特許第5698385号(P5698385)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5698385
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】建造ブロック及び建造ブロック固定具
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/10 20060101AFI20150319BHJP
   A63H 33/12 20060101ALI20150319BHJP
   A63H 33/08 20060101ALI20150319BHJP
【FI】
   A63H33/10 A
   A63H33/12
   A63H33/08 B
【請求項の数】24
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2013-550961(P2013-550961)
(86)(22)【出願日】2011年12月8日
(65)【公表番号】特表2014-510558(P2014-510558A)
(43)【公表日】2014年5月1日
(86)【国際出願番号】IB2011055542
(87)【国際公開番号】WO2012104685
(87)【国際公開日】20120809
【審査請求日】2013年11月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】513192638
【氏名又は名称】ジェッカ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リン,チー キン
【審査官】 柴田 和雄
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−521841(JP,A)
【文献】 米国特許第07547020(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00 − 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両側にあると共に相補的である第1嵌合部及び第2嵌合部を備える建造ブロックであって、
前記第1嵌合部が、軸方向に延びる貫通孔を定める嵌合凸部を備えると共に、前記第2嵌合部が、前記嵌合凸部と相補的である軸方向に延びる嵌合レセプタクルを備え、前記嵌合凸部及び前記嵌合レセプタクルが軸方向に整列すると共に反対方向に延びており、
前記嵌合凸部及び前記嵌合レセプタクルが前記貫通孔を介して連通し、且つ、固定具の係合手段と係合するために構成された締結固定装置が、前記貫通孔を定める前記凸部の内部に形成されており、
前記貫通孔は、前記固定具の前記係合手段の前記嵌合凸部への軸方向の挿入を可能とするように構成され、且つ、前記固定具は、前記締結固定装置との回転的な接触によって前記係合手段が妨害を乗り越えて軸方向の前進を得て前記締結固定装置に係合するように構成され
前記固定具は、前記第1建造ブロック、前記第2建造ブロック及び第3建造ブロックを連結するように構成され、前記第3建造ブロックは、前記第1及び第2建造ブロックの間にあり、
前記第3建造ブロックは、第1嵌合部及び第2嵌合部を備え、前記第2嵌合部は前記第1嵌合部と相補的であり、前記第1嵌合部及び前記第2嵌合部が前記建造ブロックの両側にあると共に、前記第1及び第2嵌合部を貫通する貫通孔を介して連通しており、
前記固定具のシャフト部が、前記第1及び前記第2建造ブロックの前記締結固定装置の間に延びると共に、前記第1及び第2建造ブロックの前記貫通孔に沿って自由にスライドすることを特徴とする建造ブロック。
【請求項2】
前記固定具は、ヘッド部、前記係合手段を有する端部、及び、前記ヘッド部と前記係合手段との間に前記シャフト部を備え、
前記貫通孔及び前記締結固定装置が、前記固定具の前記シャフト部の自由なスライド移動を可能とするように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の建造ブロック。
【請求項3】
管状の前記嵌合凸部は、前記貫通孔への前記固定具の前記ヘッド部の進入を阻止するように構成されていることを特徴とする請求項に記載の建造ブロック。
【請求項4】
前記嵌合レセプタクルは、前記嵌合凸部を備えるアセンブリに相補的であり、且つ、前記固定具の前記ヘッド部は、前記嵌合凸部の上方で突出し、使用中に前記嵌合凸部によって阻止されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の建造ブロック。
【請求項5】
前記締結固定装置は、前記貫通孔を定める前記嵌合凸部の部分から内方に放射状に突出した張り出し部を備え、且つ、前記貫通孔の内部に第2開口を定め、前記第2開口は、前記固定具の前記シャフト部のスライド移動を可能にするように十分に大きいが、前記固定具の前記係合手段のスライド移動を可能にするほどには大きくないことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の建造ブロック。
【請求項6】
前記張り出し部は、完全な1巻き未満の巻きを有することを特徴とする請求項5に記載の建造ブロック。
【請求項7】
前記貫通孔は、前記嵌合凸部の内壁で定められ、且つ、前記固定具の前記係合手段を妨げるように構成された前記締結固定装置の部分が、より小さいクリアランス寸法の第2開口を定めるように前記内壁から内方に放射状に突出していることを特徴とする請求項5に記載の建造ブロック。
【請求項8】
前記固定具の前記係合手段を妨げるように構成された前記締結固定装置の部分が、少なくとも1つの螺子山を有する螺旋螺子部を備え、前記少なくとも1つの螺子山は、前記貫通孔と同軸の螺子軸で前記貫通孔を定める前記凸部の内部から内方に突出することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の建造ブロック。
【請求項9】
前記固定具の前記係合手段を妨げるように構成された前記締結固定装置の部分が、前記嵌合凸部に一体成形されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の建造ブロック。
【請求項10】
前記第1嵌合部は、規則的なアレイ又は規則的なマトリックスで分配された複数の嵌合凸部を備え、且つ、前記第2嵌合部は、規則的なアレイ又は規則的なマトリックスで分配された対応する複数の嵌合レセプタクルを備え、前記第1嵌合部の嵌合凸部は、前記第2嵌合部の対応する相補的な嵌合レセプタクルと軸方向に整列していることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の建造ブロック。
【請求項11】
請求項1に記載の複数の建造ブロックを連結するために構成された建造ブロック固定具であって、
前記複数の建造ブロックは、第1建造ブロック及び第2建造ブロックを含み、
該固定具は、ヘッド部、係合手段を備える端部、及び、前記ヘッド部と前記端部とを連結するシャフト部を備え、
前記端部の前記係合手段は、前記締結固定装置によって妨げられるが、前記締結固定装置内に回転することよって前記妨害を乗り越えるときに軸方向の前進を得て前記締結固定装置と係合するように構成され、前記シャフト部は、軸方向の移動から拘束されない又は係合されないで、前記建造ブロックを通過するように構成され、且つ、前記ヘッド部は、前記第1建造ブロックによって阻止されるように構成されており、
前記建造ブロックが連結されたとき、前記ヘッド部が前記第1建造ブロックによって阻止されるとともに前記第1建造ブロックに対して作用し、前記係合手段が前記第2建造ブロックの前記締結固定装置と係合し、且つ、前記シャフト部が、それと係合されないで、前記第1建造ブロックの前記締結固定装置を通過することを特徴とする建造ブロック固定具。
【請求項12】
前記固定具が前記第1建造ブロック及び前記第2建造ブロックを初期連結した後、前記固定具の前記係合手段は、前記第2建造ブロックの前記締結固定装置とのさらなる係合を形成するように、シャフト軸の周りにさらに回転することにより、前記第1建造ブロック及び前記第2建造ブロックの間の連結を堅くすることを特徴とする請求項11に記載の固定具。
【請求項13】
前記シャフト部が前記第1建造ブロックを通過した後、前記シャフト軸の周りを前記係合手段が回転したときに、前記固定具の前記端部の前記係合手段が前記第2建造ブロックと嵌合式又は螺子式に係合するように構成されていることを特徴とする請求項12に記載の建造ブロック固定具。
【請求項14】
前記固定具の前記端部が、前記第1建造ブロックを通過して前記第2建造ブロック内に移動するために、前記シャフト部の周りを回転することで前記第1建造ブロックの前記締結固定装置と接触することを必要とするように前記固定具の前記端部の前記係合手段が構成され、且つ、前記端部が前記第2建造ブロックの前記締結固定装置に当接したとき、前記固定具の前記端部の前記係合手段が、前記第2建造ブロックの前記締結固定装置に係合することにより、回転による前記第1及び第2建造ブロックのロック式連結を助けるように構成されていることを特徴とする請求項12に記載の建造ブロック固定具。
【請求項15】
前記締結固定装置は、前記各建造ブロックの前記貫通孔に内方に形成された螺子部を備え、且つ、前記固定具の前記端部の前記係合手段は、前記締結固定装置の前記螺子部に相補的な放射突出部を備えることを特徴とする請求項12に記載の固定具。
【請求項16】
前記放射突出部は少なくとも1つの螺旋螺子山を有する螺子部を含み、前記螺旋螺子山の外径は前記固定具の前記シャフト部の径よりも大きいことを特徴とする請求項15に記載の固定具。
【請求項17】
前記端部に隣接する前記固定具の前記シャフト部が円筒形であり、前記螺旋螺子山の内径が、前記固定具の円筒部の径と等しいことを特徴とする請求項16に記載の固定具。
【請求項18】
前記放射突出部は、前記固定具の前記端部の外周の周りに均等に分配された複数の放射突出スタッドを備えることを特徴とする請求項15に記載の固定具。
【請求項19】
前記固定具の前記シャフト部が、前記第1及び第2建造ブロックの前記締結固定装置の間に延びていることを特徴とする請求項11から18のいずれか一項に記載の固定具。
【請求項20】
前記シャフト軸の直交方向の前記固定具の前記端部の前記係合手段の前記放射突出部が、前記貫通孔のクリアランスを超え、且つ、前記係合手段は、前記固定具の前記シャフト軸の周りを回転することにより、前記貫通孔を通って軸方向に前進するように構成されていることを特徴とする請求項11から19のいずれか一項に記載の固定具。
【請求項21】
前記固定具の前記端部が前記第2建造ブロックに固定されるときに、前記第1及び第2建造ブロック間の協働的な連結を助けるために、前記ヘッド部が常に前記第1建造ブロックの前記第1嵌合部によって妨げられるように前記シャフト軸に直交する半径方向への前記ヘッド部の突出が前記貫通孔のクリアランスを超えるように、前記固定具が構成されていることを特徴とする請求項11から20のいずれか一項に記載の固定具。
【請求項22】
前記第1及び第2建造ブロックが前記固定具で連結されるときの使用中に前記第1建造ブロックの上で突出するように前記固定具の前記ヘッド部が構成されており、前記第1建造ブロックの上で突出する第1の固定具の端部の部分が、別の前記建造ブロックの前記第2嵌合部内に受容可能であることを特徴とする請求項11から21のいずれか一項に記載の固定具。
【請求項23】
請求項11から22のいずれか一項に記載の複数の固定具によって連結された請求項1から10のいずれか一項に記載の複数の建造ブロックを備え
前記複数の建造ブロックは、第1建造ブロックを含み、前記第1建造ブロックは、第2建造ブロック上に配置された第1アレイ方向に延びる規則的な矩形アレイを有し、前記第2建造ブロックは、前記第1アレイ方向と直交する第2アレイ方向に延びる規則的な矩形アレイを有し、そして、前記固定具によって連結され、
前記建造ブロックは、異なるシャフト部の長さを有する固定具で固定されていることを特徴とする構造。
【請求項24】
1つの建造ブロックの前記第1嵌合部が、隣接する建造ブロックの前記第2嵌合部内に受容されるように、前記複数の建造ブロックが連結されていることを特徴とする請求項23に記載の構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建造ブロックに関する。詳細には、構造の積み重ね可能なアセンブリのために、両側に相補的な嵌合部(適合部、mating potion)を有する建造ブロックに関する。さらに、本発明は、連結された建造ブロックで構成された玩具、家具及び建築の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
玩具、建物、家具等を含む多くの構造は、一般的に「建造ブロック」と呼ばれるモジュールコンポーネント(部品)によって形成される。
【0003】
米国特許US 3,005,282号、米国特許US 3,034,254及び米国特許US 3,597,875号には、建造レンガを連結することで多層構造又は高層の玩具構造を形成するために構成された積み重ね可能な玩具建造レンガが開示されている。このような建造レンガは典型的に、上方嵌合面、下方嵌合面、及び、外周によって定められる側面を有する硬質プラスチックの成形本体を備える。上方嵌合部は複数の円筒状の嵌合凸部を備え、下方嵌合部は対応する複数の中空円筒凸部を備える。対応する複数の中空円筒凸部は、外周の側面と協働して、直下の建造レンガの上方嵌合面の嵌合凸部を受容するための嵌合レセプタクル(受容部)を協同で定め、圧着手段において摩擦結合を提供する。嵌合凸部が典型的に通常の円筒形状である一方で、角柱形状を有する建造ブロックである非円筒状の上方嵌合凸部が例えばEP1 ,464,369において知られている。
【0004】
モジュール式建造レンガは、便利で美的価値のある構造を構成することを可能にする程度の自由度と適応性を提供するという利点があるため、広く使われている。しかし、建造ブロックの連結で安定した構造を形成するのは困難であることが分かっている。
【0005】
本願では、「建造ブロック(building block)」という語は、「建造レンガ(Building brick)」として一般的に呼ばれるような玩具用建造ブロック、及び、建築、家具、設備、乗り物の構築に使用されるモジュール要素も含む非玩具用構造ブロックを含んでいる。
【発明の概要】
【0006】
すなわち、提供される建造ブロックは、両側にあると共に相補的である第1嵌合部及び第2嵌合部を備える建造ブロックであって、前記第1嵌合部が、軸方向に延びる貫通孔を定める嵌合凸部を備えると共に、前記第2嵌合部が、前記嵌合凸部と相補的である軸方向に延びる嵌合レセプタクルを備え、前記嵌合凸部及び前記嵌合レセプタクルが軸方向に整列して反対方向に延びており、前記嵌合凸部及び前記嵌合レセプタクルが前記貫通孔を介して連通し、且つ、固定具の係合手段と係合するために構成された締結固定装置が、前記貫通孔を定める前記凸部の内部に形成されている。
【0007】
一実施形態では、前記貫通孔は、前記固定具の前記係合手段の前記嵌合凸部への軸方向の挿入を可能とするように構成され、且つ、軸方向の前進を得ると共に前記締結固定装置と係合するように前記締結固定装置との回転的な接触(nagotiating)によって係合手段が妨害を乗り越えるまで、係合手段の軸方向の経路を妨げるように締結固定装置が構成されている。
【0008】
一実施形態では、締結固定装置は、貫通孔を定める突出手段(凸部)の内部から内方に半径方向に突出する係合部を備える。
【0009】
締結固定装置は、複数の建造ブロックの解除可能な連結を可能として、建造ブロックから構築された構造の固定を容易にする。
【0010】
例えば、締結固定装置は、貫通孔を定める嵌合凸部の部分から内方に半径方向に突出する張り出し部を備えてもよい。突出する張り出し部は、貫通孔の内部に第2開口を定める。第2開口は、固定具のシャフト部のスライド式通過を可能とするには十分に大きいが、固定具の係合手段のスライド式通過を許容するほど大きくない。
【0011】
張り出し部は、螺旋螺子部又は割り座金として形成可能である。これは、螺子式又は非螺子式係合手段を有する固定具との螺子式ロックを助ける。非螺子式係合手段の例は、固定具の端部の外周に分配された放射突出スタッド又はボスを含み、該固定具は、突出スタッドの張り出しと比べて減少した寸法のシャフト部を有する。
【0012】
一例では、建造ブロックは、固定具を使用して別の建造ブロックと連結するように構成されており、該固定具は、ヘッド部、端部、及び、前記ヘッド部と前記端部とを連結するシャフト部を備え、貫通孔及び締結固定装置は、固定具のシャフト部の自由なスライド移動(行程)を許容するように構成されている。貫通孔が固定具のシャフト部のスライド移動を許容するように構成された場合、固定具のシャフト部は、建造ブロック又はそれを含む建造ブロックによって係合又は拘束されない。そのため、所望又は必要なときに、互いに対して異なる配向で、又は、相対配向を変更させるように建造ブロックを整列することを可能とする。
【0013】
一例の建造ブロックでは、管状部が、貫通孔への固定具のヘッド部の進入を阻止するように構成される。この建造ブロックと協働すべく、嵌合レセプタクルは、嵌合凸部及び使用中に嵌合凸部によって阻止される嵌合部上に突出する固定具のヘッド部を備えるアセンブリと相補的である。
【0014】
さらに、ここに説明した種類の複数の建造ブロックを連結するために構成された建造ブロック固定具が提供される。該固定具は、ヘッド部、係合手段を備える端部、及び、前記ヘッド部と前記端部とを連結するシャフト部を備え、前記端部の前記係合手段は、前記締結固定装置によって妨げられるが、前記締結固定装置内に回転することによって前記妨害を乗り越えたときに軸方向の前進を得て前記締結固定装置と係合するように構成され、前記シャフト部は、軸方向の移動から拘束されない又は係合されないで前記建造ブロックを通過するように構成され、且つ、前記ヘッド部は、前記第1建造ブロックによって阻止されるように構成されている。
【0015】
固定具は、硬質プラスチックから成形され、または、ステンレス鋼のような金属から一体形成されてもよい。
【0016】
固定具は、建造ブロックが嵌合連結しているときに、建造ブロックの相対的な配向に拘わらず建造ブロックの連結を可能とするので、利点を有している。例えば、建造ブロックが平行又は直角に配置されているかどうかに拘わらず、固定具は、嵌合連結中の一連の建造ブロックのための建造ブロックの中間建造ブロックの固定を可能とする。なぜなら、建造ブロックが平行に整列し、直角に整列し、又は平行及び垂直の間の角度で整列しているかどうかを問わずに、固定具が建造ブロックを連結可能であるからである。固定具のシャフト部が軸方向移動から拘束されず、又は建造ブロックに係合しないので、柔軟な建造ブロック連結が可能となる。同時に、一連の建造ブロックの連結は、このような固定具によって可能となり、固定具の2つの端部が一連の建造ブロックの端に嵌合連結で固定されるとき、固定具が連結先の建造ブロックのみに螺子式係合する。
【0017】
別実施形態では、本発明の開示に従った複数の固定具で連結された本発明の開示に従った複数の建造ブロックを備える構造が提供される。
【0018】
各建造ブロックの第1嵌合部は、規則的な矩形アレイ又は規則的な矩形マトリックスに分配された複数の嵌合凸部を備え、且つ、各建造ブロックの第2嵌合部は、規則的な矩形アレイ又は規則的な矩形マトリックスに分配された対応する複数の嵌合凹部を備え、第1嵌合部の嵌合凸部が、第2嵌合部の対応する相補的な嵌合凹部に整列しており、各嵌合凸部が貫通孔を介して対応する整列した嵌合凹部と連通している。
【0019】
表現「拘束されない(unrestrained)」は、妨害されない、自由な、阻止されない又は係合されないことを意味し、そして、固定具のシャフト部は、拘束されていないときに貫通孔に対して自由に回転可能又はスライド可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
上述の特徴を有する例示の建造ブロックは、以下の添付図面を参照して例示の目的で説明される。
【0021】
図1図1は、第1実施例の建造ブロックを示す上方斜視図である。
図1A-1C】図1A、1B及び1Cは、図1の建造ブロックの側面視、平面視及び底面視をそれぞれ示す。
図1D-1E】図1D及び1Eは、図1BのA−A断面、B−B断面をそれぞれ示す。
図2図2は、第2実施例の建造ブロックを示す上方斜視図である。
図2A-2C】図2A、2B及び2Cは、図2の建造ブロックの側面視、平面視及び底面視をそれぞれ示す。
図2D-2E】図2D及び2Eは、図2BのA−A断面、B−B断面をそれぞれ示す。
図3-5】図3、4及び5は、第3、第4及び第5実施例の建造ブロックをそれぞれ示す上方斜視図である。
図6-6D】図6、6A〜6Dは、それぞれ、第6実施例の建造ブロックの平面図、底面図及び図6AのAA断面図及びBB断面図である。
図7-7B】図7、7A、7Bは、それぞれ、第7実施例の建造ブロックの上方斜視図、分解図及び分解図の断面図である。
図8-8D】図8、8A〜8Dは、それぞれ、第8実施例の建造ブロックの平面図、底面図及び図8AのAA分解図及びBB分解図である。
図9-9A】図9、9Aはそれぞれ第1実施例の建造ブロック固定具の斜視図及び側面図である。
図10-10A】図10、10Aはそれぞれ第2実施例の建造ブロック固定具の斜視図及び側面図である。
図11-11A】図11、11Aはそれぞれ第3実施例の建造ブロック固定具の斜視図及び側面図である。
図12-12D】図12、12A〜12Dは、一実施例の建造ブロックの構造の斜視図、側面図、正面図、DD断面図及びEE断面図である。
図13-13A】図13、13Aは、それぞれ図11の固定具により連結された2つの建造ブロックを示す斜視図及び断面図である。
図13B図13Bは、図13の2つの連結した建造ブロックを備える建造ブロックアセンブリを示す斜視図。
図13C図13Bのアセンブリを示す分解図。
図13D-13E】図13D及び13Eは、それぞれ図13BのA−A断面図及びB−B断面図である。
図14図14は、複数の建造ブロックから組み立てられたデスクを示す斜視図である。
図14A-14E】図14A〜14Eは、図14のデスクの様々な部分のA−A及びB−Bに沿った拡大断面図である。
図15A-15B】図15A及び15Bは、図14のデスクの引出の前方及び後方斜視図である。
図15C-15L】図15C〜15Lは、図15A及び15Bの引出の様々な層を示す斜視図である。
図16-16B】図16、16A及び16Bは、建造ブロック連結の第1変形例を示す。
図17-17B】図17、17A及び17Bは、建造ブロック連結の第2変形例を示す。
図18-18B】図18、18A及び18Bは、建造ブロック連結の第3変形例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1〜1Eに示した第1の実施例の建造ブロック100は、プラスチック成形本体を備える。本体は、ベースパネル120と、該ベースパネル120から上方に突出した管状部140、及び、該ベースパネル120から下方に突出すると共に該ベースパネル120を囲む外周スカート160を有する上方嵌合部と、外周スカート160内部で構造を仕切ることによって定められたレセプタクル180を有する下方嵌合部と、を備える。ベースパネル120は、正方形又は略正方形であり、且つ、管状部は、該ベースパネルの略中心に配置されている。
【0023】
管状部140は、建造ブロックの上方嵌合凸部の例として、ベースパネル120の垂直上方に突出すると共に該ベースパネル120から離隔する円筒壁142を備える。管状部は、パネル部材120を通して延びる内孔144を定め、これにより、建造ブロック100の上方嵌合部及び下方嵌合部の間の連通を助ける。内孔144の孔軸は、管状部140を定める円筒壁142の軸に平行であり、ベースパネル120の表面に直交する。
【0024】
外周スカート160は、ベースパネル120から垂直下方に突出し、4つのサイドパネル162を備える。該4つのサイドパネル162は、正方形のベースパネル120のエッジから垂直下方にそれぞれ延びている。サイドパネル162の各々は、均一な深さを有しているので、建造ブロック100が平坦又は平滑平面上に横たわったときに、ベースパネル120の上面が、平坦又は平滑平面に対して平行である。
【0025】
また、外周スカート160は、仕切り構造によってレセプタクル180を定める。レセプタクル180は、建造ブロックの下方嵌合部の一部の例として、密着した形態で、互換性のある建造ブロックの上方嵌合凸部を受容するように構成されているので、下方の建造ブロックの上方嵌合部が完全にレセプタクル180内に挿入されたときに建造ブロックが機械的に下方の建造ブロックと結合又は係合される。仕切り構造は、複数の仕切りパネル182から形成される。各仕切りパネル182は、孔144の孔軸に平行であり、サイドパネル162の中心位置から外周スカート160の内部中心に向かって直角に突出している。換言すると、仕切りパネル182の各々は、レセプタクル180の中心軸に向かって延びているが、レセプタクル180の中心軸に到達する前に止まっており、また、それは、レセプタクル180の外側境界を定めるように外周スカート160の内部中心である。レセプタクル180が、別の建造ブロックの上方嵌合凸部との摩擦的密着による係合を助けるように構成されており、それは管状部に相補的であり、且つ、円筒外側境界を有する。管状部140及びレセプタクル180が、軸方向に整列し、且つ、共通軸を共有しているため、レセプタクル180が管状部140の直下にある。
【0026】
締結固定装置(fastener anchoring device)の例として、1つの螺旋螺子山146を有する螺子部が、円筒壁142の内部に配置される。螺旋螺子山は、円筒壁142の内部に一体的に成形されており、管状部140を定める円筒壁の中心軸に向かって半径方向内方に突出している。図1B、1C及び1Eに示すとおり、1つの螺旋螺子146は、完全な1巻き(ターン)に満たない巻きを有し、ギャップ(隙間)148が螺旋螺子山の両端の間に残っている。螺旋螺子山の最内エッジが、貫通孔152を定め、そして、管状部140の最大水平内部クリアランスを定める。貫通孔152は、中間ブロック固定具のシャフト部の非制限又は非係合な経路(移動)を許容するための貫通孔の一例として、以下に説明するが、固定具のシャフト部の閉塞されていない通路を許容するように直径方向に対向する螺子エッジ部によって定められる。螺旋螺子山146は、中心孔軸に向かってテーパーであってもよく、この場合、テーパー状の螺子山エッジが使用される。
【0027】
図2〜2Eに示すとおり、建造ブロック200は、建造ブロック100の構造を実質的に同じである。しかし、建造ブロック100が正方形のベースパネル120の上に1つだけの上方嵌合凸部を備えるのに対し、建造ブロック200の上方嵌合部が2つの上方嵌合凸部を矩形状ベースパネル220上に配置された管状部240の形状で有する点で相違する。建造ブロック100と同様に、管状部240の各々は、円筒壁242で定められる。円筒レセプタクル280は、管状部240と同軸であり、且つ、仕切りパネル282を備える仕切り構造によって定められており、管状部240の直下に配置される。各仕切りパネルは、レセプタクルの内部中心軸に向かって外周スカート260のサイドパネル262から直角に延在する。
【0028】
ベースパネル220は、矩形状であり、2:1の長さ幅アスペクト比を有し、長さが幅の2倍であり、且つ、幅が、便利な積み重ね性のために建造ブロック100の幅と同じである。このように、ベースパネル220は、ベースパネル220の長軸に沿って延びると共に図2Bに図示されたような2つの等しい細長い部分にベースパネル220の矩形表面を分割する長手中心線(B−B)に沿って、建造ブロック100の2つの正方形のベースパネル120を結合することによって形成されたと考えることが可能である。管状部240を含む正方形ベースパネル部の中心に各管状部240が同心にあると共に、2つの管状部240の離隔距離が正方形パネル部の幅に等しいように、2つの管状部240が配置される。各レセプタクル280が対応する管状部の同軸上に整列しているので、レセプタクル280を含む正方形ベースパネル部の中心に各レセプタクル280が同心にあるようにレセプタクル280もまた配置される。建造ブロック100と同様に、同じ特徴の螺旋螺子山246が、管状部240を定める円筒壁242の内面に形成される。建造ブロック200の他の特徴は、建造ブロック100のものと同一である。したがって、建造ブロック100に関する上述の説明は、簡潔のために100で付加された同じ又は同等の特徴の番号を参照し、且つ、変更すべきところは変更して適切に建造ブロック200に適用することにより、ここに援用される。
【0029】
図3に示された建造ブロック300は、建造ブロック300が湾曲した端部を有する点を除いて、建造ブロック200と実質的に同一である。湾曲端部は、建造ブロック200の細長い端部の湾曲切断部位であり、且つ、湾曲端部でサイドパネルが管状部340、又は、管状部を定める円筒壁342と同心である。建造ブロックの湾曲端部が、以下に説明する、構造のヒンジの部分を形成するように使用されてもよい。そうでなければ、建造ブロック300の他の特徴は、建造ブロック200のものと同一であり、建造ブロック200に関する上述の説明は、簡潔のために100で付加された建造ブロック200の同じ又は同等の特徴の番号を参照し、且つ、変更すべきところは変更して適切に適用することにより、ここに援用される。
【0030】
図4に示された建造ブロック400は、矩形状ベースパネル420が長さ幅のアスペクト比3:1を有し、幅が建造ブロック100、200、300と同じであることを除いて、建造ブロック200と同一である。さらに、3つの管状部440が矩形状ベースパネル420の中心線に沿って等間隔で配置されており、隣接する管状部440間の離隔距離が等しく、且つ、建造ブロック100のベースパネル120の幅と等しい。同様に、矩形状パネル420は、長手中心線に沿って結合した3つの正方形ベースパネル部の配列として見なすことが可能であり、且つ、管状部440の各1つが、該管状部440を含む正方形ベースパネル部の中心に配置されている。そうでなければ、建造ブロック400の特徴は、建造ブロック200のものと同一である。したがって、建造ブロック200に関する上述の説明は、簡潔のために200で付加された建造ブロック200の同じ又は同等の特徴の番号を参照し、且つ、変更すべきところは変更して適切に適用することにより、ここに援用される。
【0031】
図5に示された建造ブロック500は、建造ブロック400の3:1のアスペクト比と比べて、矩形状ベースパネル520が長さ幅のアスペクト比4:1を有することを除いて、建造ブロック400と同一である。さらに、全部で4つの管状部540が矩形状ベースパネル520の中心線に沿って等間隔で配置されており、隣接する管状部間の離隔距離が等しい。そうでなければ、建造ブロック500の特徴は、建造ブロック400のものと同一であるので、建造ブロック400に関する上述の説明は、簡潔のために100で付加された同じ又は同等の特徴の番号を参照し、且つ、変更すべきところは変更して適切に適用することにより、ここに援用される。
【0032】
上述から注目されるべきであるが、建造ブロック100、200、300、400及び500は、定常的な離隔距離で長手軸に沿って1×nの規則的な線形アレイ(配列)で全て分配される。ここで、nは整数である。nが任意の整数を取り得るが、通常、ほとんどの実用用途においてnが10以下であることが好ましい。
【0033】
図6、6A〜6Dに示した建造ブロック600は、ベースパネル620を定めるプラスチック成形本体;それぞれがベースパネル620から上方に突出すると共に該管状部内部に成形された螺子部を備える4つの管状部640;ベースパネル620から下方に突出すると共にベースパネル620を囲む外周スカート660;及び、外周スカート660内部で複数の直角に延びる仕切りパネル682を備える仕切り構造によってそれぞれ定められた4つのレセプタクル680を備える。管状部640の各々及びレセプタクル680の各々は、建造ブロック100及び建造ブロック200に関してここに説明したものと同一であり、共通の特徴に係る説明は参照によってここに組み込まれる。ベースパネル620は、正方形であると共に2:2の長さ幅アスペクト比を有し、且つ、ベースパネル620の幅がベースパネル120の幅の2倍である。2:2のアスペクト比を有することにより、ベースパネル620は、建造ブロック100の4つの正方形ベースパネル120の配列として考えることができ、且つ、4つの管状部640の各1つが、それを含む正方形パネル部の中心に同心である。同様に、4つのレセプタクル680の各1つは、それを含む正方形パネル部の中心に同心である。各レセプタクル680は、たとえベースパネル620の両側上であっても、同じ正方形パネル部内に含まれた対応する管状部640と同軸上に整列されている。管状部640及びレセプタクル680は、等しい離隔距離の規則的な2×2マトリックスで分配されている。そうでなければ、建造ブロック600の他の特徴は、建造ブロック200のものと同一であり、共通の特徴に関する上述の説明は、簡潔のために400で付加された建造ブロック200の同じ又は同等の特徴の番号を参照し、且つ、変更すべきところは変更して適切に適用することにより、ここに援用される。ある見方では、建造ブロック600は、建造ブロック200の2つのピースで、長手方向の整列した端部で長手側部を合わせることにより、形成されているとみなすことが可能である。
【0034】
図7、7A及び7Bに示した建造ブロック700は、管状部の円筒壁上に螺子部が一体形成されていないが管状部740上に組み込むためのインサート(挿入体)790に形成されている点を除いて、建造ブロック600と同一である。インサート790は、拡大ベース領域を有するボス792を有する中空プラグのようなプラスチック成形本体、及び、該ボスから上方又は直角に突出する管状部794を備える。螺旋螺子山746は、管状部740を定める円筒壁742の内部に一体成形され、且つ、螺旋螺子山746は、他の建造ブロックに関して上述したものと同様である。インサート790は、溶接、結合、融合、糊付け又は他の接着手段でベースパネル720上に取り付けられる。他の例と同様に、単純な成形を助けるように、完全な1巻き(ターン)数未満の巻きを有している。ボス部は、その水平寸法が建造ブロック700の管状部740の底部入り口側のクリアランス(空間距離)を超えるように構成されており、インサート790の管状ポート794が管状部740内に嵌着されたときにボス792がベースパネル720の下方に保持される。
【0035】
建造ブロック700を組み立てるために、プラグ形状のインサート部材が建造ブロックの下側から挿入され、管状部が建造ブロック700上に成形された管状部740の孔に入り、そして、ボス部が管状部740の下方にある。管状部が貫通孔内に完全に挿入された後、ボス部が建造ブロックの管状部内にさらに移動することを停止し、そして、インサートがベースパネルの下側に固定されて、アセンブリを完成する。組み込まれたインサート部材を有することを別として、建造ブロック700は、建造ブロック600と同一である。したがって、建造ブロック600に関する上述の説明は、簡潔のために100で付加された同じ又は同等の特徴の番号を参照することにより、ここに援用される。
【0036】
図8及び8Aから8Dに示した建造ブロック800は、ベースパネル820が建造ブロック100のベースパネル120の幅の2倍の幅を有すると共に、4:2の長さ幅アスペクト比(比較すると、建造ブロック500のアスペクト比は4:1、建造ブロック600のアスペクト比は2:2)を有し、且つ、管状部(又は嵌合凸部)が規則的な4×2マトリックス(比較すると、建造ブロック500は規則的な4×1マトリックス、建造ブロック600は規則的な2×2マトリックス)に分配されている点を除いて、建造ブロック500又は建造ブロック600と全ての面で同一である。実用的な点において、建造ブロック800は、整列した長手端部で一つに長手側部を結合させることにより2つの建造ブロック500のピースから形成されたものと見なされ、又は、整列した対応する端部を一つに対応側部を結合させることにより2つの建造ブロック600のピースで形成されたものとして見なされ得る。そうでなければ、建造ブロック800の特徴は建造ブロック500及び600の特徴と同一であり、建造ブロック500及び600に関する上述の説明は、簡潔のために300及び200でそれぞれ付加された同じ又は同等の特徴の番号を参照し、且つ、変更すべきところは変更して適切に適用することにより、ここに援用される。
【0037】
上述の例示が様々なアレイ又はマトリックス配列で配置された上方嵌合凸部及び対応レセプタクルを有する建造ブロックを参照してなされたが、一般性を喪失することなく、ここに説明した様々な建造ブロックを組み合わせることにより、嵌合凸部及び対応レセプタクルは任意の規則的なm×nマトリックス(m及びnが任意の整数)で配置可能であることが認められる。さらに、1つの螺旋螺子山が、螺子部の例示として使用されたが、複数の螺子山を採用可能であることが認められる。
【0038】
上述した種類の建造ブロックは、共通して、様々な構造へのアセンブリのために使用される。このような建造ブロックから構築された構造は、典型的には、水平方向及び垂直方向の両方の建造ブロックを連結することによって複数の建造ブロックから組み立てられる。相補的な嵌合面を有する建造ブロックから構造を組み立てるとき、このようなブロックは、上述した相補的又は互換性のある上方及び下方嵌合部を備え、1つの建造ブロックの上方嵌合部が別の建造ブロックの下方嵌合部内に完全に挿入されるように建造ブロックが組み立てられる。それにより、結果として、対応する嵌合部が係合したときに隣接建造ブロック間に摩擦係合を形成する。しかしながら、このような連結は、摩擦係合によるものにすぎず、全体として固定されていない。
【0039】
ただの摩擦係合を超えて建造ブロックの連結を助け、それにより、構造的一体性又は安定性を強化するために、図9及び9Aに示した建造ブロック固定具(ファスナー)900が提供される。建造ブロック固定具900は、ヘッド部910、端部920及び該ヘッド部及び端部を連結するシャフト部930を備える。建造ブロック固定具は、使用時、ヘッド部910が第1(連結元)建造ブロックの第1部位に固定され、端部920が第2(連結先)建造ブロックの第2部位に固定され、且つ、第1建造ブロックの第1部位と、建造ブロックによって拘束されない第2建造ブロックの第2部位との間にシャフト部930が延びるように構成される。
【0040】
固定具のヘッド部910は、使用中に第1建造ブロックに固定(支持)する、又は第1建造ブロックを押圧するように構成され、且つ、ボス部を備える。該ボス部は、連結元(ソース)建造ブロックの管状部の円筒壁によって停止されて、連結工程中に管状部を通ってボス部が移動することを防止するように構成された水平(横断)延在部を有する。ボス部は、周囲に延在するフランジを備え、該フランジは、円筒壁を備えた建造ブロックに固定具のヘッド部が固定されるとき、使用中に円筒壁の頂端部に乗り、且つ、該頂端部に対して作用するように構成されている。ヘッド部910が第1建造ブロックに固定されるとき、それは、圧接により第1建造ブロックに対して作用するだけであり、第1建造ブロックに対する螺子山式又は他のロック式係合を開始することはない。
【0041】
シャフト部930は長尺シャフト体を備え、長尺シャフト体は、第1及び第2建造ブロックを通過し、これら建造ブロックで拘束又は係合されないように構成されている。管状部内の極小幅の通路は、締結固定装置の螺旋螺子山で定められたクリアランスによって決定され、シャフト部930の長尺体は、自由且つ拘束されない極小幅の通路を通してシャフト部が横断することを許容する寸法を有する。本実施例では、シャフト部930は円筒状であると共に、その長さを通して均一な断面を有し、且つ、シャフト部930断面は、シャフト部930が通過する建造ブロックからシャフト部が解放されるように構成される。他方、シャフト部930の径は、十分に強力な固定を助けるために必要なクリアランス径よりも僅かに小さい。シャフト部930は、第1建造ブロック(固定具のヘッド部がその上に自由に又は拘束されないで固定される)を通過することを必要とし、シャフト部の長さLは、ヘッド部910が第1建造ブロックに固定されるときに第1建造ブロックの締結固定装置をバイパスするのに十分に長くなければならない。他方、シャフト体部930及び螺子部920の全長(L+L)が、螺子部920の螺旋螺子山にとって、ヘッド部910が第1建造ブロックに固定されるときに、さらなる締め付けの可能性を有して、第2又は連結先の建造ブロックの締結固定装置との係合に進むのに十分である必要があるように、ファスナーの螺子部920の長さ(L)が構成される。螺子部920が第2又は連結先の建造ブロック以外の建造ブロックの締結固定装置に関わり合い又は係合しないために、長さLは螺旋螺子山の2〜3巻きに十分であればよい。
【0042】
端部920は、第2の連結先の建造ブロックに形成された締結固定装置との解放可能な係合を形成するために構成された係合手段を備える。端部920は、固定を助けるように連結先建造ブロックの管状部内に形成された締結固定装置と係合するように構成されている。そして、端部920は、締結固定装置によって妨害されるが、管状部の内外に自由にスライド(摺動)する。他方、係合手段がそれとの回転接触(negotiation)時に締結固定装置内に移動可能である。
【0043】
本実施例では、係合手段は、上方嵌合凸部(142、242、...、842)の貫通孔内に形成された締結固定装置の螺子部(146、246、...、846)とのスクリュー式係合を形成するために構成され、且つ、締結固定装置の螺旋螺子山と互換性がある複数の螺旋螺子山を有する螺子部を備える。螺子端部920の螺旋螺子山は、シャフト部930と同一の断面を有するシャフト本体部から突出する。本実施例では、固定具900が硬質プラスチックから一体成形されると共に螺旋螺子山が一度で形成される。
【0044】
螺子部920のピッチは、管状部(142、242、...、842)によって形成された上方嵌合凸部の貫通孔内の対応する螺子部(146、246、...、846)のものと同じであり、相補的な螺子式係合を助ける。固定具の係合手段は、連結先建造ブロックの上方嵌合凸部の貫通孔内に形成された雌螺子とのしっかりとした密着係合を形成するように構成されている。連結先建造ブロックの締結固定装置への固定具のしっかりとした密着係合を助けるために、固定具の係合手段の螺子部の外径は、建造ブロックの管状部の螺旋螺子山によって定められるクリアランス径よりも大きく、尚且つ、管状部を定める円筒壁によって定められる貫通孔の径と同じであるか、又は、それよりも僅かだけ小さい。同様に、固定具の螺子部の内径は、締結固定装置の雌螺子の内径と同じであるか、又は、それよりも僅かだけ小さい。
【0045】
図10及び10Aに示した建造ブロック固定具1000は、固定具900を細長くしたものであり、シャフト部(L)の長さがLよりも実質的に長い。より詳細には、長さの差(L−L)は、2つの直に堆積された建造ブロックの螺子部間の離隔距離の倍数(n)と等しい。ここでnは整数であり、例えば1〜10である。固定具がより長いシャフト本体を有する場合、嵌合連結の際、1又は複数の建造ブロックが、固定具のヘッド部1010が固定される第1(連結元)建造ブロックと、固定具の端部1020が固定される第2の連結先建造ブロックとの間に挿入可能である。そうでなければ、固定具1000の特徴は、第1例の固定具900と同一であり、固定具900に関する上述の説明は、簡潔のために100で付加された同じ又は同等の特徴の番号を参照することにより、ここに援用される。
【0046】
図10及び10Aに示された建造ブロック固定具1000は、ヘッド部1010、端部1020及び該ヘッド部及び端部を連結するシャフト部1030を備える。螺旋螺子山の代わりに、端部1020は、固定具の端部上の外周に分配された複数の放射状に突出するスタッドを備える。そうでなければ、固定具1000の特徴は、第1例の固定具900と同一であり、固定具900に関する上述の説明は、簡潔のために200で付加された同じ又は同等の特徴の番号を参照することにより、ここに援用される。
【0047】
別の固定具の実施例(図示せず)では、固定具のヘッド部は、管状部内の締結固定装置によって妨害されることなく連結元建造ブロックの管状部の孔内に受容可能であるように構成される。この構成では、ヘッド部が円筒壁と同一平面上にあり(ぴったり重なり)、又は、円筒壁の下方にあってもよく、そして、螺子式係合なしに圧接のみによるが、ヘッド部が第1建造ブロックの締結固定装置に固定される。説明した例示の固定具は、螺旋螺子山の内径と等しい水平寸法を有するシャフト本体部から突出する螺旋螺子山で硬質プラスチックから一体成形される。固定具は、一般性を喪失することなく、金属又は他の成形可能な材料から形成可能であることが認められる。
【0048】
図12、12A〜12Dは、固定具(900、1000)で連結された3つの建造ブロック(800、600、200)を備える例示の構造1180を示す。本例では、2つの一列に並んだ管状部を有する図2の2×1建造ブロック200が図6の2×2建造ブロック600上に積み重ねられ、嵌合して結合している。2×2の規則マトリックスで配列した4つの管状部を有する2×2建造ブロック600は、4×2の規則マトリックスで配列した8つの管状部を有する図8の4×2建造ブロック800上に積み重ねられ、嵌合連結している。本願の構造の一部を形成すべく2つの建造ブロックが嵌合連結状態で積み重ねられたとき、下方の建造ブロックの上方嵌合部(嵌合凸部を備える)が、上方の建造ブロックの下方嵌合部(レセプタクルを備える)によって、しっかりと密着した状態で完全に受容される。この状態では、上方の建造ブロックの外周スカートの底部エッジが、下方の建造ブロックのベースパネルの上面に直接に置かれ、且つ、該上面によって支持される。
【0049】
図12C及び12Dに示すとおり、固定具1000は、積み重ねられた建造ブロック200、600及び800間の締結された連結をもたらすことに使用され、他方、別の固定具900が積み重なった建造ブロック600及び800間の締結された連結をもたらすことに使用される。
【0050】
図12Dに示すとおり、固定具900のヘッド部は、円筒壁に対する圧接により建造ブロック600に固定される。このとき、ヘッド部910の外周フランジが管状部640の円筒壁642の頂端部に直接的に乗っている。固定具900の端部920の第2螺旋螺子山と建造ブロック800の螺旋螺子山846との間の螺子式係合手段によって、固定具900の端部920が下方の建造ブロック800に係合する。さらに、固定具900のシャフト部930は、自由な又は拘束されていない状態で、建造ブロック600の締結固定装置の螺子部646を通過する。
【0051】
図12Cに示すとおり、固定具1000のヘッド部は、建造ブロック200に固定され、ヘッド部1010の外周フランジが、管状部240の円筒壁242の頂端部に直接的に置かれる。固定具1000の端部1020の第2螺旋螺子山と建造ブロック800の1つの螺旋螺子山846との間の螺子式係合手段によって、固定具1000の端部1020が下方の建造ブロック800に係合する。さらに、固定具1000のシャフト部1030は、自由な又は拘束されていない状態で、2つの建造ブロック200及び600の螺子部246及び646を通過する。
【0052】
建造ブロックの堅い連結をもたらすことへの建造ブロック固定具の応用を以下に説明する。
【0053】
3つの建造ブロック(800、600、200)が、嵌合連結で隣接建造ブロックに積み重ねられた後、ユーザーは、管状部640の開口644内に端部920を挿入することにより、建造ブロック600及び800をロックするために、固定具900を適用する。固定具900の端部920の放射状に突出する螺子山が、軸挿入の行程において建造ブロック600の螺子山部646に接触するとき、ユーザーは、そのシャフト軸の周りに固定具を回転させることが必要であり、次の建造ブロック800に対してさらなる軸方向の前進を形成するように、建造ブロック600の螺子部646の螺子山と適合させ且つそれを乗り越えさせる。なぜなら、固定具900端部の螺子式係合手段が管状部内のクリアランス孔を上回るからである。螺子端部920が建造ブロック600の螺子部646を通過した後、固定具900のシャフト部930は、螺子部646に対して自由にスライド及び/又は回転し、第1層の建造ブロック800の螺子部846に接触するまで建造ブロック800に対して移動する。このとき、ユーザーは、そのシャフト軸の周りに固定具900を回転させて、2つの建造ブロック600及び800間の連結をもたらすように建造ブロック800の螺旋螺子山846との螺子式係合を形成することが必要である。ユーザーは、螺子式係合が形成された後にさらに固定具を回転させることにより、2つの建造ブロック600及び800間の連結をさらに堅くすることを選択することができる。本例では、1つの建造ブロック、つまり、建造ブロック800との螺子式係合だけでなく、固定具900が2つの建造ブロックを通って横断する。
【0054】
同様に、ユーザーは、3つの建造ブロック200、600及び800の嵌合連結を締めるように固定具1000を適用する。建造ブロックのロックされた連結をもたらすように、ユーザーは、最初に、固定具1000の端部1020を建造ブロック200の管状部240の開口244内に軸方向に挿入する。固定具1000の端部1020の半径方向に突出する螺子山が、軸方向の挿入の行程で建造ブロック200の螺子部246に接触するとき、ユーザーは、そのシャフト軸の周りに固定具1000を回転させることが必要であり、次の建造ブロック600に対してさらなる軸方向の前進を形成するように、建造ブロック200の螺子部246の螺子山を乗り越えさせる。固定具1000の螺子端部1020が建造ブロック600の螺子部646を通過した後、固定具1000のシャフト部1030は、螺子部646に対して軸方向にスライドすることによって、第1層の建造ブロック800の螺子部846に接触するまで建造ブロック800に対して自由に前進する。そして、ユーザーは、再度、そのシャフト軸の周りに固定具1000を回転させて、建造ブロック800の螺子部846の螺子山を乗り越えることにより、建造ブロック800の螺子部846との螺子式係合を形成して建造ブロック800に固定する。本例では、1つの建造ブロック、つまり、建造ブロック800との螺子式係合だけでなく、固定具1000が3つの全建造ブロックを通って横断する。ヘッド部1010は、連結を堅くするように圧接によって建造ブロック200に対して作用する。さらに、固定具1000は、建造ブロック200及び300に介在する建造ブロック600によって拘束されない。
【0055】
別例では、固定具1000は、別の固定具900で置換可能であり、3つの建造ブロック200、600及び800を備えるアセンブリ(組み立て体)は、図9の2つの同一の固定具900で締結可能である。この別例では、第1固定具900が建造ブロック200及び600を締結することに使用され、且つ、第2固定具900が建造ブロック600及び800を締結することに使用される。それにより、全3つの建造ブロックのロックされた連結をもたらす。
【0056】
例えば、図13A及び13Bに示すとおり、建造ブロック800を備えるアセンブリ1190を形成するために図11の固定具1110が使用される場合、一般性を喪失することなく、固定具の「螺子端部」との参照が固定具1100の「スタッド端部」という表現に置き換わることを除いて、適用が実質的に同一であり、固定具の適用(利用)に関して上述した説明がここに援用される。
【0057】
図13の建造ブロック1190の積み重ねは、第1建造ブロック800−1を備え、該第1建造ブロック800−1の上には第2建造ブロック800−2が積み重ねられており、建造ブロック構造のサブアセンブリの例を形成する。第1及び第2建造ブロックが積み重ねられることにより、第1建造ブロック800−1の上方嵌合部が、下方嵌合部によって完全に受容され、第2建造ブロックの外周スカートによって包囲される。建造ブロック800の下方嵌合部は、図8Bで示したような規則的な2行×4列マトリックスに配列した8つの嵌合レセプタクル880を備える。図13Cに示したとおり、4ピースの固定具1100−1〜1100−4が、第1建造ブロック800−1及び第2建造ブロック800−2を連結することに使用される。そして、第2建造ブロック800−2の上方嵌合凸部の半分が中間ブロック固定具により占有されていないままである。4つの固定具1100−1〜1100−4は、固定具の連結力をより均等に分配すべく、2つの固定具が各行にあると共に1つのみの固定具が各列にあるように配置されている。
【0058】
建造ブロック800−1及び800−2を備えるサブアセンブリが形成された後、第2建造ブロック800−2が第1建造ブロック800−1の上に積み重ねられたのと同様に、第3建造ブロック800−3がサブアセンブリ1190の上に積み重ねられる。4つの固定具1100−5〜1100−8が、サブアセンブリ1190に第3建造ブロックをロックすることに使用される。4つの固定具1100−5〜1100−8が、第3建造ブロック800−3の4つの上方嵌合凸部の貫通孔内に挿入されることにより、直下の建造ブロック800−2の上方嵌合凸部に形成された締結固定装置に係合する。この要件を満たすために、固定具が第3建造ブロック800−3の4つの上方嵌合凸部内に挿入され、該第3建造ブロック800−3の4つの上方嵌合凸部は、図13Cに示すような、4つの固定具1100−1〜1100−4によって占有されていない第2建造ブロック800−2の4つの上方嵌合凸部に対応する。そして、4つの固定具1100−5〜1100−8は、その上に形成された占有されていない締結固定装置に係合することにより、第2建造ブロックでロックされて、スタック状態で3つの建造ブロックを備える建造ブロックアセンブリを形成する。
【0059】
図13D及び13Eに示すとおり、固定具1100−1〜1100−4のヘッド部は、建造ブロックの上方嵌合凸部の上に突出し、且つ、第2建造ブロック800−2の上の固定具の凸部は、嵌合レセプタクルによって良好に受容されると共に、連結時に建造ブロック800−3の嵌合レセプタクルの頂部を押圧しないように構成される。
【0060】
様々なシャフト部の長さの固定具1100が、建造ブロック800−1〜800−3の連結に使用されたが、一般性を喪失することなく、固定具900及びより長いシャフト形態1000を相互交換的に使用可能であることが認められる。
【0061】
固定具900、1000及び1100のヘッド部が、管状部内に受容可能であるとともに内孔の雌螺子によって保持されるように構成されている場合、ヘッド部は、対応する上方嵌合凸部の上に突出しない。これはいくつかの用途によっては好ましい。
【0062】
8つの固定具が図13Bの3つの2×4建造ブロックを備えるアセンブリの連結に使用された場合、より少数の固定具を使用可能であることも認められるべきである。例えば、2つの固定具1100が、建造ブロック800−1に連結するために、建造ブロック800−2の対角端で上方嵌合凸部内に挿入されてもよい。また、建造ブロック800−2及び800−3の間を連結するための別の2つの固定具1100が、締結力を分配すべく、建造ブロック800−2の他の対角端で、残った上方嵌合凸部を占有してもよい。
【0063】
様々な長さのシャフト部を有する固定具が使用される場合、例えば、第1の800−1及び第3の800−3を連結するのに十分に長いシャフト部を有する固定具が、第1の800−1及び第2の800−2の建造ブロックを連結するのに十分に長いシャフト部を有する固定具と組み合わせて使用される場合、より少数の固定具を使用可能であり、且つ、引っ張り力及び/又は負荷要求を満たすように固定具の分配を選択可能である。
【0064】
さらに、図13Bにおいて建造ブロックの例示の構造を説明するために3つの同一の建造ブロックを使用したが、上方嵌合凸部の様々なアレイ又はマトリックスを備える建造ブロックを一般性を喪失せずに組み合わせて使用可能であることが認められる。さらに、固定具のヘッド部が直上の建造ブロックの上方嵌合凸部の貫通孔の下方で軸方向に配置されるので、連結を堅くし、及び、緩めるために上方からヘッド部にアクセス可能である。例えば、建造ブロック800−1は、建造ブロック800−3の管状部を通してアクセスすることにより、最初に建造ブロック800−3を取り除くことなく、図13Bのアセンブリから解放又は締め付け可能である。
【0065】
図14のデスク1200は、本発明の開示に従った建造ブロック及び固定具から構築された例示のモジュール構造である。家具の例として、デスクは、デスク頂面1288、左側サポート(支持部)1290、右側サポート1292、中央サポート1294、上側引出1296及び下側引出1298を備える。
【0066】
デスク頂面は、湾曲端を有する複数の2×1建造ブロック300、複数の3×1建造ブロック400及び複数の4×1建造ブロック500から組み立てられている。水平なデスク頂面は、過渡的な連結(transitional interconnection)が存在するとき以外、建造ブロックの外周スカートの長尺サイドパネル362、462、562によって集積的に形成されている。過渡的な連結が存在する場合、デスク頂面に寄与する過渡的な部品(transitioning part)の部分は、建造ブロックの短いサイドパネル又は湾曲したサイドパネルのいずれかによる。デスク頂面には、2種類の過渡的な連結が存在し、すなわち、第1のタイプは、湾曲コーナーとのL字形状の過渡的な連結であり、第2のタイプはT字形状の過渡的な連結である。
【0067】
第1のタイプの過渡的な連結は、デスク頂面の極端で形成された湾曲したエッジである。この過渡的な連結は、デスクの水平頂面のエッジ部から垂直サポートまでの湾曲した移行を助ける。エッジ部は、複数の建造ブロック300で集積的に形成される。そして、隣接する建造ブロック300の長軸が互いに対して直角であることにより、水平デスク頂面から垂直サポート面(例えば、左側又は右側サポート)までのL字型移行を助けるように、該複数の建造ブロック300が組み立てられる。デスク頂面のエッジ部は、建造ブロック300の湾曲したサイドパネルのアンサンブル(集積)によって寄与され、また、滑らかなエッジを形成するように構成される。
【0068】
第2のタイプの過渡的な連結は、「T」字形状連結であり、それは、水平デスク頂面からデスク頂面の極端の中間位置での垂直サポートまでのT字型移行を形成するように提供される。「T」字形状連結は、複数の建造ブロック400で集積的に形成される。そして、隣接する建造ブロック400の長軸が互いに対して直角であることにより、水平デスク頂面から垂直サポート面(例えば、中央サポート)までのT字型移行を助けるように、該複数の建造ブロック400が組み立てられる。
【0069】
この第2のタイプの連結では、建造ブロックの1つの長手端の上方嵌合凸部が、隣接する建造ブロックの中間のレセプタクルに嵌合連結することにより、「T」字型移行のサブアセンブリを形成する。本文脈の中間レセプタクルは、同じ建造ブロックの中間レセプタクルの各側に隣接する少なくとも1つのレセプタクルが存在するように他のレセプタクルの中間にあるレセプタクルを意味する。
【0070】
図14Aに示すとおり、建造ブロックを形成するデスク頂部の別の列は、垂直サポートの一部を形成する湾曲エッジに直接的に固定され、そして、垂直サポートの一部を形成するエッジの過渡的な建造ブロックに直接的に接続されない建造ブロックを形成するデスク頂部の列は、エッジの過渡的な建造ブロックに直接的に接続された建造ブロックの隣接する列に固定される。これにより、頑丈なデスク頂面の形成を助ける。同様に、「T」字型移行を形成する建造ブロックの別の列が、デスク頂面を形成する過渡的でない建造ブロックに直接的に固定され、そして、過渡的でない建造ブロックが、図に示すように、様々な固定具により1つに固定される。
【0071】
図14A〜14Cに示すとおり、デスクの様々な部位を形成する建造ブロックは、異なるシャフト部の長さの固定具によって異なる場所で接続されることにより、図14の複雑な構造を形成するように嵌合連結で建造ブロックの連結を容易にする。
【0072】
図15〜15Lは、図14のデスクの引出の様々な層及び該様々な層を連結することに使用される固定具を示している。複数の直角配置された建造ブロックを有する3次元構造が、ここに説明した固定具及び建造ブロックを使用することによって組み立て及び連結可能であることを引出から例示していることに留意すべきである。
【0073】
一例では、デスク頂面が湾曲エッジでヒンジ式に接続されるだけであり、デスク頂面が建造ブロックの湾曲部で定められたヒンジの周りを移動可能であるように、デスクが構成されてもよい。このような構成では、デスク頂面は、中央サポート又は他の垂直サポートに固定されない。さらに、固定具は、垂直サポートに対してデスク頂面のヒンジ式移動を助けるように、水平平坦サイドパネル面を有する建造ブロック、又は、垂直平坦サイドパネル面を有する建造ブロックのいずれか一方(両方ではない)との螺子式係合を形成するだけであってもよい。
【0074】
図16〜19は、ここに開示した建造ブロックの様々な連結の変形例を示す。図16、16A及び16Bに示したアセンブリでは、上方の建造ブロックの締結固定装置との係合のために、固定具が下方の建造ブロックの下方嵌合部の側部から挿入されることを除いて、建造ブロックは図13のものの同様に積み重ねられる。図16Bに示すとおり、固定具のヘッド部は、嵌合レセプタクルに受容され、そして、固定具の端部が上方の建造ブロックの管状部内にある。
【0075】
図17、17A及び17Bに示したアセンブリでは、隣接する建造ブロックの嵌合凸部が対向し且つ隣接状態にあるように建造ブロックが積み重ねられる。他方側の建造ブロックの締結固定装置との係合のために、一方側の建造ブロックの下方嵌合部の側部から固定具が挿入される。
【0076】
図18、18A及び18Bに示したアセンブリでは、隣接する建造ブロックの下方嵌合部が対向し且つ隣接状態にあるように建造ブロックが積み重ねられる。他方側の建造ブロックの締結固定装置との係合のために、一方側の建造ブロックの上方嵌合部の側部から固定具が挿入される。この変形例では、固定具のヘッド部を停止させる建造ブロックの部分から締結固定装置がさらに離れると、より長いシャフト部を有する固定具が必要となる。
【0077】
上述の例では、様々な形態及び構成の構造が建造ブロックから構築可能であると共に、ここに説明した種類の固定具を使用して連結を維持可能であることを述べた。このような多用途性が可能である。なぜなら、建造ブロックが嵌合連結した場合、固定具は、建造ブロックの相対的な配向に拘わらず螺子式係合によって建造ブロックの連結を可能とするからである。例えば、この固定具は、2つの建造ブロックが平行又は直角に並ぼうが、中間建造ブロックの固定を可能とする。なぜなら、固定具のシャフト部が建造ブロックのいずれかによって軸方向移動を制限されないからである。連結先の建造ブロックの1つだけの締結固定装置への係合(例えば、螺子式係合)に固定具が進むだけであるような、固定具の一端だけで回転係合手段を提供することにより、整列の配向(向き)に拘わらず、建造ブロックの連結が可能となる。
【0078】
本発明の実施形態を上述の例を参照して説明したが、該実施形態は、本発明を説明するための非限定的な例示であり、本発明の技術範囲を限定するように解釈されるべきではない。説明した例示の建造ブロックは、1つの完全な螺子巻き未満の螺子部を含んだが、螺子部は一般性を喪失することなく複数の螺子山を備えてもよいことが認められる。例えば、各連続する螺子山が完全な1巻き未満であり、且つ、隣接する螺子山の巻き間の隙間が整列することによって、上方嵌合凸部の孔軸に平行な方向に延びる直線凹部を該隙間が集合的に定めるように、複数の螺子巻きが半端であってもよい。さらに、上述の例示の建造ブロックが硬質プラスチックから成形又は形成されたが、一般性を喪失せずに、建造ブロックは、コンクリート、金属又は他の成形可能な材料から成形可能であり、あるいは、木又は金属要素のような成形不可能な材料から形成可能である。
【符号の説明】
【0079】
図1
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3
図4
図5
図6
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図7A
図7B
図8
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図9A
図10
図10A
図11
図11A
図12
図12A
図12B
図12C
図12D
図13
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図14
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図15C
図15D
図15E
図15F
図15G
図15H
図15I
図15J
図15K
図15L
図16
図16A
図16B
図17
図17A
図17B
図18
図18A
図18B