達又は診断システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 31/00 20060101AFI20150319BHJP
   A61J 3/07 20060101ALI20150319BHJP
【FI】
   A61M31/00
   A61J3/07 A
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2009-536827(P2009-536827)
(86)(22)【出願日】2007年11月6日
(65)【公表番号】特表2010-509969(P2010-509969A)
(43)【公表日】2010年4月2日
(86)【国際出願番号】IB2007054491
(87)【国際公開番号】WO2008062335
(87)【国際公開日】20080529
【審査請求日】2010年11月4日
(31)【優先権主張番号】60/866,641
(32)【優先日】2006年11月21日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513236426
【氏名又は名称】メディメトリクス ペルソナリズド ドルグ デリヴェリー ベー ヴェ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】デイクスマン,ヨハン フレデリク
(72)【発明者】
【氏名】デ ヨンフ,フリッツ トビ
(72)【発明者】
【氏名】パルドゥール,ミヘル ヘラルデュス
(72)【発明者】
【氏名】ピーリク,アンケ
(72)【発明者】
【氏名】レンセン,ユディト マルグレート
(72)【発明者】
【氏名】シミズ,ジェフ
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ,ハンス
(72)【発明者】
【氏名】アルブ,リーマス
(72)【発明者】
【氏名】ヨルダノフ,ヴェンチェスラフ
(72)【発明者】
【氏名】ブーヴェ,ハンス マルク ベルト
【審査官】 佐々木 一浩
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2006/0259015(US,A1)
【文献】 特開平05−228128(JP,A)
【文献】 特表2002−528676(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 31/00
A61J 3/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達装置であり、生体管腔内へ導入するための経口摂取可能なカプセルであって:
開口部を有する第1部分、及び前記第1部分に固定された第2部分を有するハウジングと;
前記開口部に流動体によって連絡する前記カプセルの前記第1部分と前記カプセルの前記第2部分とを形成するための、前記第1部分と前記第2部分との間に固定された可撓性の壁であって、前記可撓性の壁は、前記第2部分から前記第1部分を塞ぎ、かつ前記第1部分は、物質で少なくとも部分的に充填されるリザーバーを形成する、可撓性の壁と;
前記第1部分の体積を減少させるようにピストンを前記可撓性の壁に押し当て、その結果、前記カプセルの前記第1部分の前記開口部を通して前記リザーバーから前記物質を放出するようにされる前記カプセルの前記第2部分に置かれた駆動機構と;
当該カプセルが前記駆動機構を制御する、前記第2部分に置かれた電子回路部品と;
を有する、経口摂取可能なカプセル。
【請求項2】
前記ハウジングの前記第1部分が突出部を含み、前記ハウジングの前記第2部分がくぼみを含み、前記可撓性の壁が、前記突出部の前記くぼみ内への挿入によって前記ハウジングの前記第1部分と前記ハウジングの前記第2部分の間で固定され、その結果、前記ハウジングの前記第1部分を前記ハウジングの前記第2部分に固定する、請求項1に記載の経口摂取可能なカプセル。
【請求項3】
前記ピストンにはねじ穴が設けられ、前記ピストンは、電気モーター上に取り付けられた前記駆動機構のねじ込み要素によって駆動される、請求項1又は2に記載の経口摂取可能なカプセル。
【請求項4】
前記リザーバーからの前記物質の放出中に前記可撓性の壁に接触する前記ピストンの表面の一部が、低摩擦材料を含む、請求項1ないし3のうちいずれか1項に記載の経口摂取可能なカプセル。
【請求項5】
請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載のカプセル、及び、前記電子回路部品と連絡するようされた外部装置を含んだ、生体内での薬物送達又は診断システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動機構及びリザーバーを有したハウジングを含む薬物送達装置に関し、前記リザーバーは、物質で少なくとも部分的に充填され、少なくとも片側が可撓性の壁で密封される。本発明は、薬物送達装置を含む、生体管腔内へ導入するためのカプセルにも関する。本発明は、さらに、in vivoでの薬剤送達又は診断システムに関する。
【背景技術】
【0002】
生体管腔内へ導入するためのカプセル又は丸薬は既知であり、例えば、ヒト又は動物の体内での薬物の放出及び消化管(GI)の診断のために使用される。薬物放出のための電子丸薬(electronic pill)は、一般的に、予め分けられた量の薬物を含有した薬物レザーバーも、ヒト又は動物のGI(消化管)における予め選択された部位に薬物を正確に送達するための電子制御機器も収容する生体適合性材料から作製されたハウジングを有する。同様にハウジングにより含有されるものは、対象により丸薬を摂取した後の体外への丸薬による無線通信に対してリンクを提供するための手段である。電子機器は、センサー、タイミング、又は、ロケーションを利用して、丸薬が内蔵された薬物をヒト又は動物のGI(消化管)における特定部位に送達するのを可能にする。GI(消化管)の診断用カプセル又は丸薬は、一般的に、体温若しくはpH値をモニターする(一般的には薬剤のリザーバーではなく)センサーを含むか、及び/又は、GI(消化管)の画像を生じるようされた画像センサーを含む。
【0003】
米国特許第2004/0253304 A1号は、カプセルによりリザーバーにおいて貯えられた、例えば薬等の物質を含んだ薬物送達装置、及び、環境的に感受性の機構における状態の変化に応じて、GI(消化管)内に物質を運ぶようされた駆動機構を有したカプセルを開示している。駆動機構は、発生装置によるガスの発生に応じてカプセル内を移動する膜等の可動部材を含む。生じた、又は、放出されたガスは、膜に対する圧力を増加させる。圧力の荷重が加えられた膜は、次に、物質に圧力を加え、その結果、薬剤のリザーバーからGI(消化管)内に物質を運ぶ。薬物送達装置の他の形態において、可動膜はピストンを含む。薬物送達装置のさらに別の形態において、可動膜は提供されないが、代わりにガス発生装置が直接物質に作用する。
【0004】
既知の薬物送達装置の欠点は、カプセル内のガス発生装置が比較的高い圧力を有したガスを生じてしまうことである。一時的に増加したカプセル内の圧力によって、安全上の問題、及び、より信頼度が低い薬物送達装置が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
より信頼度が高く安全な薬物送達装置を提供することが本発明の目的である。本発明は、独立請求項により規定される。有利な実施形態は、従属請求項により規定される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的は、本発明による薬物送達装置により達成され、当該薬物送達装置は、駆動機構がピストンを可撓性の壁に押し当て、その結果、開口部を通してリザーバーから物質を放出するようされることにおいて特徴づけられる。可撓性の壁を圧迫するピストンのため、高い圧力を有したガスはカプセル内に必要ではなく、従って、薬物送達装置の安全性も信頼性も高められる。別の利点は、ピストンではなく可撓性の壁が薬剤のリザーバーを密封するため、ピストンがハウジング内部にぴったり適合する必要がないことである。本発明におけるピストンは、物質に対する気密密閉されたバリアではなく、代わりに、可撓性の壁がその機能を担い、ピストンは、リザーバーから物質を放出する駆動要素として機能する。前記壁は可撓性であるため、少なくとも物質の一部が放出されるまで、前記可撓性の壁を圧迫するピストンの動きに従う。
【0007】
前記目的は、本発明による薬物送達装置及び前記ピストンを制御する電子回路部品を含んだ、生体管腔内へ導入するためのカプセルによっても達成される。前記目的は、本発明による薬物送達装置を有するカプセル、及び、前記電子回路部品と連絡するようされた外部装置を含んだ、in vivoでの薬剤送達又は診断システムによっても達成される。
【0008】
本発明によるカプセルの一実施形態において、前記ハウジングは第1部分及び第2部分を含み、前記ハウジングの第1部分は前記ハウジングの第2部分に固定され、その結果、前記可撓性の壁を前記ハウジングの第1部分と前記ハウジングの第2部分の間で固定し、前記リザーバーから前記駆動機構を分離する。このように、リザーバーに貯蔵された物質は駆動機構から密閉される。
【0009】
本発明によるカプセルのさらなる実施形態において、前記ハウジングの第1部分は突出部を含み、前記ハウジングの第2部分はくぼみを含み、前記可撓性の壁は、前記突出部の前記くぼみ内への挿入によって前記ハウジングの第1部分と前記ハウジングの第2部分の間で固定され、その結果、前記ハウジングの第1部分を前記ハウジングの第2部分に固定している。このように、可撓性の壁が密閉する長さは拡張され、可撓性の壁の密閉強度、従って、当該装置の信頼度を上げる。
【0010】
本発明によるカプセルの一実施形態において、前記ピストンにはねじ穴が設けられ、電気モーター上に取り付けられた、前記駆動機構のねじ込み要素によって駆動される。ピストン内のねじ穴と電気モーター上に取り付けられたねじ込み要素の組合せは、簡素で周知の駆動機構を有利に規定している。
【0011】
本発明によるカプセルの一実施形態において、前記リザーバーからの前記物質の放出中に前記可撓性の壁に接触する前記ピストンの表面の一部は、低摩擦材料を含む。これは、ピストンと可撓性の壁との摩擦を有利に減少し、ピストンの表面に対する可撓性の壁の適応を改善する。
【0012】
本発明の前記及び他の態様は、図面を参考にしてさらに説明及び記述される。
【0013】
図は尺度通りに描かれていない。一般に、同一の要素は、図において同じ参照番号によって示されている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明による薬物送達装置を有するカプセルの一実施形態の概略的な断面図である。
図2】本発明による薬物送達装置を有するカプセルの一実施形態の断面斜視図である。
図3】本発明による薬物送達装置を有するカプセルの一実施形態の概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
カプセル内に設けられた本発明による薬物送達装置の実行は、例として以下で説明される。しかし、本発明は、これらの例に限定されず、他の薬物送達装置において適用することもできる。
【0016】
図1は、例えば経口摂取によりヒト又は動物の対象によって使用するための、自給式の電子制御された薬物送達システムであるカプセル100の概略的な断面図である。カプセル100は円筒形のハウジング1を含み、その中には、特に、電子制御回路部品40、薬物送達装置、及び、診断目的用のセンサーが取り付けられている。少なくとも、ヒト又は動物のGI(消化管)を渡るのに必要とされる時間中カプセル100が生体適合性であるように、ハウジング1は生体適合性材料から作製されていることが好ましい。カプセル100が長い有効期間を有するように、生体適合性材料は室温以下で安定していることが好ましい。ハウジング1は、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリレート等、生物学的に安全な高分子材料から作製することができる。ハウジング1は、ペースメーカーリード、並びに、人工心臓、心臓弁、大動脈内バルーン、及び補助人工心臓等の心臓のプロステーシス装置を含めた植え込み式装置を作製するために使用される材料から製造されることがより好ましい。組み立てられたカプセル100は、ヒト又は動物により嚥下されるのに適した大きさにするのが好ましい。好ましくは、組み立てられたカプセル100は、直径が約1cmであり、2から3cmの長さである。
【0017】
電力源6は、薬物送達装置及び診断目的用のセンサーを作動させるために電子制御回路部品40に動力を供給する。電力源6は、さらに、カプセル100により収容された、いかなる他の電気によって動力が与えられる機器にも電力を供給する。動力源6は、電池、コンデンサー、又は、電源を与えるいかなる他の既知の手段でもあり得る。
【0018】
電子制御回路部品40は、例えば、通信のため、及び、リザーバー2内に貯蔵された物質の放出を制御するために使用され、電気モーターの駆動装置、マイクロプロセッサー、物理的に接触することなくカプセル100の位置を決定することに寄与するセンサー、温度センサー、画像センサー、例えばRFトランシーバー及びアンテナ等の通信手段を限定することなく含むことができる。RFトランシーバーは、RFリンクを規定し、カプセル100の外部へと信号を送信するのに、及び、外部から信号を受信するのに使用される。例えば、前記トランシーバーは携帯型装置(図示せず)と通信し、該装置は、後にトランシーバーにより受信されることになる信号を送信することによる薬物放出プロファイルをプログラムすることができる。前記携帯型装置は、例えば赤外線リンクを有した基地局(図示せず)と通信することもでき、そのような基地局は、例えば医学的な専門家と通信するために使用される。長い有効期間のためには、電子制御回路部品40は電力源6から完全に切り離されることが必要であり、さもなければ、少量の漏れ電流が最終的に電力源6を空にしてしまう。電子回路を開始するために該回路部品は起動されなければならず、その目的のために、カプセル100内に統合されたアンテナにより受信される誘導放射線によって外部から動力が供給される起動回路(図示せず)を設計することができる。
【0019】
電子制御回路部品40は、相互に電気接続される必要がある電子部品を多数含む。この目的のため、1つの連続した柔軟なホイル(flex foil)が、種々の電子部品が取り付けられる印刷回路板を規定するよう適用される。柔軟なホイルへの種々の電子部品の取り付け及び柔軟なホイル1上の電子部品間の電気接続の統合は部品の数を減らし、従って、カプセル100の信頼度を上げる。
【0020】
リザーバー2は、例えばハウジング1内の小出し穴25を介してヒトの体内のGI(消化管)に送達することができる物質を貯蔵するために使用される。前記物質は、例えば薬剤、薬効のない物質、造影剤、放射線剤、及び、画像マーカーを意味する場合がある。本実施形態では、前記物質は、GI(消化管)の疾患を治療するための薬物であることが好ましい。小出し穴25は、除去可能なシール又はプラグを含むことができ、該シール又はプラグは、例えば、ヒト又は動物の体内のGI(消化管)において溶解し、その結果小出し穴25を開口する物質を含む。当該薬物送達装置は、例えば電気(ステッピング)モーター22によって駆動される可動ピストン23をさらに含み、モーター22は電子制御回路部品40により制御される。モーター22は、例えば、ねじ機構24を介してピストン23を小出し穴25に向けて移動させる。別の実施形態において、モーター22は、小出し穴25に向けてピストン23を直接駆動するリニアモーターである。
【0021】
リザーバー2は、ハウジング1に取り付けられた可撓性の壁21で片側が密閉されている。ピストン23の表面26の一部が可撓性の壁21に押し当てられ、可撓性の壁21の一部は、ピストン23の表面26の一部と接触し、ピストン23の表面26の接触部分の形状に適合される。ピストン23が回転するのを防ぐために、ピストン23には、例えば、ハウジング1内に与えられたトラック内に進むノッチが設けられる(図示せず)。ピストン23は、モーター22を介して小出し穴25に向かって移動する。ピストン23が可撓性の壁21に接触し、該壁を圧迫すると、可撓性の壁21はリザーバー2内の物質を圧迫し、結果として該物質は、小出し穴25を通ってリザーバー2から放出される。
【0022】
可撓性の壁21はリザーバー2内の物質を密閉するため、ピストン23は、小出し穴25を通してリザーバー2から前記物質を圧迫するためだけに使用される。ピストン23は、一般のピストンに通常起因する密閉機能を有していない。ピストン23はリザーバー2内の物質に対する密閉を形成しないため、ハウジング1にピストン23を適合させるためのきつい許容要求は存在しない。実際、ピストン23は、リザーバー2からの物質の適切な放出を規定するためにハウジング1の内面と接触する必要すらない。ピストン23の表面26には、例えばTeflon(商標)等の低摩擦の材料を与えることができる。このように、接触表面26と接触する可撓性の壁21は、比較的低い摩擦を有するピストン23の表面26上をすべるように進むことができ、可撓性の壁21は、ピストン23とハウジング1とのスペース内で最適な様式で折り重なる。
【0023】
可撓性の壁21は、リザーバー2の密閉を規定する材料から作製され、可撓性の壁を裂くか又は可撓性の壁にダメージを与えることなくピストン23の表面26の形状に適合するのを可能にする可撓特性を有する。そのような材料は、例えば、医薬品グレードポリエチレン/ポリクロロトリフルオロエチレン(PE/PCTFE)可撓性フィルムのようなポリマーベースの積層であり得る。
【0024】
図2は、本発明による薬物送達装置を有するカプセル100の断面斜視図を示しており、図3は、本発明による薬物送達装置を有するカプセル100の断面図であり、電子制御回路部品40はいくつか異なる要素を有し、モーター22は、ピストン23の表面26が可撓性の壁21に押し当てられるように、ねじ機構24を介してピストン23を小出し穴25に向けて駆動する。ハウジング1の第2部分12のくぼみ32内へハウジング1の第1部分11の突出部31を挿入することによって、第1部分11は第2部分12に固定される。突出部31とくぼみ32の間で可撓性の壁21の一部が固定され、可撓性の壁21の固定を規定している。このように、可撓性の壁21は、リザーバー2内にある物質を密閉し、従って、前記物質と薬物送達装置及びカプセル100の残りの要素の間にバリアを形成する。可撓性の壁21の密閉特性を高めるために、突出部31とくぼみ32の間の可撓性の壁21の接着に生体適合性の接着剤を使用することができるか、又あるいは、超音波摩擦熱を適用することができる。ハウジング1の第1部分11はリザーバー2を含むこと、並びに、薬物送達装置及びカプセル100の残りの要素を含んだハウジング2の第2部分12は、可撓性の壁21によってリザーバー2から分離されることに注目されたい。突出部31及びくぼみ32は、可撓性の壁21がハウジング1の第1部分11と第2部分12の間で固定される長さを増やし、その結果、可撓性の壁21の密閉強度を上げ、リザーバー2の外部への物質の漏れを最小限に抑える。
【0025】
種々の電子部品が取り付けられる柔軟なホイルは、モーター22に電気的及び機械的に結合される。
【0026】
要約すると、本発明は、駆動機構及びリザーバーを有したハウジングを含む薬物送達装置を規定し、前記リザーバーは、物質で少なくとも部分的に充填され、少なくとも片側が可撓性の壁で密閉される。前記駆動機構は、ピストンを可撓性の壁に押し当て、その結果、リザーバー内の開口部を通してリザーバーから物質を放出するようされる。これは、安全且つ信頼できる薬物送達装置を規定する。
【0027】
前述の実施形態は本発明を限定するのではなく例証しており、当業者は、付随の特許請求の範囲から逸脱することなく、別の実施形態を数多く設計することができるということに注目するべきである。特許請求の範囲において、括弧内に置かれたいかなる参照番号も特許請求の範囲を限定するとして解釈されるべきではない。「含む」という用語は、請求項に挙げられたもの以外の要素又はステップの存在を除外しない。要素の前の不定冠詞又は定冠詞は、その要素の複数形の存在を除外しない。
図1
図2
図3