(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、輸液ポンプ等の医療機器を操作する医療従事者が、操作毎にRFID等を輸液ポンプ等にかざすことは煩雑であり、医療従事者等の本来の治療や措置に悪影響を与えるおそれがあるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、医療従事者等の操作者が容易かつ簡易に医療機器の操作認証を行うことができる
輸液ポンプシステム及び
輸液ポンプシステムの制御方法の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、本発明にあっては、
輸液ポンプと、操作者が接触した
前記輸液ポンプに対して、自動的に通信を開始する操作者側通信装置と、前記操作者側通信装置と通信を行うために前記
輸液ポンプに配置される機器側通信装置と
を備える輸液ポンプシステムであって、前記機器側通信装置は、前記操作者側通信装置から、少なくとも、
前記操作者を識別する
操作者IDデータを受信し、
前記輸液ポンプは、前記操作者IDデータと前記輸液ポンプの前記操作権限情報を関連付けた
操作者ID対応権限データが記憶された操作者ID対応権限データ記憶部と、操作者データ記憶部とを備え、受信した前記操作者IDデータを前記輸液ポンプの操作者データ記憶部に記憶し、前記操作者ID対応権限データ記憶部の前記操作者ID対応権限データと、前記操作者データ記憶部に記憶された前記操作者IDデータから前記操作者IDデータを有する前記操作者の操作権限を特定し、実行した操作が前記操作権限であるか否かを判断し、前記操作が前記操作権限である場合に、前記操作者側通信装置に対して当該操作者IDデータの送信を要求し、前記操作者側通信装置から操作者IDデータを再び取得し、前記操作者データ記憶部に記憶し、前記操作者データ記憶部に記憶されている前記2つの操作者IDデータを比較し、同一データであるか否かを判断し、前記操作者IDデータが同一データと判断された場合は、前記操作者が前記輸液ポンプの入力装置へ入力した指示に従い該輸液ポンプの動作を駆動させるよう制御することを特徴とする
輸液ポンプシステムにより達成される。
【0007】
前記構成によれば、操作者が接触した
輸液ポンプに対して、自動的に通信を開始する操作者側通信装置と、操作者側通信装置と通信を行うために
輸液ポンプに配置される機器側通信装置と、を有している。
このため、
輸液ポンプを操作しようとする操作者は、当該
輸液ポンプの筐体等に触れるだけで、自動的に通信が行われ、操作者を識別する操作者識別情報が
輸液ポンプに送信される。
したがって、従来のように、操作者がICカード等を
輸液ポンプの該当部分にかざす等の動作をすることなく、極めて簡単に
輸液ポンプの操作を許可する認証等を開始させることができる。
例えば、患者の側で様々の
輸液ポンプの操作を短時間で行う医療従事者等は、従来のように、各
輸液ポンプの該当部分に、自己のICカード等をかざす必要がないので、極めて効率的に
輸液ポンプを操作することができる。
【0008】
また、前記構成によれば
、輸液ポンプの操作権限情報に関する
操作者IDデータが含まれ、
輸液ポンプは、この
操作者IDデータと、これに関する
輸液ポンプの操作権限情報を関連付けた
操作者ID対応権限データを有している。さらに、操作者側通信装置から取得した
操作者IDデータと、
操作者ID対応権限データに基づいて、当該操作者の
輸液ポンプの操作可能範囲を特定する構成となっている。
したがって、
輸液ポンプの操作者は、医療従事者、訪問者等の自己の地位情報に基づいて、当該
輸液ポンプの操作可能範囲が自動的に特定されるので、当該
輸液ポンプに対し、自己の権限外の操作を誤って実行させることがない。このため、極めて使い易く安全な
輸液ポンプとなる。
【0016】
上記目的は、本発明によれば、
輸液ポンプと、操作者が接触した
前記輸液ポンプに対して、自動的に通信を開始する操作者側通信装置と、前記操作者側通信装置と通信を行うために前記
輸液ポンプに配置される機器側通信装置と
を備える輸液ポンプシステムであって、前記機器側通信装置は、前記操作者側通信装置から、少なくとも、
前記操作者を識別する
操作者IDデータを受信し、
前記輸液ポンプが、前記操作者IDデータと前記輸液ポンプの前記操作権限情報を関連付けた
操作者ID対応権限データが記憶された操作者ID対応権限データ記憶部と、操作者データ記憶部とを備え、受信した前記操作者IDデータを前記輸液ポンプの操作者データ記憶部に記憶し、前記操作者ID対応権限データ記憶部の前記操作者ID対応権限データと、前記操作者データ記憶部に記憶された前記操作者IDデータから前記操作者IDデータを有する前記操作者の操作権限を特定し、実行した操作が前記操作権限であるか否かを判断し、前記操作が前記操作権限である場合に、前記操作者側通信装置に対して当該操作者IDデータの送信を要求し、前記操作者側通信装置から操作者IDデータを再び取得し、前記操作者データ記憶部に記憶し、前記操作者データ記憶部に記憶されている前記2つの操作者IDデータを比較し、同一データであるか否かを判断し、前記操作者IDデータが同一データと判断された場合は、前記操作者が前記輸液ポンプの入力装置へ入力した指示に従い該輸液ポンプの動作を駆動させるよう制御することを特徴とする
輸液ポンプシステムの制御方法により達成される。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明によれば、医療従事者等の操作者が容易かつ簡易に医療機器の操作認証等を行うことができる
輸液ポンプシステム及び
輸液ポンプシステムの制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0020】
図1は、本発明の医療機器である例えば、輸液ポンプシステム1を示す概略図である。
図1に示すように、本実施の形態では、患者の側の点滴等に配置され、薬液等の点滴液の患者等へ供給を制御する装置である輸液ポンプ10を有している。
輸液ポンプ10は、弾力が高く自己拡張性のある輸液チューブを使用し、これを機械に挟み込んでローラーで押すことにより予め設定された薬液を患者に提供する構成となっている。
このため輸液ポンプ10は、精度良く動作することが求められる。そして、その動作を患者等が勝手に行うことを防ぐため、操作者によって、その操作ができる機能は予め定められている。
【0021】
また、
図1に示すように、輸液ポンプ10は、輸液ポンプ固有の動作等を実行する輸液ポンプ本体11を有すると共に、機器側通信装置である例えば、装置側人体通信用モジュール12を有している。
また、輸液ポンプ10の操作者である例えば、医療従事者の看護師甲は、操作者側通信装置である例えば、操作者側人体通信モジュール13を所持している。この操作者側人体送信モジュール13は、例えば、腕時計状の装置に配置されているため、看護師甲は、その腕に所持する形態となっている。
【0022】
また、操作者側人体通信モジュール13と装置側人体通信用モジュール12とは、所謂、人体通信方式で通信可能な構成となっている。
この人体通信方式は、人の体に微弱な電流等を流すことで行われる通信であり、専用の装置を装着した人が他の同様の装置を装着した人等に触れることで通信が可能となる方式である。また、人体通信方式は、通信に際し、電流を流す場合と電界を発生させる場合があり、それぞれ、電流方式、電界方式と呼ばれる。
電流方式の場合は、人体の表面に数百マイクロアンペアの電流を流すことで通信を行う。実施の形態では、電流方式の人体通信方式を例に以下、説明する
【0023】
図1に示すように、看護師甲が輸液ポンプ10の筐体等に接触すると、看護師甲の腕に配置されている操作者側人体通信モジュール13は、看護師甲の人体及び輸液ポンプ10の筐体等を介して、輸液ポンプ10側に配置されている装置側人体通信モジュールと電気的に通信可能となる。
すなわち、電流Eは、
図1の操作者側人体通信モジュール13から看護師甲の人体上を流れ、輸液ポンプ10の装置側人体通信用モジュール12に到達することになり、この電流の流れにより、通信が可能となる。
また、本実施の形態では、操作者側人体通信モジュール13は、看護師甲が輸液ポンプ10に触れるだけで、装置側人体通信用モジュール12と通信可能となり、逆に、看護師甲が輸液ポンプ10から手等を離すことで、通信が終了する。
【0024】
この点、従来は、ICカードやRFID等を看護師が所持し、輸液ポンプを動作させる際に、所定部分にICカード等をかざして、通信を行っていたため、極めて煩雑であった。
これに対し、本実施の形態では、
図1の看護師甲が輸液ポンプ10に触れるだけで認証の工程を開始することができるので、極めて使い易い装置となっている。
【0025】
以下、各構成を詳細に説明する。
図2は、
図1の輸液ポンプ10の主な構成を示す概略ブロック図である。
図1及び
図2に示す,操作者側人体通信用モジュール13及び装置側人体通信用モジュール12は、上述のように、例えば、電流方式の人体通信装置の一例である。
そして、操作者側人体通信用モジュール13を所持する看護師甲が、輸液ポンプ10に触れただけで通信が自動的に必ず開始される。
すなわち、看護師甲の意思にかかわらず、看護師甲が輸液ポンプ10に触れるという動作に対応して通信が開始される構成となっている。
一方、看護師甲が輸液ポンプ10から手等を離すだけで、その通信が停止する構成となっている。
【0026】
また、操作者側人体通信用モジュール13には、操作者を識別(ここでは認証することを指す)するための識別情報である例えば、操作者IDデータが格納されており、この操作者IDデータには、地位情報である例えば、看護師(医療従事者)データが含まれている。
この地位情報には、例えば、他に「訪問者データ」「一般患者データ」「PCA患者データ」「サービスエンジニアデータ」「メーカーエンジニアデータ」等が含まれる。
【0027】
図2に示す輸液ポンプ本体11は、コンピュータを有し、コンピュータは、図示しないCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を有し、バスを介して接続されている。
また、
図2に示すように、輸液ポンプ本体11は、輸液ポンプ本体制御部30を有する。また、輸液ポンプ本体11は、装置側人体通信用モジュール12と通信するための装置本体側通信装置31、輸液ポンプ10の操作者が操作するための入力装置32、各種情報を表示する表示装置33等を有し、これらは、輸液ポンプ本体制御部30で制御されている。
【0028】
また、輸液ポンプ本体制御部30は、輸液流量設定装置34、輸液の送液開始及び停止装置35、警告装置36、サービスエンジニアが操作するメンテナンス関連装置37及びメーカーエンジニアが操作する特殊関連装置38等の各動作機構も制御する構成となっている。
なお、
図2に示すように、輸液ポンプ本体制御部30が各処理部(プログラム)や各記憶部等も制御している。これらについての詳細は、後述する。
【0029】
図3及び
図4は、本実施の形態にかかる輸液ポンプシステム1の主な動作等を示す概略フローチャートである。
本実施の形態では、
図1に示すように、看護師甲が輸液ポンプ10の操作をする例を中心に以下説明する。
先ず、ステップST(以下「ST」とする。)1で、看護師甲は、輸液ポンプ10を患者のベッドの側に配置し、点滴に輸液装置10を装着し、輸液ポンプ10のスイッチを「ON」とし、電源を入れる。
【0030】
次いで、ST2へ進む。ST2で、輸液ポンプ10は、
図2の装置側人体通信モジュール12及び装置本体通信装置31等を介して操作者IDデータを受信したか否かを判断する。
具体的には、
図1の操作者側人体通信装置13を所持する看護師甲が、輸液ポンプ10を操作するために、輸液ポンプ10の筐体等の一部に触れ、これにより操作者側人体通信装置13と装置側人体通信モジュール12とが通信可能となり、操作者側人体通信装置13内に格納されている看護師甲の操作者IDデータ(例えば、看護師甲の識別番号と看護師データ(地位情報))が装置側人体通信モジュール12に送信され、装置本体通信装置31が受信する。
【0031】
ST2で、操作者IDデータを取得した場合は、
図2の操作者データ記憶部39に当該操作者IDデータ(本例では、看護師甲の識別番号と地位情報(看護師))が記憶される。
図5は、操作者データ記憶部30の操作者データ39aを示す概略図である。
図5に示すように、操作者データ39aが記憶される。
【0032】
また、ST2で、操作者IDデータを取得した場合は、看護師甲が輸液ポンプ10の操作を開始しようとすることを意味するため、ST3へ進む。
ST3では、
図2の操作者ID対応権限特定処理部(プログラム)40が動作し、取得した当該操作者IDデータを有する操作者の権限を特定する。
すなわち、本例では、看護師甲が輸液ポンプ10を操作する権限を有するか否か、有する場合は、権限の範囲はどこまでとされているか等について判断する。
【0033】
具体的には、操作者ID対応権限特定処理部(プログラム)40が、
図2の操作者データ記憶部39と、地位操作権限情報である例えば、操作者ID対応権限データ記憶部41を参照する。
図6は、操作者ID対応権限データ記憶部41内に記憶されている操作者ID対応権限データ41aの一例を示す概略図である。
図6に示すように、操作者IDデータに含まれている地位情報(例えば、看護師(医療従事者))によって、輸液ポンプ10の操作可能範囲が定められている。
【0034】
上述の本例では、操作者データ41aは、看護師甲の識別番号と看護師(医療従事者)データとなり、
図6の操作者ID対応権限データ41aから、操作可能範囲は、「輸液の流量設定」「輸液の送液開始及び停止」「警告の解除」等となる。そして、この判断は、操作者ID対応権限特定処理部(プログラム)40が行う。
【0035】
次いで、この特定した操作可能範囲のデータ(「輸液の流量設定」「輸液の送液開始及び停止」「警告の解除」)を、看護師甲の「識別番号」と関連つけて、
図2の当該操作者ID対応権限データ記憶部42に記憶する。
【0036】
次いで、ST4へ進み、
図2の権限有無判断処理部(プログラム)43が動作して、当該操作者(看護師甲)に輸液ポンプ10の操作で認められる権限があるか否かが判断される。
本例では、看護師甲は、「輸液の流量設定」「輸液の送液開始及び停止」「警告の解除」の操作を認められるので、操作権限が存在すると判断される。
【0037】
ST4で、操作権限が存在すると判断されると、ST5へ進む。ST5では、装置側人体通信用モジュール12が、操作者側人体通信用モジュール13に「受信待ち」状態で維持するように指示する。
本実施の形態では、通信コストを下げるため、操作者側人体通信用モジュール13の通信は必要最小限度の時間とされている。したがって、ST5では、操作者側人体通信用モジュール13に例外的に「受信待ち」状態でその時間を延長するように指示することになる。
【0038】
次いで、ST6へ進む。ST6では、ST5の指示に応じて、操作者側人体通信用モジュール13が「受信待ち」状態となる。
【0039】
次いで、ST7へ進む。ST7では、
図2の権限内操作判断処理部(プログラム)44が動作して、看護師甲が、権限内(操作範囲内)の操作を実行したか否かが判断される。
本例では、看護師甲が入力装置32を操作して、「輸液の流量設定」「輸液の送液開始及び停止」「警告の解除」の操作の実行を入力したか否かが判断される。
【0040】
ST7で、操作者(看護師甲)が、権限内の操作の実行を入力した場合、ST8へ進む。ST8では、
図2の操作者ID送信要求処理部(プログラム)45が動作して、装置側人体通信用モジュール12等を介して、操作者側人体通信用モジュール13に、操作者IDの送信を要求する。
【0041】
すなわち、本実施の形態では、ST8で、操作者側人体通信用モジュール13と送信する必要があるため、輸液ポンプ10は、ST5で、操作者側人体通信用モジュール13に例外的に「受信待ち」を求める構成となっている。
したがって、ST6で「受信待ち」となった操作者側人体通信用モジュール13は、所定期間の経過後、電力コストを低減するため、「受信待ち」状態を解除する構成ともなっている。
【0042】
次いで、ST9へ進む。ST9では、輸液ポンプ10が、操作者側人体送信モジュール13から操作者IDデータを再び取得し、
図2の操作者データ記憶部39に記憶する。
【0043】
次いで、ST10へ進む。ST10では、
図2の操作者データ確認処理部(プログラム)46が動作して、操作者データ記憶部39に記憶されている2つの操作者IDデータを比較し、同一データであるか否かを判断する。
【0044】
ST10で、操作者IDデータが同一データと判断された場合は、ST11へ進む。ST11では、
図2の輸液ポンプ選択動作処理部(プログラム)47が動作し、ST7において、看護師甲(操作者)が、輸液ポンプ10の入力装置32で入力した指示に従い実行する。
【0045】
このように、本実施の形態では、看護師甲の輸液ポンプ10の操作可能範囲が自動的に特定されるので、輸液ポンプ10に対し、看護師甲に自己の権限外の操作を誤って実行させることがない。このため、極めて使い易く安全な輸液ポンプ10となる。
【0046】
また、本実施の形態では、操作者側人体通信装置用モジュール13と装置側人体通信用モジュール13で通信されるため、看護師甲は、輸液ポンプ10を操作する直前に、輸液ポンプ10に触れることで認証等が終了するので、認証等と操作は、極めて近接した時間内で行われる。
したがって、従来のように、認証等と実際の操作との間に時間がかかるということはなく、その間に他人が操作等を行うという事態の発生を未然に防止することができる。
【0047】
また、本実施の形態では、ST8乃至ST10で、重ねて操作者IDデータを確認するため、権限ある看護師甲(操作者)と異なる他人が誤って輸液ポンプ10の入力装置32から指示を入力したにもかかわらず、その入力を許可するという事態の発生を確実に防止することができる。
特に輸液ポンプ10は、その操作者が看護師甲から単なる訪問者に変わる場合は、患者等に重篤な結果が生じるおそれがあるので、かかる事態の発生を未然に防止する本実施の形態は、特に効果を奏する。
【0048】
図4のST11に続き、ST12が実行される。ST12では、操作指示情報である看護師甲が実行した操作指示データを
図2の操作者データ記憶部41に記憶する。
具体的には、
図5に示すように、操作者IDと関連付けて、その操作指示情報が記録される。
したがって、看護師甲等の各操作者の入力装置32からの操作指示情報を全て自動的に入力履歴として記録でき、その後の教育等の資料として利用することができる。
【0049】
一方、
図3のST4の操作者が権限を有していない場合や、ST7の看護師甲が権限内の操作をしない場合は、ST13へ進む。
ST13では、看護師甲等の操作者が、権限外の動作の指示を入力装置32に入力した事実を
図5の操作者データ記憶部39に操作者IDデータとの関連で記録する。
また、本実施の形態では、操作者が輸液ポンプ10の扉を物理的に開けたという行為(医療機器の変更動作の一例)等を検知した場合、その操作者を特定することができる。
【0050】
すなわち、本実施の形態では、操作者が輸液ポンプ10と接触することで自動的に人体通信が行われ、輸液ポンプ10は、操作者IDデータを自動的に取得することができる。
このため、ST13では、入力装置32の操作と関係がない上述の場合でも、操作者IDデータを自動的に取得し、当該取得した操作者IDデータと上述の行為とを関連付けて、
図5の操作者データ記憶部39に記憶することができる構成となっている。
【0051】
従来は、操作者がICカード等で認証等を経ないで行った、例えば、輸液ポンプのドアの開放等の行為は、記録することができず、事後の操作者の教育等を行うことができなかった。
この点、本実施の形態では、上述のように、看護師甲等の操作者が輸液ポンプ10に触れるだけで、通信が開始され、認証等され、操作者を特定できるので、事後に当該操作者の教育等の資料等として利用することができる。
【0052】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されない。本実施の形態では、医療機器として輸液ポンプ10を例に説明したが、医療機器には、輸液ポンプ10のみならず、シリンジポンプ等も含まれることは明らかである。
さらに、本実施形態では、接触することで自動的に人体通信が行われる内容で説明しているが、接触だけでなく、近接でも構わない。例えば、1cm以内に近づく時点で、上述した人体通信を実現しても良い。さらには、近接時では人体通信を開始し、接触時では、認証(識別)作業を行う、といった近接と接触の各段階に分けた人体通信も可能である。