特許第5697977号(P5697977)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5697977-耐熱性の嫌気的に硬化する組成物 図000037
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5697977
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】耐熱性の嫌気的に硬化する組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 33/00 20060101AFI20150319BHJP
   C08F 20/12 20060101ALI20150319BHJP
   C08K 3/34 20060101ALI20150319BHJP
   C08K 3/38 20060101ALI20150319BHJP
   C08K 5/00 20060101ALI20150319BHJP
   C08L 63/00 20060101ALI20150319BHJP
   C08F 2/44 20060101ALI20150319BHJP
   C09J 133/00 20060101ALI20150319BHJP
   C09J 163/00 20060101ALI20150319BHJP
【FI】
   C08L33/00
   C08F20/12
   C08K3/34
   C08K3/38
   C08K5/00
   C08L63/00 C
   C08F2/44 A
   C09J133/00
   C09J163/00
【請求項の数】12
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2010-516998(P2010-516998)
(86)(22)【出願日】2008年7月14日
(65)【公表番号】特表2010-533768(P2010-533768A)
(43)【公表日】2010年10月28日
(86)【国際出願番号】US2008008582
(87)【国際公開番号】WO2009011819
(87)【国際公開日】20090122
【審査請求日】2011年6月21日
(31)【優先権主張番号】11/778,190
(32)【優先日】2007年7月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514003049
【氏名又は名称】ヘンケル ユーエス アイピー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100106297
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 克博
(74)【代理人】
【識別番号】100129610
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 暁子
(72)【発明者】
【氏名】アッターワラ、 シャバー
(72)【発明者】
【氏名】ジュウ、 チンイエン
(72)【発明者】
【氏名】シンドラー、 クラウス
【審査官】 阪野 誠司
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第00/077110(WO,A1)
【文献】 特表2002−513441(JP,A)
【文献】 特開平08−053506(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08C 19/00− 19/44
C08F 4/00− 4/58
C08F 4/72− 4/82
C08F 6/00−246/00
C08F301/00
C09J 1/00− 5/10
C09J 9/00−201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
嫌気硬化性組成物であって、
(a)(メタ)アクリレート成分、
(b)嫌気性硬を誘導する組成物、および
(c)構造単位:MO−X(Y)−OM’を含む成分(式中、MおよびM’は、独立して、水素、ナトリウム、カリウム、およびリチウムからなる群より選択され、Xは、シリコンまたはボロンであり、Xがシリコンの場合、Yは=Oであり、Xがボロンの場合、YはOHであり、ただしYはOHで、Xがボロンの場合、前記(c)成分は、25重量%から75重量%の範囲内の量で存在し、あるいは、Yは=Oで、Xがシリコンの場合、前記(c)成分は、10重量%から75重量%の範囲内の量で存在するという条件においてである)を含む組成物。
【請求項2】
前記嫌気性硬化を誘導する組成物が、フリーラジカル重合の開始剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記成分中のXがボロンであり、前記(c)成分は組成物中に35重量%から60重量%の範囲内の量で存在する、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記成分中のXがボロンであり、前記(c)成分は組成物中に40重量%から50重量%の範囲内の量で存在する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記(メタ)アクリレート成分が、HC=CGCO(式中、Gは、H、ハロゲンおよび1から4個の炭素原子を有するアルキルからなる群より選択されるものであり、Rは、1から16個の炭素原子を有し、シラン、シリコン、酸素、ハロゲン、カルボニル、ヒドロキシル、エステル、カルボン酸、尿素、ウレタン、カルバメート、アミン、アミド、硫黄、スルホネート、スルホンからなる群より選択されるもので置換されているか、または置換されていないか、もしくは割り込まれているアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルカリル、およびアリール基からなる群より選択されるものである)で表される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記(メタ)アクリレート成分が、シリコン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール−A−(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノール−A−(メタ)アクリレート、ビスフェノール−F−(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノール−F−(メタ)アクリレート、テトラヒドロフラン(メタ)アクリレートおよびジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ならびにトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートからなる群より選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記嫌気性硬化を誘導する組成物が、下記:
A.サッカリン、トルイジン、アセチルフェニルヒドラジン、マレイン酸、およびキノンの組合せ;
B.
【化1】
【化2】
(式中、R、RおよびRは、各々、独立して、水素またはC1−4からなる群より選択され、Zは、炭素−炭素一重結合または炭素−炭素二重結合であり、mは、0または1であり、nは、1から5の整数である);
C.
【化3】
(式中、Yは、任意に、最高、5つの位置がC1−6アルキルまたはアルコキシ、もしくはハロ基で置換されている芳香族環からなる群より選択され、Aは、C=O、S=O、またはO=S=Oであり、Xは、NH、OまたはSであり、Zは、任意に、最高、5つの位置がC1−6アルキルまたはアルコキシ、もしくはハロ基で置換されている芳香族環であり、または統合されたYおよびZは、同じ芳香族環または芳香族環システムに結合してもよく、ただし、XがNHの場合、o−ベンゾイックスルフィミドはそれから除外されるものとする);
D.
【化4】
(式中、Rは、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルケニル、カルボキシル、またはスルホネートからなる群より選択され、Rは、上記の定義と同じもの、およびアルケニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルケニル、またはアラルキルである);
E.下記の構造:
【化5】
(式中、AおよびAは、各々、独立して、OおよびNからなる群より選択され、R、R、RおよびRは、同じであるか、異なっており、上記の定義と同じもの、および1から30個の炭素原子を有し、ヘテロ原子、ヘテロ環構造で置換されていても、または割り込まれていてもよいシクロアルキル、シクロアルケニル、およびアリールであり、もしくは統合されたRおよびRは、結合して20ら28個の環原子を有する環状構造を形成してもよく、RおよびRは共に、ジアルキル置換ポリエーテル構造を表し、この構造はトリチアジアザペンタレン構造で置換されていても、または割り込まれていてもよく、これ自体は、上記の定義と同じA、R、またはRで置換されていても、置換されていなくてもよい)により包含されるトリチアジアザペンタレン;および
F.トリアジンおよびチオールの組合せ、
の1つ以上を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
さらに、共反応物を含み、
記共反応物が:
【化6】
【化7】
[構造Iの式中、Xは、少なくとも1個は存在し、HまたはDnA(nは、0から1の範囲に及ぶことができる)から選択され、少なくとも1個のXはDnAであり、ここでDは、環に結合することができ、およびO、S、またはNHから選択することができ、Aは、Dが存在する場合にはDに結合するか、または前記環に直接的に結合し、ここでAは、下の構造III:
【化8】
(式中、Eは、H、1から20個の炭素原子を有し、ハロゲン、シリコン、ヒドロキシ、ニトリル、エステル、アミドまたはスルホネートによって置換されている、もしくは置換されていない直鎖、分岐鎖または環状アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシまたはアリール基からなる群より選択されるものであり、式中、Rは、H、1から20個の炭素原子を有し、ハロゲン、シリコン、ヒドロキシ、ニトリル、エステル、アミドまたは硫酸塩によって置換されている、もしくは置換されていない直鎖、分岐鎖または環状アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシまたはアリール基からなる群より選択される)で表され;
構造IIの式中、Xは、少なくとも1個は存在し、HまたはO=CDnAから選択され、少なくとも1個のXは、O=CDnAであり、ここでDnおよびAは、上記の定義と同じものであり;
構造IVの式中、DおよびAは、上記と同じものであり、少なくとも1個は存在し、また、DおよびAは共に、互いにα−β関係にある環原子に結合して存在することができる]
からなる群より選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記共反応物が、
【化9】
【化10】
【化11】
である、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物の反応生成物。
【請求項11】
嫌気硬化性組成物から反応生成物を製造するための方法であって、以下のステップ、
請求項1〜9のいずれか1項に記載の嫌気硬化性組成物を、所望の基体表面に塗布するステップおよび
前記組成物を前記組成物が硬化するのに十分な時間、嫌気性環境に曝すステップ
を含む、方法。
【請求項12】
2つの対になった基体の間で、請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物でもって形成された結合を含む、組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、高温条件に対して耐久性を示す嫌気的に硬化する組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の簡単な説明)
嫌気性接着剤組成物は、一般的によく知られている。例えば、R.D.Richの「嫌気性接着剤(Anaerobic Adhesive)」[Handbook of Adhesive Technology,29,467−79,A.Pizzi and K.L.Mittal,eds.,Marcel Dekker,Inc.,New York(1994)]およびここに挙げられている参考文献を参照されたし。それら組成物は多く使用されており、新規用途の開発が続いている。
【0003】
従来の嫌気性接着剤は、通常、フリーラジカル重合性のアクリレートエステルモノマーをパーオキシ開始剤および禁止剤成分と共に含む。また、そのような嫌気性接着剤組成物は、組成物が硬化する速度を上げるために促進剤成分を含むことがよくある。
【0004】
多くの接着剤、特に、嫌気性接着剤は、特定の添加物を含有することによって、高温での劣化に耐えるようにされてきた。例えば、米国特許第3,988,299号(Malofsky)公報は、改良された熱特性を有する熱硬化性組成物に言及しており、これは特定のアクリレートモノマーおよびマレイミド化合物を含む。
【0005】
L.J.BacceiおよびB.M.Malofskyの「耐熱性が改良されたマレイミド含有嫌気性接着剤(Anaerobic Adhesives Containig Maleimides Having Improved Thermal Resistance)」[Adhesive Chemicals,589−601,L−H,Lee,ed.,Plenum Publishing Corp.(1984)]は、マレイミド、特に、N−フェニルマレイミド、m−フェニレンジマレイミドおよびメチレンジアニリンとメチレンジアニリンビスマレイミドとの反応生成物の使用を公表しており、これは少なくとも150°Cの温度で完全に硬化する嫌気性接着剤の耐熱性を上げるためである。
【0006】
熱劣化に対する耐性を持たせるために、そのようなマレイミド化合物を嫌気性接着剤組成物に添加すると、許容できる性能を有する反応生成物をもたらすが、そのような配合物に含ませる代替の化合物を見出すことが望ましいと考えられる。
【0007】
過去、Henkel社は、熱劣化に対する耐性が強化された特定の嫌気性接着剤組成物を考案した。例えば、米国特許第6,342,545号(Klemarczyk)公報は、ラジカル硬化性組成物を開示およびクレームし、この組成物のラジカル硬化反応生成物は、改良された接着力および高温における熱劣化に対する耐性を明らかにしている。この組成物は、嫌気条件下で硬化することができ、(a)(メタ)アクリレート成分;(b)耐熱性付与剤としての有効量の潜在性イミダゾール;および(c)嫌気性硬化を誘導する組成物のようなラジカル硬化を誘導する組成物、を含む。この潜在性イミダゾールは、活性水素を有する化合物を、第3級アミノ基、エポキシ化合物およびカルボン酸無水物と共に反応させることによって得られる付加物である。そして、この耐熱性付与剤は、メチルイミジゾール、ベンゾイルイミジゾール、ベンゾイルメチルイミジゾール、フタロイルジイミジゾールおよびこれらの組合せから選択される。
【0008】
また、米国特許第6,150,479号公報(Klemarczyk)は、ラジカル硬化性組成物を開示およびクレームし、この組成物のラジカル硬化反応生成物は、改良された接着力および高温における熱劣化に対する耐性を明らかにしている。この組成物は、嫌気条件下で硬化することができ、(a)(メタ)アクリレート成分;(b)エポキシ化シトロネリルアクリレート;エポキシ化シトロネリルメタクリレート;シクロヘキセニルメタノールアクリレート;
シクロヘキセニルメタノールメタクリレート;エポキシ化シクロヘキセニルメタノールメタクリレート;ジヒドロジシクロペンタジエニルアクリレート;エポキシ化ジヒドロジシクロペンタジエニルアクリレート;ジヒドロジシクロペンタジエニルメタクリレート;エポキシ化ジヒドロジシクロペンタジエニルメタクリレート;エポキシ化2−プロペノイック酸;2−[(3a,3,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデニル)オキシ]エチルエステル;エポキシ化2−プロペノイック酸;2−メチル−2−[(3a,3,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデニル)オキシ]エチルエステル;およびこれらの組合せを例とする、特定の構造の共反応物成分、ならびに(c)嫌気硬化を誘導する組成物のようなラジカル硬化を誘導する組成物、を含む。本発明では、組成物中に共反応物が存在することで改良された接着力および熱劣化に対する耐久性を有する、そのラジカル硬化反応生成物を提供する。また、この組成物は、耐熱性付与剤を含んでいてもよく、例えば、イミジゾール誘導体(例えば、ベンゾイルイミジゾール、メチルイミジゾール、ベンゾイルメチルイミジゾール、フタロイルジイミジゾールおよびこれらの組合せ)、潜在性イミジゾール、および活性水素を有する化合物を分子中の第3級アミノ基、エポキシ化合物およびカルボン酸無水物と共に反応させることによって得られる付加物から選択されるものである。
【0009】
また、Henkel社は、ホウ酸を有するPST(商品番号190901)と呼ばれる製品の販売を現在も継続しており、これは、他の成分の内、約1−5%のホウ酸を有する。
【0010】
米国特許第4,320,221号(Hoffmann)および同4,451,627号(Frisch)各公報は、イソシアネートと「ポリアール(polyahl)」との反応生成物から製造される嫌気性接着剤を開示している。用語「ポリアール(polyahl)」は、一般的に、平均1個より多い活性水素部分を有する任意の多官能性化合物を含むということである。適した化合物は、ただ1つのタイプ、または1つより多いタイプの活性水素部分から供給される活性水素を有するものであってもよい。1つより多いタイプの活性水素を有する化合物の例としては、アミノアルコールおよびメルカプトアルコールが公表されている。また、適したポリアールとしては、特に、分子当たり活性水素部分を3個以上有する化合物が挙げられる。ホウ酸のエステルは、それ自体、反応体と言われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前記最先端技術にもかかわらず、ラジカル硬化性接着剤、例えば、嫌気的に硬化性接着剤の反応生成物の熱的性能を改良するため、添加物に対する探求が継続されている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の嫌気的に硬化する組成物は、(a)(メタ)アクリレート成分;(b)嫌気性硬化を誘導する組成物;および(c)構造単位、HO−X(Y)−OH (式中、Xは、シリコンまたはボロンであり、Xがシリコンの場合、Yは、=Oであり、Xがボロンの場合、Yは、OHである)を有する成分を含む。XがボロンでYがOHの場合、この成分は、約25重量%から約75重量%の範囲内の量で存在する。
【0013】
また、本発明は、本発明の嫌気硬化性組成物ならびに本発明の嫌気硬化性組成物の反応生成物を製造および使用する方法を提供する。
【0014】
本発明は、「発明の詳細な説明」およびその後に続く具体的な例を読み込むことによって、より完全に理解されると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の範囲内にある、コントロール試料番号11および試料番号12の温度に対する高温強度のグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(発明の詳細な説明)
【0017】
本発明の嫌気的に硬化性組成物は、(a)(メタ)アクリレート成分;(b)嫌気硬化を誘導する組成物;および(c)構造単位、MO−X(Y)−OM’(式中、MおよびM’は、独立して、H、Na、K、またはLi から選択され、Xは、シリコンまたはボロンであり、Xがシリコンの場合、Yは、=Oであり、Xがボロンの場合、Yは、OHである)を有する成分、を含む。XがボロンでYがOHの場合、この成分は、約25重量%から約75重量%の範囲内の量で存在する。
【0018】
前記(メタ)アクリレート成分は、HC=CGCO(式中、Gは、水素、ハロゲンまたは1から約4個の炭素原子を有するアルキル基であってもよく、Rは、1から約16個の炭素原子を有するからアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルカリル、アラルキルまたはアリール基から選択されてもよく、これらのうちいくつかは、場合によって、シラン、シリコン、酸素、ハロゲン、カルボニル、ヒドロキシル、エステル、カルボン酸、尿素、ウレタン、カーボネート、アミン、アミド、硫黄、スルホネート、スルホンなどで任意に置換されていても、または割り込まれていてもよい)で表されるもののような多くの物質から選ばれてもよい。
【0019】
本発明で使用するのに適した追加の(メタ)アクリレートモノマーとしては、多官能性(メタ)アクリレートモノマーが挙げられ、例えば、これらに限定されないが、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフラン(メタ)アクリレートおよびジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート(「HPMA」)、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(「TMPTMA」)、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート(「TRIEGMA」)、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ジ−(ペンタメチレングリコール)ジメタクリレート、テトラエチレンジグリコールジアクリレート、ジグリセロールテトラメタクリレート、テトラメチレンジメタクリレート、エチレンジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートのような2−または3−官能性(メタ)アクリレート、ならびにエトキシ化ビスフェノール−A(メタ)アクリレート(「EBIPMA])のようなビスフェノール−A−モノおよびジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノール−F(メタ)アクリレートのようなビスフェノール−Fモノおよびジ(メタ)アクリレートである。
【0020】
本発明で使用できる、さらに別の(メタ)アクリレートモノマーとしては、米国特許第5,605,999号(Chu)公報が教示し、クレームするもののようなシリコン(メタ)アクリレート部分(「SiMA」)を含み、この開示は、参照して本明細書に明示的に組みこまれる。
【0021】
また、当然ながら、前記(メタ)アクリレートモノマーの組合せを使用してもよい。
【0022】
前記(メタ)アクリレート成分は、組成物の全重量基準で、組成物の約10から約75重量%、例えば、約50から約70重量%を占めなければならない。
【0023】
中心原子としてボロンまたはシリコンを有する前記成分は、高い温度条件下でネットワークを形成できなければならない。すなわち、この成分がボロンを含む場合、そしてすなわち、ホウ酸、酸化ホウ素または5水ホウ砂およびこれらの塩を含む場合、この成分は、高い温度条件下に曝されたとき、ネットワークを形成することができ、この温度は、本発明の目的に対しては、通常、200°Cまでの低い温度であり、しかし、そのようなネットワーク形成のための時間は温度が上がるとともに短くなる。
【0024】
ホウ酸は、過去に接着剤での使用が提案されたが(例えば、OPTIBOR製品に対してU.S.Borax社による提案)、そのような接着剤は、段ボール紙および板紙工業のために、でんぷんをベースとしてきた(通常、水性システム)。さらに、U.S.Borax社は、カゼインをベースとする接着剤およびデキストリンをベースとする接着剤の製造において、OPTIBOR製品を解膠剤として推進してきた。このOPTIBOR製品は、共役ヒドロキシル基の架橋によって接着剤(この場合も先と同様に、水性のでんぷんをベースとするもの)のタックおよびグリーン強度が改良されることが公表されている。
【0025】
中心原子としてボロンまたはシリコンを有する前記成分がボロン含有成分のとき、この成分は、本発明の組成物において、組成物の全重量を基準として、約25重量%から約75重量%、例えば、約35重量%から約60重量%、例えば、約40重量%から約50重量%の範囲内の量で存在しなければならない。
【0026】
中心原子としてボロンまたはシリコンを有する前記成分がシリコン含有成分であるとき、この成分は、ケイ酸、ナトリウムオルトシリケート、NaSiO;ナトリウムメタシリケート、NaSiO;ナトリウムポリシリケート、(NaSiO)n;またはナトリウムピロシリケート、NaSiから選択されてもよい。
【0027】
中心原子としてボロンまたはシリコンを有する前記成分がシリコン含有成分であるとき、この成分は、本発明の組成物において、約10重量%から約75重量%、例えば、約25重量%から約60重量%の範囲内の量で存在しなければならない。
【0028】
本発明の組成物の硬化を誘導および加速するため、好ましい嫌気性硬化を誘導する組成物は、サッカリン、N,N−ジエチル−p−トルイジン(「DE−p−T」)およびN,N−ジメチル−o−トルイジン(「DM−o−T」)のようなトルイジン、アセチルフェニルヒドラジン(「APH」)、マレイン酸、およびナフトキノンおよびアントラキノンのようなキノンの安定剤を含んでいてもよい。例えば、米国特許第3,218,305号(Krieble)、同4,180,640号(Melody)、同4,287,330号(Rich)および同4,321,349号(Rich)各公報を参照されたし。
【0029】
嫌気性硬化を誘導する組成物の構成成分として、前のパラグラフにリストされた成分に加えて、最近、Henkel社は嫌気性硬化促進剤シリーズを見いだした。それらのいくつかを下記に説明する:
【0030】
【化1】
【0031】
【化2】

(式中、R−Rは、各々、独立して、水素またはC1−4から選択され、Zは、炭素−炭素一重結合または炭素−炭素二重結合であり、mは、0または1であり、nは、1から5の整数である)、
【0032】
【化3】
(式中、Yは、芳香族環であり、任意に最高5つの位置がC1−6アルキルまたはアルコキシ、もしくはハロ基で置換されており、Aは、C=O、S=OまたはO=S=Oであり、Xは、NH、OまたはSであり、Zは、芳香族環であり、任意に最高5つの位置がC1−6アルキルまたはアルコキシ、もしくはハロ基で置換されており、または統合されたYおよびZは、同じ芳香族環または芳香族環システムに結合してもよく、ただし、XがNHの場合、o−ベンゾイックスルフィミドはそれから除外されるものとする)、
【0033】
【化4】
(式中、Rは、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルケニル、カルボキシル、またはスルホネートであり、Rは、上記の定義と同じもの、およびアルケニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルケニル、またはアラルキルである)。米国特許第6,835,762号、同6,897,277号、および同6,958,368号各公報を参照されたし。
【0034】
さらに、Loctite(R&D)社は、硬化促進剤として下記のトリチアジアザペンタレンを使用する嫌気的に硬化する組成物を考案した:
【0035】
【化5】
(式中、AおよびAは、OおよびNから選択されてもよく、
R、R、RおよびRは、同じであっても、または異なっていてもよく、上記の定義と同じもの、および1から約30個の炭素原子を有するシクロアルキル、シクロアルケニル、およびアリールであり、ヘテロ原子、およびヘテロ環構造で置換されていても、または割り込まれていてもよく、もしくは
統合されたRおよびRは、結合して約20から約28個の環原子を有する環状構造を形成してもよく、RおよびRは共に、ジアルキル置換ポリエーテル構造を表し、この構造はトリチアジアザペンタレン構造で置換されていても、または割り込まれていてもよく、これ自体は、上の定義と同様のA、R、またはRで置換されていても、置換されていなくてもよい)。米国特許第6,583,289号(McArdle)公報を参照されたし。
【0036】
また、トリアジン/チオール嫌気性硬化システムを、本発明の実施で使用することができる。そのようなシステムについては、例えば、米国特許第4,413,108号、同4,447,588号、同4,500,608号および同4,528,059号各公報が説明しており、その全部は、参照して本明細書に明示的に組みこまれる。
【0037】
また、本発明の組成物は、他の一般的な成分、例えば、鉄および銅のような金属触媒を含んでいてもよい。金属触媒は、通常、1パート嫌気性配合物(すなわち、金属を析出するための封鎖剤の使用)においては望ましくない。2パート嫌気性配合物においては、パーオキシ化合物のような開始剤を含んでいない配合物パートに金属触媒を添加してもよい。
【0038】
よく知られたフリーラジカル重合の開始剤の多くは、例えば、これらに限定されることなく、CHP、パラ−メンタンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド(「TBH」)およびt−ブチルパーベンゾエートなどのヒドロペルオキシドは、典型的に本発明の組成物に含有される。別のペルオキシドとしては、ベンゾイルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ジアセチルペルオキシド、ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)吉草酸エステル、p−クロロベンゾイルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、t−ブチルパーベンゾエート、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルペルオキシヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチル−ペルオキシヘキ−3−シン、4−メチル−2,2−ジ−t−ブチルペルオキシペンタンおよびこれらの組合せが挙げられる。
【0039】
前記嫌気性硬化を誘導する組成物を、組成物の全重量を基準として、約0.1から約10重量%、例えば、約1から約5重量%の量で使用してもよい。
【0040】
硬化性組成物またはこれらの反応生成物のどちらかの物理的特性を変えるために、追加の成分が通常の嫌気硬化性組成物に包含されてきた。この組成物中に包含されることが好ましいと当業者が考える、例えば、増粘剤、非反応性可塑剤、フィラー、強化成分(例えば、エラストマーおよびゴム)、および他の公知の添加物は、組成物中に包含されてもよい。
【0041】
さらに、使用温度範囲において、一定値を超える強度を制御するのは好ましいと考えられる。そのような場合、前記組成物に共反応物を添加することを望むと思われる。そのような共反応物を、米国特許第6,043,327号(Attarwala)および同6,391,993号(Attarwala)公報に開示され、記載されたものから選択してもよく、各々の公報の開示は、参照して本明細書に明示的に組みこまれる。
【0042】
例えば、’327および’993特許公報を参照して、前記共反応物を
【0043】
【化6】
から選択してもよく、構造Iの式中、Xは、少なくとも1個は存在することができ(すなわち、モノ−、ジ−、またはトリ−置換)、HまたはDnA(nは、0から1の範囲に及ぶ)から選択することができ、少なくとも1個のXはDnAである。Dは、存在する場合(すなわち、n=1の場合)、環に結合することができ、O、S、またはNHから選択することができる。Aは、Dが存在する場合にはDに結合することができ、Dが存在しない場合には(すなわち、n=0)、環に直接的に結合することができる。Aは、下の構造III:
【0044】
【化7】
によって表すことができ、式中、Eは、H、1から20個の炭素原子を有し、ハロゲン、シリコン、ヒドロキシ、ニトリル、エステル、アミドまたは硫酸塩によって置換された、もしくは置換されていない直鎖、分岐鎖または環状アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシまたはアリール基から選択することができる。Rは、H、1から約20個の炭素原子を有し、ハロゲン、シリコン、ヒドロキシ、ニトリル、エステル、アミドまたは硫酸塩によって置換されているか、もしくは置換されていない直鎖、分岐鎖または環状アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシまたはアリール基から選択することができる。Xは、構造II(すなわち、モノ−、ジ−、またはトリ−置換)の上に、少なくとも1個は存在することができ、HまたはO=CDnAから選択してもよく、少なくとも1個のXは、O=CDnAであり、ここでDnおよびAは、上の定義と同じものであってもよい。
【0045】
他の適した共反応物は、
【0046】
【化8】
として表され、式中、DおよびAは、上記と同じものであってもよく、少なくとも1個は存在することができ、DおよびAは共に、互いにα−β関係にある環原子に結合して存在することができる。
【0047】
特定の共反応物の例としては、これらに限定されるものではないが、下の式V〜VIIに示されたものが挙げられる。
【0048】
【化9】
【0049】
【化10】
【0050】
【化11】
【0051】
上で表された共反応物で特に好ましいものは、構造V[トリアリルシアヌレート(「TAC」)]、VI[トリアリルトリメサート(「TAT」)]、およびVII[トリアリルイソシアヌレート(「TAI」)]によって下に表される。
【0052】
また、本発明は、本発明の嫌気性接着剤組成物およびこの組成物の反応生成物を、製造ならびに使用する方法を提供する。
【0053】
本発明の組成物は、当業者に周知の通常の方法によって製造することができる。例えば、本発明の組成物の成分を、これらの成分が組成物中で果たしうる役割および機能と合わせて任意の都合の良い順序で一緒に混合してもよい。公知の装置を用いた通常の混合技術を採用することができる。
【0054】
本発明の組成物は、様々な基体に塗布して本明細書で記載された所望の利益および利点を示すことができる。例えば、適切な基体を、スチール、真鍮、銅、アルミニウム、亜鉛、ガラスならびに他の金属および合金、セラミックおよび熱硬化性樹脂から構築することができる。本発明の組成物にガスケットでの使用および複合材用途に適合する有利な特性を持たせることができる。本発明の組成物は、特にスチールおよびアルミニウムへの良好な結合力を明確に示す。適当なプライマーを選択した基体表面に塗布して、本発明の組成物の硬化速度を速めることができる。例えば、米国特許第5,811,473号(Ramos)公報を参照されたし。
【0055】
また、本発明は、本発明の嫌気性接着剤組成物からの反応生成物を製造するための方法を提供し、この方法は、所望の基体表面に前記組成物を塗布するステップおよび前記組成物を硬化するのに十分な時間、前記組成物を嫌気性環境に曝すステプを含む。
【0056】
本発明の上記の説明を考慮すると、実用上の良い機会が広範囲にもたらされることは明らかである。下記の実施例は、単に具体的な説明を目的に提供され、本明細書の教示をなんら制限するものとして解釈されない。
【実施例】
【0057】
実施例1
最初に、相対的な高温強度値を決定するために、異なった濃度でホウ酸を使う場合およびホウ酸を使わない場合でLOCTITE272を評価した。
【0058】
LOCTITE272を、60−100%の量の芳香族ジメタクリレートエステル(CAS No.24448−20−2)、10−30%の量のマレイミド樹脂(CAS No.3006−93−7)、1−5%の量のヒドロキシアルキルメタクリレート(CAS No.27813−02−1)、1−5%の量のクメンヒドロペルオキシド(CAS No.80−15−9)、1−5%の量のシリカ(アモルファス、フュームド、結晶性がない)(CAS No.112945−52−5)、および0.1−1%の量のAPH(CAS No.114−83−0)から製造する。
【0059】
下の表1において、LOCTITE272を1つのコントロールとして使用し、これを試料番号1と呼ぶ。試料番号2−4を、LOCTITE272および示された量のホウ酸を使って形成した。
【0060】
【表1】
【0061】
下の表2および3に関して、スチール製のナットおよびボルトの試料番号1へ適用すると、300°Cの温度で4時間後、107インチ−ポンドの分離強度、および300°Cの温度で20時間後、わずか12インチ−ポンドの分離強度を明確に示すことがわかると思われる。しかしながら、350°Cの温度では、スチール製のナットおよびボルト試料番号1へ適用すると、350°Cの温度で4時間後、26インチ−ポンドの分離強度を明確に示すが、350°Cの温度で20時間後、分離高温強度を示さなかった。すなわち、保持強度に関して、試料番号1は所定の時間の後、300°Cでわずか6%を示したが、350°Cで所定の時間の後、保持強度を示さなかった。
【0062】
試料番号2、3、および4の各々は、試料番号1と比較して、より高い温度およびより長い熟成時間で高温強度の保持の増加を明確に示した。試料番号3および4において、各々、300°Cおよび350°Cの加熱熟成で保持された高温強度%が顕著に改良されたのは、本発明で、それぞれ試料中の25重量%および50重量%ホウ酸に起因すると考えられる。
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
表4において、試料番号5(LOCTITE PST 567)を1つのコントロールとして使用し、試料番号6(ホウ酸と共にPST)を第2のコントロールとして使用する。試料番号7−10は様々な重量%でホウ酸を添加した試料を示す。
【0066】
【表4】
【0067】
【表5A】
【0068】
また、試料番号5−7および9−10に関しては、350°Cの温度で3日間、44インチ−ポンドに事前にトルクを掛けられたステンレススチール製のナットおよびボルト組立品について評価した。表5Aは評価結果を示し、試料番号9および10は、試験条件下で50%より大きい高温強度の保持を明確に示し、一方、試料番号5、6および7は、同じ条件下で40%より小さい高温強度の保持を明確に示す。

【0069】
【表5B】
【0070】
試料番号5、6および8に関しては、280°Cの温度で24時間、44インチ−ポンドに事前にトルクを掛けられたステンレススチール製のナットおよびボルト組立品について評価した。表5Bは評価結果を示し、試料番号6および8は、280°Cの温度で24時間後、100%を超える高温強度の保持を明確に示し、一方、試料番号5は、同じ条件下で80%の高温強度の保持を明確に示す。
【0071】
【表5C】
【0072】
また、試料番号6、7、8および10に関しては、350°Cの温度で24時間、44インチ−ポンドに事前にトルクを掛けられたステンレス・スチール製のナットおよびボルト組立品について評価した。表5Cは試料番号8および10の評価結果を示し、350°Cの温度で24時間後、100%を超える高温強度の保持を明確に示し、一方、試料番号6および7は、同じ条件下で90%未満の高温強度の保持を明確に示す。
【0073】
米国特許第6,043,327号公報の14欄の表1から、LOCTITE294の代表である実施例3を、下の表6における試料番号11として再現しており、本発明の範囲内の配合物を試料番号12として示す。
【0074】
【表6】
【0075】
LOCTITE294の代表である試料番号11をコントロールとして使用し、これは制御された強度の耐熱性のためのマレイミドとTACの組合せを含み、一方、試料番号12は、耐熱性のためのホウ酸とTACの組合せを含む。
【0076】
【表7】
【0077】
表7は、試料番号11の高温解除強度が233°Cより高い温度で低下することを示し、一方、試料番号12の高温強度が350°Cまでの温度で保持されることを示す。また、図1は、このデータをグラフを使って示し、前記強度が評価温度の範囲を超えて全般的に維持されることを強調している。
【0078】
下の表8は、1つはケイ酸を使った試料(試料番号13)、もう1つはコントロールとしてケイ酸なしの試料(試料番号5)の2つを示す。
【0079】
【表8】
【0080】
【表9】
【0081】
また、表8に関して、試料番号13を350°Cの温度で3日間、44インチ−ポンドに事前にトルクを掛けられたステンレス・スチール製のナットおよびボルト組立品について評価した。表9は評価結果を示し、試料番号13は驚くべきことに、350°Cの温度で3日間後、100%の高温強度の保持を明確に示し、一方、試料番号5は、同じ条件下で30%のみの高温強度の保持を明確に示す。
【0082】
表10に関しては、試料番号13および14を示しており、試料番号14は、LOCTITE510 Gasket Eliminator Flange Sealantであり、試料番号15は、LOCTITE 510 Gasket Eliminator Flange Sealantが75重量%およびナトリウムケイ酸塩粉末が25重量%である。
【0083】
【表10】
【0084】
【表11】
【0085】
また、試料番号13および14を233°Cの温度で24時間、44インチ−ポンドに事前にトルクを掛けられたステンレス・スチール製のナットおよびボルト組立品について評価した。表11は評価結果を示し、試料番号13に比較して、試料番号14は、233°Cの温度で24時間、改良された強度の保持を明確に示す。
図1