(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記打設工程において、前記養生シートの一部が前記コーンに沿って内側に折り込まれた状態でコンクリートの打設を行うことを特徴とする、請求項2に記載のコンクリート構造物の製造方法。
前記型枠設置工程において、鉄筋と前記型枠との間隔を調整するためのスペーサが設置され、前記スペーサの端部が前記型枠の内面に配置された前記養生シートに接続していることを特徴とする、請求項1に記載のコンクリート構造物の製造方法。
前記スペーサの端部には磁石が埋設されており、前記スペーサの端部と前記養生シートとが磁力によって接続していることを特徴とする請求項4に記載のコンクリート構造物の製造方法。
前記打設工程において、前記養生シートの外側に配置されたシートストッパーに接続された保持ピンが前記養生シートを貫いて内側に突出した状態でコンクリートの打設を行うことを特徴とする、請求項1に記載のコンクリート構造物の製造方法。
前記打設工程において、前記養生シートより内側に配置されたアンカーと前記養生シートの外側に沿って配置された長尺の保持板とがボルト止めされた状態でコンクリートの打設を行うことを特徴とする、請求項1に記載のコンクリート構造物の製造方法。
前記脱型工程の後、前記養生シートに一体化された剛性線材のうち前記養生シートから突出した余長部分を引っ張ることにより、前記コンクリートから前記養生シートを剥がす撤去工程を更に備えることを特徴とする、請求項1〜9のうち何れか一項に記載のコンクリート構造物の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、セメントの水和反応に必要とされる水は、セメント重量の約40%であり、約25%がセメントと化学的に結合し、15%はゲル水としてセメントなどに吸着されているとされている。一方、一般的なコンクリートの水セメント比は40〜55%程度であり、コンクリート自身は、セメントの水和反応に最低限必要な水量を当初から有しているといえる。しかしながら、上述したように、セメントの当初の硬化段階では、ブリージング水の発生を低減するため余剰水をできるだけ外部に排出する必要がある一方、セメントの水和反応が進む段階では、別途、養生水を供給する必要があり、所定の圧縮強度や耐久性を発現するには、水を必要以上に使用せざるを得なかった。
【0006】
そこで、本発明は、水を有効に活用して所定品質のコンクリート構造物を製造することができるコンクリート構造物の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意研究を重ねる過程で、セメントの水和反応に必要とされる最低限の水をコンクリートが当初から有しており、ブリージング水の発生を抑制しつつコンクリートを硬化させることができれば、型枠脱型後もコンクリート内に水和反応に必要な量の水を残存させることができる点に着目した。本発明者らは、更に検討を進め、コンクリート打設時にコンクリート表面を覆うように
非穿孔の養生シートを型枠の内側に配置し、養生シートをコンクリート側に保持させることでブリージング水の発生を効果的に抑制できるとの知見を得た。
【0008】
そこで、本発明に係るコンクリート構造物の製造方法は、コンクリート打設用の型枠を設置する型枠設置工程と、型枠の内面に
非穿孔の養生シートが配置された状態でコンクリートの打設を行う打設工程と、コンクリートの打設後に型枠を脱型する脱型工程と、を備え、
養生シートのコンクリート側の接触面の水との接触角が50度以上であり、型枠の脱型後に、養生シートは
保持手段によりコンクリート側に保持されていることを特徴とする。
【0009】
本発明に係るコンクリート構造物の製造方法では、型枠の内面に
非穿孔の養生シートが配置された状態でコンクリートの打設が行われ、コンクリートが硬化して型枠を脱型する際に養生シートはコンクリート側に保持される。このため、打設後にコンクリートが硬化する際、コンクリートを覆う養生シートにより、脱型前においてコンクリート内の空気が表面に集まることが抑制されるため、コンクリート表面の気泡(あばた)の発生を押さえることができる。更に、型枠の内面に
非穿孔の養生シートが配置されることで、従来のように型枠にコンクリートが付着しないため、剥離剤を型枠内面に塗布する必要がなく、剥離剤によるコンクリート表面の汚れやシミの発生も抑制可能である。しかも、この製造方法によれば、脱型後に養生シートが
保持手段によりコンクリート側に保持されているので、ブリージング水の発生を抑制しかつコンクリート面が乾燥に曝されることがないため効果的な養生を行うことができ、十分な強度、耐久性、水密性などを有するコンクリート構造物を製造することができる。
更に、養生シートのコンクリート側の接触面の水との接触角が50度以上であり、この養生シートを打設時に用いることにより、打設後にコンクリートが硬化する際、通常発生するブリージング水の発生を効果的に抑制することができる。このようにブリージング水の発生が抑制されるのは、コンクリート表面を覆っている養生シートのシート面(接触面)の接触角(濡れ角とも言う)が大きいと、コンクリート内に含まれていてその表面から外に出ようとする水や当該水中に存在する空気がシート接触面においてコンクリート内部に押し戻される作用が働き、その結果、水及びその内部の空気がコンクリート内に残存したまま硬化が進むためと考えられる。そして、本発明によれば、このようにしてブリージング水の発生が抑制されるため、脱型後の水和反応に必要な水をコンクリートが含有していることになり、コンクリート養生の際に外部から養生水を供給することなく又は養生水をそれほど用いることなく、所定の圧縮強度や耐久性などの品質を発現できるコンクリート構造物を製造することができる。
【0010】
また、本発明に係るコンクリート構造物の製造方法では、型枠設置工程において、端部側にコーンが取り付けられたセパレータを、コーンが型枠の内面に配置された養生シートに突き当たるように設置し、脱型工程の後、コーンを外した後にコンクリートに残る穴を塞ぐ埋込体とコンクリートの間に養生シートの一部を挟み込むことで養生シートを保持してもよい。
この場合、埋込体とコンクリートの間に養生シートの一部を挟み込むことにより、養生シートを適切に保持することができる。しかも、この方法によれば、養生シートの保持のために新たな部材を設けることや、接着材などを使用する必要がなく、コスト的にも有利である。
【0011】
更に、本発明に係るコンクリート構造物の製造方法では、打設工程において、養生シートの一部がコーンに沿って内側に折り込まれた状態でコンクリートの打設を行ってもよい。
この場合、養生シートの一部が内側に折り込まれた状態でコンクリートの打設が行われるので、折り込まれた部分がコンクリートの硬化によりコンクリート側に付着し、養生シートを保持することができる。これにより、脱型時にコーンを引き抜く際に、養生シートがコンクリートから剥がれ落ちることが避けられ、その後に埋込体によって適切に保持することでそのまま養生を行うことができる。
【0012】
また、本発明に係るコンクリート構造物の製造方法では、型枠設置工程において、鉄筋と型枠との間隔を調整するためのスペーサが設置され、スペーサの端部を型枠の内面に配置された養生シートに接続してもよい。
この場合、スペーサの端部が接着剤や粘着剤などにより養生シートと接続されるので、脱型時などにも養生シートが剥がれ落ちることなく適切に保持することができる。
【0013】
また、本発明に係るコンクリート構造物の製造方法では、打設工程において、養生シートの外側に配置されたシートストッパーに接続された保持ピンが養生シートを貫いて内側に突出した状態でコンクリートの打設を行ってもよい。
この場合、保持ピンが養生シートの内側に突出した状態でコンクリートの打設が行われるので、コンクリートの硬化によって保持ピンはコンクリート側に固定され、シートストッパーにより養生シートを押さえて適切に保持することができる。
【0014】
また、本発明に係るコンクリート構造物の製造方法では、打設工程において、養生シートより内側に配置されたアンカーと養生シートの外側に沿って配置された長尺の保持板とがボルト止めされた状態でコンクリートの打設を行ってもよい。
この場合、養生シートの外側に沿って配置された長尺の保持板がアンカーに対してボルト止めされているので、打設されたコンクリートの硬化によってアンカーがコンクリート側に固定されることで、保持板により養生シートを適切に保持することができる。
【0015】
また、本発明に係るコンクリート構造物の製造方法では、打設工程において、養生シートの内側に磁石が配置された状態でコンクリートの打設を行い、養生シートは、磁石と引き合う強磁性体又は磁石が養生シートの外側に配置されることで保持されてもよい。
この場合、打設されたコンクリートの硬化によって磁石がコンクリート側に固定されるので、養生シートの外側に磁石又は強磁性体が配置されることで養生シートを適切に保持することができる。
【0016】
或いは、本発明に係るコンクリート構造物の製造方法では、打設工程において、養生シートの内側に磁石が配置された状態でコンクリートの打設を行い、養生シートは強磁性体を含有していてもよい。
この場合、打設されたコンクリートの硬化によって磁石がコンクリート側に固定されるので、養生シートが磁力によってコンクリート側の磁石に引き付けられ、養生シートを適切に保持することができる。
【0017】
また、本発明に係るコンクリート構造物の製造方法では、脱型工程の後、養生シートに一体化された剛性線材のうち養生シートから突出した余長部分を引っ張ることにより、コンクリートから養生シートを剥がす撤去工程を更に備えてもよい。
この場合、剛性線材の余長部分を引っ張ることによってコンクリート側に保持された養生シートを容易に剥がすことができ、撤去作業を効率化させることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るコンクリート構造物の製造方法によれば、水を有効に活用して所定品質のコンクリート構造物を製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
[第1の実施形態]
第1の実施形態に係るコンクリートの製造方法では、まず、
図1に示されるように、コンクリート打設用の型枠10、鉄筋11、間隔保持材12(コーン14及びセパレータ16を含む)、フォームタイ(登録商標)13、及び養生シート15などを所定の位置に設置する型枠設置工程を行う。養生シート15は、型枠10の内面(つまり打設されるコンクリート側の面)に予め配置されている。なお、型枠10を設置してから、養生シート15を型枠10の内面に配置してもよい。
【0023】
養生シート15の材料としては、例えば、ポリプロピレン、ナイロン、ナイロン6、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体、エチレン・四フッ化エチレン共重合体、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリオレフィンなどの高分子化合物を用いることができる。養生期間を長くとるためにそのままコンクリート表面に貼り付ける点を考慮すると、汎用されていて費用が比較的安いポリプロピレンやポリエチレンテレフタラート、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニルから構成される養生シートが好ましい。また、養生シート15の厚みは、0.05mm以上であることが好ましく、例えば0.05mm〜2mm程度である。
【0024】
養生シート15は、例えば、粘着性の両面テープ、水の表面張力、グリースなどを利用して型枠10の内面に貼り付けることができる。第1の実施形態の場合には、
図1に示されるように、コーン14と型枠10との間に一部が挟み込まれることによっても養生シート15が保持される。
【0025】
セパレータ16は、コンクリート打設時における型枠10のはらみを防止するため所定の間隔で設けられており、端部が養生シート15及び型枠10を貫通して外側に突出している。型枠10の外側にはセパレータ16を把持して型枠10のはらみ変形を押さえるためのフォームタイ13が設けられている。フォームタイ13は、型枠10に沿って配置された一対のパイプを保持している。
【0026】
間隔保持材12は、セパレータ16と、円錐台形状をなす樹脂製のコーン14と、を有している。セパレータ16の端部には雄ネジが形成されており、コーン14の内部の雌ネジと螺合して互いに固定されている。また、コーン14には、セパレータ棒材部16を延長するように棒部分が設けられており、この棒部分が養生シート15及び型枠10を貫いて外側に突出している。また、外側に突出する棒部分の先端には、雄ネジが形成されており、この雄ネジにフォームタイ13のナット部が螺合する。
【0027】
なお、間隔保持材12は、樹脂製のコーン14に代えて、金属その他の素材からなるコーンを備えていてもよい。また、コーン14は、必ずしも円錐台形状(コーン形状)である必要はなく、セパレータ棒材部16の幅方向に拡張して型枠10に面接触できる形状であればよい。
【0028】
図2は、養生シート15に設けられたセパレータ用穴15aを示す図である。
図2に示されるように、セパレータ16が貫通するセパレータ用穴15aの上側部分15bには、放射状に複数の切れ目Sが入っており、それぞれの部分をめくり上げることができるように形成されている。また、セパレータ用穴15aの下側部分15cには切り取り線Hが半円状に形成されている。
【0029】
図1に示されるように、このセパレータ用穴15aの上側部分15bは、コーン14の上に乗るようにめくり上げられており、これによって養生シート15の一部が内側(打設されるコンクリート側)に折り込まれた状態とされている。セパレータ用穴15aの下側部分15cは、コーン14と型枠10との間に挟み込まれている。
【0030】
図3は、第1の実施形態に係る打設工程を説明するための図である。
図3に示されるように、型枠10などが所定の位置に設置されると、コンクリートCを型枠10内に流し込むコンクリートの打設工程が行われる。この打設工程では、養生シート15の上側部分15bが内側に折り込まれた状態でコンクリートが打設される。
【0031】
コンクリートの打設が終了すると、続いて、バイブレータ等を用いて締固めを行う。これにより、型枠10内の隅々まで十分にコンクリートCが流れこむようになる。従来であれば、コンクリート打設後に、コンクリート内部に含まれる空気の泡やブリージング水が表面に浮かび上がってくるが、本実施形態では養生シート15をコンクリートCとの接触部分に設けているため、空気の泡やブリージング水の発生が抑制される。コンクリートの締固めが終了すると、型枠10をはめたまま、コンクリートCの湿潤養生を例えば7日〜28日程度行い、コンクリートCを硬化させる。
【0032】
ここで、コンクリートCは、養生シート15の上側部分15bが内側に折り込まれた状態で打設されたため、コンクリートCの硬化により、養生シート15の上側部分15bは、コーン14とコンクリートCに挟まれた状態となる。また、養生シート15の上側部分15bは、コーン14側の面を除いて周囲がコンクリートCに囲まれた状態となる。このため、コンクリートCの硬化によって上側部分15bはコンクリートC側に張り付いた状態となり、養生シート15がコンクリートCから容易に剥がれ落ちることを避けられる。なお、養生シート15の内面に剥離剤を塗布する場合であっても、上側部分15bには剥離剤を塗布しないことが望ましい。
【0033】
図4は、第1の実施形態に係る脱型工程を説明するための図である。
図4に示されるように、コンクリートCの凝結がある程度進み硬化したら、型枠10を脱型する脱型工程を行う。脱型の際には、間隔保持材12のコーン14もコンクリートCから取り除かれる。コーン14を取り外した跡には穴17が形成され、穴17の底部にセパレータ16の端部が露出する。このとき、養生シート15の上側部分15bはコンクリートCに張り付いているため、コーン14を取り外す際に養生シート15が剥がれ落ちることが避けられる。なお、養生シート15の下側部分15cは、コーン14を取り外す際に切り取ってもよく、型枠10とコーン14の間から引き出して残してもよい。引き出す場合には、
図2の上側部分15bのような切り目Sを設けると作業が容易になる。ここでは、
図4に示されるように下側部分15cを残した場合について説明する。
【0034】
図5は、第1の実施形態に係る埋め込み工程を説明するための図である。
図5に示されるように、型枠10を脱型した後、円錐台形状のモルタル製コーン(埋込体)18を穴17に埋め込む埋め込み工程を行う。このとき、養生シート15の下側部分15cが残っている場合には、下側部分15cを穴17の内側に折り込んだ状態でモルタル製コーン18を埋め込む。モルタル製コーン18は、内部に埋設された爪部がセパレータ棒材部16の雄ネジを把持することで固定される。これにより、養生シート15の上側部分15b及び下側部分15cがモルタル製コーン18とコンクリートCによって挟み込まれ、コンクリートC側への養生シート15の保持を達成することができる。
【0035】
なお、穴17を埋めるための埋込体としては、モルタル製に限られず、その他適切な材料を用いることができる。また、埋込体は、円錐台形状(コーン形状)に限られず、穴17に応じた形状であればよい。
【0036】
続いて、コンクリートCの表面に残置された養生シート15を用いて、コンクリート構造物を養生する養生工程を行う。この養生では、既に型枠10が取り除かれており、養生シート15をコンクリート表面に残置させるだけで、特別な設備を用いることなくそのまま長期に養生を続けることができる。例えば、型枠10の脱型後30日以上養生を続けてもよいし、型枠10の脱型後90日以上養生を続けてもよい。更に、コンクリート構造物の引き渡しに至るまで(例えば脱型後1年以上)養生を続けてももちろんよい。このような長期の養生を続けられることにより、コンクリート構造物の強度や耐久性を飛躍的に高めることができる。なお、本実施形態の製造方法では、ブリージング水の発生を抑制しているため、コンクリートC内に水和反応を促進するための水が十分に含まれていることになり、養生工程の際、養生に用いる養生水を別途供給しなくてもよいか、あるいは、従来に比べて、はるかに少ない養生水を供給する程度でよい。
【0037】
その後、所定の養生期間が終了すると、コンクリートCの表面から養生シート15を剥がす撤去工程を行う。このとき、モルタル製コーン18とコンクリートCとの間に挟まれている上側部分15b及び下側部分15cは切り取られ、コンクリートC側に残される。必要があればコンクリートC側に残った養生シート15の切れ端を表面から取り除く処理を行う。このようにしてコンクリート構造物が完成する。
【0038】
以上説明した第1の実施形態によるコンクリート構造体の製造方法によれば、モルタル製コーン18とコンクリートCの間に養生シート15の上側部分15b及び下側部分15cを挟み込むことにより、コンクリートC側で養生シート15を適切に保持することができる。しかも、この方法によれば、養生シート15の保持のために新たな部材を設けたり接着材などを使用する必要がなく、コスト的にも有利である。
【0039】
更に、この製造方法では、打設工程において、養生シート15の上側部分15bがコーン14に沿って内側に折り込まれた状態でコンクリートCの打設を行うので、コンクリートCの硬化によって上側部分15bがコンクリートC側に付着し、養生シート15が剥がれ落ちることを抑制することができる。これにより、脱型時にコーン14を取り外す際に、養生シート15がコンクリートCから剥がれることが避けられるので、養生シート15をそのまま残し、モルタル製コーン18により適切に保持することができる。この場合、脱型時において養生シート15をコンクリートCから剥がすことなく、養生工程に入ることができるので、ブリージング水の発生を抑制して効果的な養生を行うことができ、十分な強度、耐久性、水密性などを有するコンクリート構造物を製造することができる。
【0040】
また、この製造方法によれば、型枠10の内面に養生シート15が配置された状態でコンクリートCの打設が行われ、コンクリートCが硬化して型枠10を脱型する際に養生シート15はコンクリートC側に保持される。このため、脱型前においてコンクリートC内の空気が表面に集まることが抑制されるため、コンクリート表面の気泡(あばた)の発生を押さえることができる。更に、型枠の内面に養生シートが配置されることで、従来のように型枠にコンクリートCが付着しないため、剥離剤を型枠内面に塗布する必要がなく、剥離剤によるコンクリート表面の汚れやシミの発生も抑制可能である。
【0041】
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係るコンクリートの製造方法では、スペーサを利用した養生シートの保持について説明する。
図6は、第2の実施形態に係る型枠設置工程を説明するための図である。
【0042】
図6に示されるように、第2の実施形態に係るコンクリートの製造方法では、まず、型枠20、鉄筋21、スペーサ22、及び養生シート23などを所定の位置に設置する型枠設置工程を行う。スペーサ22は、鉄筋21と型枠20との間隔を一定に保持するための部材である。スペーサ22は、鉄筋21に連結される固定部22aと、型枠20の内面に配置された養生シート23に接続する接続部22bと、を有している。
【0043】
スペーサ22と養生シート23の接続方法は特に限定されない。例えば、スペーサ22の接続部22bは、接着剤や固化しない粘着剤により養生シート23に接続してもよい。また、設置作業の時間差などを考慮して遅延硬化型接着剤を用いることもできる。更に、スペーサ22の接続部22bと養生シート23とを磁力によって接続してもよい。互いに引き合う磁石を配置してもよく、養生シート23に磁力を生じる粉体などを練り込んでもよい。また、型枠20に磁石を配置することでスペーサ22の磁石との間で養生シート23を挟み込んで保持してもよい。
【0044】
ここで、
図7を参照して三種類のスペーサを例示する。
図7(a)は、円錐状のスペーサを示す斜視図である。
図7(a)に示すスペーサ22は、円錐形状を有するコンクリート製の部材である。スペーサ22は、その先端側が接続部22b、反対側が固定部22aとなっている。
【0045】
図7(b)は、車輪形状のスペーサを示す斜視図である。
図7(b)に示すスペーサ24は、車輪形状を有する樹脂製の部材であり、車輪形状の一部に中央に向かう切り込み部24aが形成されている。スペーサ24は、切り込み部24aの中に鉄筋21を挟み込むことによって固定され、外周の何れかの端部が養生シート23に接続される。
【0046】
図7(c)は、略三角板状ブロックのスペーサを示す斜視図である。
図7(c)に示すスペーサ25は、略三角板状ブロックのコンクリート製の部材である。スペーサ25は、三角形の一端が先端となり養生シート23に接続され、その反対側に鉄筋21を挟み込む金属製の固定部25aが設けられている。以上、スペーサについて説明したが、
図7に示すスペーサは一例であり、本発明に利用できるスペーサは上述したものに限られない。
【0047】
図8(a)は、第2の実施形態に係る打設工程を説明するための図である。型枠設置工程の後、
図8(a)に示されるように、コンクリートCを型枠20内に流し込む打設工程を行う。打設工程において、スペーサ22は、養生シート23に接続したままコンクリートC内に埋め込まれる。
【0048】
図8(b)は、第2の実施形態に係る脱型工程を説明するための図である。コンクリートの打設及び締固めが終了し、湿潤養生の期間が経過すると、
図8(b)に示されるように、型枠20を脱型する脱型工程を行う。型枠20を脱型しても、養生シート23はスペーサ22と接続されているため剥がれ落ちない。
【0049】
その後、所定の養生期間が終了すると、コンクリートCの表面から養生シート23を剥がす撤去工程を行う。このとき、養生シート23はスペーサ22から引き剥がされる。これによりコンクリート構造物が完成する。
【0050】
以上説明した第2の実施形態に係るコンクリートの製造方法によれば、スペーサ22の接続部22bが養生シート23と接続されるので、脱型時などにも養生シート23が剥がれ落ちることなく適切に保持することができる。このため、脱型時に養生シート23が剥がれてコンクリート表面の乾燥が生じることが避けられ、コンクリート構造物の耐久性や外観を良好にすることができる。さらに、スペーサ22先端の接続部22bにあらかじめ磁石を埋め込んでスペーサを作製しておき、この磁石がコンクリート構造物に埋設されることで、型枠脱型後にコンクリート表面から磁石もしくは鉄などの磁性体で養生シート23を固定することも可能となる。
【0051】
[第3の実施形態]
第3の実施形態に係るコンクリートの製造方法では、保持ピンを利用した養生シートの保持について説明する。
図9は、第3の実施形態に係る型枠30及び養生シート31を説明するための斜視図である。
図9に示されるように、型枠30には、後述する保持ピン32を差し込むためのピン穴30aが所定間隔で形成されている。この型枠30の内面に養生シート31が配置されている。養生シート31は、例えばグリスや水、接着剤、粘着剤などにより型枠30の内面に貼り付けられる。
【0052】
図10(a)は、保持ピン32を示す背面図である。
図10(b)は保持ピン32を示す側面図である。
図10(a)及び
図10(b)に示されるように、保持ピン32は、円板状のシートストッパー33と、シートストッパー33の中心から突出するピン本体34と、を有する樹脂製の部材である。保持ピン32は、エポキシ樹脂などの高分子化合物製とすることができる。シートストッパー33の後面には、プラスドライバーを差し込むための十字溝33aが形成されている。また、ピン本体34の先端には返し34aが設けられている。
【0053】
図11(a)は、第3の実施形態に係る打設工程を説明するための図である。
図11(a)に示されるように、第3の実施形態に係るコンクリートの製造方法において、シートストッパー33が養生シート31の外側(型枠30側)に配置され、ピン本体34が養生シート31の内側(打設されるコンクリートC側)に配置された状態でコンクリートを打設する打設工程が行われる。保持ピン32は、内面に養生シート31が配置された型枠30のピン穴30aから差し込まれ、ピン本体34が養生シート31を貫くことで養生シート31に取り付けられる。コンクリートCの硬化によって保持ピン32のピン本体34がコンクリートC側に固定される。
【0054】
なお、保持ピン32の大きさは、例えば長さ10mm程度、ピン本体34の直径は1mm程度にすることができる。また、シートストッパー33の大きさは直径2〜5mm程度にすることができる。
【0055】
図11(b)は、第3の実施形態に係る脱型工程を説明するための図である。コンクリートの打設及び締固めが終了し、湿潤養生の期間が経過すると、
図11(b)に示されるように、型枠30を脱型する脱型工程を行う。型枠30を脱型しても、養生シート31は保持ピン32によってコンクリートC側に保持されているため、剥がれ落ちない。
【0056】
図11(c)は、第3の実施形態に係る撤去工程を説明するための図である。所定の養生期間が終了すると、
図11(c)に示されるように、コンクリートCの表面から養生シート31を剥がす撤去工程を行う。撤去工程において、保持ピン32のシートストッパー33がピン本体34から切り取られる。例えば、シートストッパー33の後面に形成された十字溝33aにドライバーを差し込んでねじ切ることにより、ピン本体34から切り取られる。これにより、養生シート31がコンクリートCの表面から剥がされ、コンクリート構造物が完成する。
【0057】
以上説明した第3の実施形態に係るコンクリート構造物の製造方法によれば、保持ピン32が養生シート31の内側に突出した状態でコンクリートCの打設が行われるので、コンクリートCの硬化によって保持ピン32のピン本体34はコンクリートC側に固定されるため、コンクリートCとシートストッパー33の間に挟まれた養生シート31を適切に保持することができる。
【0058】
[第4の実施形態]
第4の実施形態に係るコンクリート構造物の製造方法では、アンカー及び長尺の保持板を利用した養生シートの保持について説明する。
図12は、第4の実施形態に係る養生シートの保持状態を説明するための図である。
図13は、第4の実施形態に係る養生シートの保持状態を説明するための断面図である。
【0059】
図12及び
図13に示されるように、第4の実施形態に係るコンクリート構造物はトンネルTであり、その内面に養生シート41が配置されている。養生シート41は、長尺の保持板42によって内側から保持されている。
図12にトンネルTの出入り口D及び路面Rを示す。
【0060】
長尺の保持板42は、トンネルTの内面を幅方向に覆う長さを有する樹脂製の板部材であり、養生シート41を支えるために十分な強度を有している。保持板42としては、例えば、優れた形状保持性や強度、剛性を有する機能性ポリオレフィン樹脂を採用することができる。保持板42の厚みは例えば2mmである。
【0061】
図13に示されるように、長尺の保持板42は、トンネルTを構成するコンクリートC内に埋め込まれたアンカー43に対してボルト44によって固定されている。長尺の保持板42は、養生シート41の外側(下側)に沿って配置され、複数のアンカー43及びボルト44によってコンクリートC側に固定されている。
【0062】
ここで、
図14(a)は、第4の実施形態に係る打設工程を説明するための図である。第4の実施形態に係るコンクリートの製造方法では、セントルである面板(型枠)40の上面(内面)に養生シート41が予め配置される。
【0063】
また、養生シート41の上側にアンカー43が配置され、養生シート41の下側に保持板42が配置された状態で面板40の下側から取り付けボルト45がゴム46を介してアンカー43内の雌ネジに螺合される。なお、面板40、養生シート41、及び保持板42には、取り付けボルト45が挿通される穴が予め形成されている。この状態で、
図14(a)に示されるようにコンクリートCの打設を行う。コンクリートCが硬化すると、アンカー43はコンクリートC内に固定される。
【0064】
図14(b)は、第4の実施形態に係るボルト取り付け工程を説明するための図である。コンクリートの打設及び締固めが終了し、湿潤養生の期間が経過した後、第4の実施形態では、
図14(b)に示されるようにアンカー43に取り付けられていた取り付けボルト45を外して、面板40の穴より小径のボルト44をアンカー43に取り付けるボルト取り付け工程を行う。ボルト44は、例えば六角ボルトであり、ワッシャ47を介して養生シート41及び保持板42をアンカー43に対して固定している。
【0065】
図14(c)は、第4の実施形態に係る脱型工程を説明するための図である。ボルト取り付け工程の後、面板40を脱型する脱型工程を行う。面板40を脱型しても、養生シート41はアンカー43及びボルト44に挟まれた保持板42によって保持されているため剥がれ落ちない。
【0066】
その後、所定の養生期間が終了すると、ボルト44をアンカー43から外して保持板42を取り外すことにより、養生シート41をトンネルTのコンクリートCの表面から剥がす撤去工程を行う。これにより、コンクリート構造物としてのトンネルTが完成する。
【0067】
以上説明した第4の実施形態に係るコンクリート構造物の製造方法によれば、養生シート41の外側に沿って配置された保持板42がアンカー43に対してボルト止めされているので、打設されたコンクリートCの硬化によってアンカー43がコンクリートC側に固定されることで、保持板42により養生シート41を適切に保持することができる。
【0068】
[第5の実施形態]
第5の実施形態に係るコンクリート構造物の製造方法では、コンクリート内に埋め込まれた磁石を利用した養生シートの保持について説明する。
図15は、第5の実施形態に係る養生シートの保持状態を説明するための図である。
図16は、第5の実施形態に係る養生シートの保持状態を説明するための断面図である。
【0069】
図15及び
図16に示されるように、第5の実施形態に係るコンクリート構造物はトンネルTであり、その内面に養生シート51が配置されている。養生シート51は、コンクリートC内に埋め込まれた第1の磁石52と養生シート15の外側に配置された第2の磁石53によって内側から保持されている。
【0070】
図17は、第5の実施形態に係る打設工程を説明するための図である。第5の実施形態に係るコンクリート構造物の製造方法では、セントルである面板(型枠)50の上面(内面)に養生シート51が予め配置されると共に、養生シート51及び面板50を挟み込むように上側の第1の磁石52と下側の第2の磁石53が配置される。この状態で、
図17に示されるようにコンクリートCを打設する打設工程を行う。
【0071】
コンクリートの打設及び締固めが終了し、湿潤養生の期間が経過した後、下側の第2の磁石53を取り外して面板50を脱型する脱型工程を行う。面板50の脱型後、再び第2の磁石53によって養生シート51をコンクリートC側に保持する。なお、面板50に第2の磁石53が通り抜けできる大きさの貫通穴を設け、第2の磁石53を外すことなく、脱型可能としてもよい。
【0072】
その後、所定の養生期間が終了すると、第2の磁石53を外すことで、養生シート51をコンクリートCの表面から剥がす撤去工程を行う。これにより、コンクリート構造物としてのトンネルTが完成する。
【0073】
なお、第1の磁石52と第2の磁石53は、一方が磁石であれば他方は鉄などの強磁性体であってもよい。コンクリートC内に配置される側は、錆びない磁石であることが好ましい。
【0074】
以上説明した第5の実施形態に係るコンクリート構造物の製造方法によれば、打設されたコンクリートCの硬化によって第1の磁石52がコンクリートC側に固定されるので、養生シート51の外側に第2の磁石53が配置されることで養生シート51を適切に保持することができる。
【0075】
また、第5の実施形態に係るコンクリート構造物の製造方法において、養生シート51に強磁性体の鉄粉を混ぜ込むなどして、養生シート51自体が第1の磁石52と磁力で引き合う構成であってもよい。この場合、養生シート51が磁力によってコンクリートC側の第1の磁石52に引き付けられ、養生シート51を適切に保持することができる。なお、この場合には必ずしも養生シート51の外側に第2の磁石53や強磁性体を配置する必要はない。
【0076】
[第6の実施形態]
第6の実施形態に係るコンクリート構造物の製造方法では、ピアノ線(剛性線材)を利用した養生シートの保持及び撤去について説明する。
図18は、第6の実施形態に係る養生シートの保持状態を説明するための図である。
図19(a)は、第6の実施形態に係る養生シートの保持状態を説明するための断面図である。
図19(b)は、ピアノ線と養生シートの固定状態を説明するための断面図である。
図19(a)と
図19(b)は、水平方向で90°異なる方向から見た断面図を示している。
【0077】
図18、
図19(a)、及び
図19(b)に示されるように、第5の実施形態に係るコンクリート構造物はトンネルTであり、その内面に養生シート61が配置されている。養生シート61にはピアノ線62が一体化されている。本実施形態では、ピアノ線62は、養生シート61の下側(外側)に配置されている。ピアノ線62の直径は、例えば0.08mmである。
【0078】
ピアノ線62は、養生シート61に埋め込まれていてもよく、縫合されていてもよい。また、ピアノ線62は、養生シート61に接着されていてもよい。また、養生シート61及びピアノ線62が予め一体化したものを準備してもよく、現場で養生シート61とピアノ線62とを接着などにより一体化させてもよい。
【0079】
養生シート61は、ピアノ線62がトンネルTの幅方向に沿って延在するように配置される。このピアノ線62は、十分な弾性を有しており、トンネルTの内面に沿って曲げられることで、その戻り弾性により養生シート61をトンネルTの内面に張り付ける。これにより、養生シート61をコンクリートC側に保持することができる。また、セントルの脱型時には、ピアノ線62を覆工側に引っ張ることで剥がれないような機構とすることができる。
【0080】
更に、このピアノ線62は、
図18に示されるように、養生シート61から突き出る余長部分を有しており、余長部分はトンネルTの路面Rまで延びている。
【0081】
なお、養生シート61と一体化させる剛性線材は、必ずしもピアノ線62である必要はなく、十分な剛性を有する素材であればよい。また、養生シート61の保持の観点から適切な弾性を有していることが好ましい。このような剛性線材としては、例えば、優れた形状保持性や強度、剛性を有する機能性ポリオレフィン樹脂を採用することができる。また、余長部分は必ずしも路面Rにまで延びる長さを有する必要はなく、扱いやすい長さがあればよい。
【0082】
以上説明した第6の実施形態に係るコンクリート構造物の製造方法によれば、ピアノ線62が養生シート61と一体化されており、ピアノ線62が余長部分を有するので、養生シート61をコンクリートCから剥がす撤去工程において、ピアノ線62の余長部分を引っ張ることにより容易に養生シート61を剥がすことができ、撤去作業を効率化させることができる。
【0083】
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、各実施形態における養生シートとして、養生シートのコンクリート側の接触面の水との接触角が50度以上であるものを採用してもよい。具体的には、養生シートの接触面の水との接触角θが69度以上であることが好ましく、接触角θが80度以上であることが更に好ましく、接触角θが90度以上であることがより一層好ましい。
【0084】
ここで、「接触角θ」とは、
図20の(a)に示されるように、液滴の接線と固体表面(シート表面)とのなす角度であり、以下の式(1)で示される。
【数1】
γS:固体の表面張力
γL:液体の表面張力
γSL:固体と液体の界面張力
【0085】
そして、「接触角θ」は、例えば、θ/2法で測定することができる。具体的には、
図20の(b)に示されるように、液滴の半径rと高さhを求める。そして、以下の式(2)、(3)から、接触角θを求めることができる。
【数2】
【数3】
【0086】
このように、水との接触角が50度以上の養生シートを打設時に用いることにより、打設後にコンクリートが硬化する際、通常発生するブリージング水の発生を効果的に抑制することができる。このようにブリージング水の発生が抑制されるのは、コンクリート表面を覆っている養生シートのシート面(接触面)の接触角(濡れ角とも言う)が大きいと、コンクリート内に含まれていてその表面から外に出ようとする水や当該水中に存在する空気がシート接触面においてコンクリート内部に押し戻される作用が働き、その結果、水及びその内部の空気がコンクリート内に残存したまま硬化が進むためと考えられる。そして、本発明によれば、このようにしてブリージング水の発生が抑制されるため、脱型後の水和反応に必要な水をコンクリートが含有していることになり、コンクリート養生の際に外部から養生水を供給することなく又は養生水をそれほど用いることなく、所定の圧縮強度や耐久性などの品質を発現できるコンクリート構造物を製造することができる。
【0087】
また、養生シートは、シートの水蒸気透過性の小さいものを用いることが好ましく、シートの水蒸気透過性が10g/m
2・24h以下であることが好ましく、シートの水蒸気透過性が5g/m
2・24h以下であることがより一層好ましい。また、養生シートは、シートの二酸化炭素透過性の小さいものを用いることが好ましく、シートの二酸化炭素透過性が10万cc/m
2・24h・atm以下であることが好ましく、シートの二酸化炭素透過性が5万cc/m
2・24h・atm以下であることがより一層好ましい。素材の表面を各種表面加工技術によって加工することで、水蒸気透過性又は二酸化炭素透過性を小さくしたシートを作製することができる。
【0088】
その他、第4〜第6の実施形態においては、コンクリート構造物がトンネルである場合について説明したが、トンネル以外のコンクリート構造体に対しても適用可能である。