(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記オクルダー部が、前記延長部の基部側後退に際してLAA内で再位置決め可能であって、アンカー部の係合部材を組織非係合位置まで移動させる、請求項1に記載の医療機器。
前記係合部材が、組織係合位置にある場合にオクルダー部に対して第一の向きにて延在するよう構成されており、前記延長部の基部側後退に際して、前記係合部材は、組織非係合位置にある場合に、オクルダー部に対して第二の向きにて延在するよう構成されている、請求項1に記載の医療機器。
前記アンカーセグメントが、第一の端部および第二の端部の間に中間部から延在する係合部材がある前記第一の端部および前記第二の端部を含み、前記第一の端部はハブに結合されており、および前記延長部は前記係合部材および前記アンカーセグメントの第二の端部の間に延在する、請求項1に記載の医療機器。
前記オクルダー部が、内方表面および外方表面を有する組織成長部材を含み、前記組織成長部材はそれによって組織成長を誘導するよう構成されている、請求項1に記載の医療機器。
前記アンカー部が、前記組織成長部材の外方表面がLAA中の組織に接触するように、前記組織成長部材の内方表面に対して付勢しているよう構成されている、請求項9に記載の医療機器。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態による、医療機器送達システムの側面図である。
【
図1A】
図1Aは、本発明の実施形態による、左心耳に埋め込まれたデバイスを示す、
図1の医療機器送達システムと共に使用される医療機器の側面図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態による、十分に拡大された位置における医療機器を示す、
図1Aの医療機器の斜視図である。
【
図4A】
図4Aは、本発明の実施形態による、心臓の左心耳において医療機器送達システムから医療機器を展開させる種々の段階を示す、
図2および3の医療機器の側面図である。
【
図4B】
図4Bは、本発明の実施形態による、心臓の左心耳において医療機器送達システムから医療機器を展開させる種々の段階を示す、
図2および3の医療機器の側面図である。
【
図4C】
図4Cは、本発明の実施形態による、心臓の左心耳において医療機器送達システムから医療機器を展開させる種々の段階を示す、
図2および3の医療機器の側面図である。
【
図4D】
図4Dは、本発明の実施形態による、心臓の左心耳において医療機器送達システムから医療機器を展開させる種々の段階を示す、
図2および3の医療機器の側面図である。
【
図5A】
図5Aは、本発明の実施形態による、医療機器のオクルダー・フレーム・セグメントの側面図である。
【
図5B】
図5Bは、本発明のもう1つの実施形態による、リングシステムに結合された
図5Aのオクルダー・フレーム・セグメントの側面図である。
【
図5C】
図5Cは、本発明の実施形態による、オクルダーフレームの斜視図である。
【
図6A】
図6A、本発明の実施形態による、アンカーシステムのアンカー・フレーム・セグメントの側面図である。
【
図6B】
図6Bは、本発明の実施形態による、アンカーシステムのアンカー・フレーム・セグメントの側面図である。
【
図6C】
図6Cは、本発明の実施形態による、
図6Aおよび6Bに示されたフレームセグメントを用いるアンカーシステムの斜視図である。
【
図7A】
図7Aは、本発明のもう1つの実施形態による、アンカー・フレーム・セグメントおよびオクルダー・フレーム・セグメントの側面図である。
【
図7B】
図7Bは、本発明のもう1つの実施形態による、アンカー・フレーム・セグメントおよびオクルダー・フレーム・セグメントの側面図である。
【
図7C】
図7Cは、本発明のもう1つの実施形態による、
図7Aおよび7Bにそれぞれ示された多数のアンカー・フレーム・セグメントおよびオクルダー・フレーム・セグメントを示す、医療機器のフレームの斜視図である。
【
図8A】
図8Aは、本発明の実施形態による、やはり送達システムの末端側部を示す、
図8の医療機器のハブシステムの拡大された断面図である。
【
図9A】
図9Aは、本発明のもう1つの実施形態による、医療機器の末端側斜視図である。
【
図9B】
図9Bは、本発明のもう1つの実施形態による、医療機器の基部側斜視図である。
【
図10A】
図10Aは、本発明による、
図9Aおよび9Bに示された医療機器のオクルダー・フレーム・セグメントの側面図である。
【
図10B】
図10Bは、本発明による、オクルダー・フレーム・セグメントに付着された組織成長部材の一部を示す、オクルダー・フレーム・セグメントの側面図である。
【
図11A】
図11Aは、本発明による、
図9Aおよび9Bに示された医療機器のアンカー・フレーム・セグメントの側面図である。
【
図11B】
図11Bは、本発明による、
図9Aおよび9Bに示された医療機器のアンカー・フレーム・セグメントの側面図である。
【
図11C】
図11Cは、本発明による、
図9Aおよび9Bに示された医療機器のアンカー・フレーム・セグメントの側面図である。
【
図12A】
図12Aは、本発明の1つの実施形態による、アンカー・フレーム・セグメントから延在する係合部材を示す、
図11Aから取られた詳細図「12A」の拡大された図である。
【
図12B】
図12Bは、本発明の実施形態による、アンカー・フレーム・セグメントの周りを包むワイヤを示す、アンカー・フレーム・セグメントのもう1つの実施形態である。
【
図13】
図13は、本発明の実施形態による、アンカー・ハブ・システムの斜視図である。
【
図14A】
図14Aは、本発明の1つの実施形態による医療機器のハブシステムに相互連結したアンカー・フレーム・セグメントの断面側面図である。
【
図14B】
図14Bは、本発明の1つの実施形態による医療機器のハブシステムに相互連結したオクルダー・フレーム・セグメントの断面側面図である。
【
図15】
図15は、本発明の1つの実施形態による、
図14Aのハブシステムで利用されるリングの端面図である。
【
図16】
図16は、本発明による、
図9Aおよび9Bの医療機器(組織成長部材無しの場合)の斜視側面図である。
【
図17A】
図17Aは、本発明のもう1つの実施形態による、医療機器の基部側の斜視図である。
【
図17B】
図17Bは、本発明のもう1つの実施形態による、医療機器の末端側の斜視図である。
【
図18A】
図18Aは、本発明の実施形態による、多数の組織成長部材および層を示す医療機器の基部側斜視図である。
【
図18B】
図18Bは、本発明の実施形態による、多数の組織成長部材および層を示す医療機器の末端側斜視図である。
【
図19】
図19は、本発明の実施形態による、ハブ組織成長部材が付着されたアンカーハブを示す、医療機器の一部の断面図である。
【
図20】
図20は、本発明の1つの実施形態による、アンカーセグメントのアンカー部に対する支持体を提供する溶解部材を示す、アンカーシステムの単一のアンカーセグメントの側面図である。
【
図20A】
図20Aは、本発明の実施形態による、
図20のアンカーセグメントに結合された溶解部材の拡大図である。
【
図21】
図21は、本発明の1つの実施形態による、第一のハンドル位置におけるハンドルシステムを示す医療機器送達システムに結合された医療機器の斜視図である。
【
図21A】
図21Aは、本発明の実施形態による、ハンドルシステムが第二のハンドル位置にある場合に展開されたアンカー部を備えた医療機器を示す、
図21の医療機器および医療機器送達システムの部分斜視図である。
【
図21B】
図21Bは、本発明の実施形態による、ハンドルシステムが第三のハンドル位置にある場合に展開されたテザーを備えた医療機器を示す、
図21の医療機器および医療機器送達システムの部分斜視図である。
【
図21C】
図21Cは、本発明のもう1つの実施形態による、
図21の線21Cに沿ったカテーテルシステムの拡大断面図である。
【
図22】
図22は、本発明の実施形態による、
図21のハンドルシステムの基部側端面図である。
【
図23】
図23は、本発明の実施形態による、第一のハンドル位置にあるハンドルシステムを示す、
図22の線23に沿ったハンドルシステムの断面側面図である。
【
図23A】
図23Aは、本発明の実施形態による、ハンドルシステムのモードスイッチを示す、
図23の線23Aに沿ったハンドルシステムの断面図である。
【
図24】
図24は、本発明の実施形態による、第一のハンドル位置によるハンドルシステムを示す、
図22の線24に沿ったハンドルシステムの断面底面図である。
【
図24A】
図24Aは、本発明の実施形態による、
図24の詳細図「24A」から取られた、ハンドルシステムのフロートハンドル部の拡大断面図である。
【
図24B】
図24Bは、本発明の実施形態による、
図24の詳細図「24B」から取られた、ハンドルシステムのオクルダーハンドル部の拡大断面図である。
【
図24C】
図24Cは、本発明の実施形態による、
図24の詳細図「24C」から取られた、ハンドルシステムのアンカーハンドル部の拡大断面図である。
【
図25】
図25は、本発明のもう1つの実施形態による、第2のハンドル位置におけるハンドルシステムを示すハンドルシステムの断面側面図である。
【
図25A】
図25Aは、本発明の実施形態による、
図25の切断線「25A」に沿った、ハンドルシステムの断面図である。
【
図26】
図26は、本発明の実施形態による、第三のハンドル位置におけるハンドルシステムを示す、ハンドルシステムの断面側面図である。
【
図26A】
図26Aは、本発明の実施形態による、
図26の切断線「26A」に沿った、ハンドルシステムの断面図である。
【
図27】
図27は、本発明の実施形態による、着脱位置にある着脱イネーブルスイッチを示す、ハンドルシステムの基部側端面図である。
【
図28】
図28は、着脱位置におけるハンドルシステムを示す、
図27の切断線「28」に沿った、ハンドルシステムの断面側面図である。
【
図29】
図29は、着脱位置におけるハンドルシステムを示す、
図27の切断線「29」に沿った、ハンドルシステムの断面底面図である。
【
図30】
図30は、着脱位置の前のハンドルシステムの末端部を示す、
図22の切断線「30」に沿った、ハンドルシステムの基部側末端部の拡大断面側面図である。
【
図31】
図31は、着脱位置の前の、かつ示されたハンドルシステムの外方ハウジングが無いハンドルシステムを示す、ハンドルシステムの基部側末端部の拡大斜視図である。
【
図32】
図32は、着脱位置における、かつ示されたハンドルシステムの外方ハウジングが無いハンドルシステムを示す、
図27の切断線「32」に沿った、ハンドルシステムの基部側末端部の拡大断面側面図である。
【
図33】
図33は、着脱位置における、かつ示されたアンカーハンドル部の外方ハウジングが無いハンドルシステムを示す、ハンドルシステムのアンカーハンドル部の基部側部の拡大斜視図である。
【
図34】
図34は、非着脱位置におけるオクルダーハンドル部を示す、(明瞭性および便宜の目的でハンドル外方ハウジングを示さない)ハンドルシステムのオクルダーハンドル部の拡大斜視図である。
【
図34A】
図34Aは、
図34の詳細図「34A」から取られた、オクルダー着脱スライダーおよび着脱ロッドの一部の拡大斜視図である。
【
図35】
図35は、着脱位置におけるオクルダー着脱スライダーおよび着脱ロッドを示す、(明瞭性および便宜の目的でハンドル外方ハウジングを示さない)オクルダー着脱スライダーおよび着脱ロッドの拡大斜視図である。
【
図35A】
図35Aは、本発明の実施形態による、
図35の詳細図「35A」から取られた、着脱ロッドおよびオクルダー着脱スライダーの爪の拡大斜視図である。
【
図36】
図36は、本発明の実施形態による、カテーテルシステムによってシースを通って押される医療機器の拡大断面図である。
【
図37】
図37は、本発明の実施形態による、シースから展開される医療機器のオクルダー部の拡大断面図である。
【
図38】
図38は、本発明の実施形態による、カテーテルシステムから展開された医療機器のオクルダー部とアンカー部との拡大断面図である。
【
図38A】
図38Aは、本発明の実施形態による、線38Aから取られた、カテーテルシステムおよびシースの拡大断面図である。
【
図39】
図39は、本発明の実施形態による、医療機器およびテザーワイヤの間の相互連結の拡大断面図である。
【
図40】
図40は、本発明の実施形態による、医療機器およびカテーテルシステムから展開されたテザーの拡大断面図である。
【
図41】
図41は、本発明の実施形態による、カテーテルの末端側部を示す、関節付きカテーテルの部分斜視図である。
【
図41A】
図41Aは、本発明の実施形態による、
図41のセクションAから取られた、関節付きカテーテルの末端側部の拡大斜視図である。
【
図42】
図42は、本発明の実施形態による、関節付きハンドルシステムの側面図である。
【
図42A】
図42Aは、本発明の実施形態による、
図42の線42Aから取られた、関節付きハンドルシステムの拡大断面図である。
【
図43】
図43は、本発明の実施形態による、屈曲部材の斜視図である。
【
図44】
図44は、本発明の実施形態による、
図42の線44から取られた、ワイヤ係合部材の断面図である。
【
図45】
図45は、本発明のもう1つの実施形態による医療機器の部分断面図である。
【
図46】
図46は、本発明のなおもう1つの実施形態による医療機器の部分断面図である。
【
図47】
図47は、本発明のなおさらなる実施形態による医療機器の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
これらの種々の実施形態は、以下に記載する詳細な記載から明らかなように、他の構成要素、特徴または行動を含んでもよい。加えて、他の実施形態、構成およびプロセスが本発明の詳細な記載において以下に記載される。
【0029】
本発明のこれまでのおよび他の利点は、以下の詳細な記載を読み、および図面を参照すると明らかになるであろう。
図1および1Aを参照し、例えば、左心耳(LAA)のような開口またはキャビティ5を閉塞し、または修飾するのに用いることができる医療機器システム10が開示される。1つの実施形態において、医療機器システム10は、1以上のアクチュエーターおよび流体ポート14を備えたハンドル12を含んでよい。加えて、該システム10は、それを通って長手方向に延在し、かつハンドル12の末端側端部に付着されたカテーテルルーメンを備えたカテーテル16を含んでよい。そのようなカテーテルルーメンは、ハンドルルーメンと1つになり、それと連絡してよく、ならびに流体ポート14と連絡してよい。
【0030】
ハンドルと一体化されたアクチュエーターは、カテーテル16の末端側部20内に配設された医療機器40を作動させて、または移動させて、医療機器40をカテーテル16の末端側部20から、またはその中に展開させ、カテーテルの末端側部20内で医療機器40を捕捉する(または再捕捉する)よう、またはこの両方を行うよう構成してよい。そのような医療機器40は、カテーテル16(
図1および1Aに図示されないテザー)を通って延在する(一般に、便宜のためにここではテザーという)テザーコイルまたは他の構造またはエレメントを介してハンドル12に相互連結することができる。例えば、テザーは、ハンドル12に連結された基部側端部、および医療機器40に連結されたその末端側端部を有することができる。医療機器40は(アクチュエーターを介して)テザー/コイルの移動を制御し、カテーテル16の移動を制御することによって、異なる段階で展開させ、かつ再捕捉されるように操作することができる。
【0031】
(デバイスが十分に、または少なくとも実質的に拡大された)
図1Aにおける展開位置に示された医療機器40は、オクルダーシステム42およびアンカーシステム44を含んでよい。先に簡単に述べたように、医療機器40は、別個の段階において展開させるように制御することができ、1つの段階はオクルダーシステム42およびもう1つのものの展開であり、別個の段階はアンカーシステム44の展開である。このように、医師はまずオクルダーシステム42を展開させ、LAA5におけるオクルダーシステム42についての好ましい位置および向きを突き止め、一旦良好に位置決めし、向きを決めれば、医師は、アンカーシステム44を独立して展開させつつそのような位置を維持することができる。それ自体、オクルダーシステム42およびアンカーシステム44は、医師またはシステム10のオペレーターによって、別個の肯定的行動として相互に独立して展開されるよう構成されている。
【0032】
先に述べたように、ハンドル12は、着脱メカニズム32を含めた多数のアクチュエーターを含んでよい。後にさらに詳細に記載されるように、一旦医療機器40がLAA5に係留されたならば、着脱メカニズム32は医療機器40をテザーから着脱させるよう構成されている。他のアクチュエーターは、
図1に示されるように、第一のアクチュエーター22、第二のアクチュエーター24、第三のアクチュエーター26、第四のアクチュエーター28、および第五のアクチュエーター30を含んでよい。例えば、第一のアクチュエーター22および第二のアクチュエーター24はオクルダーシステム42の移動を制御するよう構成してよく、他方、第三のアクチュエーター26および第4のアクチュエーター28は、アンカーシステム44の移動を制御するよう構成してよい。第五のアクチュエーター30は、カテーテル16の末端側部20の操縦性を制御して、医療機器40をLAA5に入れる場合に、気密なコーナーを調整し、方向決めを容易とするよう構成してよい。例えば、第一のアクチュエーター22および第二のアクチュエーター24は、オクルダーシステム42用の単一のアクチュエーターとして、あるいは単一アクチュエーターとして作用するよう構成することができることに留意されたい。同様に、第三のアクチュエーター26および第四のアクチュエーター28は、アンカーシステム44用の単一のアクチュエーターとして、または単一アクチュエーターとして作用するよう構成することができる。
【0033】
図2、3および3Aを参照し、オクルダーシステム42は、オクルダー・ハブ・システム46および組織成長部材48に結合されたオクルダーフレーム43を含んでよい。オクルダーフレーム43は、一般に、スポーク様構成の、オクルダー・ハブ・システム46から径方向かつ末端方向に延在する多数のオクルダー・フレーム・セグメント50を含む。そのようなオクルダーフレーム43は、組織成長部材48を広げ、および組織成長部材48を折り畳む、の双方において助けるよう構成されている。それ自体、各フレームセグメント50はエキスパンダー部52およびコラプサー部54を含んでよく、該エキスパンダー部52は該コラプサー部54のそれよりも大きな全長を含むことができる。例えば、各エキスパンダー部52は、コラプサー部54と比較して、さらに径方向に、さらに末端方向に、さらに双方に延在してもよい。
【0034】
さらに、各フレームセグメント50は、エキスパンダー部52およびコラプサー部54の各々上にクリップ56を含んでよい。該クリップ56を利用して、組織成長部材48を、エキスパンダー部52およびコラプサー部54の間に付着させてよい。そのようなクリップ56は、各々、開いた位置に示される(
図3A)が、組織成長部材48をオクルダーフレーム43に付着させる場合、クリップ56は、矢印58によって示されるように、閉じた位置まで移動される。このように、組織成長部材48は、オクルダーフレーム43に容易に付着させることができる。
【0035】
組織成長部材48は、組織内殖を誘導し、または促進するよう構成された多孔性構造、または組織内殖を促進するよう構成されたいずれかの他の適当な構造を含んでよい。組織成長部材48は、例えば、外方表面60および内方表面62を有するカップ様形状を示すボディまたは構造を含むことができる。外方表面60は、末端側表面部64および基部側表面部66を含んでよい。組織成長部材48の外方表面末端側表面部64は、LAA5内の組織壁7と直接接触するようサイズ決めし、かつ構成することができる(
図1A参照)。1つの実施形態において、組織成長部材48は、閉じ込めた、または収縮した構成から拡大した、または展開した構成へ自己拡大するよう構成してよい。1つの実施形態において、組織成長部材48は、ポリウレタンフォームのようなポリマー材料を含んでよい。フェルト、ファブリック、ダクロン(登録商標)、ニチノールブレイデッド(braded)ワイヤ、またはポリマーまたはニチノールフェルトのような所望の多孔度を持つ他の材料を用いることもできる。フォームの場合には、そのようなフォームは、典型的には、当業者によって知られるように、フォーム内でポアを開ける化学的または加熱プロセスを受ける、網状フォームであってよい。フォームは非網状フォームであってよい。1つの実施形態において、フォームは、所望により、段階的密度または段階的多孔度を含んでよく、フレーム部材が拡大した構成まで移動される場合、所望の形状に拡大されるように操作されてよい。
【0036】
もう1つの実施形態において、組織成長部材48は、内方表面62の上に、外方表面60上に、または双方の表面上にスキン構造を持つポリウレタンフォームを含んでよい。例えば、スキン構造は、内方表面62上に形成してよく、かつ血液が組織成長部材48を通って流れるのを阻害するように構成してよく、他方、組織成長部材の外方表面60はそのポア内に血液細胞を受け取り、かつ組織内殖を誘導するよう構成してよい。1つの実施形態において、そのようなスキン構造は、組織成長部材48の表面にスパッタリングされた、タンタルのような材料の層を含むことができる。もう1つの実施形態において、スキン構造はポリウレタンフォームスキンを含むことができる。もう1つの例は、組織成長部材48の外方表面60または内方表面62への発泡ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)の付着を含み、該ePTFEは、それに対する内皮化を依然として可能としつつ、実質的に血液流動を阻害するための最小多孔度を有する。
【0037】
1つの実施形態において、アンカーシステム44は、複数のアンカー構成要素およびアンカー・ハブ・システム70を含んでよい。該アンカー・ハブ・システム70は、オクルダー・ハブ・システム46内に、またはそれに隣接して位置させ、かつそのように配置するよう構成してよい。該複数のアンカー構成要素は、例えば、第一のアンカー構成要素72および第二のアンカー構成要素74を含むことができる。第一のアンカー構成要素72および第二のアンカー構成要素74の各々は、(後により詳細に議論する)アンカー・ハブ・システム70を介して一緒に相互連結された、第一および第二のアンカー構成要素72および74の各々のための、例えば、2ループ構成にて、(拡大した構成の
図2、3、3A、6Aおよび6Bに示された)ペダルまたはループ構成を含んでよい。各ループは隣接ループに対して実質的に直交方向としてよい(すなわち、
図2および3に示される実施形態;アンカー構成要素72の各ループはアンカー構成要素74の隣接ループに対して直交している)。本明細書中で用いるように、用語「ループ」は、閉じた曲線が該構成要素で形成されることを要求せず、むしろそれ自体上に曲線リターンの部分を有する実質的に閉じた曲線または開いた曲線が「ループ」と考えられてよいことに留意されたい。
【0038】
拡大した構成にある間は、各ループはオクルダーシステム42から末端方向に延在してよく、かつアンカー・ハブ・システム70よりも大きな構成に向けて径方向外側に延在してよい。換言すれば、アンカー構成要素72および74の少なくとも一部は、ハブシステム70を通って延在する長手方向軸75から取ったように、オクルダーシステム42の最も末端側部を越えて末端方向に延在し、およびオクルダーシステムの最も径方向部を越えて径方向に延在する。アンカー構成要素72および74の各ループは、ループ構成の外方周辺に係合部材または牽引ナブ78を含んでよく、該牽引ナブ78は、LAA5内の組織壁7を係合させ、かつそれを掴むようサイズ決めされ、かつ構成される(
図1A参照)。1つの実施形態において、牽引ナブ78は、組織を刺穿または貫通することなく、組織壁7に積極的に係合するよう構成されていてよい。それ自体、そのような牽引ナブは非外傷性の構造として構成してよい。
【0039】
第一のアンカー構成要素72のループ構成の各々は、拡大された構成にある間は、相互に対して実質的に共平面状であって、実質的に平坦な構成にある。同様に、第二のアンカー構成要素74のループ構成の各々は、拡大された構成にある間は、相互に対して実質的に共平面状であって、実質的に平坦な構成にある。1つの実施形態において、第一および第二のアンカー構成要素72および74の間のループ構成が、相互に対して実質的に直交するような向きとなるように、第一のアンカー構成要素72は第二のアンカー構成要素74に付着してよい。換言すれば、第一のアンカー構成要素72が位置し、または向けられる面は、第二のアンカー構成要素74の面に対して実質的に直交している。他の実施形態においては、2を超えるアンカー構成要素があってよく、その場合、そのようなアンカー構成要素は相互に対して実質的に直交方向であってよく、またはそうでなくてよい。
【0040】
図3Aおよび3Bを参照し、医療機器システム10は、オクルダーシステム42ならびにアンカーシステム44の移動および展開を操作するために多数のカテーテルまたは管状部材およびテザーシステムを含む。例えば、主たるカテーテル16または外方カテーテルは、その中に位置し、実質的にその長手方向長さに延在する、第一の管状部材80および第二の管状部材82を含んでよい。そのような管状部材はカテーテル構成要素、コイル状構成要素、または当技術分野で公知のいずれかの他の適当な管状部材であり得る。さらに、先に述べたように、医療機器システム10は第一のテザーシステム84および第二のテザーシステム86を含んでよく、該第一のテザーシステム84はオクルダーシステム42に連結されるよう構成され、かつ第二のテザーシステム86はアンカーシステム44に連結されるよう構成される。テザーシステム84および86は、例えば、コイル状構成要素を通って延在する1以上のワイヤを含んでよい。1つの実施形態において、熱収縮ポリマー材料をコイル状構成要素上に形成してもよい。
【0041】
先に述べたように、オクルダーシステム42は、多数のオクルダー・フレーム・セグメント50、オクルダー・ハブ・システム46および組織成長部材48を含んでよい。各オクルダー・フレーム・セグメント50は、ベース部90、エキスパンダー部52およびコラプサー部54を含んでよい。該ベース部90は末端側ベース部92および基部側ベース部94を含んでよい。基部側ベース部94は、例えば、テザーアイレット98のような付着点を含んでよい。さらに、エキスパンダー部52およびコラプサー部54は、各オクルダー・フレーム・セグメント50の基部側ベース部94から径方向に延在してよく、および各オクルダー・フレーム・セグメントの基部側ベース部94から末端側に延在してよい。
【0042】
末端側ベース部92は、リングを受け取って、オクルダー・ハブ・システム46を形成するようサイズ決めされ、かつ構成されたノッチ96を含んでよい。1つの実施形態において、該リングは、例えば、各々が、オクルダー・フレーム・セグメント50の各ベース部に位置し、かつそれと相互連結してオクルダー・ハブ・システム46を形成する、2つの外方リング100および1以上の中間内方リング102を含んでよい。この配置では、オクルダーシステム42は、第一のテザーシステム84において、その一部が、基部側ベース部94においてテザーアイレット98に付着するように、主たるカテーテル16から展開されてよい。
図3Bには示されていないが、オクルダーシステム42のみが展開されるように、アンカーシステム44が第一の管状部材80内に依然として後退された状態で、オクルダーシステム42の展開を行うことができる。オクルダーシステム42は、もし所望ならば、例えば、LAA5内へのオクルダーシステム42の再位置決めを可能とするために、主たるカテーテル16の末端側部20へ後退させて戻されてもよい。このように、医師は、第一のテザリングシステム84を介してオクルダーシステム42へのアクセスをやはり維持しつつ、オクルダーシステム42をLAA5内の所望の位置および向きにて展開することができる。
【0043】
アンカーシステム44は、先に示したように、アンカー・ハブ・システム70、第一のアンカーセグメント72および第二のアンカーセグメント74を含んでよく、各アンカーセグメント72および74は、拡大された構成にある場合、2つのループ構成を含む。ループの各々は、その間に中間部108がある第一の末端部104および第二の末端部106を含んでよい。中間部108は、既に記載したように、係合ナブまたは牽引ナブ78を含む。アンカーシステム44が展開状態にある場合、ループの第一の末端部104はベース部分112から延在することができ、第二の末端部106は、オクルダー・ハブ・システム46内に、またはそれに隣接して配置された多数のリング110を含めたアンカー・ハブ・システム70にインターロックすることができる。第一のアンカーセグメント72の各ループの第一の末端部104は、各々、そのベース部112から延在することができる。同様に、第二のアンカーセグメント74の各ループの第一の末端部104は、各々、第二のアンカーセグメント74のベース部112から延在することができる。
【0044】
第一および第二のアンカーセグメント72および74の各々のベース部112は一緒にインターロックし、または結合させることができ、かつ(展開構成にある場合)リング110内に、またはそれに隣接して位置するよう、かつ後退されたまたは非展開位置に向けて第一の管状部材80内を基部側位置に移動可能であるよう構成することができる。そのようなベース部112は、ベース部112中のアイレット114または他の構造を介して第二のテザリングシステム86に連結されるよう構成される。さらに、ベース部112は、後退位置および展開位置の間を第一の管状部材80内を移動することができる。後退位置において、ベース部112は第一の管状部材80中を基部側寄りに位置し、第一および第二のアンカーセグメント72および74の各々の実質部分は、アンカーセグメント72および74の「ループ」部が比較的気密な曲線またはより小さな半径を示すように第一の管状部材80内を転がる。さらに、後退位置において、アンカー・ハブ・システム70はオクルダー・ハブ・システム46の基部側を移動することもできる。なぜならば、双方のシステムは相互から独立して行動することができるからである。アンカーシステム44を展開位置まで移動させる場合、アンカー・ハブ・システム70は、末端側寄りに移動して、アンカーセグメント72および74の第二の末端部106上に画定されたストッパー116を介してオクルダー・ハブ・システム46の一部に係合し、または当接し、その後、アンカーセグメント72および74のベース部112は、第一の管状部材80または主たるカテーテルに対して末端側寄りに移動することができ、そこから、アンカーシステム44は主たるカテーテル16から外へ転がって、ループを展開位置まで拡大させる。もう1つの実施形態において、アンカーセグメント72および74の第二の末端部は、展開および後退両状態においてオクルダー・ハブ・システムに隣接したままであってよく、他方、ベース部はアンカーシステム44の展開のためにオクルダー・ハブ・システム46に対して変位する。いずれの構成においても、医師は第二のテザリングシステム86を介してアンカーシステム44のアクセスおよび制御を維持し、従って、医療機器40が適切に位置しているかを決定することができ、あるいはもしそうでなければ、アンカーセグメントのベース部112を基部側寄りに移動させて、第一の管状部材80内でアンカーセグメント72および74の実質部分を転がすことによってアンカーシステム44を容易に後退させることができる。
【0045】
図4A乃至4Dを参照すると、主として2段階展開方法を使用してLAA5に展開されつつある医療機器40が示され、そこでは、オクルダーシステム42が展開され、次いで、アンカーシステム44が展開される。
図4Aを参照し、医療機器システム10のカテーテル16の末端側部20がLAA5まで進行される。点線によって示されているように、末端側部20は、LAA5またはそれに隣接した領域にアクセスするために、必要に応じて、鋭く回るよう操作し、かつ誘導してよい。これは、例えば、適切に方向決めし、およびカテーテル16の末端側部20の好都合な初期位置を得るよう構成してもよい第五アクチュエーター30(
図1)の作動によって使用することができる。例えば、第五アクチュエーター30はライン120に結合してよく、該ラインは、今度は、カテーテル16の末端側部20内にベントが所望されるであろう領域124の末端側にある固定された点またはブロック122に結合される。1つの実施形態において、主たるカテーテル16のベンド領域124における材料は、ライン120が第五アクチュエーター30を介して引っ張られた場合に、主たるカテーテル16が柔軟化された、または薄くされた材料の領域において曲るように、柔軟化し、または薄くすることができる。これは、プルラインおよび/またはプッシュラインを介して達成することもでき、該プッシュラインは、例えば、それと共に使用されるコイルを有する。
【0046】
図4Bを参照すると、(アンカーシステム44はまだ展開されていないが)医療機器送達システム10の末端側部20から展開されつつあるオクルダーシステム42が示される。オクルダーシステム42を展開する前に、医師は、最初に、LAA5の小孔9の末端側にある送達システム10の末端側部20を操作してよい。一旦、好都合な位置になると、医師はオクルダーシステム42を展開し、オクルダーシステム42の所望の向きおよび位置がLAA5において得られるまで、オクルダーシステムをLAA5内で基部側に移動させることができる。
図3Bを参照し、例えば、第一のテザリングシステム84を介してオクルダーシステム42の位置を維持し、主たるカテーテル16をオクルダーシステム42に対して後退させることによって、オクルダーシステム42を展開することができる。例えば、後にさらに詳細に議論されるように、形状記憶材料から形成してよいオクルダーフレームは、次いで、それが主たるカテーテル16からシースが外されるにつれ、自己拡大することができる。このように、組織成長部材48の外方表面60の末端側表面部64は径方向に拡大して、LAA5の組織壁7と接触するようになる。
【0047】
図4Cを参照すると、一旦、医師が(示されたもの以外の位置および向きであってもよい)LAA5中の所望の位置を得れば、次いで、医師は、オクルダーシステム42の位置をLAA5中に維持しつつアンカーシステム44を展開し始めることができる。オクルダーシステム42が選択された位置をLAA5に維持しつつ、アンカーシステム44は、アンカー・ハブ・システム70をオクルダー・ハブ・システム46に対して移動させ、第二のテザリングシステム86を介してアンカーシステム44のベース部112を末端側に押して、それにより、主たるカテーテル16または第一の管状部材80から外へ、拡大されたループ構成へとアンカーセグメント72および74を回すことによって、展開され始めることができる(
図3B参照)。
【0048】
一旦第一および第二のアンカーセグメント72および74のベース部112が十分末端側の位置まで、すなわち、アンカー・ハブ・システム70に隣接するよう移動されると、次いで、アンカーシステム44は、
図3、3Aおよび4Dに示されるように十分展開される。この位置において、主たるカテーテル16および第一および第二の管状部材80および82は後退させることができ、第一および第二のテザリングシステム84および86のみが各オクルダーシステム42およびアンカーシステム44への結合またはアクセスを維持する。もし医師がLAA中の医療機器40の向きおよび位置に満足すれば、次いで、医療機器40を、着脱メカニズム32を介して着脱することができる(
図1)。しかしながら、もし医師が満足しなければ、次いで、アンカーシステム44およびオクルダーシステム42を、各々、カテーテル16の末端側部20において再度シースに入れることができる。次いで、医師は、前記したプロセスに従って再度、同一医療機器40および送達システム10を用いてもう1つの試みを受けることができる。医師は、種々のイメージング技術を用いて、医療機器40の設置および展開をモニターしてもよいことに留意されたい。例えば、医師は、LAAにおけるコントラストを進行させて、当技術分野で公知のイメージング技術を介して医療機器の40の位置を見てもよい。
【0049】
次に、
図5A乃至5Cを参照し、本発明の実施形態に従い、オクルダーシステム42の種々の構成要素が
図5Aおよび5Bに示され、他方、オクルダーシステム42のアセンブリーが
図5Cに示される。
図5Aを参照すると、ベース部90、エキスパンダー部52およびコラプサー部54の各々を含む1つのオクルダー・フレーム・セグメント50が示される。オクルダーシステム42は、例えば、4つのフレームセグメントを含んでよいが、他の実施形態においては4よりも多いまたはそれよりも少ないフレームセグメントを含んでよい。1つの特別な実施形態において、8つのフレームセグメント50を使用してよい。各フレームセグメント50は、例えば、
図5Aに示された好ましい十分に拡大された位置の形状および設計を備えたものとして、ニチノールシートから、例えば、レーザー切断してよい。そのような実施形態において、各フレームセグメントは実質的に平面状部材として形成してよく、あるいはそうでなければ、実質的に平面状の構成を示す。
図5Bおよび5Cに図示されるように、各オクルダー・フレーム・セグメント50は、例えば、2つの外方リング100および1つの内方リング102を含んでよいリングまたはハブアセンブリー46に組み立てられる。リング100および102は、リングの内方および/または外方周辺に沿って所望の径方向位置においてオクルダー・フレーム・セグメント50の各々を方向決めし、かつ位置決めするために(
図5Bまたは5Cに図示されていない)ノッチを含んでよい。
【0050】
簡単に記載する目的で、ただ1つのフレームセグメントを
図5Bにおけるリングの組み立てで断面にて示すが、
図5Cに示すように、オクルダーシステム42は、所望のパターンまたは幾何学的構成にて、リング100および102の周りに径方向に位置した多数のフレームセグメント50を含むことができる。各オクルダー・フレーム・セグメント50の多数のベース部90およびリング100および102の組合せが、オクルダー・ハブ・システム46を形成する。さらに、オクルダー・ハブ・システム46は、アンカーシステムの少なくとも一部がオクルダー・ハブ・システム46の開口を(例えば、リングを通じて)(
図5A乃至5Cに図示されていない)容易に通過するようサイズ決めされ、かつ構成されている。この配置にて、オクルダーシステム42の各構成要素は、所望ならば、リング100および102を含めた、形状記憶合金(例えば、ニチノールとしても知られたニッケル−チタン合金)のシートからレーザー切断することができる。他の実施形態において、ハブシステムの種々の構成要素は、ポリマーまたは他の金属材料を使用して形成でき、および典型的な技術および方法を用いて機械加工することができる。加えて、構成要素の全てが同一材料から、または同一の製造プロセスを用いて形成される必要はない。例えば、1つの実施形態において、フレームセグメント50は先に述べたニチノールシートからそれらをレーザー切断することによって形成してもよく、他方、リング100および102は成形プロセスを通じてポリマー材料で形成される。
【0051】
次に、
図6Aおよび6Cに転じて、アンカーシステム44のアンカー・フレーム・セグメントの構成要素が示される。第一のアンカーセグメント72(
図6A)および第二のアンカーセグメント74(
図6B)は、各々、第一の末端部104および第二の末端部106を含み、該第一の末端部104はベース部112から延在し、中間部108が第一の末端部106および第二の末端部106の間にある。(
図6Aおよび6Bに図示されるように)拡大された位置にある場合、アンカーセグメント72および74は各々、1以上のループ構成を画定することができる。例えば、
図6Aおよび6Bに示された実施形態は、各々、2つのループを含む。
【0052】
第一のアンカーセグメント72のベース部112は、それを通って延在する開口または穴118を含む。該穴118は、第二のアンカーセグメント74の内方エッジ部120を受承するようにサイズ決めされ、構成されている。この配置にて、第一のアンカーセグメント72は、第二のアンカーセグメント74の内方エッジ部120が第一のアンカーセグメント72の穴118に係合するように、第二のアンカーセグメント74に対して(
図6参照)直交配位にて方向決めされ、かつ位置決めされている。
【0053】
また、第一の末端部104は、第二の末端部106に向かって、あるいはその曲線長さに少なくとも部分的には沿って延在するその長さに沿って厚みが徐々に小さくなることにも留意されたい。そのようなテーパーは、係留位置(すなわち、アンカーセグメント72および74の展開位置)を維持するために弾性および拡大特徴を提供する。さらに、第2の末端部106は、アンカー・ハブ・システム70を形成するためにリング110を受承するようにサイズ決めされ、かつ構成されたノッチ付き構成を含む。先に述べたように、アンカー・ハブ・システム70は、十分に展開された場合に、(
図6A乃至6Cに図示されていない)オクルダー・ハブ・システム内に、またはそれに隣接して位置決めされるようサイズ決めされ、かつ構成されている。第二のアンカーセグメント74のベース部112は、さらに、その基部側端部周りでリング部材122を受承するようにサイズ決めされ、かつ構成されている。オクルダーシステム40に関しては、アンカーセグメント72および74およびリング110は、意図された十分に拡大された構成の形状にてニチノール材料のシートからレーザー切断してもよい。そのような実施形態において、各フレームセグメント72および74は実質的に平面状の部材として形成されてもよく、あるいはそうでなければ、実質的に平面状の構成を示す。このように、アンカーシステム44が作成され、かつ組み立てることができる。もちろん、アンカーシステム44の構成要素は、オクルダーシステム40に関して先に議論したように、他の製造プロセスを用い、他の材料で形成されてもよい。
【0054】
次に、
図7A、7B、7C、8および8Aを参照し、LAAのような開口を閉塞するために用いられる医療機器のもう1つの実施形態が示される。この実施形態は、本実施形態においては、アンカーセグメントがオクルダー・フレーム・セグメントのベース部の延長である以外は、先に記載した実施形態と同様である。換言すれば、アンカー・フレーム・セグメントおよびオクルダー・フレーム・セグメントが相互に一体化しているが、オクルダーシステムおよびアンカーシステムの独立した展開および後退が保持される。
【0055】
図7Aを最初に参照し、相互に一体化されたアンカーセグメント212およびオクルダーセグメント214の双方を含むフレームセグメント210が示される。アンカーセグメント212およびオクルダーセグメント214は単一のまたはモノリシックであって、例えば、ニチノール材料のような所望の材料のシートから単一のフレームセグメントとして、例えば、レーザー切断してよい。アンカーセグメント212は第一の末端部222、第二の末端部224、およびその間の中間部226を含む。該第一の末端部222はアンカーベース228から延在し、それがその曲線長さに少なくとも部分的には沿って第二の末端部224に向けて延在するにつれ、厚みが徐々に小さくなる。該中間部226は、拡大され展開された構成にある場合、LAAの組織壁に係合する(が、必ずしもそれを刺穿しない)よう構成された係合または牽引ナブ234を含んでよい。第二の末端部224は、オクルダーセグメント214のベース部220の末端側端部232から延在する。
【0056】
エキスパンダー部216およびコラプサー部218は、共に、オクルダーセグメント214のベース部220の基部側端部236から末端側にかつ径方向外側に延在する。エキスパンダー部216は、さらに、その関連するコラプサー部218よりも末端側かつ径方向に延在してよい。先の実施形態におけるように、エキスパンダー部216およびコラプサー部218は、その間の(
図7A乃至7C、8または8Aに図示されない)組織成長部材を受承するように構成される。さらに、ベース部220は、後に記載するように、リングを受け取って多数のフレーム構成要素を結合するようサイズ決めされ、かつ構成されたノッチ230を含む。
【0057】
図7Bを参照すると、別個のオクルダー・フレーム・セグメント240が示される。この別個のオクルダー・フレーム・セグメント240は、この別個のオクルダー・フレーム・セグメント240が、
図7Aに示されたフレームセグメント210に関して、そのベース部220から延在するアンカー・フレーム・セグメント212を含まない以外は、
図7Aのオクルダーセグメント214(ならびに先の実施形態のオクルダー・フレーム・セグメント50)とほぼ同様に構成されてよい。
図7Cに図示されるように、医療機器のフレームは、例えば、4つのフレームセグメント210および4つの別個のオクルダー・フレーム・セグメント240と共に交互に径方向に方向決めされ、かつ位置決めされた多数のフレームセグメント210(
図7A)および多数の別個のオクルダーセグメント240(
図7B)を含む。
【0058】
既に記載されたように、フレームセグメント210は、オクルダーセグメント214およびアンカー・フレーム・セグメント212を共に含む。それ自体、
図7Cおよび8に示された実施形態においては、合計8つのオクルダー・フレーム・セグメントがある(そのうち4つは別個のオクルダーセグメント240である)。しかしながら、医療機器は、より少ない、またはより多いオクルダー・フレーム・セグメントを含んでよい。
図8に示された医療機器のフレームの断面図に示されるように、そのようなフレームセグメント210および(
図8には示されない)別個のオクルダー・フレーム・セグメント240は、オクルダーセグメント214のベース部220のノッチ230内に位置したリング244を介して一緒に結合して、オクルダーハブを形成することができる。同様に、フレームセグメント212のベース部222は、1以上のリング272(
図8A参照)を介して一緒に結合して、アンカーハブを形成してよい。
【0059】
図8Aを参照すると、送達システム254のハブシステム250および末端側部252の拡大図が示される。該送達システム254は先に記載した実施形態と同様であってよく、主たるカテーテル256、第一の管状部材258および第二の管状部材260、ならびに第一のテザリングシステム262および第二のテザリングシステム264を含んでよい。該第一のテザリングシステム262はベース部220の第一のアイレット266においてオクルダーシステムに連結されるよう構成されている。該第二のテザリングシステム264は、そこで画定された第二のアイレット268においてアンカーベース228に連結するよう構成されている。さらに、アンカーベース228は、ハブ部材270と相互に連結できる。ハブ部材270は、(図示されていない)それを通ってのガイドワイヤのような、ワイヤの前進を可能とするよう構成されていてよい。
【0060】
ハブシステム250は、各アンカーセグメント212のアンカーベース228において画定されたノッチ274において受け取られるよう構成されたリング部材272を含んでよい。先の実施形態と同様に、アンカーシステム(またはその少なくとも重要な部分)は、矢印276によって示されたように、第二のテザリングシステム264を介してアンカーベース228を基部側に引っ張ることによって第一の管状部材258内に後退させることができる。また、アンカーベース228を基部側位置から末端側に移動させて、それにより、先の実施形態と同様に、送達システム254からアンカーセグメント212を回して、拡大されたループを形成することによって、アンカーシステムを送達システム254から展開させることもできる。本実施形態の医療機器は、先の実施形態に関して記載したのと同様に、2つの秩序立った、または連続的段階で展開してよいことにも留意されたい。換言すれば、オクルダーシステムは、アンカーシステムから独立して、LAA内の所望の位置および向きにて展開し、かつ設置してよい。アンカーシステムは、オクルダーシステムに引き続いて展開して、その所望の位置にオクルダーシステムを固定してもよい。
【0061】
図9Aおよび9Bは、本発明に従った医療機器300のもう1つの実施形態の末端側および基部側の斜視図を示す。先に記載した実施形態と同様に、本実施形態においては、医療機器300は、組織成長部材306およびアンカーシステム304を備えたオクルダーシステム302を含む。オクルダーシステム302およびアンカーシステム304は、
図1および
図4A乃至4Dに示されたもののような、関連する医療機器送達システムから別々に展開可能である。しかしながら、本実施形態においては、オクルダーシステム302およびアンカーシステム304は、以下に詳細に記載されるように、種々のさらなる特徴を含んでよい。さらに、本実施形態においては、(例えば、他の実施形態に関して記載されてきた4または8、あるいはもう1つの実施形態においては、12までとは反対に;あるいはワイヤ組織を使用する場合には、フレームセグメントの数はかなり大きくすることができよう)6つのオクルダー・フレーム・セグメント310を含むものとしてオクルダーシステム302が示され、3つのアンカー・フレーム・セグメント350を含むものとしてアンカーシステム304が示される(各アンカー・フレーム・セグメントは2つの巻かれた部分またはループ部を有する)。繰り返し述べるが、アンカー・フレーム・セグメントおよびオクルダー・フレーム・セグメントの数は単にもう1つの例であり、フレームセグメントの他の数は、本明細書中に記載された種々の医療機器で用いられると考えられる。アンカー・フレーム・セグメント350およびオクルダー・フレーム・セグメント310は、相互に対して交互となるよう位置決めされ、かつ方向決めされてよい。さらに、本実施形態においては、オクルダー・フレーム・セグメント310は先に記載された前方および後方コラプサーおよびエキスパンダー部を含まないが、むしろ、各オクルダー・フレーム・セグメントは、組織成長部材306が付着し、かつ組織成長部材306の折り畳みおよび拡大を共に促進する単一のフレーム部材を含んでよい。
【0062】
図10Aを参照すると、明瞭性の目的で、単一のオクルダー・フレーム・セグメント310の側面図が示される。先に注記したように、オクルダーシステム302(
図9B)は、少なくとも部分的には、オクルダーシステムを形成する6つのオクルダー・フレーム・セグメントのような複数のオクルダー・フレーム・セグメント310を含んでよい。本実施形態のオクルダー・フレーム・セグメント310は、コラプサー部312、エキスパンダー部314、および中間延長部316を含んでよい。さらに、オクルダー・フレーム・セグメント310は、外方表面318および内方表面320を含んでよい。コラプサー部312は、オクルダー・フレーム・セグメント310の基部側末端部322から、エキスパンダー部314へと、軸325に対して径方向外側に延在する。エキスパンダー部314は、同様に、コラプサー部312の末端から、オクルダー・フレーム・セグメント310の末端側端部324へと、軸325に対して径方向に外側に向けて延在する。中間延長部316は、エキスパンダー部314の基部側端部に通常存在し、または該基部側端部に隣接する位置から径方向に内側に向けて延在してもよく、およびコラプサー部312の隣接部の内方表面320が中間延長部316にほぼ対面するように、コラプサー部312の隣接部と空間的関係をもって延在してもよい。さらに、オクルダー・フレーム・セグメント310はオクルダーベース部326も含んでよい。オクルダーベース部326は、オクルダーレッグ延長部328および突出部330を含んでよく、以下、さらに詳細に記載されるようにハブシステムでインターロックされるよう構成されたノッチ332を画定する。
【0063】
図10Bを参照すると、組織成長部材306が付着された単一のオクルダー・フレーム・セグメント310の側面図が示される。組織成長部材306は、内方表面334および外方表面336を含んでよく、該内方表面334および外方表面336は、少なくとも部分的には、オクルダー・フレーム・セグメント310のコラプサー部312およびエキスパンダー部314と接触している。組織成長部材306は、組織成長部材306の外方表面336がオクルダー・フレーム・セグメント310のコラプサー部312の内方表面320と接触するように、オクルダー・フレーム・セグメント310のベース部326から延在してよい。さらに、オクルダー・フレーム・セグメント310は、エキスパンダー部314の外方表面318が組織成長部材306の内方表面334と接触してよいように、組織成長部材306を通って延在してよい。
【0064】
この配置では、組織成長部材306がコラプサー部312の一部および中間延長部316の間に位置するよう中間延長部316は径方向に内側に向けて延在する。かくして、中間延長部316は、組織成長部材306をオクルダー・フレーム・セグメント310に保持し、または付着させるのを助けてもよい。オクルダーシステム302がカテーテル中に示されているように、コラプサー部312の外方表面318はカテーテルルーメンの内方表面に接触してよく、および組織成長部材306を折り畳むのを助けてもよい。同様に、オクルダーシステム302がカテーテルから展開されるにつれ、エキスパンダー部314の外方表面318は、組織成長部材306が図示されたのと同様な位置まで拡大するのを助けるよう構成されている(組織成長部材316の上半分のみが
図10Bに断面図にて示されていることに留意されたい)。
【0065】
組織成長部材306は複数の材料の層も含んでもよい。種々の実施形態において、そのような層は、接着剤によって、または当技術分野で知られた熱プロセスまたは他の適切なプロセスによって一緒に結合された同様なまたは同様でない材料を含んでよい。そのようなさらなる層は、例えば、組織成長部材の主たる層の外方表面に付着された発泡ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含んでもよい。1つの実施形態において、組織成長部材306は、先の実施形態で記載されたように、ポリウレタンフォームで形成された主たる層306Aを含んでよい。組織成長部材は、さらに、相互に熱的に結合されたePTFEのような材料のさらなる層306B乃至306Dを含んでよい。1つの特別な例において、最も外側の、または最も基部側の層306Cおよび306Dは、ほぼ70μm乃至ほぼ90μmのノード間距離(場合により、ポアサイズという)を有するePTFE材料で形成されてよい。主たる層306Aに隣接する材料の層(306B)は、外方層306Cおよび306Dの1以上に対して低下したノード間距離を有するePTFE材料で形成されてよい。例えば、この層306Bのノード間距離はほぼ10μmであってよい。この層306Bは、接着剤材料を用いて主たる層に結合させ、または接着してよい。約250μmまでのノード間距離を有するePTFEのような、ePTFEのいずれかの他の適当なサイズの層を使用してよい。
【0066】
そのような構成は、層306Bの小さなノード間距離およびポアサイズのため、血液の通過を効果的に妨げ、他方、他の層(例えば、306Cおよび306D)のより大きなノード間距離は、組織内殖および内皮化を起こさせる。加えて、ポリウレタンフォームで形成されている主たる層は、LAA壁から組織成長部材306への組織の積極的な成長を可能とする。主たる層306Aおよび次に隣接する層306Bの間の適当な接着材料の使用は、次の隣接する層306Bのポアを満たし、さらに、組織成長部材306を通っての血液の可能な流動を阻害するように働くこともできることに留意されたい。
【0067】
次に、
図11A、11Bおよび11Cを参照し、アンカーシステム304の構成要素が示され、これは、各々が拡大された構成において示されるように、第一のアンカーセグメント350a(
図11A)、第二のアンカーセグメント350b(
図11B)および第三のアンカーセグメント350c(
図11C)を含む。各アンカーセグメント350a−350cは第一のアンカー部352および第二のアンカー部354を含むことができ、その各々は実質的に同様であってよい。該第一および第二のアンカー部352および354は各々、第一の外方端部356および第二の内方端部358の間に延在し、該第一の外方端部356は、アンカーレッグ延長部360に隣接する位置から延在する。該第二の内方端部358はアンカー・ハブ・ベース362から延在する。該アンカーレッグ延長部360は、(当該機器の長手方向軸325に向けて)わずかに径方向内側に、かつ末端側に、自由端部364まで延在してよい。アンカーセグメント部352および354の第一の外方端部356は、基部側突出部366も含んでよい。基部側突出部366は、それ自体の上に、またはレッグ延長部360の一部と一緒になって、ノッチ368を画定してよい。ノッチ368およびアンカーレッグ延長部360、および他の構成要素とのそれらの関係を以下さらに詳細に議論する。
【0068】
アンカー・ハブ・ベース362は、各々、第一のアンカー・ハブ・ベース362a、第二のアンカー・ハブ・ベース362b、および第三のアンカー・ハブ・ベース362cを含めるために、該第一のアンカーセグメント350a、該第二のアンカーセグメント350b、および該第三のアンカーセグメント350cの各々の間で構造を変化させてよい。各アンカー・ハブ・ベースの間のそのような構造的変動を使用して、個々のアンカー・ハブ・ベース362a−362cの間の相互連結を容易として、以下さらに詳細に記載するように、少なくとも部分的には、(
図13において最良に示される)アンカー・ハブ・システム370を形成してよい。
【0069】
記載されるように、各アンカー・フレーム・セグメント350−350cは、第一のアンカー部352および第二のアンカー部354を含んでよく、これは、拡大された構成にある場合、各々、第一のループ構成および第二のループ構成を形成してよい。先の実施形態におけるように、第一および第二のアンカー部は、各々、第一および第二のアンカー部352および354がLAA中の組織に対して位置決めされるように、アンカー・フレーム・セグメント350が十分に展開される場合、第一および第二のアンカー部352および354の各々の末端側側面に、および外方表面上に位置するようサイズ決定され、かつ構成された係合部材372または突出ナブを含む。
【0070】
図12Aを参照し、係合部材372がテーパー付きエッジ384を介する組織との牽引または係合を付与するよう方向決めされ、かつ構成され、および医療機器が基部側方向に、またはそうでなければLAAの開口または小孔に向けた方向に変位力を経験する場合に、係合部材372が組織に積極的に係合するに過ぎないように、係合部材372は、波頭構成と呼ぶことができるものを含んでよい。さらに、係合部材のそのような波頭構成は、エッジ384に移行するピーク部374を含んでよい。係合部材のピーク部374または外方表面は鈍いかまたは鈍角であってよい。
図12Aに示されるように、ピーク部を実質的に丸くして、係合部材372がLAAの組織を刺穿または貫入するのを実質的に妨げてよい。加えて、係合部材372が、アンカー部352の表面の正接に対して係合部材372の末端側側面から約135度の角度αにて延在して、それにより、医療機器の基部方向移動をやはり妨げつつ、係合部材372が組織を刺穿するのをさらに妨げるように、係合部材372を方向決めしてよい。
【0071】
図12Bを参照し、もう1つの実施形態において、各アンカー・フレーム・セグメント350−350cの各々の各アンカー部352、354は、ワイヤ376、またはコイル構成を形成するためのその周りを包む他の細長い構造を含んでよい。ワイヤ376は、第一のワイヤ連結部378および第二のワイヤ連結部380の間をコイル構成にて延在してよい(
図11A参照)。ワイヤ376は、径方向外方表面382が係合部材372のピーク部374の高さの径方向内側であって、また係合部材372のエッジ384の径方向内側(または下方)となるよう構成されてよい。1つの実施形態において、ワイヤ376は、ステンレス鋼またはチタンのような金属または金属合金で作成されていてよいが、それに限定されず、ニチノール、ポリマー材料、フィラメント状部材または他の金属および合金のような他の適当な材料で形成されてよい。そのようなワイヤ376を使用して、LAA中の組織との係合を強化し、ならびにアンカー・フレーム・セグメント350a−350cのアンカー部352または354が疲労し、および折れる事象において安全性特徴を提供することができる。
【0072】
図11A、11Bおよび11Cを再び参照し、次に、アンカー・ハブ・ベースに関する議論を提供する。記載されたように、各アンカー・フレーム・セグメント350−350cについてのアンカー・ハブ・ベース362a−362cはハブベース362a−362cの相互連結を容易として、アンカー・ハブ・システム370を形成することができる、異なってサイズ決めされ構成されたノッチおよびスロットのような可変の構造を含んでよい(
図13)。例えば、具体的には、
図11Aを参照し、第一のアンカー・ハブ・ベース362aは、とりわけ、第一の後方ノッチ390、第一の保持ノッチ392、第一の穴394および第一のスロット396を画定することができる。第一の後方ノッチ390は、第一および第二のアンカー部352および354から延在する2つの第二の内方端部358の間で画定することができる。第一の保持ノッチ392は、その対向側において第一のアンカー・ハブ・ベース362aの中間部内で画定することができる。第一の穴394は第一の保持ノッチ392の基部側で画定することができ、および第一のスロット396は第一のアンカー・ハブ・ベース362aの基部側末端部398において画定することができ、
図11Aで示すように、第一の後方ノッチ390および第一の穴394を通って延在する長手方向軸325に対して一定角度にて形成することができる。
【0073】
図11Bに対しては、第一のアンカー・ハブ・ベース362aと同様に、第二のアンカー・ハブ・ベース362bは第二の後方ノッチ402および第二の保持ノッチ404を画定することができる。(本議論における用語「第一の」、「第二の」および「第三の」の使用は、ノッチ、穴または他の特徴を所与のハブベース362a−362cと関連付けるにおける便宜のためであり、特定のハブベース362a−362cに関連するノッチの特定の数を示さないことに留意されたい)。加えて、第二のアンカー・ハブ・ベース362bは、深い第二の基部側ノッチ406を画定することができる。それ自体、第二の後方ノッチ402は、第二のアンカーセグメント352bの第一および第二のアンカー部352および354から延在する2つの第二の内方端部358の間で同様に画定することができる。第二の保持ノッチ404は、その対向側に配置された第二のアンカー・ハブ・ベース362bの中間部内で画定することができる。第二の基部側ノッチ406は、少なくとも部分的には、第二の保持ノッチ404を画定する対向して延在する第二の突出部408の間で第二のアンカー・ハブ・ベース362bの基部側端部から画定し、かつ延在することができる。さらに、第二の保持ノッチ404が第一の保持ノッチ392に実質的に対応し、それと整列するように、かつ第二の後方ノッチ402が第一の後方ノッチ390と一体化し、かつそれに対応するように、第二の基部側ノッチ406は、第一のアンカー・ハブ・ベース362aの第一の後方ノッチ390上に位置決めされるようサイズ決めされ、かつ構成されてよい(
図11A参照)。
【0074】
次に、
図11Cを参照し、第三のアンカー・ハブ・ベース362cは、2つのベース延長部412を備えたベース410を含むことができる。該ベース410は第三のアンカーセグメント350cの第一および第二のアンカー部352および354の2つの第二の内方端部358に対して横方向に延在することができる。2つのベース延長部412は、弛緩された状態にある場合に、爪が相互に接触できるように、ベース410から基部側に延在して、相互に面する2つの対向する爪414を供することができる。2つのベース延長部412および爪414は、矢印416によって示されるように、径方向外側に変位して、第3の基部側ノッチ418を集合的に画定することができる。第3の基部側ノッチ418は、2つのベース延長部412が第一のアンカー・ハブ・ベース362a上に延在し、かつ爪414が第一のアンカー・ハブ・ベース362aの第一の穴394に留められるように、第一のハブベース362aの第一の後方ノッチ390および第二のハブベース362bの第二の後方ノッチ402を受承するようにサイズ決めし、かつ構成してよい(
図11Aおよび13参照)。第三のアンカー・ハブ・ベース362cは、爪414(すなわち、延長部の対向する径方向外方表面)の裏面、および第三のアンカー・ハブ・ベース362cのベース410の基部側面によって画定される第三の保持ノッチ420を画定することもできる。
【0075】
次に、
図13を参照し、一緒に相互連結された第一のアンカー・ハブ・ベース362a、第二のアンカー・ハブ・ベース362bおよび第三のアンカー・ハブ・ベース362cの各々を備えたアンカー・ハブ・システム370が示される。図示されるように、第二のアンカー・ハブ・ベース362bおよび第三のアンカー・ハブ・ベース362cは、第一のアンカー・ハブ・ベース362aに相互連結されるようサイズ決めされ、かつ構成され、アンカー・ハブ・システム370を形成する。第二のアンカー・ハブ・ベース362bおよび第三のアンカー・ハブ・ベース362cは、各々、各ハブベースの向きが(図示されない)アンカー部の各々の向きに実質的に対応できるように、第一のアンカー・ハブ・ベース362aに対して所望の角度にて位置決めされ、かつ方向決めしてよい。さらに、第三のアンカー・ハブ・ベース362cの爪414は、第二のアンカー・ハブ・ベース362bの突出部408が爪414および第一のアンカー・ハブ・ベース362aの第一の穴394に隣接して、第一のアンカー・ハブ・ベース362aにおいて画定された第一の穴394中に延在するよう位置決めされる。このように、第一、第二および第三の保持ノッチ392、404、420は、(図示しない)バンド、ワイヤまたは他の保持デバイスがその周りを包み、第一、第二および第三のアンカー・ハブ・ベース362aおよび362cが相互連結されたままとなり、アンカー・ハブ・システム370のアセンブリーを維持することを確実とできるように、実質的に整列させてよい。図示されるように、第一のアンカー・ハブ・ベース362aは、その基部側部において画定された第一のスロット396を含む。そのような第一のスロット396は、
図3Bおよび8Aに関して先に記載されたのと同様に、(図示しない)コイルまたはプッシャー部材内に位置決めされた(図示しない)着脱ラインおよびテザーに相互連結するようにサイズ決めし、かつ構成してよい。それ自体、適切な場合には、アンカー・ハブ・システム370は、(以下にさらに詳細に議論する)医療機器の他の部に付着された他のラインに沿って着脱させ、LAA中での医療機器の着脱を容易とすることができる。
【0076】
次に、
図14Aおよび
図14Bを参照し、各々、アンカーレッグ延長部360およびオクルダーレッグ延長部328を含めたハブシステム308の断面が示される。明瞭性目的で、アンカー・ハブ・システム370を単純化し、部分的にのみ示す。さらに、ハブシステム308のカテーテルシステムへの付着は示されないが、
図3Bおよび8Aに関して既に記載されたのと同様であってよい。
【0077】
図11Aおよび14Aに関して、ハブシステム308または主たるハブシステムは、とりわけ、ハブ部材422、末端側端部キャップ424および1以上のリング426を含んでよい。ハブ部材422は、基部側ラッパ状開口部428および末端側末端部430を含んで、それを通って延在する軸325を有するボア432を画定してよい。末端側端部キャップ424は、基部側端部434および漏斗部436を含むことができる。基部側端部434はハブ部材422の末端側末端部430上を摺動して、ハブシステム308のボア432の各端部がラッパ状開口表面を示すように、ハブ部材422と相互連結してよい。もう1つの実施形態において、ハブ部材422の末端側端部は、リング426の設置後にラッパ状に開いて、末端側端部キャップ424によって付与されたものと同様に、ラッパ状開口表面を示してよい。そのようなプロセスは、末端側端部キャップ424および溶接を排除するであろう。
【0078】
末端側端部キャップ424の漏斗部436は、アンカーセグメントの(図示しない)アンカー部が、アンカー・ハブ・システム370上に引っ張ることによって、容易に反転させ、またはカテーテルに引き入れることを容易にするためのガイドとして作用してよい。同様に、ハブ部材422の基部側ラッパ状開口部428は、アンカーセグメントの(図示しない)アンカー部が裏返り、またはハブシステム308から押し出されるのを容易とする。また、末端側端部キャップ424の漏斗部436および/またはハブ部材422の基部側ラッパ状開口部428が、アンカーセグメントのアンカー部と一体化し、かつそれに対応して、さらに、それらが、各々、ハブシステム308を通って引っ張られ、または押されるにつれて、アンカー部の正確な整列を維持し、およびアンカー部の間の重複を実質的に妨げるのを助力するガイドとして作用するようにそこで画定してよい溝等を含むことができることが考えられる。既に記載された実施形態の様に、1以上の開口429を、(図示しない)着脱ラインを可逆的に付着させるためのアンカー・フレーム・セグメント350の基部側端部に局所化でき、または連結させて、医療機器の着脱を容易とすることができる。
【0079】
ハブ部材422のラッパ状開口部428は、アンカーセグメント350のアンカーレッグ延長部360がハブ部材422の外方表面に沿って末端側に延在するように、アンカー・フレーム・セグメント350の第一の外方端部356に隣接して画定されたノッチ368内に設けられるようサイズ決めし、かつ構成してよい。次いで、1以上のリング426をアンカーレッグ延長部360上に位置決めしてよい。
図15に図示されるように、1以上のリング426は該リングの内方表面442において画定された多数のノッチ440を有してよく、各ノッチ440は、交互配置において、対応するアンカーレッグ延長部360(
図14A)またはオクルダーレッグ延長部328(
図14B)を受承するようにサイズ決めし、かつ構成される。この配置にて、ノッチ440を持つ1以上のリング426を使用して、アンカーセグメント350およびオクルダー・フレーム・セグメント310を所望のパターンまたは配置にてハブシステム308に保持してよい。さらに、レッグ延長部360およびレッグ延長部328(
図14B)の外方表面は、リング426がレッグ延長部360および328上に摺動し、リング426を所定の位置にスナップ/ロックするのを容易とする(図示しない)ランプを含んでよい。
【0080】
次に、
図10Aおよび14Bを参照し、ハブシステム308に付着されたオクルダー・フレーム・セグメント310を説明するために、ハブシステム308が示される。アンカー・フレーム・セグメント350(
図14A)のレッグ延長部360と同様に、オクルダー・フレーム・セグメント310は、各々、ハブ部材422の基部側ラッパ状開口部428を受承するためのノッチ332を画定するオクルダーベース部326、および1以上のリング426の対応するノッチ440(
図15)内に捕捉されるべきオクルダーレッグ延長部328を含んでよい。ハブシステム308の唯一のオクルダー・フレーム・セグメント310および上部半分の一部が、便宜および明瞭性の目的で
図14Bに示されていることに留意されたい。
【0081】
図16は、(組織成長部材無しの)医療機器300の斜視図であり、オクルダー・フレーム・セグメント310およびアンカー・フレーム・セグメント350と相互連結したハブシステム308を示し、1以上のリング426はオクルダーおよびアンカー・フレーム・セグメント310および350の各々を捕捉するように位置決めされている。さらに、オクルダー・フレーム・セグメント310およびアンカー・フレーム・セグメント350は交互配置にてハブシステム308の周りに位置することに留意されたい(すなわち、各オクルダー・フレーム・セグメント310は、2つのアンカー・フレーム・セグメント350の間に配置され、その逆も成立する)。
【0082】
また、オクルダー・フレーム・セグメント310およびアンカー・フレーム・セグメント352は医療機器300の別々の区別される構成要素であることに留意されたい。さらに、そのようなオクルダー・フレーム・セグメント310およびアンカー・フレーム・セグメント352は、先の実施形態におけるように、別々に展開され、医師がLAA内の医療機器300の最良の位置および向きを容易に決定でき、一旦適切に位置決めされ、かつ方向決めされれば、次いで、医師が、既に記載された実施例に関連して記載されたように、係留フレームセグメント352を(図示されない)カテーテルから展開できるように、オクルダー・フレーム・セグメント310は最初に展開されてよい。さらに、先の実施形態におけるように、オクルダー・フレーム・セグメントおよびアンカー・フレーム・セグメントの各々は、ニチノールシートからレーザー切断してよく、医療機器の迅速な組み立てを使用する構造および特徴にて、かつカテーテルシステムまたは医療機器システムを通じての医療機器の送達および着脱を容易とする構造的特徴にて切断してよい。もちろん、他の材料および製造方法を用いてもよい。
【0083】
図17Aおよび17Bに関して、医療機器500のもう1つの実施形態の基部側および末端側図が示される。本実施形態においては、オクルダーシステム502およびアンカーシステム504のフレーム構造は、記載された先の実施形態と実質的に同様であってよいが、組織成長部材506はさらなる特徴を含んでよい。例えば、組織成長部材506が、アンカーシステム504の拡大された構成の末端側距離または程度と同様な末端側距離または程度だけ延在するように、組織成長部材506はさらに末端側に延在してよい。さらに、組織成長部材506は、組織成長部材506の末端側部内に画定されたギャップ512または開いたセクションを含んでよい。そのようなギャップ512は、組織成長部材506の一部が除去されている領域であってよい。組織成長部材506において画定されたギャップ512は、アンカー部508、またはアンカーシステム504のアンカーループに対応し、またはそれと整列するように位置決めしてよい。このように、アンカーシステム504が作動中状態または拡大された位置まで拡大されるにつれ、いずれかの係合部材510またはナブを含めたアンカー部508は、アンカー部508を邪魔する組織成長部材506の材料無くしてLAA中の組織に対して付勢するであろう。加えて、組織成長部材506の増大した長さは、(図示しない)LAA中の組織に当接し、それとの増大した表面積接触を提供してよい。
【0084】
さらに、1以上の補強ライン514が、組織成長部材506において画定されたギャップ512を横切って延在してよい。補強ライン514は、拡大されたアンカー部508に対してほぼ横方向または横に延在してよい。1つの実施形態において、補強ライン514は、熱プロセスを使用して組織成長部材506に付着されたポリマー糸またはラインであってよい。この配置で、拡大されたアンカー部508は、係合部材510が補強ライン514を越えて延在して、LAA中の組織に係合しつつ、補強ライン514の内方表面に当接または付勢してよい。現在記載された実施形態において、ギャップ512を横切って延在するライン514は間隔を設けて、アンカー部508に対する径方向拡大制限(すなわち、展開状態にある場合にアンカー部がどれくらい遠く径方向に延在してよいかに関する制限)をやはり付与しつつ、係合部材510がライン514を越えて延在することを確実にするのを助ける。そのような補強ライン514は、例えば、組織再形成が埋め込まれた医療機器500の周りの組織で起こるにつれ、拡大されたアンカー部508が経時的に拡大を超えるのを妨げることにおいて安全性メカニズムを提供することができる。
【0085】
図18Aおよび18Bは、本発明のもう1つの実施形態による、そのようなギャップ512を横切って延在する補強ライン514と共に末端側に延びる組織成長部材506において画定されたギャップを持つ医療機器500の(撮影された)末端側および基部側図である。本実施形態においては、組織成長部材506は多数の材料層を含んでよい。1つの実施形態において、組織成長部材506の材料層は、1以上の第一の層516および1以上の第二の層518を含んでよい。該1以上の第一の層516は、ポリウレタンフォームのようなフォームを含んでよく、および該1以上の第二の層518は、より先の実施形態において記載されたものと同様なePTFEを含んでよい。
【0086】
該ePTFEは2乃至4またはそれ以上のような多数の層を含んでよい。そのようなePTFE層は、既に記載したように、異なる厚みおよび/またはノード間距離を含んでもよい。ePTFEの多数の層は、血液および血栓がそこを通って通過するのを実質的に妨げるようなサイズとしてよい。ePTFE層は、接着剤を用いるような、熱的または焼結プロセス、あるいは当技術分野におけるいずれかの他の公知のプロセスを使用して相互に付着させてよい。ePTFEの1以上の層はフォーム層に接着により付着させてよい。1つの実施形態において、ePTFE層をフォーム層に付着させるように付与された接着剤層は、ePTFEの片面のポアも充填して、血液および血栓がそこを通って通過するのを実質的に妨げる組織成長部材をさらに提供する。さらに、組織成長部材506の基部側のePTFEの表面は、血液細胞の収容および付着を容易に促進して、組織の成長および内皮化を促進する多孔性表面を提供する。というのは、これは、(図示しない)心臓の左心房(「LA」)に暴露される表面だからである。
【0087】
もう1つの実施形態において、
図18Aに示されるように、医療機器500はハブ組織成長部材520を含んでよい。本実施形態においては、該ハブ組織成長部材520は、医療機器500のハブの基部側面を被覆するようサイズ決めされ、かつ構成されてよい(
図14Aおよび14B参照)。図示されるように、組織成長部材506およびハブ組織成長部材520の両方を備えることにより、医療機器500の基部側面において医療機器500のフレーム構造が実質的に露出されることはない。この特徴は有利である。というのは、医療機器500がLAAに位置する場合、基部側面はLAに暴露される表面であり、それにより、塞栓または血栓がLAAからLAへ逃げる、および/または露出されたフレーム構造表面から移動する可能性を実質的に排除するからである。1つの実施形態において、ハブ組織成長部材520は、既に記載した組織成長部材506と同様に、ePTFEおよび/またはフォームの多数の層から形成してよい。
【0088】
図19は、(単純化した形態の)アンカーハブ522の部分断面図であり、アンカーハブ522に付着されたハブ組織成長部材520を示す。アンカーハブの1つの実施形態は既に詳細に記載し、
図13に関して示されている。アンカーハブ522は、(該ハブの1以上の構成要素を含めた)ハブの外方表面において画定されたノッチ524を含んでよい。穴またはアイレット526もまたハブ522の基部側端部に形成されていてよい。ハブ組織成長部材520は、基部側面528および末端側末端部532を備えたソックス様部材を含んでよい。ハブ組織成長部材520の基部側面528は、アンカーハブ522のアイレット526にほぼ整列されているように構成されたピン穴530を含んでよい。該ピン穴530は、(
図19においては図示されていない)テザーを、アンカーハブ522のアイレット526への取り外し可能な付着のためにそれを通って延在させるようサイズ決定され、かつ構成されている。ハブ組織成長部材520は、アンカーハブ522上に嵌合して、少なくとも、アンカーハブ522のノッチ524まで延在するようサイズ決めし、かつ構成されていてよい。ハブ組織成長部材520は、例えば、アンカーハブ522上に容易に拡大でき、かつアンカーハブ522において形成されたノッチ524内のハブ組織成長部材520上に締め付けることができる(らせんタイプのリングを含めた)1以上のリング534またはリング様部材を備えたアンカーハブ522に付着されていてよい。他の実施形態において、糸またはフィラメント状部材が、ハブ組織成長部材520の周りを包んでいてよく、かつノッチ内にしっかり包まれて、アンカーハブ522上にハブ組織成長部材520を保持してよい。他の手段を用いて、ハブ組織成長部材520を所望の位置に保つこともできる。この配置にて、アンカーハブ522および、より重要なことには、アンカーハブ522の基部側面528をハブ組織成長部材520で被覆して、内皮化のためにLAに露出された表面を最適化し、かつ塞栓または血栓がLAAおよびLAの間を移動するのを妨げてよい。
【0089】
もう1つの実施形態において、医療機器は、アンカーシステムにおけるアンカーセグメント552のループ部554が付勢され、あるいは(図示されていない)LAA内の組織に対して外方拡大を付与する限定された期間を提供するよう構成された溶解部材550を含んでよい。例えば、
図20は、アンカー・ハブ・ベース556に相互連結された溶解部材550を示す。簡単に記載する目的で、ただ1つのアンカーセグメント552が溶解部材550と共に示される。そのような溶解部材550は生体吸収性材料で作成することができるが、生体再吸収性材料または生分解性材料、またはその組合せから作成されてもよい。図示されるように、溶解部材550は、アンカーセグメント554のループ部554が、ループ部554の基部側内方端部572に隣接する溶解部材550によって付勢されるか、あるいは該溶解部材550によって、またはそれに対して支持されていてもよいように、アンカー・ハブ・ベース556の周りに隣接して周方向に、かつ末端側に位置させてよい。
【0090】
この実施形態では、アンカーシステムは、LAAに埋め込まれた場合に、(図示されない)オクルダーシステムがLAA中の組織で内皮化されている十分な時間の間、先の実施形態に記載されたのと同様に実行し、かつ機能することができる。所定の期間の後、溶解部材550は、溶解部材550がもはや医療機器の構成要素ではないように、分解し、または身体中に溶解する。それ自体、それは、先に提供されたアンカーセグメントのループ部554に対する支持体を付与するためにもはや存在しない。かくして、アンカーセグメント552のループ部554は、LAAの組織に対する同一の付勢力を提供せず、その代わり、後に記載されるアンカー・ハブ・ベース556における構造的な特徴のため、内方に折り畳まれ、または曲げられ(あるいはそうでなければ変位される)であろう。
【0091】
図20Aは、
図20において示されるように、アンカー・ハブ・ベース556に連結された溶解部材550の拡大図である。溶解部材550は、例えば、円筒形状の部材であってよく、あるいは末端側ハブ延長部560上を摺動するか、またはそうでなければそれを囲うようサイズ決めされ、かつ構成されたいずれかの他の適当な形状であってよい。末端側ハブ延長部560は、アンカーセグメント552のアンカー・ハブ・ベース556の1つから末端側かつ中央側に延在してよい。さらに、末端側ハブ延長部560は、窪んだ中央領域562および拡大された末端側部564を含んでよい。窪んだ中央領域562は、溶解部材550を受承するようにサイズ決めされ、かつ構成されていてよく、および拡大された末端側部564は、溶解部材550が離脱するのを、あるいは末端側ハブ延長部560から自己移動するのを妨げるようサイズ決めし、かつ構成されていてよい。
【0092】
図示されるように、ループ部554は、溶解部材550の外方表面566にて、溶解部材550に対向して設けられているか、あるいはそれによって支持されている。ループ部554の基部側内方端部572は、比較的薄い延長部570がその間に設けられて、アンカー・ハブ・ベース556に相互連結されている。そのような薄い延長部570は、一旦溶解部材550が身体中に溶解したならば、ループ部554の崩壊を容易とすることによって、LAAの組織に対するループ部554の外向き力を制限するようサイズ決定され、かつ構成されていてよい。換言すれば、一旦溶解部材550が溶解したならば、比較的非支持的かつフレキシブルであるよう構成された薄い延長部570は、組織に対して付勢したままであり、それにより、ループ部554の崩壊(または径方向内向きの変位)を可能とするための、ループ部554のための適切な支持体を提供しないであろう。このように、溶解部材550および薄い延長部570の組合せは、医療機器をLAA中に係留することができ、溶解部材550が溶解する所定の期間の後に、アンカーシステムのループ部554が崩壊し、またはLAA中の組織に対して弱くなり得る手段を使用する。先に述べたように、溶解部材は、所望の期間内に溶解するよう設計してよい。例えば、内皮化が起こることが予測されるのとほぼ同一期間内に、あるいは内皮化が起こる所望のパーセンテージまたは量と相関する期間内にそれが溶解するように、溶解部材550を構成してよい。
【0093】
次に、
図21を参照し、本発明のもう1つの実施形態により、医療機器送達システム600が示される。該医療機器送達システム600は医療機器602、シース604、およびハンドルシステム610に結合したカテーテルシステム608を含んでよい。参照の目的で、軸601は、医療機器送達システム600を通って延在するものとして画定される。医療機器602は、本実施形態に関連して記載される医療機器のような、本明細書中に記載された医療機器のいずれか1つ、またはその組合せを含めた、ヒト生体構造内に介入的に埋め込まれるよう構成されたいずれの医療機器も含んでよい。シース604は、シース604の基部側端部および末端側端部の間を、それを通って軸方向に延在するシースルーメン606を画定する細長い部材であってよい。該シースは、シース604のルーメン606を通ってカテーテルシステム608を受承するようにサイズ決定され、かつ構成された(送達システムに永久的には結合していない)別々の(discreet)独立した部材であってよい。また、シース604には、シースの末端側末端部を接合するよう構成してよい、本実施形態と共に記載されたハンドルシステム610から分離された、シースハンドルシステムを一体化させることも考えられる。
【0094】
図21および21Cに関して、カテーテルシステム608は、カテーテル622の末端側端部および基部側端部の間を軸方向長さに沿って延在する多数のルーメンを備えた、細長い押出カテーテルまたは部材のようなカテーテル622を含んでよい。例えば、多数のルーメンは中央ルーメン624、および
図21Cに示された2つの末梢ルーメンのような1以上の末梢ルーメン626を含んでよい。さらに、カテーテルシステム608は、カテーテルにおいて画定された多数のルーメンを通って延在する多数のテザーを含んでよく、該テザーは医療機器602およびハンドルシステム610の間に延在し、かつ相互連結されている。
【0095】
例えば、カテーテルシステム608は、1以上のオクルダーテザー628および1以上のアンカーテザー630を含んでよい。中央ルーメン624は、アンカーテザー630を受承するようにサイズ決めし、かつ構成してよい、1以上の末梢ルーメン626は、オクルダーデザー628を受承するようにサイズ決めし、かつ構成してよい。アンカーテザー630は、コイル状または他の実質的に管状の部材のようなアンカープッシャー632を含んでよく、該アンカープッシャー632は、それを通って長手方向に延在するアンカー・プッシャー・ルーメン634を画定し、および多数のワイヤがアンカー・プッシャー・ルーメン634を通って延在する。同様に、オクルダーテザー628は、それを通って長手方向に延在するオクルダー・プッシャー・ルーメン638およびオクルダー・プッシャー・ルーメン638を通って延在する多数のワイヤを画定する、コイル状または他の実質的に管状の部材のようなオクルダープッシャー636を含んでよい。アンカープッシャー632およびオクルダープッシャー636の各々は、その周りに形成されたポリマー層を含んでよい。
【0096】
オクルダーテザー628およびアンカーテザー630は多数のワイヤを介して医療機器602に連結されてよく、多数のワイヤは各オクルダープッシャー636およびアンカープッシャー632を通って延在し、かつハンドルシステム610へ延在し、かつそれに相互連結されている。オクルダープッシャー636およびアンカープッシャー632の各々の末端側端部は、医療機器602に直接的に連結されていなくてよい。多数のワイヤは、例えば、第一のワイヤ640および第二のワイヤ642を含んでよく、該第一のワイヤ640はプルワイヤであり、および該第二のワイヤ642はピンワイヤである。一緒に作用する第一のワイヤ640および第二のワイヤ642により、本明細書中においてさらに詳細に議論されるように、医療機器602の相互連結および着脱が容易になる。この配置では、カテーテルシステム608は、患者の血管系を通り抜け、および医療機器602を、シース604を通ってLAAまで押し、およびハンドルシステム610を介してカテーテルシステム608の末端側部621において医療機器602の操作および制御を容易とするよう構成してよい。医療機器602の操作および制御は、例えば、医療機器602のアンカー部603(
図21A)およびオクルダー部605の展開機能、LAAにおける医療機器602の最適な位置決めおよび再位置決め、該機器をLAA中に十分に係留した後における再展開、および該医療機器をLAA内に十分に係留した後における医療機器602のLAAからの撤去を含めた、種々の機能を区別し、独立してそれを制御することを含んでよい。
【0097】
再び
図21を参照すると、ハンドルシステム610は、その各々は、異なる機能を使用して、カテーテルシステム608の末端側部621において医療機器602を制御し、および操作するのに利用してよい、オクルダーハンドル部612、アンカーハンドル部614およびフロートハンドル部616のような1以上のハンドル部を含んでよい。例えば、シース604を後退することによって、ハンドルシステム610が第一のハンドル位置にある間、オクルダー部605を展開してよい。
図21および21Aに示されるように、アンカーハンドル部614を、矢印618によって示されるように、第二のハンドル位置に向けて末端方向に移動させることによって、医療機器602のアンカー部603を、1以上のアンカーを転がった位置またはアンカー展開位置まで末端方向に裏返し、または移動させることによって展開してよい。また、
図21および21Bに示されるように、フロートハンドル部616を、矢印620によって示されるように、第三のハンドル位置まで基部側に移動させることによって、カテーテル622を後退させ、医療機器602に連結されたオクルダーテザー628およびアンカーテザー630を露出及び展開させて、医療機器602がLAA中に適切に静止し、位置しているかの決定を可能としてよい。
【0098】
図21、23および24を参照し、ハンドルシステム610のより詳細な記載が以下に提供されるであろう。
図23および24は、
図22に示された切断線23および24に沿った、ハンドルシステム610の断面図であり、
図22はハンドルシステム610の基部側側面の端面図を示す。ハンドルシステム610の末端側で開始し、フロートハンドル部616は、その末端側端部および基部側端部の間を、外方ハウジング644を通って軸方向に延在するボア646を画定する外方ハウジング644を含んでよい。カテーテル622の基部側端部は、フロートハンドル部616のボア646内に挿入し、かつ固定するなどによって、外方ハウジング644の末端側端部に結合させてよい。フロートハンドル部616の末端側端部は、オクルダーハンドル部612の内方延長部652に摺動可能に結合されてよく、内方延長部652は、フロートハンドル部616のボア646内に摺動するようサイズ決めされ、かつ構成されている。フロートハンドル部616は、外方ハウジング644の(ボア内の)内方表面において画定された溝648および内方延長部652上に形成されたガイド654の間の相互作用によるなどによって、内方延長部652上への直線的並進に限定されてよい。フロートハンドル部616の外方ハウジング644もまた、以下により詳細に記載されるように、フロートハンドル部616から基部側に、かつオクルダーハンドル部612を通って延在するフロートロッド650に結合されていてよい。この配置で、フロートハンドル部616は、オクルダーハンドル部612の内方延長部652上に直線的に摺動可能である。カテーテル622の基部側端部はフロートハンドル部616のボア646内に固定されているので、フロートハンドル部616の矢印620によって示された基部側移動は、カテーテルシステム608のカテーテル622を後退させて、それにより、先に議論したように、医療機器602のためのフロート特徴を可能とするであろう。
【0099】
図24Aに関連し、
図24の詳細図「24A」から取られた、フロートハンドル部の一部の拡大図が示される。フロートハンドル部616を基部側に移動させる場合に、カテーテルシステム608およびハンドルシステム610を通って延在する(
図24Aにおいては図示されていない)オクルダープッシャー636および関連ワイヤの一体性を維持するためには、ハイポチューブのような管653は、内方延長部652において画定されたルーメンで共軸方向に締め付けられてよく、該内方延長部は、今度は、カテーテル622において画定された末梢ルーメン626と共軸方向に対応し、およびそれに向けて摺動可能に延在する(
図21参照)。内方延長部652において画定されたルーメンは、カテーテル622の構成に対応するカテーテル部を含んでよく、あるいは内方延長部652において画定されたボア内に位置する関連ハウジング部を含んでよい。このように、フロートハンドル部616が基部側に移動するにつれて、オクルダープッシャー(コイル)およびワイヤは、カテーテル622が後退している間、実質的に真っすぐとされた位置を維持する。カテーテル622の基部方向移動の間に、管653は内方延長部652内に固定されてよく、カテーテル622の基部側端部において画定された末梢ルーメン626内を摺動する。管653の配置は、従って、内方延長部652に向けてのフロートハンドル部616の基部方向移動の間にコイルおよびワイヤのバックリングを実質的に妨げてよい。
【0100】
図23および24を再び参照すると、オクルダーハンドル部612、またはハンドルシステム610の中央部は、外方ハウジング658、前記で確認された内方延長部652およびオクルダー着脱スライダー660を含んでよい。外方ハウジング658は、外方ハウジング658の基部側端部および末端側端部の間を軸方向に延在するボア662を画定してよい。そのような外方ハウジング658は、内方延長部652、オクルダー着脱スライダー660およびモードスイッチ664を収容するようサイズ決めされ、かつ構成されてよい。該モードスイッチ664は、モード支持体構造666で、基部側端部において外方ハウジング658中に固定されてよい。
【0101】
内方延長部652は、モード支持体構造666に1つの端部において結合された、外方ハウジング658のボア662を通って軸方向に延在してよい。内方延長部652の他の端部は、オクルダーハンドル部612の外方ハウジング658から軸方向かつ末端方向に延在し、フロートハンドル部616の一部に摺動可能に結合しており、かつ該一部を通って延在する。内方延長部652もまた、オクルダー着脱スライダー660において画定されたスライダーボア661を通って延在してもよい。図示された位置において、オクルダー着脱スライダー660は、以下より詳細に議論されるように、爪670が内方延長部652において画定されたノッチ668から移動して、オクルダー着脱スライダー660が基部方向に移動するのを可能とするように、ノッチ668およびスプリング負荷爪670配置を介して内方延長部652に固定されている。スプリング負荷爪670は、例えば、オクルダー着脱スライダー660中の穴またはスリット672を通って延在し、かつ内方延長部652のノッチ668へとさらに延在する爪670でもって、オクルダー着脱スライダー660の周りに位置させてもよい部分的リングタイプのクリップとして構成されてよい。
【0102】
図24および24Bを参照し、
図24Bは、(点線として示された)オクルダー・テザー・ワイヤに結合されたオクルダー着脱スライダー660の拡大された一部を示す。1つの実施形態において、オクルダー着脱スライダー660は、医療機器送達システム600の軸601に対して横方向に延在し、かつ相互に軸方向に整列してよい2つの穴674を画定してよい。さらに、オクルダー着脱スライダー660は、オクルダー・テザー・ワイヤをそれに締め付けるようサイズ決めされ、かつ構成されたオクルダー着脱スライダー660の外方表面に形成された主たる溝676を画定してよい。また、内方延長部652は、内方延長部652のボアおよび内方延長部652の外方表面の間に実質的に延在する2つの対向するノッチ付き開口678を画定してよい。ノッチ付き開口678の基部側端部は、オクルダー着脱スライダー660の穴674まで延在してよく、かつそれに対応してよい。ノッチ付き開口678の末端側端部は、オクルダー着脱スライダー660の内方表面において画定された長手方向ガイド溝680まで延在する。
【0103】
1つの実施形態において、二組のオクルダー・テザー・ワイヤがあり得る。先に記載されたように、オクルダー・テザー・ワイヤの各組は第一のワイヤ640および第二のワイヤ642を含んでよく、該第一のワイヤ640はプルワイヤであって、該第二のワイヤ642はピンワイヤである(
図21Cも参照)。オクルダー・テザー・ワイヤの1つの組との関係で、該第一のワイヤ640は、オクルダー着脱スライダー660の末端側端部の周りに、かつ溝676の周りを周方向に包み、かつ該溝内に締め付けられるべき主たる溝676に向けて、オクルダー着脱スライダー660において画定されたガイド溝680に沿って内方延長部652の1つのノッチ付き開口678を通って、末梢ルーメン626から延在してよい。第二のワイヤ642またはピンワイヤもまた、内方延長部652のノッチ付き開口678を通り、穴674を通り、かつオクルダー着脱スライダー660の外方表面周りに、かつその中に包まれ、かつ締め付けられるべき主たる溝676へと延在してもよい。オクルダー・テザー・ワイヤの他の組は、同様に、図示されるように、その反対側の、かつオクルダー着脱スライダー660の主たる溝676の周りを包む内方延長部652を通って延在することによって、オクルダー着脱スライダー660に締め付けられてよい。また、(点線として示された)アンカーテザー630は、オクルダーハンドル部612を通って、アンカーハンドル部614に向けて軸方向に延在することにも留意されたい。
【0104】
図23および23Aに関して、次に、モードスイッチ664を議論する。先に記載されたように、オクルダーハンドル部612はその基部側においてモードスイッチ664を含んでよい。モードスイッチ664は、例えば、第一の位置および第二の位置の間を移動可能なスイッチを含んでよい。モードスイッチ664は、モード支持体構造666を介してオクルダーハンドル部612に締め付けられていてよい。例えば、
図24に最良に示されるように、モード支持体構造666は、モードスイッチ664の少なくとも一部がその間に挟まれた、内方延長部652の基部側端部、または外方ディスク部材669に締め付けられた内方ディスク部材667を含んでよい。内方ディスク部材667は、外方ハウジング658内にぴったりと嵌合するようサイズ決めされてよく、および外方ディスク部材669は、オクルダーハンドル部612の外方ハウジング658の基部側端部を締めくくるようサイズ決めされてよい。内方延長部652の基部側端部は内方ディスク部材667に固定されてよい。そのような構成を使用して、モードスイッチ664を所定の場所に十分保持し、かつモードスイッチ664の多数の位置への並進を容易としてよい。
【0105】
図23および23Aを再び参照すると、モードスイッチ664は、第一のキーホール682、第二のキーホール684および第三のキーホール686のような、そこで画定された1以上のキーホールを含んでよい。該1以上のキーホール682、684および686の各々は、着脱ロッド688、アンカーロッド690およびフロートロッド650のような、ハンドルシステム610の異なる部分に対応するようにそれぞれサイズ決めされ、かつ構成されていてよい。これらのロッドの各々は、モードスイッチ664およびそれらの対応するキーホールの位置に対してキーとして作用してよい。着脱ロッド688、およびアンカーロッド690はアンカーハンドル部614に固定され、そこから末端方向に延在し、1以上のキーホールを通って、オクルダーハンドル部612へと延在する。着脱ロッド688およびアンカーロッド690は、モードスイッチ664に対してオクルダーハンドル部612を通って選択的に摺動可能であってよい。例えば、着脱ロッド688が、モードスイッチ664の位置に依存して異なる位置まで摺動(または回転)してよいように、第一のキーホール682は、着脱ロッド688の平坦化された領域を受承するようにサイズ決めされ、かつ構成されていてよい。同様に、第二のキーホール684は、モードスイッチ664の位置に依存してそれを通って摺動可能な、アンカーロッド690を受承するようにサイズ決めされ、かつ構成されていてよい。同様に、フロートロッド650が、モードスイッチ664の相対的位置に依存してそれを通って摺動可能に変位してよいように、第三のキーホール686はフロートロッド650を受承するようにサイズ決めされ、かつ構成されていてよい。モードスイッチ664、それが医療機器送達システム600(
図21)に提供するその位置決めおよび制御および機能に関するさらなる詳細は、以下でさらに詳細に議論されるであろう。
【0106】
図21、23および24を再び参照すると、アンカーハンドル部614は、各々が、その中で軸方向に延在する段付きボアを画定する、外方ハウジング692、アンカーハンドル固定部材694およびアンカー着脱スライダー696を含んでよい。さらに、アンカーハンドル部614は、その基部側端部に配置された着脱イネーブルスイッチ698を含んでよい(
図22も参照)。アンカーハンドル部614のそのような構造的構成要素は、種々の方法で相互に対して位置決めされてよい。例えば、アンカーロッド690がアンカーハンドル固定部材694の末端側端部を通って、アンカーハンドル固定部材694において画定されたボアのより大きな部分へ密封的に延在するように、アンカーハンドル固定部材694はアンカーロッド690に固定されてよい。アンカー着脱スライダー696は、アンカーロッド690の基部側端部に、かつアンカーハンドル固定部材694において画定されたボアの基部側内に位置してよい。
【0107】
外方ハウジング692の基部側は、アンカーハンドル固定部材694およびアンカー着脱スライダー696の両方を覆うように配置され、流体ポート702は外方ハウジング692の基部側を通り、かつアンカー着脱スライダー696の基部側部を通って軸方向に延在して、アンカーロッド690に相互連結して、ハンドルシステム610を通って、カテーテルシステム608への流体連絡を容易とする。流体ポート702およびアンカーロッド690の間の相互連結をシールするために、1以上の密封リング704を使用してよい。さらに、アンカーハンドル固定部材694は、着脱ロッド688を受承するようにサイズ決めされ、かつ構成されていてよい、アンカーハンドル固定部材694の長手方向軸からオフセットされた、長手方向に延在するボアを含む。着脱ロッド688は、外方ハウジング692に対して直線状に固定され、かつ選択的に回転可能であってよく、アンカーハンドル固定部材694を通って延在し、かつオクルダーハンドル部612を通って延在する。この配置にて、外方ハウジング692およびアンカー着脱スライダー696は相互に固定されてよい。さらに、アンカー固定部材694および外方ハウジング692は図示された位置に固定されてよい。しかしながら、以下で医療機器の着脱を議論する場合により詳細に記載されるように、一旦アンカーハンドル部614がオクルダーハンドル部612まで末端方向に移動され、かつモードスイッチ664が「アンカーのロックされたフロート可能化」位置まで移動されれば、着脱イネーブルスイッチ698は作動または回転されてよく、これは、アンカー着脱スライダー696、外方ハウジング692および着脱ロッド688が各々、アンカー固定部材694に対して摺動可能に移動可能となる。
【0108】
図24Cに関連し、
図24の詳細図「24C」から取られた、アンカーハンドル部614の拡大図が示され、これは、(点線で示された)アンカー・テザー・ワイヤと相互連結されたアンカーハンドル部614を示す。アンカー・テザー・ワイヤは、アンカーロッド690を通り、かつアンカーハンドル部614の一部を通って軸方向に延在してよい。オクルダー・テザー・ワイヤと同様に、アンカー・テザー・ワイヤは第一のワイヤ640および第二のワイヤ642を含んでよく、該第一のワイヤ640はプルワイヤであって、該第二のワイヤ642はピンワイヤである。第一のワイヤ640は、アンカーロッド690の外方表面およびアンカー着脱スライダー696の内方表面の間に、アンカーロッド690から外へ延在するよう構成されてよい。第一のワイヤ640は、さらに、アンカー着脱スライダー696の末端側端部の周りを、かつアンカー着脱スライダー696の外方表面に沿って延在してよい。図示されたように、第一のワイヤ640が沿って延在するために、アンカー着脱スライダー696の外方表面の長手方向長さに沿って下降溝があってよい。下降溝は、アンカー着脱スライダー696の基部側部において形成された径方向溝706まで延在してよい。それ自体、第一のワイヤ640は径方向溝706まで延在することができ、かつ溝706の周りを周方向に包み、かつ該溝706内に締め付けることができる。第二のワイヤ642に関しては、そのような第二のワイヤ642は、アンカー着脱スライダー696のボア708を通って、アンカー着脱スライダー696の基部側端部上に、アンカー着脱スライダー696の基部側部において形成された溝を通って、アンカー着脱スライダー696の径方向溝706内に包まれ、かつ締め付けられるべき基部側部において形成された径方向溝706へと、アンカーロッド690から軸方向に延在してよい。この配置では、(
図24C中では図示されない)LAA内での医療機器の着脱に際して、アンカー着脱スライダー696は基部側に移動してよく、それにより、アンカー着脱スライダー696の末端側端部周りを包む第一のワイヤの緩みのため、第一のワイヤ640を引っ張る前に、第二のワイヤ642を引っ張る。テザーワイヤの着脱に関してのさらなる詳細は以下に提供されるであろう。
【0109】
次に、
図25および25Aを参照し、ハンドルシステム610が示され、これは、医療機器602のアンカー展開位置に関連した第二のハンドル位置に向けて末端方向に移動されたアンカーハンドル部614を示す。
図25は第二のハンドル位置にあることを除いて、
図23と同一の断面図であることに留意されたい。アンカー展開位置において、アンカーハンドル部614はオクルダーハンドル部612に当接するよう移動されてよい。そのような移動にて、アンカーロッド690および着脱ロッド688もまた、オクルダーハンドル部612に向けて、かつその中に、同一直線距離だけ、末端方向に移動される。末端方向のアンカーロッド690の移動は、軸方向に共に結合されているため、アンカーテザー630(
図21C)を実質的に同様な距離だけ前方に移動させ、医療機器602のアンカー部603を展開させる(例えば、
図21A参照)。基部側方向での着脱ロッド688の移動は、オクルダー着脱スライダー660において画定された着脱ロッド穴712(
図34A)を通って、かつオクルダー着脱スライダー660の爪670に隣接して、着脱ロッド688の当接エッジ710(
図34B)を位置決定する。
【0110】
第一の位置にモードスイッチ664を置くと、アンカーハンドル部614の移動が可能となり、かくして、医療機器のアンカー部の移動が可能となる。
図25および25Aに図示されるように、モードスイッチが第一の位置または「下降位置」にあると、アンカーハンドル部614はアンカー展開位置およびアンカー後退位置の間を自由に移動することができる。オクルダーのような他の構成要素から独立して、アンカーの展開および後退に対するそのような制御は、医師が、LAA内への医療機器の最適な設置および位置決めを得るのに有利である。
【0111】
図26および26Aに関して、ハンドルシステム610が示され、これは、医療機器602のためのテザー展開位置に関連する第三のハンドル位置まで基部側に後退させたフロートハンドル部616を示す。第三のハンドル位置への移動を可能とするために、モードスイッチ664が、
図26および26Aに示されるように、(前記した)第一の位置から第二の位置または「上向き位置」まで移動されている。そのような上向き移動は、キーホールの各々、または着脱ロッド688、アンカーロッド690およびフロートロッド650に各々対応するキーホールの少なくとも一部の構成を変化させる。さらに、先に記載したように、着脱ロッド688、アンカーロッド690およびフロートロッド650の各々は、キーとして作用できるそれらの各長さの選択的な一部に沿ったキー構成を含む。これらのキー部は、アンカーハンドル部614、フロートハンドル部616の各々の、作動を容易とし、その作動を妨げ、または着脱イネーブルスイッチ698の作動を容易とし、または妨げるであろう。
【0112】
例えば、モードスイッチ664が第二の位置にあれば、アンカーハンドル部614の作動は、アンカーロッド690において画定されたアンカー・ロッド・ノッチ714(
図24)との係合によって妨げられてよい。例えば、アンカーハンドル部614が移動されて、およびモードスイッチ664が第二の位置に入れられると、第二のキーホール684の狭くなった部分はアンカーロッド690のアンカー・ロッド・ノッチ714に係合して、それにより、アンカーハンドル部614をさらなる移動から妨げる。同様に、フロートロッド650は、第三のキーホール686に対応するフロート・ロッド・ノッチ716(
図23)も画定してよく、それは、アンカーハンドル部614が第二のハンドル位置まで移動され、かつモードスイッチ664がその第二の位置まで移動されるまで、フロートハンドル部616の移動を妨げるよう構成される。さらに、モードスイッチ664が第二の位置にあると、着脱ロッド688は鍵がかけられて、回転移動が可能とされ、他方、第一の位置においては、着脱ロッド688は鍵がかけられて、回転移動が妨げる。より具体的には、第一のキーホール682は着脱ロッド688に対応する四角形様または矩形部718を含み、他方、モードスイッチ664は第一の位置(
図25A参照)にあって、回転移動を妨げる。しかしながら、モードスイッチ664が第二の位置に入れられると、第一のキーホール682は、着脱ロッド688と対応して、回転移動を可能とする丸い部分720を含む(
図25Aも参照)。
【0113】
モードスイッチ664が第2の位置にあると、フロートハンドル部616が基部側に、かつ軸方向に画定された距離だけ後退されてよい。例えば、フロートハンドル部616は、それがオクルダーハンドル部612に対して位置決めされるまで、変位されてよい。そのような基部側移動にて、フロートロッド650もまた、基部側にアンカーハンドル部614の一部に移動する。さらに、フロートハンドル部616の移動は、カテーテル622を基部側に移動させる。というのは、カテーテル622の基部側端部はフロートハンドル部616に固定されているからである。このように、オクルダーテザー628およびアンカーテザー630のようなテザーはそれらの軸方向位置を維持し、カテーテル622から展開され(
図21B参照)、それにより、依然として付着された送達システムによって埋め込まれた医療機器上に置かれた抵抗または付勢力を制限する。所望であれば、単にフロートハンドル部616を末端方向により初期の位置まで移動させることによって、テザーをカテーテル622内で再度シースに入れてよい。さらに、所望であれば、単に、モードスイッチ664を移動させて第一の位置に戻し、次いで、アンカーハンドル部614を基部側に移動させることによって、医療機器のアンカー部を後退させてもよい。
【0114】
図27乃至29を参照し、送達システム600から医療機器602を着脱させる着脱位置にあるハンドルシステム610が示される。着脱イネーブルスイッチ698は、時計周りに着脱イネーブル・スイッチ・ピボット722の周りを回転させてよい(
図22に示された非着脱位置と比較して)
図27に最良に示される着脱位置まで移動される。加えて、着脱イネーブルスイッチ698は、着脱イネーブルスイッチ698が移動して着脱位置に入れられる距離だけ延在する径方向開口724を画定してよい。流体ポート702は、着脱イネーブルスイッチ698において画定された径方向開口724を通って基部側に延在する。
【0115】
図28および29は、各々、
図27の切断線28および29に沿ったハンドルシステム610の断面図であり、着脱位置にあるハンドルシステム610の構成要素のいくつかを示す。アンカーハンドル部614の外方ハウジング692(
図23)は、便宜および明瞭性の目的で示されていないことに留意されたい。しかしながら、そのような外方ハウジングは、先に記載されたように、アンカー着脱スライダー696に固定され、従って、外方ハウジングは、着脱位置まで移動すると、アンカー着脱スライダー696で移動されてよいことにも留意されたい。
【0116】
着脱位置において、着脱ロッド688は基部側に後退する。1つの実施形態において、着脱ロッド688のそのような後退もまたアンカー着脱スライダー696およびオクルダー着脱スライダー660を基部側に移動させるが、アンカーハンドル固定部材694をオクルダーハンドル部612に対して残し、または維持する。オクルダー着脱スライダー660の爪670は内方延長部材652のノッチ668から移動され、それにより、
図34乃至35に関してより詳細に示され、かつ記載されるように、オクルダー着脱スライダー660が着脱ロッド688によって着脱位置まで移動されるのを可能とすることに留意されたい。このようにして、オクルダー着脱スライダー660およびアンカー着脱スライダー696は同時配置にて基部側に移動させることができる。
【0117】
先に記載されたように、
図24B、24Cおよび28に関して、オクルダーテザー628およびアンカーテザー630の各々の第一のワイヤ640および第二のワイヤ642は、各オクルダー着脱スライダー660およびアンカー着脱スライダー696に固定される。特に、オクルダーテザー628およびアンカーテザー630の第一のワイヤ640は末端方向を包み、次いで、各オクルダー着脱スライダー660およびアンカー着脱スライダー696の基部側部の周りを基部側に包んでよい。さらに、オクルダーテザー628およびアンカーテザー630の第二のワイヤ642は、各オクルダー着脱スライダー660およびアンカー着脱スライダー696まで基部側に延在してよい。このようにして、一旦オクルダー着脱スライダー660およびアンカー着脱スライダー696が基部側に後退されれば、第一のワイヤ640の末端側端部が、第一のワイヤ640の基部側包みによって付与された緩み距離726のため基部側に変位される前に、第二のワイヤ642の末端側端部は基部側に変位される。換言すれば、緩み距離726が、オクルダー着脱スライダー660およびアンカー着脱スライダー696が基部側に移動した移動距離によって克服されるまで、第一のワイヤ640はその長さに沿って基部側に移動されない。本実施形態において、スライダーが移動して、緩み距離726を克服する距離は、各オクルダー着脱スライダー660およびアンカー着脱スライダー696のための緩み距離726の約2倍である。この配置にて、
図39に図示されるように、第二のワイヤ642は、まず、矢印732によって示されるように引かれてよく、医療機器602のアイレット730を通って延在する第一のワイヤ640によって形成されたループ728から移動し、一旦緩み距離726(
図24Bおよび24C)が克服されれば、第一のワイヤ640はアイレット730から引かれ、それにより、オクルダーテザー628およびアンカーテザー630を医療機器602から着脱させる。
【0118】
図26Aおよび28Aに図示されるように、モードスイッチ664は第二の位置または上向き位置にある。モードスイッチ664の第二の位置は着脱ロッド688が第一のキーホール682の丸い部分720内で回転することを可能とし、モードスイッチ664の第二の位置までのその移動は、医療機器602のアンカー部を展開させるに引き続いていずれの時点において使用されてもよい。換言すれば、フロートハンドル部616を後退させ、モードスイッチ664を第二の位置まで移動させて、着脱イネーブルスイッチ698の回転または作動を可能とすることによって、フロート特徴を使用する必要はない。このようにして、フロートハンドル部616の移動および/または着脱イネーブルスイッチ698の移動は、
図26Aおよび28Aに図示されたような、第二の位置または上向き位置にあるモードスイッチ664と共に使用されてよい。
【0119】
次に、
図30乃至33を参照し、アンカーハンドル部614の着脱特徴に関するさらなる詳細を議論する。
図31乃至33は、アンカーハンドル部の種々の構成要素および特徴を示すにおける明瞭性の目的で、アンカーハンドル部614の外方ハウジング692を示さないことに留意されたい。
図30は、
図22の切断線「30」に沿った、アンカーハンドル部614の拡大断面基部側部を示し、第一の位置または非着脱位置における着脱イネーブルスイッチ698を示す。アンカーハンドル部614の外方ハウジング692はその中のキャビティ734を画定してよい。キャビティ734はその中に位置決めされたスプリング負荷ピン736を有してよい。着脱イネーブルスイッチ698が第一の位置にある間は、スプリング負荷ピン736は、(すなわち、
図30に示される)拘束された位置にあってよい。さらに、着脱イネーブルスイッチ698が第一の位置にある間は、着脱ロッド688の着脱ロッド突起738は、
図31に図示されるように、アンカーハンドル固定部材694において画定されたエルボー溝740に位置する。このようにして、アンカー固定部材694は、アンカー着脱スライダー696に操作可能に結合されるか、または固定され、かつ着脱ロッド688に直接的に結合されてよい。
【0120】
図32および33に図示されるように、一旦着脱イネーブルスイッチ698が第二の位置(
図27において最良に示される第二の位置)まで回転すれば、スプリング負荷ピン736は、着脱イネーブルスイッチ698において画定された露出凹部742まで移動し、または弾かれ、これは、着脱イネーブルスイッチ698を第二の位置に不可逆的に固定してよい。また、着脱イネーブルスイッチ698が第二の位置まで回転すると、着脱ロッド688もやはり回転し、それにより、アンカー固定部材694に対する結合位置から外へ着脱ロッド688から延在する着脱ロッド突起738を回転させる。
図33に図示されるように、着脱ロッド突起738が直線的移動を可能とするように位置決めされると、着脱ロッド688、およびアンカーハンドル部614の一部、すなわち、アンカー着脱スライダー696および(図示されない)外方ハウジングは基部側方向に直線的に後退されてよい。
【0121】
次に、
図34、34A、34Bおよび35を参照し、オクルダー着脱スライダー660の移動を使用する着脱ロッド688についてさらに記載する。ここでも、明瞭性の目的で、オクルダーハンドル部の外方ハウジングは示さない。
図34、34Aおよび34Bを参照し、着脱ロッド688は、ハンドルシステム610の機能を制御するのを援助する多数の構造的特徴を画定するキーとして作用するよう構成される。例えば、着脱ロッド688は、オクルダー着脱スライダー660の爪670下で摺動し、または直線状に移動するようサイズ決めされ、かつ構成された着脱ロッド688の末端側部に画定された細長い狭部744を有してよい。該細長い狭部744は、例えば、図示されたように、着脱ロッド688が第一の位置に方向決めされた場合、細長い狭部744が、末端方向に移動する場合に、爪670下で容易に摺動するよう方向決めされるように、着脱ロッド688の上方の細長い部分の約1/2乃至2/3を除去することによって形成されてよい。細長い狭部744の基部側端部は、
図34Bにおいて最良に示されるように、その中に画定された着脱ロッドノッチ746を含んでよい。着脱ロッドノッチ746は、着脱ロッド688がオクルダー着脱スライダー660を後退させるように、オクルダー着脱スライダー660を捕捉し、またはそれに結合するようサイズ決めし、かつ構成されてよい。
【0122】
図35および35Aにおいて図示されるように、モードスイッチ664は第二の位置または上向き位置まで移動される。先に記載したように、モードスイッチ664の第二の位置は着脱ロッド688の回転移動を可能とする。
図35および35Aに示されるように、着脱ロッド688は回転された位置にある。しかしながら、着脱ロッド688のそのような回転およびモードスイッチ664の第二の位置への移動前に、着脱ロッド688は前方に移動されて、医療機器602のアンカー部を展開させる。回転された位置において、着脱ロッド688は、着脱ロッド688における着脱ロッドノッチ746(
図34B)を介して、オクルダー着脱スライダー660を捕捉することができる。さらに、回転された位置において、爪670はそのような回転を介して上向きに移動され、爪670はオクルダーハンドル部612の内方延長部652において画定されたノッチ668との係合から逃れて移動し、それにより、内方延長部652からオクルダー着脱スライダー660を結合解除する。次いで、着脱ロッド688の基部方向移動は、それがモードスイッチ664に隣接するように、オクルダー着脱スライダー660を基部側に後退させることができる。先に記載したように、着脱ロッド688のそのような基部方向移動は、オクルダーテザーおよびアンカーテザーを医療機器から実質的に同時に分離させるために(
図35および35Aに図示されていない)オクルダー着脱スライダー660およびアンカー着脱スライダー696を同時に後退する。
【0123】
次に、
図36乃至40を参照し、医療送達デバイス(例えば、
図21中の送達デバイス600)に結合された医療機器602の断面図が、本発明のもう1つの実施形態に従って示される。医療機器602は、オクルダー部605およびアンカー部603を含む。ここに示された医療機器602は、
図9Aおよび9Bに示された医療機器と同様であり、3つのアンカーセグメントは6つのアンカーループ748(アンカーセグメント当たり2つのアンカーループ748)および6つのオクルダー・フレーム・セグメント750を有し、各々は、交互様式でハブ752の周りに位置決めされ、かつ方向決めされている。簡単に記載する目的で、
図36乃至40における断面図は、同一面に回転されているアンカーループ748およびオクルダー・フレーム・セグメント750を示すが、本実施形態においては、それらは前記した実施形態に記載された交互配置におけるハブ752の周りに方向決めさされていてよい。
【0124】
医療機器送達システムに対する、医療機器602の種々の位置の記載を今回記載する。医療機器602を(
図36乃至40に図示されていない)LAAに導入する前に、シース604をまずLAAに導入してよい。当業者によって知られているように、シースは、心臓の右心房に向けて、かつその中に延在する血管系に導入されてよい。例えば、右心房へのアクセスは、大腿静脈を通じて獲得してよい。次いで、シース604を、経中隔穿刺を介して左心房に導入してよく、次いで、LAA内に位置させてよく、好ましくは、本実施形態においては、慣用的な手法およびイメージング技術を通じて配置され、かつ位置決めされた、LAA内の比較的深い後方位置のシースの末端側端部に位置決めする。
【0125】
一旦シース604がLAA中で位置決めされれば、
図36に図示されるように、シース604の基部側端部で開始し、医療機器602を、シース604を通ってLAAに向けて押してよい。医療機器602は、カテーテル622の周りに位置決めされたローダー754(
図21参照)を介してシース604に導入してよい。ローダー754は、展開されたオクルダー部605に対してカテーテル622の末端側端部758まで移動させ、ローダー754内に引き込まれてよい。次いで、カテーテル622を、シース604を通って手動で前進させ、それにより、医療機器602をシース604の末端側部に、かつLAA中に進行させることができるように、ローダー754の端部をシース604の基部側端部に挿入してよい。図示されるように、カテーテル622によってシース604の末端側端部に向けて進行させれば、医療機器602のアンカー部603を、オクルダー部605をカテーテル622の末端側端部758に対して末端側に位置させて、カテーテル622の末端側部756内に後退させる。一旦医療機器602がLAA内のシース604の末端側部に位置すれば、次いで、矢印760によって示されるように、シース604を手動により後退させることによって、オクルダー部605を展開させてよく、これは、医療機器602のオクルダー部605の展開を容易とする。
【0126】
図37に図示されるように、シース604は後退された位置にあり、オクルダー部603は展開された位置にある。オクルダー・フレーム・セグメント750の自己拡大特徴のため、そのようなオクルダー部605はシース604を後退させることによって自動的に展開されてよい。オクルダー部605は、本実施形態においては、いずれの係留機能も有していなくてよいが、むしろ、先に記載されたように、柔軟かつ滑らかなオクルダー部605を付与する1以上の層を備えた組織成長促進部材762を含む。イメージング技術を介して、医師は、医療機器602のオクルダー部605を、LAA内の後方位置から所望の位置までゆっくりと引っ張り、例えば、小孔に隣接した、かつLAA内の最適なまたは好ましい位置を決定するまで、LAA内の多数の異なる位置および向きを停止させ、および分析することができる。もし医師が、いずれかの時点において、オクルダー部605がLAA中の、またはLAAからの最適位置を越えて引っ張られたと考えるならば、医師は、単にシース604を末端方向に移動させることによって、オクルダー部605を容易に再度捕捉することができる。次いで、シース604をLAA内に再度深く進行させ、オクルダー部605を再度展開させることができ、次いで、位置させるべきオクルダー部605に対して最適な位置まで後退させることができる。一旦、最適な位置がLAA内で突き止められれば、医師は、アンカーハンドル部614を末端側方向に第二のハンドル位置まで移動させることによって、医療機器602のアンカー部603を展開してよい(
図21参照)。アンカーハンドル部614の第二のハンドル位置へのそのような移動は、矢印764によって示されるように、アンカープッシャー632を末端側に移動させて、それにより、医療機器602のアンカー部603を後退した位置から展開されたまたは拡大された位置まで末端方向に移動させる(
図38)。同様に、アンカー部603を展開位置から後退位置まで移動させて戻すことができる。
【0127】
図37に示されるように、かつこれまでの実施形態において詳細に記載されたように、アンカー部603は、各々が第一の端部749および第二の端部751を含む、多数のアンカーループ748を含んでよい。各アンカーループ748の第一の端部749はハブ752に結合しており、および各第二の端部751は一緒に結合されて、アンカーハブを形成する。アンカー部603が後退位置にある場合、各アンカーループ748の第一の端部749および第二の端部751は、オクルダー部605の末端側端部に対して基部側であってよい。さらに、アンカー部603の第二の端部751はハブ752に対して基部側であってよい。また、アンカーが後退位置にある場合、アンカー部603の末端側端部、例えば、アンカーループ748の末端側端部は、オクルダー部605の末端側端部に対して基部側である。この配置では、オクルダー部605が展開されている場合、アンカー部603は後退位置および展開位置の間を独立して移動し、それにより、医師に、LAA内の好ましい位置および向きにてオクルダー部605を選択的に係留する能力を提供してよい。
【0128】
図38に示されるように、アンカープッシャー632はカテーテル622の末端側端部758まで移動されて、それにより、医療機器602のアンカー部603を後退位置から展開位置まで展開し移動させる。展開位置において、アンカーループ748の各々の第一の端部749および第二の端部751はオクルダー部605の末端側端部に対して依然として基部側にあり、アンカーループ748の一部はオクルダー部605の末端側端部に対して末端側に延在する。
【0129】
他の実施形態に関して先に記載されたように、裏返すタイプの配置において、アンカープッシャー632に押されてしまえば、アンカーループ748またはアンカー部603の一部はハブ752を通じて伸ばされてよい。このように、
図37および38の各々に図示されるように、アンカー部603は後退位置および展開位置の間を移動させることができ、それに伴い、アンカー部603の中間部はハブ752のボアを通って移動可能または変位可能である。1つの実施形態において、アンカー部603は後退位置まで内方に転がる(roll−inward)ことができ、および展開位置まで外方に転がる(roll−outward)ことができる。もう1つの実施形態において、アンカー部603を、ハブ752を通って少なくとも部分的に反転することによって、アンカー部603を後退位置まで移動させることができる。もう1つの実施形態において、アンカー部603を、ハブ752を通って少なくとも部分的に裏返すことによって、アンカー部を展開位置まで移動させることができる。
【0130】
図38を参照し、アンカー部603は、本実施形態において、6つのアンカーループ748のような多数のアンカーループ部を含んでよく、係合部材766はLAA中の組織に係合するようサイズ決めされ、かつ構成されている。本実施形態においては、アンカーループ748は、所与のアンカーループ748の最も基部側の係合部材766に対して基部側にあるアンカー接触部768を含んでよい。該アンカー接触部768は、オクルダー部605の下面部770に対して当接してよいアンカーループ748の外方表面を含む。オクルダー部605の下面部770は、組織成長部材762の他の部分よりも剛性であり、かつ弾力性に欠けてよい(より小さな弾性を有する)組織成長部材762のリボン部772を含んでよい。該リボン部772はオクルダー部605に縫い付けられおよび/または接着により付着されていてよい。さらに、該リボン部772は、オクルダー部605の末端側端部の下面を被覆するように形状がほぼ円形であってよい。該リボン部772は、例えば、生体適合性織布、または組織内殖も促進し、組織成長部材762の他の部分よりも剛性であるとともに弾性を欠いた表面領域を提供するいずれかの他の適当な材料で形成されてよい。また、
図38はそれらの十分に拡大された位置におけるオクルダー部605およびアンカー部603を示すが、アンカー部は予め負荷して(またはわずかに拘束して)、オクルダー部605のリボン部772に対して力を付与してもよいことに留意されたい。さらに、アンカー部603およびオクルダー部605がLAAの組織に対する径方向外向きの力を付与してもよいように、そのようなアンカーおよびオクルダー部603および605はLAA内で幾分圧縮されてよい。それ自体、アンカー部603が展開されるにつれ、係合部材766がLAA中のオクルダー部605の末端側の組織に係合しつつ、オクルダー部605が組織に対して押されるように、アンカーループ748のアンカー接触部768は、オクルダー部605のリボン部772または下面部770に対して外側に付勢し、かつ押すよう構成されてよい。
【0131】
1つの実施形態において、アンカー部603が展開位置にある場合(
図38)、係合部材766は基部側に延在するように方向決めされていてよく、アンカー部603が後退位置にある場合、係合部材766は末端方向に延在するよう方向決めされていてよい(
図37)。係合部材766の向きの変化は、1つの実施形態においては、アンカー部を後退位置および展開位置の間に移動させる場合、アンカー部603を反転および裏返しにすることにより起こり得る。例えば、アンカー部が展開位置から後退位置まで移動される場合、係合部材に隣接するアンカーループ748の外側表面は、外側表面が移動されて、アンカーループ748の内方表面となるように、内側に転がり、または反転されてよい。
【0132】
他の実施形態において、係合部材766が組織表面から離れるように移動されて、それにより、オクルダー部605の位置決めまたは再位置決めを可能とするように、係合部材を組織係合位置および組織非係合位置の間を移動させることによって、係合部材766の位置は変化し得る。そのようなものは、係合部材766に隣接しているところから内方かつ基部側に延在し、かつオクルダー部605が依然として展開位置にある間に、係合部材766を組織係合位置から組織非係合位置まで移動させるために基部側に引かれるよう構成されたアンカーループ748の一部として画定されてよい、延長部と共に使用されてよい。医療機器の係合部材から内方かつ基部側に延在するアンカー部の一部としての延長部または延長部材を含めた他の実施形態は、
図45乃至47に図示されている。
【0133】
もう1つの実施形態において、アンカーハブ774は、ソックス様構造として形成された第二の組織成長部材776を含んでよい。そのようなソックス様構造は、
図19に示された実施形態に関して先に記載されている。ソックス様構造は、組織成長を促進し、および塞栓がハブ752から移動するのを妨げるのを援助するための、アンカーハブ774およびハブ752の基部側端部の被覆を効果的に提供する。第二の組織成長部材776はアンカーハブ774の基部側端部上に引っ張られてよく、スプリング778でその位置に維持されてよく、該スプリングはアンカーハブ774中の(図示されない)ノッチ内に保持されている。第二の組織成長部材776は、例えば、ポリウレタンフォームおよび/またはePTFEのようなオクルダー部605の組織成長部材762として同様な材料で形成することができる。
【0134】
もう1つの実施形態において、ハブ752は、ハブ752の内方表面内を長手方向に延在する多数のガイド780を含んでよい。該ガイド780は、アンカーハブ774がアンカー後退位置およびアンカー展開位置の間を移動するにつれて、アンカーループ748が比較的整列され、かつ相互を捉え、またはそうでなければ縺れ、かつ絡むようになることから実質的に維持されてよいように、空間を設けた配置となるようサイズ決めし、かつ構成されていてよい。該ガイド780は、1つの実施形態において、各々が、ハブの基部側開口および末端側開口の間を長手方向に延在する、細長いナブを含んでよい。もう1つの実施形態において、アンカーループ748に沿って延在する(図示しない)1以上のナブをガイドとして使用して、それらがハブ752を通って変位するにつれ、アンカーループ748を適切に整列させてよい。さらに、もう1つの実施形態において、(図示しない)ループ配置をガイドとして利用して、ハブ752を通って移動する場合に、アンカーループ748が適切な整列のためにループ配置を通って摺動するのを可能としてよい。もう1つの実施形態において、アンカーループ748がほぼ平面状構成の平面から外への移動に抵抗するよう構成してもよいように、アンカーループ748は、ほぼ平面状構成または実質的に平坦な構成を維持するよう個々に構成される。平面から外への移動からのそのような抵抗は、ハブ752を通って移動するアンカーループ748の適切な整列を援助してもよい。
【0135】
先の実施形態におけるように、アンカーループ748はコイル状ワイヤ782または他の部材を含んでよい。コイル状ワイヤ782は、コイル構成のアンカーループ748の一部の周りを包むワイヤを含んでよい。そのようなコイル状ワイヤ782は、LAA中の組織でのさらなる牽引を付与してもよく、ならびにLAA中の組織と接触するさらなる表面領域を付与し、かつそれへの組織成長を促進してよい。さらに、コイル状ワイヤ782は、アンカーループ748が、後退および展開構成の間で予測できない応力/歪みを受けているアンカーループから破砕する場合の安全性メカニズムを提供する。そのようなコイル状ワイヤ782は、コイル状ワイヤ782それ自体内に所与のアンカーループ748のいずれかの破砕を実質的に含むことができる。コイル状ワイヤ782を含む実施形態において、係合部材766は、先に議論したように、コイル状ワイヤ782を越えて適切なクリアランスのためより長い長さだけ延在してよい。先の実施形態におけるように、係合部材766は、組織の刺穿または貫通を実質的に阻害するように一定角度にて、かつ鈍いピークにて延在するが、それらは、医療機器602が展開され、かつ基部側に、またはLAAの小孔に向けて移動され、または強く引かれて、それからの移動を実質的に妨げる場合に、組織に積極的に係合するように構成されていてよい。
【0136】
先に述べたように、医療機器602は、オクルダーテザー628およびアンカーテザー630(
図21C参照)を介してハンドルシステム610(
図21)に結合されてよい。オクルダーテザー628およびアンカーテザー630は(点線として示された)テザーワイヤで医療機器602のアイレット730に結合されてよく、該テザーワイヤは医療機器602に直接的に相互連結されている。
【0137】
カテーテルシステム608は、
図21Cとの関係で先に記載し、かつ述べたように、
図38および38Aに図示されるように、シース604を通って延在してよい。カテーテルシステム608は、先に記載されたように、各アンカーテザー630およびオクルダーテザー628を収容するよう構成された中央ルーメン624および末梢ルーメン626を備えたカテーテル622を含んでよく、該アンカーテザー630はアンカープッシャー632を含み、およびオクルダーテザー628はオクルダープッシャー636を含む。アンカープッシャー632またはアンカーコイルは、アンカー部603をアンカー後退位置(
図37参照)からアンカー展開位置まで押すのに十分な軸方向圧縮強度を示すように構成されていてよい。カテーテル622およびオクルダープッシャー636は、医療機器602を、シース604を通って押すために軸方向強度または圧縮強度を付与するよう構成されていてよい。オクルダープッシャー632は、オクルダーテザー628をカテーテル622から展開する場合、あるいはそうでなければフロート特徴を使用して軸方向強度または圧縮強度を付与してよい。先に述べたように、オクルダーテザー628およびアンカーテザー630の各々は、医療機器602に直接的に連結された(
図38において点線として、かつ
図38Aにおいて第一のワイヤ640および第二のワイヤ642として示される)テザーワイヤを含んでよい。該テザーワイヤは、医療機器602の引っ張りまたは後退を容易とするよう構成されていてよく、およびそのような後退に使用される場合は張力がかかっている。例えば、オクルダー部605をローダー754(
図21)へ、またはシース604へ引っ張る場合、オクルダーテザー628用のテザーワイヤは医療機器602の位置を維持し、他方、ローダー754またはシース604は医療機器602に対して変位して、医療機器602がシース604内に拘束されるようになるのを可能とする。同様に、アンカーテザー630用のテザーワイヤは、矢印784で示されたように、カテーテル622内で、アンカー部603をアンカー展開位置からアンカー後退位置(
図37)まで引っ張るよう構成される。
【0138】
簡単に
図39を参照すると、テザーが連結されてよい、医療機器602の1つのアイレット730の断面図が示される。図示されるように、(オクルダーテザー628またはアンカーテザー630であってよい)テザーは、テザーワイヤを介して医療機器に結合されているだけでよい。テザーワイヤは、第一のワイヤ640および第二のワイヤ642を含んでよい。1つの実施形態において、第一のワイヤ640はステンレス鋼であってよく、および第二のワイヤ642はニチノールであってよく、しかしながら、ワイヤ用の他の適当な生体適合性材料を使用してもよい。第一のワイヤ640はプルワイヤとして利用してよく、および第二のワイヤ642はピンワイヤとして利用してよい。第一のワイヤ640は中央部上で折り畳まれてよく、該中央部はアイレット730を通って延在するループ728を画定する。第二のワイヤ642は、アイレット730の下方にあるものとして示されたループ728を通って延在するよう位置決めされていてよい。従って、第一のワイヤ640は幾分気密に締め上げ、それにより、第一のワイヤ640および第二のワイヤ642を医療機器602に結合させてよい。テザーワイヤの医療機器602からの着脱は、第二のワイヤが第一のワイヤ640のループ728を通って後退されるまで、矢印732によって示されるように、まず第二のワイヤ642を引くことによって採用されてよく、その後、次いで、第一のワイヤ640をアイレット730から引っ張り、それにより、テザーワイヤを医療機器602から外してよい。第一のワイヤ640の前に第二のワイヤ642を引くことによる医療機器の着脱のさらなる記載は、
図24Bおよび24Cに関して前記した。
【0139】
次に、
図40を参照し、フロート特徴として先に記載され、かつフロートハンドル部616をハンドルシステムの第三のハンドル位置まで移動させることによって可能とされた、オクルダーテザー628およびアンカーテザー630の末端側部を露出し、かつ展開するように後退されたカテーテル622(およびシース604)を備えた医療機器602が示される(
図21および21B参照)。このフロート特徴を使用して、医師は、不必要なトルクまたは横方向力を医療機器602にかけ、LAA中の組織を潜在的に損傷することなく、LAA中の医療機器602の位置および安定性を評価できるようにすることができる。例えば、一旦アンカー部603が展開されれば、医師は、テザー628、630を介して医療機器602への相互連結を維持しつつ、カテーテル622を医療機器602から後退させてもよい。次いで、医師は、医療機器が着脱される場合に起こるであろうよりも近い位置で該医療機器を観察することができ、また、医療機器602に対して押し/引きテストを行い、イメージング技術を介して、テザー628、630がしなり、および医療機器602がわずかにねじれるのを見ることもできる。もし医療機器602がLAAから出れば、カテーテル622を進行させ、アンカー部603を後退させ、先に記載されたハンドルシステム機能を使用することによってシース604をオクルダー部605上に進めることによって、該機器を容易に再度捕捉してよい。次いで、医療機器602は、先に記載した工程に従って、容易に再度位置決めし、および係留させることができる。もし医師が、機器602が押し/引きテストを行った後にLAA中に適切に静止していることを見出せば、次いで、医師は、ここに記載するように、テザーワイヤを医療機器602から着脱させることができる。
【0140】
先に議論したように、医療機器602のフレームセグメントは、所望の構造的特徴および性能を提供するためにテーパーまたは断面の変化を含んでよい。例えば、
図38において見られるように、アンカーループ748の幅はそれらの長さに沿って次第に小さくなってよい。該幅は、本明細書中における種々の図面中で「W」として示され、径方向構成要素を有するその寸法のため、径方向幅とも言えることに留意されたい。
図38に示された実施形態において、アンカーループはそれらの径方向内方端部または第二の端部751において比較的厚い幅を示し、第二のワイヤ連結部380(
図11A)におけるように、それらが曲面部まで(すなわち、コイル768が径方向内方位置で終端する位置近くに)延在するにつれて、より薄い幅まで徐々に細くなる。1つの実施形態において、このテーパーは、ほぼ0.381mm(0.015インチ)の幅からほぼ0.203mm(0.008インチ)の幅まで緩やかであってよい。第二のワイヤ連結部を過ぎて延在すると、アンカーループ748はこの位置において再度その幅が増大してよく、次いで、ループ748の曲面部全体にわたって(すなわち、コイル768が付着する長さ全体にわたって)その幅を変化させてよい。1つの例において、曲面部全体にわたって最も小さい幅は、曲面部の長さを通じてほぼ中間の位置においてほぼ0.076mm(0.003インチ)であってよい。次いで、アンカーループ748は、その最も薄いセクションからハブに向かって元へ延在するにつれ、より厚い幅に徐々に戻ってよい。そのような実施形態において、アンカーループの深さ(すなわち、頁の面内へと測定された寸法)は依然として一定であってよい。該深さは、本明細書中に含まれた種々の図面中で「D」として示され、医療機器の周りの実質的に周方向におけるその寸法のため、周方向深さとも言われることに留意されたい。1つの実施形態において、例えば、該深さはほぼ0.432mm(0.017インチ)であってよい。換言すれば、もしアンカーループ748が材料(例えば、ニチノール)のシートから切断されれば、材料の該シートは、この例の実施形態においては、0.432mm(0.017インチ)の厚みであってよい。
【0141】
さらに、例えば、オクルダー・フレーム・セグメント750は、その長さの一部に沿って少なくとも1つのテーパーをやはり含んでよい。1つの実施形態において、該幅は、オクルダー・フレーム・セグメントの少なくとも一部に沿ってハブに結合した基部側端部から末端側端部に向けて徐々に減少してよい。オクルダー部605およびアンカー部603のフレームセグメントの一部を徐々に細くすることによって、そのようなフレームセグメントにかけてよい予測可能なおよび予測不可能な応力を最小化し、それにより、フレームセグメントにおける破砕の可能性を制限する。もちろん、当業者によって知られているように、前記した寸法は、フレームセグメントに対して行われた電気的研磨プロセスを通じて、例えば、許容される範囲内でわずかに変化してよい。フレームセグメントのそのような電気的研磨は、さらに、フレームセグメントにおける潜在的破砕を最小化する。
【0142】
また、アンカーループ748は、所望のアスペクト比(すなわち、(
図40において頁中に測定された)深さD対(深さに対して実質的に横方向に測定された)幅W)を示すように画定されてよいことに留意されたい。1つの実施形態において、アンカーループ748は、少なくともほぼ2:1の深さ対幅アスペクト比を示す部分を含んでよい。もう1つの実施形態において、アンカーループ748は、ほぼ1.1:1乃至ほぼ5.7:1の深さ対幅アスペクト比を示す部分を含んでよい。しかしながら、他の実施形態においては、アンカーループ748は、ほぼ1:1乃至ほぼ12:1の深さ対幅アスペクト比を有する部分を含んでよい。さらに、その長さの一部に沿ったオクルダー・フレーム・セグメント750についての深さ対幅アスペクト比は少なくともほぼ2:1であってよいが、オクルダー・フレーム・セグメント750の長さに沿ったほぼ1:1乃至ほぼ4:1の範囲を含んでよい。1つの実施形態において、オクルダー・フレーム・セグメント750についてのアスペクト比は、オクルダー・フレーム・セグメント750の長さに沿って1:1乃至12:1の範囲であってよい。
【0143】
もう1つの実施形態において、医療機器602は、小さなサイズ、中程度のサイズおよび大きなサイズのような異なるサイジングオプションを含んでよい。そのようなサイジングオプションは、主として、十分に拡大された状態にあって、ハブ752に付着されたアンカー部603によって測定されてよい。例えば、アンカー部603の各アンカー・フレーム・セグメントは長さおよび高さを含んでよく、該長さはハブの基部側端部からアンカーループ748の最も末端側端部までの距離であって、該高さは、例えば、アンカーループがオクルダー部605に接触する場合におけるアンカーループ間の、長さに対する、かつ長さに対して垂直な横方向距離である。異なるサイジングオプションのためのアンカー部603の高さは、例えば、各々、小さな、中程度および大きなサイズについての21mm、28mmおよび35mmを含んでよい。異なるサイジングオプションのためのアンカー部603の長さは、各々、小さな、中程度および大きなサイズについての18mm、22mmおよび25mmを含んでよい。もちろん、これらのサイジングオプションは変化してよく、および本発明はそのようなサイジングオプションに制限されない。
【0144】
次に、
図41および41Aを参照し、その末端側部804において関節構造を形成するよう構成されたカテーテル802の末端側部804が示される。そのようなカテーテル802は前記実施形態に記載されたカテーテルであってよいが、前記したシースであってもよい。カテーテル802は、各々がカテーテル802の長手方向長さに沿って延在する、4つの末梢ルーメンのような、中央ルーメン806および多数の末梢ルーメン808を画定してよい。さらに、カテーテル802の末端側部804内において、カテーテル802は、カテーテル802の外方表面および内方表面の間を、それを通って横方向に延在するスロット810またはノッチを画定してよい。そのようなスロット810は、スロット810の隣接したコラムが相互に対してジグザグであるように、ジグザグ構成の対向するスロット810の2つの組を備えたカテーテル802の末端側部804に沿った、4つのコラムのようなコラムにおいて画定されてよい。スロット810は、中央においてより広く、かつスロットの対向する端部においてより狭いスリット様構成を画定することができる。三日月形状、V形状、らせん形状またはいずれかの他の適当な形状のスロットのような、種々のスロット構成を使用してよい。この配置で、スロット810は、カテーテル802の末端側部804の軸方向強度を実質的に維持しつつ、カテーテル802の末端側部804の横方向強度を解放して、そこでのより大きな可撓性を与えることを促進する。
【0145】
さらに、カテーテル802は、カテーテル802の末梢ルーメン808を通って延在するワイヤ812または他の構造的部材を含んでよい。そのようなワイヤ812は、例えば、ワイヤ812をプレート816に締め付けることによって、カテーテル802の末端側部814に固定されてよい。プレート816は、ワイヤ812の端部がそれを通って締め付けられてよい末梢ルーメン808に対応する開口818を含んでもよい。プレート816は、ワイヤ812によって、または例えば接着剤を含めた他の独立した手段によって該プレートにかけられた張力によってカテーテル802の末端側端部814に締め付けられてよい。カテーテル802の中央ルーメン806は、永久的なまたは短期間の設置のために、または物質の導入、機器または望まない物質の血管系からの回収、もう1つのカテーテル用の通路の提供、または関節構造カテーテルが使用できる場合のいずれかの他の適当な目的のようないずれかの他の適当な目的で、医療機器を送達するのに利用してよい。
【0146】
図42および42Aを参照し、カテーテル802は関節構造ハンドルシステム830に結合されてよい。ハンドルシステム830は、末端側ハンドル部834および基部側ハンドル部836の間に位置させた、ユニバーサルジョイントまたはいずれかの他の適当な関節構造部材のような関節構造ハンドル部材832を含んでよい。末端側ハンドル部834および基部側ハンドル部836の各々は、各々、それらの各部を通って軸方向に延在し、かつ相互に対して軸方向に整列するよう構成された第一のボア838および第二のボア840を画定してよい。カテーテル802は、ハンドル830、すなわち、末端側ハンドル部834の第一のボア838を通って、かつそれと固定された関係にある基部側ハンドル部836の第二のボア840の少なくとも一部を通って、軸方向に延在してよい。さらに、末端側ハンドル部834および基部側ハンドル部836の間では、ハンドルシステム830は、関節構造ハンドル部材832内に位置した、またはそれに隣接する屈曲部材842を含んでよい。
【0147】
図42Aおよび43に示されるように、屈曲部材842は、当該管状構成の周辺を通って横方向に画定された多数の空間を設けたチャネル844を備えた管状構成を含んでよい。屈曲部材842は、関節構造ハンドル部材832が手動で関節接合されるにつれ、曲がり、または捩れるようサイズ決めされ、かつ構成された弾性部材であってよい。屈曲部材842は、該屈曲部材842の周辺に沿って延在し、かつ当該中央開口846の軸に対応し、または該軸に対して実質的に平行に延在する周辺開口848を備えた、該屈曲部材842を通って延在する中央開口846を含んでよい。そのような周辺開口848は、それを通ってワイヤ812を支持し、かつガイドするようサイズ決めされ、かつ構成されていてよく、中央開口846は、それを通って延在するカテーテル802上に位置するようサイズ決めされ、かつ構成されていてよい。
【0148】
図42Aに関して、カテーテル802は、それを通ってワイヤ812が延在してもよい、末端ハンドル部834内のカテーテル802の基部側部において、開口850を画定してよい。さらに、それを通って画定されたルーメンを備えた、第一の管852は、該開口850から、かつ末端側ハンドル部834を通って外方かつ基部側に延在し、かつワイヤ812が第一の管852のルーメンを通って延在するように構成されている。例えば、4つのワイヤ812は、4つの開口850を通り、かつ対応する第一の管852を通るカテーテル802を通って延在してよく、1つのワイヤ812は各開口850および対応する第一の管852を通って延在する。開口850は、各隣接開口が他の開口からほぼ90度にて径方向に位置してもよいように、もう1つの開口と反対側の位置におけるカテーテル802において画定されてよい。もちろん、もし4つのワイヤおよび4つの開口の前記例よりも多いまたは少ないワイヤおよび対応する開口があれば、そのような開口は他の角周波数においてカテーテルの周りに等しく間隔が設けられていてよい。
【0149】
さらに、先に記載されたように、ワイヤ812は開口850から運ばれ、カテーテル802内のワイヤ812の間隔と比較して、より大きな間隔の関係まで、第一の管852を通って外方かつ基部側に延在してよい。ワイヤ812は、屈曲部材842の周辺開口848(
図43)を通って、かつ基部側ハンドル部836を通って基部側に延在し続ける。基部側ハンドル部836内で、各ワイヤ812は少なくとも1つの第二の管854を通って延在してよい。
【0150】
図42Aおよび44を参照し、基部側ハンドル部836はワイヤ係合部材856も含んでよい。ワイヤ係合部材856は回転可能なノブ858、スロープ状の表面(本明細書中ではランプ860と称する)、多数の球862および内方部材864を含んでよい。ランプ860はノブ858の内方表面であってよく、かつ種々の傾斜を示すそこで画定された戻り止め表面866を含んでよく、窪んだ部分は、ワイヤ812と気密または締め付け関係にある球862に対応し、かつそれを移動させるようサイズ決めし、かつ構成されたランプ860内を径方向に延在する。さらに、内方部材864は、それを通ってワイヤ812が延在する凹部868を含んでよく、該凹部868は、また、球862の一部を受承するように位置決めされ、かつ構成されている。この配置で、戻り止め表面866は、ノブ858を回転させた場合に、戻り止め表面866が球862上を転がり、かつ内方部材864に対してワイヤを締め付けるよう構成されるように、球862に対応する。このように、ワイヤ812は、基部側ハンドル部836との固定された関係に入るようになっていてよい。ノブ858が係合解除位置まで回転すると、ワイヤ812は第二の管854内で緩められ、カテーテル802の末端側部804においてのみ固定されてよい。さらに、先に記載されたように、ワイヤ812はチャネルを通過して、ハンドルシステム830を通って、および特に、屈曲部材842を通って間隔が設けられた関係まで延在する。ワイヤ812の増大した径方向に間隔が設けられた関係は、ワイヤ812のためのより広い移動が、ワイヤ812がカテーテル802内のワイヤ812の間隔が設けられた距離までと同様な間隔を示す場合よりも、カテーテル802の末端側部804を繋ぐのを容易とする。
【0151】
より具体的には、例えば、
図41および42Aに関して、もし末端側ハンドル部834が関節構造ハンドル部材832を介して下向きに繋がれれば、上方ワイヤ812a(すなわち、
図42Aにおいては「上方」ワイヤとして示されたワイヤ)は、屈曲部材842内の張力まで移動し、他方、下方ワイヤ812bはより小さな張力を有するか、または張力を有しないであろう。末端側ハンドル部834のこの下向き移動、および上方ワイヤ812aおよび下方ワイヤ812bの間の張力の差は、ワイヤ812が基部側ハンドル部836内に固定されているため、(依然として、
図42Aの向きを考慮し)上向き配置においてカテーテル802の末端側部804を引っ張り、または繋ぐであろう。
【0152】
同様に、末端側ハンドル部834の上向き移動は、屈曲部材842の可撓性により、下方ワイヤ812bに張力をかけ、または下方ワイヤ812bを引っ張って張力をかけ、それにより、カテーテル802の末端側部804を下向きに繋ぐ。同様に、屈曲部材842の側面を通って導かれる(
図44に示されるに過ぎない)ワイヤ812cおよび812dは、同様な構成にて、カテーテル802の末端側部804を横方向に繋ぐのを容易とするであろう。このように、ワイヤ812を基部側ハンドル部836に固定し、およびワイヤ812を、屈曲部材842を通って間隔を設けるのは、末端側ハンドル部834が関節構造ハンドル部材832を介して繋がれる方向よりも反対方向における、カテーテル802の末端側部804の効果的な繋ぎに必要な移動を容易とする。関節構造ハンドルシステム830の先の記載は、前記した医療機器を送達するためのカテーテルのようなカテーテルのために提供されたものであるが、関節構造ハンドルシステムは、先に記載した医療機器送達システムのシースと共に使用されてもよく、あるいは関節構造カテーテルが望ましいであろういずれかの適当な目的で使用されてよいことに留意されたい。
【0153】
次に、
図45を参照し、本発明のもう1つの実施形態による医療機器900が示される。医療機器900の一部のみが断面にて示されていることに留意されたい。医療機器900は、本明細書中において先に記載された種々の実施形態と同様に、オクルダー部902およびアンカー部904を含む。オクルダー部902は、複数のオクルダー・フレーム・セグメント906および組織成長部材908を含んでよい。アンカー部904は、係合部材912またはその上のナブを有する複数のアンカー・フレーム・セグメント910を含んでよい。係合部材912は、本明細書中において提供された他の実施形態に関して記載されたものと同様であってよい。先に記載された実施形態と同様に、オクルダー部902およびフレーム部904は別々にかつ独立して展開されてよい。
【0154】
延長部材914は、各アンカー・フレーム・セグメント910の末端側端部916に結合されてよく、および係合部材912に隣接しているところから内方かつ基部側に延在してよい。例えば、1つの実施形態において、延長部材914は、フレームセグメント910と一体化されたアイレット918(または他の結合部材)に結合したフィラメントまたはワイヤを含んでよい。延長部材914は、例えば、アンカーセグメント910の末端側端部916から、かつ種々のオクルダー・フレーム・セグメント906およびアンカー・フレーム・セグメント910を一緒に結合させるハブ部920を通って基部側に延在するよう構成されてよい。使用において、延長部材914は基部側に変位して、機器900の再位置決めまたは再捕捉のためにアンカー・フレーム・セグメント910を後退させてよい。1つの実施形態において、アンカー・フレーム・セグメント910は、延長部材914の基部側変位に際して主として径方向内方に変位するよう構成されてよい。もう1つの実施形態において、アンカー・フレーム・セグメント910は、本明細書中に記載された他の実施形態と同様に、送達機器のカテーテルまたは他の構成要素中へ転がるよう構成してよい。
【0155】
LAA中の医療機器900の良好な展開に際して、延長部材はアンカー・フレーム・セグメント910から外れてよい。例えば、延長部材914はそれらの一体化したアイレット918から外れ、機器900から後退させてよい。もう1つの実施形態において、延長部材914はアイレット918と依然として結合していてよいが、医療機器900の基部側面におけるように、トリミングし、または切断し、または着脱されてよい。延長部材918は、張力がかかった構造部材として作用して、アンカー・フレーム・セグメント910を後退するが、それらは、ある実施形態においては、圧縮された構造部材として作用して、アンカー・フレーム・セグメント910を押すように構成されてもよい。延長部材914が圧縮部材としても作用する場合には、それらはアンカー・フレーム・セグメント910と枢動可能に結合してよい。
【0156】
図46を参照し、もう1つの実施形態による医療機器930が示される。医療機器930は多数のアンカー・フレーム・セグメント932(便宜のためただ1つを示す)を含むアンカー部、およびアンカー・フレーム・セグメント932に直接的に結合した組織成長部材934を備えたオクルダー部を含む。係合部材936は、アンカー・フレーム・セグメント932の末端側かつ径方向外向き部分上に形成されてよい。延長部材938は、同様に、アンカー・フレーム・セグメント932と結合していてよく、かつ
図45に記載されたのと実質的に同一に機能してよい。この実施形態において、医療機器930が展開されれば、医師がLAA内でより好ましい位置へ再度位置決めしたい場合、延長部材938を基部側に引いて、係合部材938を組織係合位置から組織非係合位置まで移動させてよい。次いで、医師はオクルダー部を好ましい位置に再度位置決めし、次いで、延長部材938を着脱させて、アンカー・フレーム・セグメント932を自己拡大させて、係合部材936を組織係合位置まで移動させてよい。このプロセスは、医師が医療機器930の位置に満足し、次いで、先の実施形態に記載されたのと同様な医療機器930の着脱へ進むまで反復してよい。
【0157】
図47を参照し、もう1つの実施形態による医療機器950が示される。医療機器950は、オクルダー部およびアンカー部を含んでよい。アンカー部は、当該フレームセグメント952の径方向末端側末端部から延在する係合部材936を備えた多数のアンカー・フレーム・セグメント952を含んでよい。オクルダー部は、該多数のアンカー・フレーム・セグメント952の基部側面に結合した組織成長部材934を含んでよい。この実施形態においては、区別される延長部材(例えば、
図46に示された延長部材938)の代わりに、アンカー・フレーム・セグメント952が、
図45および46に示された実施形態の区別される延長部材として作用する、またはそれと同様に機能する(係合部材952に隣接するところから内方かつ基部側に延在する延長部を示す)ループ部954を含む以外は、医療機器950は
図46に関して示し、かつ記載したのと実質的に同一である。
【0158】
本発明は種々の変形および代替形態に影響され得るが、具体的な実施形態を図面にて例を挙げて示し、ここに詳細に記載してきた。しかしながら、本発明は開示された特定の形態に限定される意図は無いことを理解されたい。むしろ、本発明は、以下の添付の特許請求の範囲によって定義される発明の精神および範囲に入る全ての変形、同等物、および代替物を含む。
【0159】
関連出願の相互参照
本出願は、その各々の開示が全体としてここに参照により組み込まれる、2009年6月17日に出願された米国仮特許出願第61/218,018号、2010年1月11日に出願された米国仮特許出願第61/295,058号、2010年4月2日に出願された米国仮特許出願第61/320,635号、2010年4月16日に出願された米国仮特許出願第61/325,230号、および2010年5月17日に出願された米国仮特許出願第61/345,514号の利益を主張する。