(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
RGBW映像信号の輝度および彩度による映像分類パラメータを用いて、前記RGBW映像信号のそれぞれのフレームを彩度向上対象であるか否か分類する映像信号分類部と、
彩度向上対象であると分類されたフレームに対して、バックライト輝度を増加させるバックライト輝度制御部と、
前記バックライト輝度の増加量に対応して、前記RGBW映像信号のホワイト(W)サブピクセルの輝度を減少させるホワイトサブピクセル制御部と、
を含み、
前記ホワイトサブピクセル制御部は、
前記バックライト輝度が増加する前と後のフレーム全体の輝度値を維持するように、前記バックライト輝度の増加量に応じて前記ホワイトサブピクセルの輝度を減少させ、
前記映像分類パラメータは、前記映像信号のフレームに対する平均輝度値および彩度値を含み、
前記映像信号分類部は、前記フレームの全体平均輝度値が予め設定された基準値を超過し、前記フレームの全体に対して中間彩度値よりも大きい彩度値に対応するピクセルの数が予め設定された臨界値を超過するとき、前記フレームを彩度向上対象であると分類する
ことを特徴とする彩度向上システム。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明に係る好ましい実施形態について詳細に説明する。本発明の一実施形態に係るRGBW映像信号の彩度向上方法は、RGBW映像信号の彩度向上システムによって実行されることができる。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態において、RGBW映像信号の彩度向上システムの構造を示したブロック図である。
【0025】
RGBW映像信号の彩度向上システムは、RGBW映像信号変換部101と、映像分類パラメータ計算部102と、映像信号分類部103と、バックライト輝度制御部104と、ホワイトサブピクセル制御部105とを含む。
【0026】
RGBW映像信号変換部101は、RGB映像信号をRGBW映像信号に変換することができる。RGBW映像信号は、RGB映像信号に比べて、ホワイトサブピクセル(W)のピクセル値をさらに追加することができる。RGBWディスプレイは、追加されるホワイトサブピクセルによって、映像信号の高輝度表現に有利であるという長所がある。
【0027】
しかしながら、上述したように、背景を表現するホワイトサブピクセルの輝度のためにRGB映像信号からRGBW映像信号に変換するときに、純色の彩度が低下するという問題が発生する場合がある。すなわち、背景に含まれたホワイトサブピクセルの輝度のために、RGBW映像信号がRGB映像信号よりも相対的に背景が明るく表れる場合がある。
【0028】
したがって、RGBW映像信号で背景に含まれた純色は、視感的に暗く見えるため、RGB映像信号の場合よりも純色の彩度が低く見えるようになるのである。
【0029】
一例として、RGBW映像信号変換部101は、下記の数式(1)を用いて、RGB映像信号をRGBW映像信号に変換することができる。
【0030】
R
out=R
in
G
out=G
in
B
out=B
in ・・・(1)
W
out=M
in(R
in,G
in,B
in)
【0031】
ここで、R
in,G
in,B
inは、RGB映像信号に対する各サブピクセルのピクセル値であり、 R
out,G
out,B
out,W
out
は、変換したRGBW映像信号に対する各サブピクセルのピクセル値であり、W
outは、R
in,G
in,B
inのうちの最小値であることを意味する。
【0032】
また、他の一例として、RGBW映像信号変換部101は、RGB映像信号を用いてYUV映像信号に変換し、変換した信号を再びRGBW映像信号に変換することができる。このとき、YUV映像信号に変換した信号は、下記の数式(4)を用いて、RGBW映像信号に変換することができる。
【0033】
R
out=Y
in−1.37V
in
G
out=Y
in−0.698V
in−0.336U
in ・・・(4)
B
out=Y
in+1.732U
in
W
out=Y
in
【0034】
ここで、Y
in,U
in,V
inは、RGB映像信号がYUV映像信号に変換した値であり、R
out,G
out,B
out,W
outは、RGBW映像信号に対する各サブピクセルのピクセル値を意味する。
【0035】
しかし、前記した数式(1)と数式(4)は一例に過ぎず、RGBW映像信号変換部101は、他の数式を用いて、RGB映像信号をRGBW映像信号に変換することもできる。
【0036】
RGB映像信号を構造的にRGBW映像信号に変換するためには、RGBWフィルタを用いてサブピクセル間にレンダリング(rendering)を行う過程が必要となる。なぜなら、RGB映像信号を表現するディスプレイのサブピクセル構造と、RGBW映像信号を表現するディスプレイのサブピクセル構造とが異なるためである。すなわち、原色セット(primary color set)が異なる場合に、サブピクセルのレンダリング過程が要求されるようになるのである。
【0037】
映像分類パラメータ計算部102は、変換したRGBW映像信号において、R,G,Bサブピクセルのピクセル値を用いて、映像分類パラメータを計算することができる。映像分類パラメータは、映像信号の輝度および彩度によって決定されるようになる。
【0038】
映像分類パラメータ計算部102は、映像信号の各フレームごとに彩度向上対象を決定するために、映像分類パラメータを計算する。
【0039】
このとき、映像分類パラメータは、映像信号のフレームそれぞれに対する平均輝度値および彩度データを含むことができる。ここで、映像分類パラメータ計算部102は、RGBW映像信号に対して、R,G,Bサブピクセルのピクセル値をHSV変換し、平均輝度値と彩度データを計算することができる。
【0040】
一例として、映像分類パラメータ計算部102は、下記の数式(5)を用いて、それぞれのピクセルに対する輝度値を計算することができる。
【0041】
【数5】
【0042】
ここで、Vは、ピクセルの輝度値を意味する。すなわち、ピクセルの輝度値は、R,G,Bサブピクセルのピクセル値のうちの最大値として計算されるようになる。
【0043】
したがって、映像信号の平均輝度値は、前記した数式(5)を用いて計算されたピクセルの輝度値をフレーム全体で平均した値として決定されるようになる。
【0044】
また、他の一例として、映像分類パラメータ計算部102は、下記の数式(6)を用いて、映像信号のピクセルの彩度値を計算することができる。
【0045】
【数6】
【0046】
ここで、Sは、ピクセルの彩度値を意味し、Vは、前記した数式(5)を用いて決定されたピクセルの輝度値を意味する。
【0047】
したがって、映像信号の彩度ヒストグラムは、前記した数式(6)を用いて計算されたピクセルの彩度値を有するピクセルの数として決定されるようになる。
【0048】
映像分類パラメータ計算部102は、彩度ヒストグラムを用いて、彩度データを生成することができる。一例として、彩度データは、フレームの彩度ヒストグラムに対して中間彩度値よりも大きい彩度値に対応するピクセル数の累積合計と、彩度ヒストグラムに対して中間彩度値よりも小さい彩度値に対応するピクセル数の累積合計と、彩度ヒストグラムに対して彩度値の範囲によって決定されるダイナミックレンジとを含むことができる。
【0049】
映像信号分類部103は、映像分類パラメータを用いて、RGBW映像信号のフレーム別に映像分類単位によって分類する。
【0050】
前述したように、本発明は、RGB映像信号をRGBW映像信号に変換したときに発生する純色の彩度低下問題を解決することを目的とする。
【0051】
映像分類単位は、フレームの全体平均輝度値と彩度ヒストグラムの形態を考慮して、彩度向上対象であるのか否かによって区分されるようになる。このとき、彩度向上対象とは、フレームの全体平均輝度値が予め設定された基準値を超過し、フレームの全体に対して中間彩度値よりも大きい彩度値に対応するピクセルの数が予め設定された臨界値を超過するフレームを意味することができる。
【0052】
すなわち、彩度向上対象には、フレーム全体に対して平均輝度値が大きく、彩度が高いピクセルが相対的に彩度が低いピクセルよりも多く分布するフレームが含まれるようになる。結局、本発明によれば、映像分類パラメータを用いて、フレームごとに映像分類単位によって分類することで、彩度向上に必要な計算量を減少させる効果がある。
【0053】
バックライト輝度制御部104は、映像分類単位が彩度向上対象であるフレームに対して、バックライト輝度を増加させる。すなわち、本発明は、RGBW映像を提供するディスプレイに備えられたバックライト輝度を増加させることを特徴とするのである。
【0054】
バックライト輝度制御部104は、バックライト輝度を増加させ、全体RGBW映像信号の輝度を増加させることができる。より具体的に説明すれば、バックライト輝度制御部104は、バックライトの輝度を増加させ、変換したRGBW映像信号に対して、R,G,B,Wサブピクセルそれぞれの輝度値を増加させることができる。すなわち、R,G,B,Wの輝度値がバックライト輝度増加量に比例して増加するようになる。
【0055】
すなわち、バックライト輝度が増加することによって、フレーム全体の輝度値が増加することができる。フレーム全体の輝度が増加することによって、フレームに含まれた純色の輝度がともに増加することができる。したがって、純色の輝度が増加することによって、純色の彩度が向上することができる。
【0056】
上述したように、純色とは、一色相で彩度が最も高い色を意味することができる。すなわち、RGB映像信号で、R,G,B値のうちのいずれか1つが0であったり2つの値が0であったりする場合が純色に該当すると言える。このような場合に、純色は、一色相で彩度が最大になることができる。
【0057】
結局、バックライト輝度制御部104は、バックライトの輝度を増加させることによって、RGBW映像信号で純色の彩度を増加させることができる。
【0058】
ホワイトサブピクセル制御部105は、バックライト輝度の増加量に対応して、映像信号のホワイト(W)サブピクセルの輝度を減少させる。より具体的に説明すれば、バックライト輝度の増加量と同じ大きさでホワイトサブピクセルの輝度を減少させ、バックライト輝度が増加する前と後のフレーム全体の輝度値を維持させることができるのである。
【0059】
ホワイトサブピクセル制御部105は、映像信号のフレーム間の輝度値が異なることで発生するちらつき(flickering)現象を除去するために、バックライト輝度の増加量によってホワイトサブピクセルの輝度を減少させることができる。
【0060】
結果的に、本発明に係る映像信号の彩度向上システムは、バックライト輝度を増加させてホワイトサブピクセルの輝度を減少させることで、純色の彩度を増加させ、映像の全体輝度を維持する効果を表すことができる。
【0061】
図2は、本発明の一実施形態において、映像分類パラメータを用いて、フレームを映像分類単位によって分類する過程を説明するためのフローチャートである。
【0062】
映像信号分類部103は、映像分類パラメータ計算部102で計算された映像分類パラメータを用いて、フレーム別に映像分類単位によって分類することができる。上述したように、映像分類パラメータは、ピクセルの輝度値と彩度データとを含むことができる。
【0063】
ここで、彩度データは、フレームの彩度ヒストグラムに対して中間彩度値よりも大きい彩度値に対応するピクセル数の累積合計(H
sum)と、彩度ヒストグラムに対して中間彩度値よりも小さい彩度値に対応するピクセル数の累積合計(L
usm)と、彩度ヒストグラムに対して彩度値の範囲によって決定されるダイナミックレンジ(DR)とを含むことができる。
【0064】
まず、映像信号分類部103は、ピクセルの輝度値が予め設定された臨界値よりも大きいか否かを判断することができる(ステップS201)。一例として、映像信号分類部103によって平均輝度値が臨界値よりも小さいと判断されれば、該当フレームは、第3映像分類単位203に分類される。また、映像信号分類部103によって平均輝度値が臨界値よりも大きいと判断されれば、フレームサイズに含まれたピクセルの彩度値を考慮して、映像分類単位によって分類することができる。
【0065】
ピクセルの輝度値が予め設定された臨界値よりも大きい場合に、映像信号分類部103は、H
sumがフレーム全体のサイズと予め設定された割合(T
1)を掛けた値よりも大きい値を有するか否かを判断することができる(ステップS202)。映像信号分類部103が、H
sumがフレーム全体のサイズと予め設定された割合(T
1)を掛けた値よりも小さいと判断すれば、該当フレームは、第3映像分類単位203に分類されるようになる。映像信号分類部103が、H
sumがフレーム全体のサイズと予め設定された割合(T
1)を掛けた値よりも大きいと判断すれば、映像信号分類部103は、L
sumがフレーム全体のサイズと予め設定された割合(T
2)を掛けた値よりも大きいか否かを判断することができる(ステップS203)。一例として、T
1とT
2は、0.25であり得る。
【0066】
映像信号分類部103が、L
sumがフレーム全体のサイズと予め設定された割合(T
2)を掛けた値よりも小さいと判断すれば、該当フレームは、第1映像分類単位201と判断されるようになる。また、映像信号分類部103が、L
sumがフレーム全体のサイズと予め設定された割合(T
2)を掛けた値よりも大きいと判断すれば、映像信号分類部103は、DRが全体彩度値範囲と予め設定された割合(T
3)の乗数よりも大きいか否かを判断することができる(ステップS204)。
【0067】
映像信号分類部103が、DRが全体彩度値範囲と予め設定された割合(T
3)の乗数よりも大きいと判断すれば、該当フレームは、第2映像分類単位202に分類されるようになる。これとは反対に、DRが全体彩度値範囲と予め設定された割合(T
3)の乗数よりも小さいと判断されれば、該当フレームは、第3映像分類単位203に分類されるようになる。一例として、T
3は、0.9であり得る。
【0068】
一例として、第1映像分類単位201または第2映像分類単位202のうちのいずれか1つに分類されたフレームは、彩度向上対象として決定されるようになる。また、第3映像分類単位203に分類されたフレームは、彩度向上対象に含まれない場合もある。
【0069】
図2は、映像信号分類部がRGBW映像信号のフレームを映像分類単位によって分類する過程を示した一例である。したがって、
図2の映像分類パラメータを用いて入力映像を分類する過程は、
図2の構成に限定されるものではなく、同じ目的と効果を発揮することができる他の構造で代替することもできる。
【0070】
図3は、本発明の一実施形態において、第1映像分類単位に属する彩度ヒストグラムの一例を示したグラフである。
【0071】
図3に示されたように、横軸はgray valueを示しており、縦軸はgray valueに対応するピクセル数を示している。一例として、gray valueはデジタル値であって、彩度値を意味することができる。
【0072】
第1映像分類単位201に属する彩度ヒストグラムは、中間彩度値よりも大きい彩度値に対応するピクセル数の累積合計(H
sum)が、中間彩度値よりも大きい彩度値に対応するピクセル数の累積合計(L
sum)よりも大きい形態を表すことができる。
【0073】
また、
図3に示されたように、H
sumがフレーム全体のサイズと予め設定された割合(T
1)を掛けた値よりも大きく、L
sumがフレーム全体のサイズと予め設定された割合(T
2)を掛けた値よりも小さいフレームが、第1映像分類単位201に分類されるようになる。すなわち、彩度値の高いピクセルが彩度値の低いピクセルよりも相対的に多いフレームが、第1映像分類単位201に分類されるようになるのである。
【0074】
ただし、第1映像分類単位201は、ピクセルの輝度値が予め設定された基準値(一般的に、8ビット映像の場合は128)よりも大きいことを前提にすることができる。
【0075】
図4は、本発明の一実施形態において、第2映像分類単位202に属する彩度ヒストグラムの一例を示したグラフである。
図3と同様に、横軸はgray valueを示しており、縦軸はgray valueに対応するピクセル数を示している。一例として、gray valueは、デジタル値であって、彩度値を意味することができる。
【0076】
第2映像分類単位202に属する彩度ヒストグラムは、中間彩度値よりも大きい彩度値に対応するピクセル数の累積合計(H
sum)が、中間彩度値よりも大きい彩度値に対応するピクセル数の累積合計(L
sum)と比べたときに、差がない形態を表すことができる。
【0077】
また、第2映像分類単位202に分類されるフレームは、H
sumがフレーム全体のサイズと予め設定された割合(T
1)を掛けた値よりも大きく、L
sumがフレーム全体のサイズと予め設定された割合(T
2)を掛けた値よりも大きくなることができる。
【0078】
追加的に、彩度ヒストグラムに対して彩度値の範囲によって決定されるダイナミックレンジ(DR)が、全体彩度値範囲と予め設定された割合(T
3)を掛けた値よりも大きいフレームが、第2映像分類単位202に分類されるようになる。
【0079】
図4に示されたように、ダイナミックレンジは、gray valueがH
2とH
1との間の彩度値範囲を意味することができる。一例として、H
2とH
1との間の彩度値範囲は、全体彩度値の範囲から上位1%と下位1%である彩度値を除いた彩度値範囲を意味することができる。
【0080】
すなわち、彩度ヒストグラムの形態を詳しく説明すれば、第2映像分類単位202に対応するフレームは、彩度が高いピクセルと彩度が低いピクセルが類似した割合で分布されているが、ダイナミックレンジが全体彩度値範囲と予め設定された割合(T
3)を掛けた値よりも大きいものであると言える。ただし、第2映像分類単位202は、ピクセルの輝度値が予め設定された基準値(一般的に、8ビット映像の場合は128)よりも大きいことを前提にすることができる。
【0081】
図5は、本発明の一実施形態において、RGB映像信号が変換したRGBW映像信号の各チャンネル別の輝度を示したグラフである。
【0082】
図5に示されたように、グラフの横軸は、RGBW映像信号の各チャンネル(サブピクセル)およびフレーム全体を意味し、縦軸は、チャンネル別の輝度値を意味する。
【0083】
図1で上述したように、RGBW映像信号は、RGB映像信号よりもホワイトサブピクセル(W)をさらに含んでいる。
【0084】
ホワイトサブピクセルのために、RGBW映像信号は、RGB映像信号よりも全体的に輝度が高く表れる場合がある。したがって、ホワイトサブピクセル(W)のためにRGBW映像信号の背景がRGB映像信号の背景よりも相対的に明るく見えるようになる。
【0085】
したがって、各映像に含まれた純色は、絶対的に同じ輝度デジタル値(luminance digital value)を有していたとしても、RGBW映像の場合には、相対的により明るい背景のために視感的に暗く見えるようになる。結局、このような理由により、純色は、RGB映像信号よりもRGBW映像信号であるときに彩度がより低く見えるようになる。
【0086】
例えば、映像信号において、赤色のりんごが灰色の背景にあると仮定します。RGBW映像信号は、RGB映像信号よりも、ホワイトサブピクセルのために灰色の背景がより明るく見えるようになる。したがって、赤色のりんごは、RGB映像信号の場合よりも、RGBW映像信号で表現されるときに、相対的に明るい背景のために視感的に暗く見えるようになる。結局、RGBW映像信号で表現されるりんごは、RGB映像信号に表現されるりんごよりも、相対的により暗く見え、視感的に彩度がより低く見えるようになるのである。
【0087】
図5に示されたグラフは、変換する前のRGB映像信号と比較したときに、ホワイトサブピクセルの差があるだけで、R,G,Bのサブピクセルおよびフレーム全体の輝度は同じであると見なすことができる。
【0088】
図6は、本発明の一実施形態において、バックライトの輝度を増加させたときのRGBW映像信号の各チャンネル別の輝度を示したグラフである。
【0089】
バックライトの輝度が増加すれば、RGBW映像信号のサブピクセル(チャンネル)の輝度もともに増加することができる。サブピクセルの増加量は、バックライト輝度増加量に比例することができる。サブピクセルの輝度の増加によって、サブピクセルが示す純色の輝度も増加することができる。結局、純色の輝度が増加することによって、純色の彩度が向上することができる。
【0090】
ただし、純色周辺の背景に含まれたホワイトサブピクセルの輝度もともに増加するため、純色の彩度が視感的に向上する効果は高くない場合もある。
【0091】
また、サブピクセルの輝度の増加によって、フレーム全体の輝度値も増加することを知ることができる。上述したように、彩度向上対象は、フレームごとに異なるため、バックライト輝度増加が適用されたフレームとバックライト輝度が適用されていないフレームとの間の全体輝度値の差によって、ちらつき現象が発生する場合がある。したがって、このような問題点を解決するために、ホワイトサブピクセルの輝度を減少することが必要となるのである。
【0092】
図7は、本発明の一実施形態において、ホワイトサブピクセルの輝度を減少させたときのRGBW映像信号の各チャンネル別の輝度を示したグラフである。
【0093】
図6で上述したように、ホワイトサブピクセル制御部は、バックライト輝度増加量に対応して、ホワイトサブピクセルの輝度を減少させることができる。このとき、ホワイトサブピクセル制御部は、フレーム全体の輝度値がバックライト輝度増加前の輝度値と同じになるように、ホワイトサブピクセルの輝度を減少させることができる。
【0094】
ホワイトサブピクセルの輝度が減少すれば、RGBW映像信号からWを除いた残りの各R,G,Bサブピクセルの輝度は維持される。すなわち、バックライト輝度の増加によって増加したR,G,Bサブピクセルの輝度が、ホワイトサブピクセルの輝度減少とは関係なく維持されるのである。
【0095】
また、純色の場合に、ホワイトサブピクセルの輝度値が略0に近いため、ホワイトサブピクセルの輝度を減少させても、大きく変化がない。ただし、純色周辺の背景は、ホワイトサブピクセルの輝度値が減少するため、相対的に純色がより明るく見えるようになる。したがって、視感的に純色の彩度は、バックライト輝度を増加させるときよりも、さらに向上したように見えるようになるのである。
【0096】
結局、バックライト輝度増加によって純色の彩度が増加する効果は、そのまま維持される。付随的に、ホワイトサブピクセルの輝度減少によって、フレーム全体の輝度値がバックライト輝度増加前の輝度値に変更されながら、フレーム間のちらつき問題が解決される。
【0097】
図8は、本発明の一実施形態において、RGBW映像信号の彩度向上方法を説明するためのフローチャートである。
【0098】
本発明の一実施形態に係るRGBW映像信号の彩度向上方法は、RGB映像信号をRGBW映像信号に変換する(ステップS801)。
【0099】
このとき、RGB映像信号をRGBW映像信号に変換するステップ(S801)は、下記の数式(1)を用いて、RGB映像信号をRGBW映像信号に変換することができる。
【0100】
R
out=R
in
G
out=G
in
B
out=B
in ・・・(1)
W
out=M
in(R
in,G
in,B
in)
【0101】
ここで、R
in,G
in,B
inは、RGB映像信号に対する各サブピクセルのピクセル値であり、 R
out,G
out,B
out,W
out
は、変換したRGBW映像信号に対する各サブピクセルのピクセル値であり、W
outは、R
in,G
in,B
inのうちの最小値であることを意味する。
【0102】
また、RGB映像信号をRGBW映像信号に変換するステップ(S801)は、RGB映像信号を用いてYUV映像信号に変換し、変換した信号を再びRGBW映像信号に変換することができる。このとき、YUV映像信号に変換した信号は、下記の数式(7)を用いて、RGBW映像信号に変換されることができる。
【0103】
R
out=Y
in−1.37V
in
G
out=Y
in−0.698V
in−0.336U
in ・・・(7)
B
out=Y
in+1.732U
in
W
out=Y
in
【0104】
ここで、Y
in,U
in,V
inは、RGB映像信号がYUV映像信号に変換した値であり、R
out,G
out,B
out,W
outは、RGBW映像信号に対する各サブピクセルのピクセル値を意味する。
【0105】
本発明の一実施形態に係るRGBW映像信号の彩度向上方法は、RGBW映像信号に対して、R,G,Bサブピクセルのピクセル値をHSV変換して映像分類パラメータを計算する(ステップS802)。
【0106】
このとき、映像分類パラメータは、映像信号のフレームそれぞれに対する平均輝度値および彩度ヒストグラムを用いて生成される彩度データを含むことができる。
【0107】
このとき、映像信号の平均輝度値は、映像信号のサブピクセルであるR,G,Bを用いて、下記の数式(8)を用いて計算されるピクセルの輝度値として決定されることができる。
【0108】
【数7】
【0109】
ここで、Vは、ピクセルの輝度値を意味する。
【0110】
このとき、映像信号の彩度ヒストグラムは、RGB色座標を有する映像信号に対して、下記の数式(9)を用いて計算されるピクセルの彩度値として決定されることができる。
【0111】
【数8】
【0112】
ここで、Sは、ピクセルの彩度値を意味し、Vは、ピクセルの輝度値を意味する。
【0113】
このとき、彩度データは、フレームの彩度ヒストグラムに対して中間彩度値よりも大きい彩度値に対応するピクセル数の累積合計と、彩度ヒストグラムに対して中間彩度値よりも小さい彩度値に対応するピクセル数の累積合計と、彩度ヒストグラムに対して彩度値の範囲によって決定されるダイナミックレンジとを含むことができる。
【0114】
本発明の一実施形態に係るRGBW映像信号の彩度向上方法は、映像信号の輝度および彩度による映像分類パラメータを用いて、映像信号のそれぞれのフレームを映像分類単位によって分類する(ステップS803)。
【0115】
このとき、映像分類単位は、フレームの全体平均輝度値と彩度ヒストグラムの形態とを考慮して、彩度向上対象であるのか否かによって区分されるようになる。
【0116】
このとき、彩度向上対象は、フレームの全体平均輝度値が予め設定された基準値を超過し、フレームの全体に対して中間彩度値よりも大きい彩度値に対応するピクセルの数が予め設定された臨界値を超過することを特徴とすることができる。
【0117】
本発明の一実施形態に係るRGBW映像信号の彩度向上方法は、映像分類単位が彩度向上対象であるフレームに対して、バックライト輝度を増加させる(ステップS804)。
【0118】
このとき、バックライト輝度を増加させるステップ(S804)は、バックライトの輝度を増加させて変換したRGBW映像信号に対して、R,G,B,Wサブピクセルそれぞれの輝度値を増加させることができる。
【0119】
本発明の一実施形態に係るRGBW映像信号の彩度向上方法は、バックライト輝度の増加量に対応して、映像信号のホワイトサブピクセルの輝度を減少させる(ステップS805)。
【0120】
このとき、映像信号のホワイトサブピクセルの輝度を減少させるステップ(S805)は、バックライト輝度が増加する前と後のフレーム全体の輝度値が維持されるように、バックライト輝度の増加量によってホワイトサブピクセルの輝度を減少させることができる。
【0121】
図8に示されたステップに関して説明されていない内容は、
図1ないし
図7を参照しながら説明した通りであるため、これに関する説明は省略する。
【0122】
なお、本発明に係るRGBW映像信号の彩度向上方法は、コンピュータにより実現される多様な動作を実行するためのプログラム命令を含むコンピュータ読取可能な記録媒体を含む。当該記録媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独または組み合わせて含むこともでき、記録媒体およびプログラム命令は、本発明の目的のために特別に設計されて構成されたものでもよく、コンピュータソフトウェア分野の技術を有する当業者にとって公知であり使用可能なものであってもよい。コンピュータ読取可能な記録媒体の例としては、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD−ROM、DVDのような光記録媒体、フロプティカルディスクのような磁気−光媒体、およびROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を保存して実行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。また、記録媒体は、プログラム命令、データ構造などを保存する信号を送信する搬送波を含む光または金属線、導波管などの送信媒体でもある。プログラム命令の例としては、コンパイラによって生成されるもののような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを用いてコンピュータによって実行される高級言語コードを含む。
【0123】
上述したように、本発明の好ましい実施形態を参照して説明したが、該当の技術分野において熟練した当業者にとっては、特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正および変更させることができることを理解することができるであろう。すなわち、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲に基づいて定められ、発明を実施するための最良の形態により制限されるものではない。