特許第5698531号(P5698531)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5698531クライアント電子機器を設定するシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5698531
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】クライアント電子機器を設定するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/70 20130101AFI20150319BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20150319BHJP
   H04N 7/173 20110101ALI20150319BHJP
【FI】
   H04L12/70 E
   G06F13/00 500A
   H04N7/173 630
【請求項の数】20
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2010-510513(P2010-510513)
(86)(22)【出願日】2008年5月30日
(65)【公表番号】特表2010-529752(P2010-529752A)
(43)【公表日】2010年8月26日
(86)【国際出願番号】US2008065283
(87)【国際公開番号】WO2008150993
(87)【国際公開日】20081211
【審査請求日】2011年5月27日
【審判番号】不服2013-23772(P2013-23772/J1)
【審判請求日】2013年12月3日
(31)【優先権主張番号】60/941,526
(32)【優先日】2007年6月1日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】11/767,825
(32)【優先日】2007年6月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ジェー ウィリアムズ
(72)【発明者】
【氏名】ジェイ ジェフリー マックリマン
【合議体】
【審判長】 田中 庸介
【審判官】 河口 雅英
【審判官】 山中 実
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−223799号公報(JP,A)
【文献】 特開平10−124430号公報(JP,A)
【文献】 特開2007−043593号公報(JP,A)
【文献】 藤野庄三 他,「PANシステムにおける端末能力管理方式」,電子情報通信学会技術研究報告,社団法人電子情報通信学会,2007年5月10日,第107巻,第36号,pp.63−66
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F13/00
H04L12/00-12/28
H04L12/44-12/66
H04N7/10
H04N7/14-7/173
H04N7/20-7/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアント電子機器を設定する方法であって、
前記クライアント電子機器がメディアディストリビューションシステムの少なくとも一部に結合される度に、このクライアント電子機器サポートする1つ以上の強化機能を規定する主設定ファイルをこのクライアント電子機器から得るステップと、
前記主設定ファイルを処理して、どの機能が前記クライアント電子機器によってサポートされているかを決定するステップと、
前記主設定ファイルが処理されると、1つ以上の追加の設定ファイルを前記クライアント電子機器に提供するステップとを有し、
前記1つ以上の追加の設定ファイルは、前記クライアント電子機器の1つ以上の機能をさらに定義し、
前記クライアント電子機器は、前記メディアディストリビューションシステムの前記少なくとも一部から前記クライアント電子機器にメディアデータを転送するように設定したバイナリ転送プロトコルを用いて、前記メディアディストリビューションシステムの前記少なくとも一部に結合され、
前記追加の設定ファイルは、サブスクリプションファイル、メッセージングファイル、チャネルファイル、アッドトゥライブラリファイル、レイティングスファイル及び無線PCファイルのいずれかである方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記主設定ファイルと前記1つ以上の追加の設定ファイルとの少なくとも一方をXML設定ファイルとする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、前記クライアント電子機器をメディア転送プロトコル(MTP)イネーブル式クライアント電子機器とする方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、前記メディア転送プロトコルイネーブル式クライアント電子機器を、プレイズフォーシュアー(PlaysForSure)クライアント電子機器とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、メディアディストリビューションシステムの前記少なくとも一部にクライアント側のメディアマネージャを含める方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、前記クライアント側のメディアマネージャを、サーバー側のメディアディストリビューションシステムとインタフェースするように設定する方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、メディアディストリビューションシステムの前記少なくとも一部にサーバー側のメディアディストリビューションシステムを含める方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、前記クライアント電子機器を、メディアディストリビューションシステムの前記少なくとも一部に無線結合されるように設定する方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法において、前記クライアント電子機器を、メディアディストリビューションシステムの前記少なくとも一部に配線結合されるように設定する方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法において、この方法が更に、
バイナリ転送プロトコルを用いて転送しうるシンクID(SyncID)オブジェクトプロパティを処理して、バージョンID(versionid)、トラックID(trackid)、アーティストID(artistid)、アルバムID(albumid)、アルバムアーティストID(albumartistid)及びジャンルID(genreid)の1つ以上を抽出するステップと、
これらバージョンID、トラックID、アーティストID、アルバムID、アルバムアーティストID及びジャンルIDの1つ以上を前記クライアント電子機器に含まれるデバイスデータベース内に記憶させるステップとを有し、
前記シンクIDオブジェクトプロパティは、前記クライアント電子機器に用いられて、前記メディアディストリビューションシステムの前記少なくとも一部に、トラック特有の情報を転送する方法。
【請求項11】
複数の命令が記憶されたコンピュータ可読媒体に存在するコンピュータプログラムであって、これらの命令は、プロセッサにより実行された場合、このプロセッサに、
クライアント電子機器がメディアディストリビューションシステムの少なくとも一部に結合される度に、このクライアント電子機器から、このクライアント電子機器サポートする1つ以上の強化機能を規定する主設定ファイルを得るステップと、
前記主設定ファイルを処理して、どの機能が前記クライアント電子機器によってサポートされているかを決定するステップと、
前記主設定ファイルが処理されると、1つ以上の追加の設定ファイルを前記クライアント電子機器に提供するステップとを実行させ、
前記1つ以上の追加の設定ファイルは、前記クライアント電子機器の1つ以上の機能をさらに定義し、
前記クライアント電子機器は、前記メディアディストリビューションシステムの前記少なくとも一部からクライアント電子機器にメディアデータを転送するように設定したバイナリ転送プロトコルを用いて、前記メディアディストリビューションシステムの前記少なくとも一部に結合され、
前記追加の設定ファイルは、サブスクリプションファイル、メッセージングファイル、チャネルファイル、アッドトゥライブラリファイル、レイティングスファイル及び無線PCファイルのいずれかであるコンピュータプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のコンピュータプログラムにおいて、前記主設定ファイル及び前記1つ以上の追加の設定ファイルの少なくとも一方がXML設定ファイルであるコンピュータプログラム。
【請求項13】
請求項11に記載のコンピュータプログラムにおいて、前記クライアント電子機器がメディア転送プロトコル(MTP)イネーブル式クライアント電子機器であるコンピュータプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のコンピュータプログラムにおいて、前記メディア転送プロトコルイネーブル式クライアント電子機器が、プレイズフォーシュアー(PlaysForSure)クライアント電子機器であるコンピュータプログラム。
【請求項15】
請求項11に記載のコンピュータプログラムにおいて、メディアディストリビューションシステムの前記少なくとも一部にクライアント側のメディアマネージャが含まれているコンピュータプログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のコンピュータプログラムにおいて、前記クライアント側のメディアマネージャが、サーバー側のメディアディストリビューションシステムとインタフェースするように設定されているコンピュータプログラム。
【請求項17】
請求項11に記載のコンピュータプログラムにおいて、メディアディストリビューションシステムの前記少なくとも一部にサーバー側のメディアディストリビューションシステムが含まれているコンピュータプログラム。
【請求項18】
請求項11に記載のコンピュータプログラムにおいて、前記クライアント電子機器が、メディアディストリビューションシステムの前記少なくとも一部に無線結合されるように設定されているコンピュータプログラム。
【請求項19】
請求項11に記載のコンピュータプログラムにおいて、前記クライアント電子機器が、メディアディストリビューションシステムの前記少なくとも一部に配線結合されるように設定されているコンピュータプログラム。
【請求項20】
請求項11に記載のコンピュータプログラムにおいて、このコンピュータプログラムが更に、前記プロセッサに、
バイナリ転送プロトコルを用いて転送しうるシンクID(SyncID)オブジェクトプロパティを処理して、バージョンID(versionid)、トラックID(trackid)、アーティストID(artistid)、アルバムID(albumid)、アルバムアーティストID(albumartistid)及びジャンルID(genreid)の1つ以上を抽出するステップと、
これらバージョンID、トラックID、アーティストID、アルバムID、アルバムアーティストID及びジャンルIDの1つ以上を前記クライアント電子機器に含まれるデバイスデータベース内に記憶させるステップとを実行させる命令を有し、
前記シンクIDオブジェクトプロパティは、前記クライアント電子機器に用いられて、前記メディアディストリビューションシステムの前記少なくとも一部に、トラック特有の情報を転送するコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クライアント電子機器に関するものであり、特にクライアント電子機器の設定に関するものである。
【背景技術】
【0002】
メディアディストリビューションシステム(例えば、米国ワシントン州のシアトルに所在するリアルネットワークス社(RealNetworks, Inc.)により提供された、ラプソディー(Rhapsody:登録商標)サービス)は、メディアデータをメディアサーバーからユーザーのクライアント電子機器(例えば、パーソナルメディアデバイス、パーソナルデジタルアシスタント又はマルチメディア携帯電話)に配信する。メディアディストリビューションシステムは、ユーザーが例えば、ダウンロードしたメディアのデータファイルを受信するか、又はリモートメディアのデータファイルをストリーミングするか、又はこれらの双方を行うようにすることによりメディアデータを配信しうる。
【0003】
代表的に、メディアディストリビューションシステムが異なると、提供される機能性のレベルや、特性が異なる。例えば、あるメディアディストリビューションシステムは“無線チャネル”を提供しうるが、他のメディアディストリビューションシステムは“無線チャネル”を提供しえない。このような強化機能の利点を得るには、クライアント電子機器がメディアディストリビューションシステムと通信するために、しばしばカスタム(すなわち、非標準的な)通信プロトコルを必要とする。クライアント電子機器がカスタム通信プロトコルを用いて通信を行う必要がある場合、不運なことに、製造業者はこれらのクライアント電子機器をこのようなカスタム通信プロトコルに対し動作するように適合させることを渋る傾向にある。
【発明の概要】
【0004】
第1の実施では、本発明の方法は、クライアント電子機器がメディアディストリビューションシステムの少なくとも一部に結合されると、このクライアント電子機器から主設定ファイルを得るステップを有するようにする。この主設定ファイルはクライアント電子機器の1つ以上の強化機能を規定する。クライアント電子機器は、メディアディストリビューションシステムの前記少なくとも一部からクライアント電子機器にメディアデータを転送するように設定したバイナリ転送プロトコルを用いて、メディアディストリビューションシステムのこの少なくとも一部に結合する。
【0005】
本発明には、以下の1つ以上の特徴事項を含めることができる。クライアント電子機器には1つ以上の追加の設定ファイルを与えることができる。この1つ以上の追加の設定ファイルは、サブスクリプションファイル、メッセージングファイル、チャネルファイル、アッドトゥライブラリ(ライブラリに追加)ファイル、レイティングスファイル、レイティングスマッピングファイル及び無線(レイディオ)PCファイルより成る群から選択しうる。前記主設定ファイルと前記1つ以上の追加の設定ファイルとの少なくとも一方を、XML設定ファイルとすることができる。
【0006】
クライアント電子機器はメディア転送プロトコル(MTP)イネーブル式クライアント電子機器とすることができる。このMTPイネーブル式クライアント電子機器はプレイズフォーシュアー(PlaysForSure)クライアント電子機器とすることができる。
【0007】
メディアディストリビューションシステムの前記少なくとも一部には、クライアント側のメディアマネージャを含めることができる。このクライアント側のメディアマネージャは、サーバー側のメディアディストリビューションシステムとインタフェースするように設定することができる。メディアディストリビューションシステムの前記少なくとも一部には、サーバー側のメディアディストリビューションシステムを含めることができる。
【0008】
クライアント電子機器は、メディアディストリビューションシステムの前記少なくとも一部に無線結合されるように設定することができる。又、クライアント電子機器は、メディアディストリビューションシステムの前記少なくとも一部に配線結合されるように設定することができる。
【0009】
バイナリ転送プロトコルを用いて転送しうるシンクID(SyncID)は、バージョンID(versionid )、トラックID(trackid)、アーティストID(artistid)、アルバムID(albumid )、アルバムアーティストID(albumartistid )及びジャンルID(genreid )の1つ以上を抽出するように処理することができる。これらバージョンID、トラックID、アーティストID、アルバムID、アルバムアーティストID及びジャンルIDの1つ以上を前記クライアント電子機器に含まれるデバイスデータベース内に記憶させることができる。
【0010】
他の実施では、コンピュータプログラムプロダクトを、複数の命令が記憶されたコンピュータ可読媒体に存在させるようにする。これらの命令は、プロセッサにより実行された場合、このプロセッサが、クライアント電子機器がメディアディストリビューションシステムの少なくとも一部に結合された際に、このクライアント電子機器から、主設定ファイルを得る動作を有する動作を実行させる命令とする。この主設定ファイルはクライアント電子機器の1つ以上の強化機能を規定する。クライアント電子機器は、メディアディストリビューションシステムの前記少なくとも一部からクライアント電子機器にメディアデータを転送するように設定したバイナリ転送プロトコルを用いて、メディアディストリビューションシステムのこの少なくとも一部に結合させる。
【0011】
本発明には、以下の1つ以上の特徴事項を含めることができる。クライアント電子機器には1つ以上の追加の設定ファイルを与えることができる。この1つ以上の追加の設定ファイルは、サブスクリプションファイル、メッセージングファイル、チャネルファイル、アッドトゥライブラリファイル、レイティングスファイル、レイティングスマッピングファイル及び無線PCファイルより成る群から選択しうる。前記主設定ファイルと前記1つ以上の追加の設定ファイルとの少なくとも一方を、XML設定ファイルとすることができる。
【0012】
クライアント電子機器はメディア転送プロトコル(MTP)イネーブル式クライアント電子機器とすることができる。このMTPイネーブル式クライアント電子機器はプレイズフォーシュアークライアント電子機器とすることができる。
【0013】
メディアディストリビューションシステムの前記少なくとも一部には、クライアント側のメディアマネージャを含めることができる。このクライアント側のメディアマネージャは、サーバー側のメディアディストリビューションシステムとインタフェースするように設定することができる。メディアディストリビューションシステムの前記少なくとも一部には、サーバー側のメディアディストリビューションシステムを含めることができる。
【0014】
クライアント電子機器は、メディアディストリビューションシステムの前記少なくとも一部に無線結合されるように設定することができる。又、クライアント電子機器は、メディアディストリビューションシステムの前記少なくとも一部に配線結合されるように設定することができる。
【0015】
バイナリ転送プロトコルを用いて転送しうるシンクIDは、バージョンID、トラックID、アーティストID、アルバムID、アルバムアーティストID及びジャンルIDの1つ以上を抽出するように処理することができる。これらバージョンID、トラックID、アーティストID、アルバムID、アルバムアーティストID及びジャンルIDの1つ以上を前記クライアント電子機器に含まれるデバイスデータベース内に記憶させることができる。
【0016】
1つ以上の実施の詳細は、添付図面に関し以下に説明する。他の特徴及び利点も明細書の説明、添付図面及び特許請求の範囲から明らかとなるであろう。図面中同様な素子には同じ符号を付してある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、分散コンピューティングネットワークに結合されたメディアディストリビューションシステム、クライアント側のメディアマネージャ及びクライアント電子機器を示す線図である。
図2図2は、図1のクライアント電子機器を示す外形図である。
図3図3は、図1のクライアント電子機器を示す回路線図である。
図4図4は、図1のメディアディストリビューションシステムにより実行される処理を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
システム概説:
図1を参照するに、サーバー側の設定(コンフィギュレーション)処理10とクライアント側の設定処理12とが示されている。以下に詳細に説明するように、サーバー側の設定処理10及びクライアント側の設定処理12の各々は、メディアディストリビューションシステム16とインタフェースをとるとともにこのメディアディストリビューションシステム16からメディアデータ14を得るようにクライアント電子機器を設定しうる。
【0019】
メディアデータ14の例には、既知の圧縮技術を用いて圧縮しうる、デジタル的に符号化したオーディオ及びビデオの双方又はいずれか一方のメディアデータを含めることができるが、これに限定されるものではない。このような圧縮技術の例には、MPEG‐1、MPEG‐2、MPEG‐4、H.263、H.264、アドバンスト・オーディオ・コーディングや、例えば、国際標準化機構及びモーション・ピクチャー・エクスパーツ・グループにより推奨されたその他の技術を含めることができるが、これらに限定されるものではない。
【0020】
メディアデータ14には、メディアディストリビューションシステム16から受信した購入ダウンロードデータ(すなわち、ユーザーが永久に使用するように許可されたメディアデータ)や、メディアディストリビューションシステム16から受信したサブスクリプションダウンロードデータ(すなわち、メディアディストリビューションシステム16に対して有効なサブスクリプションが存在する間、ユーザーが使用するように許可されたメディアデータ)や、例えば、メディアディストリビューションシステム16からストリーミングしたメディアデータを含めることができるが、これらに限定されるものではない。
【0021】
メディアディストリビューションシステム16は、メディアデータを(すなわち、ストリーム及びファイルの双方又はいずれか一方の形態で)複数のユーザー(例えば、ユーザー18、20、22、24)に提供しうる。メディアディストリビューションシステム16には、米国ワシントン州のシアトルに所在するリアルネットワークス社により提供されたラプソディーサービスを含めることができるが、これに限定されるものではない。
【0022】
メディアディストリビューションシステム16はサーバーアプリケーションとすることができ、このサーバーアプリケーションは、ネットワーク28(例えば、インターネット)に接続されたサーバーコンピュータ26(例えば、1つのサーバーコンピュータ)に存在させ且つこのサーバーコンピュータにより実行される。サーバーコンピュータ26は、ネットワークオペレーティングシステムを実行するウェブサーバーとすることができ、その例には、マイクロソフトウィンドウズXPサーバー(Microsoft Windows XP Server :登録商標)、ノベルネットウェア(Novell Netware:登録商標)又はレッドハットリナックス(Redhat Linux:登録商標)を含めることができるが、これらに限定されるものではない。サーバーコンピュータ26の例には、パーソナルコンピュータや、1つ又は複数のサーバーコンピュータを含めることができるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
サーバーコンピュータ26はウェブサーバーアプリケーションを実行することもでき、その例にはマイクロソフトIIS(Microsoft IIS :登録商標)、ノベルウェブサーバー(Novell Webserver:登録商標)又はアパッチウェブサーバー(Apache Webserver:登録商標)を含めることができ(これらに限定されるものではない)、これらは、HTTP(すなわち、ハイパーテキスト転送プロトコル)がネットワーク28を介してサーバーコンピュータ26をアクセスするようにするものである。ネットワーク28は、例えば、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク又はイントラネットのような1つ以上のセカンダリネットワーク(例えば、ネットワーク30)に接続しうる。
【0024】
サーバーコンピュータ26に結合された記憶装置32に記憶しうる、メディアディストリビューションシステム16及びサーバー側の設定処理10の命令(インストラクション)セット及びサブルーチンは、サーバーコンピュータ26内に導入された1つ以上のプロセッサ(図示せず)及び1つ以上のメモリアーキテクチュア(図示せず)により実行しうる。更に、メディアディストリビューションシステム16から得られるメディアデータ14は、サーバーコンピュータ26に結合された記憶装置32に記憶させることができる。この記憶装置32には、ハードディスクドライブ、テープドライブ、光学式ドライブ、RAIDアレイ、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は読出し専用メモリ(ROM)を含めることができるが、これらに限定されるものではない。
【0025】
ユーザー18、20、22、24は、例えば、ネットワーク28及びセカンダリネットワーク30の双方又はいずれか一方を介してメディアディストリビューションシステム16をアクセスしうる。更に、サーバーコンピュータ26(すなわち、メディアディストリビューションシステム16を実行するコンピュータ)は、実際には存在しない連結ライン34で示すようにセカンダリネットワーク30を介してネットワーク28に接続することができる。
【0026】
メディアディストリビューションシステム16は、種々のクライアント電子機器を介してアクセスすることができる。これらのクライアント電子機器には、例えば、パーソナルメディアデバイス36、パーソナルメディアデバイス38、パーソナルデジタルアシスタント40、データイネーブル式携帯電話42、テレビジョン(図示せず)、ケーブルボックス(図示せず)、インターネットレイディオ(無線)(図示せず)又は専用のネットワークデバイス(例えば、Roku(登録商標)のサウンドブリッジ(Soundbridge )M500、M1000及びM2000)(図示せず)を含めることができるが、これらに限定されるものではない。
【0027】
メディアディストリビューションシステム16は、クライアント電子機器(例えば、パーソナルメディアデバイス36、パーソナルメディアデバイス38、パーソナルデジタルアシスタント40、データイネーブル式携帯電話42)により直接アクセスするか、又は間接的に(例えば、クライアントコンピュータを介して)アクセスすることができる。例えば、ユーザー18、22及び24はそれぞれ、パーソナルメディアデバイス36、パーソナルデジタルアシスタント40及びデータイネーブル携帯電話42により直接アクセスしているように示している。これとは相違し、ユーザー20は、パーソナルメディアデバイス38によりクライアントコンピュータ44を介してメディアディストリビューションシステム16を間接的にアクセスしているように示している。
【0028】
クライアント電子機器はネットワーク30、32に(従って、メディアディストリビューションシステム16に)無線結合又は配線結合することができる。
【0029】
例えば、パーソナルメディアデバイス38はクライアントコンピュータ44に配線結合されているように示してあり、クライアントコンピュータ44は配線結合のネットワーク接続を用いてネットワーク28に直接結合されているように示してある。クライアントコンピュータ44は、クライアント側のメディアマネージャ46を実行し、これにより例えば、ユーザー20がネットワーク28(又はネットワーク30)を介してメディアディストリビューションシステム16をアクセス及び設定しうるようにする。クライアント側のメディアマネージャ46の例には、米国ワシントン州のレドモンドに所在するマイクロソフト社から市販されているマイクロソフトインターネットエクスプローラー(Microsoft Internet Explorer :登録商標)や、同じく米国ワシントン州のシアトルに所在するリアルネットワークス社から市販されているラプソディークライアント及びリアルプレーヤー(RealPlayer:登録商標)クライアントや、専門的なインタフェースを含みうるが、これらに限定されるものではない。クライアントコンピュータ44は動作システムを実行することができ、この動作システムの例には、マイクロソフトウィンドウズXP(Microsoft Windows XP:登録商標)及びレッドハットリナックス(Redhat Linux:登録商標)を含めることができるが、これらに限定されるものではない。
【0030】
クライアントコンピュータ44に結合された記憶装置48に記憶しうる、クライアント側のメディアマネージャ46の命令セット及びサブルーチンは、クライアントコンピュータ44内に導入された1つ以上のプロセッサ(図示せず)及び1つ以上のメモリアーキテクチュア(図示せず)により実行しうる。記憶装置48には、ハードディスクドライブ、テープドライブ、光学式ドライブ、RAIDアレイ、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は読出し専用メモリ(ROM)を含めることができるが、これらに限定されるものではない。
【0031】
上述したように、クライアント電子機器はネットワーク28、30に(従って、メディアディストリビューションシステム16に)無線結合することができる。例えば、パーソナルメディアデバイス36は、このパーソナルメディアデバイス36と、ネットワーク28に直接結合されているように示すワイヤレスアクセスポイント(すなわち、WAP)52との間に確立されている無線通信チャネルを介して、ネットワーク28に無線結合されているように示してある。WAP52は例えば、パーソナルメディアデバイス36とこのWAP52との間に通信チャネル50を確立しうるIEEE802.11a, 802.11b, 802.11g, Wi-Fi及びブルートゥース(Bluetooth )デバイスの何れか又は任意の組合せとすることができる。
【0032】
当該技術分野で既知のように、IEEE802.11x 仕様は、回線共有のために、イーサネット(登録商標)プロトコルと、搬送波感知多重アクセス/衝突回避(すなわち、CSMA/CA)方式とを用いることができる。種々の802.11x 仕様は、例えば、位相シフトキーイング(すなわち、PSK)変調又は相補コードキーイング(すなわち、CCK)変調を用いることができる。当該技術分野で既知のように、ブルートゥースは、例えば、携帯電話、コンピュータ及びパーソナルデジタルアシスタントを、短距離の無線接続を用いて相互接続しうるようにする電気通信産業の仕様である。
【0033】
図1には更に、パーソナルデジタルアシスタント40が、(ネットワーク28に直接結合されているように示されている)セルラーネットワーク/ブリッジ54を介して、ネットワーク28に無線結合されているように示されており、且つデータイネーブル式携帯電話42が、(ネットワーク30に直接結合されているように示されている)セルラーネットワーク/ブリッジ56を介して、ネットワーク30に無線結合されているように示されている。
クライアント電子機器:
【0034】
前述したように、クライアント電子機器の例には、パーソナルメディアデバイス36、38、パーソナルデジタルアシスタント40、データイネーブル式携帯電話42を含めることができる。従って、以下の説明はパーソナルメディアデバイス38に対するものであるが、この説明は、(パーソナルメディアデバイス36、パーソナルデジタルアシスタント40、携帯電話42、テレビジョン(図示せず)、ケーブルボックス(図示せず)、インターネットレイディオ(図示せず)及び専用のネットワークデバイス(図示せず)を含む)如何なるクライアント電子機器にも同様に適用しうるものである。
【0035】
図2をも参照するに、パーソナルメディアデバイス38は、例えば、ドッキングクレードル(格納台)100を介してクライアントコンピュータ44に接続することができる。代表的に、パーソナルメディアデバイス38には、このパーソナルメディアデバイス38をドッキングクレードル100に結合するバスインタフェース(以下に詳細に説明する)が設けられている。このドッキングクレードル100は(ケーブル102により)例えば、クライアントコンピュータ44に設けられたユニバーサルシリアルバス(すなわち、USB)ポート、シリアルポート又はIEEE1394(すなわち、FireWire)ポートに結合させることができる。例えば、パーソナルメディアデバイス38内に設けられたバスインタフェースはUSBインタフェースとすることができ、ドッキングクレードル100はUSBハブ(すなわち、パーソナルメディアデバイス38とドッキングクレードル100とを“ホット”カップリング及びアンカップリングさせるプラグアンドプレイインタフェース)として機能しうる。
【0036】
クライアントコンピュータ44は、パーソナルメディアデバイス38に対するインターネットゲートウェイとして機能しうる。パーソナルメディアデバイス38は、例えば、ユニバーサルプラグアンドプレイプロトコル(すなわち、UPnP)の使用を介して、クライアントコンピュータ44を使用することができ、これによりネットワーク28(及びネットワーク30)を介してメディアディストリビューションシステム16をアクセスしてメディアデータ14を得ることができる。特に、(パーソナルメディアデバイス38に代わるインターネットクライアントとして機能する)クライアントコンピュータ44は、パーソナルメディアデバイス38からメディアディストリビューションシステム16に対する要求を受けると、サーバーコンピュータ26(すなわち、メディアディストリビューションシステム16を遂行するコンピュータ)に適切なウェブページ/サービスを要求しうる。この要求したウェブページ/サービスの返事がクライアントコンピュータに供給されると、クライアントコンピュータ44はこの返事のウェブページ/サービスを(パーソナルメディアデバイス38が発した)元の要求に関連させ、このウェブページ/サービスをパーソナルメディアデバイス38に供給しうる。従って、クライアントコンピュータ44は、パーソナルメディアデバイス38をサーバーコンピュータ26に、従って、メディアディストリビューションシステム16に結合するルートとして機能しうる。
【0037】
パーソナルメディアデバイス38の線図を示す図3を参照する。このパーソナルメディアデバイス38は、マイクロプロセッサ(例えば、米国カリフォルニア州サンタナのインテル社製のARM(登録商標)マイクロプロセッサ)150と、不揮発性メモリ(例えば、読出し専用メモリ)152と、揮発性メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ)154とを具えており、これらの各々は1つ以上のデータ/システムバス156,158を介して相互接続しうる。パーソナルメディアデバイス38は更に、例えば、ヘッドホンアセンブリ164、リモートスピーカアセンブリ166又は小型イヤホンアセンブリ168を着脱自在に係合させるオーディオジャック162にアナログオーディオ信号を供給するオーディオサブシステム160をも有しうる。或いはまた、パーソナルメディアデバイス38は、1つ以上の内部オーディオスピーカ(図示せず)を有するように構成することもできる。
【0038】
パーソナルメディアデバイス38は、デバイスアプリケーション58(その例には、ラプソディークライアント、リアルプレーヤークライアント又は専門的なインタフェースを含みうるが、これらに限定されるものではない)を遂行しうる。このパーソナルメディアデバイス38は、動作システムを実行することができ、この動作システムの例には、マイクロソフトウィンドウズCE(Microsoft Windows CE:登録商標)、レッドハットリナックス、パルムOS(Palm OS :登録商標)又はデバイスに特有の(すなわち、カスタムな)動作システムを含めることができるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
パーソナルメディアデバイス38に結合された記憶装置60に記憶させうるデバイスアプリケーション58の命令セット及びサブルーチンは、パーソナルメディアデバイス38内に導入された1つ以上のプロセッサ(図示せず)及び1つ以上のメモリアーキテクチュア(図示せず)により実行しうる。記憶装置60は、例えば、ハードディスクドライブ、テープドライブ、光学式ドライブ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、CF(すなわち、コンパクトフラッシュ(登録商標))カード、SD(すなわち、セキュアデジタル)カード、スマートメディアカード、メモリスティック及びマルチメディアカードとすることができるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
パーソナルメディアデバイス38には、ユーザーインタフェース170及びディスプレイサブシステム172をも設けることができる。ユーザーインタフェース170は、パーソナルメディアデバイス38内に含まれる種々の入力装置からデータ信号を受けることができ、これらの入力装置の例には、後方スキップスイッチ104、前方スキップスイッチ114、プレイ/ポーズスイッチ108、メニュースイッチ110、セレクタスイッチ112及びホイールアセンブリ114を含めることができるが、これらに限定されるものではない。ディスプレイサブシステム172は、パーソナルメディアデバイス38内に含まれているディスプレイパネル116に表示信号を供給しうる。このディスプレイパネル116は、例えば、アクティブマトリックス方式の液晶表示パネル、パッシブマトリックス方式の液晶表示パネル又は発光ダイオード方式の表示パネルとすることができる。
【0041】
オーディオサブシステム160、ユーザーインタフェース170及びディスプレイサブシステム172の各々は1つ以上のデータ/システムバス174、176及び178を(それぞれ)介してマイクロプロセッサ150と結合させることができる。
【0042】
前述したように、パーソナルメディアデバイス38には、例えば、ドッキングクレードル100を介してクライアントコンピュータ44とインタフェースをとるためのバスインタフェース180を設けることができる。更に、前述したように、パーソナルメディアデバイス38は例えば、このパーソナルメディアデバイス38と、例えばWAP52との間に確立される無線通信チャネル50を介して、ネットワーク50と他のパーソナルメディアデバイスとの双方又はいずれか一方に無線結合させることができる。従って、パーソナルメディアデバイス38には、このパーソナルメディアデバイス38をネットワーク28(又はネットワーク30)と他のパーソナルメディアデバイスとの双方又はいずれか一方に無線結合させるための無線インタフェース182を設けることができる。この無線インタフェース182は、例えばWAP52へのRF通信のためのアンテナアセンブリ184と、例えばセカンドパーソナルメディアデバイスとの赤外線通信のためのIR(赤外線)通信アセンブリ186との双方又はいずれか一方に結合しうる。更に、前述したように、パーソナルメディアデバイス38には、デバイスアプリケーション58の命令セット及びサブルーチンを記憶するための記憶装置60を設けることができる。更にこの記憶装置60は、メディアディストリビューションシステム16からダウンロードされたメディアデータ(例えば、ファイル及びストリームの双方又はいずれか一方)を記憶させるのに用いることができる。
【0043】
記憶装置60、バスインタフェース180及び無線インタフェース182の各々は、1つ以上のデータ/システムバス188、190及び192を(それぞれ)経てマイクロプロセッサ150と結合させることができる。前述したように、メディアディストリビューションシステム16は、メディアデータをユーザー18、20、22及び24に配信し、この場合この配信されたメディアデータがメディアデータストリーム及びメディアデータファイルの形態となるようにしうる。
設定処理
【0044】
前述したように、サーバー側の設定処理10とクライアント側の設定処理12との各々は、メディアディストリビューションシステム16とインタフェースをとり、このメディアディストリビューションシステム16からメディアデータ14を得るようにクライアント電子機器(例えば、パーソナルメディアデバイス38)を設定することができる。
【0045】
代表的には、クライアント電子機器が他の機器を介してメディアディストリビューションシステム16と通信する場合、クライアント側の設定処理は、クライアント電子機器を接続するためのこの他の機器に関して遂行するようにしうる。例えば、パーソナルメディアデバイス38がクライアントコンピュータ44を介してメディアディストリビューションシステム16と通信する場合、クライアント側の設定処理12は、このクライアントコンピュータ44に関して遂行し、パーソナルメディアデバイス38をメディアディストリビューションシステム16とインタフェースをとるように設定するようにしうる。
【0046】
或いはまた、クライアント電子機器が直接メディアディストリビューションシステム16と通信する場合、サーバー側の設定処理はメディアディストリビューションシステム16が遂行されている機器に関して遂行されるようにする。例えば、パーソナルメディアデバイス36、パーソナルデジタルアシスタント40及びデータイネーブル式携帯電話42が直接メディアディストリビューションシステム16と通信する場合、サーバー側の設定処理はサーバーコンピュータ26に関して遂行され、パーソナルメディアデバイス36、パーソナルデジタルアシスタント40及びデータイネーブル式携帯電話42をメディアディストリビューションシステム16とインタフェースをとるように設定しうる。
【0047】
クライアント電子機器(例えば、パーソナルメディアデバイス36、38、パーソナルデジタルアシスタント40及びデータイネーブル式携帯電話42)が(直接又はクライアントコンピュータ44を介して)メディアディストリビューションシステム16と通信する場合、例えば、このクライアント電子機器を設定し且つ例えば、メディアディストリビューションシステム16又はクライアント側のメディアマネージャ46からメディアデータファイルをこのクライアント電子機器に伝送するのにバイナリ転送プロトコルを用いることができる。バイナリ転送プロトコルの例には、メディア転送プロトコル(すなわち、MTP)を含めることができるが、これに限定されるものではない。従って、クライアント電子機器(例えば、パーソナルメディアデバイス36、38、パーソナルデジタルアシスタント40及びデータイネーブル式携帯電話42)はMTPイネーブル式クライアント電子機器とすることができる。
【0048】
MTPは、マイクロソフト(Microsoft :登録商標)が提案した画像転送プロトコル(PTP)のカスタム拡張セットである。PTPが、デジタル画像をデジタルカメラからパーソナルコンピュータに伝送するように設定された場合、MTPは、メディアデータを種々のクライアント電子機器(例えば、パーソナルメディアデバイス36、38、パーソナルデジタルアシスタント40及びデータイネーブル式携帯電話42)からパーソナルコンピュータに伝送しうるようにする。
【0049】
このようなMTPイネーブル式クライアント電子機器の例には、プレイズフォーシュアークライアント電子機器を含めることができるが、これに限定されるものではない。
【0050】
マイクロソフトのプレイズフォーシュアーは、適合性及び性能の条件(例えば、CODECサポート、DRMサポート、ユーザーインタフェースの反応性、機器の性能、ウィンドウズメディアプレーヤー(Windows Media Player:登録商標)との適合性及び同期性能)に対し検査したコンテンツサービス(例えば、メディアディストリビューションシステム16)及び携帯機器(例えば、パーソナルメディアデバイス36、38、パーソナルデジタルアシスタント40及びデータイネーブル式携帯電話42)に、マイクロソフトにより与えられた認証である。
設定ファイル
【0051】
クライアント電子機器が直接又は間接的にメディアディストリビューションシステム16をアクセスする場合、サーバー側の設定処理10及びクライアント側の設定処理12は(それぞれ)クライアント電子機器から主設定ファイル62を得ることができる(図4のステップ200)。主設定ファイル62は、例えばパーソナルメディアデバイス38の、例えば記憶装置60内の既知のディレクトリ内に記憶させておくことができる。前述したように、クライアント電子機器の例には、パーソナルメディアデバイス36、38、パーソナルデジタルアシスタント40及びデータイネーブル式携帯電話42を含めることができる。従って、上述した開示及び後述する開示はパーソナルメディアデバイス38に向けたものであるが、以下の開示は、(パーソナルメディアデバイス36、パーソナルデジタルアシスタント40、携帯電話42、テレビジョン(図示せず)、ケーブルボックス(図示せず)、インターネットレイディオ(図示せず)及び専用のネットワークデバイス(図示せず)を含む)いかなるクライアント電子機器にも同様に適用しうるものである。
【0052】
主設定ファイル62は、機器を製造する際にインストールするXML設定ファイルとすることができ、パーソナルメディアデバイス38の強化機能の1つ以上を規定しうる。主設定ファイル62の例は以下の通りである。
【表1】
【0053】
説明のために、主設定ファイル62は以下の機能の1つ以上を規定するために示してある。これらの機能の例には、以下のものを含めることができるが、これらに限定されるものではない。
・ どのバージョンの拡張仕様がパーソナルメディアデバイス38で実行されているかを、メディアディストリビューションシステム16とクライアント側のメディアマネージャ46との双方又はいずれか一方に指示するバージョンインジケータ。
・ パーソナルメディアデバイス38がチャネルをサポートしているかどうかを指示するブール値。当該技術分野で既知のように、チャネルはパーソナルメディアデバイス38に関する無線局(又は常にリフレッシュされるプレイリスト)に類似するものであり、これらは、ユーザーがリストアップ済みのメディアコンテンツに代わる新たなメディアコンテンツで自動的に更新を行う。この自動的な更新処理は、パーソナルメディアデバイス38がメディアディストリビューションシステム16及びクライアント側のメディアマネージャ46の双方又はいずれか一方と結合される度に行われるようにしうる。
・ 整数値はパーソナルメディアデバイス38に対する好適なアルバムアートサイズを表わしうる。
・ 一連のパス特性は、種々のメディアに対するパーソナルメディアデバイス38における好適な位置を規定しうる。
・ ブール値は、パーソナルメディアデバイス38の起動時にこのパーソナルメディアデバイス38がサービスロゴスプラッシュスクリーンを表示するのをサポートしているかどうかを指示しうる。
【0054】
設定処理10、12がパーソナルメディアデバイス38から主設定ファイル62を得ると(ステップ200)、この設定処理10、12はこの主設定ファイル62を処理して(ステップ202)、メディアディストリビューションシステム16及びクライアント側のメディアマネージャ46の双方又はいずれか一方が、パーソナルメディアデバイス38によりどの特性/機能性がサポートされているかを決定しうるようにする。
【0055】
主設定ファイル62が処理されると(ステップ202)、設定処理10、12は、1つ以上の追加の設定ファイル64をクライアント電子機器(例えば、パーソナルメディアデバイス38)に提供し(ステップ204)、これによりクライアント電子機器の機能性を更に規定しうるようにする。追加の設定ファイル64の1つ以上をXML設定ファイルとしうる。
【0056】
追加の設定ファイル64の例には、サブスクリプションファイル、メッセージングファイル、チャネルファイル、アッドトゥライブラリファイル、レイティングスファイル、レイティングスマッピングファイル及び無線PCファイルを含めることができるが、これらに限定されるものではない。
サブスクリプションインフォxml(subscriptioninfo.xml)ファイル
【0057】
パーソナルメディアデバイス38にサブスクリプションインフォxmlファイルを提供し(ステップ202)、これにより、ユーザーネーム、アカウントタイプ及びサブスクリプションライセンスの満了までの残存時間を含むユーザーアカウント状態の基本的詳細を規定しうるようにする。
【0058】
サブスクリプションインフォxmlファイルの例は以下の通りである。
【表2】
【0059】
例示のためであるが、サブスクリプションインフォxmlファイルは以下の機能性の1つ以上を規定しうる。
・ タイムオブライセンス(TimeOfLicense )、ユーザーIDGUID(UserIDGUID)及びユーザーID(UserID)フィールドが消失されているか又は空である場合には、デバイスはまだ如何なるユーザーにも登録されていない。
・ タイムオブライセンス及びライセンス期間(LicenseDuration)フィールドは、いつデバイスが最後に登録されたかや、いつこの登録が消滅したかを表しうる情報を返信する。データ/時間の値は標準時間値から秒で表すことができる。
メッセージングxml(Messaging.xml )ファイル
【0060】
メッセージングxmlファイルはパーソナルメディアデバイス38に与えることができ(ステップ202)、このファイルにより、メディアディストリビューションシステム16とクライアント側のメディアマネージャ46との双方又は何れか一方が、パーソナルメディアデバイス38に対する起動及び停止メッセージング警報を発するようにしうる。メディアディストリビューションシステム16とクライアント側のメディアマネージャ46との双方又は何れか一方は、メッセージング警報がイネーブル/ディスエーブルであるかや、起動及び停止の双方のメッセージに対するメッセージ期間、優先度及びテキストを特定しうる。更に、パーソナルメディアデバイス38が起動した際に、サービスロゴを表示させることができる。
【0061】
メッセージングxmlファイルの一例は以下の通りである。
【表3】
チャネルズxml(Channels.xml)ファイル
【0062】
チャネルズxmlファイルは、パーソナルメディアデバイス38がチャネルをサポートしていることを主設定ファイル62が指示している場合に、このパーソナルメディアデバイス38に提供しうる(ステップ202)。
【0063】
前述したように、チャネルは、メディアディストリビューションシステム16とクライアント側のメディアマネージャ46との双方又は何れか一方によりプログラミングされている“エンドレス”のプレイリストとみなすことができる。チャネルズxmlファイルは、チャネルのプレイリスト内でレンダリングされた最後のトラックにポインタを与え、レンダリングが停止した個所で再生が再開されうるようにすることができる。パーソナルメディアデバイス38がチャネルをサポートしている場合には、このパーソナルメディアデバイス38は、チャネルを選択するためのユーザーインタフェースを規定することができる。
【0064】
例えば、ユーザー20がパーソナルメディアデバイス38をメディアディストリビューションシステム16とクライアント側のメディアマネージャ46との双方又は何れか一方に結合させる際にはいつでも、このパーソナルメディアデバイス38におけるチャネルをリフレッシュさせることができる。例えば、レンダリングされた如何なるトラックも新たなトラックと交換しうる。しかし、レンダリングされなかったトラックは後のレンダリングのためにパーソナルメディアデバイス38に残しておくことができる。チャネル内で使用するためのメディアトラックがパーソナルメディアデバイス38に書き込まれた場合、これらのトラックは隠しておくことができるとともに、代表的にパーソナルメディアデバイス38の音楽ライブラリの一部としてみなされない。
【0065】
チャネルズxmlファイルの一例は以下の通りである。
【表4】
アッドトゥライブラリダット(AddToLibrary.dat)ファイル
【0066】
アッドトゥライブラリダットファイルはパーソナルメディアデバイス38に提供でき(ステップ202)、このパーソナルメディアデバイス38がメディアディストリビューションシステム16とクライアント側のメディアマネージャ46との双方又は何れか一方に結合された際に、メディアディストリビューションシステム16とクライアント側のメディアマネージャ46との双方又は何れか一方によりこのファイルを読み取るとともに消去することができる。アッドトゥライブラリダットファイルには、ユーザー20がパーソナルメディアデバイス38に内に含まれたチャネルを聴いている間に自分のライブラリに加えたトラック識別子のリストを含めることができる。トラック識別子は、加えるべきトラックのプレイズフォーシュアーメタデータ内に含めることができる。
【0067】
前述したように、且つ当該技術分野で既知のように、チャネルは、パーソナルメディアデバイス38に関する無線局に類似するものであり、これらは、ユーザーが既に聴き終えたメディアコンテンツに代わる新たなメディアコンテンツで自動的に更新を行うものである。この自動更新処理はパーソナルメディアデバイス38がメディアディストリビューションシステム16及びクライアント側のメディアマネージャ46の双方又はいずれか一方と結合される度に行われるようにしうる。ユーザー(例えば、ユーザー20)がチャネル内に含まれたトラックを望む場合には、ユーザー20は、このトラックを例えば、ディスプレイパネル116に表示しうるとともにユーザー20によりナビゲートしうる1つ以上のメニュー(図示せず)を介して自分のライブラリに加えることができる。
【0068】
パーソナルメディアデバイス38は、ライブラリに加えるべきトラックを規定する識別情報を上述したアッドトゥライブラリダットファイルに書き込むことができる。前述したように、MTPは、マイクロソフトが提案した画像転送プロトコル(PTP)のカスタム拡張セットであり、これにより種々の電子機器(例えば、パーソナルメディアデバイス36、38、パーソナルデジタルアシスタント40、データイネーブル式携帯電話42)からパーソナルコンピュータにメディアデータを転送しうるようにする。
【0069】
MTPは、“シンクID(SyncID)”オブジェクトプロパティを含む(しかし、これに限定されない)複数のオブジェクトプロパティを用いることができる。“シンクID”オブジェクトプロパティは、メディアディストリビューションシステム16及びパーソナルメディアデバイス38間でトラック特有の情報を転送するために、これらのメディアディストリビューションシステム16及びパーソナルメディアデバイス38により用いることができる。“シンクID”内には種々の情報片を含めることができ、これらの例には以下のものを含めることができるが、これらに限定されるものではない。
・ バージョンID(versionid ):“バージョンID”は、メディアディストリビューションシステム16のバージョンを規定しうる。前述したように、メディアディストリビューションシステム16の例は、米国ワシントン州のシアトルに所在するリアルネットワークス社により提供されたラプソディーである。従って、“バージョンID”はラプソディーサービスのバージョンを規定しうる。
・ トラックID(trackid):“トラックID”は、メディアディストリビューションシステム16が理解しうるトラックに対するIDを規定しうる。前述したように、メディアディストリビューションシステム16の例は、米国ワシントン州のシアトルに所在するリアルネットワークス社により提供されたラプソディーである。従って、“トラックID”は、ラプソディーサービスを介して得られる特定のトラックを規定するラプソディトラックID(Rapsody Track ID)としうる。
・ アーティストID(artistid):“アーティストID”は、メディアディストリビューションシステム16が理解しうるアーティストに対するIDを規定しうる。“アーティストID”は随意的なものとしうる。その理由は、あるアーティストはメディアディストリビューションシステム16内にアーティストIDを有さない場合がある為である。
・ アルバムID(albumid ):“アルバムID”は、メディアディストリビューションシステム16が理解しうるアルバムに対するIDを規定しうる。
・ アルバムアーティストID(albumartistid ):“アルバムアーティストID”は、メディアディストリビューションシステム16が理解しうるアルバムアーティストに対するIDを規定しうる。アーティストが“アーティストID”を有さない場合には、このアーティストは“アルバムアーティストID”を有することができない。
・ ジャンルID(genreid ):“ジャンルID”は、メディアディストリビューションシステム16が理解しうるジャンルに対するIDを規定しうる。
【0070】
“シンクID”の例は以下の通りである。
【表5】
【0071】
トラックがパーソナルメディアデバイス38に転送されると、このパーソナルメディアデバイス38は“シンクID”を処理してこの“シンクID”から上述したバージョンID、トラックID、アーティストID、アルバムID、アルバムアーティストID及びジャンルIDを抽出し(ステップ206)、これらのIDをパーソナルメディアデバイス38内に含まれるデバイスデータベース(図示せず)内に記憶させる(ステップ208)ことができる。デバイスデータベース(図示せず)は記憶装置60に記憶させることができる。
【0072】
これらの種々のID(例えば、バージョンID、トラックID、アーティストID、アルバムID、アルバムアーティストID及びジャンルID)の1つ以上を抽出時に何れかの追加の設定ファイル64内に入れることができる。例えば、ユーザーがチャネルトラックを聴いておりこのトラックを自分のライブラリに加える場合、関連のID情報(例えば、トラックID、アーティストID、アルバムID)を、パーソナルメディアデバイス38内に含まれるデバイスデータベース(図示せず)から取り出すことができ、アッドトゥライブラリダットファイルをこの情報が含まれるように変更することができる。次に、パーソナルメディアデバイス38がメディアディストリビューションシステム16に再接続されると、メディアディストリビューションシステム16とクライアント側のメディアマネージャ46との双方又は何れか一方が、アッドトゥライブラリダットファイルから関連のID情報(例えば、トラックID、アーティストID、アルバムID)を得ることができ、従って、メディアディストリビューションシステム16のシステムデータベース(図示せず)を、ユーザーのライブラリに行われた変更が反映されるように更新させることができる。
レイティングスダット(Ratings.dat)ファイル
【0073】
レイティングスダットファイルはパーソナルメディアデバイス38に提供することができ(ステップ202)、このパーソナルメディアデバイス38がメディアディストリビューションシステム16とクライアント側のメディアマネージャ46との双方又は何れか一方に結合された際に、メディアディストリビューションシステム16とクライアント側のメディアマネージャ46との双方又は何れか一方によりこのファイルを読み取るとともに消去することができる。レイティングスダットファイルには、ユーザー20がメディアディストリビューションシステム16とクライアント側のメディアマネージャ46との双方又は何れか一方から切り離された際にパーソナルメディアデバイス38に関し評価したトラックに対するトラック識別子のリストを含めることができる。前述したように、トラック識別子は、加えるべきトラックのプレイズフォーシュアー(PlaysForSure)メタデータ内に含めることができる。
レイディオPCテキスト(RadioPC.txt )ファイル
【0074】
レイディオPCテキストファイルはパーソナルメディアデバイス38に提供することができ(ステップ202)、このパーソナルメディアデバイス38がメディアディストリビューションシステム16とクライアント側のメディアマネージャ46との双方又は何れか一方に結合された際に、メディアディストリビューションシステム16とクライアント側のメディアマネージャ46との双方又は何れか一方によりこのファイルを読み取るとともに消去することができる。レイディオPCテキストファイルは以下のことを規定しうる。
・ 各チャネルに対するチャネルID(channel_id)値
・ 各チャネルに対するステーションタイプ(station_type)値
・ トラックプレイ(tracks_played )値:トラックプレイ値は、所定のチャネルから幾つのトラックがレンダリングされたかを表す。このトラックプレイ値は、メディアディストリビューションシステム16とクライアント側のメディアマネージャ46との双方又は何れか一方により用いられ、デバイスがメディアディストリビューションシステム16とクライアント側のメディアマネージャ46との双方又は何れか一方に結合された際に、チャネルのコンテンツをインテリジェントアップデート(自動更新)しうるようにする。
・ トラックインデックス(track_index )値:トラックインデックス値は、(a)デバイスが次のトラックのレンダリングを開始する必要があるチャネル内の位置をマーキングするとともに、(b)チャネルのコンテンツをインテリジェントアップデートするための情報をメディアディストリビューションシステム16とクライアント側のメディアマネージャ46との双方又は何れか一方に提供しうる。
・ チャネルループ(channel_looped)値:チャネルループ値は、対応するチャネルにおける最後のトラックが再生/スキップされた際に“1”に設定しうる。この値は、メディアディストリビューションシステム16とクライアント側のメディアマネージャ46との双方又は何れか一方により用いて所定のチャネル内のメディアトラックを更新するようにすることができる。
【0075】
多数の実施例を説明したが、種々の変形が可能であること明らかである。従って、これらの変形も本発明の範囲に含まれるものである。
図1
図2
図3
図4