特許第5698530号(P5698530)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5698530モーショングラフィック付きサッカーボール
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5698530
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】モーショングラフィック付きサッカーボール
(51)【国際特許分類】
   A63B 41/00 20060101AFI20150319BHJP
【FI】
   A63B41/00 C
【請求項の数】11
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2010-507724(P2010-507724)
(86)(22)【出願日】2008年5月12日
(65)【公表番号】特表2010-526601(P2010-526601A)
(43)【公表日】2010年8月5日
(86)【国際出願番号】US2008063425
(87)【国際公開番号】WO2008141284
(87)【国際公開日】20081120
【審査請求日】2011年5月11日
(31)【優先権主張番号】11/801,931
(32)【優先日】2007年5月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】トッド スミス
(72)【発明者】
【氏名】アラン ダブリュー レイコウ
(72)【発明者】
【氏名】カール サイテック
【審査官】 大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−169486(JP,A)
【文献】 意匠登録第1183678(JP,S)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0084095(US,A1)
【文献】 米国特許第05462273(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0170920(US,A1)
【文献】 米国特許第05564707(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 37/00−41/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1視覚刺激に関連する第1外部領域と、モーショングラフィックが画定される第2外部領域とを含む、ボールであって、
前記モーショングラフィックは、前記第1視覚刺激と異なる第2視覚刺激に基づき画定され、
前記モーショングラフィックは、第1縦方向軸線に関して実質的に互いに対称であるとともに、前記第1縦方向軸線に直交する第2縦方向軸線に関して互いに非対称である、第1及び第2終端部を含み、
前記第1及び前記第2終端部は、前記第1縦方向軸線に実質的に直交して延びる接続部によって部分的に結合され、
前記第1視覚刺激及び前記第2視覚刺激は、それぞれ第1選択色及び第2選択色を含み、
前記第1選択色及び前記第2選択色は、CIE図表上で、標準白イルミナントの位置に対して互いに反対側の位置にあることを特徴とするボールであって、
前記モーショングラフィックは、前記接続部内の内部領域と前記終端部をさらに含み、前記内部領域は前記終端部の一部分である模様要素にまでは至らず、前記モーショングラフィックが前記第1視覚刺激に関連することを特徴とするボール
【請求項2】
前記接続部が前記第1終端部から前記第2終端部へ延びる、請求項1に記載のボール。
【請求項3】
前記モーショングラフィックの平面図において、前記終端部が本質的に帯直弧状の環状リングのみからなる、請求項に記載のボール。
【請求項4】
前記モーショングラフィックの平面図において、前記帯直弧状の環状リングが半円弧に沿って延びる、請求項に記載のボール。
【請求項5】
前記モーショングラフィックの平面図において、半円弧の半径がサッカーボールの半径の4/5未満である、請求項に記載のボール。
【請求項6】
前記モーショングラフィックの平面図において、前記モーショングラフィックの高さがサッカーボールの円周の2/5未満である、請求項に記載のボール。
【請求項7】
前記第1選択色及び前記第2選択色がそれぞれ青と黄である、請求項1に記載のボール。
【請求項8】
外皮と、前記外皮上で画定されるーショングラフィックとを含む、ボールであって、
前記モーショングラフィックが、端部を備える境界によって画定され、
前記端部は、ボールの経線方向の軸線に関して対称であり、
前記端部どうしは、接続部によって結合され、
前記境界は、前記モーショングラフィックの内側部分を囲み、かつ、前記外皮と視覚的に異ならせるように選択された視覚特性を表示する、第1境界部、第2境界部及び第3境界部を含み、
前記第1境界部及び前記第3境界部は、それぞれ最外の境界部及び最内の境界部となるよう配置され、
前記第2境界部は、前記第1境界部と前記第3境界部との間に配置され、
前記第1境界部及び前記第3境界部は、共通の視覚特性を表示し、
前記第1境界部及び前記第3境界部が表示する共通の視覚特性は、第1選択色を含み、
前記第2境界部が表示する視覚特性は、第2選択色を含み、
前記第1選択色及び前記第2選択色は、CIE図表上で、標準白イルミナントの位置に対して互いに反対側の位置にあることを特徴とするボールであって、
前記モーショングラフィックは、前記接続部内の内部領域と終端部をさらに含み、前記内部領域は前記終端部の一部分である模様要素にまでは至らず、前記モーショングラフィックが第1視覚刺激に関連することを特徴とするボール
【請求項9】
前記モーショングラフィックが経線方向の軸線に直交する任意の経線方向の軸線に関して非対称であり、前記端部が、前記経線方向の軸線に関して対称形状である、請求項に記載のボール。
【請求項10】
モーショングラフィックをボール外面に形成する方法であって、
ボール外面上に第1及び第2終端部を含む前記モーショングラフィックを画定するステップと、
ボール外面と異なる視覚特性を表示するように前記モーショングラフィックを形成するステップと、
を含み、
前記第1及び第2終端部は、第1縦方向軸線に関して実質的に互いに対称であるとともに、前記第1縦方向軸線に直交する第2縦方向軸線に関して互いに非対称であり、
前記第1及び第2終端部は、前記第1縦方向軸線に直交して延びる接続部によって部分的に結合され、
前記ボール外面及び前記モーショングラフィックが表示する視覚特性は、それぞれ第1選択色及び第2選択色を含み、
前記第1選択色及び前記第2選択色は、CIE図表上で、標準白イルミナントの位置に対して互いに反対側の位置にある、方法であって、
前記モーショングラフィックは、前記接続部内の内部領域と前記終端部をさらに含み、前記内部領域は前記終端部の一部分である模様要素にまでは至らず、前記モーショングラフィックが第1視覚刺激に関連することを特徴とする方法
【請求項11】
前記接続部が前記第1終端部から前記第2終端部へ延びる、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、団体及び個人競技で使用されるボールについて、回転を含む物体運動に対する知覚の増強を可能とするグラフィックに関する。
【背景技術】
【0002】
運動能力の向上は、競技トレーニング、トレーニング補助具、栄養摂取、設備器具及び衣服の飛躍的な進歩によって可能となってきた。アマチュアのアスリートでさえ、国際レベルのトレーニングプログラムやトレーナーを容易に利用することができ、高度なトレーニング法や設備器具は、誰にでも広く利用可能である。アスリートは、スタイリッシュで、かつ機能的な設備器具、ユニフォーム、シューズ、衣服も手に入れることができる。負傷の予防と治療の進歩は、活動できない期間を短縮する。結果的に、今日のアスリートは、プロ、アマチュア双方とも、長期的で、一貫して能力の高い運動経歴を持つことができる。
【0003】
運動競技用衣服と安全用具は、飛躍的な進歩が遂げられた2つの分野である。例えば、団体及び個人競技用のヘッドギアは、頑丈で軽量な材料を取り込み、ヘッドギアが衝撃を受けた際に受けるエネルギーを安全に消散しやすくなるデザインが実現化された。改良された運動競技用衣服は、温度調整、快適性、そして最も厳しい条件下であっても、動作の自由性を備える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多くの進歩が遂げられた一方で、ほとんどの運動競技用具の外観は、単にスタイリッシュな外観を有することが多く、概して、チームの識別やメーカーまたはイベントのロゴマークを得るためだけに、着色され、模様付けられ、または装飾されている。このように慣習的な用具は、参加者や観客には人気があるものの、運動能力を向上させることはほとんどなく、そのため、外観が運動能力に貢献する改良された運動用具が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
サッカーボールは、第1視覚刺激に関連する第1外部領域及びモーショングラフィックが画定される第2外部領域を含む。モーショングラフィックは、第1視覚刺激と実質的に対照をなす第2視覚刺激に基づき画定され、第1縦方向軸線に関して実質的に対称で、第1縦方向軸線に直交する第2縦方向軸線に関して非対称である第1及び第2終端部を含む。これら終端部は、実質的に直交して第1縦方向軸線に延びる接続部によって部分的に結合される。若干の実施形態において、接続部は第1終端部から第2終端部へ延びる。
【0006】
その他の代表的な実施形態において、モーショングラフィックは接続部及び終端部内に内部領域をさらに含み、第1視覚刺激によって画定される。実施形態によっては、終端部は本質的に環状リング部のみからなる。代表的な実施形態によれば、この環状リング部は半円弧に沿って延びる。実施形態によっては、半円弧の半径はサッカーボールの半径の約4/5未満である。その他の実施形態において、第1縦方向軸線に沿ったモーショングラフィックの高さはサッカーボールの円周の約2/5未満である。その他の実施形態において、モーショングラフィックの第1及び第2終端部は、実質的に第2縦方向軸線に関して対称である。実施形態によっては、青と黄といった対照色またはスペクトル的反対色が、第1及び第2視覚刺激を画定するために使用される。実施形態によっては、青及び黄はほぼ同等の効果的な平均反射率を有するように形成される。
【0007】
実施形態によっては、ボールは、外皮及び外皮上で画定されるモーショングラフィックを含む。モーショングラフィックは境界によって画定され、この境界はボールの経線に関して対称な端部を備える。端部は接続領域によって結合され、境界はモーショングラフィック内部を画定し、かつ、第1、第2、及び第3境界部を含み、外皮に関し、視覚的にほぼ対照をなす選択された視覚特性を表示するために形成される。その他の実施形態において、モーショングラフィックは任意の経線に非対称であり、この任意の経線に直交する経線に関して、端部が対称である。さらなる実施形態において、第1、第2、及び第3境界部は、第1及び第3の境界部がそれぞれ最も外側の、及び最も内側の境界部にあるようそれぞれ配置され、そして第2境界部は第1及び第3境界部の間に配置される。実施形態によっては、第1及び第3境界部は、共通の視覚特性を表示するために形成される。
【0008】
その他の実施形態において、方法は、ボールの外皮上の第1長手方向軸線に関して対称に位置する第1及び第2模様端部を含むモーショングラフィックの画定と、ボールの外皮と実質的に対照をなす視覚特性を表示するためのモーショングラフィックの形成を含む。実施形態によっては、ボールの外皮及びモーショングラフィックによって表示された視覚特性は、実質的に反対である。その他の実施形態において、各模様端部は第1軸線に直交する任意の軸線に関して実質的に非対称である。若干の実施形態によれば、モーショングラフィックは共通色からなる2またはそれ以上の色調を表示する境界によって画定される。
【0009】
本開示の、これら並びにその他の特徴及び観点は、添付の図面を参照に、以下説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】代表的なモーショングラフィックの代表的平面図である。
図1B】代表的なモーショングラフィックの代表的平面図である。
図1C】代表的なモーショングラフィックの代表的平面図である。
図2】モーショングラフィックを画定するのに適した対照色の組み合わせのスペクトル透過率を含む。
図3】モーショングラフィックを画定するのに適した対照色の組み合わせのスペクトル透過率を含む。
図4】円弧によって一部が画定される他の例示的モーショングラフィックを示す。
図5】直線部によって画定される他の例示的モーショングラフィックを示す。
図6】モーショングラフィックの他の実施形態である。
図7】複数の視覚的に対照をなす領域を含むモーショングラフィックを示す。
図8A】モーショングラフィックを含むボールの斜視図である。
図8B】モーショングラフィックを含むボールの斜視図である。
図8C】モーショングラフィックを含むボールの斜視図である。
図8D】モーショングラフィックを含むボールの斜視図である。
図8E】モーショングラフィックを含むボールの斜視図である。
図8F】モーショングラフィックを含むボールの斜視図である。
図8G】モーショングラフィックを含むボールの斜視図である。
図8H】モーショングラフィックを含むボールの斜視図である。
図9】他の例示的モーショングラフィックの代表である。
図10】モーショングラフィックの境界部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書及び本特許請求の範囲において使用される単数形及び「前記」という表現は、文脈に明らかな指示がない限り、複数のものを含む。加えて、「含む」は「備える」を意味する。記載のシステム、装置及び方法は決して限定して解釈されるべきではない。代わりに、本開示は、単独並びに様々なコンビネーション及びサブコンビネーションがなされた種々の開示の実施例についての、全ての新規で非自明な特徴及び観点に関する。開示のシステム、方法及び装置はいかなる特定の特徴またはそれに関する結合に限定されることはなく、また、開示のシステム、方法及び装置は任意の1またはそれ以上の存在すべき特定の利点または解決されるべき問題を必要とすることもない。
【0012】
いくつかの開示の方法に関する操作は、表記を簡便にするため、特定の連続的な順序で記載されているものの、この記載方法が改変を含むことを理解すべきである。ただし、続いて記載される特定の文言によって特定の順序が要求される場合を除く。例えば、順に記載される操作は、場合によっては、改変されたり、同時に実行されたりしてもよい。さらに、簡素化のため、添付の図面は開示のシステム、方法及び装置をその他のシステム、方法及び装置と連動して使用することのできる種々の方法を表していないかもしれない。加えて、記載は、ときに開示の方法を説明するため、「作る」及び「設ける」といった用語を使用する。これらの用語は、実行される実際の操作の、高度の抽象化である。これらの用語に対応する実際の操作は、特定の実施態様によって変化し、また技術における通常の技能によって直ちに識別できる。
【0013】
以下に記載する実施形態において、モーショングラフィックは、例えば、サッカーボールまたはその他スポーツ用品といったボールのスピンまたはその他回転を評価し算定するための視覚的手がかりを備える。このようなモーショングラフィックは、外面上で画定される色相、彩度、または明度(HSV)もしくはその他の色で組み合わされた区域に基づくことができる。白黒または対照色区域を使用でき、同一色または模様の施された区域も使用できる。例えば、均一の灰色のフィールドとして、または灰色の外観をもたらす複数の黒色要素として特定のグレーレベルを備えることができる。慣習的なロゴマークや色はこのようなモーショングラフィックの中に組み込むことができ、あるいは1またはそれ以上のモーショングラフィックに加えて得ることもできる。
【0014】
特定の活動、すなわちサッカーに関して、モーショングラフィックの若干の特別な実施形態を説明する。この活動は、その世界的な人気と親しみやすさゆえに、例として選ばれた。開示のモーショングラフィック及び関連する方法は、その他の団体及び個人競技、例えばバスケットボール、野球、サッカー、ラクロス、ホッケー、ラグビー、テニス、そしてフットボールにも適用できる。
【0015】
色相、彩度、または明度といった特別な視覚刺激の、1またはそれ以上の特定の表面領域(ゾーン)への割り当てを、知覚の増強と関連させることができる。様々な種類の視覚刺激を使用することができる。中心視または周辺視に対して、輝度コントラスト及び対象物の詳細情報を用いて適切な視覚刺激を与えることができる。中心視に対しては、色彩的特性(例えば色相または彩度)を利用できる。色彩的特性は周辺視に対しても使用できるが、周縁感色性が弱いため、一般的には効果はいくぶん弱まる傾向にある。そして刺激に基づく全反射率は、概して優れた結果をもたらす。視覚刺激は、テクスチャ、色、グレーレベル、模様、表面反射率、蛍光、虹光またはその他視認可能な表面特性を利用することによって備えることができる。慣習的な外観を守るため、1またはそれ以上の選択された表面部に関連する色相、彩度及び明度などの、1またはそれ以上の色彩パラメーターを、例えば、選択されたコントラストを与えるために設けることができる。一方で、残りの色彩パラメーターは慣習的な外観を保つために選択される。例えば、比較的暗い表面部は、比較的明るい表面部と対照をなすように設けることができる。一方で、その他の色彩パラメーターは慣習的なチームカラー、ロゴマーク、デザインに従って選択される。周辺視をターゲットにする視覚刺激のため、選択された領域で意図する刺激を備えられるように濃淡を利用することができる。その一方で、慣習的なチームカラーやチームの外観を損なうことはない。
【0016】
概して、モーショングラフィックなどのグラフィックは、サッカーボールやその他ボールの異なる表面部に対照をなす視覚特性を備えることによって適用可能となる。便宜上、ボールの表面区域の一部を外皮と呼び、また、その他の部分をグラフィック部と呼ぶ。色、模様、またはその他の視覚特性は、モーショングラフィックを画定するために、グラフィック及び外皮区域に割り当てられる。若干の実施形態において、外皮の特性はモーショングラフィック及び関連する視覚特性が画定される背景特性である。
【0017】
図1Aから図1Cにおいて、代表的なモーショングラフィック100が示されている。便宜上、モーショングラフィック100は、平面の長方形101の背景フィールドに示される。典型的な実施例において、フィールド101は、例えばサッカーボールまたはその他のボールの球面に対応する。図1Aで示されるように、高さHは半径Rの球面の半円周(つまりH=πR)に、そして長さLは半径Rの球面の全円周(つまりL=2πR)に対応する。これらの面積は必ずしも図1Aまたはその他図面において必ずしも縮尺どおりには示していない。モーショングラフィック100は、概して、平面ではなく球面上に(またはおおよそ球面上に)描かれることは明らかであり、例えば、サッカーボールに適用される。
【0018】
モーショングラフィック100はフィールド101上で画定され、軸線106に関して対称であり、この軸線106は通常、大円の円周に関連する半径Rの円弧部である。ここで使用されるように、大円は球の円形断面で、球の直径を含み、大円に沿った円弧を、経線方向の弧と呼ぶ。実施形態によっては、軸線106は、経線方向の弧ではなく球面上の小円、すなわち、球の直径を含まない円形断面と関連する。このような円弧を本明細書では緯線方向の弧と呼ぶ。
【0019】
便宜上、フィールド101の端縁120、121を、それぞれ上端縁及び下端縁と呼び、球に適用されるにものの、これらの端縁は、球の正反対の位置(極)にある。モーショングラフィック100のハッチングを施した本体領域110は、端縁120、121(つまり、球の極)にまでは完全に延びず、概して端縁120、121に結合する完全な半円弧の、約9/10、4/5、3/5又はそれ未満を超えて延びる。
【0020】
モーショングラフィック100は、実質的に同様の終端部102、104を含み、これらは軸線106に関して対称に位置し、接続部108によって結合される。典型的には、ボールの直径に沿って実質的に反対側になるように、終端部102、104はサッカーボールなどのボールの表面上に位置する。図1Aから図1Cに示されるように、背景フィールド101及びモーショングラフィック内部114は、共通色、色調、またはその他外観からなる。便宜上、この共通の外観を、共通色調と呼ぶ。モーショングラフィック100は、ハッチングを施した本体領域110及び境界112を含む。ハッチングを施した本体領域110は、フィールド101と実質的に対照をなす外観を基礎とする。例えば、フィールド101は白で、本体領域110はダークブルーとすることができる。境界112は便宜的に黒とするが、対照的な色または模様を使用することができ、あるいは境界112を取り除くことができる。
【0021】
上記のように、モーショングラフィック100の終端部102、104は、概してフィールド101の上端縁120に接近するものの、それに至ることはない。さらに、終端部102、104は縦方向軸線124、126に関してほぼ対称である。図1Bで示されるとおり、下端縁121(下側の極)方向に向かって見た図であり、接続部108の下部108B及び終端部102、104は視認でき、ギャップ130によって分離される。図1Cは、上端120(上側の極)方向に向かって見た図である。上端縁120方向に向かって見たモーショングラフィック100と共に、観察者は少なくとも終端部102、104の一部と、図1Cで示されフィールド101を視認する。接続部108の上部108Aは視認できるが、終端部102、104ほど顕著ではない。いずれの方向に向かって見た場合も、極を貫通する軸まわりの回転は外観において周期的な変化を生む傾向にあり、それは、観察者及び軸回転についてボールの方向性と関連づけることができる。
【0022】
使用にあたり、モーショングラフィック100は、ボールの回転に視覚的な手がかりを提供し、そのため参加者がボールのとり得る軌道を判断することができるようにする。上述のように、異なる軸まわりの一般的な回転速度は、異なる外観を生成する。使用にあたり、正確に特定の軸まわりを回転する可能性は低く、そのためモーショングラフィック100は、参加者が複雑なボール回転を算定するのに役立つ外観を備える。
【0023】
スペクトル的に反対の、または対照的な色は、優れたデザイン性を備えることができる。 代表的な色組み合わせに関する色座標は、以下の表1に示されている。そして図2は、この色組み合わせに関連するスペクトル反射率を含む。この色組み合わせは、「フェイディッド ブルー」202及び「グリーニッシュ イエロー」204を含み、これらはグラフィック用または外皮用の色いずれにも、それぞれ適用可能である。この色組み合わせの色は、ほぼ、スペクトル的に反対である。これは、ライコーその他による米国特許出願第10/770,862号明細書に記載されているが、これを参照することにより本明細書に援用する。
【0024】
【表1】
【0025】
グラフィック及び外皮の色またはその他の方法で画定されるモーショングラフィックに対して補色また反対色を選択することにより、顕著な視覚的コントラストを提供することができるが、このような補色コントラストは、例えば、グラフィック及び外皮の輝度値に関連し得る対照的な総合反射率の選択によって、さらに強調することができる。さらに、対照をなすグラフィック/外皮色の選択は、例えば、サッカーボールまたはその他のアイテムの外観をより美しくすることが可能で、さらに、これらの対照色の選択は予測できる使用環境に基づくことができる。例えば、天然芝のピッチで行われる試合で使用されるサッカーボールに対しては、ボールと芝のピッチ間の相互対比を強調するように色を選ぶことが好ましい。その他の例においては、青空、雲、スタジアムの座席またはその他の競技面の周辺のもの、例えば樹木、競技場の構造物、または観客の衣服といった、異なる背景に基づいて対比を選択できる。
【0026】
図3において、これら追加的考慮事項に基づいて、視覚的に強調された配色の代表的選択が示されている。図3を参照すると、表面区域に関連するスペクトル反射率302、304はそれぞれ青と黄に見える。反射曲線302、304は、グラフィック及び外皮のいずれの反射率も減少しないスペクトル窓308が画定されるように形成される。図3で示されるように、スペクトル窓308は典型的な緑色(芝)のサッカーピッチ上で使用されるボールの外観を強調するように、緑と関連するスペクトル領域内に位置する。
【0027】
モーショングラフィックのための対照的な色は、CIE X−Y座標で、大きく分離され、CIE図表上の標準白イルミナントの位置と反対にある位置を有することができる。図3のスペクトル反射に関連する色座標(x−y−z及びL−a−b座標共に)は、表2に記載されている。グラフィック及び外皮のCIE主波長は、それぞれ、およそ465nm(青)と575nm(黄)である。
【0028】
【表2】
【0029】
その他の代表的な補色のスペクトル反射率の組み合わせは、その他青/黄の組み合わせと同様に、マゼンタと緑、シアンと赤との組み合わせも含む。
【0030】
モーショングラフィック400の追加実施形態は図4に示される。モーショングラフィック400は、終端部402、404を含み、縦方向軸線406に関して対称に(典型的には、ボールの表面に適用した際に正反対に)位置する。接続部408は終端部402から終端部404へ延びる。図4に示されるように、接続部408は、伸長部409A、409Bを含み、終端部402、404を超えて延びる。グラフィック領域412は適切な視覚特性を備え、モーショングラフィック400は境界410に囲まれる。モーショングラフィック400は、内部領域414も含み、それは背景フィールド領域401によって生成された視覚的効果と類似する効果を生成するように選択することができる。便宜上、図4では平面図が使用されるが、モーショングラフィックは一般的に、例えばサッカーボールなどの曲面または球面に適用される。
【0031】
図5はモーショングラフィック500を示し、このモーショングラフィック500は接続部508によって結合される終端部502、504を含み、接続部508は背景フィールド領域501と視覚的に対照をなすように選択されたハッチングを施したグラフィック領域510を画定する。終端部は縦方向軸線506に関して対称である。内部領域514は、全体として背景フィールド501と視覚的に類似するように形成される。モーショングラフィック500は直線の線分部分によって画定され、円弧またはその他湾曲部を含むことはないが、実施形態によっては、双方の直線の線分部分(例えば多角形部分)は、図1Aまたは図4のような円弧を基礎とした部分と組み合わせて使用することができる。
【0032】
図6はモーショングラフィック600のその他の実施形態を示し、モーショングラフィック600は接続部608によって結合され、軸線606に関して対称にある終端部602、604を含む。終端部602、604は、接続部608の上下双方に延び、接続部608とともに、内部領域614を画定する。この実施形態において、内部領域614は終端部の一部分である模様要素615、616中にまでは至らない。典型的には、ハッチングを施した領域610は背景フィールド領域601と実質的に視覚的コントラストをなすように形成される。
【0033】
図7は、モーショングラフィック700のその他の実施形態を示し、長方形の終端部702、704を含み、それらは接続部708によって結合され、内部領域714を画定する。終端部702、704は縦方向軸線706に関して対称であり、軸線706に直交する縦方向軸線707に関して非対称である。図7の実施形態において、ハッチングを施した内部710、712が画定されている。典型的には、これらのハッチングを施した部分は類似する視覚効果を備え、ボール上の背景フィールド区域701と対照をなすように選択される。例えば、共通色による異なる色調を使用することができ、または共通のテクスチャもしくは類似するグレーレベルの変化を使用することができる。追加の、ハッチングを施した内部領域は、チームやメーカーのカラーを表示するため、またはその他実利的もしくは美的な理由によって、慣習的な外観に適合するような外観を備えることができる。あるいは、ハッチングを施した部分710、712の1つは、ロゴマークまたはチームカラーまたは若干の別目的のために使用することもできる。
【0034】
図8Aから8Hを参照すると、例示的ボールはモーショングラフィック804を含み、このモーショングラフィック804はフィールド802上で画定される。モーショングラフィック804はモーショングラフィック802の外側部分に沿った半境界帯808を含む。半境界帯808は、典型的にはフィールド802とモーショングラフィック804を分離する黒い帯として画定される。上述のように、全てのモーショングラフィック804を含ませるように、半境界帯808は、除外され、または延びる。対照的な色またはその他対照をなす視覚刺激を、フィールド802及びモーショングラフィック804に与えることができる。モーショングラフィック804の内部領域810は、フィールド802の視覚刺激に類似する視覚刺激を表示するよう形成することができる。
【0035】
別の代表的モーショングラフィック900は図9に示される。モーショングラフィック900は、フィールド領域901に関して画定され、典型的にはボールの外皮であり、大円の円周と関連する円弧部分である軸線906に関して略対称である。ハッチングを施した部分910、911及び912は、第1、第2及び第3の視覚刺激、例えば色、模様または色調よって画定される。内部領域914は通常外皮901に関連する視覚特性を残す。モーショングラフィック900は、実質的に同様の終端部902、904を含み、それらは軸線906に関して対称に位置し、接続部908によって結合される。典型的には、ボールの直径に沿ってほぼ反対側になるように、終端部902、904はサッカーボールなどのボールの球面上に位置する。境界は、モーショングラフィック900の全てまたは一部を含む対照的な帯として画定できる。
【0036】
その他の実施形態において、モーショングラフィックは、最初の視覚特性を表示するように形成されたボール上の第1領域によって画定される。第1領域は、第2、第3、及び第4の視覚特性を表す1、2、3、またはそれ以上の境界部分を含む境界によって囲われる。図10は代表的な境界の選択を示し、異なる視覚的処理を施された境界部1002、1004、1006を含む。実施形態によっては、このような視覚的処理は、例えば、共通色の異なる色調として関連する。図10で示されるように、内部境界1008及び外部境界1010を備えることができる。これらの境界は典型的にはさらなる対照をなし、同じ幅、模様または色である必要はなく、そして1以上(または両方)を除外することができる。
【0037】
モーショングラフィックに関する種々の実施形態を上で説明した。これらは簡便な実施形態であること、モーショングラフィックは種々のスポーツ用途においても同様に選択及び適用されるが、サッカーまたはいかなる特定の活動にも限定されないことは理解されよう。これらの実施形態は本開示の範囲を限定することはなく、添付の特許請求の範囲により包含される全ての権利を主張するものである。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図8G
図8H
図9
図10