特許第5697923号(P5697923)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 群創光電股▲ふん▼有限公司の特許一覧

特許5697923タッチパネル及びそのタッチ点の定位方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5697923
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】タッチパネル及びそのタッチ点の定位方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/044 20060101AFI20150319BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20150319BHJP
【FI】
   G06F3/044 Z
   G06F3/041 400
【請求項の数】16
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2010-188261(P2010-188261)
(22)【出願日】2010年8月25日
(65)【公開番号】特開2011-48827(P2011-48827A)
(43)【公開日】2011年3月10日
【審査請求日】2013年8月23日
(31)【優先権主張番号】200910306115.2
(32)【優先日】2009年8月26日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510138796
【氏名又は名称】群創光電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】廖 大舜
(72)【発明者】
【氏名】潘 軒霖
(72)【発明者】
【氏名】施 博盛
【審査官】 岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2006/126604(WO,A1)
【文献】 特開2002−365427(JP,A)
【文献】 特開2008−310551(JP,A)
【文献】 特開2008−134836(JP,A)
【文献】 特開2009−157923(JP,A)
【文献】 特開2009−157926(JP,A)
【文献】 特開2009−157927(JP,A)
【文献】 特表2007−533044(JP,A)
【文献】 特開平10−149250(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G06F 3/03− 3/047
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一絶縁基板と、第二絶縁基板と、前記第一絶縁基板と第二絶縁基板との間に設置されている絶縁層と、抵抗異方性を有し且つ前記第一絶縁基板と前記絶縁層との間に設置されている第一導電性フィルムと、抵抗異方性を有し且つ前記絶縁層と前記第二絶縁基板との間に設置されている第二導電性フィルムと、第一方向に沿う前記第一導電性フィルムの側辺に設置されている複数の第一電気信号接触素子と、第二方向に沿う前記第二導電性フィルムの側辺に設置されている複数の第二電気信号接触素子を備えるタッチパネルにおいて、
前記第一導電性フィルムにおいて、前記第二方向に沿う抵抗が他の方向に沿う抵抗より小さく、
前記第二導電性フィルムにおいて、前記第一方向に沿う抵抗が他の方向に沿う抵抗より小さく、
前記絶縁層は、前記第一導電性フィルムと前記第二導電性フィルムとの間に配置されている
ことを特徴とするタッチパネル。
【請求項2】
前記第一導電性フィルム及び/又は前記第二導電性フィルムは、カーボンナノチューブ(CNT)フィルムを備える
ことを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項3】
前記CNTフィルムは、複数のレーザカット線を有する
ことを特徴とする請求項2に記載のタッチパネル。
【請求項4】
前記第一絶縁基板及び/又は前記第二絶縁基板の材料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメタクリル酸メチル(PI)、ポリエチレン(PE)またはそれらの組合せである
ことを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項5】
前記タッチパネルは、駆動回路及び検出回路をさらに備え、
前記駆動回路は、電気信号を前記複数の第一電気信号接触素子に入力し、
前記検出回路は、前記複数の第二電気信号接触素子が検出した電気信号を読取する
ことを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項6】
前記タッチパネルは、コントローラをさらに備え、
前記コントローラは、前記駆動回路及び前記検出回路を制御して、前記検出回路が読取した電気信号に基づいてタッチパネルのタッチ点の位置を判断する
ことを特徴とする請求項5に記載のタッチパネル。
【請求項7】
前記タッチパネルは、駆動回路及び検出回路をさらに備え、
前記駆動回路は、電気信号を前記複数の第二電気信号接触素子に入力し、
前記検出回路は、前記複数の第一電気信号接触素子が検出した電気信号を読取する
ことを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項8】
前記タッチパネルは、コントローラをさらに備え、
前記コントローラは、前記駆動回路及び前記検出回路を制御して、前記検出回路が読取した電気信号に基づいてタッチパネルのタッチ点の位置を判断する
ことを特徴とする請求項7に記載のタッチパネル。
【請求項9】
抵抗異方性を有する第一導電性フィルムと、抵抗異方性を有し且つ前記第一導電性フィルムよりタッチ表面に近接する第二導電性フィルムと、前記第一導電性フィルムと前記第二導電性フィルムとの間に設置されている絶縁層と、第一方向に沿う前記第一導電性フィルムの側辺に設置されている複数の第一電気信号接触素子と、第二方向に沿う前記第二導電性フィルムの側辺に設置されている複数の第二電気信号接触素子と、を備えるタッチパネルに応用されるタッチ点の定位方法は、
前記複数の第一電気信号接触素子に電気信号を入力するステップと、
前記複数の第二電気信号接触素子が検出した複数の電気信号を読取するステップと、
前記読取した複数の第二電気信号接触素子が検出した複数の電気信号に基づいて、タッチ表面のタッチ点の位置を判断するステップと、を備える
ことを特徴とするタッチパネルのタッチ点の定位方法。
【請求項10】
前記第一導電性フィルム及び/又は前記第二導電性フィルムは、カーボンナノチューブフィルムを備える
ことを特徴とする請求項9に記載のタッチパネルのタッチ点の定位方法。
【請求項11】
前記読取した、複数の第二電気信号接触素子が検出した複数の電気信号に基づいて、タッチ表面のタッチ点の位置を判断するステップは、
前記読取した複数の第二電気信号接触素子が検出した複数の電気信号から、タッチ前の波形に比べて、タッチ後の波形の振幅変化が最大である電気信号に対応する前記第二電気信号接触素子の位置座標を探すステップと、
前記読取した第二電気信号接触素子の電気信号のタッチ前の波形及びタッチ後の波形を比較して、波形の振幅変化の最大箇所に対応する第一電気信号接触素子の位置座標を探すステップとを備える
ことを特徴とする請求項9に記載のタッチパネルのタッチ点の定位方法。
【請求項12】
抵抗異方性を有する第一導電性フィルムと、抵抗異方性を有し且つ前記第一導電性フィルムよりタッチ表面に近接する第二導電性フィルムと、前記第一導電性フィルムと前記第二導電性フィルムとの間に設置されている絶縁層と、第一方向に沿う前記第一導電性フィルムの側辺に設置されている複数の第一電気信号接触素子と、第二方向に沿う前記第二導電性フィルムの側辺に設置されている複数の第二電気信号接触素子を備えるタッチパネルに応用されるタッチ点の定位方法は、
前記複数の第二電気信号接触素子に電気信号を入力するステップと、
前記複数の第一電気信号接触素子が検出した複数の電気信号を読取するステップと、
前記読取した複数の第一電気信号接触素子が検出した複数の電気信号に基づいて、タッチ表面のタッチ点の位置を判断するステップと、を備える
ことを特徴とするタッチパネルのタッチ点の定位方法。
【請求項13】
前記第一導電性フィルム及び/又は前記第二導電性フィルムは、カーボンナノチューブフィルムを備える
ことを特徴とする請求項12に記載のタッチパネルのタッチ点の定位方法。
【請求項14】
前記カーボンナノチューブフィルムは、複数のレーザカット線を有する
ことを特徴とする請求項13に記載のタッチパネルのタッチ点の定位方法。
【請求項15】
前記読取された複数の第一電気信号接触素子が検出した複数の電気信号に基づいて、タッチ表面のタッチ点の位置を判断するステップは、
前記読取した電気信号から、波形の振幅の最小箇所に対応する第二電気信号接触素子の位置座標を探すステップと、
前記読取した全ての電気信号から、タッチ前の波形及びタッチ後の波形を比較して、波形の振幅変化が最大である電気信号に対応する第一電気信号接触素子の位置座標を探すステップと、を備える
ことを特徴とする請求項12に記載のタッチパネルのタッチ点の定位方法。
【請求項16】
前記読取した複数の第一電気信号接触素子が検出した複数の電気信号に基づいて、タッチ表面のタッチ点の位置を判断するステップは、
前記読取した電気信号から、波形の振幅の最小箇所に対応する第二電気信号接触素子の位置座標を探すステップと、
前記第一方向に沿って選択された複数のタッチ点にそれぞれ対応する前記検出した電気信号のタッチ前とタッチ後との電気信号の差を計算して格納するステップと、
前記格納された電気信号の差に基づいて、タッチ点の第一方向の位置座標を判断するステップと、を備える
ことを特徴とする請求項12に記載のタッチパネルのタッチ点の定位方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルに関し、特に抵抗異方性を持つ導電性フィルムを有するタッチパネル及びそのタッチ点の定位方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タッチパネル(Touch Panel)或いはタッチスクリーン(Touch Screen)は、だんだん個人情報端末(Personal Digital Assistant、PDA)或いは携帯電話のような携帯式或いは手持式の電子デバイスに広く応用されている。タッチパネルは、抵抗型、コンデンサー型或いは光学型のようなタッチ技術をディスプレイに結合した応用技術である。近年来、液晶ディスプレイ(LCD)の技術の発展に伴って、タッチ技術を液晶ディスプレイに応用し、液晶タッチパネルを開発することは趨勢になっている。
【0003】
従来のコンデンサー型のタッチパネルは、ガラス基板の上表面及び下表面にそれぞれ設置されている透明導電材料からなる2つのパターン層を備える。前記コンデンサー型のタッチパネルは、2つのパターン層によって2次元の座標を確定する。従来のタッチパネルに用いられる透明導電材料としては、一般的にインジウム・スズ酸化物(Indium Tin Oxide、ITO)を採用し、このタッチパネルの製造には、主にリソグラフィー、露出、エッチングなどのような半導体製造技術を応用する。タッチパネルの製造工程においては、何度も複雑なステップを行う必要があるため、タッチパネルの良品率の向上が難しく、製造コスト及び製造時間が浪費される。さらに、製造工程における解像度の制限によって、従来のタッチパネルの制御精密度を向上させることができない。
【0004】
従って、新たなタッチパネル構造及びタッチ点の定位方法を提供して、上述した従来のタッチパネルの欠点を改善する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上の問題点に鑑みて、本発明は、良品率が高く、低コスト及び高精密度のタッチパネル及びそのタッチ点の定位方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るタッチパネルは、第一絶縁基板と、第二絶縁基板と、前記第一絶縁基板と第二絶縁基板との間に設置されている絶縁層と、抵抗異方性を有し且つ前記第一絶縁基板と前記絶縁層との間に設置されている第一導電性フィルムと、抵抗異方性を有し且つ前記絶縁層と前記第二絶縁基板との間に設置されている第二導電性フィルムと、第一方向に沿う前記第一導電性フィルムの側辺に設置されている複数の第一電気信号接触素子と、第二方向に沿う前記第二導電性フィルムの側辺に設置されている複数の第二電気信号接触素子を備え、前記第一導電性フィルムにおいて、前記第二方向に沿う抵抗が他の方向に沿う抵抗より小さく、前記第二導電性フィルムにおいて、前記第一方向に沿う抵抗が他の方向に沿う抵抗より小さい。
【0007】
本発明に係るタッチパネルのタッチ点の定位方法は、抵抗異方性を有する第一導電性フィルムと、抵抗異方性を有し且つ前記第一導電性フィルムよりタッチ表面に近接する第二導電性フィルムと、前記第一導電性フィルムと前記第二導電性フィルムとの間に設置されている絶縁層と、第一方向に沿う前記第一導電性フィルムの側辺に設置されている複数の第一電気信号接触素子と、第二方向に沿う前記第二導電性フィルムの側辺に設置されている複数の第二電気信号接触素子と、を備えるタッチパネルに応用され、前記複数の第一電気信号接触素子に電気信号を入力するステップと、前記複数の第二電気信号接触素子が検出した複数の電気信号を読取するステップと、前記読取した複数の第二電気信号接触素子が検出した複数の電気信号に基づいて、タッチ表面のタッチ点の位置を判断するステップと、を備える。
【0008】
本発明に係るタッチパネルのタッチ点の定位方法は、抵抗異方性を有する第一導電性フィルムと、抵抗異方性を有し且つ前記第一導電性フィルムよりタッチ表面に近接する第二導電性フィルムと、前記第一導電性フィルムと前記第二導電性フィルムとの間に設置されている絶縁層と、第一方向に沿う前記第一導電性フィルムの側辺に設置されている複数の第一電気信号接触素子と、第二方向に沿う前記第二導電性フィルムの側辺に設置されている複数の第二電気信号接触素子を備えるタッチパネルに応用され、前記複数の第二電気信号接触素子に電気信号を入力するステップと、前記複数の第一電気信号接触素子が検出した複数の電気信号を読取するステップと、前記読取した複数の第一電気信号接触素子が検出した複数の電気信号に基づいて、タッチ表面のタッチ点の位置を判断するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
従来の技術と比べると、本発明は、抵抗異方性を有する導電性フィルムで従来のITOフィルムを代えてタッチパネル(例えば、コンデンサー型タッチパネル)を製造することによって、製造コストを低下し、且つ製造工程を簡略化し、タッチパネルのタッチ点の位置決定においても位置決定の正確度を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】本発明に係る実施形態タッチパネルの分解図である。
図1B図1に示したタッチパネルの断面図である。
図1C】タッチパネルのタッチ点に形成される電気容量を示す図である。
図2A】本発明の第一実施形態に係るタッチパネルのタッチ点の定位システムを示す図である。
図2B図2Aに示した第一導電性フィルムと第二導電性フィルムとの組合せ図である。
図2C図2Bに示した任意の検出電気信号接触素子がタッチ点で検出した電気信号の波形図である。
図2D図2Bに示したタッチパネルがタッチされなたった時、特定の駆動電気信号接触素子によって入力されるパルス電気信号に対応するある検出電気信号接触素子が読取した電気信号の波形の拡大図である。
図2E図2Bに示したタッチパネルをタッチした時、特定の駆動電気信号接触素子によって入力したパルス信号に対応するある検出電気信号接触素子のタッチ前及びタッチ後の電気信号の波形の比較図である。
図3A】本発明の第二実施形態に係る実施形態タッチパネルのタッチ点の定位システムを示す図である。
図3B図3Aに示した第一導電性フィルムと第二導電性フィルムとの合併図である。
図3C図3Bに任意の検出電気信号接触素子がタッチ点で検出した電気信号の波形図である。
図3D図3Bに示したタッチパネルがタッチされなたった時、特定の駆動電気信号接触素子によって入力されるパルス電気信号に対応するある検出電気信号接触素子が読取した電気信号の波形の拡大図である。
図3E図3Bに示したタッチパネルをタッチした時、特定の駆動電気信号接触素子によって入力したパルス信号に対応するある検出電気信号接触素子のタッチ前及びタッチ後の電気信号の波形の比較図である。
図4A】本発明に係る実施形態タッチパネルのタッチ点の定位方法のフローチャートである。
図4B図2Bに示した定位システムのタッチ点の位置座標を判断するフローチャートである。
図4C図3Bに示した定位システムのタッチ点の位置座標を判断するフローチャートである。
図4D図3Bに示した定位システムのタッチ点の位置座標を判断する別の実施形態のフローチャートである。
図5A】番号が13に対応する駆動電気信号接触素子のX軸における複数のタッチ点を示す図である。
図5B】番号が13に対応する駆動電気信号接触素子のX軸おける複数のタッチ点の電気信号の差値による曲線図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0012】
図1Aは、本発明に係るタッチパネル1の構造の分解図であり、図1Bは、図1Aに示したタッチパネル1の断面図である。本実施形態において、タッチパネル1は、図における下から上に第一絶縁基板11、第一導電性フィルム12、絶縁層13、第二導電性フィルム14、第二絶縁基板15を順次に備える。本実施形態において、「上」及び「下」は相対的な方向を示す。即ち、「上」は、タッチパネルのタッチ表面に近接する方向を表示し、「下」は、タッチパネルのタッチ表面に遠ざかる方向を表示する。前記第二導電性フィルム14は、前記第一導電性フィルム12よりタッチパネルのタッチ表面に近接する。
【0013】
本実施形態において、前記第一絶縁基板11を下部基板とし、前記第二絶縁基板15を上部基板とする。前記絶縁層13は、前記第一絶縁基板11と前記第二絶縁基板15との間に位置する。前記第一導電性フィルム12は、前記第一絶縁基板11と前記絶縁層13との間に位置し、前記第二導電性フィルム14は、前記絶縁層13と前記第二絶縁基板15との間に位置する。しかし、需要に従って、各層の間に他の層を設置することができる。
【0014】
前記第一導電性フィルム12の側辺に、第一方向(例えば、X軸方向あるいは横軸方向)に沿って複数の第一電気信号接触素子120が設置され、前記第二導電性フィルム14の側辺に第一方向に直交する第二方向(例えば、Y軸方向あるいは縦軸方向)に沿って複数の第二電気信号接触素子140が設置される。他の実施形態において、前記第一方向と前記第二方向とが直交しなくても良い。
【0015】
前記第一絶縁基板11或いは前記第二絶縁基板15の材料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリイミド(PI)、ポリエチレン(PE)及びそれらの合成物のいずれか一種である。前記絶縁層13の材料は、ガラスや高分子材料であるが、これに限定されない。前記第一電気信号接触素子120及び前記第二電気信号接触素子140の材料は、金属のような導電体である。前記第一導電性フィルム12及び前記第二導電性フィルム14は、一般的にカーボンナノチューブフィルム(CNT)やエッチング或いはレーザカット処理を実施するCNTフィルムのような抵抗異方性を有する導電性フィルムである。前記CNTフィルムには、レーザカット処理を実施した場合、複数のレーザカット線を有し、このような処理は、前記CNTフィルムの固有の抵抗異方性に影響を与えない。本実施形態において、前記第一導電性フィルム12及び前記第二導電性フィルム14は、エッチング或いはレーザカット処理が実施されないCNTフィルムを採用し、前記第一導電性フィルム12及び前記第二導電性フィルム14は、化学蒸着(CVD)のような方法を採用することで、石英やウエハー又は他の素材の基板にカーボンナノチューブを成長させてから、引張技術を採用して一本一本のカーボンナノチューブを引張して形成する。これらのカーボンナノチューブ同士は、ファンデルワールス(Van Der Waals)力によって端部と端部が互いに連接して、一定の方向性を有するようにほぼ平行配列される導電線状構造を形成する。前記カーボンナノチューブフィルムは、引張方向で最小の抵抗を有し、引張方向に直交する方向で最大の抵抗を有する。従って、前記カーボンナノチューブフィルムは、抵抗異方性を有する。
【0016】
図1Cは、タッチパネル1のタッチ点に形成された電気容量を示す図である。図1Cにおいて、前記第一導電性フィルム12及び前記第二導電性フィルム14の間に第一電気容量C1が形成され、前記第二導電性フィルム14とタッチペン又は指のようなタッチ部材16との間に第二電気容量C2が形成される。タッチ部材16が異なる位置をタッチする時、第二電気容量C2の値及び第一電気容量C1の値が異なる。従って、前記タッチパネル1は、コンデンサー型のタッチパネルを形成する。
【0017】
図2Aは、本発明の第一実施形態に係るタッチパネルのタッチ点の定位システム2Aを示す図である。図2Aにおいて、前記第一導電性フィルム12の第二方向(例えば、Y軸方向あるいは縦軸方向)に沿う抵抗は、他の方向に沿う抵抗より小さく、前記第二導電性フィルム14の第一方向(例えば、X軸方向あるいは横軸方向)に沿う抵抗は、他の方向に沿う抵抗より小さい。前記各第一電気信号接触素子120は、導線を介して電気信号入力回路或いは駆動(Driving)回路17にそれぞれ接続され、前記電気信号入力回路或いは駆動回路17は、同様なパルス波形或いは他の波形の電気信号を各第一電気信号接触素子120に順番に又は同時に入力する。各第二電気信号接触素子140は、導線を介して電気信号読取回路或いは検出(Sensing)回路18にそれぞれ接続され、前記電気信号読取回路或いは検出回路18は、各第二電気信号接触素子140の検出電気信号を読取る。つまり、前記第一電気信号接触素子120を駆動電気信号接触素子とし、前記第二電気信号接触素子140を検出電気信号接触素子とする。前記駆動回路17及び前記検出回路18は、コントローラ19によって制御される。
【0018】
図2Bは、図2Aに示した第一導電性フィルム12と第二導電性フィルム14との組合せ図である。図2A及び図2Bにおいては、番号がそれぞれ3、8、13、18、23,28、33,38,43、48である10個の第一電気信号接触素子120及び番号がそれぞれ3,8,13,18,23,28,33,38,43,48,53,58,63である13個の第二電気信号接触素子140が示されている。図2A及び図2Bに示したタッチパネルのタッチ点の定位システム2Aにおいて、タッチ部材16がタッチパネル1をタッチする時、形成された第一電気容量C1及び第二電気容量C2は、すべての第二電気信号接触素子140の検出電気信号に特定の特徴を有するようにする。従って、前記タッチパネル1のタッチ表面のタッチ点の位置座標(X軸或いは横軸座標及びY軸或いは縦軸座標)を判断することができる。
【0019】
図3Aは、本発明に係る第二実施形態のタッチパネルのタッチ点の定位システム2Bを示す図である。図2Aと同様に、前記第一導電性フィルム12の第二方向(例えば、Y軸方向あるいは縦軸方向)に沿う抵抗は、他の方向に沿う抵抗より小さく、前記第二導電性フィルム14の第一方向(例えば、X軸方向あるいは横軸方向)に沿う抵抗は、他の方向に沿う抵抗より小さい。図2Aと異なることは、各第二電気信号接触素子140は、導線を介して電気信号入力回路或いは駆動回路17にそれぞれ接続され、前記電気信号入力回路或いは駆動回路17は、同様なパルス波形或いは他の波形の電気信号を各第二電気信号接触素子140に順番に又は同時に入力し、各第一電気信号接触素子120は、導線を介して電気信号読取回路或いは検出回路18にそれぞれ接続され、前記電気信号読取回路或いは検出回路18は、各第一電気信号接触素子120の検出電気信号を読取する。つまり、前記第二電気信号接触素子140を駆動電気信号接触素子とし、前記第一電気信号接触素子120を検出電気信号接触素子とする。前記駆動回路17及び前記検出回路18は、コントローラ19によって制御される。
【0020】
図3Bは、図3Aに示した第一導電性フィルム12と第二導電性フィルム14との合併図である。図3A及び図3Bにおいては、番号がそれぞれ3、8、13、18、23,28、33,38,43、48である10個の第一電気信号接触素子120及び番号がそれぞれ3,8,13,18,23,28,33,38,43,48,53,58,63である13個の第二電気信号接触素子140が示されている。図3A及び図3Bに示したタッチパネルのタッチ点の定位システム2Bにおいて、タッチ部材16によって前記タッチパネル1をタッチする時、形成された第一電気容量C1及び第二電気容量C2は、すべての第一電気信号接触素子120の検出電気信号に特定の特徴を有するようにする。従って、前記タッチパネル1のタッチ表面のタッチ点の位置座標(X軸或いは横軸座標及びY軸或いは縦軸座標)を判断することができる。
【0021】
図4Aは、本発明の第一実施形態に係るタッチパネルのタッチ点の定位方法のフローチャートである。まず、ステップ31では、前記駆動回路17によって同様なパルス波形或いは他の波形の電気信号を各駆動電気信号接触素子に順番に又は同時に入力する。前記駆動電気信号接触素子は、図2Bに示した第一電気信号接触素子120或いは図3Bに示した第二電気信号接触素子140である。次に、ステップ32では、前記検出回路18によって各検出電気信号接触素子の検出電気信号を読取する。前記検出電気信号接触素子は、図2Bに示した第二電気信号接触素子140或いは図3Bに示した第一電気信号接触素子120である。最後、ステップ33では、コントローラ19を利用して、読取した電気信号に基づいて前記タッチパネル1のタッチ表面のタッチ点の位置を判断する。
【0022】
図2Bに示したタッチパネルのタッチ点の定位システム2Aについて言えば、前記第一導電性フィルム12は下部導電性フィルムであり、前記第二導電性フィルム14は上部導電性フィルムである。即ち、前記タッチパネルのタッチ点の定位システム2Aは、下部導電性フィルムを駆動し、且つ上部導電性フィルムを検出する。この場合において、タッチ点の位置を判断するステップ33は、図4Bに示したステップ331A及び332Aを備える。ステップ331Aでは、読取した全ての電気信号から、タッチ後の波形とタッチ前の波形と比較して振幅の変化が最大の電気信号に対応する検出電気信号接触素子の位置座標(例えば、番号が13である第二電気信号接触素子140の位置座標)を探して、タッチ点の第二方向(Y軸或いは縦軸)の座標を獲得する。ステップ332Aでは、読取した検出電気信号接触素子(例えば、番号が13である第二電気信号接触素子140)の電気信号のタッチ前の波形及びタッチ後の波形(例えば、図2Cに示したように)を比較し、波形の振幅変化の最大箇所に対応する駆動電気信号接触素子或いは第一電気信号接触素子120の位置座標を探して、タッチ点の第一方向(X軸或いは横軸)の位置座標を獲得する。
【0023】
各第一電気信号接触素子120が受信された電気信号はパルス波形である時、タッチパネルをタッチする場合、各第二電気信号接触素子140が読取した検出電気信号は、図2Cに示した波形を有し、その中で、左から右までの各波形区間は、番号が3〜48である10個の第一電気信号接触素子120が入力したパルス信号によって形成された結果である。その中で、前記第二電気信号接触素子140に近接し且つ番号が48である第一電気信号接触素子120が入力したパルス信号によって形成された検出電気信号の波形の振幅は最大である。図2Dは、タッチパネルがタッチされなかった時、特定の駆動電気信号接触素子(第一電気信号接触素子120)によって入力されたパルス信号に対応するある検出電気信号接触素子(第二電気信号接触素子140)が読取した電気信号の波形20Aの拡大図である。図2Eは、タッチパネルをタッチした時、前記特定の駆動電気信号接触素子(第一電気信号接触素子120)によって入力されたパルス信号によるタッチ点に対応する検出電気信号接触素子(第二電気信号接触素子140、例えば、番号が13である第二電気信号接触素子)が読取した電気信号の波形21Aの拡大図である。
【0024】
タッチ部材16が図2Bに示したタッチ点をタッチした時、図2Eに示したように、タッチ点に対応する番号が13である検出電気信号接触素子(第二電気信号接触素子140)が読取した電気信号の波形21Aが、同じ接触素子がタッチされなかった時に読取した電気信号の波形20Aと比べて、波形の変化が最大である。このように、ステップ331Aによってタッチ点の第二方向(Y軸あるいは縦軸)の位置座標を獲得される。ステップ332Aによってタッチ点の第一方向(X軸あるいは横軸)の位置座標を獲得される。
【0025】
図3Bに示したタッチパネルのタッチ点の定位システム2Bについて言えば、前記第一導電性フィルム12は下部導電性フィルムであり、前記第二導電性フィルム14は上部導電性フィルムである。即ち、前記タッチパネルのタッチ点の定位システム2Bは、上部導電性フィルムを駆動し、且つ下部導電性フィルムを検出する。この場合において、タッチ点の位置を判断するステップ33は、図4Cに示したステップ331B及び332Bを備える。ステップ331Bでは、読取した電気信号から、波形の振幅変化の最小箇所に対応する駆動電気信号接触素子(第二電気信号接触素子140)の位置座標を探して、タッチ点の第二方向(Y軸或いは縦軸)の位置座標を獲得する。ステップ332Bでは、タッチ点の第一方向(X軸或いは横軸)の位置座標を獲得する。
【0026】
各駆動電気信号接触素子(第二電気信号接触素子140)が受信された電気信号がパルス波形である時、タッチパネルをタッチする場合、各検出電気信号接触素子(第一電気信号接触素子120)が読取した電気信号は、図3Cに示すような波形を有し、その中で、左から右までの各波形区間は、番号が3〜63である13個の第二電気信号接触素子140が入力したパルス信号によって形成された結果である。前記検出電気信号接触素子(第一電気信号接触素子120)に近接する番号が63である駆動電気信号接触素子(第二電気信号接触素子140)によって入力されたパルス信号によって形成した検出電気信号の波形の振幅は最大である。図3Dは、タッチパネルがタッチされなかった時、特定の駆動電気信号接触素子(第二電気信号接触素子140)によって入力されたパルス信号に対応するある検出電気信号接触素子(第一電気信号接触素子120)が読取した電気信号の波形20Bの拡大図である。図3Eは、タッチパネルをタッチした時、前記特定の駆動電気信号接触素子或いは第二電気信号接触素子140によって入力されたパルス信号に対応するタッチ点に対応する検出電気信号接触素子(第一電気信号接触素子120、例えば、番号が13である第一電気信号接触素子)が読取した電気信号の波形21Bの拡大図である。
【0027】
タッチ部材16が図3Bに示したタッチ点をタッチした時、図3Eに示したように、タッチ点に対応する番号が13である第一電気信号接触素子120の読取した電気信号の波形21Bが、同じ電気信号接触素子120の読取した電気信号の波形20Bと比べて、波形の変化が最大である。しかし、タッチした時の波形21Bは、タッチされなかった時の波形20BよりRC遅延の影響を容易に受けて、応答が精確でないため、これをタッチ点の第一方向(X軸あるいは横軸の)位置座標とすることができない。図3Cに示したように、各検出電気信号接触素子(第一電気信号接触素子120)が読取した電気信号において、番号が13である駆動電気信号接触素子(第二電気信号接触素子140)によって入力されたパルス信号によって形成された波形の振幅は最小であるから、これに基づいて第二方向(Y軸あるいは縦軸)の位置座標を判断することができる。
【0028】
従って、ステップ331Bのように、読取した電気信号から、図3Cに示した波形の振幅変化の最小箇所に対応する駆動電気信号接触素子の位置座標を探して、タッチ点の第二方向(Y軸或いは縦軸)の位置座標を獲得する。タッチ点の第一方向(X軸或いは横軸)の位置座標の判断は、ステップ332Bのように、ステップ331Bで獲得した駆動電気信号接触素子に対応するの複数の電気信号の波形を比較して、タッチ前の波形及びタッチ後の波形において、振幅変化が最大である電気信号に対応する検出電気信号接触素子(例えば、番号が13である第一電気信号接触素子120)の位置座標を探して、タッチ点の第一方向(X軸或いは横軸)の位置座標を獲得する。
【0029】
しかし、前記ステップ332Bにおいて、隣接する検出電気信号接触素子或いは第一電気信号接触素子120の読取した電気信号は、同じ駆動電気信号接触素子(例えば、番号が13である第二電気信号接触素子140)によって入力されたパルス信号によって形成されるため、タッチ前とタッチ後との波形の振幅変化が近似している。従って、第一方向(X軸或いは横軸)の位置を誤判しやすい。図4Dは、別の実施形態の位置座標を判断するステップ33を示す。この実施形態において、第二方向(Y軸あるいは縦軸)の位置座標を判断するステップ331Cは、ステップ331Bに対応する。前記同じ例に基づいて、第二方向(Y軸あるいは縦軸)の位置座標は、番号が13である第二電気信号接触素子140の位置の座標である。次に、ステップ332Cでは、獲得した第二方向(Y軸あるいは縦軸)に対応する第一方向(X軸或いは横軸)で複数のタッチ点を選択する。図5Aに示したように、これらのタッチ点のX軸座標は、番号が3,8,13,28及び43である第一電気信号接触素子120の位置座標である。次に、ステップ333Cでは、これらのタッチ点にそれぞれ対応する検出電気信号接触素子(第一電気信号接触素子120)が検出した電気信号のタッチ前とタッチ後との電気信号の差を計算してシステムに格納する。前記電気信号の差の単位はミリボルト(mv)である。最後に、ステップ334Cで、格納した電気信号の差及び未知位置のタッチ点の電気信号の差によって、未知位置のタッチ点のX軸座標を獲得する。
【0030】
下記の表1は、実際の数値の例を示す。その中で、第一方向(X軸或いは横軸)の座標及び第二方向(Y軸あるいは縦軸)の座標は、検出電気信号接触素子(第一電気信号接触素子120)番号及び駆動電気信号接触素子或いは第二電気信号接触素子140の番号でそれぞれ示される。
【0031】
【表1】
【0032】
表1に示したデータによって、図5Bに示したような曲線図を得ることができる。前記曲線図の縦軸は、検出電気信号接触素子が読取した電気信号のタッチ前とタッチ後との電気信号の差を示し、前記曲線図の横軸は、第一方向(X軸或いは横軸)の座標を示す。前記表1及び図5Bのデータは、あらかじめ格納することができ、または、タッチパネルを使用する前、使用者のタッチによって生成することもできる。ステップ331Cによって第二方向(Y軸あるいは縦軸)の位置座標を獲得した後、ステップ334Cを実施して、電気信号の差によって前記表1及び図5Bから対応する第一方向(X軸或いは横軸)の位置座標を探して獲得する。
【0033】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形又は修正が可能であり、該変形又は修正も又、本発明の特許請求の範囲内に含まれるものであることは、いうまでもない。
【符号の説明】
【0034】
1 タッチパネル
11 第一絶縁基板
12 第一導電性フィルム
13 絶縁層
14 第二導電性フィルム
15 第二絶縁基板
16 タッチ部材
17 駆動回路
18 検出回路
19 コントローラ
120 第一電気信号接触素子
140 第二電気信号接触素子
2A、2B タッチ点の定位システム
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B