特許第5698424号(P5698424)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5698424基体にESD保護を組み入れた発光ダイオード用基体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5698424
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】基体にESD保護を組み入れた発光ダイオード用基体
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/48 20100101AFI20150319BHJP
【FI】
   H01L33/00 400
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2005-42144(P2005-42144)
(22)【出願日】2005年2月18日
(65)【公開番号】特開2005-244220(P2005-244220A)
(43)【公開日】2005年9月8日
【審査請求日】2008年2月12日
【審判番号】不服2013-11094(P2013-11094/J1)
【審判請求日】2013年6月12日
(31)【優先権主張番号】10/787657
(32)【優先日】2004年2月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】フィリップス ルミレッズ ライティング カンパニー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ディヴィッド コリンズ ザ サード
(72)【発明者】
【氏名】ジェローム チャンドラー ブハット
【合議体】
【審判長】 江成 克己
【審判官】 星野 浩一
【審判官】 松川 直樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−158237(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面及び下面を有するセラミック基体と、
上記上面に設けられ、半導体デバイスの電極に電気的に接続される少なくとも1つの第1の金属電極と、
上記下面に設けられ、印刷回路基板に電気的に接続される第2の金属電極と、を備え、
上記セラミック基体は、第1の金属酸化物を含む第1の領域を備え、上記第1の領域は、上記セラミック基体の上面の全体で、1またはそれ以上の層として形成された酸化亜鉛を含み、上記セラミック基体の上面の上に取付けられた半導体デバイスを静電気放電(ESD)から保護するバリスタを形成しており、
上記セラミック基体は、更に、上記第1の領域の下方に、第1の金属酸化物を含まない第2のセラミック材料を含む第2の領域を備え、上記第2の領域はバリスタを形成せず、
上記第2の領域は、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、または窒化ホウ素のうちの1つからなり、
第1の金属層が、上記1またはそれ以上の層の上面に物理的に接触するように形成され、
第2の金属層が、上記1またはそれ以上の層の下面に物理的に接触し、前記第1の金属層の少なくとも一部に対向するように形成されており、
上記1またはそれ以上の層は、上記第1の金属層と上記第2の金属層とにまたがってESD電圧が印加された時に上記第1の金属層と上記第2の金属層との間に低抵抗路を発生するようになっていることを特徴とするデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子デバイスを静電気放電(ESD)から保護することに関し、特定的にはセラミック基体上に取付けられた半導体チップ(例えば、発光ダイオード)をESDから保護することに関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来技術による発光ダイオード(LED)パッケージ10の断面図である。パッケージ10は、金属相互接続部材18を介してセラミック基体16上の金属パッド14に結合されているLEDチップ12を含み、LEDチップ12は陰極接点及び陽極接点を有している。金属バイア20が基体16を貫通し、下側(上下は図面上において、以下同じ)金属パッド22に接続されている。LEDチップは、エポキシ23によってカプセル封じされている。パッケージ10は、典型的には、印刷基板上にはんだ取付けされているか、または別のパッケージ内に組み入れられている。このような他のパッケージは、典型的に、レンズ、反射性壁、ベース、及びリードを含む。種々の金属相互接続部材はセラミック基体16と共に、熱をLEDチップ12から印刷回路基板(付加的なヒートシンクを含むことができる)へ導く。
【0003】
LEDは公知であり、基体上に半導体材料によって形成される。LEDチップ12の基体材料は、半導体、導体、または絶縁体であることができる。
【0004】
LEDは、ESDの高電圧によって破壊される恐れがある。LEDパッケージ内に、または印刷回路基板上に分離したESD保護回路を設ける等によって、LEDをESDから保護することが一般的である。LEDパッケージ内に分離したESD保護回路を設けるとパッケージのサイズが増加し、及び/またはチップ12の発光面積が減少する可能性がある。また、ESD保護回路を印刷回路基板上に、またはパッケージ内に形成しても、印刷回路基板またはパッケージの製造が複雑になり、従って回路にコストが付加される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
LEDチップ上にESD保護回路を形成する、または印刷回路基板上またはパッケージ内に分離した要素としてESD保護回路を形成することを必要とせずに、LEDチップをESDから保護する技術が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1またはそれ以上の酸化亜鉛層を含む金属酸化物バリスタを、セラミック基体と一体に形成する。バリスタとして動作しないセラミック基体の部分は、典型的に、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、または窒化ホウ素で形成することができる。一般的に、トランジェント電圧抑圧には金属酸化物バリスタが使用されている。金属酸化物バリスタの製造技術は、セラミック基体を形成するのに使用される技術と両立可能である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、チップ上にESD保護回路を形成することを必要とせず、またはパッケージ内に、もしくはパッケージの外部に分離したESD保護回路を設けることを必要とせずに、LEDチップ、または他の何等かの型の半導体チップのためのESD保護回路を設けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
セラミック基体は、集積回路のためのハーメチックシール、電気絶縁、機械的安定性、及び熱伝導路を与えるために広く使用されている。セラミック基体は、バインダ内にセラミック粉末を混合し、それを所望の形状にキャスティングすることによって容易に形成することができる。セラミックの粒子(グレン)は、粒子を互いに結合させるために加圧しながら焼結することもできる。形成されたセラミック基体上に、適当な金属パターンを堆積させる。セラミック基体は、典型的には、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、または窒化ホウ素粒子からなる。
【0009】
ESD保護回路は、一般的に、その端子間にまたがって高電圧を印加した時に、その端子間に低抵抗路を発生するように動作する。多くの型のESD保護回路が存在している。このようなESD保護回路の1つが、金属酸化物バリスタである。電力サージまたは電圧スパイクを感知すると、バリスタはその抵抗を急速に減少させて瞬時に分路を形成し、電流スパイクが被保護構成要素を通して放電することを阻止する。バリスタは、逆極性に直列接続されたツェナーダイオードのように動作する。
【0010】
図2は、2つの電極28の間に挟まれたバインダ26と酸化亜鉛の粒子24との混合物を含む簡単な金属酸化物バリスタの断面図である。バリスタは、典型的には、酸化亜鉛の粒子とバインダとを混合し、加圧しながら粒子を加熱することによって形成される。これによって、電気絶縁用バリヤーによって取り囲まれ、バリスタのように挙動する導電性酸化亜鉛粒子の構造が得られる。導電性電極間の粒界の界面の数が、デバイスの降伏電圧を決定する。適切な降伏電圧を確立するためには、高電圧を印加する場合には電極間に多くの粒子が必要であり、一方低電圧を印加するのであれば電極間に僅かな粒子を必要とするだけである。バリスタは、電極間の単一の層であることも、または複数の層であることもできる。複数の層の場合には、対向する電極間に各層を挟む。酸化亜鉛バリスタの形成方法は公知である。
【0011】
これらの金属酸化物バリスタの処理は、金属酸化物がセラミックであることから、半導体チップパッケージングに使用される標準セラミック基体の処理と両立可能である。我々はこの両立性を使用して、ESD保護のための金属酸化物バリスタを標準セラミックパッケージングに統合した。統合の範囲は、セラミック基体の極く一部だけが酸化亜鉛バリスタを形成しているものから、基体全体が酸化亜鉛バリスタによって形成されているものまでにわたる。
【0012】
図3は、本発明によるLEDパッケージ30の一実施の形態の断面図である。この実施の形態においては、基体32の中央部分が、部分的に重なり合う電極を形成している金属層36を有するドープされた酸化亜鉛34によって形成されている。ドーピングはコバルトであることができる。このバリスタ構造は、金属フィルムをバインダ内の酸化亜鉛粒子の層上に堆積(例えば、蒸着またはスパッタリングによる)またはラミネートさせ、次いで熱及び圧力を使用してスタックし、ラミネートされた構造を形成させることによって形成することができる。バリスタは、加熱サイクル中にモノリシックブロックになり、小さい体積内で均一にエネルギを消散させるようになる。
【0013】
基体のバリスタ部分は、機械的安定性、ハーメチックシーリング、その他の特性を得るために、普通の酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、または窒化ホウ素のセラミック基体部分40によって取り囲まれている。セラミック基体部分40は、バリスタ部分を、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、または窒化ホウ素の粒子と共にモールド内に配置し、その構造を焼結することによって形成することができる。他の技術を使用することもできる。
【0014】
バリスタ部分は如何なるサイズ及び厚みにも形成することができ、また酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、または窒化ホウ素セラミック基体部分によって完全に(上面及び下面を含む)取り囲むことも、または、もしバリスタが基体にとって所望の特性を呈するのであれば、その何れかの側、または全ての側を露出させることもできる。
【0015】
金属化ステップによって、上側金属パッド14から下側金属パッド22まで伸びる金属バイア42を形成する。バイア42は、種々のバリスタ金属層36を相互に接続する。金属バイア42のための開口は、モールディングプロセス中に形成することも、または錐もみ、またはエッチングによって形成することもできる。
【0016】
バリスタ、及び酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、または窒化ホウ素セラミック基体を形成させるための種々の加熱、圧力、金属堆積、その他の処理は両立可能である。先ず酸化亜鉛バリスタを形成させ、次にバリスタの周囲にセラミック基体を形成させ、次いで金属化ステップを遂行することができる。または、先ずセラミック基体を形成させてから、バリスタを形成させることができる。もしくは、バリスタ及びセラミック基体を同時に形成させることができる。両構造に対して、同一の加熱ステップを遂行することができる。
【0017】
次いで、金属通路14上にはんだ、または金の相互接続部材18を設ける。これらの相互接続部材は、はんだボール、はんだペースト、スタッド・バンプ、またはめっきであることも、またはそれ以外に堆積させた層であることもできる。一実施の形態においては、面実装(サーフェイスマウント)されたLEDチップ12、その下側電極がはんだ相互接続部材と位置合わせされるように取付け、その構造を加熱して相互接続部材を溶融させ、LEDチップ12、バリスタ/基体、及び下側金属パッド22の間に電気的な、及び構造的な結合を形成させる。別の実施の形態においては、金の相互接続部材を使用してLEDチップ12をパッド14に結合させるために、熱圧縮(サーもコンプレッション)結合または熱音響(サーモソニック)結合を使用している。下側に両接点を有するLEDチップを、フリップチップと呼ぶことがある。
【0018】
LEDチップ12は、シリコンまたはエポキシ23を使用してカプセル封じする。もし特定の光出力を望むのであれば、オプションとして、カプセル封じ材料内に燐光体粉末を混合する。
【0019】
LEDチップ12のヒートシンクは、金属、バリスタ/基体、及び印刷回路基板の組合わせから得られる。
【0020】
下側パッド22に印加される如何なる電圧サージも、バリスタの抵抗が減少してLEDチップ12から電流を分路することによって、パッド22を横切って短絡される。
【0021】
図4は、本発明の別の実施の形態の断面図である。この実施の形態においては、セラミック基体全体が、ドープされた酸化亜鉛52及び金属層54によって形成されたバリスタ50になっている。バリスタ50は、機械的安定性、熱伝導性、及び強化された電気特性を得るために、ラップアラウンド金属化部材56によって少なくとも部分的に取り囲まれている。図4に示す実施の形態においては、バリスタの金属層54がセラミック基体の縁まで伸びているので、貫通(スルー)金属化部材は無用である。
【0022】
図5は、LEDパッケージの別の実施の形態の断面図である。図5に示す実施の形態は図3の実施の形態に類似しているが、LEDチップ60がフリップチップではなく、上面の接点がワイヤー62を介してセラミック基体のパッド14に接続されている点が異なっている。LEDチップ60は、はんだまたはダイ取付用エポキシ63によってセラミック基体の金属パッドに取付ける。
【0023】
図5の実施の形態においては、反射器64がLEDチップ60を取り囲み、パッケージの上面を通る光を反射させるようになっている。反射性の壁は、1つのカプセル材料と別のカプセル材料との間で、または空気との間で屈折率がステップするような2つの材料間の屈折性界面であることも、または反射性金属の斜面であることもできる。反射性壁は、セラミック材料によって形成することもできる。例えば、酸化アルミニウムは白色であるから、反射器及びディフューザとして動作させることができる。モールドされたレンズ66が、LEDチップ60上に形成する。
【0024】
図6は、本発明の別の実施の形態の断面図である。この実施の形態においては、バリスタ70は、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、または窒化ホウ素セラミック基体72の外面の少なくとも一部分に沿って形成されている。基体のバリスタ部分は、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、または窒化ホウ素基体の何れの部分に沿って形成させても差し支えない。バリスタ内の金属層54は、2つの金属バイア42に交互に接続されている。望むならば、付加的なバイアを設けることができる。
【0025】
図7は、図6の構造の上面図であって、バリスタ部分70が、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、または窒化ホウ素基体の外周を完全に取り囲んでいることを示している。また、LEDチップ12の陽極及び陰極端子のための金属相互接続部材18が金属パッド14に結合されていることをも示している。基体上でチップ12の向きを再現可能にするために、4つの接点が使用されている。
【0026】
図8は、本発明の別の実施の形態の断面図である。この実施の形態においては、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、または窒化ホウ素セラミック基体74の部分の上面に、下側金属層78及び上側金属層80を有する酸化亜鉛バリスタ76を形成させている。金属層78及び80は、LEDチップ12上の接点に、及び下側金属パッド22に電気的に接続されている。金属パッド22にまたがって電圧サージが印加されると、バリスタが金属層78と80との間に低抵抗路を発生する。バリスタは、基体の下側に形成することもできる。
【0027】
図8の実施の形態は、酸化亜鉛材料を、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、または窒化ホウ素基体74上に形成してあるので形成が簡単である。酸化亜鉛バリスタは、セラミック基体の上面または下面の何れの部分にも形成することができる。セラミック基体74部分は、普通の矩形基体であることができる。もし望ましいのであれば、酸化亜鉛層内に付加的な金属層を組み入れることができる。
【0028】
図9に示す本発明の別の実施の形態は、図8に類似しているが、バリスタ76のための金属層84及び86を酸化亜鉛層の上面に形成させてあり、従って、バリスタは2つの金属層の端の間の上面を横切って降伏することが異なっている。高い降伏電圧は、薄い酸化亜鉛層を用いることによって達成される。図9の実施の形態の別の長所は、基体を完全に製造した後に、スクリーン印刷及び焼成等によって金属を付着させることができることである。バリスタは、基体の下面に形成することもできる。
【0029】
図10は、本発明の別の実施の形態の断面図である。この実施の形態においては、バリスタ90は、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、または窒化ホウ素基体部分の上面の、基体の端付近だけに形成されている。バリスタは、基体のどの側に沿って形成させることもできる。金属層部分92をセラミック基体74の上面に堆積させ、次いでバリスタ材料を金属層部分92の上に形成させる。一実施の形態においては、図10の左側のバリスタ材料は右側のバリスタ材料と連続しており、バリスタは2つの金属層部分92の間で降伏する。別の実施の形態においては、バリスタのための他の(1または複数の)電極金属層をバリスタ材料の上に形成させることも、またはバリスタが水平にではなく垂直に降伏するように、バリスタ材料内に指を組んだ状態に配列された金属層として形成させることもできる。
【0030】
図10のバリスタ部分は、基体の下面に形成することもできる。
【0031】
以上に説明した種々のパッケージは、別のパッケージ内に組み入れることができる。このような他のパッケージは、典型的に、レンズ、反射性壁、ベース、及び印刷回路基板に接続するためのリードを含む。代替として、バリスタを組み入れたセラミック基体を、直接印刷回路基板に取付けることができる。更に、導電性のトレース及び能動素子を有する半導体チップのようなサブマウント上にLEDチップを直接取付け、このサブマウントをバリスタを組み入れたセラミック基体に取付けることができる。
【0032】
上述した実施の形態の何れにおいても、バリスタの所望降伏電圧を選択するために、酸化亜鉛に接触している金属層のパターニングを使用することができる。所望の降伏電圧を得るために、酸化亜鉛の粒子、及び酸化亜鉛層の他の特性を調整することもできる。
【0033】
以上に、LEDチップを支持し、保護するために金属酸化物バリスタを組み入れたセラミック基体を説明したが、セラミック基体を使用して普通の集積回路チップのような如何なる型のチップをも保護することができる。いろいろな形状のバリスタを、何等かのパターンの電極及び何等かの形状のバリスタを使用し、基体のボリューム全体を使って組み入れることができる。複数のバリスタを、直列及び/または並列に接続することができる。
【0034】
酸化亜鉛からなるバリスタについて説明したが、バリスタは他の金属酸化物、またはこれらの酸化物と酸化亜鉛との組合わせによって形成させることができる。他の酸化物の例は、Sb23、Bi23、CoO、MnO、及びCr23を含む。金属酸化物バリスタの詳細に関しては、1975年3月のJournal of Applied Physics, Vol. 46, No.3に所載のLevinson及びPhilippの論文“The Physics of Metal Oxide Varistors”を参照されたい。セラミック基体の製造業者には、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、及び窒化ホウ素基体、及び金属酸化物バリスタの形成方法は公知であるから、過度の実験を行うことなく上述した実施の形態の何れをも形成することが可能であろう。
【0035】
金属酸化物バリスタに関するさらなる情報に関しては、Drabkinらの論文“Improved Metal Oxide Varistor Packaging Technology for Transient Voltage Surge Suppressers( TVSS )”を参照されたい。
【0036】
以上に本発明を詳細に説明したが、当業者ならば、以上の説明に鑑みて本発明の思想から逸脱することなく本発明に多くの変更を考案することができよう。従って、本発明の範囲は上述した特定の実施の形態に限定されるものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】従来技術による面実装されたLEDパッケージの断面図である。
図2】酸化亜鉛粒子を含む典型的な金属酸化物バリスタの断面図である。
図3】セラミック基体の中央部分内にESD保護回路として金属酸化物バリスタを組み入れたLEDパッケージの断面図である。
図4】バリスタがセラミック基体の殆ど全体を形成しているLEDパッケージの別の実施の形態の断面図である。
図5】LEDチップの電極が、金属酸化物バリスタを組み入れたセラミック基体にワイヤーによって接続されているようなLEDパッケージの断面図である。
図6】セラミック基体が、基体の全周縁に金属酸化物バリスタを組み入れているLEDパッケージの別の実施の形態の断面図である。
図7図6の構造の上面図である。
図8】基体が基体の上側層として酸化亜鉛バリスタを組み入れ、酸化亜鉛が2つのバリスタ電極の間に挟まれているLEDパッケージの別の実施の形態の断面図である。
図9】基体が基体の上側層として酸化亜鉛バリスタを組み入れ、バリスタ電極を酸化亜鉛層の上面に形成したLEDパッケージの別の実施の形態の断面図である。
図10】基体が基体の上側層として、且つ基体の外側部分に沿って酸化亜鉛バリスタを組み入れているLEDパッケージの別の実施の形態の断面図である。
【符号の説明】
【0038】
10 LEDパッケージ
12 LEDチップ
14 パッド
16 セラミック基体
18 相互接続部材
20 バイア
22 下側パッド
23 エポキシ
24 ZnO粒子
26 バインダ
28 電極
30 LEDパッケージ
32 基体
34 酸化亜鉛
36 金属層(電極)
40 セラミック基体
42 バイア
50 バリスタ
52 酸化亜鉛
54 金属層
56 金属化部材
60 LEDチップ
62 ワイヤー
63 ダイ取付用エポキシ
64 反射器
66 レンズ
70、76 バリスタ
72、74 セラミック基体
78、80 金属層
84、86 金属層
90 バリスタ
92 金属層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10