特許第5697974号(P5697974)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5697974
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】外科用ステープラのためのインジケータ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20150319BHJP
【FI】
   A61B17/10 310
【請求項の数】12
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2010-288633(P2010-288633)
(22)【出願日】2010年12月24日
(65)【公開番号】特開2011-136169(P2011-136169A)
(43)【公開日】2011年7月14日
【審査請求日】2013年10月23日
(31)【優先権主張番号】61/291,453
(32)【優先日】2009年12月31日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/953,603
(32)【優先日】2010年11月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507362281
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】アナンドラム ナタラジャン
(72)【発明者】
【氏名】スリニラサン セルヴァラジ
【審査官】 毛利 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−289859(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/133875(WO,A1)
【文献】 特開2009−189833(JP,A)
【文献】 特表2004−528859(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用ステープラであって、該外科用ステープラは、
本体と、
該本体の遠位の部分に位置付けられているステープル留めアセンブリであって、該ステープル留めアセンブリは、カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとを含む、ステープル留めアセンブリと、
該本体内にスライド可能に配置されているスラストバーであって、該スラストバーは、該カートリッジアセンブリが該アンビルアセンブリに向かって近接している間に後退位置から遠位に前進するように構成されており、該アンビルアセンブリに向かう該カートリッジアセンブリの近接が完了すると、該スラストバーが第1の前進位置に到達し、該スラストバーは、該カートリッジアセンブリからのステープルの放出を生じさせるために該第1の前進位置から遠位に前進するようにさらに構成されており、該カートリッジアセンブリからのステープルの放出が完了すると、該スラストバーが第2の前進位置に到達する、スラストバーと、
該スラストバーに接続されているインジケータ部材であって、該インジケータ部材は、該インジケータ部材の外側表面に第1のシンボルと第2のシンボルとを含む、インジケータ部材と
を備え
該本体は、少なくとも1つの窓を含み、該インジケータ部材は、該スラストバーが該第1の前進位置にある場合にのみ使用者が該少なくとも1つの窓を通して該第1のシンボルを完全に視認可能であり、かつ、該スラストバーが該第2の前進位置にある場合にのみ該使用者が該少なくとも1つの窓を通して該第2のシンボルを完全に視認可能であるように構成されている、外科用ステープラ。
【請求項2】
前記スラストバーの遠位の端は、前記カートリッジアセンブリからのステープルの放出に該カートリッジアセンブリからのステープルの排出を生じさせるために、前記ステープル留めアセンブリとの動作可能な係合のために構成されている、請求項1に記載のステープラ。
【請求項3】
前記インジケータ部材は、該インジケータ部材の外側表面に第3のシンボルをさらに含み、該インジケータ部材は、前記スラストバーが前記後退位置にある場合にのみ前記使用者が前記少なくとも1つの窓を通して該第3のシンボルを完全に視認可能であるようにさらに構成されている、請求項1〜請求項のうちのいずれか1項に記載のステープラ。
【請求項4】
前記インジケータ部材は、前記本体内にスライド可能に搭載されている、請求項1〜請求項のうちのいずれか1項に記載のステープラ。
【請求項5】
前記インジケータ部材は、前記本体内において、前記スラストバーに対して回転可能に搭載されている、請求項1〜請求項のうちのいずれか1項に記載のステープラ。
【請求項6】
前記インジケータ部材は、ベースと、該ベースから延伸している一対の延伸部とを含み、該延伸部は、前記第1のシンボルと前記第2のシンボルとを含む、請求項1〜請求項のうちのいずれか1項に記載のステープラ。
【請求項7】
前記延伸部は、前記スラストバーを超えて横方向に延伸している、請求項に記載のステープラ。
【請求項8】
前記スラストバーに動作可能に接続されているラックをさらに備え、該ラックは、一対の歯が刻まれた延伸部を有し、該歯が刻まれた延伸部は、前記インジケータ部材と動作可能に係合され、該スラストバーの前進は、該インジケータ部材の回転を生じさせる、請求項に記載のステープラ。
【請求項9】
前記ラックは、前記インジケータ部材の遠位に位置付けられているベースから延伸し、該ベースは、前記スラストバーに搭載されている、請求項に記載のステープラ。
【請求項10】
外科用ステープラであって、該外科用ステープラは、
本体と、
該本体の遠位の部分に位置付けられているステープル留めアセンブリであって、該ステープル留めアセンブリは、カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとを含む、ステープル留めアセンブリと、
該本体内にスライド可能に配置されているスラストバーであって、該スラストバーは、該カートリッジアセンブリが該アンビルアセンブリに向かって近接している間に後退位置から遠位に前進するように構成されており、該アンビルアセンブリに向かう該カートリッジアセンブリの近接が完了すると、該スラストバーが第1の前進位置に到達し、該スラストバーは、該カートリッジアセンブリからのステープルの放出を生じさせるために該第1の前進位置から遠位に前進するようにさらに構成されており、該カートリッジアセンブリからのステープルの放出が完了すると、該スラストバーが第2の前進位置に到達する、スラストバーと、
インジケータ部材であって、該インジケータ部材は、該インジケータ部材の外側周囲表面に第1のシンボルと第2のシンボルとを含む、インジケータ部材と、
該スラストバーに動作可能に接続されているラックであって、該ラックは、歯が刻まれた延伸部を有し該歯が刻まれた延伸部は、該インジケータ部材と動作可能に係合され、該スラストバーの前進は、該インジケータ部材の回転を生じさせる、ラックと
を備え
該本体は、少なくとも1つの窓を含み、該インジケータ部材は、該スラストバーが該第1の前進位置にある場合にのみ使用者が該少なくとも1つの窓を通して該第1のシンボルを完全に視認可能であり、かつ、該スラストバーが該第2の前進位置にある場合にのみ該使用者が該少なくとも1つの窓を通して該第2のシンボルを完全に視認可能であるように構成されている、外科用ステープラ。
【請求項11】
前記インジケータ部材は、該インジケータ部材の外側周囲表面に第3のシンボルをさらに含み、該インジケータ部材は、前記スラストバーが前記後退位置にある場合にのみ前記使用者が前記少なくとも1つの窓を通して該第3のシンボルを完全に視認可能であるようにさらに構成されている、請求項10に記載のステープラ。
【請求項12】
前記インジケータ部材は、前記スラストバーの長手方向の軸に対して垂直な軸の周りで回転可能である、請求項10に記載のステープラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
本出願は、2009年12月31日出願の米国仮特許出願第61/291,453号の優先権を主張し、この仮特許出願の全体内容が本明細書において参照により援用される。
【0002】
(技術分野)
本開示は、概して、外科用ステープル留め装置に関する。より詳細には、本開示は、外科医にステープラの状態を示すための機構を有する外科用ステープル留め装置に関する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の背景)
圧迫された生体組織を通して並列のステープルを適用するための外科用ステープル留め器具が本分野において周知であり、そして、例えば、横断前に、切除前に、または吻合において、組織または器官の閉鎖のために、ならびに、胸部および腹部の手術における器官の閉塞のために、一般的に使用されている。
【0004】
典型的に、このような外科用ステープル留め器具は、アンビルアセンブリと、外科用ステープルのアレイを支持するためのカートリッジアセンブリと、アンビルアセンブリとカートリッジアセンブリとを近接させるための近接機構と、カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとの間に組織を捕捉するためのアライメントピンアセンブリであって、近接および発射の期間中にカートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとの間のアライメントを維持するためのアライメントピンアセンブリと、カートリッジアセンブリから外科用ステープルを排出するための発射機構とを含む。近接機構および発射機構は、一般的に、ステープルの近接および発射を引き起こすための別個のアクチュエータを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
医療従事者に外科用ステープラの作動の段階の視覚的指示を提供する外科用ステープル留め器具に対する継続的なニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
使用者にステープラの動作の状態を視覚的に示すように構成された外科用ステープラが提供される。一局面において、外科用ステープラは、本体と、本体の遠位の部分に位置付けられたステープル留めアセンブリとを含み、ステープル留めアセンブリは、カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとを含む。スラストバーは、本体内にスライド可能に配置され、アンビルアセンブリに向かうカートリッジアセンブリの近接期間中に後退位置から第1の前進位置まで遠位に前進し、および、カートリッジアセンブリからのステープルの放出を生じるために第2の前進位置までさらに前進するように構成される。インジケータ部材は、スラストバーに接続され、カートリッジアセンブリの近接完了後、およびカートリッジアセンブリからのステープルの放出後、使用者に視覚的指示を提供するように構成される。
【0007】
一実施形態において、スラストバーの遠位の端は、ステープル留めアセンブリとの動作可能な係合のために構成され、これによって、カートリッジアセンブリからのステープルの放出期間中にカートリッジアセンブリからのステープルの排出を生じる。本体は、インジケータ部材を視認するための少なくとも1つの窓を含み得る。インジケータ部材は、ステープラが近接される準備がなされていることを示すようにさらに構成され得る。いくつかの実施形態において、インジケータ部材は、本体内にスライド可能に搭載される。他の実施形態において、インジケータ部材は、本体内に回転可能に搭載される。インジケータ部材は、近接ストロークの完了を示すための第1のシンボルと、カートリッジアセンブリからのステープルの放出を示すための第2のシンボルとを含み得る。
【0008】
一実施形態において、インジケータ部材は、スラストバーに回転可能に搭載される。いくつかの実施形態において、本体は、スラストバーに動作可能に接続されたラックを含み得る。ラックは、ベースと、リンク部材の対と、インジケータ部材と動作可能に係合された歯が刻まれた延伸部の対とを含み得る。スラストバーの前進は、インジケータ部材の回転を生じ得る。
【0009】
一実施形態において、インジケータ部材は、スラストバーと共にスライド可能である。
【0010】
別の局面において、本開示は外科用ステープラを提供し、この外科用ステープラは、本体と、本体の遠位の部分に位置付けられたステープル留めアセンブリであって、カートリッジアセンブリを含むステープル留めアセンブリと、アンビルアセンブリとを備える。スラストバーは、本体内にスライド可能に配置され、後退位置から第1の前進位置まで遠位に前進するように構成される。インジケータ部材は、カートリッジアセンブリの近接完了と、カートリッジアセンブリからのステープルの放出とのうちの少なくとも一方の後、使用者に視覚的指示を提供するように構成される。ラックは、スラストバーに動作可能に接続され、歯が刻まれた延伸部の対を有し、歯が刻まれた延伸部は、インジケータ部材と動作可能に係合され、スラストバーの前進は、インジケータ部材の回転を生じる。
【0011】
いくつかの実施形態において、インジケータ部材は、スラストバーの長手方向の軸に対して垂直な軸の周りで回転可能である。いくつかの実施形態において、インジケータ部材は、カートリッジアセンブリの近接完了を示すための第1のシンボルと、カートリッジアセンブリからのステープルの放出を示すための第2のシンボルとを含む。
【0012】
以上により、本発明は、以下の手段を提供する。
【0013】
(項目1)
外科用ステープラであって、
本体と、
該本体の遠位の部分に位置付けられているステープル留めアセンブリであって、該ステープル留めアセンブリは、カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとを含む、ステープル留めアセンブリと、
該本体内にスライド可能に配置されているスラストバーであって、該スラストバーは、該アンビルアセンブリに向かう該カートリッジアセンブリの近接期間中に後退位置から第1の前進位置まで前進し、該カートリッジアセンブリからのステープルの放出を生じるために第2の前進位置までさらに前進するように構成されている、スラストバーと、
該スラストバーに接続されているインジケータ部材であって、該インジケータ部材は、該カートリッジアセンブリの近接完了後、および該カートリッジアセンブリからのステープルの放出後、使用者に視覚的指示を提供するように構成されている、インジケータ部材と
を備えている、外科用ステープラ。
【0014】
(項目2)
上記スラストバーの遠位の端は、上記カートリッジアセンブリからのステープルの放出期間中に該カートリッジアセンブリからのステープルの排出を生じるために、上記ステープル留めアセンブリとの動作可能な係合のために構成されている、上記項目に記載のステープラ。
【0015】
(項目3)
上記本体は、上記インジケータ部材を視認するための少なくとも1つの窓を含む、上記項目のいずれかに記載のステープラ。
【0016】
(項目4)
上記インジケータ部材は、上記ステープラが近接される準備がなされていることを示すようにさらに構成されている、上記項目のいずれかに記載のステープラ。
【0017】
(項目5)
上記インジケータ部材は、上記本体内にスライド可能に搭載されている、上記項目のいずれかに記載のステープラ。
【0018】
(項目6)
上記インジケータ部材は、上記本体内において、上記スラストバーに対して回転可能に搭載されている、上記項目のいずれかに記載のステープラ。
【0019】
(項目7)
上記インジケータ部材は、近接ストロークの完了を示すための第1のシンボルと、上記カートリッジアセンブリからのステープルの放出を示すための第2のシンボルとを含む、上記項目のいずれかに記載のステープラ。
【0020】
(項目8)
上記インジケータ部材は、ベースと、該ベースから延伸している一対の延伸部とを含み、該延伸部は、上記視覚的指示を使用者に提供するための視覚的インジケータを含む、上記項目のいずれかに記載のステープラ。
【0021】
(項目9)
上記延伸部は、上記スラストバーを超えて横方向に延伸している、上記項目のいずれかに記載のステープラ。
【0022】
(項目10)
上記スラストバーに動作可能に接続されているラックをさらに備え、該ラックは、一対の歯が刻まれた延伸部を有し、該歯が刻まれた延伸部は、上記インジケータ部材と動作可能に係合され、該スラストバーの前進は、該インジケータ部材の回転を生じる、上記項目のいずれかに記載のステープラ。
【0023】
(項目11)
上記ラックは、上記インジケータ部材の遠位に位置付けられているベースから延伸し、該ベースは、上記スラストバーに搭載されている、上記項目のいずれかに記載のステープラ。
【0024】
(項目12)
外科用ステープラであって、
本体と、
該本体の遠位の部分に位置付けられているステープル留めアセンブリであって、該ステープル留めアセンブリは、カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとを含む、ステープル留めアセンブリと、
該本体内にスライド可能に配置されているスラストバーであって、該スラストバーは、後退位置から第1の前進位置まで遠位に前進するように構成されている、スラストバーと、
インジケータ部材であって、該インジケータ部材は、該カートリッジアセンブリの近接完了および該カートリッジアセンブリからのステープルの放出のうちの少なくとも一方の後、使用者に視覚的指示を提供するように構成されている、インジケータ部材と、
該スラストバーに動作可能に接続され、一対の歯が刻まれた延伸部の対を有しているラックであって、該歯が刻まれた延伸部は、該インジケータ部材と動作可能に係合され、該スラストバーの前進は、該インジケータ部材の回転を生じる、ラックと
を備えている、外科用ステープラ。
【0025】
(項目13)
上記インジケータ部材は、上記ステープラが近接される準備がなされていることを示すようにさらに構成されている、上記項目のいずれかに記載のステープラ。
【0026】
(項目14)
上記インジケータ部材は、上記スラストバーの長手方向の軸に対して垂直な軸の周りで回転可能である、上記項目のいずれかに記載のステープラ。
【0027】
(項目15)
上記インジケータ部材は、上記カートリッジアセンブリの近接完了を示すための第1のシンボルと、該カートリッジアセンブリからのステープルの放出を示すための第2のシンボルとを含む、上記項目のいずれかに記載のステープラ。
【0028】
(項目1a)
外科用ステープラであって、
本体と、
該本体の遠位の部分に位置付けられているステープル留めアセンブリであって、該ステープル留めアセンブリは、カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとを含む、ステープル留めアセンブリと、
該本体内にスライド可能に配置されているスラストバーであって、該アンビルアセンブリに向かう該カートリッジアセンブリの近接期間中に後退位置から第1の前進位置まで前進し、および、該カートリッジアセンブリからのステープルの放出を生じるために第2の前進位置までさらに前進するように構成されているスラストバーと、
該スラストバーに接続されているインジケータ部材であって、該カートリッジアセンブリの近接完了後、および該カートリッジアセンブリからのステープルの放出後、使用者に視覚的指示を提供するように構成されているインジケータ部材と
を備えている、外科用ステープラ。
【0029】
(項目2a)
上記スラストバーの遠位の端は、上記カートリッジアセンブリからのステープルの放出期間中に該カートリッジアセンブリからのステープルの排出を生じるために、上記ステープル留めアセンブリとの動作可能な係合のために構成されている、上記項目のいずれかに記載のステープラ。
【0030】
(項目3a)
上記本体は、上記インジケータ部材を視認するための少なくとも1つの窓を含む、上記項目のいずれかに記載のステープラ。
【0031】
(項目4a)
上記インジケータ部材は、上記ステープラが近接される準備がなされていることを示すようにさらに構成されている、上記項目のいずれかに記載のステープラ。
【0032】
(項目5a)
上記インジケータ部材は、上記本体内にスライド可能に搭載されている、上記項目のいずれかに記載のステープラ。
【0033】
(項目6a)
上記インジケータ部材は、上記本体内に回転可能に搭載されている、上記項目のいずれかに記載のステープラ。
【0034】
(項目7a)
上記インジケータ部材は、近接ストロークの完了を示すための第1のシンボルと、上記カートリッジアセンブリからのステープルの放出を示すための第2のシンボルとを含む、上記項目のいずれかに記載のステープラ。
【0035】
(項目8a)
上記インジケータ部材は、ベースと、該ベースから延伸している一対の延伸部とを含み、該延伸部は、上記視覚的指示を使用者に提供するための視覚的インジケータを含む、上記項目のいずれかに記載のステープラ。
【0036】
(項目9a)
上記延伸部は、上記スラストバーを超えて横方向に延伸している、上記項目のいずれかに記載のステープラ。
【0037】
(項目10a)
上記インジケータ部材は、上記スラストバーに対して回転可能に搭載されている、上記項目のいずれかに記載のステープラ。
【0038】
(項目11a)
上記スラストバーに動作可能に接続されているラックであって、一対の歯が刻まれた延伸部を有するラックをさらに備え、該歯が刻まれた延伸部は、上記インジケータ部材と動作可能に係合され、該スラストバーの前進は、該インジケータ部材の回転を生じる、上記項目のいずれかに記載のステープラ。
【0039】
(項目12a)
上記本体は、少なくとも1つの上記インジケータ部材を視認するための少なくとも1つの窓を含む、上記項目のいずれかに記載のステープラ。
【0040】
(項目13a)
上記インジケータ部材は、上記カートリッジアセンブリの近接完了を示すための第1のシンボルと、該カートリッジアセンブリからのステープルの放出を示すための第2のシンボルとを含む、上記項目のいずれかに記載のステープラ。
【0041】
(項目14a)
上記インジケータ部材は、上記スラストバーの長手方向の軸に対して垂直な軸の周りで回転可能である、上記項目のいずれかに記載のステープラ。
【0042】
(項目15a)
上記ラックは、上記インジケータ部材の遠位に位置付けられているベースから延伸し、該ベースは、上記スラストバーに搭載されている、上記項目のいずれかに記載のステープラ。
【0043】
(項目16a)
外科用ステープラであって、
本体と、
該本体の遠位の部分に位置付けられているステープル留めアセンブリであって、該ステープル留めアセンブリは、カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとを含む、ステープル留めアセンブリと、
該本体内にスライド可能に配置されているスラストバーであって、後退位置から第1の前進位置まで遠位に前進するように構成されているスラストバーと、
インジケータ部材であって、該カートリッジアセンブリの近接完了と、該カートリッジアセンブリからのステープルの放出とのうちの少なくとも一方の後、使用者に視覚的指示を提供するように構成されているインジケータ部材と、
該スラストバーに動作可能に接続されているラックであって、一対の歯が刻まれた延伸部を有し、該歯が刻まれた延伸部は、該インジケータ部材と動作可能に係合され、該スラストバーの前進は、該インジケータ部材の回転を生じる、ラックと
を備えている、外科用ステープラ。
【0044】
(項目17a)
上記インジケータ部材は、上記ステープラが近接される準備がなされていることを示すようにさらに構成されている、上記項目のいずれかに記載のステープラ。
【0045】
(項目18a)
上記インジケータ部材は、上記スラストバーの長手方向の軸に対して垂直な軸の周りで回転可能である、上記項目のいずれかに記載のステープラ。
【0046】
(項目19a)
上記インジケータ部材は、上記カートリッジアセンブリの近接完了を示すための第1のシンボルと、該カートリッジアセンブリからのステープルの放出を示すための第2のシンボルとを含む、上記項目のいずれかに記載のステープラ。
【0047】
(摘要)
使用者にステープラの動作の状態を視覚的に示す外科用ステープラ。この外科用ステープラは、本体と、本体の遠位の部分に位置付けられたステープル留めアセンブリであって、カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとを含むステープル留めアセンブリと、本体内にスライド可能に配置されたスラストバーとを含む。スラストバーは、アンビルアセンブリに向かうカートリッジアセンブリの近接期間中に後退位置から第1の前進位置まで遠位に前進し、および、カートリッジアセンブリからのステープルの放出を生じるために第2の前進位置までさらに前進するように構成される。インジケータ部材は、スラストバーに接続され、カートリッジアセンブリの近接完了後、およびカートリッジアセンブリからのステープルの放出後、使用者に視覚的指示を提供するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
本開示の外科用ステープル留め装置の実施形態が本明細書において図面を参照して記載される。
図1図1は、本開示に従った外科用ステープラの実施形態の斜視図である。
図2図2は、図1の外科用ステープラの一部分の斜視図であり、外科用ステープラ内に搭載されたインジケータを示している。
図3図3は、図2のインジケータの斜視図である。
図4図4は、クランプ前(近接されていない)の状態における図1の外科用ステープラの側面図であり、アライメントピンが手動で前進されている。
図5図5は、図4の細部の指示されたエリアの拡大図であり、窓にシンボルが無いことを示している。
図6図6は、クランプされた(近接された)状態における図1の外科用ステープラの側面図である。
図7図7は、図6の細部の指示されたエリアの拡大図であり、クランプシンボルを示している。
図8図8は、発射された状態における図1の外科用ステープラの側面図である。
図9図9は、図8の細部の指示されたエリアの拡大図であり、ステープル留めされた(発射された)シンボルを示している。
図10図10は、代替の実施形態の本開示のステープラの部分の斜視図であり、外科用ステープラ上の代替のインジケータを示している。
図11図11は、図10のインジケータ機構を含む外科用ステープラの側面図である。
図12図12は、図10のインジケータ機構のインジケータ部材の側面図である。
図13図13は、図11の細部の指示されたエリアの拡大図であり、クランプ前シンボルを示している。
図14図14は、図11の細部の指示されたエリアの拡大図であり、クランプシンボルを示している。
図15図15は、図11の細部の指示されたエリアの拡大図であり、ステープル留めされた(発射された)シンボルを示している。
【発明を実施するための形態】
【0049】
(詳細な説明)
本開示の外科用ステープラの実施形態は、ここで図面を参照して詳細に記載され、同一の参照番号は、複数の図面のそれぞれにおいて対応する要素を指す。本説明の全体を通して、「近位の」の用語は、操作者により近い器具の部分を参照し、「遠位の」の用語は、操作者からより遠い器具の部分を参照する。
【0050】
図1を参照すると、本開示の実施形態に従った外科用ステープル留めデバイスが一般的に外科用ステープラ10として示されている。外科用ステープラ10は、固定ハンドル14を規定する本体12と、旋回可能なトリガ16と、細長い中央本体部分18と、カートリッジアセンブリ20と、アンビルアセンブリ22とを含む。親指ボタン24は、本体12の各側にスライド可能に位置付けられている。親指ボタン24は、アライメントピン38(図4)をアライメントピンアセンブリ21から手動で前進させてアンビルアセンブリ22と係合するように遠位に可動であり、これによって、アンビルアセンブリ22とカートリッジアセンブリ20との間の組織を捕捉する。放出機構(示されていない)の放出ボタン150は、本体12の近位の端に位置付けられ、カートリッジアセンブリ20が近接された位置から近接されていない位置に復帰することを可能にするように押下可能であり、ここで、この近接された位置は、アンビルアセンブリ22に隣接して置かれ、この近接されていない位置は、アンビルアセンブリ22から間隔を空けられる(示されているように)。
【0051】
引き続き図1を参照すると、本体12は、モールド形成された一対の半区画12a、12bから形成される。一実施形態において、半区画12a、12bはプラスチックで形成されるが、一方で、半区画12a、12bは、金属を含む他の材料で形成され得る。切抜きまたは窓13は、各半区画12a、12b内に形成される。窓13は、塵が本体12に進入することを防止するために透明なカバー(示されていない)を含み得る。以下さらに詳細に論述されるように、窓13は、本体12内に搭載された動作可能に位置付けられたインジケータ部材と整合するように構成される。
【0052】
外科用ステープラ10の内部構造および機能は、ここで本開示の局面を完全に開示するのに必要な程度まで記載される。外科用ステープラの内部構造および機能のより詳細な論述は、米国特許第6,817,508号(‘508特許)で開示され、この特許の全体内容が本明細書において参照により援用される。外科用ステープラ10を参照して記載されているが、本開示の局面は、多段階発射シーケンスを有する任意のデバイスに使用するために改変され得る。また、本明細書において使用されているような外科用ステープル留めという用語は、2部品ファスナの適用を含む。
【0053】
ここで図2を参照すると、外科用ステープラ10は、一対のクランプスライド部材66a、66bおよびスラストバー70を含む。近接ストロークとステープル留め(ステープル発射)ストロークとを通して、トリガ16の動きに応答した後退位置と前進位置との間の動きのために、クランプスライド部材66a、66bおよびスラストバー70は、外科用ステープラ10のフレーム部材28a、28bの間にスライド可能に支持される。以下さらに詳細に論述されるように、スラストバー70は、近接ストロークの期間中に遠位に前進し、ステープル留め(ステープル発射)ストロークの期間中さらに遠位に前進する。カートリッジアセンブリ20は、クランプスライド部材66a、66bの遠位の端(示されていない)に動作可能に支持され、これによって、クランプスライド部材66a、66bの前進がカートリッジアセンブリ20の前進を引き起こす。カートリッジアセンブリ20は、スラストバー70の遠位の端(示されていない)に動作可能に接続され、これによって、ステープル留めストローク期間中の前進は、ステープルがアンビルアセンブリ20上のアンビルポケットと接触するように、カートリッジアセンブリ20からのステープルの排出を引き起こす。スラストバー70は、その近位の端に形成されたフランジ70aを含む。フランジ70aは、インジケータ部材73によって動作可能に係合されるように構成される。
【0054】
ここで図3に注目すると、インジケータ部材73は、ベース75と、一対の延伸部または翼77a、77bとを含む。ベース75は、スラストバー70のフランジ70aとの動作可能な係合のために構成される。一実施形態において、および示されているように、ベース75は、フランジ70aの周囲に受取られるように構成された開口部またはスロット75aを含む。しかしながら、インジケータ部材73は、接着剤および/または機械的ファスナを使用することを含む他の適合した態様において、スラストバー70と動作可能に係合され得る。別の実施形態において、インジケータ部材73は、スラストバー70と一体的に形成される。延伸部77a、77bは、ベース75から放射方向外向きに延伸し、スラストバー70の前進期間中、フレーム部材28a、28bのそれぞれに沿ってスライドするように構成される。延伸部77a、77bは互いに鏡像であり、そのそれぞれは、その外側の弧状表面にクランプシンボル「C」とステープルシンボル「S」とを含む。シンボル「C」、「S」は、示されているように絵またはアイコンであり得、あるいは、1つ以上の数字、1つ以上の文字、1つ以上の色、またはその任意の組合せ、または他の印を含み得る。シンボル「C」、「S」は、延伸部77a、77bのそれぞれの上に水平方向に整列され、以下に論述されるように、半区画12a、12bのそれぞれに形成された窓13を通して視認されるように位置する。2つのシンボルのみを含んで示されているが、延伸部77a、77bは、第3のクランプ前シンボル(示されていない)を含むために改変(つまり延長)され得る。
【0055】
外科用ステープラ10およびインジケータ部材73の動作は、ここで図4図9を参照して記載される。最初に図4および図5を参照すると、外科用ステープラ10は、第1の、またはクランプ前の(近接されていない)状態で示されている。示されているように、アライメントピン38は、親指ボタン24を使用して手動で前進されているが、代わりに、アライメントピン38は、トリガ16の近接ストローク期間中、自動的に前進され得る。第1の、またはクランプ前の状態において、インジケータ部材73と、その上に形成されたシンボル「C」、「S」のいずれとも、半区画12a、12bの窓13を通して視認できない。上述されたように、代替の実施形態において、延伸部77a、77bは延長されて第3のクランプ前シンボルを含み、ここで、この第3のクランプ前シンボルは、シンボル「C」、「S」と水平方向に整列され、外科用ステープラ10がクランプ前の状態にある場合に窓13を通して視認可能である。別の実施形態において、シンボル「C」、「S」は半区画12a、12b上に形成され、延伸部77a、77bは矢印を含む(示されていない)。この態様において、インジケータ部材73の前進は、外科用ステープラ10のクランプ動作およびステープル留め動作の期間中、矢印をシンボル「C」、「S」のそれぞれと逐次的に整列させる。
【0056】
図6および図7は、トリガ16の近接ストローク期間中の外科用ステープル留めデバイス10を図示する。‘508特許において詳細に記載されたように、図示されているように、トリガ16は、矢印「A」で指示された方向に、固定ハンドル14に向かって移動され、これにより、クランプスライド66a、66b(図2)を後退位置から前進位置または近接位置に向かって前進させる。クランプスライド66a、66bが前進されるとき、スラストバー70(図2)が同時に前進される。上述されたように、スラストバー70の前進は、インジケータ部材73の前進を生じる。インジケータ部材73と、半区画12a、12bのそれぞれに形成された窓13とは、近接ストロークの完了後にクランプシンボル「C」が窓13を通して完全に視認可能になるように配列される。この態様において、医療従事者は、クランプ段階が完了し、外科用ステープラ10がクランプされた状態にあるという視覚的指示を受取る。近接ストローク期間中に外科用ステープラ10が目一杯に近接されていない場合、クランプシンボル「C」は、窓13を通して視認できないか、または部分的にのみ視認可能となる。完全に視認可能なクランプシンボル「C」以外のいかなるものも、医療従事者に外科用ステープラ10が適切に近接されていないことを視覚的に示す。
【0057】
‘508特許において詳細に記載されたように、トリガ16の近接ストロークが完了された後、トリガ16は、その放出によって非圧迫位置に復帰し、これによって、外科用ステープラ10をステープル留めストロークのために準備する。ステープル留めストロークに先立ち、組織(示されていない)がカートリッジアセンブリ20とアンビルアセンブリ22との間に捕捉される。アライメントピン38(図4)は、組織をカートリッジアセンブリ20とアンビルアセンブリ22との間に維持または捕捉する。
【0058】
図8および図9は、矢印「B」で指示されているように、トリガ16がステープル留めストロークを通して移動された後の外科用ステープラ10を図示する。ステープル留めストローク期間中、スラストバー70(図2)は、本体12内で遠位に前進し続ける。上記のように、スラストバー70の前進は、インジケータ部材73の前進を生じる。ステープル留めストロークの完了によって、インジケータ部材73は、ステープルシンボル「S」が半区画12a、12bの窓13を通して完全に視認可能である位置に前進される。近接ストロークに関して上述されたように、ステープル留めストロークが後続する場合、ステープルシンボル「S」は窓13を通して完全に視認可能ではなく、医療従事者は、外科用ステープラ10のステープルが適切に発射されていないことの視覚的指示が提供される。
【0059】
引き続き図8を参照すると、ステープル留めストロークの完了後、放出ボタン150が押下され、ばね(示されていない)がスラストバー70(図2)とクランプスライド部材66a、66b(図2)とを初期位置またはクランプ前の位置まで近位方向に復帰させる。一実施形態において、および示されているように、クランプ前の位置において、インジケータ部材73は窓13を通して視認できない。別の実施形態において、クランプ前の位置において、クランプ前シンボル(示されていない)が視認可能である。どちらの例においても、外科用ステープラ10は再装填および使用の準備がなされている。
【0060】
ここで図10図12に注目すると、本開示に従った外科用ステープラの代替の実施形態が一般的に外科用ステープラ310として示されている。外科用ステープラ310は、外科用ステープラ10と実質的に類似であり、それらの間の差異に関してのみ記載される。
【0061】
外科用ステープラ310は、使用者に外科用ステープラ310の現在の状態の視覚的指示を提供するように構成されたインジケータ機構373を含む。インジケータ機構373は、ベース375と、一対のリンク部材377a、377bとを含む。ベース375は、スラストバー370のフランジ370aの周囲に受取られるように構成されたスロット375aを含む。しかしながら、ベース375は、粘着性接続および機械的接続を含む任意の適合した態様において、スラストバー370に付着され得る。あるいは、インジケータ機構373は、スラストバー370と一体的に形成され得る。リンク部材377a、377bは、ベース375から近位方向に延伸し、スラストバー370が近接ストロークとステープル留めストロークとを通して前進されるとき、フレーム部材328a、328bに沿ってスライドするように構成される。リンク部材377a、377bは、ベース375と一体的に形成され得、またはその代わりに、任意の適合した態様においてベース375に付着され得る。リンク部材377a、377bの端はそれぞれ、歯が刻まれた延伸部またはラック379a、379bを含む。歯が刻まれた延伸部379a、379bは、リンク部材377a、377bのそれぞれと一体的に形成され得、またはその代わりに、任意の適合した態様においてリンク部材377a、377bに付着され得る。以下さらに詳細に論述されるように、歯が刻まれた延伸部379a、379bは、インジケータ部材383a、383bと動作可能に係合するように構成される。
【0062】
引き続き図10を参照すると、インジケータ機構373は、フレーム部材328a、328bの遠位の端に動作可能に搭載されたインジケータ部材383a、383bを含む。示されているように、インジケータ部材383a、383bは、ピニオンホルダ329a、329b上に回転可能に支持されたピニオン部材を含む。一実施形態において、および示されているように、ピニオンホルダ329a、329bは、リベットを使用してフレーム部材328a、382bのそれぞれの近位の端に固定的に搭載される。しかしながら、任意の適合したファスナ留め手段が使用され得る。代替の実施形態において、ピニオンホルダ329a、329bは、フレーム部材328a、328bと一体的に形成され、本体12に沿った他の位置に位置付けられ得る。
【0063】
ここで図12に注目すると、インジケータ部材383bが示されている。インジケータ部材383a、383bは、実質的に類似であり、長手方向の軸「X」を規定する心棒385と、歯が刻まれたギア387とを含む。インジケータ部材383a、383bの心棒385は、スラストバーの長手方向の軸に対して垂直であり、インジケータ部材383a、383bがそれぞれピニオンホルダ329a、329bによって回転可能に受取られるように構成される。歯が刻まれたギア387は、リンク部材377a、377b上に形成された歯が刻まれた延伸部379a、379bとそれぞれ係合するように構成される。各インジケータ部材383a、383bは、クランプ前シンボル「P」(図13)と、クランプシンボル「C」(図14)と、ステープルシンボル「S」(図15)とを含む。シンボル「P」、「C」、「S」は、インジケータ部材383bの周囲に時計回りの構成において配列され得る一方、シンボル「P」、「C」、「S」は、インジケータ部材383aの周囲に反時計回りの構成において配列され得る。他のシンボルまたは印もまた想定される。
【0064】
外科用ステープラ310は、一対の窓313を含む本体312を含む。窓313は、各シンボル「P」、「C」、「S」が外科用ステープラ310の発射期間中に逐次的に視認され得るように、インジケータ部材383a、383bと整合するように構成される。シンボル「P」、「C」、「S」の鏡像構成は、外科用ステープラ310の使用期間中に同一シンボルが両方の窓13内に視認されるためである。
【0065】
外科用ステープラ310およびインジケータ機構373は、本明細書の上述の外科用ステープラ10と実質的に類似の態様において動作する。近接ストロークに先立ち、インジケータ部材383a、383bのクランプ前シンボル「P」が窓313を通して視認可能である。近接ストローク期間中、スラストバー370が遠位に前進され、それによって、ベース375、リンク部材377a、377b、および歯が刻まれた延伸部379a、379b(総称して、ラック377)の前進を生じる。歯が刻まれた延伸部379a、379bの前進は、それぞれインジケータ部材383a、383bの回転を生じる。近接ストロークに後続して、クランプシンボル「C」が窓313を通して視認可能である。トリガ16の放出は、ステープル留めストロークを許すためにトリガ16が非圧迫状態に復帰することを許す。ステープル留めストローク期間中、スラストバー370はさらに遠位に前進され、それによって、ベース375、リンク部材377a、377b、および歯が刻まれた延伸部379a、379bの前進と、それぞれインジケータ部材383a、383bの回転とを生じる。ステープル留めストロークに後続して、インジケータ部材383a、383b上のステープルシンボル「S」が窓313を通して視認可能である。ステープル留め過程の期間中のいつでも、外科用ステープラ310が所望の段階または状態にない場合、シンボル「P」、「C」、「S」のうちの1つが窓313を通して完全には視認可能とならず、それによって、医療従事者に外科用ステープラ310がそのような段階にないことの視覚的指示を提供する。
【0066】
本明細書において開示された実施形態に対して様々な改変がなされ得ることが理解されよう。例えば、外科用ステープル留めデバイスの構成部品は、外科用途に適合した、必要な強度特性を有した任意の材料で形成され得る。ステープル留めデバイスは2部品ファスナを内包し得る。それゆえ、上述は、限定的にではなく、単に好ましい実施形態の例証として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付の特許請求の範囲の意図および範囲内において、他の改変を想起するであろう。
【符号の説明】
【0067】
10、310 外科用ステープラ
12、312 本体
12a、12b 半区画
13、313 窓
14 固定ハンドル
16 トリガ
18 中央本体部分
20 カートリッジアセンブリ
21 アライメントピンアセンブリ
22 アンビルアセンブリ
24 親指ボタン
28a、28b、328a、328b フレーム部材
38 アライメントピン
66a、66b クランプスライド部材
70、370 スラストバー
70a、370a フランジ
73、383a、383b インジケータ部材
75、375 ベース
75a、375a スロット
77a、77b 延伸部
150 放出ボタン
329a、329b ピニオンホルダ
373 インジケータ機構
377a、377b リンク部材
379a、379b 歯が刻まれた延伸部
385 心棒
387 歯が刻まれたギア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15