(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態(以下、実施形態という)について詳細に説明する。
【0017】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る発光装置10の構成を示す斜視図である。発光装置10は、発光モジュール12、放熱基板ユニット13、ハウジング16、制御回路部30、およびコネクタ32を有する。発光モジュール12は光源として機能するものであり、複数の半導体発光素子20と、実装基板22とを有する。複数の半導体発光素子20は、実装基板22の上面に一列に並ぶよう配置されている。コネクタ32は、樹脂によりハウジング16に一体成形されている。なお、コネクタ32は、接着や機械的締結によってハウジング16に固着されてもよい。
【0018】
図2は、第1の実施形態に係る発光装置10の構成を示す断面図である。
図2は、複数の半導体発光素子20の発光面20aの中央の点Pを含み、且つ複数の半導体発光素子20の並び方向と垂直な鉛直面Qによる発光装置10の断面を、
図1の視点Aから見た状態を示している。
【0019】
放熱基板ユニット13は、支持部材14(第2支持部材)および放熱基板15(第1支持部材)を有する。放熱基板15は、板状に形成されている。支持部材14はブロック状に形成されており、放熱基板15の上面15aに固定されている。発光モジュール12は、この支持部材14の上面に固定されている。したがって放熱基板ユニット13は、半導体発光素子20を支持する支持部材として機能する。
【0020】
制御回路部30は、光源である半導体発光素子20の点灯を制御する制御ユニットとして機能する。制御回路部30は、一枚の基板を有し、放熱基板15の上面15aに取り付けられている。したがって放熱基板15は、制御回路部30を支持する支持部として機能する。このように制御回路部30を一枚の基板に構成することで、制御回路部30の高さを抑制することができる。なお、制御回路部30が複数枚の基板を有していてもよい。
【0021】
支持部材14と放熱基板15とは別体に形成され、3W/mK以上の熱伝導率を有する接着剤を介して互いに固定される。この接着剤は、支持部材14と放熱基板15の間に充填される充填材して機能する。なお、支持部材14と放熱基板15とはネジや圧入、かしめなどの機械的締結によって結合されてもよい。このとき支持部材14と放熱基板15との間に、3W/mK以上の熱伝導率を有するシリコングリスなどの充填材が充填されてもよい。また、ハンダなどの金属接合材によって支持部材14と放熱基板15とが接合されてもよい。この場合も、金属接合材は支持部材14と放熱基板15の間に充填される充填材して機能する。こうして放熱基板18は、各々が発する熱を回収するよう複数の半導体発光素子20および制御回路部30を支持する。
【0022】
これにより、発光装置10のサイズを抑制しつつ半導体発光素子20および制御回路部30の双方から発せられる熱を効率的に回収することができる。さらに、半導体発光素子20と制御回路部30とが一つのユニット化されているため、これらが別々に構成されている場合に比べ、灯具への組付性を向上させることができる。
【0023】
例えば制御回路部30が半導体発光素子20の発光面20aよりも高さが高く構成されている場合であっても、制御回路部30と半導体発光素子20の間にリフレクタの下面を配置して灯具を構成することも可能である。しかしながら、例えば小型の灯具では、制御回路部30の高さが高いとリフレクタなどの光学部材を適切に配置できなくなる可能性がある。
【0024】
このため、第1の実施形態に係る発光装置10では、放熱基板ユニット13は、半導体発光素子20の発光部である発光面20aが制御回路部30よりも発光面20aの主光軸方向に突出するよう発光モジュール12を支持する。具体的には、放熱基板15の上面15aを基準として、制御回路部30の高さH2よりも半導体発光素子20の発光面20aの高さH1の方が高くなるよう、支持部材14は発光モジュール12を上方に持ち上げて支持する。これにより、半導体発光素子20周辺における部材の配置に対する自由度を高めることができ、様々な灯具にも発光装置10を搭載することが可能となる。なお、第1の実施形態において「主光軸」とは、半導体発光素子20の発光面20aからの光の強度が最も高い方向をいい、発光面20aが平面状の場合は発光面20aの鉛直上方となる。なお、放熱基板ユニット13は、半導体発光素子20を支持する実装基板22の上面22aが制御回路部30よりも発光面20aの主光軸方向に突出するよう発光モジュール12を支持してもよい。これにより、半導体発光素子20の側面も発光部として機能する場合においても、半導体発光素子20周辺における部材の配置に対する自由度を高めることができる。
【0025】
なお、支持部材14と放熱基板15とは、同一部材により一体的に形成されていてもよい。この場合、支持部材14は、放熱基板15と同じアルミニウムなどの放熱性材料を用いて、例えばダイキャストなどによって一体的に形成される。これにより、支持部材14と放熱基板15とを固着させるための工数を削減することができる。
【0026】
図3は、第1の実施形態に係る発光装置10の構成を示す断面図である。
図3は、点Pを含み、且つ複数の半導体発光素子20の並び方向と平行な鉛直面Rによる発光装置10の断面を、
図1の視点Bから見た状態を示している。
【0027】
発光モジュール12は、半導体発光素子20、実装基板22、およびメッキ層24を有する。半導体発光素子20の各々には、LEDが採用される。LEDは、青色LEDでもよく、紫外線LEDでもよく、また他の色の光を発光するLEDであってもよい。半導体発光素子20の各々は、1mm角の正方形状に形成される。なお、半導体発光素子20の各々は、例えば0.3mm角など他のサイズの正方形に形成されてもよく、正方形以外の矩形に形成されてもよい。また、半導体発光素子20として、LEDに代えて例えばレーザダイオードなど略点状に面発光する他の素子状の半導体発光素子が採用されてもよい。
【0028】
実装基板22は、アルミナ、AlN、またはSiの単一部材によって形成される。実装基板22は板状に形成される。導電層であるメッキ層24は、実装基板22に半導体発光素子20が実装されたとき半導体発光素子20に導通するよう実装基板22の表面上に設けられている。なお、メッキ層24に代えて、導電性材料を上面22aの表面に蒸着させて導電層を形成してもよい。また、メッキ層24に代えて、導電性材料によって形成された板状部材を折り曲げて実装基板22の表面に固着させてもよい。
【0029】
実装基板22の上面22aには、複数の半導体発光素子20が直線状に並ぶよう実装される。このとき複数の半導体発光素子20の各々は、主光軸方向、すなわち発光面20aに垂直な方向が上方向となるよう実装基板22に実装される。第1の実施形態では、単一の実装基板22に4つの半導体発光素子20が実装されるが、実装数が4に限られないことは勿論であり、1または4以外の複数であってもよい。また、複数の半導体発光素子20は、平面的に分散して配置されるよう実装基板22に実装されてもよい。
【0030】
半導体発光素子20の各々は、いわゆるフリップチップタイプのものが採用されている。半導体発光素子20の各々は、Auバンプ(図示せず)を介してメッキ層24に接続され、実装基板22に実装される。なお、半導体発光素子20の各々はフリップチップタイプに限られず、例えば垂直チップタイプ、またはフェイスアップタイプのものが採用されてもよい。この場合、半導体発光素子20は、素子上部から実装基板22のメッキ層24に導電性ワイヤなどの導電性部材によって接続される。
【0031】
このように、第1の実施形態では、いわゆるサブマウント基板を介することなく、半導体発光素子20が実装基板22に直接実装される。これにより、サブマウント基板と実装基板とを固着させる工程を削減することができる。
【0032】
支持部材14は、実装基板22を支持する。このように実装基板22を支持部材14に取り付けることによって、例えば半導体発光素子20をAlNなどによって形成されたサブマウント基板を介して、同じくAlNなどによって形成された実装基板に取り付ける場合などに比べ、放熱性を向上させることができる。なお、支持部材14は、実装基板22よりも面積が大きくなるよう設けられている。これにより、一般的に高価な実装基板22を小さくしつつ、放熱性の低下を抑制することができる。
【0033】
支持部材14は、上面14aに、実装基板22の上面22aの背向面である下面22dが当接して固定されており、これにより実装基板22を支持している。支持部材14は、銅などの金属の中でも放熱性が比較的高い材料によって形成される。したがって、支持部材14は放熱部材として機能する。
【0034】
第1の実施形態では、支持部材14は、銅(Cu)によって形成される。なお、支持部材14が銅合金によって形成されてもよい。実装基板22は、熱伝導率が3W/m・K以上の材料からなる接着剤によって支持部材14に接合される。これにより、放熱性能を確保しながら長期における信頼性を向上させることができる。なお、支持部材14と実装基板22との間に、3W/mK以上の熱伝導率を有するシリコングリスなどの充填材が充填されてもよい。
【0035】
支持部材14は、Cuより熱膨張率、すなわち線膨張係数の低い金属およびCuからなる複合材料により形成されてもよい。具体的には、支持部材14は、CuとMoとを積層させたクラッド材により形成されている。以下、このクラッド材を「CMC(Cu/Mo/Cu)」という。CMCは、Cu板とMo板とをホットプレスにより拡散接合させることにより形成される。Moは、Cuよりも低い線膨張係数を有する。このようなクラッド材を支持部材14の材料として採用することによって、Cuと同等のレベルの熱伝導率を達成しつつ、熱膨張率、すなわち線膨張係数をCuより小さくすることが可能となる。このため、実装基板22との線膨張係数の差を抑制することができ、支持部材14および実装基板22の両者の間に生じる熱応力に起因する支持部材14または実装基板22へのクラックの発生を抑制することができる。
【0036】
このような複合材料によって支持部材14が形成される場合、実装基板22は、融点が450℃以下の金属接合材料であるはんだによって支持部材14に接合される。このような接合材料は実装基板22と支持部材14との間の熱膨張係数の差が小さいため、高い放熱性を確保しつつ熱応力に起因するクラックの発生を抑制することができる。なおこの場合も、実装基板22は熱伝導率が3W/m・K以上の材料からなる接着剤によって支持部材14に接合されてもよい。
【0037】
支持部材14の材質はCMCに限られず、例えばMoを粉末形成したものにCuを含浸させたCu−Mo粉末複合材料が採用されてもよい。また、このCu−Mo粉末複合材料をCu板で挟んだ特殊クラッド材が採用されてもよい。この特殊クラッド材は、Cu−Mo粉末複合材料をCu板で挟み、熱間圧延させることにより形成される。また、Cuよりも線膨張係数が低いインバー(Invar)金属をCu板で挟んだクラッド材が採用されてもよい。なおインバー金属は、NiとFeからなる合金である。
【0038】
図4(a)は、第1の実施形態に係る発光モジュール12の上面図であり、
図4(b)は、第1の実施形態に係る発光モジュール12の正面図である。理解し易いよう、メッキ層24にはハッチングを施して図示している。
【0039】
実装基板22は、段差面22bを有する。段差面22bは、上面22aより下方且つ上面22aと平行となるよう設けられる。メッキ層24は、給電部24aおよび素子接続部24bを有する。給電部24aおよび素子接続部24bは、実装基板22の表面上に互いに離間して配置される。給電部24aは、実装基板22の表面のうち半導体発光素子20が実装される上面22aよりも下方の段差面22bにおいて半導体発光素子20への給電を可能とするよう、上面22aから側面22cを経て段差面22bに延在する。これによって、上面22aより下方において給電部24aにAuワイヤ28をボンディングすることが可能となる。給電部24aは2つ設けられ、一列に並設される複数の半導体発光素子20の端に配置される2つの半導体発光素子20にそれぞれが導通するよう配置されている。
【0040】
素子接続部24bは、上面22aに実装された複数の半導体発光素子20の間を接続することで互いに直列に接続させるよう上面22a上に設けられている。第1の実施形態では半導体発光素子20は4つ設けられることから、素子接続部24bは4つの半導体発光素子20の間隔部の数である3つ設けられる。こうして、2つの給電部24aの間で電流を供給することにより、複数の半導体発光素子20のすべてに電力を供給することができる。
【0041】
半導体発光素子20への給電ルートの形成方法として、上面22a上に半導体発光素子20に導通する電極を設け、段差面22bに銅などの導電性部材を上面22a上の電極とは別に設ける方法も考えられる。しかしながら、この方法では、実装基板22の上面22aの電極と段差面22b上の導電性部材とをAuワイヤなどの線状の導電部材またはアルミリボンなどの帯状の導電部材で接続する必要が生じる。したがって、導電部材を取り付ける工程が別途必要となるばかりでなく、発光面20aより上方に突出させないよう導電部材を取り付けることは容易ではない。
【0042】
このため第1の実施形態では、給電部24aと素子接続部24bとは、メッキ処理によって実装基板22の表面上に同時に固着される。これにより、メッキ層24を設ける工程とは別にメッキ層24と他の導電部材とを接続するためのAuワイヤをボンディングするなどの工程を削減することができ、発光モジュール12の製造工程を簡易にすることができる。
【0043】
段差面22bに代えて、実装基板22の表面のうち上面22aよりも下方の他の面に給電部24aが延在するよう設けられてもよい。このように上面22aよりも下方の面において半導体発光素子20への給電を可能とするよう、上面22aから当該下方の面に延在する給電部24aを設けることにより、Auワイヤなどの導電部材を取り付けることなく、上面22aよりも下方において半導体発光素子20への給電が可能となる。このため、発光モジュール12の製造工程を簡略化できるとともに、半導体発光素子20が発する光によって形成される配光へ導電部材が影響することを回避できる。
【0044】
例えば段差面22bに代えて、上面22aから下方に向けて傾斜する傾斜面が設けられていてもよい。給電部24aは、上面22aからこの傾斜面に延在するよう設けられていてもよい。また、段差面22bに代えて、上面22aから下方に凹む溝部が設けられてもよく、給電部24aは、上面22aからこの溝部の底部に延在するように設けられていてもよい。これらによっても、上面22aより下方において給電部24aにAuワイヤ28をボンディングすることが可能となる。
【0045】
図3に戻る。ハウジング16は、樹脂によって形成される。なお、ハウジング16の材質が樹脂に限られないことは勿論であり、他の絶縁材料によって形成されていてもよい。ハウジング16は開口部16bを有しており、この開口部16bに支持部材14の側面14bが嵌め合わされ、両者が互いに固定される。
【0046】
ハウジング16は、上面と平行且つ上面より下方に設けられた段差面16aを有する。ハウジング16の段差面16aは実装基板22の段差面22bと略同一の高さとなっている。なお、段差面16aと段差面22bとが違う高さであってもよい。段差面16a上には、薄い板状の導電性部材26が設けられる。導電性部材26は銅により形成されているが、他の導電性材料によって形成されてもよい。
【0047】
導電性部材26は、メッキ層24と離間して配置される。導通部材であるAuワイヤ28は、メッキ層24と導電性部材26とを互いに導通させるようメッキ層24と導電性部材26との双方に接続される。こうして、導電性部材26から、Auワイヤ28、メッキ層24を介して、複数の半導体発光素子20に発光のための電力供給が可能となっている。
【0048】
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態に係る発光モジュール80の構成を示す図である。
図5は、
図3と同様に
図1における鉛直平面Rによる断面を示しているが、放熱基板15の図示は省略している。以下、上述の実施形態と同様の個所については同一の符号を付して説明を省略する。
【0049】
発光モジュール80は、発光モジュール12、支持部材82(第2支持部材)、およびハウジング84を備える。支持部材82は、実装基板22と当接する上面82aに背向する下面82bが、上面82aよりも面積が大きくなるよう形成されている。
【0050】
具体的には、支持部材82は、上面82a近傍の側面82cよりも外側に突出する拡大部82dが下面82bの近傍に設けられている。これにより、下面82bの面積は上面82aの面積より大きくなっている。このため、ハウジング84には、この拡大部82dを収容するための凹部84bが設けられている。この点以外は、ハウジング84は上述のハウジング16と同様に形成される。したがって、ハウジング84は、上面と平行且つ上面より下方に設けられた段差面84aを有し、この段差面84a上に導電性部材26が設けられる。このように下面82bの面積を大きくすることにより、下面82bからより多くの熱を放出させることが可能となる。
【0051】
(第3の実施形態)
図6は、第3の実施形態に係る発光装置100の構成を示す図である。
図6は、
図3と同様に
図1における鉛直平面Rによる断面を示しているが、放熱基板15の図示は省略している。以下、上述の実施形態と同様の個所については同一の符号を付して説明を省略する。
【0052】
発光装置100は、発光モジュール12、支持部材82、およびハウジング84によって形成される溝部に封止部材102が設けられる以外は、第2の実施形態に係る発光モジュール80と同様に構成される。
【0053】
封止部材102は樹脂材料を溝部に充填して固化させたものであり、溝部にあるAuワイヤ28の全体を外気から封止する。これにより、Auワイヤ28を外部からの衝撃から保護してAuワイヤ28の接続信頼性を高めることができるとともに、Auワイヤ28による配光への影響を抑制することができる。なお封止部材102は、Auワイヤ28のうち、例えばボンディング部分など一部を外気から封止してもよい。
【0054】
第3の実施形態では、封止部材102は、半導体発光素子20が実装されるメッキ層24の上面よりも下方に位置するよう溝部に充填される。なお、封止部材102は、半導体発光素子20の発光面20aよりも下方に位置するよう溝部に充填されてもよい。封止部材102は、実装基板22の上面22aよりも下方に位置するよう溝部に充填されてもよい。
【0055】
封止部材102に代えて、カバーが設けられてもよい。カバーは、Auワイヤ28が発光面20aよりも下方に位置するようAuワイヤ28の上方に配置されてもよい。また、カバーは、Auワイヤ28が実装基板22の上面22aよりも下方に位置するようAuワイヤ28の上方に配置されてもよい。このときカバーは、発光モジュール12とハウジング84との間に形成され、Auワイヤ28が収容される溝部を外気から封止するよう、発光モジュール12とハウジング84との間に設けられてもよい。したがって、このカバーもまた封止手段として機能する。このようにカバーを設けることによっても、Auワイヤ28の接続信頼性を高めるとともに、Auワイヤ28による配光への影響を抑制することができる。
【0056】
(第4の実施形態)
図7は、第4の実施形態にかかる発光装置120の構成を示す斜視図である。以下、上述の実施形態と同様の個所は同一の符号を付して説明を省略する。発光装置120は、発光モジュール12、放熱基板ユニット13、ハウジング122、制御回路部30、コネクタ124、およびコード126を有する。
【0057】
図7に示すように、発光装置120では、ハウジング122とコネクタ124とが別体とされている。それ以外は、ハウジング122は第1の実施形態に係るハウジング16と同様である。コネクタ124は、2本の柔軟性を有するコード126を介して制御回路部30に接続されている。
【0058】
制御回路部30は、一枚の基板で構成するなどして高さを抑制することが可能である。しかしながら、コネクタ124は規格に準拠する必要があることなどから、高さを抑制することが困難なケースが生じ得る。このようにコネクタ124を別体としてさらに柔軟性を有するコード126で制御回路部30とコネクタ124とを接続することにより、コネクタ124の配置の自由度を高めることができる。ハウジング122は、コネクタ124を別体とすることで小型化が可能となるため、灯具の構成に合わせてコネクタ124の配置を変えることで、様々な灯具に発光装置120を搭載することが可能となる。
【0059】
制御回路部30へ取り付ける側のコード126の先端には、端子126aが設けられている。端子には、固定用のガイド126bがさらに設けられている。ハウジング122のうちコード126が取り付けられる部分には、電極(図示せず)および、コード126のガイドが嵌挿されるガイド受け部122aが設けられている。コード126のガイド126b部がハウジング122のガイド受け部122aに嵌挿されることにより、端子126aと電極とが接触する。こうしてハウジング122へのコード126の固定と、コード126と制御回路部30との導通が同時に行われる。コード126をハウジング122に取り付け後、コード126の端子126aとハウジング122の電極は、はんだ付け、レーザ溶接、または抵抗溶接などにより互いに接合させる。
【0060】
図8(a)は、発光装置120を灯具128へ搭載した一例を示す図である。灯具128は、発光装置120がヒートシンク130に取り付けられ構成されている。発光装置120の上方には、半導体発光素子20からの光を灯具前方に反射するリフレクタ132が配置されている。このようにコード126でコネクタ124と制御回路部30とを接続することにより、ヒートシンク130の空いたスペースにコネクタ124を配置することができる。
【0061】
図8(b)は、発光装置120を灯具134へ搭載した別の一例を示す図である。灯具134は、発光装置120がヒートシンク136に取り付けられ構成されている。発光装置120の上方には、半導体発光素子20からの光を灯具前方に反射するリフレクタ138が配置されている。このようにコード126でコネクタ124と制御回路部30とを接続することにより、ヒートシンク136側面にコネクタ124を配置することができるため、ヒートシンク136において、ハウジング122を含む本体部を取り付けるための面積を小さくすることができる。このように制御回路部30とコネクタ124とを別体としてコード126で互いに接続することにより、様々な構成の灯具に発光装置120を用いることが可能となる。
【0062】
(第5の実施形態)
図9は、第5の実施形態にかかる発光装置150の構成を示す斜視図である。以下、上述の実施形態と同様の個所は同一の符号を付して説明を省略する。発光装置150は、発光モジュール12、放熱基板ユニット13、ハウジング152、制御回路部30、コネクタ154、およびフレキシブルプリント基板(以下、「FPC(Flexible printed circuits)」という)156を有する。
【0063】
図9に示すように、発光装置150では、ハウジング152とコネクタ154とが別体とされている。それ以外は、ハウジング152は第1の実施形態に係るハウジング16と同様である。第5の実施形態では、コネクタ154は、柔軟性を有するFPC156を介して制御回路部30に接続されている。
【0064】
このようにコネクタ154を別体としてさらにFPC156で制御回路部30とコネクタ154とを接続することにより、コネクタ154の配置の自由度を高めることができる。ハウジング152は、コネクタ154を別体とすることで小型化が可能となるため、灯具の構成に合わせてコネクタ154の配置を変えることで、様々な灯具に発光装置150を搭載することが可能となる。
【0065】
制御回路部30へ取り付ける側のFPC156の先端には、端子(図示せず)および取り付け孔156aが設けられている。ハウジング152のうちFPC156が取り付けられる部分には、上方に突出するボス152a、および制御回路部30に接続された電極(図示せず)が設けられている。FPC156の取り付け孔156aがハウジング152のボス152aに挿入されることにより、FPC156の端子がハウジング152に設けられた電極とが接触する。こうしてハウジング122へのFPC156の固定と、FPC156と制御回路部30との導通が同時に行われる。FPC156をハウジング152に取り付け後、FPC156の端子とハウジング152の電極は、はんだ付け、レーザ溶接、または抵抗溶接などにより互いに接合させる。
【0066】
図10は、発光装置150を灯具160へ搭載した一例を示す図である。灯具160は、2つの発光装置150がヒートシンク162の同じ面に取り付けられ構成されている。発光装置150の各々には、半導体発光素子20が発した光を灯具前方に反射するリフレクタ164がそれぞれの上方に設けられている。
【0067】
このようにFPC156でコネクタ154と制御回路部30とを接続することにより、ヒートシンク162の空いたスペースにコネクタ154を配置することができる。また、
図10に示すFPC156AおよびFPC156Bのように、形状が異なるFPCを複数設けるだけで、ハウジング152およびコネクタ154は共通部品を使用することができる。このため、コネクタの配置が異なる複数種類のハウジングを用いる場合に比べ、部品共通化による低コスト化を図ることができる。
【0068】
(第6の実施形態)
図11は、第6の実施形態にかかる発光装置180の構成を示す斜視図である。以下、上述の実施形態と同様の個所は同一の符号を付して説明を省略する。発光装置180は、発光モジュール12、放熱基板ユニット13、制御回路部30、ハウジング182、およびコネクタ184を有する。
【0069】
コネクタ184には、ガイド部として機能する凸部184aが設けられている。ハウジング182には、凸部184aを受けるべく周囲の壁部が一部切り取られたように形成された受け部182aが設けられている。コネクタ184の凸部184aには電極(図示せず)が設けられており、ハウジング182の受け部182a近傍には制御回路部30の電極(図示せず)が設けられている。
【0070】
コネクタ184の凸部184aがハウジング182の受け部182aに嵌挿されることにより、コネクタ184の電極と制御回路部30の電極とが接触する。こうしてコネクタ184のハウジング182への固定と、コネクタ184と制御回路部30との導通が同時に行われる。コネクタ184の電極と制御回路部30の電極は、はんだ付け、レーザ溶接、または抵抗溶接などにより互いに接合される。このようにコネクタ184に凸部184aを設け、さらにハウジング182に受け部182aを設けることによっても、コネクタ184をハウジング182に簡易に取り付け可能としつつ、コネクタ184と制御回路部30とを適切に導通させることができる。
【0071】
(第7の実施形態)
図12(a)は、第7の実施形態にかかる発光装置200の構成を示す上面図であり、
図12(b)は、
図12(a)のS−S断面図である。以下、上述の実施形態と同様の個所は同一の符号を付して説明を省略する。
【0072】
発光装置200は、発光モジュール12、放熱基板202、ハウジング204、コネクタ206、FPC208、および制御回路部210を有する。ハウジング204は、制御回路部210を収容する収容領域が上方から見て矩形となるよう形成される。第7の実施形態では、ハウジング204にはバスバーが設けられておらず、樹脂のみによって成型されている。放熱基板202は、このハウジング204の形状に合わせて平板状の部分が矩形に形成されている以外は、上述の放熱基板15と同様に構成される。
【0073】
FPC208は、C字状に形成され、2つの先端部には電極が設けられている。この2つの電極が、発光モジュール12の電極を介して半導体発光素子20に接続されている。FPC208は、ハウジング204の収容領域の外周に沿うよう矩形に形成されている。
【0074】
FPC208の2つの先端部の反対側には、ハウジング204から突出するよう延在する部分が設けられており、コネクタ206は、この延在する部分に接続されている。こうしてコネクタ206は、FPC208を曲げることによりある程度の自由度を持って配置できるよう、ハウジング204から離間して配置される。なお、コネクタ206とFPC208とは、はんだ付け、レーザ溶接、または抵抗溶接などにより互いに接合される。なお、FPC208の先端を端子にして、コネクタ206にFPC208を挿入し嵌合させて接続してもよい。
【0075】
FPC208は、1枚のプリント基板によって構成された制御回路部210に載置され接続される。なお、制御回路部210に複数枚のプリント基板が設けられていてもよい。こうしてコネクタ206は、FPC208および制御回路部210を介して発光モジュール12の半導体発光素子20に給電可能に接続される。FPC208および制御回路部210は、ハウジング204の収容領域にともに収容される。
【0076】
例えばハウジング内にバスバーを設ける場合、一体成形された金属配線板をプレス形成で変形させて、これを樹脂に埋め込むようにしてハウジングを成型する。このようにバスバーが設けられたハウジングは、絶縁を確保すべくバスバー周辺を樹脂で覆う必要があることからサイズの抑制が一般に難しい。第7の実施形態のようにFPC208を設けることにより、バスバーを設ける場合に比べハウジング204のサイズを抑制することができる。このため、発光装置200全体のサイズも簡易に抑制することができる。
【0077】
(第8の実施形態)
図13は、第8の実施形態にかかる発光装置220の構成を示す斜視図である。以下、上述の実施形態と同様の個所は同一の符号を付して説明を省略する。発光装置220は、発光モジュール12、制御回路部30、ケース222、およびコネクタ224を備える。
【0078】
ケース222は、アルミニウムなどの放熱性材料によって一体的に形成される。コネクタ224は、このケース222に接着などによって固着される。ケース222は、制御回路部30および発光モジュール12の双方を収容する収容領域が設けられており、この収容領域に制御回路部30を支持する支持部、および発光モジュール12を支持する支持部の双方が設けられる。したがって、ケース222は、第1の実施形態に係る放熱基板ユニット13とハウジング16との双方の機能を有する。このようにケース222を一体成形することにより、第1の実施形態のようにハウジング16を放熱基板ユニット13に取り付ける工数を低減させることができ、また、部品点数削減によるコストダウンを実現できる。
【0079】
第8の実施形態では、発光モジュール12の電極と制御回路部30とはAuワイヤ226によって接続される。このため、バスバーを有するハウジングを使用する場合に比べ、ケース222の小型化も実現することができる。なお、Auワイヤ226に代えて、Alワイヤ、Alリボンなど他の導電性部材が用いられてもよい。
【0080】
制御回路部30を収容する領域、およびAuワイヤ226が設けられた領域は、封止部材228が充填される。封止部材228は樹脂材料をケース222の収容領域に充填して固化させたものであり、制御回路部30およびAuワイヤ226の全体を外気から封止する。これにより、制御回路部30やAuワイヤ226を外部からの衝撃から保護し、制御回路部30およびAuワイヤ226の接続信頼性を高めることができるとともに、Auワイヤ226による配光への影響を抑制することができる。なお封止部材228は、制御回路部30またはAuワイヤ226の一部を外気から封止してもよい。
【0081】
第8の実施形態では、封止部材228は、半導体発光素子20の発光面20aよりも下方に位置するよう、ケース222の収容領域に充填されてもよい。なお、封止部材228は、半導体発光素子20が実装される支持部材14の上面よりも下方に位置するよう溝部に充填されてもよい。
【0082】
封止部材228に代えて、カバーが設けられてもよい。カバーは、Auワイヤ226が発光面20aよりも下方に位置し、さらに自身の上面も発光面20aよりも下方に位置するよう、Auワイヤ226の上方に配置されてもよい。したがって、このカバーも、制御回路部30およびAuワイヤ226を外部から封止する封止手段として機能する。このようにカバーを設けることによっても、制御回路部30およびAuワイヤ226の接続信頼性を高めることができるとともに、Auワイヤ226による配光への影響を抑制することができる。
【0083】
なお、ケース222は、上述の放熱基板15のように、枠となる部分が削除されてもよい。発光モジュール12と制御回路部30がケース222に搭載し、両者をAuワイヤ226などの導電性部材で接続後、発光面20aよりも下方に位置するよう樹脂をトランスファーモールド法によってモールドし、制御回路部30およびAuワイヤ226の双方を外部から封止してもよい。これにより、ケース222の枠部分を削除できることから、発光装置220のさらなる小型軽量化を実現できる。
【0084】
本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、各実施形態の各要素を適宜組み合わせたものも、本発明の実施形態として有効である。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を各実施形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうる。
【0085】
ある変形例では、制御回路部のうち、プリント回路が設けられたプリント回路基板上に支持部材14が固着され、支持部材14の上面に半導体発光素子20が実装される。したがってこのプリント回路基板が、光源である半導体発光素子20を支持する支持部材として機能する。この場合、プリント回路基板上に実装される実装部品によって制御ユニットが構成される。この例においても、プリント配線基板は、半導体発光素子20の発光部が実装部品よりも発光部の主光軸方向に突出するよう半導体発光素子20を支持する。この場合、プリント回路基板は、放熱性材料によって形成された放熱基板として機能する。これにより、放熱基板15を削除することができ、発光装置の構成を簡素にすることができる。このため、発光装置の小型化やコストダウンを実現することができる。
【0086】
ある別の変形例では、複数の半導体発光素子20は、個別に給電可能となるよう、並列に接続されている。制御回路部は、複数の半導体発光素子20の各々の点灯を制御するよう設けられる。このように半導体発光素子20が個別に給電される場合においても、半導体発光素子20の発光部を制御回路部よりも突出させるよう構成することにより、例えば制御回路部の上方にリフレクタなどが配置可能となるなど、灯具の設計自由度を高めることができる。