【文献】
BRAUTTI G,TUBELESS VACUUM INSULATED COCKROFT-WALTON ACCELERATOR,NUCLEAR INSTRUMENTS & METHODS IN PHYSICS RESEARCH,SECTION-A:ACCELERATORS,SPEC以下備考,NL,ELSEVIER,1993年 4月15日,V A328 N1/02,P59-63,TROMETERS,DETECTORS AND ASSOCIATED EQUIPMENT
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記DC高電圧源(31)の少なくとも一部が、前記電子管(63)が真空フラスコを有さないようにして前記電子管(63)を動作させるのに必要な真空を有する、請求項1又は2に記載のDC高電圧源(31)。
前記キャパシタスタックが、互いに同心状に配置され且つ前記スイッチングデバイス(35)によって接続された複数の中間電極(33)を備え、前記スイッチングデバイス(35)の動作時に、前記複数の中間電極(33)が、連続的に増大していく電位レベルに設定される、請求項1から4のいずれか一項に記載のDC高電圧源(31)。
前記キャパシタスタックが、前記電極(33、37、39)を通るギャップ(47)によって二つの別々のキャパシタ鎖(41、43)に分割されている、請求項1から6のいずれか一項に記載のDC高電圧源(31)。
前記スイッチングデバイスが、前記二つの別々のキャパシタ鎖(41、43)を相互接続する高電圧カスケード(35)を備える、請求項7に記載のDC高電圧源(31)。
前記キャパシタスタックの電極(33、37、39)が、楕円体又はシリンダーの表面上に位置するように形成されている、請求項1から9のいずれか一項に記載のDC高電圧源(31)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、小型設計でありながら、特に安定に動作可能であると同時に、高電位差を提供するDC高電圧源を特定するという課題に基づいている。本発明は、更に、小型設計でありながら、特に安定に動作可能であると同時に、利用可能な高い粒子エネルギーを可能にする荷電粒子加速用加速器を特定するという課題に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、独立項の特徴によって達成される。有利な発展は、従属項の特徴に見いだされる。
【0009】
DC電圧を提供するための本発明に係るDC高電圧源はキャパシタスタック(積層体)を備え、そのキャパシタスタックは、
‐ 第一の電位に設定可能な第一の電極と、
‐ 第一の電極に対して同心状に配置された第二の電極であって、第一の電極と第二の電極との間に電位差が生じるように第一の電位とは異なる第二の電位に設定可能な第二の電極と、
‐ 第一の電極と第二の電極との間に同心状に配置され、第一の電位と第二の電位との間の中間電位に設定可能な少なくとも一つの中間電極とを有する。
【0010】
更に、DC高電圧源は、キャパシタスタックを充電するためのスイッチングデバイスを有し、キャパシタスタックの電極(つまり、第一の電極、第二の電極及び中間電極)がスイッチングデバイスに接続される。スイッチングデバイスは、そのスイッチングデバイスの動作中に、互いに同心状に配置されたキャパシタスタックの電極が、増大していく電位レベルに設定されるように構成される。キャパシタスタックのスイッチングデバイスは電子管を備える。
【0011】
本発明は、可能な限り効率的にDC高電圧源を充電するというコンセプトに基づく。これは、特にダイオードとして構成可能な電子管を備えたスイッチングデバイスを用いて得られる。
【0012】
これは、半導体ダイオードなどの半導体部品と比較すると、電子管の設計の結果として、電子管によって接続されたキャパシタスタックの電極間の破壊の危険性を伴う物理的接続が存在しないという点において有利である。更に、電子管は、電流を制限するように機能して、電流の過負荷や電圧の過負荷に対してロバストである。
【0013】
一つ以上の電子管が、特に制御可能電子管として構成可能である。例えば、制御を、熱的又は光学的に行うことができる。電子管カソードは、熱電子エミッタとして構成可能であり、例えば、電子管内の電流を制御するための熱、特に放射熱を有する。また、電子管カソードはフォトカソードとしても構成可能である。これは、露出(例えばレーザ放射による)を調整することによって、各電子管の電流を制御することを可能にして、従って電荷の流れを制御することを可能にする。これは、達成可能な高電圧を間接的な制御する可能性を与える。高電圧源が、より柔軟な方法で充電及び適応可能になる。
【0014】
互いに同心状に配置された電極のキャパシタスタックの設計により、DC高電圧源は、特に有利で空間を節約する形状を有するのと同時に、高電圧電極の効率的な遮蔽又は絶縁を可能にする。
【0015】
特に、キャパシタスタックは、互いに同心状に配置された複数の中間電極を備えることができて、それら複数の中間電極は、スイッチングデバイスの動作時に、中間電極が第一の電位と第二の電位との間で連続的に増大していく電位レベルに設定されるように、スイッチングデバイスによって接続される。キャパシタスタックの電極の電位レベルは、同心状の配置の順に従って増大していく。電子管を有するスイッチングデバイスの結果として、キャパシタスタックの電極を、ポンプAC電圧によって帯電させることができる。ポンプAC電圧の振幅は、達成可能な高電圧と比較して小さいものであり得る。
【0016】
DC高電圧源の電極の同心状の配置は全体的に小型の設計を可能にする。絶縁ボリューム、つまり内側電極と外側電極との間のボリュームを有効に使うことによって、一つ以上の同心状中間電極が適切な電位に設定される。電位レベルは連続的に増大して、絶縁ボリューム全体の内側において大幅に均一な電場強度をもたらすように選択可能である。
【0017】
更に、中間電極の導入は誘電強度の限界を増大させて、中間電極が無い場合よりも高いDC電圧を生成することができる。これは、真空中の誘電強度が、電極間隔の平方根に略逆比例することに起因する。中間電極の導入によって、DC高電圧源内の電場がより均一になるのと同時に、達成可能な電場強度を有利に増大させることに寄与する。
【0018】
一実施形態では、DC高電圧源の少なくとも一部が真空を有し得る。この真空は、電子管が真空フラスコフリーとなるように電子管を動作させるのに必要な真空を形成するのに使用可能である。
【0019】
キャパシタスタックの電極は、例えば真空絶縁によって互いに絶縁可能である。高真空を真空ボリューム内に見出すことができる。絶縁体の使用は、それが、DC電場に晒された際に内部電荷を凝集させる傾向にある(特に、加速器の動作中の放射の電離によって生じる)という点において不利である。凝集した伝播電荷は、全ての物理的絶縁体において極めて非一様な電場強度を生じさせて、局所的に超過した破壊限界に繋がり、従って、スパークチャネルの形成につながる。高真空による絶縁はこのような不利な点を回避する。従って、安定動作中に使用可能な電場強度を増大させることができる。この結果として、その構成は、実質的に絶縁体の無いものとなる(例えば電極マウント等の少数の部品を除く)。
【0020】
スイッチングデバイスの一部又は全ての電子管を、真空絶縁内に配置することができ、電子管を真空フラスコ無しで構成することができる。このキャパシタスタックの電極の真空絶縁の結果として、高電圧電極の空間の節約及びロバストな絶縁が追加的に達成される。ここで、同心状の配置の場合、高電圧電極が最も内側の電極となり得る一方、最も外側の電極が例えば接地電極となり得る。
【0021】
例えば、DC高電圧源はビーム管も有し得て、そのビーム管に沿って、荷電粒子を加速させることができる。真空フラスコ無しの電子管を設計するために、そこに位置する真空を使用することができる。
【0022】
例えば電子、イオン、素粒子(又は一般的に荷電粒子)等の粒子のビームを発生させるために、このようなDC高電圧源を使用すると、小型設計において、MV範囲の粒子エネルギーを得ることができる。
【0023】
有利な一実施形態では、スイッチングデバイスは、高電圧カスケード、特にグライナッヘルカスケード又はコッククロフト‐ウォルトンカスケードを備える。このようなデバイスを用いて、比較的低いAC電圧でDC電圧を発生させるために、第一の電極、第二の電極及び中間電極を帯電させることができる。
【0024】
本実施形態は、例えばグライナッヘル整流カスケードによって可能とされる高電圧発生のコンセプトに基づいている。加速器において用いられると、電位エネルギーは、粒子源と加速経路端との間に印加される高電位によって粒子の運動エネルギーを変換する機能を果たす。
【0025】
一変形例では、キャパシタスタックは、電極を通って延伸するギャップによって二つの別々のキャパシタ鎖に再分割される。キャパシタスタックの同心状電極を二つの別々のキャパシタ鎖に分離することの結果として、グライナッヘルカスケードやコッククロフト‐ウォルトンカスケード等のカスケードスイッチングデバイスを形成するために、二つのキャパシタ鎖を有利に用いることができる。ここで、各キャパシタ鎖は、互いに同心状に配置された(部分的)電極構成を構築する。
【0026】
球殻スタックとしての電極スタックの実施形態では、分離が、例えば赤道に沿ったカットによってもたらされて、二つの半球スタックがもたらされる。
【0027】
電子管は、キャパシタ鎖が物理的コンタクトを有さないように二つのキャパシタ鎖を接続することができる。
【0028】
このような回路の場合、キャパシタ鎖の各キャパシタを、高電圧源を充電する機能を果たす一次入力AC電圧のピーク間電圧に充電することができて、一定の殻厚さの場合、単純な方法で、電位の平衡、一様な電場分布、絶縁間隔の最適な使用が達成される。
【0029】
有利な方法では、高電圧カスケードを備えたスイッチングデバイスが、二つの別々のキャパシタ鎖を相互接続することができて、また、特にギャップ内に配置される。高電圧カスケード用の入力AC電圧は、キャパシタ鎖の二つの最も外側の電極間に印加可能であり、例えば、これらの電極は外部からアクセス可能である。整流回路のダイオード鎖を、赤道ギャップに適用することができて、空間が節約される。
【0030】
キャパシタスタックの電極は、楕円体、特に球又はシリンダーの表面上に位置するように形成可能である。これらの形状は物理的に有利である。中空球の場合の電極形状の選択や、球形キャパシタが特に有利である。例えばシリンダーの場合のような形状も考えられるが、一般的には比較的非一様な電場分布を有する。
【0031】
殻状電位の電極の低いインダクタンスは、高い動作周波数の印加を可能にして、個々のキャパシタの比較的低いキャパシタンスにも関わらず、電流ドレイン中の電圧の減少が、制限されたままとなる。
【0032】
荷電粒子を加速するための本発明に係る加速器は、本発明に係るDC高電圧源を備え、キャパシタスタックの電極内の開口によって形成された加速チャネルが設けられていて、その加速チャネルを通して荷電粒子を加速することができる。加速電位は、第一の電極と第二の電極との間に形成可能である。
【0033】
特に高電圧電極が真空によって絶縁されている加速器の場合、絶縁表面を少なくとも一部に有する独自のビーム管を提供する必要がないという点において、真空の使用が更に有利である。加速チャネルが絶縁表面を有する必要がなくなるので、これは、壁の放電という致命的な問題が絶縁表面に沿って生じることも防止する。
【0034】
本発明の例示的な実施形態を、図面に基づいてより詳細に説明するが、これに限定される訳ではない。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図面においては、同じ部分には、同じ参照符号が付されている。
【0037】
グライナッヘル結線として構成された高電圧カスケード9の原理を、
図1の回路図を用いて明らかにする。
【0038】
AC電圧Uを入力11に印加する。第一の半波長が、ダイオード13を介してキャパシタ15を電圧Uに充電する。AC電圧の後続の半波長において、キャパシタ13からの電圧Uが、入力11において電圧Uに加えられて、キャパシタ17が、ダイオード19を介して電圧2Uに充電される。このプロセスを、後続のダイオード及びキャパシタにおいて繰り返し、
図1に示される回路の場合には、全体として電圧6Uが出力21において得られる。図示された回路の結果として、第一の組のキャパシタ23がそれぞれ第一のキャパシタ鎖(列)を形成し、第二の組のキャパシタ25がそれぞれ第二のキャパシタ鎖を形成する様子も明確に示されている。
【0039】
図2は、高電圧カスケード35によって相互接続された中心電極37と、外側電極39と、中間電極33の列とを備えた高電圧源31の概略的な断面を示し、その原理は、
図1において説明されており、高電圧カスケード35によって充電可能なものである。
【0040】
電極39、37、33は、中空球とされていて、互いに同心状に配置される。印加可能な最大電場強度は、電極の曲率に比例する。従って、球殻の幾何学的形状が特に有利である。
【0041】
中心には高電圧電極37が位置して、最外側の電極39は接地電極となり得る。赤道上のカット(切断部)47の結果として、電極37、39、33は、ギャップによって分離された二つの別々の半球スタックに再分割される。第一の半球スタックは、第一のキャパシタ鎖41を形成し、第二の半球スタックは第二のキャパシタ鎖43を形成する。
【0042】
プロセスでは、AC電圧源45の電圧Uが最外側の電極殻の半分39’、39”のそれぞれに印加される。回路を形成するためのダイオード49は、中空球の半分の大円の領域、つまり、個々の中空球の赤道カット47に配置される。ダイオード49は、
図1の二つの組23、25のキャパシタに対応する二つのキャパシタ鎖41,43の間の交差接続を形成する。
【0043】
図示されている高電圧源31の場合には、加速チャネル51が、内部に配置された粒子源52から伸びていて、粒子ビームの取り出しを可能にし、第二のキャパシタ鎖43に通されている。荷電粒子の粒子流は、中空球状の高電圧電極37からの高加速電圧を受ける。
【0044】
高電圧源31及び粒子加速器は、高電圧源及び粒子加速器が互いに集積されていると便利である。何故ならば、この場合には、全ての電極及び中間電極を可能な限り最少のボリュームで収容することができるからである。
【0045】
高電圧電極37を絶縁するため、電極の構成全体を真空絶縁によって絶縁する。特に、これは、特に高い高粒子エネルギーをもたらす高電圧電極37の特に高い電圧を発生させる可能性を与える。しかしながら、原理的には、固体又は液体の絶縁を用いた高電圧電極の絶縁も可能である。
【0046】
絶縁体としての真空の使用、及び1cmのオーダの中間電極の間隔の使用は、20MV/m以上の値の電場強度を達成する可能性を与える。更に、真空の使用は、絶縁体の問題を生じさせる可能性がある加速中に生じる放射のために加速器を動作中に低負荷で動作させる必要がないという点において有利である。これは、より小型の設計及びより小型の機械を可能にする。
【0047】
図3は、タンデム加速器61としての
図2に示される高電圧源の発展を示す。
図2のスイッチングデバイス35は明確性のため示されていないが、
図3に示される高電圧源の場合にも同一である。
【0048】
図示される例では、第一のキャパシタ鎖41は、電極33、37、39に通された加速チャネル53も有する。
【0049】
中心の高電圧電極37の内側に、電荷剥ぎ取り用の炭素膜55が、粒子源の代わりに配置される。負に帯電したイオンを、高電圧源61の外側に発生させ、加速チャネル53に沿って、第一のキャパシタ鎖41を通って中心の高電圧電極37まで加速させ、炭素膜55を通過した際に正に帯電したイオンに変換して、第二のキャパシタ鎖43の加速チャネル51を通って更に加速させて、高電圧源31から再発させることができる。
【0050】
最外側の球殻39は、大部分は閉じたままであるので、接地された筐体の機能を担い得る。
【0051】
そして、その下に直に位置する半球殻は、LC共振回路のキャパシタと、スイッチングデバイスの駆動コネクタの一部となり得る。
【0052】
このようなタンデム加速器は、負に帯電した粒子を用いる。負に帯電した粒子は、第一の加速経路53を通って、外側電極39から中心の高電圧電極37まで加速される。電荷変換プロセスが、中心の高電圧電極37において生じる。
【0053】
例えば、これを、膜55によって引き起こすことがでて、負に帯電した粒子がそこに通されて、また、それによって、所謂電荷剥ぎ取りが行われる。結果としての正に帯電した粒子は、第二の加速経路51を通って、高電圧電極37から外側電極39まで戻って更に加速される。ここで、正の多価粒子(例えば、C
4+)が生成されるように、電荷変換を引き起こすこともできて、第二の加速経路51によって特に強力に加速されるようになる。
【0054】
タンデム加速器の一実施形態は、20MeVのエネルギーを用いて1mAの強度のプロトンビームを発生させる。このため、粒子の連続流が、H
−粒子源から第一の加速経路53内に導入されて、中心の+10MVの電極に向けて加速される。粒子は、炭素の電荷ストリッパ(剥ぎ取り体)に当たり、その結果として、両方の電子がプロトンから取り除かれる。従って、グライナッヘルカスケードの負荷電流は、粒子ビームの電流の二倍の大きさである。
【0055】
プロトンは、第二の加速経路53を通って加速器から出て来ながら、更に10MeVのエネルギーを得る。
【0056】
このようなタイプの加速では、加速器は、N=50のレベル、つまり全部で100個のダイオード及びキャパシタを備えた10MVの高電圧源を提供することができる。r=0.05mの内半径及び20MV/mの誘電強度の真空絶縁の場合、外半径は0.55mである。従って、各半球内には、隣接する球殻間の1cmの間隔で50個の中間空間が存在する。
【0057】
より少ない数のレベルは、充電サイクルの数及び、有効内部源インピーダンスを減少させるが、ポンプチャージ電圧に対する要求を上げる。
【0058】
赤道上のギャップに配置されたダイオードは、二つの半球スタックを相互接続し、例えば、螺旋状のパターンに配置され得る。式(3.4)によると、全キャパシタンスは74pFとなり得て、蓄えられるエネルギーは3.7kJとなり得る。2mAのチャージ電流は、略100kHzの動作周波数を要する。
【0059】
炭素膜が電荷剥ぎ取りに用いられる場合、t≒15…30μg/cm
2の膜厚の膜を使用することができる。この厚さは、粒子透過性と、電荷剥ぎ取りの有効性との間の良好な両立を表す。
【0060】
炭素ストリッパ膜の寿命を、T
foil=k
foil×(UA)/(Z
2I)を用いて見積もることができる。ここで、Iはビーム電流であり、Aはビームのスポット面積であり、Uは粒子エネルギーであり、Zは粒子質量である。蒸着膜は、k
foil≒1.1C/Vm
2の値を有する。
【0061】
炭素膜は、グロー放電を用いたエチレンの分解によって生成され、k
foil≒(0.44t−0.60)C/Vm
2の厚さに依存した寿命定数を有する。ここで、厚さは、μg/cm
2単位で表される。
【0062】
1cmのビーム直径及び1mAのビーム電流強度の場合、10…50日の寿命が予想される。より長い寿命は、有効照射表面を増大させることによって達成可能であり、例えば、回転するディスク又は線形のテープ構造の膜を走査することによって行われる。
【0063】
図4は、中空シリンダー状の電極33、37、39が互いに同心状に配置されている電極の形状を示す。ギャップが、電極スタックを二つの別々のキャパシタ鎖に分けて、これらは、
図2のものと同様の構成のスイッチングデバイスによって接続可能である。
【0064】
図5は、
図2に示される高電圧源の発展を示し、電極39、37、33の間隔が、中心に向けて減少している。後述のように、このような実施形態の結果として、中心に向けてのポンプAC電圧(外側電極39に印加される)の減少を補償することができて、実質的に同一の場の強度が、隣接する電極対の間において保たれるようになる。この結果として、加速チャネル51に沿った大幅に一定な場の強度を得ることができる。
【0065】
電極間隔の減少は、
図3及び
図4に示されるような実施形態にも適用可能である。
【0066】
図6は、スイッチングデバイスのダイオードの実施形態を示す。同心状に配置された半球殻状の電極39、37、33のみが、明確性のために図示されている。
【0067】
この場合、ダイオードは、カソード65と、その反対側のアノード67とを備えた電子管63として示されている。スイッチングデバイスが真空絶縁内に配置されているので、電子を作動させるのに必要な電子管の真空フラスコを、免除することができる。カソードは、熱電子エミッタ(例えば赤道上のギャップを介する放射加熱を有する)として、又はフォトカソードとして構成可能である。後者は、各ダイオードにおいて、露出(例えばレーザ放射による)を調整することによって電流を制御することができる。これによって、チャージ電流を制御することができ、従って、間接的に高電圧を制御することができる。
【0068】
以下、高電圧源の構成要素、粒子加速器に関するより詳細な説明を与える。
【0069】
[球状キャパシタ]
その構成は、高電圧電極を加速器の内部に配置し、同心状接地電極を加速器の外側に配置する
図1に示される原理に従う。
【0070】
内半径r及び外半径Rの球状キャパシタは、
【数1】
によって与えられるキャパシタンスを有する。
【0071】
半径ρにおける電場強度は、
【数2】
によって与えられる。
【0072】
この電場強度は、半径に対する二次依存性を有するので、内側電極に向けて強力に増大していく。内側電極表面ρ=rにおいて、最大値
【数3】
が得られる。これは、誘電強度の観点からは不利である。
【0073】
一様な電場を有する仮想的な球状キャパシタは以下のキャパシタンスを有する:
【数4】
【0074】
グライナッヘルカスケードのキャパシタの電極が、中間電極としてカスケード加速器内に明確な電位において挿入されていることの結果として、電場強度分布は、半径に対して線形にフィッティングされる。何故ならば、薄壁の中空球体に対して、電場強度は、最小の最大電場強度を有する平坦な場合
【数5】
と略等しいからである。
【0075】
二つの隣接する中間電極間のキャパシタンスは、
【数6】
によって与えられる。
【0076】
半球電極、及び、等しい電極間隔d=(R−r)/Nは、r
k=r+kd、及び、以下の電極キャパシタンスを与える:
【数7】
【0077】
[整流器]
最近のソフトなアバランシェ半導体ダイオードは非常に低い寄生キャパシタンスを有し、また、短い回復時間を有する。直列接続は、電位を平衡にするためのレジスタを必要としない。動作周波数は、二つのグライナッヘルキャパシタスタックの相対的に小さな内側電極キャパシタンスを用いるために、比較的高く選択可能である。
【0078】
グライナッヘルカスケードを充電するためのポンプ電圧の場合、U
in≒100kV、つまり70kV
effの電圧を使用することができる。ダイオードは、200kVの電圧に耐えられなくてはならない。これは、ダイオードの鎖を低い許容範囲で使用することによって達成可能である。例えば、十個の20kVダイオードが使用可能である。例えば、ダイオードは、PhilipsのBY724ダイオード、EDALのBR757‐200Aダイオード、又はFujiのESJA5320Aダイオードであり得る。
【0079】
高速の逆回復時間(例えば、BY724に対してt
rr≒100ns)は損失を最少化する。2.5mm×12.5mmのBY724ダイオードの寸法は、後述の球状タンデム加速器に対して、単一の赤道面に、スイッチングデバイス用の1000個のダイオード全てを収容することを可能にする。
【0080】
固体ダイオードに代えて、電子放出が整流に用いられる電子管を使用することもできる。ダイオードの鎖を、電子管の多数の電極(互いにメッシュ状に配置されている)によって形成することができ、これら多数の電極は半球殻に接続される。各電極は、一方ではカソードとして機能して、他方ではアノードとして機能する。
【0081】
[個別キャパシタスタック]
基本的なコンセプトは、連続して同心状に配置された電極を赤道面上において切断することである。結果としての二つの電極スタックがカスケードキャパシタを構成する。必要なのは、切断面にわたって、ダイオードの鎖を反対側の電極に接続することだけである。整流器は、連続的に配置された電極の電位差を略2U
inに自動的に安定化させることに留意されたい(一定の電極間隔として)。駆動電圧は、二つの外側半球の間に印加される。
【0082】
〈理想キャパシタンス分布〉
回路が
図3のキャパシタのみを含む場合、定常動作は、動作周波数f、キャパシタC
0を介する負荷において全波毎に電荷
【数8】
を与える。従って、キャパシタ対C
2k及びC
2k+1の各々は、電荷(k+1)Qを伝える。
【0083】
電荷ポンプは、発生器‐源のインピーダンス
【数9】
を表す。
【0084】
結果として、負荷電流I
outが、
【数10】
としてDC出力電圧を低下させる。
【0085】
負荷電流は、
【数11】
のピーク間の値で、DC出力において残留ACリップルを生じさせる。
【0086】
全てのキャパシタが等しい場合(C
k=C)、有効源インピーダンスは、
【数12】
であり、ACリップルのピーク間の値は
【数13】
となる。
【0087】
整流器内の所定の全エネルギー貯蔵に対して、キャパシタンスの不同は、低電圧部に好ましい同一のキャパシタの従来の選択と比較して、R
GとR
Rの値を僅かに低下させる。
【0088】
図7は、ポンプサイクルの数に対してプロットしたN=50個の同心状半球の充電していなかったカスケードの充電を示す。
【0089】
〈漏れキャパシタンス〉
二つのコラム間の電荷交換は、例えば、ダイオードD
jによる漏れキャパシタンスc
j及び逆回復電荷損失q
jの結果として、乗算回路の効率を低下させる(
図1を参照)。
【0090】
ピーク駆動電圧Uの正及び負の極値におけるキャパシタの電圧Uk
±に対する基本方程式は、ダイオードの順電圧降下を無視して、添え字2N−2までは:
【数14】
であり、また
【数15】
である。
【0091】
この体系を用いると、DC出力電圧の平均振幅は、
【数16】
である。
【0092】
DC電圧におけるリップルのピーク間値は、
【数17】
である。
【0093】
ダイオードD
iに平行な漏れキャパシタンスc
iに対して、変数に対する基本方程式は、u
−1=0、U
2N=2Uであり、方程式の三重対角システムは、
【数18】
である。
【0094】
〈逆回復電荷〉
区切られたダイオードの有限逆回復時間t
rrは
【数19】
の電荷消失を生じさせ、ここで、η=ft
rrであり、Q
Dは、順方向の全波毎の電荷である。そうすると、式(3.22)は以下のようになる:
【数20】
【0095】
[連続的キャパシタスタック]
〈容量性伝送線〉
グライナッヘルカスケードでは、整流ダイオードが、実質的にAC電圧を受けて、DC電圧に変換し、高DC出力電力まで蓄積する。AC電圧は、二つのキャパシタコラムによって高電圧電極に通されて、整流電流と、二つのコラムの間の漏れキャパシタンスとによって減衰される。
【0096】
大きな数Nのレベルに対して、この離散的な構造を、連続的な伝送線構造と近似することができる。
【0097】
AC電圧に対して、キャパシタの設計は、長さ指定インピーダンス
【数21】
の縦方向インピーダンスを構成する。二つのコラム間の漏れキャパシタンスは、長さ指定シャントアドミッタンス
【数22】
を導入する。整流ダイオードの電圧スタッキングは、追加の特定電流負荷
【数23】
を生じさせて、これは、DC負荷電流I
outと、伝送線に沿ったタップの密度に比例する。
【0098】
コラム間のAC電圧U(x)及びAC直軸電流I(x)に対する基本方程式は
【数24】
である。
【0099】
一般方程式は、拡張電信方程式である:
【数25】
【0100】
一般的に、DC出力におけるピーク間リップルは、伝送線の両端におけるAC電圧振幅の差に等しい
【数26】
【0101】
二つの境界条件が、この二次の微分方程式の一意の解に必要とされる。
【0102】
境界条件の一つは、U(x
0)=U
inであり得て、二つのコラムのDC低電圧端の間のAC駆動電圧によって与えられる。他の自然な境界条件は、DC高電圧端x=x
1におけるAC電流を決める。コラム間の集中末端ACインピーダンスZ
1に対する境界条件は以下の通りである:
【数27】
【0103】
無負荷状態Z
1=∞では、境界条件はU’(x
1)=0である。
【0104】
〈一定の電極間隔〉
一定の電極間隔tに対して、特定負荷電流は
【数28】
であり、AC電圧の分布は、
【数29】
によって規定される。
【0105】
そして、平均DC出力電圧は
【数30】
であり、DC電圧のDCピーク間リップルは
【数31】
である。
【0106】
〈最適な電極間隔〉
最適な電極間隔は、計画的DC負荷電流の場合に一定のDC電場強度2Eを保証する。伝送線に沿った特定AC負荷電流は、位置に応じて、
【数32】
となる。
【0107】
AC電圧は、
【数33】
から得られる。
【0108】
電極間隔は、局所的なAC電圧振幅から得られる t(x)=U(x)/E。
【0109】
計画的DC負荷電流の場合のDC出力電圧はU
out=2Edである。負荷の低下は常に、電極間の電圧を増大させるので、負荷のほとんど又は全く無い動作は、整流コラムの許容E及び最大の負荷容量を超え得る。従って、無負荷動作に対して設計を最適化することが推奨され得る。
【0110】
計画的DC負荷電流に対する構成におけるものとは異なる所定の電極分布に対して、伝送線に沿ったAC電圧、従ってDC出力電圧は式(3.27)によって規定される。
【0111】
〈線形カスケード〉
幅w、高さh、コラム間の間隔sの平坦な電極を有する線形カスケードの場合、伝送線インピーダンスは
【数34】
である。
【0112】
〈線形カスケード‐一定の電極間隔〉
非一様な電信方程式は
【数35】
である。
【0113】
x=0からx=d=Ntまで延伸してU
in=U(0)で動作する線と、γ
2=2/(h×s)の伝播定数を仮定すると、解は
【数36】
となる。
【0114】
ダイオードが実質的に、AC電圧をタップして、整流して、伝送線に沿って蓄積する。従って、平均DC出力電圧は、
【数37】
であり、又は明示的に、
【数38】
である。
【0115】
γdでの三次までの級数展開で
【数39】
及び
【数40】
が得られる。
【0116】
負荷電流依存性効果は式(3.12)及び(3.13)に対応する。
【0117】
〈線形カスケード‐最適な電極間隔〉
この場合、基本方程式は
【数41】
である。
【0118】
この微分方程式は閉じた解析解を有さないように考えられる。U’(0)=0を満たす陰的解は
【数42】
である。
【0119】
〈放射状カスケード〉
図4に示されるように半径に依存しない高さhと、コラム間の軸方向ギャップsとを有する同心状のシリンダー電極のスタックを仮定すると、半径指定インピーダンスは
【数43】
である。
【0120】
〈放射状カスケード‐一定の電極間隔〉
等間隔の半径方向電極間隔t=(R−r)/Nに対して、基本方程式
【数44】
は、一般解
【数45】
を有し、γ
2=2/(h×s)である。K
0及びI
0は、ゼロ次の変形ベッセル関数であり、L
0は、ゼロ次の変形シュトルーベ関数である。
【0121】
内半径rにおけるU’(r)=0と、外半径RにおけるU(R)=U
inの境界条件は、二つの定数
【数46】
を決定し、
【数47】
となる。
【0122】
K
1及びI
1は変形ベッセル関数であり、L
1は変形シュトルーベ関数L
1=L’
0−2/πであり、全て一次である。
【0123】
DC出力電圧は
【数48】
である。
【0124】
〈放射状カスケード‐最適な電極間隔〉
最適な局所的電極間隔はt(ρ)=U(ρ)/Eであり、基本方程式は
【数49】
となる。
【0125】
この微分方程式は閉じた解析解を有さないように考えられるが、数値的に解くことができる。
【0126】
[電極の形状]
〈等電位面〉
小型機器は、破壊電場強度を最大にすることを要する。一般的に、小さな曲率の平滑な面がキャパシタ電極用に選択されることが望ましい。粗い近似として、破壊電場強度Eは、電極間隔の逆平方根とスケーリングして、小さな電圧差を有する多数の密集した等電位面が、大きな電圧差を有する少数の大きな距離よりも好ましい。
【0127】
〈最小電場の電極の縁〉
等間隔及び線形な電圧分布を有する実質的に平坦な電極設計に対して、最適な縁の形状は、キルヒホッフ型(以下を参照)として知られていて、
【数50】
であり、パラメータ
【数51】
に依存する。電極の形状は
図8に示されている。電極は、1に正規化された距離を有し、縁から最大の距離において漸近的厚さ1−Aを有し、縁は、端面において、高さ
【数52】
を有する垂直な縁へと先細(テーパ状)になっている。
【0128】
パラメータ0<A<1は、電極の存在の結果としての逆電場オーバーシュートも表す。電極の厚さは、顕著な電場の歪みを導入せずに、任意の小ささとなり得る。
【0129】
(例えばビーム経路に沿った開口における)負の曲率は、電場の振幅を更に低下させる。
【0130】
この肯定的な結果は、電極が既に存在している電場において局所的な干渉しか生じさせない点からも突き止めることができるものである。
【0131】
自立高電圧電極に対する最適な形状は、ロゴスキー(Rogowski)型及びボルダ(Borda)型であり、歪んでいな電場強度の二倍の電場振幅においてピーク値を有する。
【0132】
[駆動電圧発生器]
駆動電圧発生器は高周波において高AC電圧を提供しなければならない。通常の手順は、高度に絶縁された出力変換器によって平均AC電圧を増幅することである。
【0133】
干渉内部共振(不可避な巻き線キャパシタンス及び漏れインダクタンスによって生じる)は、このような変換器の設計を困難なものにする。
【0134】
電荷ポンプが、この代替案となり得て、つまり、周期的に動作する半導体マルクス(Marx)発生器である。このような回路は、接地と単極性の高電圧との間を交互する出力電圧を供給し、キャパシタ鎖の第一のキャパシタを効率的に充電する。
【0135】
[真空中の誘電強度]
〈d
−0.5則〉
d≒10
−3m以上の電極間隔に対して、破壊電圧が間隔の平方根に略比例することについては多数の指摘(最終的な説明ではない)が存在する。従って、破壊電場は、電極の物質に依存して(下記を参照)、Aが一定で
【数53】
としてスケーリングする。現状で利用可能な電極表面の物質は、E≒20MV/mの電場に対してd≦10
−2mの電極間隔を要すると考えられる。
【0136】
〈表面物質〉
真空中の電極間のフラッシュオーバーは、物質表面に大きく依存する。CLICの研究結果(非特許文献1)は以下の破壊係数を示している。
【0138】
〈電極面積に対する依存性〉
電極の面積が破壊電場強度に対して実質的な影響を有することが指摘されている。従って、
【数54】
が、銅の電極表面及び2×10
−2mmの電極間隔に当てはまる。以下の式は、10
−3mの間隔を有するステンレス鋼製の平坦な電極に当てはまる:
【数55】
【0139】
〈静電場の形状〉
〈誘電利用率〉
一様電場が最大の電圧を許容することが一般的に受け入れられている。シュバイガー(Schwaiger)の誘電利用率係数ηは、電場の非一様性の結果としての局所的な電場のオーバーシュートの逆数として定義され、つまり、同じ参照電圧及び距離を考慮した場合の、理想的に平坦な電極の構成における電場と、その幾何学的形状のピーク表面電場の比である。
【0140】
これは、電場の振幅に対する誘電利用を表す。小さな距離d<6×10
−3mに対して、非一様な電場は、破壊電圧を増大させると考えられる。
【0141】
〈電極表面の曲率〉
電場の非一様性の最大は、電極表面において生じ、電極形状に関係する基準は、平均曲率H=(k1+k2)/2である。
【0142】
大きな面積に対して局所的な平均曲率を消滅させる理想を満たす表面は複数存在する。例えば、H=0のカテナリー回転表面が挙げられる。
【0143】
ηやH等の純粋に幾何学的な基準は、実際の破壊挙動に対する近似を表すことしかできない。局所的な電場の非一様性は、破壊限界に対して非局所的な影響を有し、全般的な電場強度を改善し得る。
【0144】
〈一定電場の電極表面〉
図8は、垂直電場に対するA=0.6の場合のキルヒホッフ電極の縁を示す。電極スタック内の電場の増大は、
【数56】
である。端面は平坦である。
【0145】
電極表面は、流動液体の自由表面に類似した電場の等電位線を表す。電圧フリーの電極は、流れ場線に従う。複素空間座標z=x+iyのあらゆる解析関数w(z)は、ポアソン方程式を満たす。自由流れ領域に対する境界条件は、可能な関数wの(共役)導関数vの一定の大きさに等しい
【数57】
【0146】
流速
【数58】
又はホドグラフ面に対するあらゆる可能な関数
【数59】
は、面のz写像を生じさせる
【数60】
【0147】
一般性を失わずに、電極表面に対する導関数の大きさを1に正規化することができて、高さDEを、AFと比較したAとして示すことができる(
図6を参照)。
【数61】
平面では、曲線CDは、単位円上の弧i→1に対して写像する。
【0148】
図8では、点A及びFが1/Aに対応し、Bが原点に対応し、Cがiに対応し、D及びEが1に対応する。完全な流れパターンは、単位円の第一像限内に写像される。流線のソースは1/Aであり、シンクは1である。
【0149】
単位円及び虚軸上の二つの鏡映はこの流れパターンを、複素
【数62】
平面全体に拡張する。従って、ポテンシャル関数wは、
【数63】
位置 + A、−A、1/A、−1/Aにおける四つのソースと、±1における強度2の二つのシンクによって定義される
【数64】
【0150】
その導関数は、
【数65】
であり、
【数66】
となる。
【0151】
自由境界CDにおいて、流速は
【数67】
であり、従って、
【数68】
であり、また、
【数69】
であり、点Cにおいて、z
0=ibである。解析的な積分は式(3.54)を与える。