(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数階から構成される下部構造物、又は前記下部構造物に免震装置を用いて支持された複数階から構成される上部構造物の一方から突出すると共に、エレベータケージが昇降するエレベータシャフトと、
前記下部構造物又は前記上部構造物の他方に設けられ、外力が作用して前記免震装置が所定値以上変形すると、前記エレベータシャフトと当って前記上部構造物又は前記下部構造物の水平方向の相対移動量を規制する規制部と、を備え、
前記免震装置は、鉛直方向において前記下部構造物の上側と前記上部構造物の下側との間に形成された空間に配置され、
前記規制部は、前記空間と他方の前記下部構造物において一方の前記上部構造物に最も近接した階層とによって形成される領域のみ、又は前記空間と他方の前記上部構造物において一方の前記下部構造物に最も近接した階層とによって形成される領域のみに配置され、
前記下部構造物、又は前記上部構造物から突出した前記エレベータシャフトの突出端は、鉛直方向において前記規制部が配置される範囲に位置する移動量規制装置。
前記規制部は、前記下部構造物又は前記上部構造物に設けられた凹部であって、前記エレベータシャフトは、前記上部構造物と前記下部構造物との間に設けられた空間を縦断して前記凹部へ進入する請求項1又は2に記載の移動量規制装置。
前記規制部は、前記下部構造物又は前記上部構造物から前記上部構造物と前記下部構造物との間に設けられた空間に突出する凹状の受け部であって、前記エレベータシャフトは前記受け部に進入する請求項1又は2に記載の移動量規制装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の工法では、地震や強風等で免震装置が所定値以上変形した際には、上部構造部材と下部構造部材との水平方向の相対移動量は規制されない。このため、上部構造部材が大きく移動した場合に、上部構造部材に与える被害を抑制することができない場合が考えられる。
【0006】
本発明の課題は、想定した地震時や強風時等には免震機能が発揮されると共に、上部構造物の被害を最小限に抑えることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に係る移動量規制装置は、複数階から構成される下部構造物、又は前記下部構造物に免震装置を用いて支持された複数階から構成される上部構造物の一方から突出すると共に、エレベータケージが昇降するエレベータシャフトと、前記下部構造物又は前記上部構造物の他方に設けられ、外力が作用して前記免震装置が所定値以上変形すると、前記エレベータシャフトと当って前記上部構造物又は前記下部構造物の水平方向の相対移動量を規制する規制部と、を備え、前記免震装置は、鉛直方向において前記下部構造物の上側と前記上部構造物の下側との間に形成された空間に配置され、前記規制部は、
前記空間と他方の前記下部構造物において一方の前記上部構造物に最も近接した階層とによって形成される領域のみ、又は前記空間と他方の前記上部構造物において一方の前記下部構造物に最も近接した階層とによって形成される領域のみに配置され、前記下部構造物、又は前記上部構造物から突出した前記エレベータシャフトの突出端は、鉛直方向において前記規制部が配置される範囲に位置することを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、
エレベータシャフトが、下部構造物又は下部構造物に免震装置を用いて支持された上部構造物の一方から突出している。さらに、外力が作用して免震装置が所定値以上変形すると、
エレベータシャフトと当って上部構造物又は下部構造物の水平方向の相対移動量を規制する規制部が下部構造物又は上部構造物の他方に設けられている。
【0009】
地震又は強風等の外力が作用して免震装置が変形すると、上部構造物と下部構造物とは水平方向に相対移動する。そして、免震装置が所定値以上変形すると、規制部と
エレベータシャフトとが当って上部構造物と下部構造物との水平方向の相対移動量が規制される。
【0010】
このように、免震装置が所定値以上変形すると、上部構造物と下部構造物との水平方向の相対移動量が規制されることで、想定した地震時や強風時等には免震機能が発揮されると共に、上部構造物の被害を最小限に抑えることができる。
【0011】
本発明の請求項2に係る移動量規制装置は、請求項1に記載において、前記下部構造物と前記上部構造物とは、構造物を上層階と下層階とに分割することで設けられることを特徴とする。
【0012】
上記構成による構造物によれば、下部構造物と上部構造物とは、構造物を下層階と上層階とに分割することで設けられている。つまり、
エレベータシャフトは、下層階、又は下層階に中間免震装置を用いて支持された上階層の一方から突出している。さらに、規制部が下層階又は上層階の他方に設けられている。
【0013】
このように、中間免震とすることで、従来の基礎構造を変えることなく上層階の被害を最少に抑えることができる。
【0014】
本発明の請求項3に係る移動量規制装置は、請求項1又は2に記載において、前記規制部は、前記下部構造物又は前記上部構造物に設けられた凹部であって、前記
エレベータシャフトは、前記上部構造物と前記下部構造物との間に設けられた空間を縦断して前記凹部へ進入することを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、上部構造物又は下部構造物から突出した
エレベータシャフトは、上部構造物と下部構造物との間に設けられた空間を縦断して下部構造物又は上部構造物に設けられた凹部へ進入する。
【0016】
地震又は強風等の外力が作用して免震装置が所定値以上変形すると、凹部の壁面と
エレベータシャフトとが当って上部構造物と下部構造物との水平方向の相対移動量が規制される。
【0017】
このように、凹部の壁面に
エレベータシャフトを当てることで上部構造物と下部構造物との水平方向の相対移動量を規制することができる。
【0018】
本発明の請求項4に係る移動量規制装置は、請求項1又は2に記載において、前記規制部は、前記下部構造物又は前記上部構造物から前記上部構造物と前記下部構造物との間に設けられた空間に突出する凹状の受け部であって、前記
エレベータシャフトは前記受け部に進入することを特徴とする。
【0019】
上記構成によれば、上部構造物又は下部構造物から突出した
エレベータシャフトは、下部構造物又は上部構造物から上部構造物と下部構造物との間に設けられた空間に突出する凹状の受け部に進入する。
【0020】
地震又は強風等の外力が作用して免震装置が所定値変形すると、受け部の壁面と
エレベータシャフトとが当って上部構造物と下部構造物との水平方向の相対移動量が規制される。
【0021】
このように、受け部の壁面に
エレベータシャフトを当てることで、上部構造物と下部構造物との水平方向の相対移動量を規制することができる。
【0022】
本発明の請求項5に係る移動量規制装置は、請求項1〜4の何れか1項に記載において、前記
エレベータシャフトは、前記下部構造物から前記上部構造物に向けて突出することを特徴とする。
【0023】
上記構成によれば、地震又は強風等の外力が作用して免震装置が所定値以上変形すると、下部構造物から上部構造物に向けて突出した
エレベータシャフトが、上部構造物に設けられた規制部と当って上部構造物と下部構造物との水平方向の相対移動量が規制される。
【0024】
本発明の請求項6に係る移動量規制装置は、請求項1〜4の何れか1項に記載において、前記
エレベータシャフトは、前記上部構造物から前記下部構造物に向けて突出することを特徴とする。
【0025】
上記構成によれば、地震又は強風等の外力が作用して免震装置が所定値以上変形すると、上部構造物から下部構造物に向けて突出した
エレベータシャフトが、下部構造物に設けられた規制部と当って上部構造物と下部構造物との水平方向の相対移動量が規制される。
【0035】
本発明の
請求項7に係る構造物は、
請求項1〜6の何れか1項に記載された移動量規制装置が設けられたことを特徴とする。
【0036】
上記構成によれば、構造物は、請求項1〜9の何れか1項に記載された移動量規制装置を備える。地震又は強風等の外力が作用して免震装置が所定値以上変形すると、規制部とフレーム部材とが当って上部構造物と下部構造物との水平方向の相対移動量が規制される。これにより、想定した地震時や強風時等には免震機能が発揮されると共に、上部構造物の被害を最小限に抑えることができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、想定した地震時や強風時等には免震機能が発揮されると共に、上部構造物の被害を最小限に抑えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明の第1実施形態に係る移動量規制装置及び構造物の一例について
図1〜
図9に従って説明する。なお、図中矢印UPは鉛直方向上方を示す。
【0040】
(全体構成)
図9に示されるように、構造物10は、地盤(GL)に鉛直方向に埋め込まれた円柱状の複数本の杭12と、地盤(GL)に構築され、杭12に支持されたコンクリート基礎14(以下単に基礎14と言う)とを備えている。
【0041】
さらに、この基礎14の上側(鉛直方向上側)には、鉄骨造(S造)の柱部材18と梁部材20とで構築された下層階22と、下層階22に免震装置26を用いて支持されると共に、鉄筋コンクリート造(RC造)の柱部材30と梁部材32とで構築された上層階34と、が設けられている。
【0042】
詳細には、下層階22は、地上24階とされ、オフィス用に使用されており、上層階34は、地上25階〜33階とされ、住宅用に使用される。
【0043】
また、
図7には24階の平面図が示されているが、
図7に示されるように、略中央部にオフィス用のエレベータ40が4基設けられている。
図1(A)に示されるように、このエレベータ40には、エレベータケージ42を鉛直方向上下に移動させるレール44と、エレベータケージ42が昇降するエレベータシャフト46とが設けられている。そして、エレベータ40は、下層階22の最下階から最上階である24階まで延びており、エレベータケージ42は、24階までの各階に停止可能とされている。つまり、下層階22に設けられたオフィスを使用する者がこのエレベータ40を使用して各階のオフィスに出勤するようになっている。なお、エレベータシャフト46については詳細を後述する。
【0044】
さらに、
図6には25階の平面図が示されているが、
図6、
図7に示されるように、エレベータ40とは離間して住宅シャトル用のエレベータ50が2基並んで設けられている。
図2(A)に示されるように、このエレベータ50には、エレベータケージ52を鉛直方向上下に移動させるレール54と、エレベータケージ52が昇降するエレベータシャフト56とが設けられている。そして、エレベータ50は、下層階22の最下階から上層階34の最下階である25階まで延びており、エレベータケージ52は、少なくとも下層階22の1階と、上層階34の最下階である25階で停止可能とされている。つまり、上層階34に設けられた住宅に住居する者がこのエレベータ50を使用して1階から上層階34の最下階である25階へ行くようになっている。
【0045】
ここで、前述したように、上層階34は下層階22に免震装置26を用いて支持されており、下層階22と上層階34との間には、空間58が設けられている。そして、エレベータ50は、この空間58を縦断している。
【0046】
また、
図2(B)に示されるように、地震や強風等の際には、免震装置26が変形して上層階34と下層階22とが水平方向に相対移動することがあるが、このように相対移動してもエレベータシャフト56が損傷しないように、エレベータシャフト56は、下層階22に固定された下層エレベータシャフト56Aと、上層階34に固定された上層エレベータシャフト56Bとに分割されている。さらに、空間58を跨いでレール54を支持する一対の支持ブラケット60が設けられ、上層階34と下層階22とが水平方向に相対移動する場合には、この一対の支持ブラケット60間で、レール54が変形可能となっている。
【0047】
また、
図5には33階の平面図が示されているが、
図5、
図6に示されるように、25階に設けられたエレベータホール64を挟んで住宅シャトル用のエレベータ50の向いには、住宅用のエレベータ70が2基設けられている(
図6参照)。
【0048】
図3(A)に示されるように、このエレベータ70には、エレベータケージ72を鉛直方向上下に移動させるレール74と、エレベータケージ72が昇降するエレベータシャフト76とが設けられている。そして、エレベータ70は、上層階34の最下階である25から上層階34の最上階である33階まで延びており、エレベータケージ72は、上層階34の各階に停止可能とされている。つまり、上層階34の住宅に住居する者は、エレベータ50(
図2(A)参照)を使用して25階へ行って、25階でこのエレベータ70に乗り換えて、各階の住居に行くようになっている。
【0049】
なお、
図3(B)に示されるように、エレベータ70の下端部は、空間58を跨いで、下層階22へ延びていないため、免震装置26が変形して上層階34と下層階22とが水平方向に相対移動してもエレベータ70には影響がないようになっている。
【0050】
さらに、
図5、
図6、
図7に示されるように、住宅シャトル用のエレベータ50の隣なりには、住宅シャトル用のエレベータ50よりも大きい非常用のエレベータ80が1基設けられている。
【0051】
図4(A)に示されるように、このエレベータ80には、エレベータケージ82を鉛直方向上下に移動させるレール84と、エレベータケージ82が昇降するエレベータシャフト86とが設けられている。そして、エレベータ80は、下層階22の最下階から上層階34の最上階である33階まで延びており、エレベータケージ82は、下層階22及び上層階34の各階に停止可能とされている。つまり、非常時には、このエレベータ80を使用して全ての階から全ての階に行くことができるようになっている。
【0052】
また、
図4(B)に示されるように、地震や強風等の際には、免震装置26が変形して上層階34と下層階22とが水平方向に相対移動することがある。このように相対移動してもエレベータシャフト56が損傷しないように、空間58を跨ぐように設けられたエレベータシャフト86の支持架構部86Aは、水平方向に変形可能とされている。さらに、レール84は、支持架構部86Aの変形に追従可能とされている。
【0053】
さらに、
図5、
図6、
図7に示されるように、エレベータ40を挟むように、非常用の階段90が複数個設けられており、非常時には、この階段90を使用して、下層階22及び上層階34の各階に行けるようになっている。
【0054】
(要部構成)
次ぎに、エレベータ40のエレベータシャフト46等について説明する。
【0055】
図1(A)に示されるように、上層階34の下端には、空間58に開口した凹部92が設けられている。そして、エレベータ40のエレベータシャフト46の上端部46Aは、空間58を縦断して凹部92に進入している。そして、
図8に示されるように、凹部92に進入したエレベータシャフト46の上端部46Aは、鉛直方向に延びる複数本の鉛直部材94と、鉛直部材94と連結されて水平方向に延びる水平部材96と、鉛直部材94と水平部材96とで囲まれた矩形状の空間に対角線上に配置された筋違98と、が設けられており、剛性が高められている。
【0056】
また、上端部46Aに設けられた水平部材96の上側には、板状の床部材100が固定されており、この床部材100が、エレベータ40の機械室102(
図1参照)の床を構成している。
【0057】
また、
図1(A)に示されるように、エレベータシャフト46の上端部46Aと凹部92の壁面92Aとの水平方向の隙Aの寸法は、外力が作用して免震装置26が所定値以上変形して下層階22と上層階34とが水平方向に相対移動したときに、上端部46Aと凹部92の壁面92Aが当って水平方向の相対移動量を規制するように決められている(
図1(B)参照)。
【0058】
つまり、下層階22と上層階34との水平方向の所定値以上の相対移動を規制する移動量規制装置16は、エレベータシャフト46と凹部92とを含んで構成されている。
【0059】
(作用・効果)
図1(A)(B)に示されるように、地震又は強風等の外力が構造物10に作用すると、免震装置26が変形して下層階22と上層階34とは水平方向に相対移動をする。これにより、地震又は強風等による上層階34の揺れが吸収される。
【0060】
ここで、地震又は強風等の外力が大きくて免震装置26が所定値以上変形して下層階22と上層階34とが水平方向に相対移動したときは、エレベータシャフト46の上端部46Aと凹部92の壁面92Aとが当って水平方向の相対移動量が規制される。なお、前述したように、エレベータシャフト46の上端部46Aは、筋違98等(
図8参照)により剛性が高められているため、上端部46Aが変形してしまうのは抑制される。
【0061】
このように、免震装置26が所定値以上変形して下層階22と上層階34との水平方向の相対移動量が規制されることで、想定した地震時や強風時等には免震機能が発揮されると共に、上層階34の被害を最小限に抑えることができる。
【0062】
また、免震装置26は、下層階22と上層階34との間に設けられており、所謂中間免震構造とされている。このように中間免震構造に移動量規制装置16を採用することで、従来の基礎構造を変えることなく上層階34の被害を最小限にすることができる。
【0063】
また、移動量規制装置16の構成部材として、エレベータシャフト46を採用することで、新たな部材を設けることなく下層階22と上層階34との水平方向の相対移動量を規制することができる。
【0064】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、特に限定しなかったが、規制される移動量は、夫々の構造物10の設計にあたって、決められる値であり、例えば、再現期間50年程度の強風時や通常の地震時の際の移動量であってもよいし、再現期間500年程度の大地震時の際の移動量であってもよいし、再現期間500年を超える極大地震時の際の移動量であってもよい。
【0065】
次ぎに、本発明の第2実施形態に係る移動量規制装置及び構造物の一例について
図10に従って説明する。第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0066】
図10(A)に示されるように、本実施形態では、第1実施形態のように、オフィス用のエレベータの上端部は、空間58を縦断しておらず、住宅用のエレベータ110のエレベータシャフト116の下端部116Aが空間58を縦断している。
【0067】
詳細には、住宅用のエレベータ110には、エレベータケージ112を鉛直方向上下に移動させるレール114と、エレベータケージ112が昇降するエレベータシャフト116とが設けられている。そして、エレベータ110は、上層階34の最下階である25階から上層階34の最上階である33階まで延びており、エレベータケージ112は、上層階34の各階に停止可能とされている。
【0068】
さらに、下層階22の上端には、空間58に開口された凹部118が設けられている。そして、エレベータ110のエレベータシャフト116の下端部116Aは、空間58を横断して凹部118に進入している。つまり、下層階22と上層階34との水平方向の所定値以上の相対移動を規制する移動量規制装置108は、エレベータシャフト116と凹部118とを含んで構成されている。
【0069】
図10(B)に示されるように、地震又は強風等の外力が大きくて免震装置26が所定値以上変形して下層階22と上層階34とが水平方向に相対移動したときは、エレベータシャフト116の下端部116Aと凹部118の壁面118Aとが当って水平方向の相対移動量が規制されるようになっている。
【0070】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、中間免震構造に移動量規制装置108を設けたが、基礎と下層階との間に移動量規制装置を設けてもよい。
【0071】
次ぎに、本発明の第3実施形態に係る移動量規制装置及び構造物の一例について
図11に従って説明する。第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0072】
図11(A)に示されるように、本実施形態では、第1実施形態のように、オフィス用のエレベータの上端部は、空間58を縦断しておらず、下層階22の上端から突出したフレーム部材122が、空間58を縦断している。
【0073】
詳細には、上層階34の下端には、空間58に開口された凹部124が設けられている。そして、フレーム部材122は、空間58を横断して凹部124に進入している。つまり、下層階22と上層階34との水平方向の所定値以上の相対移動を規制する移動量規制装置120は、フレーム部材122と凹部124とを含んで構成されている。
【0074】
図11(B)に示されるように、地震又は強風等の外力が大きくて免震装置26が所定値以上変形して下層階22と上層階34とが水平方向に相対移動したときは、フレーム部材122と凹部124の壁面124Aとが当って水平方向の相対移動量が規制されるようになっている。
【0075】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、下層階22の上端から突出したフレーム部材122を上層階34に設けられた凹部124に進入させたが、上層階の下端からフレームを突出させ、このフレーム部材が進入する凹部を下層階に設けてもよい。
【0076】
次ぎに、本発明の第4実施形態に係る移動量規制装置及び構造物の一例について
図12に従って説明する。第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0077】
図12(A)に示されるように、本実施形態では、第1実施形態のように、オフィス用のエレベータの上端部は、空間58を縦断しておらず、下層階22の上端から空間58に向けて突出したフレーム部材132が、上層階34の下端から空間58に向けて突出した凹状の受け部134に進入している。つまり、下層階22と上層階34との水平方向の所定値以上の相対移動量の移動を規制する移動量規制装置130は、フレーム部材132と受け部134とを含んで構成されている。
【0078】
図12(B)に示されるように、地震又は強風等の外力が大きくて免震装置26が所定値以上変形して下層階22と上層階34とが水平方向に相対移動したときは、フレーム部材132と受け部134の壁面134Aとが当って水平方向の相対移動量が規制されるようになっている。
【0079】
前述したように、フレーム部材132と当る受け部134を上層階34の下端から空間58に向けて突出させて設けることで、フレーム部材132の下層階22の上端からの突出量を少なくすることができる。
【0080】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、下層階22の上端から突出したフレーム部材132を上層階34から突出した受け部134に進入させたが、上層階の下端からフレームを突出させ、このフレーム部材が進入する受部を下層階の上端から突出させてもよい。
【0081】
次ぎに、本発明の
第1参考形態に係る移動量規制装置及び構造物の一例について
図13に従って説明する。第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0082】
図13(A)に示されるように、本実施形態では、第1実施形態のように、オフィス用のエレベータの上端部は、空間58を縦断しておらず、階段90に設けられた階段フレーム146が空間58を縦断している。
【0083】
詳細には、階段90は、複数個の階段状の階段部142と、この階段部142と階段部142との間に設けられた踊り場144と、階段部142及び踊り場144を支持する階段フレーム146と、を備えている。
【0084】
さらに、階段フレーム146は、下層階22に固定される階段フレーム146Aと、上層階34に固定される階段フレーム146Bとを備えている。下層階22に固定される階段フレーム146Aの上端部148は、下層階22の上端から突出して空間58を縦断しており、上層階34の下端に設けられた凹部150に進入している。
【0085】
また、
図13(B)に示されるように、地震又は強風等の外力で免震装置26が変形して下層階22と上層階34とが水平方向に相対移動したときは、階段フレーム146Aと階段フレーム146Bとが水平方向に相対移動するようになっている。そして、階段フレーム146Aの上端に固定された踊り場144と、階段フレーム146Bの下端に固定された階段部142が水平方向に相対移動可能となっている。つまり、下層階22と上層階34との水平方向の所定値以上の相対移動を規制する移動量規制装置140は、階段フレーム146Aと、凹部150とを含んで構成されている。
【0086】
図13(B)に示されるように、地震又は強風等の外力が大きくて免震装置26が所定値以上変形して下層階22と上層階34とが水平方向に相対移動したときは、階段フレーム146Aと凹部150の壁面150Aとが当って水平方向の相対移動量が規制されるようになっている。
【0087】
次ぎに、本発明の
第2参考形態に係る移動量規制装置及び構造物の一例について
図14に従って説明する。第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0088】
図14(A)に示されるように、本実施形態では、第1実施形態のように、オフィス用のエレベータの上端部は、空間58を縦断しておらず、鉛直方向に延びる複数本の配管162と、この配管162の配管スペースを構成するフレーム部材164が空間58を縦断している。
【0089】
詳細には、フレーム部材164は、下層階22に固定されるフレーム部材164Aと、上層階34に固定されるフレーム部材164Bとを備えている。そして、下層階22に固定されるフレーム部材164Aの上端部166は、下層階22の上端から突出して空間58を縦断しており、上層階34の下端に設けられた凹部168に進入している。つまり、下層階22と上層階34との水平方向の所定値以上の相対移動量の移動を規制する移動量規制装置160は、フレーム部材164Aと凹部168とを含んで構成されている。
【0090】
また、
図14(B)に示されるように、地震又は強風等の外力で免震装置26が変形して下層階22と上層階34とが水平方向に相対移動したときは、配管162の中間部に設けられたフレキシブル配管162Aが変形するようになっている。
【0091】
図14(B)に示されるように、地震又は強風等の外力が大きくて免震装置26が所定値以上変形して下層階22と上層階34とが水平方向に相対移動したときは、フレーム部材164Aと凹部168の壁面168Aとが当って水平方向の相対移動量が規制されるようになっている。