特許第5698413号(P5698413)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5698413
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】再循環システム
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/10 20060101AFI20150319BHJP
   B01D 53/44 20060101ALI20150319BHJP
   B01D 53/74 20060101ALI20150319BHJP
   B41F 13/00 20060101ALI20150319BHJP
   G03G 15/16 20060101ALI20150319BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20150319BHJP
【FI】
   G03G21/10
   B01D53/34 117F
   B41F13/00
   G03G15/16
   G03G21/00 538
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-517478(P2014-517478)
(86)(22)【出願日】2011年7月15日
(65)【公表番号】特表2014-527189(P2014-527189A)
(43)【公表日】2014年10月9日
(86)【国際出願番号】EP2011062170
(87)【国際公開番号】WO2013010570
(87)【国際公開日】20130124
【審査請求日】2013年12月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】596097844
【氏名又は名称】ヒューレット−パッカード・インデイゴ・ビー・ブイ
【氏名又は名称原語表記】Hewlett−Packard Indigo B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100121061
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 清春
(72)【発明者】
【氏名】フライドマン,イアン
(72)【発明者】
【氏名】サンドラー,マーク
(72)【発明者】
【氏名】シュルム,ドロン
(72)【発明者】
【氏名】ガーステンフェルド,ダニー
(72)【発明者】
【氏名】マイロン,アサフ
【審査官】 三橋 健二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−022398(JP,A)
【文献】 特開2005−316366(JP,A)
【文献】 特開2010−107637(JP,A)
【文献】 特表平09−505411(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/10
G03G 21/00
G03G 15/16
B41F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタ用キャリア再循環システムであって、
プリント動作中に所与のページ上に付与されるべきインクキャリアの液量を決定するコントローラと、
前記プリント動作中に前記ページに液体インクキャリア及びインクを付与するための少なくとも1つのプリントヘッドであって、該プリント動作中に該液体インクキャリアの少なくとも一部が蒸発する、少なくとも1つのプリントヘッドと、
プリント領域に隣接した空気入口を有する空気通路と、
該空気入口の近傍のインクキャリア蒸気の濃度を検知するために使用されるセンサと、
該空気通路に結合され及び該空気通路内の空気流を制御する可変速度ファンであって、前記空気入口から空気出口へと前記空気通路を介して空気を移動させる、可変速度ファンとを備えており、
該可変速度ファンに前記コントローラが結合されており、該コントローラが、前記ページ上に付与されるべき決定された液体キャリアの量に応じて前記可変速度ファンの速度を変更し、更に、
前記空気出口において前記空気通路に結合された凝縮器であって、前記蒸発したインクキャリアの少なくとも一部を液化させる、凝縮器を備えており
前記コントローラが、前記空気入口の近傍の前記インクキャリア蒸気の濃度を第1のしきい値よりも高く維持するよう前記可変速度ファンの速度を調節し、及び前記センサにより検知された前記インクキャリア蒸気の濃度が前記第1のしきい値よりも高い第2のしきい値となり又は該第2のしきい値よりも高くなった場合に前記可変速度ファンの速度を最大速度に調節する、
プリンタ用キャリア再循環システム。
【請求項2】
前記インクキャリアが揮発性有機化合物である、請求項1に記載のプリンタ用キャリア再循環システム。
【請求項3】
前記コントローラが、所与のページ上にプリントされるべき画像におけるインクにより覆われる量、該ページ上に付与されるべきインク/インクキャリアの比、及びプロセス速度に基づいて、該ページ上に付与されるべきインクキャリアの液量を決定する、請求項1又は請求項2に記載のプリンタ用キャリア再循環システム。
【請求項4】
前記空気通路の前記空気出口が、前記凝縮器の一部のみを覆い、及び該凝縮器の他の部分を、前記空気通路内の前記空気流とは無関係の第2の空気流のために使用すべく解放状態のままにして、該凝縮器が、前記空気流及び前記第2の空気流を互いに混合させることなく、前記空気通路から前記空気流を受容し、及び前記プリント領域に隣接する領域以外の前記プリンタ内の領域から前記第2の空気流を受容するようになっている、請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載のプリンタ用キャリア再循環システム。
【請求項5】
前記空気流及び前記第2の空気流が前記凝縮器を通過すると、該2つの空気流を共に混合することが可能となる、請求項4に記載のプリンタ用キャリア再循環システム。
【請求項6】
記凝縮器の前記他の部分を介して前記第2の空気を強制的に送る第2のファンを更に備えている、請求項又は請求項に記載のプリンタ用キャリア再循環システム。
【請求項7】
プリンタ内でインクキャリアを再循環させるための方法であって、
プリント動作中に所与のページ上に付与されるべきインクキャリアの液量を決定し、
該決定されたインクキャリアの液量を使用して前記ページ上に画像をプリントし、該ページがプリントされる前又は該ページがプリントされる間に該インクキャリアが蒸発し、
前記ページ上に付与されるべき決定されたインクキャリアの液量に基づき、前記プリント領域の近傍における前記蒸発したインクキャリアの濃度が第1のしきい値よりも高く維持されるように該プリント領域の近傍の領域から凝縮器への空気流を制御すべく、インクキャリア再循環システムにおけるファン速度を調節し、
前記プリント領域の近傍における前記蒸発したインクキャリアの濃度を検知し、該検知された該蒸発したインクキャリアの濃度が前記第1のしきい値よりも高い第2のしきい値を超えた場合に前記ファン速度を最大速度に増大させる、
という各ステップからなる、プリンタ内でインクキャリアを再循環させるための方法。
【請求項8】
前記インクキャリアが揮発性有機化合物である、請求項7に記載のプリンタ内でインクキャリアを再循環させるための方法。
【請求項9】
前記コントローラが、前記ページ上にプリントされるべき画像におけるインクにより覆われる量、該ページ上に付与されるべきインク/インクキャリアの比、及びプロセス速度に基づいて、該ページ上に付与されるべきインクキャリアの液量を決定する、請求項7又は請求項8に記載のプリンタ内でインクキャリアを再循環させるための方法。
【請求項10】
前記プリント領域の近傍の領域以外の前記プリンタ内の領域から、前記空気流を受容しない前記凝縮器の部分へ、第2の空気流を強制的に送り、
前記空気流及び前記第2の空気流が前記凝縮器を通過するまで該空気流及び該第2の空気流が混合するのを阻止する、
という各ステップを更に含む、請求項7又は請求項8に記載のプリンタ内でインクキャリアを再循環させるための方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
プリンタ及び印刷機(以下「プリンタ」)には、動作中に生成された熱及び/又は蒸気を除去するために凝縮器を使用するものがある。凝縮器は、1つ以上の温度が制御された表面を使用して、該凝縮器を通過する流体の温度に影響を与える。次いで該流体がプリンタに戻るよう再循環されてプリンタの許容可能な動作温度が維持される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
図1ないし図6及び以下の説明は、本発明のベストモードを作成し使用するための方法を当業者に教示するために特定の実施形態について記述したものである。本発明の原理を教示する上で、幾つかの従来の特徴は簡素化し又は省略する。当業者であればかかる実施形態から本発明の範囲内に含まれる変形例を理解することができよう。以下で説明する複数の特徴を様々な態様で組み合わせて本発明の多数の変形例を形成することが可能であることが当業者には理解されよう。その結果として、本発明は、以下で説明する特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲及びその等価物によってのみ制限されるものである。
【0003】
本書で説明する例示的なシステム及び装置は、(例えば印刷機等のプリンタにおける)蒸気の収集を増大させ及び/又は該蒸気の放出を低減させるために使用することが可能なものである。本書で説明する幾つかの例示的な装置は、空気とインクキャリア蒸気との混合物をプリンタから凝縮器へと導くためのダクトを含む。該ダクトは、凝縮器の一部のみに接続することが可能である。該凝縮器の他の部分は、プリンタを介して流れるがダクトを介して流れない空気を冷却するために使用することが可能である。該ダクトは、該ダクトの外部からの空気による前記混合物内の前記インクキャリア蒸気の希薄化を大幅に低下させ又は阻止する。このため、該混合物は、該混合物がプリンタからダクトに入ったときと実質的に同じ濃度のインクキャリア蒸気を有するものとなる。この例示的な凝縮器は、次いで該混合物を冷却して、該混合機内の該インクキャリア蒸気の少なくとも一部を液体へと凝縮させ、次いで該液体を収集することが可能である。収集されたインクキャリアは再利用することが可能である。更に、インクキャリアの収集は、プリンタから脱出するインクキャリア蒸気の量を低減させるものとなる。次いで該凝縮器からの冷却された空気がプリンタ内へと再循環される。
【0004】
ダクトに入る空気及びインクキャリア蒸気の混合物は、様々なページをプリントするために使用されるインクの量の変化に起因して、変動するインクキャリア蒸気濃度を有する可能性がある。ダクト内の流れにおけるインクキャリア蒸気の濃度の低下は、凝縮器の効率を低下させるものとなる。ダクト内の空気及びインクキャリア蒸気の混合物の流れは、可変速度ファンによって制御される。該ファンの速度は、1ページに使用されるインクの量及び既知のオイル−インク比に基づいて調整され、これにより混合物中のインクキャリア蒸気の濃度が維持される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本開示の教示に従って構成された凝縮器を用いたプリンタについての例示的な空気流サイクルを示している。
図2図1の例示的な画像転写装置を示している。
図3】本発明の一実施形態における再循環システム300の一部の斜視図である。
図4】本発明の一実施形態における再循環システム300の平面図である。
図5】本発明の一実施形態におけるプリンタ500の単純化されたブロック図である。
図6】本発明の一実施形態におけるプリンタの内部の再循環システムの動作方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1は、プリンタ又は印刷機100についての例示的な空気流サイクルを示している。該例示的なプリンタ100は、インクキャリアの大部分を含む1つ以上のインクを使用する。実施形態によっては、該インクキャリアは、Isopar(登録商標)L 等の揮発性有機化合物(VOC)である。VOCの排出は政府機関によって規制されており、このため、規制量未満に排出を維持することが望ましい。インクが画像転写装置102に送られてプリント基体104(例えば紙)上転写される際に、インクキャリアがプリンタ100の内部の空気中に蒸発し、このため、プリンタ100内部のインクキャリア蒸気濃度が上昇し、その結果として蒸気の大量排出が増大することになる。
【0007】
図2は、図1の例示的な画像転写装置102を一層詳細に示したものである。該例示的な画像転写装置102は転写部材202を含む。該転写部材202は、ブランケットとしても知られるものであり、インク画像をドラム204から受容する。該転写部材202は、該インク画像を紙等のプリント基体104へ付与するために回転する。上述のように、インクからのインクキャリアは転写部材202の近傍で空気中に蒸発する。該転写部材202の近傍に配置されたフード206は、蒸発したインクキャリアを含む印刷機内の熱い空気を捕捉し、該熱い空気を画像転写装置102から離れるよう(例えば送風機又はファンを介して)追いやって該空気を除去し及び/又は再循環させる。
【0008】
図3は、本発明の例示的な一実施形態における再循環システム300の一部を示す斜視図である。該再循環システム300の一部は、ダクト302及び凝縮器306を示している。該ダクト302は、アクセス及びメンテナンスのために分割することができる2つの部分(308,310)を有する。部分310は、該ダクトが閉鎖位置にあるときに部分308のシール312と係合する面304を有している。ダクトの部分308は、凝縮器306に取り付けられて該凝縮器306と結合している。ダクトの部分308は、凝縮器306の一部のみを覆い、該凝縮器306の側縁部は、該ダクト302内の空気流とは無関係に空気流のために使用すべく解放状態のままとなっている。ダクト302は、フード206(図2参照)に結合され、蒸発したインクキャリアを含む印刷機内部の熱い空気を凝縮器306内に導く空気通路を形成する。
【0009】
図4は、本発明の例示的な実施形態の再循環システム300の一部を示す平面図である。該再循環システム300の一部は、ダクト302の2つの部分(308,310)を閉鎖/結合位置で示している。凝縮器306は、2つの異なる空気流を受容する。第1の空気流は、ダクト302から凝縮器306に向かって導かれて該凝縮器306の中央部分306cを通過する。第2の空気流は、凝縮器の2つの側部(306a,306b)を通過する。第1の空気流422は、転写部材202の近傍に位置するフード206を介して引き込まれ、高濃度のインクキャリア蒸気を含む。第2の空気流424は、プリンタ内の他の内部領域からの加熱された空気である。第2の空気流424は、第1の空気流422と比較して遙かに低い濃度のインクキャリア蒸気を有する。ダクト302は、第1及び第2の空気流が凝縮器306を通過するまで、該第1及び第2の空気流が混合するのを阻止する。該2つの空気流が凝縮器306を通過すると、その2つの冷却された空気流が共に混合することが可能となる。次いで、該冷却された空気は、プリンタを介して再利用することが可能となる。
【0010】
第1の空気流422が凝縮器を通過する際、該空気が冷却されてインクキャリア蒸気の少なくとも一部が液体へと凝縮される。該液体インクキャリアは収集されて再利用可能となる。該液体インクキャリアは、第1の空気流中の水蒸気から凝縮された水を含むことが可能である。第1の空気流から凝縮されるインクキャリアの量は、第1の空気流中のインクキャリア蒸気濃度、第1の空気流の温度、凝縮器の温度、第1の空気流の流量、及び凝縮器の形状寸法を含む、複数の変数によって決まる。一般に、第1の空気流中のインクキャリア蒸気の濃度が高いほど、凝縮器の効率は高くなる。
【0011】
転写部材202の近傍の空気中のインクキャリア蒸気の濃度は、ページ上にプリントされる画像におけるインクにより覆われる量、ページ上に付与されるインク/キャリアの比、及びプロセス速度を含む、複数の因子によって決まる。ページ全体の連続階調画像を含むページは、一般に、テキストしか含まないページよりも一層多くのインクを必要とすることになる。1ページに必要となるインクが多くなるほどキャリアの量は多くなる。同一画像で多数ページをプリントする場合には、転写部材202の近傍の空気中のインクキャリア蒸気濃度は、ダクト302を通過する所与の空気流についてほぼ一定となる可能性がある。1ページにプリントされる画像がページ毎に異なる場合には、転写部材202の近傍の空気中のインクキャリア蒸気濃度はダクト302を通過する所与の空気流について急激に変化する可能性がある。
【0012】
プリンタ内のコントローラは、各ページが必要とすることになるインクの量、プロセス速度、及びページ上に付与されるべきインク/キャリアの比を決定することが可能である。この情報を使用して、該コントローラは、プリントされるべき各ページ毎にプリント動作中に使用されることになる液体キャリアの量を決定する。該コントローラは、ダクトの入口(すなわちフード206)の近傍のインクキャリア蒸気の濃度が一定のしきい値よりも高く又は一定の値の範囲内に維持されるように、ダクト302に結合された可変速度ファンのファン速度を調節することが可能である。
【0013】
本発明の例示的な一実施形態では、凝縮器を通過して空気を移動させるために使用されるファンが1つしか存在しないことが可能である。例えば、単一のファンを(図4における)凝縮器の左方に配置し、該ファンの直径を該凝縮器の幅(又は高さ)と一致させることが可能である。この例では、該単一のファンは、可変速度ファンとなり、該ファンの速度は、インクキャリア蒸気の濃度を所定のしきい値よりも高く維持するよう調節されることになる。別の実施形態では、凝縮器を通過して移動させるために使用されるファンが複数存在することが可能である。例えば、1つのファンがダクト302の内部にあり、別のファンがダクト302の外部にあることが可能である。ダクト302の内部のファンは、空気及びインクキャリア蒸気の混合物をフード領域から凝縮器内へと移動させるために使用される可変速度ファンとなる。該ダクト302の内部のファンの速度は、インクキャリア蒸気の濃度を所定のしきい値よりも高く維持する制御する手段となる。ダクト302の外部のファンもまた可変速度ファンとすることが可能であり、この場合、該ファンの速度は、プリンタ内の所与の温度を維持するのに資するよう調節されることになる。該ファンは、あらゆるタイプの空気移動装置とすることが可能である。
【0014】
図5は、本発明の例示的な一実施形態におけるプリンタ500の簡素化したブロック図である。プリンタ500は、コントローラ502、再循環システム504、センサ506、及びプリントヘッド508を備えている。該コントローラ502は、再循環システム504、センサ506、及びプリントヘッド508に接続されてそれらを制御する。センサ506は、プリントヘッド508の近傍に配置されて、プリントヘッド508の近傍のインクキャリア蒸気の濃度を検知する。再循環システムは、空気及びインクキャリア蒸気の混合物をプリントヘッド領域から除去しインクキャリア蒸気を液体へと凝縮させるよう構成される。該再循環システムは、該再循環システムを通過するインクキャリア蒸気と空気の混合物の流量を制御することができるように少なくとも1つの可変速度ファンを有する。
【0015】
動作時に、コントローラ502は、媒体上にページをプリントするようプリントヘッド508に指示する。コントローラ502は、該ページをプリントするために使用されることになる液体キャリアの量を決定することができる。コントローラ502は、該ページをプリントするために使用される液体キャリアの量に応じて再循環システム504におけるファンの速度を変更する。コントローラ502は、インクキャリア蒸気の濃度が第1のしきい値よりも高く維持されるようにファンの速度を調節する。インクキャリア蒸気の濃度が該第1のしきい値未満に低下すると、凝縮器システムの効率が低下する。コントローラ502はまた、センサ506を使用してプリントヘッド508の近傍のインクキャリア蒸気の濃度を監視する。該インクキャリア蒸気の濃度が第2のしきい値を超えた場合には、コントローラはファン速度を最大速度に高めてインクキャリア濃度を該第2のしきい値未満に低下させる。該第2のしきい値は、インクキャリア濃度が爆発下限に達するのを阻止するために使用される。該第2のしきい値は、典型的には、爆発下限の1/4に設定される。
【0016】
コントローラは、所与のページをプリントするために使用される液体キャリアの量を該ページがプリントされる前に既に決定しているため、該コントローラは、所与のページのプリント処理の開始前、所与のページのプリント処理の開始時、又は場合によっては所与のページのプリント処理の開始後に、可変速度ファンの速度を調節することが可能である。多数ページあたりの平均(又は最大)値は、ファン速度を変更する割合で処理することが可能である。
【0017】
コントローラは、1つ以上のプロセッサ、メモリ、論理回路、例えばASIC(特定用途向け集積回路)などから構成することが可能である。該プロセッサは、プリンタ内部の再循環システムを動作させる方法の各ステップをプリンタ500に完遂させるコードを実行することが可能である。図6は、本発明の例示的な一実施形態におけるプリンタ内部の再循環システムを動作させる方法のフローチャートである。ステップ602で、所与のページのプリントに使用されることになる液体キャリアの量が決定される。ステップ604で、再循環システム内部のインクキャリア蒸気の濃度が第1のしきい値よりも高く維持されるようにプリンタ内部の再循環システムにおけるファン速度が調節される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6