(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
第1の実施の形態.
図1は、本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の基本構成を示す断面図である。画像形成装置100は、例えば、LED(発光ダイオード)を用いた電子写真プリンタとして構成されている。なお、ここでは、単色(モノクロ)の電子写真プリンタについて説明するが、カラー電子写真プリンタであってもよいことは言うまでもない。
【0010】
画像形成装置100は、媒体(例えば印刷用紙)を収容する媒体供給ユニットとしての給紙カセット101を有している。給紙カセット101には、媒体を載置する媒体載置板(シートレシーブとも称する)101aが揺動可能に設けられており、図示しないバネによって上方に付勢されている。
【0011】
給紙カセット101の上側には、給紙カセット101に積載された媒体を繰り出すためのピックアップローラ202が配置されている。また、ピックアップローラ202に隣接して、媒体を一枚ずつ分離して搬送路110に送り出すための給紙ローラ201および分離ローラ203が配置されている。媒体載置板101aに載置された媒体は、上記のバネにより、ピックアップローラ202に押し当てられている。ピックアップローラ202および給紙ローラ201は、後述するメインモータ881(
図4)によって回転駆動される。
【0012】
搬送路110には、媒体をIDユニット104(イメージドラムユニット:画像形成部)に向けて搬送する搬送ローラ204aとピンチローラ204bとが配置されている。搬送ローラ204aは、メインモータ881(
図4)によって回転駆動される。ピンチローラ204bは搬送ローラ204aに対して付勢されており、搬送ローラ204aに追従して回転する。
【0013】
搬送路110に沿ってIDユニット104の上流側(手前)には、媒体のスキューを矯正して画像形成装置に供給するレジストローラ205aとプレッシャローラ205bとが配置されている。レジストローラ205aは、メインモータ881(
図4)によって回転駆動される。プレッシャローラ205bは、レジストローラ205aに対して付勢されており、レジストローラ205aに追従して回転する。
【0014】
これら搬送ローラ204a、ピンチローラ204b、レジストローラ205aおよびプレッシャローラ205bは、搬送ユニット102を構成している。
【0015】
IDユニット104は、像担持体としての感光体ドラム301を備えている。また、IDユニット104の上側には、感光体ドラム301の表面を露光して静電潜像を形成する露光装置としてのLEDヘッド105が配置されている。LEDヘッド105は、ヘッド制御部850(
図4)の制御により、感光体ドラム301の表面に光を照射して、イメージデータに応じた静電潜像を形成する。
【0016】
感光体ドラム301は、図中反時計回りに回転する。感光体ドラム301の周囲には、感光体ドラム301の表面を一様に帯電する帯電装置としての帯電ローラ302と、感光体ドラム301の表面に形成された静電潜像を現像する現像器303と、後述するトナー像の転写後に感光体ドラム301の表面に残存するトナーを除去するクリーニングローラ306とが配置されている。
【0017】
帯電ローラ302には、感光体ドラム301の表面を一様に帯電するため、帯電電圧制御部840(
図4)により帯電電圧が付与されている。現像器303は、感光体ドラム301の表面にトナー(現像剤)を供給する現像ローラ304と、この現像ローラ304に対して現像剤を供給する供給ローラ305とを有している。現像ローラ304には、感光体ドラム301の表面の静電潜像にトナーを付着させるため、現像電圧制御部860(
図4)により現像電圧が付与されている。
【0018】
感光体ドラム301は、メインモータ881によって回転駆動され、現像ローラ304、供給ローラ305およびクリーニングローラ306は、感光体ドラム301からの回転伝達によって回転する。帯電ローラ302は、感光体ドラム301の表面に接しているため、感光体ドラム301に追従して回転する。
【0019】
IDユニット104の下側には、感光体ドラム301に対向するように、転写部としての転写ローラ207が配置されている。転写ローラ207は、感光体ドラム301の表面に形成されたトナー像を媒体に転写するため、転写電圧制御部870(
図4)により転写電圧が付与されている。転写ローラ207は、感光体ドラム301からの回転伝達によって回転する。
【0020】
搬送路110に沿ってIDユニット104の下流側には、定着ユニット106が配置されている。定着ユニット106は、ヒータを内蔵した定着ローラ209と、この定着ローラ209との間で媒体を加圧する加圧ローラ210とを備えている。定着ローラ209は、メインモータ881により回転駆動される。加圧ローラ210は、定着ローラ209に対して付勢され、定着ローラ209に追従して回転する。定着ローラ209と加圧ローラ210は、媒体上のトナー像に熱および圧力を加えることで、トナーを溶融させて媒体に定着させる。
【0021】
搬送路110に沿って定着ユニット106の下流側には、トナー像が定着された媒体を搬送し、排出する排出ユニット107(搬送手段)が配置されている。排出ユニット107は、定着ユニット106を通過した媒体を排出口109に向けて搬送する搬送ローラ211aおよび搬送コロ211bと、排出口109の近傍に配置された排出ローラ212aおよび排出コロ212bとを有している。
【0022】
搬送ローラ211aは、定着ユニット106を通過した媒体を排出口109に向けて搬送する方向にのみ回転する。一方、排出ローラ212aは、搬送ローラ211aから搬送されてきた媒体を排出口109から排出する方向(順方向)と、排出口109から途中まで排出した媒体を引き戻す方向(反転搬送方向)の両方向に回転する。画像形成装置100の上部には、排出口109から排出された媒体を積載する媒体積載部220が設けられている。
【0023】
次に、両面印刷のための構成について説明する。
媒体の搬送方向において定着ローラ209および加圧ローラ210の下流側には、媒体の通過を検知するための排出センサレバー231と排出センサ232(検知手段)とが配置されている。排出センサレバー231は、定着ローラ209および加圧ローラ210を通過した媒体に当接して倒伏する揺動レバーである。排出センサ232は、例えばフォトカプラであり、排出センサレバー231が倒伏位置にあるか起立位置にあるかを光学的に検知する。排出センサ232は、排出センサレバー231が媒体に当接して倒伏位置にあるときにON信号を出力し、排出センサレバー231が媒体に当接しておらず起立位置にあるときには、OFF信号を出力する。
【0024】
画像形成装置100の印刷制御部800(
図4)は、後述するように、排出センサレバー231と排出センサ232に基づき、媒体の後端が搬送ローラ211aおよび搬送コロ211bを通過したタイミングで排出ローラ212aを反転させることにより、戻り搬送ユニット108(後述)に向けて媒体を搬送する。そのため、排出ユニット107には、排出ローラ212aの反転により
両面搬送ユニット108に向けて搬送される媒体を案内する反転搬送路112が設けられている。
【0025】
両面搬送ユニット108は、IDユニット104および定着ユニット106の下側で、且つ、給紙カセット101の上側に配置されている。
両面搬送ユニット108は、反転搬送路112を経て搬送されてきた媒体を、定着ユニット106の下側およびIDユニット104の下側を経て、搬送ユニット102に搬送する戻り搬送路(リターンパス)111を有している。戻り搬送路111は、搬送ユニット102のレジストローラ205aおよびプレッシャローラ205bの近傍まで延び、上述した搬送路110と合流する。
【0026】
戻り搬送路111に沿って、第1の反転搬送ローラ213aおよび第2の反転搬送ローラ214aが配置されている。これら反転搬送ローラ213a,214aは、メインモータ881(
図4)により回転駆動される。また、反転搬送ローラ213a,214aとの間で媒体をそれぞれ挟み込むように、第1の反転搬送コロ213bおよび第2の反転搬送コロ214bが配置されている。
【0027】
図2は、本実施の形態におけるガイド部材501L,501Rを含む画像形成装置100の一部を切り欠いて示す斜視図である。媒体押さえ部材としてのガイド部材501L,501Rは、排出口109の近傍において、媒体搬送路の幅方向の中央に対して対称な2箇所に配置されている。なお、媒体としては、定型サイズとして使用頻度の高い、A4サイズ(幅210mm)とレターサイズ(幅216mm)の媒体を想定しているが、これらに限定されるものではない。
【0028】
ガイド部材501L,501Rは、排出ユニット107のフレーム107aに取り付けられた揺動軸501aにより揺動可能に支持されている。揺動軸501aの軸方向は、媒体搬送路の幅方向、すなわち媒体の幅方向(符号Wで示す)と平行である。また、ガイド部材501L,501Rは、揺動軸501aから媒体積載部220に向かって延在し、その先端部分が屈曲された形状を有している。
【0029】
ガイド部材501L,501Rは、例えばPOM(ポリアセタール)などの硬質プラスチックで形成されている。ガイド部材501L,501Rには、その揺動軸501aに対して先端側(媒体積載部220側)とは反対の側に、揺動軸501aと平行な一本の金属製のシャフト502が取り付けられている。シャフト502の一端は、ガイド部材501L,501Rの揺動角度を切り替えるためのリンク部材503(連結部材)に取り付けられている。なお、ガイド部材501L,501Rは同一の構成を有しているため、以下では、特に区別する必要がある場合を除き、「ガイド部材501」として説明する。
【0030】
図3は、排出ユニット107の駆動系を示す図である。排出ユニット107は、メインモータ881の駆動力を伝達するギア列(動力伝達機構)を構成するギア251,252,253,254,255,256,257,258を有している。各ギア251〜258は、排出ユニット107のフレーム107aにそれぞれ回転可能に支持されている。第1ギア251は、メインモータ881からの駆動力の伝達を受けるギアである。第1ギア251は、それよりも下側に配置された第2ギア252と、上側に配置された第3ギア253に係合している。第2ギア252は、搬送ローラ211aに連結されている。また、第3ギア253は、遊星ギア(第4ギア)254に係合している。
【0031】
遊星ギア(第4ギア)254は、第3ギア253の回転軸と同軸の揺動軸を中心として揺動するリンクアーム504(切り替え部材)の一端に取り付けられている。リンクアーム504の他端は、アクチュエータとしてのソレノイド505のプランジャ505aに取り付けられている。ソレノイド505のプランジャ505aの突出/退避によってリンクアーム504が揺動し、遊星ギア254は、排出ローラ212aに連結された第5ギア255に係合する位置と、第6ギア256に係合する位置との間で揺動する。また、リンクアーム504は、上記一端において、リンク部材503に連結されている。
【0032】
第5ギア255は第8ギア258に係合し、この第8ギア258は第7ギア257に係合している。また、第7ギア257は、上記の第6ギア256に係合している。すなわち、
図3に示すように遊星ギア254が第5ギア255に係合している状態では、遊星ギア254の回転は、第5ギア255、第8ギア258、第7ギア257、第6ギア256の順に伝達される。一方、遊星ギア254が第6ギア256に係合している状態では、遊星ギア254の回転は、第6ギア256、第7ギア257、第8ギア258、第5ギア255の順に伝達される。
【0033】
上述したように、第2ギア252は搬送ローラ211aに連結されており、第5ギア255は排出ローラ212aと連結されている。搬送ローラ211aは、メインモータ881から第2ギア252を介して回転が伝達され、一定の方向に回転する。一方、排出ローラ212aは、遊星ギア254が第5ギア255に係合するか、第6ギア256に係合するかによって、回転方向が切り替えられる。
【0034】
リンクアーム504は、スプリング506により、矢印Bで示すように遊星ギア254を第5ギア255に係合させる方向に付勢されている。リンクアーム504に取り付けられたソレノイド505の非通電時(OFF状態)には、プランジャ505aは矢印Aで示すように突出位置にあり、スプリング506の付勢力により、遊星ギア254は第5ギア255に係合している。
【0035】
一方、ソレノイド505の通電時には(ON状態)、プランジャ505aが突出位置から退避位置に移動し、スプリング506の付勢力に抗してリンクアーム504およびリンク部材503が揺動し、遊星ギア254は第5ギア255から離れて、第6ギア256と係合する。このように、排出ローラ212aの回転方向は、ソレノイド505のON/OFFによって切り替えられる。
【0036】
また、リンクアーム504に連結されたリンク部材503は、その他端(リンクアーム504側とは反対側)において、ガイド部材501に取り付けられたシャフト502に連結されている。ソレノイド505の非通電時(OFF状態)には、
図3に示すように、リンク部材503がシャフト502を押し上げ、これにより、揺動軸501aを中心として、ガイド部材501が下方(媒体積載部220側)に揺動する。一方、ソレノイド505の通電時(ON状態)には、リンク部材503がシャフト502を押し下げ、これにより、揺動軸501aを中心として、ガイド部材501が上方(媒体積載部220から離れる方向)に揺動する。このように、ガイド部材501の位置は、ソレノイド505のON/OFFによって切り替えられる。
【0037】
図4は、本実施の形態における画像形成装置100の制御系を示すブロック図である。
図4において、画像形成装置100は、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、入出力ポート、タイマ等によって構成される制御手段としての印刷制御部800を有している。印刷制御部800は、上位装置から印刷データおよび制御コマンドを受信し、画像形成装置100の全体をシーケンス制御し、印刷動作を行なう。
【0038】
画像形成装置100は、さらに、I/F制御部810、受信メモリ820、画データ編集メモリ830、表示部801および各種センサ802を有している。
【0039】
I/F制御部810は、上位装置(例えばパーソナルコンピュータ)にプリンタ情報を送信すると共に、上位装置から入力したコマンドを解析し、上位装置から受信したデータを処理する。受信メモリ820は、上位装置から受信したデータをI/F制御部810の指示に基づいて色毎に格納する。画データ編集メモリ830は、I/F制御部810を介して上位装置から入力され、受信メモリ820に一時的に格納された印刷データを受け取り、その印刷データをイメージデータとして編集し、格納する。表示部801は、例えばLCD(液晶表示部)を有し、画像形成装置100の状態を詳細に表示する。各種センサ802は、媒体の搬送位置を検出するための複数のセンサ(上述した排出センサ232を含む)、画像形成装置100内の温度および湿度を検出するためのセンサ等であり、各センサの出力は印刷制御部800に送られると同時に、表示部801に出力される。
【0040】
画像形成装置100は、さらに、帯電電圧制御部840、ヘッド駆動制御部850、現像電圧制御部860および転写電圧制御部870を有している。帯電電圧制御部840は、印刷制御部800の指示により帯電ローラ302に帯電電圧を付与して、感光ドラム208の表面を帯電させる制御を行う。ヘッド駆動制御部850は、画データ編集メモリ830に格納されたイメージデータに基づき、所定のタイミングでLEDヘッド105を駆動し、感光ドラム301の表面に光を照射して露光させる制御を行う。現像電圧制御部860は、感光ドラム301の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させるため、印刷制御部800の指示により、現像ローラ304に現像電圧を付与する制御を行う。転写電圧制御部870は、感光ドラム301の表面に形成されたトナー像を媒体に転写するため、印刷制御部800の指示により、転写ローラ207に転写電圧を印加する制御を行う。
【0041】
画像形成装置100は、さらに、メインモータ制御部880および定着制御部910を有している。メインモータ制御部880は、メインモータ881の駆動制御を行う。メインモータ881は、上述したように、感光ドラム301(および、これに連動する現像ローラ30
4、供給ローラ30
5、転写ローラ207)、ピックアップローラ202、給紙ローラ201、搬送ローラ204a、レジストローラ205a、定着ローラ209、搬送ローラ211a、排出ローラ212a、反転搬送ローラ213a,214aを回転駆動する。すなわち、メインモータ881は、IDユニット104の各ローラのほか、給紙ユニット101、搬送ユニット102、定着ユニット106、排出ユニット107および両面搬送ユニット108において媒体を搬送する各ローラを回転駆動する駆動源である。
【0042】
定着制御部910は、媒体に転写されたトナー像を定着するため、印刷制御部800の指示により、定着ユニット106の温度を測定するサーミスタ912からの検出温度に基づいて、定着ローラ209に内蔵されたヒータ911への電圧印加を制御(オンオフ制御)する。
【0043】
印刷制御部800は、片面印刷時には、ソレノイド505への通電を行わず、両面印刷時には、排出センサ232からの情報に基づき、搬送される媒体の位置に応じてソレノイド505への通電を行う。
【0044】
本実施の形態における印刷動作について説明する。
図5(A)は、第1の実施の形態における片面印刷動作を示すタイムチャートであり、
図5(B)は、第1の実施の形態における両面印刷動作を示すタイムチャートである。
図6(A)は、媒体排出時の排出ユニット107を示す図であり、
図6(B)は、両面印刷のための反転搬送時の排出ユニット107を示す図である。
図7(A)は、媒体排出時のガイド部材501を示す図であり、
図7(B)は、両面印刷のための反転搬送時のガイド部材501を示す図である。
【0045】
印刷制御部800は、I/F制御部810を介して上位装置から送信された制御コマンドおよび印刷データを受信する。印刷制御部800は、上位装置から印刷指示を受けると、受信した印刷情報に基づき、片面印刷である場合は、
図5(A)に示すように、排出センサ232の検知信号(ON/OFF)に関わらず、ソレノイド505に通電しない状態(0FF状態)を維持する。
【0046】
ソレノイド505が非通電状態であるため、リンクアーム504はスプリング506の付勢力により、遊星ギア254を第5ギア255に係合させる位置にある。そのため、
図6(A)に示すように、第1ギア251の回転は、第2ギア252、第3ギア253、遊星ギア254、第5ギア255、第8ギア258、第7ギア257、第6ギア256の順に伝達され、それぞれ矢印で示す方向に回転する。第5ギア255に連結された
排出ローラ212aは、媒体を排出口109から排出する順方向(第1の方向)に回転する。
【0047】
また、リンク部材503は、シャフト502を押し上げているため、揺動軸501aを中心として、ガイド部材501は下方に揺動している。このとき、
図7(A)に示すように、ガイド部材501は、排出口109から排出された媒体を、媒体積載部200に向けて案内する位置(第1の位置)にある。ガイド部材501の媒体に当接する側の案内面Gは、
排出ローラ212aと排出コロ212bとのニップ部における接線T(すなわち媒体がニップ部を通過する際の搬送方向)に対して、角度θ1をなしている。角度θ1は、ガイド部材501の案内面Gに案内された媒体が媒体積載部220に良好に積載される角度に設定される。ここでは、角度θ1は、例えば48度とする。
【0048】
この状態で、印刷制御部800は、ピックアップローラ202および給紙ローラ201を回転させて、給紙カセット101内の媒体を一枚ずつ分離して搬送路110に給紙する。さらに、搬送ローラ204およびレジストローラ205aを回転させて、媒体を搬送路110に沿ってIDユニット104に搬送する。IDユニット104では、帯電ローラ302が感光体ドラム301の表面を一様に帯電させたのち、LEDヘッド105が感光体ドラム301の表面に静電潜像を形成し、現像ローラ304が静電潜像をトナーにより現像する。感光体ドラム301の表面のトナー像は、転写ローラ207により、搬送されてきた媒体に転写される。
【0049】
IDユニット104でトナー像が転写された媒体は、転写ローラ207の回転より定着ユニット106に搬送される。定着ユニット106では、定着ローラ209および加圧ローラ210が、熱および圧力によりトナー像を媒体に定着する。トナー像が定着された媒体は、定着ローラ209の回転により、搬送ローラ211aおよび搬送コロ211bに搬送される。搬送ローラ211aは、媒体を排出ローラ212aおよび排出コロ212bに搬送する。排出ローラ212aは、(上記のソレノイド505が非通電状態にあるため)順方向に回転しており、媒体を排出口109から排出する。排出口109から排出された媒体は、ガイド部材501に案内されて、媒体積載部220に積載される。これにより、片面印刷が完了する。
【0050】
一方、両面印刷の場合には、片面印刷と同様に、給紙カセット101から1枚目の媒体を送り出してIDユニット104に搬送し、IDユニット104により1枚目の媒体の表面(1ページ目)にトナー像を形成し、定着ユニット106によりトナー像を定着する。トナー像が定着された媒体は、搬送ローラ211aにより搬送され、さらに排出ローラ212aにより順方向に搬送され、
図7(A)に示すように媒体が排出口109から排出され始める。
【0051】
ここで、排出センサ232が媒体の後端の通過を検知すると、印刷制御部800は、媒体の後端が搬送ローラ211aを通過するタイミング(t1)で、ソレノイド505に通電を開始する。
図6(B)に示すように、ソレノイド505の通電により、プランジャ505aはスプリング506の付勢力に抗して矢印Cで示すように退避位置に移動する。プランジャ505aの退避により、リンクアーム504が矢印Dで示す方向に揺動し、遊星ギア254を第5ギア255から離間させて、第6ギア256に係合させる。
【0052】
遊星ギア254が第6ギア256に係合することで、メインモータ881の回転は、第1ギア251、第2ギア251、第3ギア253、遊星ギア254から第6ギア256を経て、第7ギア257、第8ギア258および第5ギア255に順に伝達される。そのため、第5ギア255、第6ギア256、第7ギア257および第8ギア258のそれぞれの回転方向は、
図6(A)に示した回転方向とは逆になる。その結果、第5ギア255に連結された
排出ローラ212aは、回転方向が反転し、媒体を両面搬送ユニット108に向けて搬送する方向(第2の方向)に回転する。すなわち、排出口109から途中まで排出された媒体は、再び画像形成装置100内に引き戻されて、両面搬送ユニット108に向けて搬送される。
【0053】
また、リンクアーム504の矢印D方向の回転により、リンク部材503がシャフト502を押し下げるため、揺動軸501aを中心として、ガイド部材501が矢印Eで示す方向に押し上げられる。その結果、
図7(B)に示すように、ガイド部材501は、
排出ローラ212aと排出コロ212bとのニップ部を通過した媒体の移動範囲との干渉量が小さくなる位置、すなわち、ガイド部材501が媒体を押圧する押圧力が小さくなる位置(第2の位置)に退避する。その結果、反転搬送される媒体に対するガイド部材501の押圧力が小さくなる。
【0054】
このとき、ガイド部材501の案内面Gは、排出ローラ212aと排出コロ212bのニップ部を通る接線Tに対して、角度θ2(<θ1)をなしている。角度θ2は、例えば30度である。
【0055】
排出ローラ212aの反転により、媒体は、反転搬送路112(
図1)を経て両面搬送ユニット108に搬送される。印刷制御部800は、排出ユニット107から媒体が無くなる所定のタイミング(t2)で、ソレノイド505への通電を停止する。ソレノイド505への通電停止により、
図6(A)に示すように、プランジャ505aがスプリング506の付勢力によって突出し、リンクアーム504が矢印Dと反対の方向に揺動し、遊星ギア254が第5ギア255に係合する。これにより、排出ローラ212aの回転方向が、媒体を排出口109から排出する方向(順方向)に戻り、また、ガイド部材501が、
図7(A)に示す位置に復帰する。
【0056】
両面搬送ユニット108に搬送された媒体は、反転搬送ローラ213a,214aによって戻り搬送路111を搬送され、レジストローラ205aおよびプレッシャローラ205bによりIDユニット104に搬送される。このとき、媒体は、既に画像が形成された表面を下にして、まだ画像が形成されていない裏面(2ページ目)を上にして、IDユニット104に搬送される。IDユニット104では、媒体の裏面(2ページ目)にトナー像が形成され、定着ユニット106でトナー像が媒体に定着される。
【0057】
トナー像が定着された媒体は、搬送ローラ211aおよび搬送コロ211bにより搬送され、さらに排出ローラ212aおよび排出コロ212bに搬送されて、排出口109から排出される。このとき、ガイド部材501は、
図7(A)に示す位置に戻っているため、媒体は、片面印刷時と同様にガイド部材501に案内されて、媒体積載部220に積載される。これにより、1枚目の媒体の両面印刷が完了する。
【0058】
同様にして、後続の媒体への両面印刷、例えば、2枚目の媒体の表面(3ページ目)と裏面(4ページ目)への画像形成、および、3枚目の媒体の表面(5ページ目)と裏面(6ページ目)への画像形成が行われる。
【0059】
次に、本発明の第1の実施の形態による作用効果を、比較例との対比により説明する。
図8(A)および(B)は、比較例のガイド部材601の動作を示す図である。
図8(A)において、比較例のガイド部材601は、プラスチック製のフィルムまたは板で形成された長尺状の部材であり、媒体の幅方向の2箇所に設けられている。ガイド部材601は、長手方向の一端が排出ユニットのフレーム610に固定されており、長手方向の他端が、排出口609から排出される媒体の移動範囲に突出している。
【0060】
ガイド部材601は、排出口609から排出される媒体に当接し、媒体積載部620に向けて案内する。これにより、定着ユニットでの加熱や脱湿によりカールした状態で排出口609から排出された媒体であっても、
図8(B)に示すように、媒体積載部620に積載することができる。
【0061】
しかしながら、この比較例では、ガイド部材601が媒体を常に押さえているため、媒体の左右(幅方向両側)でカールの程度やガイド部材601との接触の程度が異なると、両面印刷における反転搬送時に、媒体がガイド部材601から受ける負荷(搬送抵抗)が左右で異なることになり、媒体の斜行が生じ、その結果、媒体の表面と裏面とで印刷位置がずれる可能性がある。
【0062】
これに対し、本発明の第1の実施の形態では、両面印刷における媒体の反転搬送時には、
図7(B)に示すように、ガイド部材501が、媒体への押圧力が小さくなる位置まで退避する。そのため、比較例のような媒体の斜行を防止することができ、表面と裏面とでの印刷位置のずれを防止することができる。
【0063】
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態によれば、両面印刷において媒体を反転搬送する際に、ガイド部材501が媒体への押圧力を低減させる位置に退避するため、媒体の斜行を防止し、これにより、媒体の表面と裏面とでの印刷位置のずれを防止することができる。
【0064】
また、排出ローラ212aの回転方向の切り替えと、ガイド部材501の位置の切り替えとを共通のアクチュエータ(ソレノイド505)で行うため、簡単な構成で媒体の斜行を防止することができ、製造コストの低減に資することができる。
【0065】
なお、ここでは、媒体の反転搬送時に、ガイド部材501が、媒体への押付力を低減する位置(
図7(B))まで退避すると説明したが、ガイド部材501が、媒体から離間した位置まで退避するようにしてもよい。このように構成すれば、反転搬送時に、媒体がガイド部材501の影響を全く受けないという利点がある。
【0066】
また、ガイド部材501は、硬質なプラスチック部材に限定されるものではなく、例えばプラスチックフィルムであってもよい。プラスチックフィルムは、弾性と可撓性を有するため、硬質なプラスチック部材よりも媒体への押圧力が小さくなるという利点がある。
【0067】
さらに、ガイド部材501の位置の切り替えを行うアクチュエータは、ソレノイドに限定されるものではなく、モータとカム機構あるいはリンク機構と組み合わせて用いてもよい。モータを用いた場合には、ガイド部材501の退避位置を複数通りに設定可能になるという利点がある。
【0068】
また、ガイド部材501は、2つに限定されるものではなく、1つ、あるいは3つ以上であってもよい。但し、上述したようにガイド部材501を媒体の幅方向において左右に1つずつ設ければ、媒体を左右均等に案内することができるという利点がある。
【0069】
第2の実施の形態.
上述した第1の実施の形態では、両面印刷において媒体の反転搬送が開始されるまで、ガイド部材501が媒体に接触しているため、媒体の放置環境やユーザの使用環境により、媒体のカールの程度が想定外の大きさである場合には、(反転搬送の開始直前まで媒体がガイド部材に接触していたことによる影響で)媒体の斜行が生じる可能性も考えられる。第2の実施の形態では、このような問題を解消するものである。
【0070】
図9は、第2の実施の形態における媒体押さえ部材としてのガイド部材501L,501Rを含む画像形成装置100の斜視図である。第2の実施の形態において、第1の実施の形態と共通の構成要素には、共通の符号を付す。
【0071】
第2の実施の形態におけるガイド部材501L,501Rの構成および配置は、第1の実施の形態と同様である。ガイド部材501L,501Rには、
揺動軸501aと平行な一本の金属製のシャフト502が取り付けられており、このシャフト502の一端は、ガイド部材501L,501Rの角度を切り替えるためのリンク部材513に取り付けられている。第1の実施の形態と同様、ガイド部材501L,501Rは、特に区別する必要がある箇所を除き、「ガイド部材501」として説明する。
【0072】
上述した第1の実施の形態では、排出ローラ212aの回転方向の切り替えと、ガイド部材501の位置の切り替えとを共通のソレノイド505で行っていたが、この第2の実施の形態では、排出ローラ212aの回転方向の切り替えと、ガイド部材501の位置の切り替えと、別々のソレノイド505,515(アクチュエータ)で行っている。
【0073】
図10(A)は、この第2の実施の形態における排出ユニット107の駆動系を示す図である。
図10(B)は、第2の実施の形態における排出ユニット107の駆動系を、
図10(A)とは反対の側から見た図である。排出ユニット107は、メインモータ881の駆動力を伝達するギア列(動力伝達機構)を構成するギア251,252,253,254,255,256,257,258、ソレノイド505およびソレノイド515を有している。ギア列(ギア251〜258)の構成は、第1の実施の形態で説明したとおりであるが、第1の実施の形態で説明したリンク部材503(
図3)は設けられていない。
【0074】
第2の実施の形態において、ガイド部材501のシャフト502(
図9)に連結されたリンク部材513は、
図10(B)に示すように、他端(シャフト502とは反対側の端部)においてソレノイド515のプランジャ515aに連結されている。ソレノイド515は、排出ユニット107のフレーム107aに取り付けられ、
図10(B)に矢印Fで示す突出位置と退避位置との間で移動可能なプランジャ515aを有している。また、リンク部材513は、スプリング516により、矢印Gで示すようにプランジャ515aを突出させる方向に付勢されている。これにより、ソレノイド515の非通電時には、プランジャ515aが矢印Fの方向に突出し、ソレノイド515の通電時には、プランジャ515aが突出位置から退避位置に移動する。
【0075】
図11は、第2の実施の形態における画像形成装置100の制御系を示すブロック図である。第2の実施の形態における画像形成装置100の制御系は、第1の実施の形態で説明した画像形成装置100の制御系(
図4)と同様であるが、印刷制御部800がソレノイド505に加えて、さらにソレノイド515を制御する点が異なる。
【0076】
すなわち、印刷制御部800は、片面印刷時には、ソレノイド505およびソレノイド515に通電しないが、両面印刷時には、印刷制御部800は、排出センサ232の検知信号に基づき、媒体の搬送位置に応じた所定のタイミングでソレノイド505およびソレノイド515に通電する。
【0077】
次に、第2の実施の形態における動作について説明する。
図12(A)は、第2の実施の形態における片面印刷動作のタイムチャートであり、
図12(A)は、第2の実施の形態における両面印刷動作のタイムチャートである。また、
図13(A)は、媒体の排出搬送時の排出ユニット107を示す図であり、
図13(B)は、媒体の反転搬送時の排出ユニット107を示す図である。
【0078】
印刷制御部800は、I/F制御部810を介して上位装置から送信された制御コマンドおよび印刷データを受信する。印刷制御部800は、上位装置から印刷指示を受けると、受信した印刷情報に基づき、片面印刷である場合は、
図12(A)に示すように、排出センサ232の検知信号(ON/OFF)に関わらず、ソレノイド505,515に通電しない状態(0FF状態)を維持する。
【0079】
ソレノイド505がOFF状態であるため、第1の実施の形態で説明したように、遊星ギア254は第5ギア255に係合している。
図10(A)に示したように、メインモータ881からの回転伝達によって第1ギア251が矢印の方向に回転し、それに伴ってギア252〜258がそれぞれ矢印の方向に回転し、排出ローラ212aが媒体を排出する方向(順方向)に回転する。また、ソレノイド515がOFF状態にあるため、ガイド部材501は、排出口109から排出された媒体を案内する位置にある。ガイド部材501の案内面Gは、この案内面Gで案内した媒体が積載部220に良好に積載されるよう、
排出ローラ212aと排出コロ212bとのニップ部における接線T(すなわち媒体がニップ部を通過する際の搬送方向)に対して角度θ1をなしている(
図7(A))。
【0080】
片面印刷は第1の実施の形態と同様に行われ、トナー像が形成された媒体は、排出口109から排出され、ガイド部材501に案内されて媒体積載部220に積載される。
【0081】
一方、両面印刷の場合には、画像形成部104により1枚目の媒体の表面(1ページ目)にトナー像を転写し、定着ユニット106によりトナー像を定着したのち、排出センサ232が媒体の先端の通過を検知すると、印刷制御部800は、媒体の先端がガイド部材501の近傍に達するタイミング(t5)で、ソレノイド515に通電する。これにより、
図13(A)に示すように、ソレノイド515のプランジャ515aはスプリング516の弾性力に抗して矢印Hで示すように退避位置に移動し、プランジャ515aの退避により、リンク部材513が矢印Jで示す方向(下方)に移動する。リンク部材513が矢印Jで示す方向に移動することにより、リンク部材513に連結されたシャフト502が押し下げられ、揺動軸501aを中心として、ガイド部材501が矢印Eで示すように押し上げられる。すなわち、ガイド部材501は、媒体への押圧力が小さくなる位置まで退避する。そのため、媒体の先端部が排出口109から排出されるときには、ガイド部材501は、既に、媒体への押圧力が小さくなる位置まで移動している。
【0082】
さらに、排出センサ232が媒体の後端の通過を検知すると、印刷制御部800は、媒体の後端が搬送ローラ211aを通過するタイミング(t1)で、ソレノイド505に通電する。ソレノイド505の通電により、プランジャ505aはスプリング506の付勢力に抗して矢印Cで示すように退避位置に移動する。これにより、リンクアーム504が矢印Dで示す方向に揺動し、遊星ギア254が第5ギア255から離間し、第6ギア256に係合する。遊星ギア254と第6ギア256との係合により、メインモータ881の回転は、遊星ギア254から第6ギア256を経て、第7ギア257、第8ギア258および第5ギア255に伝達される。その結果、第5ギア255に連結された
排出ローラ212aの回転方向は反転する。すなわち、排出口109から途中まで排出された媒体が、画像形成装置100内に引き戻され、両面搬送ユニット108に向けて搬送される。
【0083】
上述した排出ローラ212aの反転により、媒体は両面搬送ユニット108に向けて搬送される。印刷制御部800は、排出ユニット107から媒体が無くなる所定のタイミング(t2)で、ソレノイド505,515への通電をOFFにする。これにより、排出ローラ212aの回転方向が順方向に戻り、ガイド部材501の位置が
図10(B)に示す位置に復帰する。
【0084】
一方、両面搬送ユニット108に搬送された媒体は、第1の実施の形態で説明したように戻り搬送路111を搬送され、トナー像が形成された表面(1ページ目)を下にし、裏面(2ページ目)を上にした状態で、IDユニット104に搬送される。IDユニット104では、媒体の裏面(2ページ目)にトナー像が形成され、定着ユニット106でトナー像が媒体に定着される。
【0085】
トナー像が定着された媒体は、搬送ローラ211aおよび搬送コロ211bにより搬送され、さらに排出ローラ212aおよび排出コロ212bにより搬送されて、排出口109から排出される。このとき、ガイド部材501は、
図10(B)に示す位置に復帰しているため、媒体は、片面印刷時と同様にガイド部材501に案内されて、媒体積載部220に積載される。これにより、1枚目の媒体の表面(1ページ目)と裏面(2ページ目)への画像形成が完了する。
【0086】
同様にして、2枚目以降の媒体への画像形成を行う。すなわち、2枚目の媒体の表面(3ページ目)にトナー像を形成したのち、排出センサ232が媒体の先端の通過を検知すると、印刷制御部800は、媒体の先端がガイド部材501の近傍に達するタイミングt6でソレノイド515に通電し、ガイド部材501を、
図13(B)に示すように媒体への押圧力を低減させる位置まで退避させる。さらに、排出センサ232が媒体の後端の通過を検知すると、印刷制御部800は、媒体の後端が搬送ローラ211aを通過するタイミング(t3)でソレノイド505に通電し、
図13(B)に示すように排出ローラ212aの回転方向を反転させる。これにより、排出口109から一部が排出された媒体が、画像形成装置100内に引き戻されて、両面搬送ユニット108に搬送される。
【0087】
そののち、上述したように2枚目の媒体の裏面(4ページ目)への画像形成が行われ、さらに、3枚目の媒体の表面(5ページ目)と裏面(6ページ目)への画像形成が行われる。
【0088】
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、両面印刷動作において媒体を反転搬送する際に、ガイド部材501が媒体への押圧力を低減させる位置に退避するため、媒体の斜行を防止し、これにより、媒体の表面と裏面とでの印刷位置のズレを防止することができる。
【0089】
加えて、媒体の反転搬送の開始よりも所定時間前にガイド部材501が退避するため、例えば媒体のカールの程度が想定外の大きさであっても、(反転搬送の開始直前までガイド部材に接触していたことの影響で)媒体の斜行が発生することを防止することができる。
【0090】
なお、第1の実施の形態でも説明したように、ガイド部材501は、媒体の反転搬送時に、媒体から離間した位置まで退避するようにしてもよい。このように構成すれば、反転搬送時に、媒体がガイド部材の影響を全く受けないという利点がある。
【0091】
また、ガイド部材501は、硬質なプラスチック部材に限定されるものではなく、例えばプラスチックフィルムであってもよい。硬質なプラスチック部材よりも媒体への押圧力が小さくなるという利点がある。
【0092】
さらに、ガイド部材501の位置の切り替えを行うアクチュエータは、ソレノイドに限定されるものではなく、モータとカム機構あるいはリンク機構とを組み合わせて用いてもよい。モータを用いた場合には、ガイド部材501の退避位置を複数通りに設定可能になるという利点がある。
【0093】
また、ガイド部材501は2つに限定されるものではなく、1つ、あるいは3つ以上であってもよい。
【0094】
上記の各実施の形態では、画像形成装置の例として、LEDヘッドを用いた電子写真プリンタについて説明したが、本発明はレーザヘッドを用いた画像形成装置、中間転写方式を用いた画像形成装置等、種々の画像形成装置に適用することができる。