特許第5698308号(P5698308)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5698308
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20150319BHJP
【FI】
   A63F5/04 512D
【請求項の数】4
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2013-122715(P2013-122715)
(22)【出願日】2013年6月11日
(65)【公開番号】特開2014-239732(P2014-239732A)
(43)【公開日】2014年12月25日
【審査請求日】2013年6月11日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501016847
【氏名又は名称】KPE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129643
【弁理士】
【氏名又は名称】皆川 祐一
(72)【発明者】
【氏名】硲 俊文
【審査官】 高木 亨
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−052085(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体の消費によって1回のゲームが開始され、始動操作手段の操作に応答して、すべての図柄表示手段による図柄の変動表示が開始され、前記図柄表示手段の個々に対応して設けられた停止操作手段の操作による入力に応答して、当該操作された前記停止操作手段に対応する前記図柄表示手段による図柄の変動表示が停止され、当該図柄表示手段に図柄が停止表示される遊技機において、
メイン制御手段と、
サブ制御手段とを備え、
前記メイン制御手段と前記サブ制御手段とは、前記メイン制御手段から前記サブ制御手段への一方向の通信が可能に接続されており、
前記メイン制御手段は、前記図柄表示手段による図柄の変動表示の開始後、前記停止操作手段の操作に応答した変動表示の停止制御を実行する停止制御処理と、前記停止制御処理の実行後、役の入賞/非入賞を判定する判定処理と、前記判定処理により第1の押し順に対応した役の入賞が判定された場合に前記メイン制御手段により実行される所定の処理の実行の第1の前提となる条件が成立したことに応答して、その条件が成立した旨を前記サブ制御手段に通知する条件成立通知処理とを実行し、
前記サブ制御手段の状態として、アシストタイムを実行中の状態と前記アシストタイムを実行していない状態とがあり、
前記サブ制御手段は、前記条件成立通知処理による通知を前記メイン制御手段から受けたことに応答して、前記アシストタイムを実行していない状態である場合は、前記第1の押し順での前記停止操作手段の操作を指示する第1の報知処理を実行し、前記アシストタイムを実行中の状態である場合は、前記第1の押し順と異なる第2の押し順での前記停止操作手段の操作を指示する第2の報知処理を実行し、
前記メイン制御手段は、前記条件成立通知処理による通知後に、前記第1の押し順で前記停止操作手段が操作されて、前記判定処理により前記第1の押し順に対応した役の入賞が判定された場合は、前記サブ制御手段が前記アシストタイムを実行していない状態でのみ実行される前記所定の処理を実行し、前記第2の押し順で前記停止操作手段が操作されて、前記判定処理により前記第1の押し順に対応した役の非入賞が判定された場合は、前記所定の処理を実行しないことを特徴とする、遊技機。
【請求項2】
前記メイン制御手段は、前記条件成立通知処理による通知後に、前記第1の押し順で前記停止操作手段が操作された場合は、前記停止制御処理により、前記図柄表示手段の個々に停止表示される図柄が第1の特定態様をなすように前記図柄表示手段による図柄の変動表示を停止させるとともに、前記所定の処理を実行し、前記第2の押し順で前記停止操作手段が操作された場合は、前記停止制御処理により、前記図柄表示手段の個々に停止表示される図柄が第2の特定態様をなすように前記図柄表示手段による図柄の変動表示を停止させるとともに、前記所定の処理を実行しないことを特徴とする、請求項に記載の遊技機。
【請求項3】
前記メイン制御手段は、前記条件成立通知処理による通知後に、前記第1の押し順で前記停止操作手段が操作された場合は、前記所定の処理として、外部への信号の送信を外部集中端子板に指示する送信指示処理を実行し、前記第2の押し順で前記停止操作手段が操作された場合は、前記所定の処理としての前記送信指示処理を実行しないことを特徴とする、請求項1または2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記メイン制御手段は、前記条件成立通知処理による通知後に、前記第1の押し順で前記停止操作手段が操作された場合は、前記所定の処理として、遊技者による入力に応じた処理をスキップするための所定期間のウェイト処理を実行するとともに、前記サブ制御手段に前記サブ制御手段が前記所定期間に対応する期間に実行する演出のための処理の実行の契機となる第2の通知を行い、前記第2の押し順で前記停止操作手段が操作された場合は、前記所定の処理としての前記ウェイト処理および前記第2の通知を実行せず、
前記サブ制御手段は、前記メイン制御手段から前記第2の通知を受けたことに応答して、前記所定期間に対応する期間に演出のための処理を実行することを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシンなどの遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンでは、メダルのベット操作(メダルの投入またはベットボタンの操作)後に、スタートレバーが操作されると、左リール、中リールおよび右リールが回転し始める。左リール、中リールおよび右リールの回転により、リール窓内に、左リール、中リールおよび右リールの各周面に配列された図柄が変動表示される。また、スタートレバーの操作を契機として、複数の役を抽選対象とする内部抽選が行われる。左ストップボタン、中ストップボタンおよび右ストップボタンが押操作されると、それぞれ左リール、中リールおよび右リールが停止する。左リール、中リールおよび右リールが停止した時点で、リール窓内に停止表示された図柄が内部抽選で当選した役に対応づけられた態様をなすと、その役に応じた処理が行われる。以上がスロットマシンの1ゲームである。
【0003】
最近の主流のスロットマシンは、AT(アシストタイム)を有している。AT中は、内部抽選で押し順役に当選した場合に、左ストップボタン、中ストップボタンおよび右ストップボタンの正解押し順が報知される。左ストップボタン、中ストップボタンおよび右ストップボタンが正解押し順で押操作されると、100%の確率で、リール窓内に停止表示される図柄が押し順役に対応づけられた態様をなし、押し順役に取りこぼしなく入賞する。
【0004】
また、ATを有する機種において、遊技状態が通常状態と内部抽選でのリプレイ役の当選確率が通常状態よりも高いRT(リプレイタイム)状態とに移行するものがある。内部抽選でリプレイ役に当選し、リール窓内に停止表示される図柄がリプレイ役に対応づけられた態様をなすと、ベット操作なしで次の1ゲームの実行が許可される。この機種では、内部抽選を実行するメイン基板とは別のサブ基板で実行されるAT抽選に当選した後、内部抽選で特定の押し順役に当選すると、その特定の押し順役の正解押し順が報知される。この報知に従って、左ストップボタン、中ストップボタンおよび右ストップボタンが正解押し順で押操作されると、特定の押し順役に入賞し、遊技状態がRT状態となる。また、特定の押し順役に入賞したことがメイン基板からサブ基板に通知されて、ATが開始される。その結果、ART(アシストリプレイタイム)ボーナスが開始される。
【0005】
ARTボーナスが開始されると、メイン基板から外部集中端子板にボーナス信号の送信が指示される。外部集中端子板には、たとえば、スロットマシンに対応づけて設けられているデータカウンタが接続されている。メイン基板からの指示に応答して、外部集中端子板からデータカウンタにボーナス信号が送信されると、データカウンタに表示されているボーナス突入回数が1だけ増加した数に更新される。
【0006】
ARTボーナス中に、正解押し順の報知がなされているにもかかわらず、左ストップボタン、中ストップボタンおよび右ストップボタンが正解押し順以外の押し順で押されると、AT継続中のまま、遊技状態がRT状態から通常状態に移行する。そして、RT状態から通常状態に移行した後、特定の押し順役に再び入賞すると、遊技状態がRT状態に戻り、ART状態に復帰する。
【0007】
この場合、最初にARTボーナスが開始されたときに、外部集中端子板からボーナス信号が出力され、また、ART状態に復帰したときに、外部集中端子板からボーナス信号が再び出力される。そのため、ARTボーナスに突入した実質的な回数が1回であるにもかかわらず、外部集中端子板からボーナス信号が2回送信されてしまう。その結果、データカウンタにARTボーナスに突入した実際の回数よりも多い回数が表示されるという不都合が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2012−183129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このような不都合が生じるのは、メイン基板からサブ基板への一方向のみの通信が可能であるため、メイン基板では、サブ基板の状態を把握することができず、ARTボーナスが開始されたのか復帰されたのかを判断できないからである。
【0010】
そこで、本発明の目的は、メイン制御手段からサブ制御手段への一方向のみの通信が可能である構成において、サブ制御手段の状態に応じて、メイン制御手段により、所定の処理を正確に実行できる、遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以下、本発明について説明する。なお、発明の理解を容易にするため、添付図面の参照符号等を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が表示の形態に限定されるものではない。
【0012】
前記の目的を達成するため、本発明に係る遊技機(1)は、遊技媒体の消費によって1回のゲームが開始され、始動操作手段(15)の操作に応答して、すべての図柄表示手段(4L,4C,4R)による図柄の変動表示が開始され、図柄表示手段(4L,4C,4R)の個々に対応して設けられた停止操作手段(16L,16C,16R)の操作による入力に応答して、当該操作された停止操作手段(16L,16C,16R)に対応する図柄表示手段(4L,4C,4R)による図柄の変動表示が停止され、当該図柄表示手段(4L,4C,4R)に図柄が停止表示される遊技機(1)において、メイン制御手段(31)と、サブ制御手段(32)とを備え、メイン制御手段(31)とサブ制御手段(32)とは、メイン制御手段(31)からサブ制御手段(32)への一方向の通信が可能に接続されており、メイン制御手段(31)は、図柄表示手段(4L,4C,4R)による図柄の変動表示の開始後、停止操作手段(16L,16C,16R)の操作に応答した変動表示の停止制御を実行する停止制御処理と、停止制御処理の実行後、役の入賞/非入賞を判定する判定処理と、判定処理により第1の押し順に対応した役の入賞が判定された場合にメイン制御手段(31)により実行される所定の処理(S105,S117,S131,S147,S154)の実行の第1の前提となる条件が成立したことに応答して、その条件が成立した旨をサブ制御手段(32)に通知する条件成立通知処理(S101,S113,S145,S152)とを実行し、サブ制御手段(32)の状態として、アシストタイムを実行中の状態とアシストタイムを実行していない状態とがあり、サブ制御手段(32)は、条件成立通知処理(S101,S113,S145,S152)による通知をメイン制御手段(31)から受けたことに応答して、アシストタイムを実行していない状態である場合は、第1の押し順での停止操作手段(16L,16C,16R)の操作を指示する第1の報知処理(S203,S209,S243,S246)を実行し、アシストタイムを実行中の状態である場合は、第1の押し順と異なる第2の押し順での停止操作手段(16L,16C,16R)の操作を指示する第2の報知処理(S204,S210,S244,S247)を実行し、メイン制御手段(31)は、条件成立通知処理(S101,S113,S145,S152)による通知後に、第1の押し順で停止操作手段(16L,16C,16R)が操作されて、判定処理により第1の押し順に対応した役の入賞が判定された場合は、サブ制御手段(32)がアシストタイムを実行していない状態でのみ実行される所定の処理(S105,S117,S131,S147,S154)を実行し、第2の押し順で停止操作手段(16L,16C,16R)が操作されて、判定処理により第1の押し順に対応した役の非入賞が判定された場合は、所定の処理(S105,S117,S131,S147,S154)を実行しないことを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、所定の処理(S105,S117,S131,S147,S154)の実行の第1の前提となる条件が成立したことに応答して、メイン制御手段(31)により、条件成立通知処理(S101,S113,S145,S152)が実行されて、その条件が成立した旨がサブ制御手段(32)に通知される。この通知に応答して、サブ制御手段(32)の状態が所定の処理(S105,S117,S131,S147,S154)の実行の第2の前提となる条件が成立している状態、つまりアシストタイムを実行していない状態である場合は、サブ制御手段(32)により、第1の押し順での停止操作手段(16L,16C,16R)の操作を指示する第1の報知処理(S203,S209,S243,S246)が実行される。一方、サブ制御手段(32)の状態が第2の前提となる条件が成立していない状態、つまりアシストタイムを実行中の状態である場合は、サブ制御手段(32)により、第1の押し順と異なる第2の押し順での停止操作手段(16L,16C,16R)の操作を指示する第2の報知処理(S204,S210,S244,S247)が実行される。そして、第1の押し順で停止操作手段(16L,16C,16R)が操作された場合は、メイン制御手段(31)により、第2の前提となる条件が成立している状態でのみ実行される所定の処理(S105,S117,S131,S147,S154)が実行され、第2の押し順で停止操作手段(16L,16C,16R)が操作された場合は、所定の処理(S105,S117,S131,S147,S154)が実行されない。これにより、メイン制御手段(31)からサブ制御手段(32)への一方向のみの通信が可能である構成において、サブ制御手段(32)の状態に応じて、つまりサブ制御手段(32)がアシストタイムを実行中の状態であるか否かに応じて、メイン制御手段(31)により、所定の処理(S105,S117,S131,S147,S154)を正確に実行することができる。
【0015】
メイン制御手段(31)は、条件成立通知処理(S101,S113)による通知後に、第1の押し順で停止操作手段(16L,16C,16R)が操作された場合は、停止制御処理により、図柄表示手段(4L,4C,4R)の個々に停止表示される図柄が第1の特定態様をなすように図柄表示手段(4L,4C,4R)による図柄の変動表示を停止させるとともに、所定の処理(S105,S117,S131)を実行し、第2の押し順で停止操作手段(16L,16C,16R)が操作された場合は、停止制御処理により、図柄表示手段(4L,4C,4R)の個々に停止表示される図柄が第2の特定態様をなすように図柄表示手段(4L,4C,4R)による図柄の変動表示を停止させるとともに、所定の処理(S105,S117,S131)を実行しない構成であってもよい。
【0016】
メイン制御手段(31)は、条件成立通知処理(S101,S113,S145,S152)による通知後に、第1の押し順で停止操作手段(16L,16C,16R)が操作された場合は、所定の処理として、外部への信号の送信を外部集中端子板(34)に指示する送信指示処理(S105,S117,S147,S154)を実行し、第2の押し順で停止操作手段(16L,16C,16R)が操作された場合は、所定の処理としての送信指示処理(S105,S117,S147,S154)を実行しない構成であってもよい。これにより、サブ制御手段(32)の状態に応じて、メイン制御手段(31)により、外部への信号の送信を指示する送信指示処理(S105,S117,S147,S154)を正確に実行することができる。
【0017】
メイン制御手段(31)は、条件成立通知処理(S101,S113)による通知後に、第1の押し順で停止操作手段(16L,16C,16R)が操作された場合は、所定の処理として、遊技者による入力に応じた処理をスキップするための所定期間のウェイト処理(S131)を実行するとともに、サブ制御手段(32)に前記サブ制御手段が前記所定期間に対応する期間に実行する演出のための処理の実行の契機となる第2の通知(S103,S115)を行い、第2の押し順で停止操作手段(16L,16C,16R)が操作された場合は、所定の処理としてのウェイト処理(S131)および第2の通知(S103,S115)を実行せず、サブ制御手段(32)は、メイン制御手段(31)から第2の通知を受けたことに応答して、所定期間に対応する期間に演出のための処理を実行する構成であってもよい。これにより、サブ制御手段(32)の状態に応じて、メイン制御手段(31)により、遊技者による入力に応じた処理をスキップするための所定期間のウェイト処理(S131)を正確に実行することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、メイン制御手段からサブ制御手段への一方向のみの通信が可能である構成において、サブ制御手段の状態に応じて、メイン制御手段により、所定の処理を正確に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態に係るスロットマシンの斜視図である。
図2】スロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。
図3A】ボーナス信号の送信のための処理の流れを示すフローチャート(その1)である。
図3B】ボーナス信号の送信のための処理の流れを示すフローチャート(その2)である。
図3C】ボーナス信号の送信のための処理の流れを示すフローチャート(その3)である。
図3D】ボーナス信号の送信のための処理の流れを示すフローチャート(その4)である。
図4図3A図3B図3Cおよび図3Dに示される処理の内容を示す図である。
図5】ウェイト処理のために追加される処理を示すフローチャートである。
図6A】ボーナス信号の送信のための他の処理の流れを示すフローチャート(その1)である。
図6B】ボーナス信号の送信のための他の処理の流れを示すフローチャート(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係るスロットマシン1の斜視図である。
【0022】
スロットマシン1は、前面が開放された箱型の本体2と、本体2の前面を開閉可能に設けられた前扉3とを備えている。
【0023】
本体2内には、上下方向の中央部より少し上方の位置に、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rが左右に並べて配置されている。左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rは、ドラム状のリール枠の周面にリール帯を巻着した構成を有しており、リール枠の中心で左右方向に延びる軸を中心に回転可能に設けられている。リール帯には、21個の図柄が周方向に並べて配列されている。
【0024】
前扉3には、表示部5、操作部6および演出表示部7が設けられている。
【0025】
表示部5は、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rと対向する位置に設けられている。表示部5の中央部には、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの周面の一部を視認可能にするためのリール窓8が設けられている。左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの回転中は、リール窓8内に、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの図柄が次々に現れる(図柄の変動表示)。左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rが停止すると、リール窓8内に、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rのそれぞれ3個の図柄、合計9個の図柄が表示される(図柄の停止表示)。
【0026】
リール窓8の下方には、クレジット数表示器9および払出枚数表示器10が左右に並べて配置されている。クレジット数表示器9および払出枚数表示器10は、たとえば、2桁の数字を表示可能な7セグメント表示器からなる。
【0027】
操作部6は、表示部5の下側に配置されている。操作部6には、メダル投入口11、MAXベットボタン12、1枚ベットボタン13、2枚ベットボタン14、スタートレバー15、左ストップボタン16L、中ストップボタン16C、右ストップボタン16Rおよび精算ボタン17が設けられている。
【0028】
メダル投入口11からメダルが投入されると、その投入されたメダルがゲームにベット(BET)される。1ゲームに対して、最大で3枚のメダルをベットすることができる。3枚のメダルがゲームにベットされている状態で、メダル投入口11からメダルが投入された場合、その投入されたメダルは、50枚を上限として、スロットマシン1にクレジットされる。スロットマシン1にクレジットされているメダルの枚数(クレジット数)は、クレジット数表示器9に表示される。
【0029】
3枚以上のメダルがスロットマシン1にクレジットされている状態で、MAXベットボタン12が押操作されると、そのクレジットされているメダルから3枚のメダルがゲームにベットされ、クレジット数が3だけ減る。そして、クレジット数表示器9に表示されているクレジット数が3だけ減算された数に更新される。
【0030】
1枚ベットボタン13が押操作されると、スロットマシン1にクレジットされているメダルから1枚のメダルがゲームにベットされ、クレジット数が1だけ減る。そして、クレジット数表示器9に表示されているクレジット数が1だけ減算された数に更新される。
【0031】
また、2枚ベットボタン14が押操作されると、スロットマシン1にクレジットされているメダルから2枚のメダルがゲームにベットされ、クレジット数が2だけ減る。クレジット数表示器9に表示されているクレジット数が2だけ減算された数に更新される。
【0032】
メダルがベットされると、1回のゲーム(1ゲーム)が開始となる。その後、スタートレバー15が操作されると、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rが回転し始める。左ストップボタン16L、中ストップボタン16C、右ストップボタン16Rは、それぞれ左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rに対応して設けられている。左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rが回転し始めた後、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが押操作されると、それぞれ左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの回転が停止する。
【0033】
左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rのすべてが停止した時点で、リール窓8内に停止表示された9個の図柄が所定の態様をなすと、所定枚数のメダルが払い出される。この払い出されるメダルの枚数は、払出枚数表示器10に表示される。また、小役の入賞に対して払い出されるメダルは、スロットマシン1に50枚を上限としてクレジットされ、50枚を超える分については、前扉3の最下部に設けられたメダル排出口18からメダルトレイ19に排出される。以上で、1ゲームが終了である。
【0034】
精算ボタン17が押操作されると、スロットマシン1で消費が保留されているメダル(メダル投入口11からの投入によってゲームにベットされたメダル、クレジットされているメダル)がメダル排出口18からメダルトレイ19に排出される。
【0035】
演出表示部7は、表示部5の上側に配置されている。演出表示部7には、ゲームの進行に合わせた演出画像などを表示するための液晶表示器20が設けられている。また、演出表示部7には、液晶表示器20の左側および右側に、ゲーム中の雰囲気を盛り上げるための効果音などを出力するスピーカ21が配置されている。
【0036】
前扉3には、操作部6とメダルトレイ19との間に、スロットマシン1の機種名などを表示する表示パネル22が装着されている。
【0037】
メダル排出口18の左側および右側には、スピーカ21とともに効果音などを出力するスピーカ23が配置されている。
【0038】
図2は、スロットマシン1の電気的構成を示すブロック図である。
【0039】
スロットマシン1は、ゲームの中枢的な制御を実行するメイン基板31と、ゲームに付随する演出のための制御を行う演出サブ基板32と、光と音による電飾のための制御を行う電飾サブ基板33とを備えている。
【0040】
メイン基板31には、CPU41、ROM42、RAM43、入出力ポート44、乱数生成回路45および信号送出回路46が備えられている。
【0041】
CPU41は、ROM42、RAM43、入出力ポート44、乱数生成回路45および信号送出回路46と接続されている。
【0042】
ROM42には、各種のプログラムが格納されている。各種のプログラムは、CPU41によって実行される。また、ROM42には、抽選テーブル47および停止制御テーブル48が格納されている。
【0043】
RAM43は、CPU41によるプログラムの実行時に、ワークエリアとして使用される。
【0044】
入出力ポート44には、クレジット数表示器9と、払出枚数表示器10と、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rをそれぞれ回転させるためのステッピングモータ51L,51C,51Rと、メダル投入口11から投入されるメダルを本体2内のメダル貯留部(図示せず)に貯留するかメダルトレイ19に排出するかを切り替えるためのメダルブロックソレノイド52と、メダル貯留部からメダル排出口18を通してメダルトレイ19にメダルを排出するメダル排出モータ53と、スロットマシン1に対応づけて設けられているデータカウンタ(図示せず)などに信号を送信する外部集中端子板34とが制御対象として接続されている。
【0045】
また、入出力ポート44には、MAXベットボタン12、1枚ベットボタン13、2枚ベットボタン14、スタートレバー15、左ストップボタン16L、中ストップボタン16C、右ストップボタン16R、精算ボタン17、リール位置検出センサ54L,54C,54R、メダル投入センサ55およびメダル排出センサ56が接続されている。
【0046】
MAXベットボタン12、1枚ベットボタン13、2枚ベットボタン14、スタートレバー15、左ストップボタン16L、中ストップボタン16C、右ストップボタン16Rおよび精算ボタン17が押操作されると、それらに内蔵されたスイッチ(図示せず)から操作信号が出力され、その操作信号が入出力ポート44を介してCPU41に入力される。
【0047】
左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rが1回転する度に、それぞれリール位置検出センサ54L,54C,54Rから検出信号が出力され、その検出信号が入出力ポート44を介してCPU41に入力される。
【0048】
メダル投入口11からメダルが1枚投入される度に、メダル投入センサ55から検出信号が出力され、その検出信号が入出力ポート44を介してCPU41に入力される。
【0049】
メダル排出モータ53によってメダルがメダルトレイ19に1枚排出される度に、メダル排出センサ56から検出信号が出力され、その検出信号が入出力ポート44を介してCPU41に入力される。
【0050】
CPU41は、メダル投入センサ55およびメダル排出センサ56の検出信号などに基づき、RAM43に設けられたカウンタを使用して、スロットマシン1に預けられているメダルの枚数(クレジット数)を計数している。そして、CPU41は、クレジット数表示器9を制御し、RAM43で計数されているクレジット数をクレジット数表示器9に表示させる。また、CPU41は、メダルブロックソレノイド52を制御して、クレジット数が50に達するまでは、メダル投入口11から投入されるメダルをメダル貯留部に貯留させ、クレジット数が50に達すると、メダル投入口11から投入されるメダルおよび後述する配当として払い出されるメダルをメダルトレイ19に排出させる。
【0051】
スタートレバー15が操作されると、CPU41は、ステッピングモータ51L,51C,51Rに駆動パルス信号を入力し、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの回転を開始させる。CPU41は、ステッピングモータ51L,51C,51Rのステップ数およびリール位置検出センサ54L,54C,54Rの検出信号に基づいて、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの回転位置を常に把握している。
【0052】
左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが押操作されると、CPU41は、停止制御テーブル48を参照し、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの回転位置に基づいて、ステッピングモータ51L,51C,51Rへの駆動パルス信号の出力を停止し、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの停止を制御する(リール停止制御)。
【0053】
リール停止制御では、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが押操作されてから、それぞれ左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rを所定の最大引込みコマ数(たとえば、4コマ)以下の範囲で回転させた後に、その回転を停止させることができる。
【0054】
また、スタートレバー15が操作されると、CPU41は、内部抽選を実行する。内部抽選での抽選対象の役には、通常リプレイ役、特殊リプレイ役(以下、「特リプ」という。)A、特リプBおよび押し順小役が含まれる。特リプA、特リプBおよび押し順小役には、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rの正解押し順が予め定められている。
【0055】
内部抽選では、CPU41は、スタートレバー15が操作されたタイミングで、乱数生成回路45から乱数値を取得する。乱数生成回路45は、発振器(図示せず)からのクロックパルスの出力に応答してカウントアップするインクリメントカウンタを含む構成であり、16ビットの乱数を発生させる。その一方で、CPU41は、ROM42に格納されている抽選テーブル47を参照する。抽選テーブル47では、1以上の役が対応付けられた抽選区分が複数設けられており、CPU41は、乱数生成回路45で発生する0〜65535の乱数が属する抽選区分に対応付けられた役を当選役として決定し、乱数がどの抽選区分にも属さない場合にはハズレとして決定する。このようにして、CPU41は、乱数生成回路45から取得した乱数値および抽選テーブル47に基づいて、内部抽選の当選役またはハズレを決定する。
【0056】
内部抽選で通常リプレイ役、特リプAおよび特リプBに同時当選し、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが特リプAの正解押し順で押操作されると、リール停止制御により、リール窓8内に停止表示された9個の図柄が特リプAに対応づけられた態様をなすように、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの停止が制御される。そして、リール窓8内に停止表示された9個の図柄が特リプAに対応づけられた態様をなすと、ベット操作なしで次の1ゲームの実行が許可される。
【0057】
なお、以下では、リール窓8内に停止表示された9個の図柄が特リプAに対応づけられた態様をなすことを「特リプAに入賞」と表現する。
【0058】
内部抽選で通常リプレイ役、特リプAおよび特リプBに同時当選し、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが特リプBの正解押し順で押操作されると、リール停止制御により、リール窓8内に停止表示された9個の図柄が特リプBに対応づけられた態様をなすように、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの停止が制御される。そして、リール窓8内に停止表示された9個の図柄が特リプBに対応づけられた態様をなすと、ベット操作なしで次の1ゲームの実行が許可される。
【0059】
なお、以下では、リール窓8内に停止表示された9個の図柄が特リプBに対応づけられた態様をなすことを「特リプBに入賞」と表現する。
【0060】
内部抽選で通常リプレイ役、特リプAおよび特リプBに同時当選し、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが特リプAおよび特リプBの正解押し順とは異なる押し順(不正解押し順)で押操作されると、リール停止制御により、リール窓8内に停止表示された9個の図柄が通常リプレイ役に対応づけられた態様をなすように、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの停止が制御される。そして、リール窓8内に停止表示された9個の図柄が通常リプレイ役に対応づけられた態様をなすと、ベット操作なしで次の1ゲームの実行が許可される。
【0061】
なお、以下では、リール窓8内に停止表示された9個の図柄が通常リプレイ役に対応づけられた態様をなすことを「通常リプレイ役に入賞」と表現する。
【0062】
内部抽選で押し順小役に当選し、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが押し順小役の正解押し順で押操作されると、リール窓8内に停止表示された9個の図柄が押し順小役に対応づけられた態様をなすように、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの停止が制御される。リール窓8内に停止表示された9個の図柄が押し順小役に対応づけられた態様をなすと、押し順小役に入賞となり、配当として、所定枚数のメダルが払い出される。この場合、CPU41は、払出枚数表示器10を制御して、その配当として払い出されるメダルの枚数を払出枚数表示器10に表示させる。
【0063】
内部抽選でいずれかの役に当選していなければ、リール停止制御により、各役に対応づけられた態様のいずれをもなさないように、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rの停止が制御される。
【0064】
また、CPU41は、信号送出回路46を介して、演出サブ基板32および電飾サブ基板33にコマンドおよび制御に必要な信号を送出する。
【0065】
演出サブ基板32には、CPU61、ROM62、RAM63、信号入力回路64および駆動回路65が備えられている。
【0066】
CPU61は、ROM62、RAM63、信号入力回路64および駆動回路65と接続されている。
【0067】
ROM62には、各種のプログラムが格納されている。各種のプログラムは、CPU61によって実行される。
【0068】
RAM63は、CPU61によるプログラムの実行時に、ワークエリアとして使用される。
【0069】
信号入力回路64には、メイン基板31の信号送出回路46からの信号が入力される。
【0070】
CPU61は、ROM62に格納されているプログラムを実行し、信号入力回路64から入力される信号に基づき、駆動回路65を介して、液晶表示器20の表示を制御する。
【0071】
電飾サブ基板33は、メイン基板31から送信されるコマンドに基づいて、左ストップボタン16L、中ストップボタン16C、右ストップボタン16Rなどに内蔵されたLED71の点灯を制御する。また、スピーカ21,23からの効果音の出力を制御する。
【0072】
図3A図3B図3Cおよび図3Dは、ボーナス信号の送信のための処理の流れを示すフローチャートである。図4は、図3A図3B図3Cおよび図3Dに示される処理の内容を示す図である。
【0073】
スロットマシン1は、AT(アシストタイム)を有している。そして、スロットマシン1では、演出サブ基板32の状態として、ATを実行中の状態(以下、「AT中」という。)と、ATを実行していない状態(以下、「非AT中」という。)とがある。また、遊技状態として、通常状態と、内部抽選でのリプレイ役の当選確率が通常状態よりも高いRT(リプレイタイム)状態とがある。なお、「通常状態」は、RT状態よりも内部抽選でのリプレイ役の当選確率が低い状態を総称し、内部抽選でリプレイ役に当選する確率が最も低い状態よりも高く、かつ、最も高いRT状態よりも低い状態が存在する場合、その状態も「通常状態」に含まれる。
【0074】
ATは、2つの条件が成立すると開始される。AT開始の条件の1つは、AT抽選の当選である(ステップS201)。各ゲームにおいて、スタートレバー15が操作されると、メイン基板31から演出サブ基板32にスタートレバー信号が送信される。演出サブ基板32がスタートレバー信号を受信すると、演出サブ基板32のCPU61は、AT抽選を実行する。AT抽選に当選すると、演出サブ基板32のCPU61は、RAM63に設定されているAT当選フラグに1をセットする。
【0075】
メイン基板31のCPU41は、内部抽選で通常リプレイ役、特リプAおよび特リプBに同時当選(以下、単に「特リプ当選」という。)すると、その特リプ当選したことを演出サブ基板32に通知する(ステップS101)。
【0076】
特リプ当選の通知を演出サブ基板32が受け取ると、演出サブ基板32のCPU61は、演出サブ基板32の状態がAT中であるか否かを判定する(ステップS202)。
【0077】
AT当選フラグに1がセットされており、かつ、非AT中である場合(ステップS202のNO)、演出サブ基板32のCPU61は、液晶表示器20および/またはスピーカ21,23を制御して、液晶表示器20における表示および/またはスピーカ21,23から出力される音声により、特リプAの正解押し順である押し順Aを報知する(ステップS203)。
【0078】
一方、すでにAT中である場合は(ステップS202のYES)、演出サブ基板32のCPU61は、液晶表示器20および/またはスピーカ21,23を制御して、液晶表示器20における表示および/またはスピーカ21,23から出力される音声により、特リプBの正解押し順である押し順Bを報知する(ステップS204)。このとき、非AT中であるので、押し順Bは報知されない。
【0079】
その後、メイン基板31のCPU41は、図3Bに示されるように、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが押操作されて、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rが停止すると、特リプAに入賞したか否かを判定する(ステップS102)。
【0080】
特リプAに入賞した場合(ステップS102のYES)、メイン基板31のCPU41は、特リプAに入賞したことを演出サブ基板32に通知する(ステップS103)。
【0081】
特リプAに入賞した通知を演出サブ基板32が受け取ると、演出サブ基板32のCPU61は、演出サブ基板32の状態がAT中であるか否かを判定する(ステップS205)。
【0082】
特リプAの入賞は、AT開始の条件の残りの1つである。AT当選フラグに1がセットされており、かつ、非AT中である場合(ステップS205のNO)、演出サブ基板32のCPU61は、特リプAに入賞した通知を受け取ると、ATを開始する(ステップS206)。演出サブ基板32のCPU61は、ATを開始すると、AT当選フラグを0にリセットする。ATは、たとえば、その開始から所定の継続ゲーム数のゲームが消化されると終了する。
【0083】
すでにAT中である場合は(ステップS205のYES)、演出サブ基板32のCPU61は、ステップS206をスキップする。このとき、非AT中であるので、ステップS206はスキップされない。
【0084】
また、特リプAに入賞すると、メイン基板31のCPU41は、遊技状態を通常状態からRT状態に移行させる。これにより、RT状態の開始となる(ステップS104)。その結果、AT中かつRT状態であるART(アシストリプレイタイム)ボーナスが開始される。
【0085】
そして、メイン基板31のCPU41は、外部集中端子板34にARTボーナスが開始されたことを表すボーナス信号の送信を指示する(ステップS105)。
【0086】
特リプAに入賞しなかった場合(ステップS102のNO)、メイン基板31のCPU41は、特リプBに入賞したか否かを判定する(ステップS106)。
【0087】
特リプBに入賞した場合(ステップS106のYES)、メイン基板31のCPU41は、特リプBに入賞したことを演出サブ基板32に通知する(ステップS107)。
【0088】
また、特リプBに入賞すると、メイン基板31のCPU41は、遊技状態を通常状態からRT状態に移行させる(ステップS108)。
【0089】
特リプBに入賞した通知を演出サブ基板32が受け取ると、演出サブ基板32のCPU61は、演出サブ基板32の状態がAT中であるか否かを判定する(ステップS205)。
【0090】
非AT中である場合には(ステップS205のNO)、演出サブ基板32のCPU61は、ATを開始するが(ステップS206)、AT中である場合には(ステップS205のYES)、ATを開始するステップS206をスキップする。このとき、非AT中であるので、ATが開始される。
【0091】
特リプAおよび特リプBのいずれにも入賞しなかった場合には(ステップS106のNO)、通常リプレイ役に入賞となる。
【0092】
このとき、特リプ当選が通知された時点で、AT抽選に当選し、かつ、非AT中であるので、図4に示されるように、押し順Aが報知される。そして、この報知に従って、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが押し順Aで押操作されて、特リプAに入賞すると、メイン基板31のCPU41から外部集中端子板34にボーナス信号の送信が指示され、外部集中端子板34から外部にボーナス信号が送信される。そのため、スロットマシン1に対応づけて設けられているデータカウンタでは、外部集中端子板34からのボーナス信号の受信に応答して、ボーナス突入回数表示部に表示されているボーナス突入回数が1だけ増加した数に更新される。
【0093】
その後は、ARTボーナスにおけるゲームが繰り返し実行される。ARTボーナス中、メイン基板31のCPU41は、内部抽選で押し順小役に当選すると、図3Cに示されるように、その押し順小役に当選したことを演出サブ基板32に通知する(ステップS109)。
【0094】
押し順小役当選の通知を演出サブ基板32が受け取ると、演出サブ基板32のCPU61は、液晶表示器20および/またはスピーカ21,23を制御して、液晶表示器20における表示および/またはスピーカ21,23から出力される音声により、押し順小役の正解押し順を報知する(ステップS207)。なお、非AT中は、内部抽選で押し順小役に当選しても、その押し順小役の正解押し順は報知されない。
【0095】
その後、メイン基板31のCPU41は、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが押操作されて、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rが停止すると、押し順小役に入賞したか否かを判定する(ステップS110)。
【0096】
押し順小役に入賞した場合(ステップS110のYES)、メイン基板31のCPU41は、入賞に対する配当として、所定枚数のメダルの払出しを配当として遊技者に付与する(ステップS111)。
【0097】
一方、押し順小役の正解押し順が報知されているにもかかわらず、遊技者の故意または過失により、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが正解押し順と異なる順序で押操作されることがある。左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが正解押し順と異なる順序で押操作され、押し順小役に入賞しなかった場合(ステップS110のNO)、押し順小役の取りこぼしとなる。この場合、メイン基板31のCPU41は、遊技状態をRT状態から通常状態に移行させる。これにより、RT状態の終了となる(ステップS112)。
【0098】
ATの継続中にRT状態が終了すると、ARTボーナスが中断される。ARTボーナスの中断後、メイン基板31のCPU41は、内部抽選で特リプ当選すると、図3Dに示されるように、演出サブ基板32に特リプ当選を通知する(ステップS113)。
【0099】
その当選通知を演出サブ基板32が受け取ると、演出サブ基板32のCPU61は、演出サブ基板32の状態がAT中であるか否かを判定する(ステップS208)。
【0100】
非AT中である場合(ステップS208のNO)、演出サブ基板32のCPU61は、液晶表示器20および/またはスピーカ21,23を制御して、液晶表示器20における表示および/またはスピーカ21,23から出力される音声により、特リプAの正解押し順である押し順Aを報知する(ステップS209)。このとき、AT中であるので、押し順Aは報知されない。
【0101】
AT中である場合は(ステップS208のYES)、演出サブ基板32のCPU61は、液晶表示器20および/またはスピーカ21,23を制御して、液晶表示器20における表示および/またはスピーカ21,23から出力される音声により、特リプBの正解押し順である押し順Bを報知する(ステップS210)。
【0102】
その後、メイン基板31のCPU41は、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが押操作されて、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rが停止すると、特リプAに入賞したか否かを判定する(ステップS114)。
【0103】
特リプAに入賞した場合(ステップS114のYES)、特リプAに入賞となり、メイン基板31のCPU41は、特リプAに入賞したことを演出サブ基板32に通知する(ステップS115)。
【0104】
また、特リプAに入賞すると、メイン基板31のCPU41は、遊技状態を通常状態からRT状態に移行させる。これにより、RT状態が再び開始となる(ステップS116)。
【0105】
そして、メイン基板31のCPU41は、外部集中端子板34にARTボーナスが開始されたことを表すボーナス信号の送信を指示する(ステップS117)。
【0106】
押し順Aが報知されるのは、非AT中に限られる。このとき、AT中であり、押し順Aが報知されないので、特リプAに入賞することはほぼない。したがって、外部集中端子板34にARTボーナスが開始されたことを表すボーナス信号の送信が指示されることもほとんどない。
【0107】
特リプAに入賞しなかった場合(ステップS114のNO)、メイン基板31のCPU41は、特リプBに入賞したか否かを判定する(ステップS118)。
【0108】
特リプBに入賞した場合(ステップS118のYES)、特リプBに入賞となり、メイン基板31のCPU41は、特リプBに入賞したことを演出サブ基板32に通知する(ステップS119)。
【0109】
また、特リプBに入賞すると、メイン基板31のCPU41は、遊技状態を通常状態からRT状態に移行させる。これにより、RT状態が再び開始となる(ステップS120)。
【0110】
特リプBに入賞した通知を演出サブ基板32が受け取ると、演出サブ基板32のCPU61は、演出サブ基板32の状態がAT中であるか否かを判定する(ステップS211)。
【0111】
非AT中である場合には(ステップS211のNO)、演出サブ基板32のCPU61は、ATを開始するが(ステップS212)、AT中である場合には(ステップS211のYES)、ATを開始するステップS212をスキップする。このとき、AT中であるので、ステップS212はスキップされる。
【0112】
特リプAおよび特リプBのいずれにも入賞しなかった場合には(ステップS118のNO)、通常リプレイ役に入賞となる。
【0113】
このとき、特リプ当選が通知された時点で、AT中であるので、図4に示されるように、押し順Bが報知される。この報知に従って、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが押し順Bで押操作されると、特リプBに入賞となり、遊技状態が通常状態からRT状態に移行するが、メイン基板31のCPU41から外部集中端子板34にボーナス信号の送信が指示されず、外部集中端子板34から外部にボーナス信号が送信されない。そのため、スロットマシン1に対応づけて設けられているデータカウンタでは、ボーナス突入回数表示部に表示されているボーナス突入回数が変化しない。
【0114】
以上のように、メイン基板31からの特リプ当選の通知を演出サブ基板32が受け取ったときに、演出サブ基板32の状態が非AT中であれば、演出サブ基板32のCPU61により、押し順Aが報知される。そして、遊技者により、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが押し順Aで押操作されて、特リプAに入賞すると、メイン基板31のCPU41により、所定の処理として、外部集中端子板34にボーナス信号の送信が指示される。
【0115】
一方、メイン基板31からの特リプ当選の通知を演出サブ基板32が受け取ったときに、演出サブ基板32の状態がAT中であれば、演出サブ基板32のCPU61により、押し順Bが報知される。そして、遊技者により、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが押し順Bで押操作されて、特リプBに入賞した場合は、メイン基板31のCPU41による所定の処理が実行されない。
【0116】
よって、特リプ当選の通知時の演出サブ基板32の状態に応じて、外部集中端子板34にボーナス信号の送信を指示するという処理を正確に実行することができる。その結果、スロットマシン1に対応づけて設けられているデータカウンタのボーナス突入回数表示部にARTボーナスに突入した実際の回数を正確に表示させたり、スロットマシン1が設置されているホールの管理用コンピュータ(ホールコンピュータ)にARTボーナスに突入した実際の回数を把握させたりすることができる。
【0117】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
【0118】
前述の実施形態では、所定の処理が外部集中端子板34にボーナス信号の送信を指示するという処理であるとしたが、これに限らない。たとえば、所定の処理は、ゲームの進行を一時停止させるウェイト処理(フリーズ)を所定期間にわたって実行するという処理であってもよい。この場合、図5に示されるように、図3A〜3Dに示される処理に、ステップS131,S231が追加される。すなわち、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが押し順Aで押操作されて、特リプAに入賞した場合に、メイン基板31のCPU41は、遊技状態を通常状態からRT状態に移行させた後(ステップS104,S116)、ゲームの進行を一時停止させるウェイト処理を所定期間にわたって実行する(ステップS131)。一方、特リプAの入賞の通知を受けた演出サブ基板32のCPU61は、演出サブ基板32の状態がAT中であるか否かを判定し(ステップS205,S211)、非AT中である場合に(ステップS205,S211のNO)、ウェイト処理が実行される期間と同じ所定期間にわたって、液晶表示器20および/またはスピーカ21,23を制御して、液晶表示器20における表示および/またはスピーカ21,23から出力される音声によるART始動演出を実行する(ステップS231)。これにより、ART始動演出が実行されている期間に合わせて、ゲームの進行を一時停止させることができる。
【0119】
また、前述の実施形態では、リール窓8内に停止表示された9個の図柄が特リプAに対応づけられた態様をなした場合に、所定の処理が実行され、リール窓8内に停止表示された9個の図柄が特リプBに対応づけられた態様をなした場合に、所定の処理が実行されない構成を取り上げた。しかしながら、リール窓8内に停止表示された9個の図柄が特リプA以外の役に対応づけられた態様をなした場合に、所定の処理が実行され、リール窓8内に停止表示された9個の図柄が特リプB以外の役に対応づけられた態様をなした場合に、所定の処理が実行されない構成が採用されてもよい。
【0120】
また、前述の実施形態では、スロットマシン1が遊技状態として複数のRT状態を有するART機である場合を取り上げた。これに限らず、スロットマシン1は、複数のRT状態を有しないAT機(たとえば、高純増タイプのAT機)であってもよい。
【0121】
図6Aおよび図6Bは、ボーナス信号の送信のための他の処理の流れを示すフローチャートである。
【0122】
図6Aおよび図6Bに示される処理は、メイン基板31のCPU41が外部集中端子板34にボーナス信号の送信を指示する処理を正確に実行するための処理であり、スロットマシン1が複数のRT状態を有するART機および複数のRT状態を有しないAT機であるかにかかわらず実行することができる。
【0123】
演出サブ基板32のCPU61は、たとえば、ATが開始されていない状態で所定数のゲームが消化されたことに応答して、ATを開始する(ステップS241)。また、演出サブ基板32のCPU61は、内部抽選で特定の役に当選すると、AT抽選を実行し、AT抽選に当選した場合、次のゲームまたはそれ以降のゲームからATを開始してもよい。
【0124】
メイン基板31のCPU41は、内部抽選で押し順小役に当選すると、その押し順小役に当選したことを演出サブ基板32に通知する(ステップS141)。
【0125】
AT開始後、押し順小役当選の通知を演出サブ基板32が受け取ると、演出サブ基板32のCPU61は、外部集中端子板34にボーナス信号の送信を指示する処理の実行の前提となる条件の1つである第2前提条件が成立しているか否かを判定する(ステップS242)。第2前提条件は、後述する第1前提条件が成立した後に押し順小役に当選した通知を演出サブ基板32が初めて受け取ったという条件である。
【0126】
第2前提条件が成立している場合には(ステップS242のYES)、演出サブ基板32のCPU61は、液晶表示器20および/またはスピーカ21,23を制御して、液晶表示器20における表示および/またはスピーカ21,23から出力される音声により、押し順小役の正解押し順の1つである押し順Cを報知する(ステップS243)。
【0127】
一方、第2前提条件が成立していない場合には(ステップS242のNO)、演出サブ基板32のCPU61は、液晶表示器20および/またはスピーカ21,23を制御して、液晶表示器20における表示および/またはスピーカ21,23から出力される音声により、押し順小役の正解押し順の他の1つである押し順Dを報知する(ステップS244)。図6Aおよび図6Bに示される処理が実行される場合、押し順小役の正解押し順として、押し順Cおよび押し順Dの2つの押し順が設定されている。このとき、第2前提条件が成立していないので、押し順Dが報知される。
【0128】
メイン基板31のCPU41は、押し順小役当選の通知後、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが押操作されて、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rが停止すると、その押し順小役に入賞したか否かを判定する(ステップS142)。
【0129】
左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが正解押し順と異なる順序で押操作され、押し順小役に入賞しなかった場合(ステップS142のNO)、メイン基板31のCPU41は、次に説明するステップS143,S144,S145をスキップする。
【0130】
押し順小役に入賞した場合(ステップS142のYES)、メイン基板31のCPU41は、入賞に対する配当として、所定枚数のメダルの払出しを配当として遊技者に付与する(ステップS143)。
【0131】
つづいて、メイン基板31のCPU41は、外部集中端子板34にボーナス信号の送信を指示する処理の実行の前提となる条件の1つである第1前提条件が成立しているか否かを判断する(ステップS144)。第1前提条件は、たとえば、押し順小役が2回連続して取りこぼされた後に、押し順小役が2回連続して入賞するという条件である。
【0132】
第1前提条件が成立している場合(ステップS144のYES)、メイン基板31のCPU41は、その第1前提条件の成立を演出サブ基板32に通知する(ステップS145)。
【0133】
第1前提条件が成立していない場合には(ステップS144のNO)、メイン基板31のCPU41は、演出サブ基板32への通知を行わない。
【0134】
その後、メイン基板31のCPU41は、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが押操作されたときの押し順が押し順Cと一致するか否かを判定する(ステップS146)。
【0135】
左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rの押し順が押し順Cと一致した場合(ステップS146のYES)、メイン基板31のCPU41は、外部集中端子板34にボーナス信号の送信を指示する(ステップS147)。
【0136】
左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rの押し順が押し順Cと一致しなかった場合(ステップS146のNO)、メイン基板31のCPU41は、ステップS147をスキップする。そのため、外部集中端子板34にボーナス信号の送信が指示されない。
【0137】
このとき、押し順Cが報知されていないので、遊技者によって左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが押し順Cで押操作されることはほぼない。したがって、メイン基板31から外部集中端子板34にボーナス信号の送信が指示されず、外部集中端子板34から外部にボーナス信号が送信されない。そのため、スロットマシン1に対応づけて設けられているデータカウンタでは、ボーナス突入回数表示部に表示されているボーナス突入回数が変化しない。
【0138】
その後、内部抽選で押し順小役に再び当選し、押し順小役に2回連続して入賞し、第1前提条件が成立すると、その第1前提条件の成立がメイン基板31から演出サブ基板32に通知される。
【0139】
以下、演出サブ基板32がメイン基板31から第1前提条件が成立した通知を受けた後に押し順小役に当選した通知を初めて受け取った場合を想定する。
【0140】
メイン基板31のCPU41が演出サブ基板32に押し順小役当選の通知を出し(ステップS148)、その通知を演出サブ基板32が受け取ると、演出サブ基板32のCPU61は、第2前提条件が成立しているか否かを判定する(ステップS245)。
【0141】
第2前提条件が成立している場合には(ステップS245のYES)、演出サブ基板32のCPU61は、液晶表示器20および/またはスピーカ21,23を制御して、液晶表示器20における表示および/またはスピーカ21,23から出力される音声により、押し順小役の正解押し順の1つである押し順Cを報知する(ステップS246)。このとき、第2前提条件が成立しているので、押し順Cが報知される。
【0142】
一方、第2前提条件が成立していない場合には(ステップS245のNO)、演出サブ基板32のCPU61は、液晶表示器20および/またはスピーカ21,23を制御して、液晶表示器20における表示および/またはスピーカ21,23から出力される音声により、押し順小役の正解押し順の他の1つである押し順Dを報知する(ステップS247)。
【0143】
メイン基板31のCPU41は、押し順小役当選の通知後、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが押操作されて、左リール4L、中リール4Cおよび右リール4Rが停止すると、その押し順小役に入賞したか否かを判定する(ステップS149)。
【0144】
左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが正解押し順と異なる順序で押操作され、押し順小役に入賞しなかった場合(ステップS149のNO)、メイン基板31のCPU41は、次に説明するステップS150,S151,S152をスキップする。
【0145】
押し順小役に入賞した場合(ステップS149のYES)、メイン基板31のCPU41は、入賞に対する配当として、所定枚数のメダルの払出しを配当として遊技者に付与する(ステップS150)。
【0146】
つづいて、メイン基板31のCPU41は、第1前提条件が成立しているか否かを判断する(ステップS151)。
【0147】
第1前提条件が成立している場合(ステップS151のYES)、メイン基板31のCPU41は、その第1前提条件の成立を演出サブ基板32に通知する(ステップS152)。
【0148】
第1前提条件が成立していない場合には(ステップS151のNO)、メイン基板31のCPU41は、演出サブ基板32への条件成立の通知を行わない。
【0149】
その後、メイン基板31のCPU41は、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが押操作されたときの押し順が押し順Cと一致するか否かを判定する(ステップS153)。
【0150】
左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rの押し順が押し順Cと一致した場合(ステップS153のYES)、メイン基板31のCPU41は、外部集中端子板34にボーナス信号の送信を指示する(ステップS154)。
【0151】
左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rの押し順が押し順Cと一致しなかった場合(ステップS153のNO)、メイン基板31のCPU41は、ステップS154をスキップする。そのため、外部集中端子板34にボーナス信号の送信が指示されない。
【0152】
このとき、押し順Cが報知されている。この報知に従って、遊技者によって左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが押し順Cで押操作されると、メイン基板31のCPU41により、外部集中端子板34にボーナス信号の送信が指示される。この指示に従って、外部集中端子板34から外部にボーナス信号が送信される。スロットマシン1に対応づけて設けられているデータカウンタでは、外部集中端子板34からのボーナス信号の受信に応答して、ボーナス突入回数表示部に表示されているボーナス突入回数が1だけ増加した数に更新される。
【0153】
これ以降のAT中、メイン基板31からの押し順小役当選の通知が演出サブ基板32に受け取られても、その押し順小役当選の通知は、演出サブ基板32がメイン基板31から第1前提条件が成立した通知を受けた後の2回目以降の通知となるので、第2前提条件が成立することはなく、押し順Cが報知されることはない。
【0154】
外部集中端子板34にボーナス信号の送信を指示する処理の実行の前提となる条件の1つである第1前提条件が成立したことに応答して、その第1前提条件の成立がメイン基板31から演出サブ制御基板32に通知される。そして、演出サブ基板32の状態が外部集中端子板34にボーナス信号の送信を指示する処理の実行の前提となる条件の1つである第2前提条件が成立している状態である場合は、押し順Cが報知される。一方、第2前提条件が成立していない状態である場合は、押し順Cとは異なる押し順Dが報知される。そして、メイン基板31のCPU41は、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが押し順Cで押操作された場合には、外部集中端子板34にボーナス信号の送信を指示する処理を実行し、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが押し順Cで押操作されない場合には、外部集中端子板34にボーナス信号の送信を指示する処理を実行しない。
【0155】
これにより、スロットマシン1に対応づけて設けられているデータカウンタのボーナス突入回数表示部にATに突入した実際の回数を正確に表示させたり、スロットマシン1が設置されているホールの管理用コンピュータ(ホールコンピュータ)にATに突入した実際の回数を把握させたりすることができる。
【0156】
さらに、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが押し順Aで押操作されると、特リプAに入賞となり、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが押し順Bで押操作されると、特リプBに入賞となる構成を取り上げた。しかしながら、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが押し順Aおよび押し順Bのいずれの押し順で押操作されても、同一の役に入賞となる構成が採用されてもよい。この場合、当該役に入賞したか否かではなく、図6Aおよび図6Bに示される処理の場合と同様に、メイン基板31のCPU41は、当該役の当選後、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが第1の押し順である押し順Aで押操作されたか否かを判定し、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが押し順Aで押操作された場合には、所定の処理(外部集中端子板34にボーナス信号の送信を指示する処理)を実行し、左ストップボタン16L、中ストップボタン16Cおよび右ストップボタン16Rが押し順Aとは異なる押し順で押操作された場合には、所定の処理を実行しない。
【0157】
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0158】
1 スロットマシン(遊技機)
4L 左リール(図柄表示手段)
4C 中リール(図柄表示手段)
4R 右リール(図柄表示手段)
15 スタートレバー(始動操作手段)
16L 左ストップボタン(停止操作手段)
16C 中ストップボタン(停止操作手段)
16R 右ストップボタン(停止操作手段)
31 メイン基板(メイン制御手段)
32 演出サブ基板(サブ制御手段)
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6A
図6B