(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ステムの前記ボディ部分に前記ステムの前記長軸から概ね半径方向に延在している前記表面が、切断骨格の上に載るように構成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の再置換用股関節インプラント。
前記スリーブが前記ステムの前記長軸から非対称に延在するように構成されたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の再置換用股関節インプラント。
前記ネックが第1の軸に沿って前記ステムの上に受け入れられ、ヘッドが第2の軸に沿って前記ネックの上に受け入れられ、前記第1および第2の軸が互いに平行であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の再置換用股関節インプラント。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来技術の問題に鑑みて開発された。
【課題を解決するための手段】
【0004】
再置換用股関節インプラントの一実施形態は、ステム、スリーブおよびネックを備えている。ステムは、ボディ部分、近位髄内管部分および遠位髄内管部分を有している。近位髄内管部分および遠位髄内管部分は、概ねステムの長軸に沿って整列している。ボディ部分は、近位髄内管部分に対して近位に配向されており、また、さらに、ステムの長軸から概ね半径方向に延在している表面を有している。近位髄内管部分は、遠位方向に延在しているテーパ表面を有している。スリーブは、ステムの遠位髄内管部分から受け入れられるように構成されており、また、さらに、近位髄内管部分の遠位方向に延在しているテーパ表面と整合するように構成された内部表面を有している。ネックは、ステムのボディ部分に受け入れられるように構成されている。ステムのボディ部分は、ネックのネックテーパ部分と整合するように構成されたネック受入れ表面を有している。ネックテーパ部分は、長軸に対して一定の角度で配向されている。
【0005】
本発明の他の実施形態によれば、ステムの遠位髄内部分は、さらに、ステムの長手方向に沿って延在している溝を備えている。
【0006】
再置換用股関節インプラントのさらに他の実施形態では、スリーブは、さらに、円錐部分および円筒状部分を備えている。円錐部分は、ステムボディの近位に配向されており、また、円筒状部分は、円錐部分から遠位方向に延在している。
【0007】
別法としては、ステムのボディ部分にステムの長軸から概ね半径方向に延在している表面が、切断骨格の上に載るように構成することも可能である。
【0008】
他の実施形態では、スリーブは、ステムの長軸から非対称に延在するように構成されている。
【0009】
他の実施形態によれば、ネックは、第1の軸に沿ってステムの上に受け入れられる。ヘッドは、第2の軸に沿ってネックの上に受け入れられ、第1および第2の軸は互いに平行である。
【0010】
以下、本発明の他の特徴、態様および利点、ならびに本発明の様々な実施形態の構造および動作について、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
本明細書に組み込まれ、かつ、本明細書の一部をなしている添付の図面は、本発明の実施形態を実例で示したものであり、以下の説明と共に本発明の原理を説明する役割を果たしている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】ステムのグループ、スリーブのグループおよびネックのグループを含んだ再置換用股関節インプラントセットの一実施形態を示す図である。
【
図2】本発明の一態様による股関節インプラントの一実施形態の分解図である。
【
図3】本発明の一態様による再置換用股関節インプラントの一実施形態を示す図である。
【
図4】本発明の一態様による遠位準備器具を装着した大腿骨の切欠図である。
【
図5】本発明の一態様による試行器具を装着した大腿骨の切欠図である。
【
図6】本発明の一態様による追加試行器具を装着した大腿骨の切欠図である。
【
図7】本発明の一態様による近位準備器具を装着した大腿骨の切欠図である。
【
図8】股関節インプラント部分および移植器具部分を装着した大腿骨の切欠図である。
【
図9】本発明の一態様による股関節インプラント部分および股関節器具部分を装着した大腿骨の切欠図である。
【
図10】本発明の一態様による股関節インプラント部分および股関節器具部分を装着した大腿骨の切欠図である。
【
図11】本発明の一態様による股関節インプラント部分および股関節器具部分を装着した大腿骨の切欠図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付の図面を参照すると、同様の参照番号は同様の構成要素を表している。
図1は、ステムのグループ10、スリーブのグループ20およびネックのグループ30を含んだ再置換用股関節インプラントセットの一実施形態の図を示したものである。このセットには、外科医が個々の患者ニーズに対処することができる3片のモジュール式インプラントシステムが含まれている。このセットは、他の治療またはデバイスでは、外傷または非炎症性変性関節疾患(NIDJD)によって損傷した股関節の機能回復がうまくいかないか、あるいは骨関節症、無腐性壊死、外傷性関節炎、骨頭すべり症、固定股関節、骨盤の骨折およびダイアストロフィー性異形の複合診断がどれもうまくいっていない場合の人工股関節再置換術に使用することができる。
【0014】
モジュール式股関節コンポーネントは、慢性関節リウマチ、疾患の変種に対する二次性関節炎および異常ならびに先天性形成異常を始めとする炎症性変性関節疾患に適用することも可能である。他の適用には、排液不要期間が長い、古い遠隔の骨髄炎が含まれており、この症例の場合、術後の感染の危険が通常より高いことを患者に警告しなければならない。このようなモジュール式再置換用システムは、他の技法、人工骨頭、大腿骨切術またはGirdlestone切除術、股関節の脱臼骨折および変形の矯正を使用して管理することができない、骨頭に関連する近位大腿骨の骨癒合不全大腿頚骨折および転子骨折の治療として使用することも可能である。これらの3片のインプラントシステムは、遠位固定および二次近位サポートを提供し、かつ、最も良好な患者適合を達成するための外科医による術中の柔軟性を可能にすることができる。より良好な固定および嵌合により、より良好な移植安定性および結果を提供することができる。
【0015】
全人工股関節再置換術のための手術前の計画には、骨盤の背腹(A-P)放射線写真および罹患した股関節の横方向の放射線写真を含んだ標準セットの放射線写真が必ず必要である。既存の大腿コンポーネントの長さに応じて、場合によってはいくつかの追加放射線写真が必要である。具体的には、A-Pおよび横方向の放射線写真には、大腿コンポーネント全体が含まれていなければならない。場合によっては、大腿骨全体にわたる長さ全体のA-P放射線写真が必要になる場合もある。手術前の精密検査の一環として、外科医は、骨格スキャンおよびコンピュータ断層撮影(CT)などの他の画像モダリティを考慮することができる。しかしながら、これらは、通常、術前テンプレーティングのためには不要である。大腿骨再置のための適切な分類、例えばPaprosky Revision Classificationが決定される。これは、必要になる再置換用ステムの適切な位置およびサイズを決定するのに役に立つ。一次THA手術前計画の場合と同様、適切な脚の長さを確立するためには、多数の臨床上のパラメータおよび放射線写真パラメータの評価が必要である。適切な基準線を確立するためには、涙滴の下方部分の間の水平線ならびに閉鎖孔および坐骨結節の下方マージンの間の水平線を使用する必要がある。再置換の場合、解剖学的構造がひずんでいる場合がしばしばであるため、場合によっては3つのすべての基準線を利用しなければならない。
【0016】
同様に、大腿側の骨の欠損のため、大転子の上方マージンおよび小転子の下方マージンなどの解剖学的目標の組合せを利用しなければならない。これらは、明らかに、A-P放射線写真を使用して対側の同様のポイントに対して比較しなければならない。また、放射線写真評価および臨床上の評価に基づいて、あらゆる骨盤傾斜および/または脊髄変形を考慮しなければならない。患者の適切な脚の長さを首尾良く回復するためには、関連するすべての要因を考慮しなければならない。
【0017】
本発明の一態様による再置換用股関節インプラントには、通常、ステム12,14または16、スリーブ22,24または26、およびネック32,34または36が含まれている。ステムは、ステムのグループ10から選択することができ、また、同様にスリーブおよびネックは、それぞれスリーブのグループ20およびネックのグループ30から選択することができる。
【0018】
ステム12,14または16は、遠位髄内部分40、近位部分42および近位髄内部分44を有するテーパ付きステムであってもよい。遠位部分40は、遠位に配置された、骨幹に対するインプラントの固定を改善するための溝48を含むことができる。ステムの遠位部分40の直径および長さは、患者のニーズに応じて変更することができる。近位部分42には、平らな遠位表面52およびネック界面表面54を有するボディが含まれている。平らな遠位表面52は、大腿骨の切断部分に載るように配向することができる。ネック界面表面54は、ネックを受け入れるように構成することができる。ステムの近位髄内部分44にはスリーブ整合表面50が含まれている。スリーブ整合表面50は、スリーブのグループ20のうちの1つを受け入れる。
【0019】
システム内のスリーブ20は、遠位固定のため、また、移植の安定性を改善するための二次近位サポートを提供する。スリーブは円錐スリーブであってもよく、また、コーティングを施すことも可能であり、例えばSmith & Nephew社のSTIKTITE(商標)コーティング材でコーティングし、次にハイドロキシアパタイト(HA)でコーティングすることができる。スリーブ20は、内部整合表面60、近位端部分62、遠位端部分64、円錐部分66および円筒状部分68を含むことができる。通常、スリーブの近位端部分62は遠位端部分64より大きい。
【0020】
異なるスリーブ22,24および26は、スリーブの異なる部分の間に異なる関係を有することができる。例えば、第1のスリーブは、より小さい内部整合表面60を有することができるが(ステム部分の直径がより小さい場合)、より大きい円錐部分66を有することが可能であり、したがってスリーブをより分厚くすることができる。別法としては、円錐部分および円筒状部分を円筒状または円錐のいずれかの単一部分にすることも可能である。スリーブの形状および特性は、患者の骨格に基づいて選択される。近位固定を保証するためにより分厚いスリーブが必要である場合、より分厚いスリーブを使用することができる。より急峻なテーパを必要とするスリーブが必要である場合、近位端部分62の方が遠位端部分64より大きいスリーブを使用することができる。
【0021】
別法としては、異なるスリーブを非対
称にすることも可能である。このようなスリーブは、ステムの長軸に対して、より中央に、より前方に、より横方向に、あるいはより後方に延在させることができる。このようなスリーブにより、外科医は、IM管内の追加非対称骨格欠損に対する計画を立てることができる。
【0022】
モジュール式ステムのためのネック32,34および36は、モジュール式にすることが可能であり、また、複数のオフセット、脚の長さおよび回転オプションで利用することができる。例えば、オフセットおよび脚の長さは、標準オフセット、ハイオフセットおよびハイオフセット+10mmを含むことができる。回転には、前方回転左側および前方回転右側を含むことができる。これにより、外科医は、オフセット、長さおよび回転を微調整し、患者毎の適合および機能を達成することができる。
【0023】
異なるオプションのネックを達成するために、ネックには、ステム整合部分80、ネック延長部分82およびヘッド整合部分84が含まれている。ステムテーパ88を使用してステムにネックが結合される。ネックの遠位端90は、ネック整合表面54内に挿入される。ヘッドテーパ94は、ネックの近位端部分96と整列している。近位端部分96は、ネックの最も近位の部分を画定しており、この部分を使用してオフセット、脚の長さおよび回転の決定が促進される。ヘッドテーパ94は、ネックを大腿骨頭に結合し、したがって寛骨臼に対する補綴のオフセット、回転および長さを設定する。
【0024】
個々のネックはコバルトクロムでできていることが好ましく、また、個々のネックには、運動範囲を広くするためのサーキュロトラペゾイダルネック設計が含まれている。ネックの12/14テーパがコンパチブルヘッドを受け入れる。異なるインプラント構成を達成するために、ネックの幾何構造は変更が可能である。中立ネック(中立0°前方回転)は、標準オフセットおよびハイオフセットで利用することができる。標準中立ネックは、131°のネック軸角度を有することができる。ハイオフセット中立ネックは、内反配向で挿入されると125°のネック軸角度を有することができ、また、外反配向で挿入されると137°のネック軸角度を有することができる。左側前方回転ネックは、内反配向で挿入されると、大腿骨頭を左側股関節上のステムに対して前方に10度シフトさせることができ、また、右側股関節上のステムに対して後方に10度シフトさせることができる。右側前方回転ネックは、手術脚に基づいて、等価方法で大腿骨頭を中央へシフトさせることができる。前方回転ネックは、1つのオフセットオプションで利用することができ、例えば標準オフセットネックより6mm高いオフセットで利用することができ、次に、内反配向で挿入されると125°のネック軸角度を生成し、また、外反配向で挿入されると137°のネック軸角度を生成することができる。ハイオフセット+10ネックは、ハイオフセットネックと同様のネック軸角度を有することができ、かつ、高さを10mm追加することができる。
【0025】
適切なネック配向を補助するために、ネックトラニオンの頂部(近位ネック部分96)のレーザエッチングなどのマーキングが、ハイオフセット、前方回転ネックインプラントおよびプラスチックネック試行の上に提供される。このようなマーキングは、ネックがネック整合表面のポケットに挿入されると、ネック軸角度が内反の125°であれば、患者の大腿骨に対して上方のネックポイントの頂部に矢印が位置し、また、ネック軸角度が外反の137°である場合は、患者の大腿骨に対して下方のネックポイントの頂部に矢印が位置するような矢印または他の印であってもよい。また、左側および右側前方回転ネックの手術中における混乱を抑制するために、左側前方回転の場合であればネックのトラニオンの頂部に「L」をレーザエッチングし、また、右側前方回転の場合であればネックのトラニオンの頂部に「R」をレーザエッチングすることも可能である。さらに、ネック特性またはネック配向を考慮するために、前方回転ネックインプラントのパッケージングおよび対応する試行ネックの色符号化を提供することも可能である。
【0026】
次に
図2および
図3を参照すると、
図2は、本発明の一態様による股関節インプラントの一実施形態の分解図であり、また、
図3は、本発明の一態様による再置換用股関節インプラントの一実施形態の図である。スリーブ26は、ステム14の遠位端から受け入れられる。スリーブ26は、ステムに沿って近位でスリーブ整合表面44と整合する。スリーブ26とステム14の間のテーパは、ステムに沿って遠位方向に導かれる力(患者の体重など)によってステム14とスリーブ26の間のテーパ接合が押し付けられるように嵌合する。スリーブ26は、概ねステム14の長軸に沿って整列する。
【0027】
ステム14は、ステムのヘッド部分のポケットにネック32を受け入れる。ネック中立配向では、ステム14に対するネック32のテーパは、大腿骨頭に対するネック32のテーパに整列させることができる。オフセット、回転および高さが変化すると、これらのテーパの相対方向(延いてはこれらのテーパと結合した力)が互いに移動する。
【0028】
移植に関連する器具は、ステムを移植している間、外科的効率を提供することができる。
図4ないし
図11は、大腿骨内へのモジュール式再置換用股関節補綴デバイスの準備、試行および移植に使用することができる外科的手順のステップを示したものである。
図4に関して、
図4は、本発明の一態様による遠位準備器具を装着した大腿骨100の切欠図である。遠位リーマ102により、外科医は、溝が施されたテーパ付き遠位固定ステムを最適嵌合させるべく、管を適切に準備し、かつ、サイズ合せすることができる。大腿骨の遠位部分は、クイックコネクト器具104を適切な遠位リーマ102に取り付けることによってリームされ、所望の遠位嵌合が達成されるまで0.5mmの増分で遠位大腿管がリーマされる。リームは、テンプレートサイズより少なくとも2mm小さい遠位リーマを使用して開始されることが好ましい。このようなリーマには、IM管中を進行する際のリーム抵抗がほとんどないか、あるいはリーム抵抗が全く存在しない。さらに、前方皮質を貫通してリームする潜在的な危険を最小化するために、前方から後方へリーマ102を導くことも可能である。ステムのサイズは、等価的にサイズ化された、自動プレスばめを提供することができるリーマより0.25mm大きいことが好ましい。
【0029】
リーマ102の深さは、クイックコネクト器具上のマークを大転子に整列させることによって決定することができる。大転子を利用することができない場合、代替解剖学的基準を設けることができる。例えば、定規を使用して、骨切術の遠位端から大転子の従来の位置まで測定することができる。所望の遠位嵌合が達成されると、クイックコネクトデバイス104の係合を解除し、最終遠位リーマ102を管の中に残すことができる。
【0030】
図5に示されているように、
図5は、本発明の一態様による試行器具を装着した大腿骨100の切欠図である。遠位リーマ102は、試行ボディおよびネックと共に使用されると、より正確な移植位置の評価を外科医に間違いなく提供し、かつ、器具および試行コンポーネントの数を少なくする髄内試行として機能することができる。
【0031】
再置換症例によっては、ネックボディのネックプラットホームに適応するために、内側の骨格を除去しなければならない場合がある。この骨格除去は、骨切術ジグ112を使用して対処することができる。骨切術ジグ112は、遠位リーマ102および近位スペーサ110の上に置かれ、ねじを使用してリーマ102に固定することができる。骨切術ジグ112上の矢印は、試行ネックボディ(および後続する移植)を適切に着座させるために最少の骨格を除去しなければならない位置を示すことができる。深さの位置は、焼灼ピンを使用してマークすることができる。ジグ112が除去されると、振動鋸を使用して骨格に骨切術が施される。骨格が適切に配向されると、試行ボディを使用してステムのボディを位置決めすることができる。
【0032】
図6に関して、
図6は、本発明の一態様による追加試行器具を装着した大腿骨100の切欠図である。試行ボディ116は、遠位リーマ102上のスペーサ110の上に着座している。試行ネックコンポーネント118はボディ116と係合している。試行ネック116上の印により、ネック118をボディ116に対して配向することができる。試行が完全に形成されると、運動範囲(ROM)エクササイズを実施して、インプラントが適切に着座していることを確認し、関節テンションを評価し、また、股関節に対する侵害が存在していないことを保証することができる。所望の脚の長さ、ネックオフセットおよびネック回転を達成するために、必要に応じて試行ネックコンポーネント118および試行ネックポケットの回転(スペーサ110上のボディ116の回転を調整することによって操作される)を調整することができる。インプラントのための所望の回転をマークするために、焼灼ピンを使用して骨格の上にマークを付けることができる。
【0033】
次に
図7を参照すると、
図7は、本発明の一態様による近位準備器具を装着した大腿骨100の切欠図である。近位リーマ120は、遠位リーマ102の上に使用することができる。これらの「オーバザトップ」リーマ120により、外科医は、近位スリーブおよびステムの遠位テーパのための空洞の相対位置を維持するために、管の中に遠位リーマ102を残すことができる。「オーバザトップ」リームにより、外科医は、遠位リーマの位置に基づいて近位セグメントを準備する。
【0034】
遠位リーマは、最初に試行ネックボディ、試行ネックコンポーネントおよび近位試行スペーサを除去することによって使用することができる。遠位リーマ102は管の中に残される。近位円錐リーマ120は、適切な最小のサイズから始まって、遠位リーマ102の軸上を進行する。近位円錐リーマ120は回転するが、遠位リーマ102はガイドとして作用することになり、絶対に進行しない。ETOが実施されない場合、あるいは大腿管が細い場合、近位円錐リーマ120の適用を妨害することになる骨格を除去するための開始近位リーマが必要になることがある。管は、近位円錐リーマを使用して、所望の近位嵌合が達成されるまで徐々にリームされる。
【0035】
近位スリーブの準備に引き続いて、近位試行スペーサ、試行ネックボディ、試行ネックおよび試行ヘッドコンポーネントを遠位リーマの上に使用して再試行を実施することができる。近位スリーブの準備に引き続いて再試行が実施されない場合は、遠位リーマコンポーネントを除去することができる。
【0036】
図8に関して、
図8は、股関節インプラント部分および移植器具部分を装着した大腿骨100の切欠図である。移植のためのステム14およびスリーブ26が準備される。スリーブ26は、ステム14の遠位端から挿入され、ステム14上に着座する。ステム挿入器具126は、概ねステムの長軸に沿ってステム14の近位端に取り付けられる。ステム/スリーブアセンブリは、駆動プラットホームに対してこづちを使用して大腿骨にはめ込まれる。ステムインサータは転子部にぶつかってはならない。ステムインサータが転子部にぶつかると、ステムが不適切に着座し、転子部の破損または内反位置決めの原因になる。外科医は、所望の位置へのステムの進行に伴って、高さおよびネックポケット配向を評価することができる。試行ステップの間に焼灼ピンマークが付けられると、そのマークを基準として使用することができる。ステムが管の中に適切に着座すると、ステムインサータ器具126の係合が解除される。
【0037】
次に
図9ないし
図11を参照すると、
図9ないし
図11は、本発明の一態様による股関節インプラント部分14,26および34ならびに股関節器具部分132を装着した大腿骨100の切欠図である。ステム14が着座すると、試行ネックおよびヘッドコンポーネントを使用して再試行が実施されることが推奨される。オフセット、脚の長さおよび回転の微調整は、モジュール式ネックオプションを使用して実施することができる。適切なネック配向が決定されると、はめ込みに先立ってモジュール式ネック試行がモジュール式ネックインプラント34に置換される。良好なテーパロックを保証するために、アセンブリに先立ってすべてのテーパ表面を保護し、洗浄し、かつ、乾燥させなければならない。最終的なはめ込みに先立ってネック34の配向が所望の配向であることが検証されると、外科医は、ヘッド/ネックはめ込みツール132と同時に最終ネック34およびヘッドインプラントコンポーネント130をはめ込む。ネックの長さおよびカップの適切な選択ならびにステムの適切な位置決めは重要である。筋肉の弛緩および/またはコンポーネントの位置決め不良は、コンポーネントおよび/または骨格の弛緩、亜脱臼、脱臼および/または破損の原因になることがある。最終ROM検査により、移植されたインプラントを使用した終了に先立って、所望の移植結果を保証することができる。
【0038】
以上に鑑みて、本発明のいくつかの利点が達成され、かつ、成し遂げられることが分かる。
【0039】
以上の実施形態は、本発明の原理およびその実際的な用途を最も良好に説明し、それにより、当業者による、様々な実施形態における本発明の最良の利用、および企図されている特定の使用に適した様々な修正を加えた本発明の最良の利用を可能にするために選択され、かつ、記述されている。
【0040】
本明細書において説明され、かつ、示されている構造および方法には、本発明の範囲を逸脱することなく様々な修正を加えることができるため、以上の説明の中に含まれているすべての内容、または添付の図面に示されているすべての内容は、本発明を限定するものとしてではなく、本発明を実例で示すものとして解釈されるべきことが意図されている。したがって本発明の広さおよび範囲は、上で説明した何らかの例示的実施形態によって限定されるべきものではなく、本明細書の特許請求の範囲およびそれらの等価物によってのみ唯一定義されるべきものである。