(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、配線を増設することなく遊技場側の制御により演出を実行可能な遊技機、及びこの遊技機が複数設置された遊技場に導入される遊技場用システムであって、遊技場側の制御により一斉演出を実行可能な遊技場用システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の遊技機は、所定の始動条件の成立に基づいて抽選処理を実行する抽選手段と、
前記抽選手段による抽選結果を特図保留として所定の上限保留数まで記憶可能な記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記特図保留を1つずつ読み出す読出手段と、
前記読出手段が読み出した前記特図保留の当否を判定する当否判定手段と、
前記当否判定手段による判定結果に基づいて図柄変動を実行する図柄変動手段と、
遊技場内における
照明の明るさの変化を検知する
光センサと、
前記当否判定手段による判定結果を報知する特定演出を実行する特定演出実行手段と、を備え、
前記特定演出実行手段は、前記
光センサが前記
照明の明るさの変化を検知した時、あるいは検知した時から予め設定された所定時間が経過した時に前記特定演出を実行す
る遊技機
が複数設置される遊技場に導入される遊技場用システムであって、
遊技場側が任意に設定した時刻に遊技場内の照明を一時的に消灯することが可能な照明切替手段を備えたことを特徴とする遊技場用システムである(請求項1)。
【0008】
本発明
に係る遊技機が備える特定演出実行手段は、前記
光センサが前記
照明の明るさの変化を検知した時、あるいは検知した時から予め設定された所定時間が経過した時に前記特定演出を実行する。遊技場内に本発明
に係る遊技機を複数設置すると共に、前記
照明の明るさの変化が同時に検知されるように遊技機の外部環境を制御すれば、複数の遊技機について前記特定演出を一斉に実行させることが可能である。特に、本発明
に係るパチンコ遊技機を並べて配置する場合には、これらのパチンコ遊技機が配置されたエリアで前記特定演出を同時発生でき、該特定演出による効果を一層高めることができる。対応する複数の遊技者の大当たりに対する期待感を一斉に高揚でき、これにより、遊技場の雰囲気を盛り上げることができるようになる。
【0009】
このように、本発明の
遊技場用システムによれば、配線を増設することなく遊技場側の制御により前記特定演出を実行可能である。
【0010】
本発明
に係る遊技機は、玉などの遊技価値を遊技媒体として使用するパチンコ遊技機のほか、遊技媒体の払出を行わない封入式のパチンコ遊技機であっても良い。
本発明の遊技場用システムにおいては、前記
光センサは、前記遊技機の異なる位置に複数配置されており、
前記特定演出実行手段は、複数の前記
光センサが前記
照明の明るさの変化を同時に検知した時、あるいは検知した時から予め設定された所定時間が経過した時に前記特定演出を実行することが好ましい(請求項2)。
【0011】
前記
光センサが1箇所のみであると、前記特定演出が発生する仕組みを知り得た遊技者が、前記
照明の明るさの変化を擬似的に生じさせるイタズラを行うおそれがある。このようなイタズラが行われると、遊技場側が意図しないタイミングで前記特定演出が発生してしまう。一方、上記のごとく遊技機の異なる位置に前記
光センサを複数配置しておけば、複数の
光センサに前記
照明の明るさの変化を同時に検知させる難易度を高くでき、上記のようなイタズラを未然に抑制できる。
【0012】
また、前記
光センサは、明るさを計測する
センサであり
、計測する明るさの変化
により前記照明の明るさの変化を検知する。
前記明るさの変化としては、前記光センサが計測する明るさが所定のしきい値以下となったことや、所定時間内の明るさの変化量(明るくなる変化や、暗くなる変化など。)が所定量を超えたこと等を設定できる。
【0013】
遊技場内の明るさは、照明機器の制御により適宜、調整可能である。それ故、前記特定演出の契機
として前記照明の明るさの変化を設定すれば、照明機器を制御するのみで比較的簡単に複数の前記遊技機に前記特定演出を同時に実行させることができるようになる。例えば、遊技場内の照明の一時消灯に応じて前記
照明の明るさの変化が発生するようにすれば、照明を一時消灯するのみで前記特定演出を実行させることができる。また、光の速度は非常に速いので、複数の遊技機について前記特定演出を遅延なく開始させることが可能である。
【0014】
本発明の遊技場用システムは、
前記照明の明るさの変化を検知する光センサを
備えた遊技機が複数設置される遊技場に導入される遊技場用システムであって、
遊技場側が任意に設定した時刻に遊技場内の照明を一時的に消灯することが可能な照明切替手段を備
えている。
【0015】
本発明の遊技場用システムによれば、前記照明切替手段により遊技場内の照明を一時的に消灯させることで、前記特定演出の契機となる前記明るさの変化を生じさせることができる。これにより、複数の前記遊技機に前記特定演出を同時に実行させることができ、遊技場内の雰囲気を盛り上げることができる。
なお、前記遊技機を複数設置する際の配置としては、並べて配置したり通路を挟んで対面するように配置する等、特定のエリアに固めて配置することが好ましい。このように配置すれば、前記特定演出を一斉に実行させる効果を一層高くできる。
【0016】
本発明の遊技場用システムでは、前記特定演出を一斉に実行させるための制御線等の配線を各遊技機に対して接続する必要がない。前記特定演出を一斉に実行させるための電気的な配線を新たに設ける必要がなければ、そのような配線を引き回しするための手間やメンテナンスの手間が増えることもない。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、一斉演出(特定演出)実行可能なパチンコ遊技機1
が複数設置された遊技場用システム6に関する例である。このパチンコ遊技機1は、遊技場において複数並べて配置されることが好ましく、このように並べて配置されることで一斉演出による効果の一層向上が見込まれる遊技機である。
まず、パチンコ遊技機1について、
図1〜
図5を用いて説明する。
【0019】
本例のパチンコ遊技機1は、
図1に示すごとく外観的な構成を備えている。パチンコ遊技機1は、図示しない台枠に取り付けられた開閉扉13と、開閉扉13の内側の遊技盤の盤面に形成された略円形状の遊技領域130と、遊技領域130の下部両側に配置された一対のスピーカ131と、遊技領域130の下側に設けられた上皿135及び下皿137と、上皿135の右下に配置された発射ハンドル134と、を備えている。
【0020】
開閉扉13は、パチンコ遊技機1に対面して左側のヒンジ133を介して回動可能な状態で台枠に固定されている。開閉扉13には、遊技領域130に対応する略円形状の透明窓139と、が設けられている。開閉扉13の左上の角、右上の角、左スピーカ131の上、右スピーカの上には、それぞれ、明るさを計測する光センサ
59が配置されている。なお、この光センサ59の配置構造としては、凹形状の底部分に奥まって配置される構造等を採用することが好ましい。このような配置構造によれば、遊技演出に伴う自発光を検知するおそれを回避できる。
【0021】
発射ハンドル134は、遊技領域130への玉の打ち出し強さを調整するための操作ハンドルである。発射ハンドル134は、図示しないスプリングにより左回転方向の初期位置に向けて付勢されている。初期位置に発射ハンドル134が位置する場合の打ち出し強さはゼロであり、この状態では玉は発射されない。発射ハンドル134が右回転方向に操作されたとき、内部の発射装置421により玉が発射される。発射ハンドル134の操作量が大きくなるほど、玉の打ち出し強さが強くなる。発射ハンドル134は、玉の発射を一時停止するための発射停止ボタン(図示略)を備えている。発射停止ボタンを操作すれば、玉の発射を一時停止できる。
【0022】
上皿135は、入賞に応じて払い出された賞球や、貸玉等を受け入れるための受け皿である。上皿135は、遊技者側に向けて張り出すように形成されている。上皿135の玉は、図示しない供給通路を経由して発射装置421に供給されるようになっている。
下皿137は、上皿135の玉が一杯になったときに賞球を払い出したり、遊技者の操作に応じて上皿135の玉を回収するための受け皿である。
【0023】
遊技領域130は、遊技媒体であるパチンコ玉が流下する領域である。遊技領域130には、液晶表示部190を含む表示装置19を中心として、左側に通過ゲート141等が配置され、下側に始動口12や大入賞装置16等が配置されている。遊技領域130の最下部には、入賞することなく流下した玉を回収するための玉排出口138が開口している。また、遊技領域130の左縁には、普図表示部181及び普図保留表示部182が配置され、右縁には、特図表示部191が配置されている。
【0024】
通過ゲート141は、通過玉を検知するゲートである。玉を通過させるのみの通過ゲート141には、賞球の払い出しが設定されていない。通過ゲート141が通過玉を検知すると、普通図柄の当否判定(以下、普図判定という。)用の抽選用乱数が抽出され、普図判定が実行される。
【0025】
始動口12は、大当たりの当否判定(以下、大当たり判定という。)の契機となる入賞口である。始動口12は、一対の可動羽根121を開口部120に設けた電チュー(電動チューリップ)である。通常時の一対の可動羽根121は、隙間を空けて相互に対面するように起立する状態(
図1中、点線で示す状態。)にある。この状態では、上方に向けて開口する玉1個分の隙間を介してのみ、玉が入賞可能である。一方、相互に離隔するように回動した一対の可動羽根121(
図1中、実線で示す状態。)は、開口部120への玉の流入をガイドする受け皿のように作用する。この状態では、始動口12への入賞が容易に発生する。始動口12は、普図判定の当選に応じて可動羽根121を開放する。可動羽根121の開放時間は、通常状態において0.2秒×1回、確変状態及び時短状態において1.5秒×3回となっている。始動口12に玉が入賞すると、大当たり判定用の抽選用乱数が抽出され、大当たり判定が実行される。
【0026】
大入賞装置16は、大入賞口160を開口する、いわゆるアタッカーと呼ばれる可変入賞装置である。この大入賞装置16は、始動口12の下側に配置されている。大入賞装置16は、横長略矩形状を呈する大入賞口160と、該大入賞口160の下辺を中心として手前に回動する蓋部材161と、を有している。大入賞装置16では、遊技領域130をなす盤面と略面一をなすように蓋部材161が位置したときに大入賞口160が閉鎖状態となる。一方、蓋部材161が手前に回動したときに大入賞口160が開放状態となる。このように回動した蓋部材161は、玉を大入賞口160へ導くための受け皿となる。なお、大入賞装置16への入賞に対する払い出しは、1入賞当たり15個となっている。
【0027】
普図表示部181は、普図判定の当否の表示部である。本例の普図表示部181は、1つのLEDにより構成されている。普図表示部181は、LEDの点滅により変動動作を表示する。普図表示部181は、普図判定で当選したとき、最終的にLEDを点灯させ、ハズレのときLEDを消灯させる。なお、普図変動時間は、通常状態下で30秒、時短状態を伴って発生する確変状態では1秒となっている。
普図保留表示部182は、普図判定用に保留された抽選用乱数の表示部である。普図保留表示部182は、4つのLEDが縦に連設された表示部である。普図保留表示部182は、LEDの点灯個数により保留数(上限保留数4個)を表示する。
【0028】
特図表示部191は、大当たり判定の当否の表示部である。本例の特図表示部191は、2桁の数字を変動表示した後、何れかの数字を停止表示することで大当たり判定の当否を表示する。特図表示部191に停止表示される数字(特図停止図柄)は、ハズレ、通常大当たり、確変大当たりの種類毎に予め複数パターンずつ設定され、大当たり判定結果に応じて何れかの変動パターンが決定される。停止表示される数字が単純なアラビア数字でないうえ停止時間も1秒間と短いため、一般の遊技者にとっては、特図停止図柄に応じて大当たり判定結果を把握することは難しくなっている。遊技中では液晶表示部190の図柄変動により各種の遊技演出が実行されるので、専ら特図表示部191に注目して大当たり判定の結果を把握しようとする遊技者も少ない。
【0029】
表示装置19は、
図1に示すごとく、略中央に液晶表示部190が配置された表示装置である。この液晶表示部190は、大当たり判定の当否を遊技者に分かり易く報知する図柄変動手段201、大当たり判定用に保留された抽選用乱数である特図保留を表示する特図保留表示部192、及び他の遊技機と同期して一斉演出を実行する特定演出実行手段202としての機能を備えている。この特定演出実行手段202については、パチンコ遊技機1の電気的な構成を説明した後で詳しく説明する。
【0030】
特図保留表示部192は、液晶表示部190の表示画面の下部に沿って略等間隔で表示された4個の保留ランプ195よりなる。特図保留表示部192は、保留ランプ195の点灯個数により保留数(上限保留数4個)を表示する。
図柄変動手段201は、液晶表示部190に図柄を変動表示し、停止表示された図柄(演出停止図柄)の組合せに応じて大当たりを報知する。大当たりの場合、所定の図柄変動時間に渡る図柄の変動表示後、ゾロ目の3桁の数字を表示する。
【0031】
次に、パチンコ遊技機1の電気的な構成について、
図2を用いて説明する。パチンコ遊技機1は、主回路20を中心として構成されている。主回路20に対しては、玉の払出を制御する払出制御回路41、玉の打込を制御する発射制御回路42、遊技演出を制御する副制御回路43、液晶表示部190を制御する表示制御回路44、入賞玉あるいは通過玉の検出器51〜53、始動口(電チュー)12を開放する電チューソレノイド56、大入賞装置16を開放させる大入賞ソレノイド55、特図表示部191や普図表示部181等を構成する各種のLED45、及び電力供給のための電源回路46等が電気的に接続されている。
【0032】
入賞玉あるいは通過玉の検出器としては、
図1及び
図2に示すごとく、通過ゲート141の通過玉を検出するゲート通過検出器51、始動口12への入賞玉を検出する始動入賞検出器52、及び大入賞装置16への入賞玉を検出する大入賞検出器53がある。
電チューソレノイド56は、始動口12の可動羽根121を開閉するためのソレノイドである。
大入賞ソレノイド55は、大入賞装置16の蓋部材161を回動駆動して、大入賞装置16を入賞可能な状態とするソレノイドである。
【0033】
払出制御回路41は、主回路20からの指示を受けて払出装置411を制御し、所定数の玉の払出を実行させる制御回路である。
発射制御回路42は、発射ハンドル134の操作量に応じて発射装置421を制御することで、玉の打ち出し強さをコントロールする制御回路である。
副制御回路43には、駆動アンプを含むスピーカ装置431、各種の装飾ランプ類432、及び液晶表示部190の表示等を制御する表示制御回路44が電気的に接続されている。
【0034】
主回路20は、
図2に示すごとく、CPU(Central Processing Unit)21、記憶素子であるROM(Read Only Memory)22・RAM(Random Access Memory)24、所定範囲の乱数を発生する乱数発生部27、抽選用乱数を抽出する乱数抽出部26、時間計測チップであるRTC(Real Time Clock)28、及び入出力インタフェースをなすI/O(Input/Output)25等を備えている。
【0035】
ROM22は、CPU21に実行させる各種の処理プログラムを記憶しているほか、図示しない大当たり判定用の抽選テーブル及び普図判定用の抽選テーブルを記憶する抽選テーブル記憶手段221としての機能を備えている。
【0036】
大当たり判定用の抽選テーブルでは、0〜34999の範囲の乱数のうち、通常状態における大当たりの当選乱数、及び確変状態における大当たりの当選乱数が規定されている。通常状態については当選乱数が100個規定され、当選確率が1/350となっている。確変状態については当選乱数が1000個規定され、当選確率が1/35となっている。本例では、これらの当選乱数のうちの半分が、確変大当たりに対応する確変当選乱数となっており、大当たりのうちの確変大当たりの割合が50%となっている。一方、本例の普図判定用の乱数テーブルでは、全ての乱数が当選乱数となっている。それ故、本例の普図判定の当選確率は1/1である。
【0037】
RAM24は、CPU21のワークエリアや一時書き込みに利用される読み書き可能な記憶素子である。RAM24の記憶エリアには、各4データ分の特図保留エリア241及び普図保留エリア242が割り当てられている。特図保留エリア241は、大当たり判定用の特図保留を記憶する記憶手段を構成している。普図保留エリア242は、普図判定用の保留乱数の記憶領域である。
【0038】
乱数抽出部26は、大当たり判定及び普図判定用の抽選用乱数を抽出する抽選手段を構成している。乱数抽出部26は、乱数発生部27が発生する乱数の中から当否判定に適用する抽選用乱数を抽出する。乱数抽出部26は、ゲート通過検出器51による通過玉の検出に応じて普図判定用の抽選用乱数を抽出し、始動入賞検出器52による入賞玉の検出に応じて大当たり判定用の抽選用乱数を抽出する。
【0039】
本例の主回路20は、ROM22から読み出したプログラムをCPU21に実行させることにより、以下の(1)〜(6)の各手段としての機能を実現する。
(1)保留手段211
保留手段211は、前記乱数抽出部26が抽出した大当たり判定用及び普図判定用の抽選用乱数を適宜、保留する手段である。特図保留エリア241内の保留数が1〜3個であれば、保留手段211は、抽出された抽選用乱数を特図保留エリア241に格納する。一方、保留数が4個である場合には、抽選用乱数を特図保留エリア241に格納することなく消去する。保留手段211は、保留数がゼロであっても抽出された抽選用乱数を一旦、特図保留エリア241に格納する。なお、普図判定用の抽選用乱数についても同様に取り扱われる。
【0040】
(2)読出手段212
読出手段212は、大当たり判定用の抽選用乱数を読み出す手段である。読出手段212は、図柄変動手段201による図柄変動が停止中であって、かつ、大当たり状態の発生中ではないとき、大当たり判定用の抽選用乱数の読み出しを実行する。読出手段212は、特図保留エリア241に記憶された特図保留の中から記憶されたタイミングが最も古い特図保留を大当たり判定用に読み出しする。
【0041】
(3)当否判定手段213
当否判定手段213は、大当たりの当否を決定するための大当たり判定を実行する手段である。当否判定手段213は、大当たり判定用の抽選テーブルに対して抽選用乱数を照合することで大当たり判定を実行する。当否判定手段213は、読出手段212による読出乱数を利用して大当たり判定を実行する。確変当選乱数と照合できた場合には、確変大当たりの当選となる。確変当選乱数以外の当選乱数と照合できた場合には、通常大当たりの当選となる。なお、普図判定についても、上記の大当たり判定と同様に抽選用乱数が読み出され、同様に抽選処理が実行される。
【0042】
(4)先読み手段214
先読み手段214は、特図保留エリア241に記憶された残りの特図保留を参照して先読みする手段である。先読み手段214は、読出手段212が大当たり判定用の抽選用乱数を読み出したとき、他の残りの特図保留を参照し、その中に大当たりの当選乱数が含まれているか否かを判定する。
【0043】
(5)大当たり状態発生手段215
大当たり状態発生手段215は、大当たり状態を発生させる手段である。大当たり状態発生手段215は、読出手段212による読出乱数が大当たりの当選乱数であって、これにより当否判定手段213が大当たりと判定したとき、大当たり状態を発生させる。大当たり状態は、大入賞口160が開口するラウンドが15回繰り返される非常に有利な状態である。大当たり状態としては、確変状態が後続する確変大当たり状態と、終了に応じて直ちに通常状態に復帰する通常大当たり状態と、がある。
【0044】
(6)確変状態発生手段216
確変状態発生手段216は、確変大当たりの当選に応じて確変状態を発生させる手段である。確変状態発生手段216は、確変大当たりを契機とした確変大当たり状態の終了後に確変状態を発生させ、その後、新たな大当たり当選までその確変状態を継続させる。確変状態下の大当たり判定では、大当たりの当選確率が高くなり有利である。なお、本例の確変状態は、図柄変動手段201、特図表示部191及び普図表示部181による図柄変動時間が短縮される時短状態を伴って発生する。
【0045】
次に、前記特定演出実行手段202について説明する。この特定演出実行手段202は、共通仕様の他の遊技機と同時に一斉演出を実行する手段である。特定演出実行手段202は、遊技場内の照明が一時消灯(遊技場内における
照明の明るさの変化)されたとき、光センサ59による消灯検知に応じて他の遊技機と共に一斉演出を実行する。
【0046】
特定演出実行手段202は、読出手段212による読出乱数が大当たりの当選乱数であるか、あるいは先読み手段214による参照乱数の中に大当たりの当選乱数が含まれていれば、大当たりに当選した旨の一斉演出を実行する。一方、これら全ての乱数が何れもハズレであったときには、ハズレの一斉演出を実行する。なお、特図保留が無い遊技機については、ハズレに対応する一斉演出が実行される。
【0047】
以上のように構成された本例のパチンコ遊技機1が実行する内部処理について、
図3〜
図5を参照して説明する。
図3は、一斉演出開始判定処理の流れを示すフロー図である。
図4は、一斉演出処理の流れを示すフロー図である。また、
図5は、一斉演出の実施タイミングを示すタイムチャート図である。
【0048】
一斉演出開始判定処理では、
図3に示すごとく、まず、何れかの光センサ59による消灯検知が待機される(S101)。何れかの光センサ59により消灯が検知されたときには(S101:YES)、他の光センサ59を含めた全ての光センサ59について消灯を検知できたか否かが判断される(S102)。全ての光センサ59で消灯が検知された場合には(S102:YES)、割込処理として
図4の一斉演出処理が実行される。この一斉演出処理は、全ての光センサ59が点灯検知するまで継続され(S103:NO)、全光センサ59の点灯検知に応じて終了される(S103:YES)。
【0049】
一斉演出処理では、
図4に示すごとく、読出手段212による読出乱数、及び先読み手段214による参照乱数について大当たりの当否が判定される(S201)。大当たりの特図保留があった場合には(S202:YES)、大当たりを表す演出Aが液晶表示部190に表示される(S203)。一方、大当たりの特図保留が無かった場合には(S202:NO)、ハズレを表す演出Bが液晶表示部190に表示される(S213)。
【0050】
なお、一斉演出は、
図5のタイムチャート図に示すごとく、各パチンコ遊技機1の液晶表示部190で個別に実行される通常演出の継続中であるか否かに関わらず、割込処理により実行される。一斉演出の実行中では、各パチンコ遊技機1の個別の通常演出が潜在的に実行されている。潜在的に実行中の通常演出は、演出の途中であるか否かに関わらず、一斉演出の終了に応じて液晶表示部190による表示が再開される。一方、特図表示部191による図柄変動については、一斉演出によって中断することなく通常通りに演出が実行される。
【0051】
以上のように構成された本例のパチンコ遊技機1は、光センサ59が一時消灯を検知したときに割込処理により一斉演出を実行する。このパチンコ遊技機1と同じ仕様の遊技機を複数設置すると共に、一時消灯が同時に検知されるように遊技機の外部環境を制御すれば、複数の遊技機について一斉演出を同時に実行させることが可能である。
【0052】
このように、本例のパチンコ遊技機1によれば、配線を増設することなく遊技場側の制御により一斉演出を実行可能である。
さらに、本例の一斉演出は、読み出した特図保留のみならず、残りの特図保留全ての当否を反映した演出となっている。そのため、この一斉演出に応じて大当たりが報知される確率が高くなっている。このように本例のパチンコ遊技機1が実行する一斉演出は、より多くの遊技者の期待感を効果的に高揚できる有効な演出となっている。さらに、このような一斉演出を複数のパチンコ遊技機1で同時に実行すれば、多数の遊技者の期待感を一斉に高揚でき、遊技場の雰囲気を盛り上げて興趣を高めることができる。
【0053】
なお、本例では、遊技場内における
照明の明るさの変化を検知する検知手段として光センサ59を採用し、この光センサ59が消灯を検知したときに一斉演出を実行している。本例の光センサ59は、可視光を検知するセンサであるが、これに代えて、赤外領域の光を検知する赤外線センサを採用しても良い。この場合には、この赤外線センサで検知可能なように赤外線光源を設けると共に、この赤外線光源を遊技場側で制御すれば良い。
なお、本例では、一斉演出の契機として照明の明るさの変化を設定しているが、これに代えて、振動の発生等
の所定の環境変化を
一斉演出の契機に設定しても良い。この場合には、検知手段として振動センサを採用すると共に、遊技機の設置台等に設けた加振手段を遊技場側で制御すれば良い。さらに、所定の環境変化として、気温の変化、湿度の変化、音の変化等を設定しても良い。この場合には、検知手段として、温度センサ、湿度センサ、音センサ等を採用できる。
なお、本例では、特図保留が無い遊技機についてもハズレの一斉演出を実行しているが、実行されないようにしても良い。
【0054】
次に、上記のような構成のパチンコ遊技機1である機種Bを複数設置した遊技場に導入される遊技場用システム6
について、
図6〜
図9を用いて説明する。
【0055】
本例の遊技場用システム6は、
図6に示すごとく、複数のパチンコ遊技機1を管理する遊技機管理装置61及び設備管理装置7を含むシステムである。各パチンコ遊技機1に対しては、台毎端末64、呼出ランプ63が個別に付設されている。遊技場用システム6では、中継器62及び遊技機管理装置61が、通信ネットワーク600に直接、接続されている。中継器62に対しては、パチンコ遊技機1、呼出ランプ63、台毎端末64が2台ずつ接続されている。設備管理装置7は、遊技機管理装置61に接続されている。
【0056】
遊技機管理装置61及び設備管理装置7は、遊技場用システム6を管理する装置であり、遊技場のスタッフ専用スペースに設置されている。遊技機管理装置61は、各パチンコ遊技機1の遊技情報等を管理する装置である。設備管理装置7は、遊技場内に設置された各種照明機器や、音声出力機器等に接続され、これらの機器を管理する装置である。本例の設備管理装置7は、遊技場内の照明を一時的に消灯する照明切替手段としての機能を備えている。台毎端末64は、貸玉機能のほか、各種の遊技情報を表示する機能を備えた端末である。
【0057】
本例の遊技場用システム6が導入された遊技場は、
図7に示すごとく、Aブロック〜Hブロックに区画されている。遊技場内に設置された遊技機の機種としては、機種A〜Dがある。このうち、Eブロック、及びFブロックに面して設置された機種Bは、
上記のように構成された一斉演出に対応可能なパチンコ遊技機1の機種である。
【0058】
遊技場内の各ブロックでは、図示しない照明機器及び音声出力機器が複数設置されている。遊技場内の照明機器のオンオフは、
図8の設備管理装置7の照明設定画面71に示すごとく、ブロック単位で制御可能になっている。照明設定画面71は、ONボタン711、OFFボタン712、タイマ設定ボタン713がブロック毎に配置された画面である。同図の照明設定画面71は、全てのブロックについてONボタン711が選択された営業状態を例示している。
【0059】
照明設定画面71のタイマ設定ボタン713を選択すると、
図9のごとくブロック別の照明設定画面72に切り換えることができる。同図は、一斉演出対応機種である機種Bが面するEブロックの照明設定画面72の例である。照明設定画面72では、上段の完全切替設定エリア721と、下段の一時切替設定エリア724とが表示される。完全切替設定エリア721では、設定1及び2の2パターンの設定が可能である。例えば、設定1のONボタン722を選択すると共に、時刻設定枠723内に時刻を設定すれば、その設定時刻になったとき、対象ブロックの照明機器等をオン状態に切り替えできる。
【0060】
一時切替設定エリア724も同様に2パターンの設定が可能である。例えば、設定1のOFFボタン725を選択すると共に、時刻設定枠726・復帰時間設定枠727に時刻・復帰時間を設定すれば、その設定時刻になったとき、その復帰時間が経過するまで一時的に対象ブロックの照明機器をオフ状態に切り替えできる。さらに、反復動作ボタン728を選択すると共に、その選択に応じて設定可能となるインターバル時間設定枠729にインターバル時間を設定すれば、その後、そのインターバル時間毎に上記のような一時的なオフ状態への切替を反復させることができる。
【0061】
図9の照明設定画面72に例示するようにEブロックの照明機器のオンオフをタイマ設定した場合であれば、15時以降、2時間おきに一時的(2秒間)に照明機器をオフ状態に切替でき、これを契機として機種Bのパチンコ遊技機1に一斉演出を実行させることができる。なお、Fブロックについても同様にタイマ設定しておけば、遊技場内の全ての機種Bのパチンコ遊技機1について、一斉演出を同時に実行させることができる。
【0062】
このように本例の遊技場用システム6は、遊技機管理装置61の制御
によりパチンコ遊技機1に一斉演出を実行させることができるシステムである。この一斉演出は、遊技場側の設定により任意のタイミングで実行させることができる。それ故、この遊技場用システム6を導入した遊技場では、一斉演出の実行タイミングを適宜、設定することで大当たりに対する遊技者の期待感を狙ったタイミングで高揚でき、これにより遊技場内の雰囲気をコントロールすることができる。さらに、本例の遊技場用システム6であれば、一斉演出を実行させるための制御用の配線を各遊技機に接続しておく必要がない。一斉演出のための電気的な配線を新たに設ける必要がなければ、そのような配線を引き回しするための手間やメンテナンスの手間が増えることもない
。
【0063】
(実施例
2)
本例は、実施例
1を基にして、一斉演出の契機となる照明の消灯パターンを変更すると共に、一斉演出対応機種を増やした例である。この内容について、
図7及び
図10を参照して説明する。
【0064】
本例では、機種Bのほかに、Gブロックに配置された機種C及びDが一斉演出対応機種となっている。機種C及び機種Dは、実施例
1の機種Bと同様、一時消灯を検知するための光センサを備えている。同じブロックに配置された機種C及び機種Dについては、
図10のごとく、一斉演出の契機となる一時消灯のパターンが実施例
1の機種Bとは異なっている。さらに、機種C及び機種Dについては、一斉演出を実行させるための共通の消灯パターンのほか、異なるパターンも設定されている。
【0065】
同図中の上段は、機種Cのみに一斉演出を実行させるための消灯パターンである。この消灯パターンは、約5秒間に渡るパターン発生期間内において、0.3秒間の瞬間的な消灯を所定のタイミングで6回繰り返すパターンである。また、中段は、機種Dのみに対応する対応する消灯パターンであり、下段は、機種C及び機種Dに対応し、これら2機種に一斉演出を実行させる消灯パターンである。
なお、その他の構成及び作用効果については実施例
1と同様である。
【0066】
以上、実施例1
及び2のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形あるいは変更した技術を包含している。