【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の内視鏡鉗子の特徴は、可動刃電極と固定刃電極とが一対の電極を形成してなる内視鏡鉗子であって、
被覆導管に固定された固定刃電極が被覆導管内の同軸ケーブルの外部電導体と電気接触できるように配置され、
可動刃電極の力点が同軸ケーブルの中心電導体と連結され、
可動刃電極の支点が、可動刃電極に設けられ、これが固定刃電極に固定された電気絶縁体若しくは被覆導管と回転可能に接続されるか、又は可動刃電極の支点が、可動刃電極に固定された電気絶縁体に設けられ、これが被覆導管若しくは固定刃電極と回転可能に接続され、
同軸ケーブルを被覆導管に対してスライドさせることにより、同軸ケーブルに加えられた平行動を、可動刃電極の力点を介して、可動刃電極に支点を中心とする回転動として伝え、可動刃電極と固定刃電極とを開閉させると共に、
同軸ケーブルの外部電導体及び中心電導体を介して、可動刃電極と固定刃電極との間に高周波を印加できるように構成した点を要旨とする。
【0006】
固定刃電極は、被覆導管に固定され、可動刃電極と共に一対の電極を形成している。固定刃電極及び可動刃電極共に、電極として働けば、金属製であっても、セラミック製であってもよく、これらが表面保護(金属メッキやフッ素樹脂等によるコーティング等)されていてもよい。
【0007】
被覆導管は、同軸ケーブルが内挿され、同軸ケーブルが被覆導管に対してスライドできるように構成されている。すなわち、被覆導管は、可動刃電極と固定刃電極とを患部へ導くと共に、被覆導管内で同軸ケーブルを押引動できるように構成されている。また、被覆導管は、フレキシブルでもよいし、リジットでもよく、一部がフレキシブルで、他の部分がリジットでもよい。また、被覆導管は、電気絶縁体であっても、電導体であってもよいが、取り扱い性の観点から、電気絶縁体であることが好ましい。
【0008】
被覆導管の中心軸に垂直な断面は、円形が好ましい。すなわち、被覆導管は円柱管であることが好ましい。
【0009】
被覆導管の中心軸に垂直な断面の最大長は、2〜4mmであることが好ましく、さらに好ましくは2.5〜3.5mmである。被覆導管が円柱管の場合、被覆導管の中心軸に垂直な断面の直径は、2〜4mmであることが好ましく、さらに好ましくは2.5〜3.5mmである。
【0010】
固定刃電極は、被覆導管内の同軸ケーブルの外部電導体と接触しており、同軸ケーブルをスライドさせた際も、固定刃電極と同軸ケーブルの外部電導体とがしゅう動により電気接触を保つように配置されている。
【0011】
可動刃電極の力点は、同軸ケーブルの中心電導体と連結され、同軸ケーブルを被覆導管に対してスライドさせることによる運動がこの力点に伝達するように構成されている。なお、同軸ケーブルの中心電導体と可動刃電極とは、電気的にも接続されている。
【0012】
可動刃電極の支点は、可動刃電極に設けられ、これが固定刃電極に固定された電気絶縁体若しくは被覆導管と回転可能に接続されて構成されているか、又は可動刃電極の支点が、可動刃電極に固定された電気絶縁体に設けられ、これが被覆導管若しくは固定刃電極と回転可能に接続されて構成されている。
【0013】
電気絶縁体としては、エンジニアリングプラスチック{ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリイミド(PI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)及びポリベンゾイミダゾール(PBI)等}、フッ素樹脂{ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体、エチレン・四フッ化エチレン共重合体及びエチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体等}及びセラミックス{アルミナ (Al
2O
3)、ジルコニア(ZrO
2)、炭化ケイ素 (SiC)及び窒化ケイ素(Si
3N
4)等}が含まれる。
【0014】
本発明の内視鏡鉗子は、同軸ケーブルを被覆導管に対してスライドさせることにより、同軸ケーブルに加えられた平行動(または押引動)を、可動刃電極の力点を介して、可動刃電極に支点を中心とする回転動として伝え、可動刃電極と固定刃電極とを開閉させることができる。なお、同軸ケーブルを被覆導管に対してスライドさせることにより、同軸ケーブルに平行動(または押引動)を加える方法としては、公知の鉗子と同様にハンドルの開閉によって達成できる。
【0015】
内視鏡鉗子は、同軸ケーブルの外部電導体及び中心電導体を介して、可動刃電極と固定刃電極との間に高周波を印加できるように構成されている。高周波を印加することにより、可動刃電極と固定刃電極との間にある生体組織等を加熱することができ、止血、切断、凝固等が達成できる。
【0016】
高周波としては、周波数300KHz〜100GHz程度の電波が好ましく、さらに好ましくはマイクロ波(周波数13MHz〜25GHzの電波)、特に好ましくは周波数900MHz〜6GHzのマイクロ波、最も好ましくは周波数2.45GHzのマイクロ波である。
【0017】
本発明の内視鏡鉗子装置の特徴は、上記の内視鏡鉗子と、高周波発信器とから構成される点を要旨とする。
【0018】
上記の内視鏡鉗子と、高周波発信器とは、同軸ケーブルでつながっており、この同軸ケーブルを介して、高周波発信器により発生させた高周波を可動刃電極及び固定刃電極に送信する。
【0019】
高周波発信器は、上記の周波数を発信でき装置であれば制限ないが、その出力が10〜200W程度が好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明の内視鏡鉗子では、同軸ケーブル(中心電導体、電気絶縁体、外部電導体及び保護被覆から構成される)が、可動刃電極及び固定刃電極に高周波を印加できると共に、可動刃電極に回転動を伝えることができるため、全体の部品数を少なくでき、単純な構造とすることができる。
したがって、従来の医療用処置具では、構造が複雑であり、部品数が多く、内視鏡に適用することは困難であったが、本発明の内視鏡鉗子は、細径化できるため、内視鏡手術や腹腔鏡手術に適用できる。これらの他に、一般の直視下手術(外科手術、脳外科、耳鼻科等)にも適用できる。
本発明の内視鏡鉗子は、把持機能、剪刀機能及び凝固機能の少なくとも一つの機能を持つ鉗子であって、管組織(血管、胆管等)の閉鎖、止血、切断、凝固や、癌組織等の止血、切除、凝固等ができる。また、術具(縫合糸等)の切断にも適用できる。
【0021】
本発明の内視鏡鉗子装置は、上記の内視鏡鉗子と、高周波発信器とから構成されるため、全体の部品数を少なくでき、単純な構造とすることができる。
したがって、本発明の内視鏡鉗子装置は、内視鏡鏡手術や腹腔鏡手術に適用できる。これらの他に、一般の直視下手術(外科手術、脳外科、耳鼻科等)にも適用できる。