(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という)を、図面を参照しつつ説明する。本実施形態の概要は次の通りである。ウォーターサーバー及び水タンクの重量を荷重センサ(歪計)の電気信号に変換し、MPUで演算することで、水タンクの残量管理を行う。ウォーターサーバーの水タンクの残量を常時監視し、消費者宅にある水タンクの残量が既定値以下になった場合、NCU(Network Control Unit)との連動でコールセンターに水タンク残量が少なくなったことの情報が通報される。水タンクの残量が完全に無くなる前にコールセンターへ情報を通報することで、水タンクの配送計画を早い時点で立てることが可能となり、配送効率の向上を図ることができる。以下、具体的に説明する。
【0011】
図1は、本実施形態に係るウォーターサーバー水残量管理システム10の構成を示す。図示のように、ウォーターサーバー水残量管理システム10は、ウォーターサーバー14の使用状況を管理する水残量管理装置20と、交換用の水タンク12の配送管理を行うコールセンター80とを備え、それらは通信ネットワーク90により接続されている。水残量管理装置20の上には、ウォーターサーバー14が載置され、その重量が計測される。そして、水残量管理装置20は、ウォーターサーバー14に取り付けられる水タンク12の残量等の使用状況を重量に基づき把握し、新たな水タンク12の配送が必要となると、その旨を、通信ネットワーク90を通じてコールセンター80に通知する。コールセンター80は、通知があった消費者宅への配送を手配し、必要に応じて配送担当者の携帯電話95に対してその旨を電子メール等によって通知する。
【0012】
図2は、水残量管理装置20の構成を示す機能ブロック図である。水残量管理装置20は、制御部22と、電源部24と、NCU部26と、荷重センサ30と、フロントパネル部40と、リアパネル部60とを備える。
【0013】
制御部22は、MPU、ADCやDCC等の入出力手段、接続される構成要素の駆動ドライバ等を備えており、ウォーターサーバー水残量管理システム10の各構成要素を統括的に制御し、主に荷重センサ30の検知結果を基に水残量管理機能を実行する。ここで水残量管理機能とは、ウォーターサーバー14に取付られている水タンク12の水の残量管理とともに、未使用の水タンク12の数の管理の両方を含む管理をいう。そして、制御部22は、上記管理工程によって新たな水タンク12の配送が必要になったと判断すると、NCU部26を介して、コールセンター80に対し、配送要求の信号を送信する。判断の基準等については後述する。
【0014】
また、制御部22は、荷重センサ30の出力特性が経時変化によって変化してしまって初期の出力特性に対して所定以内の偏差(例えば、±20%以内)が生じたと判断した場合に、センサ補正モードとして出力値の補正を行うことができる。具体的な補正手順については後述する。また、センサ補正モードを実行するか否かは管理者等によって設定される。例えば、常時オンとしてもよいし、水タンク12の配送担当者が水タンク12の交換時にオン操作してもよい。配送担当者が、交換時の水残量やユーザからの報告をもとに、荷重センサ30の出力特性に変化が生じていると判断したときに、センサ補正モードをオンにする。センサ補正モードのオン操作は、例えば、専用のボタンが設けられてもよいし、他の機能のボタンへの特定操作及びコード入力等に関連づけられてもよい。なお、所定以上の偏差が生じている場合は、荷重センサ30の故障や、満量でない水タンク12への交換等であると想定されるので、配送担当者によって、修理の手配や、水量調整設定がなされる。水量調整設定の際は、配送担当者等が、後述の水タンク水量レベルゲージ43を確認しながら、リアパネル部60に設けられた所定の調整用ボタン(図示せず)を操作し、その時点での水タンク12の量を設定する。
【0015】
また、制御部22は、荷重センサ30の経時変化に伴う出力特性の変化(ドリフト)への対処として、後述する見守り機能における判断基準値の調整を行うことができる。詳細な処理については後述する。
【0016】
電源部24は、商用交流電源(例えばAC100V)に接続され、水残量管理装置20の各構成要素で使用可能な直流電力に変換し供給する。NCU部26は、電話回線である通信ネットワーク90を介してコールセンター80と通信するための装置であって、モデムやターミナルアダプタを備えて構成されている。
【0017】
荷重センサ30は、例えば、歪みゲージ式のセンサであって、水残量管理装置20の上に載せられるウォーターサーバー14の重量を検知する。ウォーターサーバー14の重量を検知することで、ウォーターサーバー14に取り付けられている水タンク12の残水量(使用状況)を検知することができる。
【0018】
フロントパネル部40は、水残量管理装置20の稼働状態や水タンク12の残量とを示す各種の表示灯が設けられている。具体的には、電源LED41、水交換通報LED42、水タンク水量レベルゲージ43、容器交換カウンター44、見守り警告LED45及び未使用日数カウンター46が設けられている。電源LED41は、水残量管理装置20が稼働状態のときに所定の色(例えば赤色)に点灯する。
【0019】
水交換通報LED42は、未使用の水タンク12を1本残し、かつ現在ウォーターサーバー14に取り付けられている水タンク12の水の残量が30%以下になると、例えば赤色で表示される。つまり、ユーザは、水交換通報LED42の点灯状態を確認することで、新たな水タンク12の配送手配の信号がコールセンター80へ送信された旨を把握することができる。なお、表示態様として、制御部22は、送信した状態であれば点滅表示させ、コールセンター80から確認の返答信号をNCU部26経由で取得した場合に、常時点灯で表示させるとしてもよい。
【0020】
水タンク水量レベルゲージ43は、10セグメントのLEDで水タンク12の水量(残量)を表示する。ここでは、満タンの状態のときに10個のLEDが点灯し、空になったときに全てのLEDが消灯する。
【0021】
容器交換カウンター44は、残りの水タンク12の数量、つまり未使用の水タンク12の数量をデジタル表示する。この数量の判断方法については後述する。
【0022】
見守り警告LED45は、一定期間、水タンク12の水の消費がされないときに点灯する。この点灯の際には、制御部22はコールセンター80にその旨を水未使用警告として通知する。その通知を受けたコールセンター80は、消費者宅の住人に何らかの不測の事態が発生した可能性があると判断し、消費者宅に電話連絡をしたり、配送担当者を訪問させる手配等を行う。つまり、水残量管理装置20をセキュリティのサービスに活用することができる。
【0023】
未使用日数カウンター46は、未使用日数を表示する。ここでの表示は、「0」から始まり、1日経過する毎に数字がインクリメントされ、最大で「9」まで表示される。
【0024】
つぎに、リアパネル部60について説明する。リアパネル部60は、水残量管理装置20の動作設定や初期化等の手段として、各種スイッチを備えている。具体的には、水タンク交換設定つまみ61と、水未使用日数設定つまみ62と、テストスイッチ63と、水無し時設定スイッチ64と、満水時設定スイッチ65と、リセットスイッチ66とが備わる。
【0025】
水タンク交換設定つまみ61は、水タンク12の交換数を設定する際に用いるコードスイッチである。ユーザは、水タンク交換設定つまみ61を調整することで、例えば、1〜10本の範囲に設定を行う。
【0026】
水未使用日数設定つまみ62は、水未使用警告の日数を設定する際に用いるコードスイッチである。ユーザは、水未使用日数設定つまみ62を調整することで、例えば、1〜5日の範囲に設定を行う。
【0027】
テストスイッチ63は、テストモードを起動させる際に用いるプッシュスイッチである。例えば、ユーザが、テストスイッチ63を押しながら電源を投入すると、テストモードが起動する。また、各種設定値の確認の為にも利用でき、テストスイッチ63が押下されている状態の時に、容器交換カウンター44及び未使用日数カウンター46の設定値が表示される。
【0028】
水無し時設定スイッチ64は、プッシュスイッチであって、初期設定として水タンク12が空な状態(重量)を記憶させる際に用いられる。また、満水時設定スイッチ65は、同じくプッシュスイッチであって、初期設定として、水タンク12が満タンの状態(重量)を記録する際に用いられる。
【0029】
センサ補正モードがオフの場合、水タンク12が空の状態で所定時間、例えば2秒以上押下されると、制御部22は、荷重センサ30の検知結果をもとに、空の状態の重量を記憶する。同様、水タンク12が満タン(未使用)の状態で所定時間、例えば2秒以上押下されると、制御部22は、荷重センサ30の検知結果をもとに、満タンの状態の重量を記憶する。つまり、水タンク12の空状態の重量や、満タン状態の重量として、初期に一度設定して記憶した値がそのまま継続して使用され、補正はなされない。
【0030】
センサ補正モードがオンの場合、制御部22は荷重センサ30の検出値の補正を行う。
具体的には、制御部22は、水タンク12が交換されたとき、荷重センサ30の出力値(荷重値)が「初期設定した満水値」の±20%以内であれば場合、「初期設定した満水値」との差分Δを記憶し、その後水タンク12が交換されるまでの判定の際に差分Δを反映させて荷重値を補正する。
【0031】
センサ補正モードがオンのときは、補正は水タンク12が交換される毎に行われる。水タンク12の空の位置は初期設定した(満水時重量−水無し時重量)の重量を引いた値が空となるように自動補正される。このように、センサ補正モードをオンにすると、荷重センサ30が経時変化により、その出力特性が変化してしまった場合であっても、水タンク水量レベルゲージ43の表示が実際の水残量値とズレて表示してしまうという状態を回避することができる。例えば、水タンク12を交換し満タン状態であって水タンク水量レベルゲージ43の全てが点灯すべき状態にもかかわらず、一部が非点灯となるといった不具合を回避できる。なお、補正がされた荷重値が使用されるのは、水タンク水量レベルゲージ43の表示数の計算時、NCU部26による通信出力時、及び水無し状態の判定時が想定されている。
【0032】
リセットスイッチ66は、プッシュスイッチであって、交換数や未使用日数の設定値を初期化する際に用いられるプッシュスイッチである。所定時間以上押下されると、交換数や未使用日数の設定値が初期化される。
【0033】
以上の構成の水残量管理装置20の動作について説明する。まず、
図3のフローチャートを参照して、水残量管理装置20の動作概要を説明する。
【0034】
水残量管理装置20の電源がオンされると、ハード初期化がなされる(S1)。つづいて、フラッシュメモリからの設定と管理データの復帰の各処理がなされる(S2)。初期起動時には初期データを利用し、2回目以降フラッシュメモリに保存されている設定データと管理データを読み込むことで、設定処理がなされる。ステップS2の設定処理が終了すると、実質的な動作が開始される(S3)。
【0035】
動作が開始すると、ユーザ操作による設定変更が可能となる(S4)。ここでは、設定可能な内容は、(1)水タンク12の容量の設定、(2)タンク交換数と水未使用警告日数の設定、(3)調整用の満水状態と水無し状態の基本値の設定であり、具体的な内容は次の通りである。
【0036】
(1)水タンク12の容量の設定:
水タンク12の容量の設定は、例えば図示しない所定のディップスイッチを切り換えることでなされる。
(2)タンク交換数と水未使用警告日数の設定:
タンク交換数と水未使用警告日数の設定は、上述の通り、水タンク交換設定つまみ61及び水未使用日数設定つまみ62を調整し、その後、リセットスイッチ66を所定時間押下することで、設定内容が登録され、同時に水残量通報機能と見守り機能の動作が再スタートされる。
(3)調整用の満水状態と水無し状態の基本値の設定:
満水状態の基準の設定は、上述の通り、満水状態で満水時設定スイッチ65が所定時間押下されることで、設定内容(重量)が登録される。同様に、水無し状態の基準値の設定は、水無し状態で水無し時設定スイッチ64が所定時間押下されることで、設定内容(重量)が登録される。登録処理が完了した際には、例えば、電源LED41が一定時間だけ緑色で点滅する。
【0037】
つづいて、現在の重量測定がなされる(S5)。ここでは、制御部22が、0.01秒ごとに荷重センサ30の検知結果を、10ビットA/D変換して100サンプリング取り込み、上下各10サンプリングを除いた80サンプリングした値を入力値(A/D値)として所定の記録領域に記録する。そして、制御部22は、過去10回分の入力値(A/D値)から移動平均を算出し、その値を重量値とする。
【0038】
つぎに、水残量通報機能が実行される(S6)。ここでは、制御部22が荷重センサ30の検知結果から算定した重量値を監視し、その状態にあったレベルゲージ表示、カウント表示及びランプ表示を行う。詳細な処理については、
図4のフローチャートの説明で後述するが、概要は次の通りである。
【0039】
制御部22は、重量値を逐次取り込み、一定時間(例えば、3秒間)大きな変動がない重量値を安定重量値とする。大きな変動とは、重量の変動が例えば3%以上発生した状態をいう。そして、制御部22は、その安定重量値と前回の安定重量値を比較して大きな変動があった場合には、状態判定処理を行う。重量値が変動している場合には、制御部22は、容器交換カウンター44の右下のドットを点灯表示させ、安定している場合には、そのドットを消灯状態に制御する。
【0040】
水が無くなったと判断する基準は、水タンク12の重量が、満水時の重量の11分の2以下となった状態とする。このとき、水タンク水量レベルゲージ43は、全てが消灯しているか、1つのゲージが点灯している状態である。なお、センサ補正モードがオンの場合は、水タンク12の重量は、荷重センサ30の出力値に対して上述の補正がなされたものとなる。
【0041】
制御部22が荷重センサ30の検知結果から、水が無い状態から満水時の50%以上の状態に重量変化が発生したと判断すると、水タンク12が交換されたと認識し、容器交換カウンター44を一つ減算して表示させる。
【0042】
残りタンク交換数を示す容器交換カウンター44の表示が「1」のときに、水タンク12の重量が満水時の30%以下になったときには、制御部22は、水交換警告として水交換通報LED42を点灯させ、NCU部26に対して1度だけ3秒間、水交換警告の指令を出力する。NCU部26は、制御部22からの指令を受けるとコールセンター80に対して、配送が必要となった旨を示す信号を出力する。
【0043】
容器交換カウンター44の表示が「0」のときに、水タンク12の交換がなされると、制御部22は、水交換警告を解除し、水交換通報LED42を消灯させ、容器交換カウンター44を設定している数から1を減算した値にリセットする。つまり、新たに配送される水タンク12の数が「3」であれば、容器交換カウンター44には「2」が表示される。そして、水タンク水量レベルゲージ43には、現在の重量がリアルタイムで表示される。具体的には、「満水状態の基準値−水がない状態の基準値」の1/11の値を一目盛りの値として、現在の安定重量に基づいたレベルで表示がなされる。
【0044】
つぎに、見守り機能(S7)について説明する。この機能は、上述の見守り警告LED45の説明に記載の処理を行うものである。フローチャート上では、上述の水残量通報機能の処理後に記載しているが、水残量通報機能の処理と並行して実行される。制御部22は、図示しない日時タイマを参照して、日時を計測する。そして、制御部22は、水残量通報機能の処理において、重量に変化が合った場合には、日時タイマをクリアし、変化がなければタイマのカウントを継続する。ここでは、制御部22は、1秒ごとに前回の荷重値と現在の荷重値を比較して、所定以上の変動が起こったときに、水が使用されたとことに伴う重量変化が生じたと判断する。設定された水未使用警告日数とタイマのカウントが同じになると、制御部22は、未使用警告として見守り警告LED45を点灯させるとともに、NCU部26に対して1度だけ3秒間、未使用警告の指令を出力する。NCU部26は、制御部22からの指令を受けるとコールセンター80に対して、未使用警告なされた旨を示す信号を出力する。制御部22は、水タンク12の重量の変動を検知すると、未使用警告を解除し、見守り警告LED45を消灯させ、タイマのカウントをリセットする。未使用警告が解除された旨がコールセンター80に通知されてもよい。なお、設定された水使用警告日数が「0」の場合には、当該機能を利用しないものとして、動作はなされない。
【0045】
ここで、荷重センサ30の出力特性が、経時変化等によって変化してしまう場合の対処手法について説明する。例えば、荷重センサ30の経時変化によって、出力値がドリフトし易くなることも想定される。このドリフトが長時間をかけて変化し、かつ、水を使用した場合の変化以上にドリフトしたり、ドリフトの特性が一定せず上下したりする場合もある。その場合、本来は水が未使用であって見守り機能で警告が発せられるべき状態にもかかわらず、水を使用したと判断されてしまう可能性がある。
【0046】
そこで、制御部22は、上述の1秒毎の比較・判断ではなく、1分毎に安定時の荷重値と現在の荷重値とを比較し、その差が所定以下の小さな変化の場合には、現在の荷重値を安定時の荷重として更新する。ここで所定値以下の小さな変化とは、ウォータサーバー14において1回に使用される最小量で、例えば、20ml程度に対応する荷重値の変化である。この値は変更可能であってもよい。そして、この処理は繰り返し実行され、制御部22は、この安定時の荷重を基準として水使用に伴う荷重変動が発生したか否かを判断する。なお、この様な安定荷重値の更新処理時には、タイマのカウントはクリアされることなく継続する。このように、短い間隔内で荷重値の変動を監視することで、ドリフトにおける誤動作を回避することができる。ここで、短い間隔とは、数十秒から数分程度といった短期間を想定し、どの程度の期間(例えば、上述の1分間)にするかは管理者によって設定可能である。
【0047】
フラッシュメモリへのデータ書き込み保存の処理(S8)は、水残量通報機能(S6)や見守り機能(S7)と並行してなされる処理である。具体的には、制御部22は、図示しない所定の記憶領域(フラッシュメモリ)に、各種のデータを所定時間毎(例えば30分ごと)に書き込みを行う。ただし、以下の条件(1)〜(6)の場合には、制御部22は即時データを記録する。
(1)リセットスイッチ66が押下され登録処理がなされた場合。
(2)満水時設定スイッチ65が押下され満水の基準値設定の登録処理がなされた場合。
(3)水無し時設定スイッチ64が押下され水無しの基準値設定の登録処理なされた場合。
(4)水交換警告の発生時及び解除時。
(5)未使用警告の発生時及び解除時。
(6)水タンク12の交換で容器交換カウンター44の表示に変化があったとき。
なお、フラッシュメモリに記憶容量が無くなった場合には、例えば、制御部22は全消去処理を行い、データ書き込み処理を再度開始する。
【0048】
出力関係処理(S9)では、電源LED41が通常の稼働状態で赤点灯し、各種登録処理が行われたときには、所定時間だけ緑点滅で点灯する。また、制御部22は、現在の重量値を図示しないD/A出力ポートから、例えば8ビットで出力する。D/A出力ポートに所定の装置を接続することで、水残量管理装置20をモニタリングすることができる。
【0049】
つづいて、
図4のフローチャート、
図5のフロントパネル部40の表示例及び
図6のテーブル(経緯図)を参照して、水残量通報機能の具体的な動作について説明する。ここでは、配送される水タンク12は3本として説明する。
【0050】
まず、ウォーターサーバー14から水タンク12が取り付けられていない状態では、
図6の(1)に示すように、水交換通報LED42は消灯、容器交換カウンター44は「2」、水タンク水量レベルゲージ43は消灯となっている。そして、新たに配送された3本の水タンク12の1本をセットすると(S10)、制御部22は水タンク数量を配達数量に設定する(S12)。設定されると、
図5(a)及び
図6の(2)に示すように、水タンク水量レベルゲージ43が全て点灯し、容器交換カウンター44は「2」と表示される。
【0051】
そして、制御部22は、荷重センサ30を逐次モニタリングすることで水タンク12の残容量を把握し、水タンク12が交換されるまで(S16のN)、水タンク水量レベルゲージ43の表示を更新する(S14)。
【0052】
水タンク12の使い切ると、
図6の(3)に示すように、水タンク水量レベルゲージ43の表示は、全部消灯又は1つ点灯の状態となる。
【0053】
水タンク12が交換の為に取り外されると(S16のY)、
図5(b)及び
図6の(4)に示すように、水タンク水量レベルゲージ43が消灯状態となる。つづいて、水タンク12がセットされると、制御部22は、水タンク12の残数量を更新し、容器交換カウンター44に表示する(S18)。本条件では、
図5(c)及び
図6の(5)に示すように、容器交換カウンター44が「1」と表示され、水タンク水量レベルゲージ43が全部点灯する。
【0054】
つづいて、制御部22は、水タンク12の残容量が「1」でない場合には(S20のN)、処理をステップS14に戻す。本条件では水タンク12の残容量が「1」となるので(S20のY)、ステップS22の処理に移行し、荷重センサ30をモニタリングし、水タンク水量レベルゲージ43の表示を更新する(S22)。この処理は、水タンク12の残容量が30%未満になるまで継続される(S24のN)。
【0055】
水タンク12の残容量が30%未満になると(S24のY)、制御部22は、
図5(d)及び
図6の(6)に示すように、水交換通報LED42を赤点灯させる(S26)。水タンク水量レベルゲージ43は、3つ点灯する。同時に、制御部22は、新たな配送が必要となった旨をNCU部26を制御しコールセンター80に通知する(S28)。
【0056】
その後、制御部22は、荷重センサ30のモニタリングを継続し、水タンク水量レベルゲージ43の表示を更新し(S30)、水タンク12が交換されるまで継続する(S32のN)。2本目の水タンク12が使い切られると
図6の(7)に示すように、水タンク水量レベルゲージ43は、消灯または1つ点灯の状態となる。
【0057】
そして、水タンク12の交換の為に水タンク12がウォーターサーバー14から取り外されると(S32のN)、
図6の(8)に示すように、水タンク水量レベルゲージ43は消灯状態となる。最後の水タンク12がウォーターサーバー14にセットされると、制御部22は、水タンク12の残数量を「0」に更新する(S34)。そして、このとき、
図6の(9)に示すように、水交換通報LED42は赤点灯、容器交換カウンター44は「0」、水タンク水量レベルゲージ43は全部点灯の状態となる。さらに、制御部22は、荷重センサ30のモニタリングを継続し、水タンク水量レベルゲージ43の表示を更新する(S36)。これは水タンク12が取り外されるまで継続される(S38のN)。水タンク12が使い切られると、
図6の(10)に示すように、水タンク水量レベルゲージ43の表示が消灯状態又は1つ点灯の状態となる。
【0058】
最後の水タンク12が取り外されると(S38のY)、
図6の(11)に示すように、フロントパネル部40の表示が更新され、水交換通報LED42が赤点灯、容器交換カウンター44が「0」、水タンク水量レベルゲージ43が全部消灯の状態となる(S40)。
【0059】
そして、新たに配送された水タンク12の1本目の水タンク12がウォーターサーバー14にセットされると、
図6の(12)に示すように、水交換通報LED42が消灯状態、容器交換カウンター44が「44」、水タンク水量レベルゲージ43が全部点灯の状態となり、つまり、
図6の(2)の表示状態となる。以降、制御部22は、上述のS10以降の処理を継続することになる。
【0060】
以上、本実施形態が実現する水残量通報機能によると、ウォーターサーバー14の水タンク12の残量が常時監視される。そして、消費者宅にある水タンク12の残量が既定値以下になった場合、NCU部26との連動でコールセンター80に水タンク残量が少なくなったことの情報が通報される。その結果、水タンク12の残量が残り少なくなったことを事前にコールセンター80へ情報を通報することで、水タンク12の配送計画を早い時点で立てることが可能となり、配送効率の向上を図ることができる。また、見守り機能(水未使用警告機能)では、一定の期間、水の消費がない場合、コールセンター80に水未使用警告を通報する。その結果、消費者宅の住人が何らかの不具合をおこした場合、消費者宅に電話連絡、訪問等を行い不測の事態を未然に防止することが可能となる。
【0061】
以上、本発明を実施形態を基に説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素及びその組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。例えば、ウォーターサーバー14にセット可能な水タンク12の大きさが複数種類ある場合、満水時設定スイッチ65を用いた設定の際に、それら種類が判別されてもよいし、また、専用のスイッチが設けられてもよい。さらに、その場合、水タンク12の容量に応じて、配送を手配する際に基準が変更されてもよい。例えば、容量が小さい水タンク12がセットされる場合には、空になるまでの時間が短い可能性が高いので、水タンク12の残本数のみをモニタリングして、セットされている水タンク12の残容量に関しては判断しないとしてもよい。