【0007】
本発明は、オセルタミビルの重要な前駆体である新規なニトロ基含有エーテル化合物、及びその製造方法に関する。
本発明のニトロ基含有エーテル化合物は、式(1)で表わされる。
(R
1、R
2、R
6は同一又は相異してそれぞれアルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、置換アラルキル基又は芳香族ヘテロ環基を示す。ただしR
1、R
2は同時にメチルではない。)
本発明において、R
1、R
2、R
6で示される基はアルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、置換アラルキル基又は芳香族ヘテロ環基を示す。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等の炭素数1〜8の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基を挙げることができる。
好ましいアルキル基としては、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が良い。より好ましくは、エチル基が良い。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜10のアリール基を挙げることができる。好ましいアリール基としては、フェニル基が良い。
置換アリール基の置換基としては、例えば、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、−COR
bで示されるカルボニル含有基(R
b=C
1〜C
8のアルキル基、アリール基、C
1〜C
8のアルコキシ基、アリーロキシ基)、スルホニル基、トリフルオロメチル基等を挙げることができる。
アラルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルブチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等の炭素数7〜20のアラルキル基を挙げることができる。好ましいアラルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基が良い。
置換アラルキル基の置換基としては、上記置換アリール基の置換基と同じ基を挙げることができる。
芳香族ヘテロ環基としては、ピリジル基、ピロール基、フリル基、チエニル基等を挙げることができる。
上記式(1)で表わされるニトロ基含有エーテル化合物は上記式(4c)で表わされるジヒドロキシヘキセン酸エステルを酸化的ジオール開裂反応させ、更に分子内ニトロアルドール反応を行うことにより得られる。
上記ジヒドロキシヘキセン酸エステル(4c)は、例えば、酒石酸(D−tartaric acid)、マンニトール、或いはアラビノースを出発原料として製造することができる。
1.酒石酸を出発原料とする化合物(4c)の製造の代表例を以下に示す。
D−酒石酸をケトンでアセタール化して、式(5a)で表される酒石酸エステル−ペンタノンアセタールを得る。これにアルカリ金属の水酸化物を作用させ、加水分解して式(5)で表されるモノカルボン酸化合物を得る。これにBH
3−S(ジアルキル)を反応させて、式(4a)で表されるヒドロキシエステル化合物を得る。これに3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(DHP)および(+)カンファースルホン酸(CSA)を反応させて、式(4b)で表されるヒドロキシ基が保護されたエステル化合物を得る。
これに水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL−H)を反応させ、次いで、反応生成物に、アクリル酸エチルおよび1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)を反応させ、更に反応生成物に、トリエチルアミン、無水酢酸およびN,N−ジメチルアミノピリジンを反応させて、式(3b)で表されるアシルオキシ不飽和エステル化合物を得る。
これにニトロメタン及びアルカリ金属の水酸化物を作用させてニトロメチル化して式(2b)で表されるニトロエステル化合物を得る。これにハロゲン化水素を作用させて保護基を脱離して式(2a)で表されるヒドロキシニトロエステル化合物を得る。
これに、例えば、BH
3SMe
2及びBF
3OEt
2を反応させて還元的アセタール開裂反応を行うことにより、式(4c)で表わされるジヒドロキシヘキセン酸エステルを製造することができる。
式(4c)で表される化合物として具体的には、4−(1−エチルプロポキシ)−5,6−ジヒドロキシ−2−(2−ニトロエチル)ヘキセ−2−エン酸エチルエステル、4−(1−エチルプロポキシ)−5,6−ジヒドロキシ−2−(2−ニトロエチル)ヘキセ−2−エン酸メチルエステル、4−シクロヘキシロキシ−5,6−ジヒドロキシ−2−(2−ニトロエチル)−ヘキセ−2−エン酸tert−ブチルエステル、5,6−ジヒドロキシ−2−(2−ニトロエチル)−4−(1−フェニルペンチロキシ)ヘキセ−2−エン酸ベンジルエステル、5,6−ジヒドロキシ−2−(2−ニトロエチル)−4−(1−ピリジン−2−イルプロポキシ)ヘキセ−2−エン酸エチルエステル等を例示することができる。
上記酒石酸を出発原料とする化合物(4c)の製造の詳細は、特願2009−162840、及びこの出願を含む4件の日本出願を基礎出願として2010年6月4日に出願されたPCT出願に記載されている。
2.マンニトールを出発原料とする化合物(4c)の製造の代表例を以下に示す。
公知化合物であるD−(−)−マンニトールに3−ペンタノン、オルトギ酸エチルおよびDL−10−カンファースルホン酸を反応させ、次いで反応生成物にトリエチルアミン(アミン化合物)を反応させて式(11)で表されるマンニトールトリアセタール化合物を得て、これに、エチレングリコール及びメタンスルホン酸を反応させ、次いで反応生成物に過ハロゲン酸を反応させて式(10)で表されるアルデヒド化合物を得て、これにアクリル酸エチル及び1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)を反応させ、次いで反応生成物に、トリエチルアミン(アミン化合物)及び無水酢酸を反応させて式(9)で表されるアシルオキシ不飽和エステル化合物を得て、これに、ニトロメタン及びアルカリ金属の水酸化物を作用させ、これにハロゲン化水素を作用させてニトロメチル化して式(8)で表されるニトロエステル化合物を得て、これにDL−10−カンファースルホン酸を反応させ、次いで、トリエチルアミン(アミン化合物)を作用させることにより式(7)のニトロジオール化合物を得ることができる。ニトロジオール化合物(7)をジオール開裂反応させて式(6)で表されるホルミルニトロエステル化合物を製造し、次いでこれを還元して式(2a)で表されるヒドロキシニトロエステル化合物を得る。これに、例えば、BH
3SMe
2及びBF
3OEt
2を反応させて還元的アセタール開裂反応を行うことにより、式(4c)で表わされるジヒドロキシヘキセン酸エステルを製造することができる。
上記マンニトールを出発原料とする化合物(4c)の製造の詳細は、特願2009−138720及び上記2010年6月4日に出願されたPCT出願に記載されている。
3.アラビノースを出発原料とする化合物(4c)の製造の代表例を以下に示す。
ペントース(五炭糖)に式(14c)で表わされるケトン及び/又はそのアセタール体を反応させ、式(14)で表わされるペントースアセタール化合物を得る。これをジオール開裂反応して、式(13)で表されるホルミルジオキソラン化合物が得られる。これにアクリル酸エステルの付加反応と、アシル化反応を行うことにより、式(12)で表されるアシルオキシ不飽和エステル化合物が得られる。これをニトロメチル化して式(2a)で表されるヒドロキシニトロエステル化合物を得る。これに還元的アセタール開裂反応を行うことにより、式(4c)で表わされるジヒドロキシヘキセン酸エステルを製造することができる。
上記アラビノースを出発原料とする化合物(4c)の製造の詳細は、特願2009−204883及び上記2010年6月4日に出願されたPCT出願に記載されている。
ペントース
ペントースとしては、リボース、リキソース、キシロース、及びアラビノースからなる群から選ばれた少なくとも1種のアルドースを用いることができる。ペントースが、式(14a)又は(14b)で表されるD−アラビノースであることが好ましい。
式(14c)で表わされるケトンとしては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルフェニルケトン、エチルフェニルケトン、ベンゾフェノン、メチルベンジルケトンなどを挙げることができる。そのアセタール体としてはジメチルアセタール、メチルエチルアセタール、ジエチルアセタール、メチルプロピルアセタール、ジn−プロピルアセタール、ジイソプロピルアセタール、メチルブチルアセタールなどを挙げることができる。ケトン及びそのアセタール体は単独で使用できるが、両者を併用することもできる。
式(1)で表されるニトロ基含有エーテル化合物は、特開2001−031631号公報に記載されている式(18)で表されるアミノアルコールの製造前駆体であり、オセルタミビルを製造するにあたり有用な前駆体である。
式(18)で表されるアミノアルコールは、式(4c)で表されるジヒドロキシヘキセン酸エステルに過ハロゲン酸を反応させて酸化的ジオール開裂反応により式(2)で表されるホルミルブテン酸エステルを得て、アルカリ金属の炭酸水素塩を作用させて分子内環化して式(1)で表されるニトロシクロヘキセン化合物を得て、これに亜鉛及びHClを反応させて還元する方法を挙げることができる。
式(4c)で表されるジヒドロキシヘキセン酸エステルから式(2)で表されるホルミルブテン酸エステル化合物の製造方法は、化合物(4c)に、例えば、HIO
4を反応させることによる酸化的ジオール開裂反応により製造することができる。
具体的には、化合物(4c)を溶媒に溶解し、HIO
4を反応させる。
HIO
4は、HIO
42H
2O等の水和物を使用することができ、化合物(4c)に対して、0.1〜10当量使用することができる。溶媒としては上記と同様の溶媒を使用することができ、1〜200倍量使用することができる。反応は、−78〜100℃であるが、0〜30℃が望ましく、1〜24時間反応させるのが好ましい。
式(2)で表されるホルミルブテン酸エステルから式(1)で表されるニトロシクロヘキセンの製造方法は、例えば、ホルミルブテン酸エステルに、NaHCO
3を反応させ、分子内ニトロアルドール反応を行うことにより、ニトロシクロヘキセンを製造することができる。
具体的には、ホルミルブテン酸エステルを溶媒に溶解し、NaHCO
3を反応させる。NaHCO
3は、ホルミルブテン酸エステルに対して、0.1〜100当量使用することができる。反応は、−78〜100℃であるが、0〜30℃が望ましく、1〜24時間反応するのが好ましい。溶媒としては上記と同様の溶媒を使用することができ、1〜200倍量使用することができる。
式(1)で表されるニトロシクロヘキセンから式(18)で表されるアミノアルコールの製造方法は、ニトロシクロヘキセンに、例えば、亜鉛およびHClを反応させ還元することにより、アミノアルコールを製造することができる。
具体的には、ニトロシクロヘキセンを溶媒に溶解し、亜鉛およびHClを反応させる。亜鉛は、亜鉛粉末等を挙げることができ、ニトロシクロヘキセンに対して、0.1〜100当量使用することができる。HClは、0.01〜12NのHCl水溶液を使用することができ、ニトロシクロヘキセンに対して、0.1〜100当量使用することができる。溶媒としては上記と同様の溶媒を使用することができ、1〜200倍量使用することができる。反応は、−78〜100℃であるが、0〜30℃が望ましく、1〜24時間反応するのが好ましい。反応終了後、飽和NaHCO
3水溶液等で反応溶液を中和する。
式(18)で表されるアミノアルコールは、上記のように特開2001−031631号公報に記載されているオセルタミビルの製造前駆体であり、オセルタミビルを製造するにあたり有用な前駆体である。
上記それぞれの反応生成物は、反応終了後、有機化合物の単離・精製において通常行われる方法により単離・精製することができる。例えば、反応終了後、ヘキサン等の脂肪族炭化水素;トルエン等の芳香族炭化水素;ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル等で抽出し、抽出液を濃縮して得られる濃縮物を蒸留、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどにより精製することができる。
【実施例】
【0008】
以下、本発明を参考例、実施例に基づいて具体的に説明するが何らこれらに限定されるものではない。
参考例1 モノカルボン酸(5)
酒石酸メチルエステル−ペンタノンアセタール(公知化合物、1.0g,4.06mmol)のMeOH(10mL)溶液に0.5M KOH(7.3mL,0.9eq.)を室温で加え、10分間撹拌した。その後反応物に1Nの塩酸を加えて中和して溶媒を留去し、シリカゲルカラムで精製するとモノカルボン酸(5)(890.7mg,3.84mmol,収率94%)を無色の油状物質として得た。
参考例2 ヒドロキシエステル(4a)
モノカルボン酸(5)(200mg,0.86mmol)のTHF(2.9mL)溶液にBH
3SMe
2(10M,0.26mL,3.0eq.)を0℃で加え、室温で2時間撹拌した。その後反応混合物に水を加え、生成物を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。混合物をろ過し、得られたろ液を濃縮溶媒留去後、粗生成物をシリカゲルカラムで精製するとヒドロキシエステル(4a)(164mg,0.75mmol,収率87%)を無色の油状物質として得た。
[α]
D18+2.02(c 1.09,CHCl
3)
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ 4.34(1H,d,J=8.2Hz),4.10(1H,ddd,J=8.23,4.12,3.02Hz),3.87(1H,dd,J=12.08,3.02Hz),3.70(3H,s),3.66(1H,dd,J=12.07,4.12Hz),2.56(1H,bs),1.55−1.67(4H,m),0.85(3H,t,J=7.41Hz),0.84(3H,t,J=7.14Hz)
13C NMR(75MHz,CDCl
3)δ 170.9,115.1,79.3,75.2,61.8,52.1,29.5,29.4,7.9,7.3
IR(neat)3418,2972,1714,1215cm
−1
R
f=3.66(hexane/AcOEt=2/1)
参考例3 THPエステル(4b)
ヒドロキシエステル(4a)(2.31g,10.6mmol)のジクロロメタン(35mL)溶液に3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(1.9mL,21.2mmol,2.0eq.)、(+)カンファースルホン酸(123mg,0.5mmol,0.05eq.)を0℃で加え、室温で30分撹拌した。その後反応混合物にNaHCO
3溶液を加えて中和し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。混合物をろ過し、ろ液を濃縮溶媒留去後、得られた粗生成物をシリカゲルカラムで精製するとTHPエステル(4b)(3.2g,10.58mmol,>99%)のジアステレオマーの混合物を無色の油状物質として得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ 4.34(1H,d,J=8.2Hz),4.10(1H,ddd,J=8.23,4.12,3.02Hz),3.87(1H,dd,J=12.08,3.02Hz),3.70(3H,s),3.66(1H,dd,J=12.07,4.12Hz),2.56(1H,bs),1.55−1.65(4H,m),0.85(3H,t,J=7.41Hz),0.84(3H,t,J=7.14Hz)
R
f=0.50(hexane/AcOEt=1/1)
参考例4 アセトキシ不飽和エステル(3b)
THPエステル(4b)(730mg,2.30mmol)のトルエン(11.5mL)溶液にDIBAL−H(2.55mL,2.53mmol,1.1eq.)を−48℃で加え、1時間撹拌した。反応混合物に0℃でエタノールと水を加え、セライトで固形物をろ過した。得られたろ液を濃縮溶媒留去すると無色の油状物質(690mg)が得られ、精製を行わず次の反応に用いた。続いて粗生成物(690mg)にアクリル酸エチル(1.15mL,10.6mmol,4.6eq.)、1,4−diazabicyclo−[2,2,2]−octane(258mg,2.30mmol,1.0eq.)を室温で加え、5日間撹拌した。その後反応混合物を濃縮溶媒留去留去すると無色の油状物質(725mg)が得られ、精製せずに次の反応に用いた。粗生成物(725mg)のTHF(4.6mL)溶液にトリエチルアミン(0.96mL,6.9mmol,3.0eq.)、無水酢酸(0.43mL,4.6mmol,2.0eq.)とN,N−ジメチルアミノピリジン(84.3mg,0.69mmol,0.3eq.)を0℃で加え、そのまま30分撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出し、水で洗浄した。続いて無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、混合物をろ過し、得られたろ液を濃縮溶媒留去後、粗生成物をシリカゲルカラムで精製するとアセトキシ不飽和エステル(3b)(504mg,1.21mmol,収率53%,3steps)のジアステレオマーの混合物を無色の油状物質として得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ 6.41−6.39(1H,m),5.77−5.76(2H,m),4.65−4.61(1H,m),4.33−3.98(8H,m),3.93−3.37(6H,m),2.12−2.10(3H,m),1.70−1.60(4H,m),0.96−0.86(6H,m)
R
f=0.60(hexane/AcOEt=1/1)
参考例5 ニトロエステル(2b)
ニトロメタン(0.46mL,8.43mmol,15eq.)のエタノール(1.0mL)溶液にKOH(0.61mmol,1.1eq.)を0℃で加え、30分撹拌した。その後化合物(3b)(233mg,0.56mmol)のエタノール(0.9mL)溶液を0℃で加え、室温で4時間撹拌した。濃縮溶媒留去後、飽和塩化アンモニウム水溶液で中和し、生成物を酢酸エチルで抽出した。抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮溶媒留去後、粗生成物をシリカゲルカラムで精製すると、ニトロエステル(2b)(154mg,0.37mmol,収率66%)のジアステレオマーの混合物を無色の油状物質として得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ 6.41−6.39(1H,m),5.77−5.76(2H,m),4.65−4.61(1H,m),4.33−3.98(8H,m),3.93−3.37(6H,m),2.12−2.10(3H,m),1.70−1.60(4H,m),0.96−0.86(6H,m)
R
f=0.60(hexane/AcOEt=1/1)
参考例6 ヒドロキシニトロエステル(2a)
ニトロエステル(2b)(27mg,0.065mmol)のエタノール(0.6mL)溶液に水(0.3mL)、1N HCl(0.2mL,0.6eq.)を0℃で加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に飽和NaHCO
3水溶液を加えて中和し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。混合物をろ過し、ろ液を濃縮溶媒留去後、粗生成物をシリカゲルカラムで精製するとヒドロキシニトロエステル(2a)(19.7mg,0.059mmol,収率92%)を無色の油状物質として得た。
[α]
D18+18.26(c 0.36,CHCl
3)
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ 6.83(1H,d,J=8.5Hz),4.74(1H,t,J=8.5Hz),4.57(2H,dt,J=7.4,1.4Hz),4.25(4H,q,J=7.1Hz),3.85−3.93(2H,m),3.62(1H,m),3.12(2H,t,J=6.9Hz),1.71(4H,m),1.33(3H,t,J=7.1Hz),0.96(3H,t,J=7.4Hz),0.94(3H,t,J=7.7Hz)
13C NMR(75MHz,CDCl
3)δ 166.2,140.9,131.7,114.5,81.8,74.6,74.0,62.1,61.4,31.2,31.1,26.5,15.0,8.9,8.8
IR(neat):3460,1709,1554cm
−1
R
f=0.17(hexane/AcOEt=3/1)
参考例7 ジヒドロキシヘキセン酸エステル(4c)
ヒドロキシニトロエステル(2a)(300mg,0.905mmol)の塩化メチレン(3mL)溶液にBH
3SMe
2(1M,0.99mL,0.995mmol,1.1eq.)を0℃で加え、室温で1時間撹拌した。その後BF
3OEt
2(0.12mL,0.995mmol,1.1eq.)を0℃で加え、30分撹拌し、さらに室温で30分撹拌した。反応混合物にメタノールを加え、濃縮溶媒留去後、粗生成物をシリカゲルカラムで精製するとジヒドロキシヘキセン酸エステル(4c)(281mg,0.842mmol,収率93%)を無色の油状物質として得た。
[α]
D18−18.76(c 2.14,CHCl
3)
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ 6.80(1H,d,J=9.3Hz),4.53−4.68(2H,m),4.40(1H,dd,J=6.6,9.3Hz),4.25(2H,m),3.78(1H,dd,J=8.2,3.6Hz),3.60(1H,dt,J=6.9,6.6Hz),3.49(1H,dd,J=8.2,3.6Hz),3.09−3.25(2H,m),2.90−2.99(1H,m),1.39−1.64(4H,m),1.33(3H,t,J=7.1Hz),0.92(3H,t,J=7.4Hz),0.88(3H,t,J=7.4Hz)
13C NMR(75MHz,CDCl
3)δ 165.7,143.3,130.1,80.6,74.4,73.8,73.6,62.7,61.4,26.7,25.8,25.7,14.2,9.9,9.2
IR(neat)3425,2969,1705,1554,1215cm
−1
R
f=0.20(hexane/AcOEt=1/1)
参考例8 マンニトールトリアセタール(11)
3−ペンタノン(14.5mL,137mmol,5eq.)のTHF(15mL)溶液に、オルトギ酸エチル(10.5mL,95.9mmol,10.5eq.)、DL−10−カンファースルホン酸(640mg,2.74mmol,0.1eq.)を室温で加えた。得られた溶液を60℃で2.5時間、室温で17時間撹拌後、D−(−)−マンニトール(5.0g,27.4mmol)を加えた。反応混合物を60℃で3時間、さらに70℃で21時間撹拌した後、トリエチルアミン(0.4mL,2.74mmol,0.1eq.)を室温で加え、溶媒を留去しシリカゲルカラムで精製するとマンニトールトリアセタール(11)(10.3g,収率97%)を無色の油状物質として得た。
[α]
D18+21.8(c 1.55,CHCl
3)
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ 0.82−0.95(m,18H),1.55−1.72(m,12H),3.90(dd,2H,J=1.6,4.1Hz),4.07(dd,2H,J=6.3,8.0Hz),4.14−4.20(m,2H)
13C NMR(75MHz,CDCl
3)δ 7.8,7.9,8.0,29.1,29.5,30.1,66.9,76.7,79.9,113.26,113.34
IR(neat)2980,1556,1222cm
−1
R
f 0.4(hexane:EtOAc=20:1)
参考例9 アルデヒド(10)
マンニトールトリアセタール(11)(404mg,1.05mmol)のTHF(4mL)溶液にエチレングリコール(0.06mL,1.15mmol,1.1eq.)、メタンスルホン酸(0.003mL,0.0524mmol,0.05eq.)を加え、室温で3時間撹拌した。HIO
42H
2O(287mg,1.30mmol,1.2eq.)を加え、室温で0.5時間撹拌した後、反応混合物に飽和NaHCO
3水溶液(1mL)を加えて中和し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。混合物をろ過し、ろ液を濃縮溶媒留去後、粗生成物をシリカゲルカラムで精製すると、アルデヒド(10)(210mg,収率70%)を無色の油状物質として得た。
[α]
D18+12.8(c 1.55,CHCl
3)
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ 0.90−0.97(m,12H),1.58−1.74(m,8H),3.82−4.20(m,4H),4.40(dd,1H,J=1.4,7.0Hz)
13C NMR(75MHz,CDCl
3)δ 7.2,7.5,7.7(2C),28.3,29.2,29.3,29.6,67.3,76.1,76.6,113.5,115.4,198.5
IR(neat)2972,1711,1215cm
−1
R
f 0.3(hexane:EtOAc=2:1)
参考例10 アセトキシ不飽和エステル(9)
アルデヒド(10)(255mg,0.892mmol)にアクリル酸エチル(0.2mL,1.78mmol,2eq.)、1,4−diazabicyclo−[2,2,2]−octane(100mg,0.892mmol,1eq.)を室温で加えた。30℃で3日撹拌後、室温に冷却し、トリエチルアミン(0.25mL,1.78mmol,2eq.)、無水酢酸(0.17mL,1.78mmol,2eq.)を加え、0.5時間撹拌した。EtOH(1mL)を加え、濃縮溶媒留去後、粗生成物をシリカゲルカラムで精製するとアセトキシ不飽和エステル(9)(269mg,収率70%)を無色の油状物質として得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ 0.75−0.98(m,12H),1.29(t,3H,J=7.2Hz),1.50−1.75(m,8H),2.03 and 2.07(2s,3H),3.72−4.30(m,6H),4.60−4.78(m,1H),5.80−6.40(m,3H)
R
f 0.4(hexane:EtOAc=5:1)
参考例11 ニトロエステル(8)
アセトキシ不飽和エステル(9)(226.5mg,0.529mmol)のEtOH(2mL)溶液にKOH(36mg,0.634mmol,1.2eq.)、ニトロメタン(0.85mL,15.9mmol,30eq.)のEtOH(3mL)溶液を室温で加え、4.5時間撹拌した。反応混合物に6N HClを加え中和し、酢酸エチルで希釈し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。固形物をろ過で分離し、ろ液を濃縮溶媒留去後、粗生成物をシリカゲルカラムで精製するとニトロエステル(8)(169mg,収率75%)を無色の油状物質として得た。
[α]
D18+7.95(c 1.55,CHCl
3)
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ 0.76−0.98(m,12H),1.32(t,3H,J=7.1Hz),1.54−1.74(m,8H),3.06−3.25(m,2H),3.68(t,1H,J=7.6Hz),3.92(dd,1H,J=3.1,10.1Hz)4.02−4.15(m,1H),4.16−4.28(m,3H),4.55−4.62(m,2H),4.68(t,1H,J=8.2Hz),6.86(d,1H,J=8.2Hz)
13C NMR(75MHz,CDCl
3)δ 8.0,8.2(2C),8.3,14.3,25.8,28.7,29.7,30.43,30.46,61.2,68.5,73.6,77.0,81.8,113.7,114.3,129.8,140.8,165.9
IR(neat)2981,1712,1620,1217cm
−1
R
f 0.4(hexane:EtOAc=4:1)
参考例12 ニトロジオール(7)
ニトロエステル(8)(99mg,0.230mmol)のEtOH(4mL)溶液にDL−10−カンファースルホン酸(53mg,0.023mmol,0.1eq.)を加え室温で24時間した。反応混合物をトリエチルアミン(0.064mL,0.046mmol,0.2eq.)を加え中和し、濃縮溶媒留去後、粗生成物をシリカゲルカラムで精製するとニトロジオール(7)(81mg,収率98%)を無色の油状物質として得た。
[α]
D18+15.9(c 1.55,EtOH)
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ 0.91(t,3H,J=7.2Hz),0.98(t,3H,J=7.2Hz),1.32(t,3H,J=7.2Hz),1.67(q,4H,J=7.2Hz) 2.46−2.58(bs,2H),3.14(t,2H,J=7.1Hz),3.62−3.70(m,1H),3.72−3.88(m,3H),4.24(dq,2H,J=1.3,7.1Hz),4.50−4.63(m,2H),4.72(dd,1H,J=6.6,8.5Hz),6.84(d,1H,J=8.5Hz)
13C NMR(75.5Hz,CDCl
3)δ 8.2,14.3,26.0,30.47,30.51,61.4,64.1,72.9,74.0,75.7,81.1,114.2,130.4,141.0,165.9
IR(neat)3427,2972,1710,1220cm
−1
R
f 0.3(hexane:EtOAc=2:1)
参考例13 ホルミルニトロエステル(6)
ニトロジオール(7)(81mg,0.22mmol)のTHF(2mL)溶液にHIO
42H
2O(62mg,0.27mmol,1.2eq.)を加え、室温で0.5時間撹拌した後、反応混合物に飽和NaHCO
3水溶液(0.5mL)を加えて中和し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。混合物をろ過し、ろ液を濃縮溶媒留去するとホルミルニトロエステル(6)(62mg,収率85%)を無色の油状物質として得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ 0.92(t,3H,J=7.2Hz),0.97(t,3H,J=7.2Hz),1.33(t,3H,J=7.2Hz),1.68(q,4H,J=7.2Hz),3.14(t,2H,J=7.1Hz),4.25(q,2H,J=7.1Hz),4.52−4.64(m,4H),6.84(d,1H,J=8.5Hz),9.76(d,1H,J=1.4Hz)
参考例14 ヒドロキシニトロエステル(2a)
ホルミルニトロエステル(6)(62mg,0.19mmol)のTHF(2mL)溶液にNaBH
4(7mg,0.19mmol,1.0eq.)を加え、室温で1時間撹拌した後、反応混合物に0.1N 塩酸(0.5mL)を加えて中和し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。混合物をろ過し、ろ液を濃縮溶媒留去し、粗生成物をシリカゲルカラムで精製すると、ヒドロキシニトロエステル(2a)(60mg,収率95%)を無色の油状物質として得た。NMRは参考例6の化合物(2a)のものと同じであった。
参考例15 D−アラビノース−4,5−O−アセタール化合物(14)
ジエチルケトンジメチルアセタール(3.97g,1.5eq.)のジメチルホルムアミド(30mL)溶液に、D−アラビノース(3.0g,20.0mmol)、p−トルエンスルホン酸(0.19g,0.05eq.)を0℃で加え、室温で20時間撹拌する。トリエチルアミン(0.28mL,0.1eq.)を加え中和し、溶媒留去後、酢酸エチル−ヘキサン混合溶媒を用いシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、D−アラビノース−4,5−O−アセタール化合物(14){1.93g,79%(56% conv.)}を無色油状物質として得る。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ 0.90(t,3H,J=7.1Hz),0.96(t,3H,J=7.1Hz),1.64(q,2H,J=7.1Hz),1.74(q,2H,J=7.1Hz),2.40−2.50(b,1H),2.93−3.02(b,1H),3.84(dd,1H,J=2.1,12.8Hz),3.93(dt,1H,J=3.6,5.2Hz),4.14(dd,1H,J=2.9,12.8Hz),4.23−4.29(m,1H),4.34(dd,1H,J=5.1,6.7Hz),5.20(dd,1H,J=3.6,4.1Hz);
13C NMR(75MHz,CDCl
3)δ 8.9,9.2,29.1,30.3,61.1,70.2,72.7,75.7,92.0,113.9;IR(neat)2980,1556,1222cm
−1;R
f 0.5(AcOEt)
参考例16 ホルミルジオキソラン化合物(13)
D−アラビノース−4,5−O−アセタール化合物(14)(3.25g,14.9mmol)のTHF/H
2O(15mL/6mL)混合溶媒溶液に、KIO
4(5.14g,1.5eq.)を室温で加え、22時間撹拌する。反応終了後、溶液を酢酸エチルで希釈し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥する。セライトろ過により固形物を除き、ろ液の溶媒留去後、酢酸エチル−ヘキサン混合溶媒を用いシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、ホルミルジオキソラン化合物(13)(2.90g,90%)を無色油状物質として得る。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)、δ 0.91(t,3H,J=7.2Hz),0.98(t,3H,J=δ7.1Hz),1.65(q,2H,J=7.1Hz),1.80(q,2H,J=7.1Hz),4.08(ddd,1H,J=0.8,4.9,12.1Hz),4.47(dd,1H,J=2.2,8.2Hz),4.53(ddd,1H,J=0.8,3.3,12.1Hz),4.58−4.64(m,1H),8.02(s,1H),9.73(d,1H,J=2.4Hz);
13C NMR(75MHz,CDCl
3)δ 7.9,8.7,28.9,29.2,61.1,76.2,80.4,115.5,160.3,201.9;IR(neat)2980,1556,1222cm
−1;
R
f 0.50(hexane/AcOEt=2/1)
参考例17 アセトキシ不飽和エステル(12)
ホルミルジオキソラン化合物(13)(0.417g,1.93mmol)にアクリル酸エチル(0.63mL,3.0eq.)、DABCO(0.32g,1.5eq.)を室温で加え、90時間撹拌する。反応終了後、アクリル酸エチルとDABCOを減圧下で除去後、粗生成物をTHF(3mL)に溶解し、トリエチルアミン(1.34mL,5eq.)、無水酢酸(0.55mL,3eq.)を0℃で加え、30分撹拌する。エタノール(2mL)を加えた後、溶媒留去し酢酸エチル−ヘキサン混合溶媒を用いシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、アセトキシ不飽和エステル(12)(284mg,41%)を無色油状物質として得る。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ 0.88(t,6H,J=7.1Hz),1.31(t,3H,J=7.1Hz),1.64(q,4H,J=7.1Hz),2.12(s,3H),4.07(m,1H),4.18(m,2H),4.24(q,2H,J=7.1Hz),4.40(dt,1H,J=1.2,9.9Hz),5.88(d,1H,J=4.7Hz),5.90(s,1H),6.42(s,1H),8.07(s,1H);
13C NMR(75MHz,CDCl
3)δ 8.0,8.2,14.3,21.2,30.3,30.6,61.5,64.2,70.8,75.7,114.2,128.0,136.9,160.8,165.0,169.5;IR(neat)2980,1556,1222cm
−1;R
f 0.53(hexane/AcOEt=2/1)
参考例18 ヒドロキシニトロエステル(2a)
アセトキシ不飽和エステル(12)(0.138g,0.38mmol)のエタノール(3mL)溶液にニトロメタン(0.41mL,20eq.)、KOH(0.064g,3.0eq.)の水溶液(1mL)を加え、室温で2時間撹拌する。反応終了後、溶液を酢酸エチルで希釈し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥する。セライトろ過により固形物を除き、ろ液の溶媒留去後、酢酸エチル−ヘキサン混合溶媒を用いシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、ヒドロキシニトロエステル(2a)(0.862g,68%)を無色油状物質として得る。NMRは参考例6の化合物(2a)のものと同じであった。
実施例1 ホルミルブテン酸エステル(2)
ジヒドロキシヘキセン酸エステル(4c)(38mg,0.11mmol)のTHF(1.4mL)溶液にHIO
42H
2O(31mg,0.13mmol,1.2eq.)を0℃で加え、そのまま1時間撹拌した。反応後生成物を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。混合物をろ過し、ろ液を濃縮溶媒留去すると、ホルミルブテン酸エステル(2)(33mg,0.11mmol,収率100%)を無色の油状物質として得た。
1H NMR(300Hz,CDCl
3)δ 9.70(1H,d,J=3.8Hz),6.88−6.90(1H,m),5.11−5.05(1H,m),4.50−4.55(2H,m),4.25(2H,q,J=7.1Hz),3.44(1H,quin,J=5.5Hz),3.14−3.00(2H,m),1.45−1.64(4H,m),1.32(3H,t,J=7.1Hz),0.86−0.96(6H,m)
実施例2 ニトロシクロヘキセン(1)
ホルミルブテン酸エステル(2)(33mg,0.11mmol)のTHF(1.4mL)溶液にNaHCO
3(96mg,1.13mmol,10eq.)の水溶液(1.5mL)を加えて0℃で10分間撹拌し、さらに室温で4時間撹拌した。反応後生成物を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。混合物をろ過し、ろ液を濃縮溶媒留去後、得られた粗生成物をシリカゲルカラムで精製するとニトロシクロヘキセン(1)(18.4mg,0.061mmol,収率56%)を無色の油状物質として得た。
[α]
D18−65.58(c 0.61,CHCl
3)
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ 6.86−6.88(1H,m),4.78(1H,ddd,J=1.9,5.8,10.2Hz),4.54(1H,m),4.25(1H,q,J=7.1Hz),4.24(1H,q,J=7.1Hz),4.06−4.09(1H,m),3.41(1H,quin,J=5.5Hz),3.07−3.14(1H,m),2.90−3.00(1H,m),1.45−1.64(4H,m),1.32(3H,t,J=7.1Hz),0.86−0.96(6H,m)
13C NMR(75MHz,CDCl
3)δ 165.1,133.6,129.5,82.6,73.8,68.6,61.2,26.8,26.6,24.9,10.1,9.6
IR(neat):3463,2942,2884,1756,1215cm
−1
R
f=0.4(hexane/AcOEt=2/1)
実施例3 アミノアルコール(18)
ニトロシクロヘキセン(1)(75mg,0.248mmol)のエタノール(2mL)溶液に亜鉛粉末(98mg,1.49mmol,6.0eq.)と1N HCl(1mL,0.4eq.)を室温で加え、12時間撹拌した。反応混合物に飽和NaHCO
3溶液を加えて中和し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。混合物をセライトろ過し、ろ液を濃縮溶媒留去後、得られた粗生成物をシリカゲルカラムで精製するとアミノアルコール(18)(81mg,収率100%)を得た。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ 6.77−6.80(1H,m),4.20(2H,q,J=7.1Hz),3.96(1H,t,J=3.8Hz),3.82(1H,t,J=2.5Hz),3.42(1H,quin,J=5.8,Hz),3.13(1H,ddd,J=11.5,5.5,2.2Hz),2.58(1H,dd,J=17.5,5.2Hz),2.20−2.30(1H,m),1.62−1.45(4H,m),1.29(3H,t,J=7.1Hz),4.11(6H,q,J=7.4Hz)