特許第5698436号(P5698436)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5698436
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】回路断線検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/02 20060101AFI20150319BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20150319BHJP
【FI】
   G01R31/02
   H05K3/00 T
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2008-202624(P2008-202624)
(22)【出願日】2008年8月6日
(65)【公開番号】特開2010-38742(P2010-38742A)
(43)【公開日】2010年2月18日
【審査請求日】2011年6月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100100929
【弁理士】
【氏名又は名称】川又 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(72)【発明者】
【氏名】山下 直行
【審査官】 柳 重幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−266297(JP,A)
【文献】 特開2000−155149(JP,A)
【文献】 特開2000−346894(JP,A)
【文献】 特開2001−349920(JP,A)
【文献】 特開2002−107401(JP,A)
【文献】 特開2003−302437(JP,A)
【文献】 特開2006−208276(JP,A)
【文献】 特開2007−298422(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/02−31/06
H05K 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の列状の回路からなる回路パターンに形成されている被検査体の前記複数の回路の断線を検査する回路断線検査装置において、
前記被検査体を載置して固定する被検査体固定台と、
この被検査体固定台より広い面積を有し、かつ前記被検査体固定台を載置して固定する基準電位金属部材と、
前記被検査体固定台に載置する被検査体の回路パターンの長さ方向で一定距離の間隔の両側の複数の回路の直上に配置し、かつ前記複数の回路を同時に測定可能な大きさを有し、各々1枚の金属電極からなる第1,第2検査電極と、
前記第1,第2検査電極と前記被検査体の回路パターンの両側の複数の回路を同時に接触又は隙間を介して非接触的に近接すべく前記第1,第2検査電極を押圧、離反可能に上下動自在に設けた第1,第2可動部材と、
前記第1,第2検査電極の間の交流電圧及び前記被検査体に流れる交流電流を測定すると共に、前記被検査体の静電容量を測定する測定装置と、
を備え、
前記第1,第2検査電極を前記被検査体の複数の回路に直接接触させて、前記複数の回路の断線を一度の前記被検査体の静電容量の測定で同時に判別する構成であることを特徴とする回路断線検査装置。
【請求項2】
複数の列状の回路からなる回路パターンに形成されている被検査体の前記複数の回路の断線を検査する回路断線検査装置において、
前記被検査体を載置して固定する被検査体固定台と、
この被検査体固定台より広い面積を有し、かつ前記被検査体固定台を載置して固定する基準電位金属部材と、
前記被検査体固定台に載置する被検査体の回路パターンの長さ方向で一定距離の間隔の両側の複数の回路の直下に配置し、かつ前記複数の回路を同時に測定可能な大きさを有し、各々1枚の金属電極からなる第1,第2検査電極と、
前記第1,第2検査電極と前記被検査体の回路パターンの両側の複数の回路を同時に接触すべく前記被検査体を押圧、離反可能に上下動自在に設けた第1,第2可動部材と、
前記第1,第2検査電極の間の交流電圧及び前記被検査体に流れる交流電流を測定すると共に、前記被検査体の静電容量を測定する測定装置と、
を備え、
前記第1,第2検査電極を前記被検査体の複数の回路に直接接触させて、前記複数の回路の断線を一度の前記被検査体の静電容量の測定で同時に判別する構成であることを特徴とする回路断線検査装置。
【請求項3】
前記測定装置で測定されたデータによりインピーダンスを計算する演算装置と、この演算装置で計算したインピーダンスの変化が予め設定した所定範囲より大きいか否かを比較判断し、かつ前記所定範囲より大きいときに回路断線と判断する比較判断装置と、を備えた制御装置が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の回路断線検査装置。
【請求項4】
前記第1,第2検査電極を前記被検査体の回路パターンの長さ方向の両端に配置し、前記第1,第2検査電極との通電用配線が前記被検査体の回路パターンに交差しない配置構成であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の回路断線検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、回路断線検査装置に関し、特にプローブ又は徴細電極セルを用いた回路断線検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図7及び図8を参照するに、従来の回路断線検査装置101においては、特許文献1に示されているように、ガラス製基板などの検査対象パターン103の回路105が列状になった回路パターンの断線を検査する際に、対象となる回路105の末端部分に電力送信用の電極107(プローブ)と受信用の電極109(プローブ)が配置されている。この電極107、109(プローブ)は回路105から上方にわずかな距離だけ離れた位置にあり、回路105には接触していない。なお、電極107、109(プローブ)は図示しないロボットにより移動する。検査時には、2つの電極107、109が図7の矢印の方向に各回路105のパターン上を横切るように掃引し、全ての回路105の断線検査が行われる。
【特許文献1】特開2007−127659号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来の回路断線検査装置101においては、検査対象パターン103の列状になった回路105の間隔が狭いために、その間隔に合わせるように微細構造のプローブまたは特殊な電極セル構造で構成されているので、プローブ自体の加工が困難になり、高額になるという問題点があった。
【0004】
また、検査時には、電極107、109はロボットの機械的動作により各回路105のパターン上を横切るように非接触で通過させて掃引され、全ての回路105の断線検査が行われるので、その機械的動作の遅れから測定時間が長くなり、検査効率が良くないという問題点があった。
【0005】
この発明は、安価な装置で効率よく回路断線の検査を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、この発明の回路断線検査装置は、複数の列状の回路からなる回路パターンに形成されている被検査体の前記複数の回路の断線を検査する回路断線検査装置において、
前記被検査体を載置して固定する被検査体固定台と、
この被検査体固定台より広い面積を有し、かつ前記被検査体固定台を載置して固定する基準電位金属部材と、
前記被検査体固定台に載置する被検査体の回路パターンの長さ方向で一定距離の間隔の両側の複数の回路の直上に配置し、かつ前記複数の回路を同時に測定可能な大きさを有し、各々1枚の金属電極からなる第1,第2検査電極と、
前記第1,第2検査電極と前記被検査体の回路パターンの両側の複数の回路を同時に接触又は隙間を介して非接触的に近接すべく前記第1,第2検査電極を押圧、離反可能に上下動自在に設けた第1,第2可動部材と、
前記第1,第2検査電極の間の交流電圧及び前記被検査体に流れる交流電流を測定すると共に、前記被検査体の静電容量を測定する測定装置と、
を備え、
前記第1,第2検査電極を前記被検査体の複数の回路に直接接触させて、前記複数の回路の断線を一度の前記被検査体の静電容量の測定で同時に判別する構成であることを特徴とするものである。
【0007】
この発明の回路断線検査装置は、複数の列状の回路からなる回路パターンに形成されている被検査体の前記複数の回路の断線を検査する回路断線検査装置において、
前記被検査体を載置して固定する被検査体固定台と、
この被検査体固定台より広い面積を有し、かつ前記被検査体固定台を載置して固定する基準電位金属部材と、
前記被検査体固定台に載置する被検査体の回路パターンの長さ方向で一定距離の間隔の両側の複数の回路の直下に配置し、かつ前記複数の回路を同時に測定可能な大きさを有し、各々1枚の金属電極からなる第1,第2検査電極と、
前記第1,第2検査電極と前記被検査体の回路パターンの両側の複数の回路を同時に接触すべく前記被検査体を押圧、離反可能に上下動自在に設けた第1,第2可動部材と、
前記第1,第2検査電極の間の交流電圧及び前記被検査体に流れる交流電流を測定すると共に、前記被検査体の静電容量を測定する測定装置と、
を備え、
前記第1,第2検査電極を前記被検査体の複数の回路に直接接触させて、前記複数の回路の断線を一度の前記被検査体の静電容量の測定で同時に判別する構成であることを特徴とするものである。
【0008】
また、この発明の回路断線検査装置は、前記回路断線検査装置において、前記測定装置で測定されたデータによりインピーダンスを計算する演算装置と、この演算装置で計算したインピーダンスの変化が予め設定した所定範囲より大きいか否かを比較判断し、かつ前記所定範囲より大きいときに回路断線と判断する比較判断装置と、を備えた制御装置が設けられていることが好ましい。
【0009】
また、この発明の回路断線検査装置は、前記回路断線検査装置において、前記第1,第2検査電極を前記被検査体の回路パターンの長さ方向の両端に配置し、前記第1,第2検査電極との通電用配線が前記被検査体の回路パターンに交差しない配置構成であることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
以上のごとき課題を解決するための手段から理解されるように、この発明によれば、複数の回路パターンを第1,第2検査電極で同時に検査するので、効率よく回路断線の検査を行うことができる。
【0011】
また、予め必要な箇所に複数の回路パターンを同時に検査できる第1,第2検査電極を配置することで、従来のように各回路パターンを非接触で通過させるものではないので、微細構造を必要としない安価な電極を用いて接触又は非接触で、回路断線の検査を安価に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0013】
図1及び図2を参照するに、この実施の形態に係る回路断線検査装置1は、被検査体3を載置して固定するための被検査体固定台5が、当該被検査体固定台5に比べて十分に大きい(広い)面積を有する基準電位金属部材としての例えば基準電位金属板7の上に取付けられている。被検査体3としては、例えばフィルムアンテナなどのように、複数の列状の回路パターン9に形成されているものである。なお、被検査体3は、複数の列状の回路パターン9に形成されているものであれば、フィルムアンテナに限らず、ガラス製基板やその他の形態の基板、あるいはその他の形態の被検査体でも良い。
【0014】
また、被検査体固定台5に固定した被検査体3の回路パターン9の長さ方向の一端側(図1において左斜め下端側)の直上には、隙間を介して第1検査電極11が配置されており、前記被検査体3の回路パターン9の長さ方向の他端側(図1において右斜め上端側)の直上には、隙間を介して第2検査電極13が配置されている。
【0015】
なお、上記の第1検査電極11と第2検査電極13は、被検査体3の回路パターン9の長さ方向で一定距離の間隔の両側の複数の回路15を同時に測定可能な大きさを有しており、前記複数の回路15と同時に接触又は隙間を介して非接触的に近接するように設けられ、かつ、回路パターン9の回路15に交流信号を印加する機能を持っている。ている。
【0016】
すなわち、上記の第1検査電極11と第2検査電極13は、複数の回路15の断線の有無を同時に測定するために、それぞれ前記被検査体3の回路パターン9の幅方向に広く、かつ回路パターン9の長さ方向には狭い大きさを有していることで、複数の回路15に対して同時に接触又は隙間を介して非接触的に近接できるように構成されている。
【0017】
具体的には、第1検査電極11と第2検査電極13が配置される箇所の直上に、第1検査電極11を被検査体3に接触させるために上下動自在に設けた第1可動部材としての例えば第1密着体17と、第2検査電極13を被検査体3に接触させるために上下動自在に設けた第1可動部材としての例えば第2密着体19が配置されている。すなわち、図1及び図2に示されているように、第1検査電極11と第2検査電極13はそれぞれ対応する第1,第2密着体17、19の下面に設けられている。
【0018】
これにより、第1,第2密着体17、19が上下動することで、機械的動作で第1,第2検査電極11、13が被検査体3に対して接触と離反が行われる。なお、第1,第2密着体17、19は上下動するための図示しない昇降駆動装置を介して制御装置21により制御される構成である。
【0019】
また、前記第1,第2検査電極11、13の間の交流電圧及び前記被検査体3に流れる交流電流を例えば4端子法により測定する測定装置23としての例えばLCRメータが設けられている。前記測定装置23は制御装置21に接続されている。なお、4端子法は電流供給回路と電圧供給回路が独立しているので、配線抵抗や接触抵抗はすべて無視することができ、被検査体3の抵抗値を精密測定することができる。
【0020】
図3を参照するに、制御装置21は、中央処理装置としてのCPU25が備えられており、このCPU25には、種々のデータやプログラム等を入力するキーボードやタッチパネルなどの入力装置27と、CRTや液晶などの表示装置29と、入力装置27から入力されたプログラムや種々の検出データなどを記憶するメモリ31が備えられている。
【0021】
さらに、前記CPU25には、上記の測定装置23で測定された交流電庄と交流電流の測定データによりインピーダンスを計算する演算装置33と、この演算装置33で計算したインピーダンスの変化が予め設定した所定範囲より大きいか否かを比較判断し、かつ前記所定範囲より大きいときに回路断線であると判断する比較判断装置35が備えられている。
【0022】
なお、前述した図1及び図2の実施の形態では第1,第2検査電極11、13が被検査体3の回路パターン9の長さ方向で対応する端部の回路15の直上に配置されているが、他の実施の形態としては、図4及び図5に示されているように、第1,第2検査電極11、13がそれぞれ前記被検査体3の回路パターン9の長さ方向で対応する端部の回路15の直下に配置されても良い。他は、図1及び図2の場合と同様であるので、詳しい説明は省略する。
【0023】
また、前述した実施の形態では、第1,第2検査電極11、13が被検査体3の回路15に接触する構成であるが、他の実施の形態としては、第1,第2検査電極11、13が被検査体3の回路15に非接触的に近接して測定する場合にも適用できる。例えば、図1及び図2の実施の形態の第1,第2密着体17、19の上下動の動作を制御して第1,第2検査電極11、13が被検査体3の回路15と僅かな隙間を生じるように近接することができる。すなわち、第1,第2密着体17、19は、単に第1,第2検査電極11、13と被検査体3の回路15とを接触させるだけでなく、近接させるための可動部材としても機能することになる。
【0024】
次に、上記の図4及び図5に示されている回路断線検査装置1を用いて回路断線の検出の実験を行った。
【0025】
回路断線検査装置1は、被検査体固定台5としての例えばベークライト板の上に、幅1cmの銅箔からなる第1,第2検査電極11、13が貼り付けられており、前記第1,第2検査電極11、13は測定装置23としての例えばLCRメータに接続されている。被検査体3としての例えばフィルムアンテナがサンプルとして被検査体固定台5の上に乗せられる。しかも、フィルムアンテナの両端部の回路15が第1,第2検査電極11、13に接触するように配置されている。なお、第1,第2検査電極11、13は回路15のサンプルのフィルムアンテナの末端の5mmが重なるように配置されている。
【0026】
また、静電容量の測定時には、第1,第2密着体17、19が下降してフィルムアンテナを上から押さえつけてそれぞれ対応する第1検査電極11と第2検査電極13に接触させる構造である。
【0027】
この実験に用いたサンプルは、図6に示されているように、フィルムアンテナを製作用のテンプレート(治具)に合わせて保護フィルム37を貼り合わせたサンプルである。また、フィルムアンテナのサンプルは測定する回路線15を5本一組としている。さらに、静電容量を測定する時は、フィルムアンテナの末端の約5mmが受信側の第2検査電極13に重ねられている。
【0028】
なお、サンプル数は16であり、サンプル番号1〜16を付している。まず、サンプル番号1〜16に対して断線無しの状態で容量を測定した。次に、このうちのサンプル番号11〜16に対しては、各サンプルに1本の断線を作製した上で、容量を測定した。各サンプルの測定容量はそれぞれ表1に示されている通りである。
【表1】
【0029】
表1から分かるように、断線無しのときのサンプル番号1〜16の測定容量の平均値Mは3.05pF(ピコファラッド)であり、偏差値σは0.0268pFある。したがって、断線無しのサンプルの平均容量Mに±3σを加えた値は、2.97pF<M±3σ<3.13pFとなる。
【0030】
一方、断線有りのときのサンプル番号11〜16のサンプルの測定容量は、表1に示されているように、上述した断線無しのサンプルの平均容量M−3σの値である2.97pFに比べていずれも低い値であり、有意な差がある。なお、各断線有りの回路線15の断線箇所は表1の備考に記載されている通りである。
【0031】
この実験例から明らかなように、この実施の形態の方法により、回路線15の断線の有無の検出が可能であることが確認された。
【0032】
したがって、上記の平均容量Mに±3σを加えた値が、予め設定した所定範囲となる。この設定した所定範囲(M±3σ)は制御装置21のメモリ31に予め記憶される。
【0033】
実際の製品の被検査体3に対して回路断線の検査を行う際には、測定装置23により得られた測定容量のデータに基づいて演算装置33でインピーダンスが計算される。この計算したインピーダンスの変化とメモリ31に記憶した予め設定した所定範囲(M±3σ)とが比較判断装置35に取り込まれて比較され、インピーダンスの変化が前記所定範囲より大きいときに回路断線と判断されることになる。
【0034】
以上のことから、この実施の形態では下記に示すような効果を奏する。
【0035】
(1)第1,第2検査電極11、13が広い面積を有する構造となっているために、被検査体3の回路パターン9の複数の回路15の検査を同時に効率よく行うことができるので、安価に断線検査を行うことができる。
【0036】
(2)第1,第2検査電極11、13が検査対象となる回路パターン9の長手方向の先端と末端に配置され、第1,第2検査電極11、13への配線が回路パターン9と交差しない構造となっているので、他の回路15による測定値への影響を減少させることができる。
【0037】
(3)第1,第2検査電極11、13と被検査体3の対応する端部の回路15との間に徴小な隙間を有する構造とした場合は、回路15の断線の検出を非接触で行うことができる。
【0038】
(4)被検査体3の回路パターン9の予め必要な箇所に複数の回路15を同時に検査できる第1,第2検査電極11、13を配置することで、従来のように各回路パターン9を非接触で通過させるものではないので、微細構造を必要としない安価な第1,第2検査電極11、13を用いて接触又は非接触で、回路断線の検査を安価に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】この発明の実施の形態の回路断線検査装置を示す概略的な斜視図である。
図2図1の平面図である。
図3】制御装置のブロック構成図である。
図4】この発明の他の実施の形態の回路断線検査装置を示す概略的な斜視図である。
図5図4の平面図である。
図6】実験に使用されるサンプルの平面図である。
図7】従来の回路断線検査装置を示す概略的な斜視図である。
図8図7の正面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 回路断線検査装置
3 被検査体
5 被検査体固定台
7 基準電位金属板(基準電位金属部材)
9 回路パターン
11 第1検査電極
13 第2検査電極
15 回路
17 第1密着体(第1可動部材)
19 第2密着体(第2可動部材)
21 制御装置
23 測定装置
25 CPU
27 入力装置
29 表示装置
31 メモリ
33 演算装置
35 比較判断装置
37 保護フィルム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8