特許第5698711号(P5698711)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5698711
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】廃棄物処理方法及び廃棄物処理装置
(51)【国際特許分類】
   B09B 3/00 20060101AFI20150319BHJP
   B09B 5/00 20060101ALI20150319BHJP
   B29B 17/02 20060101ALI20150319BHJP
   B29B 17/04 20060101ALI20150319BHJP
   C08J 11/04 20060101ALI20150319BHJP
   C10L 5/46 20060101ALI20150319BHJP
【FI】
   B09B3/00 ZZAB
   B09B3/00 301W
   B09B3/00 301Z
   B09B5/00 Q
   B09B5/00 E
   B09B3/00 303E
   B09B3/00 303Z
   B29B17/02
   B29B17/04
   C08J11/04
   B09B3/00 303M
   C10L5/46
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-158212(P2012-158212)
(22)【出願日】2012年7月16日
(65)【公開番号】特開2014-18717(P2014-18717A)
(43)【公開日】2014年2月3日
【審査請求日】2012年7月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】512186405
【氏名又は名称】株式会社カワナカ
(73)【特許権者】
【識別番号】512186416
【氏名又は名称】株式会社宏拓
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】川中 雄二
(72)【発明者】
【氏名】三宅 由保
(72)【発明者】
【氏名】石黒 宏樹
【審査官】 岡田 三恵
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−320264(JP,A)
【文献】 特開2006−132832(JP,A)
【文献】 特開平10−058451(JP,A)
【文献】 特開2008−163280(JP,A)
【文献】 特開2008−195910(JP,A)
【文献】 特開2000−038591(JP,A)
【文献】 特開平10−291214(JP,A)
【文献】 特開2010−227779(JP,A)
【文献】 特開2008−132408(JP,A)
【文献】 特開2014−019765(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B 3/00
B09B 5/00
C10L 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック廃棄物と油脂を含む食品廃棄物からなる有機廃棄物との混合廃棄物の処理方法であって、
前記混合廃棄物を、粉砕する粉砕工程と、
前記混合廃棄物を、乾燥する乾燥工程と、
前記粉砕工程及び乾燥工程で生成した混合乾燥粉砕物を、プラスチック乾燥粉砕物と有機乾燥粉砕物に分別する、分別工程と、
前記分別工程で生成したプラスチック乾燥粉砕物と有機乾燥粉砕物とを混合し、混合原料を調製する、混合調製工程と、
前記混合原料を、成形し、固形燃料を製造する、固形燃料製造工程と、
を備え、
前記粉砕工程は、前記混合廃棄物と油脂吸着材を混合しながら、前記乾燥工程と同時に行うことを特徴とする、処理方法。
【請求項2】
前記混合調製工程は、混合原料の単位熱量が所定値となるように、前記プラスチック乾燥粉砕物と有機乾燥粉砕物との混合割合を調整することを特徴とする、請求項1に記載の処理方法。
【請求項3】
前記分別工程は、プラスチック乾燥粉砕物から塩化ビニルを分離する塩化ビニル分離工程を更に含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の処理方法。
【請求項4】
前記混合調製工程は、混合原料の塩素濃度が所定値となるように、前記塩化ビニルを分離したプラスチック乾燥粉砕物と有機乾燥粉砕物との混合割合を調整することを特徴とする、請求項に記載の処理方法。
【請求項5】
プラスチック廃棄物と油脂を含む食品廃棄物からなる有機廃棄物の混合廃棄物を処理するための処理装置であって、
前記混合廃棄物を粉砕する、粉砕装置と、
前記混合廃棄物を乾燥する、乾燥装置と、
前記粉砕装置及び乾燥装置で、それぞれ粉砕及び乾燥された混合乾燥粉砕物を、プラスチック乾燥粉砕物と有機乾燥粉砕物に分別する、分別装置と、
前記分別されたプラスチック乾燥粉砕物と有機乾燥粉砕物とを混合し、混合原料を調製する、混合調製装置と、
前記混合原料を、成形し、固形燃料を製造する、固形燃料製造装置と、
を有し、
前記粉砕装置は前記乾燥装置を兼ねており、油脂吸着材の投入口を備えていることを特徴とする、処理装置。
【請求項6】
固形燃料の製造方法であって、
プラスチック廃棄物と油脂を含む食品廃棄物からなる有機廃棄物との混合廃棄物を粉砕する、粉砕工程と、
前記混合廃棄物を、乾燥する乾燥工程と、
前記乾燥工程及び粉砕工程で生成した混合乾燥粉砕物を、プラスチック乾燥粉砕物と有機乾燥粉砕物に分別する、分別工程と、
前記分別されたプラスチック乾燥粉砕物と有機乾燥粉砕物とを混合し、混合原料を調製する、混合調製工程と、
前記混合原料を、成形する、成形工程と、
を有し、
前記粉砕工程は、前記混合廃棄物と油脂吸着材を混合しながら、前記乾燥工程と同時に行うことを特徴とする、製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック廃棄物と有機廃棄物との混合廃棄物から燃料を製造する廃棄物処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンビニエンスストアの増加に伴い、弁当、パン、惣菜等の加工食品の生産量が増加している。このような加工食品は、プラスチック容器やプラスチックフィルム等の包装体に包装されて、包装体入り食品として流通する。そして、このような包装体入り食品は、製造から一定期間が経過した後は、廃棄物として処分される。
このような廃棄物の処分は、従来、焼却による方法が主流であった。これは、加工食品は油分や水分を一定量含むものであり、包装体から完全に分離しにくいことが理由の一つとして挙げられる。また、包装体から食品の一部を分離して、堆肥化することも行われているが、堆肥化の効率や質は、食品の組成の影響を受けやすく、廃棄物の水分コントロールや発酵条件のコントロールが必須であった。その結果、堆肥化には、莫大なコストがかかり、未だ包装体入り食品の主要な処理方法とは言えないのが現状である。
【0003】
他方、都市型廃棄物を一括して処理する資源化処理システムが、特許文献1に記載されている。
具体的には、資源化処理システムは、可燃廃棄物と不燃廃棄物と廃プラスチックが混在する混合廃棄物を処理して可燃廃棄物と廃プラスチックを抽出する混合廃棄物処理ラインと、高水分の有機廃棄物を乾燥処理して低水分の乾燥有機物を抽出する高水分廃棄物処理ラインと、上記混合廃棄物処理ラインで抽出された可燃廃棄物及び廃プラスチックと、上記高水分廃棄物処理ラインで抽出された乾燥有機物とを用いて固形燃料を製造する固形燃料製造ラインを備え、上記固形燃料製造ラインで製造された固形燃料の一部を、上記高水分廃棄物処理ラインの熱源の燃料に用いることを特徴とすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−227779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の資源化処理システムは、可燃廃棄物(古紙や布)と不燃廃棄物(金属など)と廃プラスチックを含む混合廃棄物と、高水分の有機廃棄物(有機汚泥や生ごみ)を別のラインで処理することを前提とするものであり、そもそも有機廃棄物である食品と包装体との分離に難がある包装体入り食品の処理には適用しにくい。特に、本システムを油分と水分を多く含む加工食品へ適用することは困難であった。
【0006】
本発明は、食品等の有機廃棄物とプラスチック廃棄物の混合廃棄物の、新規処理システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、このような状況において、食品等の有機廃棄物とプラスチック廃棄物の混合廃棄物の新規な処理方法及び装置を開発し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
プラスチック廃棄物と有機廃棄物との混合廃棄物の処理方法であって、
前記混合廃棄物を、粉砕する粉砕工程と、
前記混合廃棄物を、乾燥する乾燥工程と、
前記粉砕工程及び乾燥工程で生成した混合乾燥粉砕物を、プラスチック乾燥粉砕物と有機乾燥粉砕物に分別する、分別工程と、
前記分別工程で生成したプラスチック乾燥粉砕物と有機乾燥粉砕物とを混合し、混合原料を調製する、混合調製工程と、
前記混合原料を、溶融固化し、固形燃料を製造する、固形燃料製造工程と、
を備えることを特徴とする。
このような混合廃棄物の処理方法は、プラスチック廃棄物と有機廃棄物との混合廃棄物を、粉砕、乾燥した後に、乾燥粉砕物を分別するため、容易に確実な分別が可能となる。そして、このように分別された各乾燥粉砕物を混合調製することにより、混合原料(混合物)の単位熱量や成分含量をコントロールすることが容易となり、安定した品質の固形燃料を製造することが可能となる。すなわち、本発明の混合廃棄物の処理方法は、混合廃棄物を高品質な固形燃料に変換することを可能とする。
【0008】
本発明の好ましい形態では、前記粉砕工程と乾燥工程とを、同時に行うことを特徴とする。
乾燥しながら粉砕することにより、短い時間で均一な粉砕を行うことができる。これにより、後述する混合原料の調製において、品質のコントロールがし易くなる。
【0009】
本発明の好ましい形態では、前記有機廃棄物は、食品廃棄物であることを特徴とする。
食品廃棄物の場合は、特にプラスチック廃棄物(食品の包装体)に付着しやすく、これらを分離することが困難なため、本発明の処理方法が特に有用である。
【0010】
本発明の好ましい形態では、前記粉砕工程は、前記混合廃棄物と油脂吸着材を混合しながら行うことを特徴とする。
粉砕工程を、混合廃棄物と油脂吸着材を混合しながら行うことにより、食品に含まれる油脂を油脂吸着材に吸着しながら粉砕することができるため、粉砕の効率を上げ、得られる粉砕物の均一性を高めることができる。これは、特に油脂を多く用いた加工食品の処理において、後に製造される固形燃料の品質をコントロールする観点から、極めて有用である。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記混合調製工程は、混合原料の単位熱量が所定値となるように、前記プラスチック乾燥粉砕物と有機乾燥粉砕物との混合割合を調整することを特徴とする。
各乾燥粉砕物の混合割合を調整することで、製造される固形燃料の単位熱量を制御することができ、高品質の固形燃料を製造することが可能となる。
【0012】
本発明の好ましい形態では、前記分別工程は、プラスチック乾燥粉砕物から塩化ビニルを分離する塩化ビニル分離工程を更に有することを特徴とする。
プラスチック乾燥粉砕物から塩化ビニルを分離することにより、固形燃料における有害物質の発生を低減することが可能となる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記混合調製工程は、混合原料の塩素濃度が所定値となるように、前記塩化ビニルを分離したプラスチック乾燥粉砕物と有機乾燥粉砕物との混合割合を調整することを特徴とする。
各乾燥粉砕物の混合割合を調整することで、固形燃料からのダイオキシンの発生を極力低減することが可能となる。
【0014】
前記課題を解決する本発明は、
プラスチック廃棄物と有機廃棄物の混合廃棄物を処理するための処理装置であって、
前記混合廃棄物を粉砕する、粉砕装置と、
前記混合廃棄物を乾燥する、乾燥装置と、
前記粉砕装置及び乾燥装置で、それぞれ粉砕及び乾燥された混合乾燥粉砕物を、プラスチック乾燥粉砕物と有機乾燥粉砕物に分別する、分別装置と、
前記分別されたプラスチック乾燥粉砕物と有機乾燥粉砕物とを混合し、混合原料を調製する、混合調製装置と、
前記混合原料を、成形し、固形燃料を製造する、固形燃料製造装置と、
を有することを特徴とする。
このような方法により混合廃棄物を処理することにより、混合廃棄物を、容易に効率よく処理することができ、その結果、固形燃料を製造することが可能となる。
【0015】
本発明は、また、固形燃料の製造方法にも関する。本製造方法は、プラスチック廃棄物と有機廃棄物との混合廃棄物を粉砕する、粉砕工程と、前記混合廃棄物を乾燥する、乾燥工程と、前記粉砕工程、乾燥工程で生成した混合乾燥粉砕物を、プラスチック乾燥粉砕物と有機乾燥粉砕物に分別する、分別工程と、前記分別されたプラスチック乾燥粉砕物と有機乾燥粉砕物とを混合し、混合原料を調製する、混合調製工程と、前記混合原料を、成形する、成形工程とを有する。
このような固形燃料の製造方法によれば、コンビニエンスストアなどから排出される混合廃棄物を利用して、良質な固形燃料を製造することが可能となる。
【0016】
本発明は、また、プラスチック廃棄物と有機廃棄物との混合廃棄物の分別方法にも関する。本方法は、混合廃棄物を粉砕する粉砕工程と、混合廃棄物を乾燥する乾燥工程と、前記乾燥粉砕工程で生成した混合乾燥粉砕物を、プラスチック乾燥粉砕物と有機乾燥粉砕物に分別する、分別工程とを有する。
このような混合廃棄物の分別方法によれば、プラスチック廃棄物と有機廃棄物との混合廃棄物を乾燥粉砕した後に分別するため、容易に確実に分別することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、コンビニエンスストア、食品加工工場などから排出される、プラスチック廃棄物と食品等の有機廃棄物の混合廃棄物を、効率よく確実に処理することができる。その結果、低コストでの廃棄物処理が可能となる。また、生成された固形燃料は、エネルギー源として用いることができることから、本発明の廃棄物処理方法は、環境負荷が小さい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態である処理方法を説明する、概略図である。
図2】乾燥工程、粉砕工程を実施するための装置の一実施形態を示す、概略図である。
図3図1に示す処理方法における分別工程を説明する、概略図である。
図4図1に示す処理方法における混合調製工程を説明する、概略図である。
図5図1に示す処理方法における固形燃料製造工程を説明する、概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の処理方法及び処理装置の実施形態について図1〜5を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の混合廃棄物の処理方法を説明する概略図である。図1に示すように、処理方法1は、プラスチック廃棄物と食品廃棄物(有機廃棄物)の混合廃棄物を粉砕する粉砕工程2と、混合廃棄物を乾燥する乾燥工程3と、混合乾燥粉砕物を分別する分別工程4と、プラスチック乾燥粉砕物と食品乾燥粉砕物とから混合原料を調製する混合調製工程5と、前記混合原料から固形燃料を製造する固形燃料製造工程6とからなる。
【0020】
粉砕工程2では、コンビニエンスストア、食品工場などから排出されるプラスチック廃棄物と食品廃棄物(有機廃棄物)の混合廃棄物を粉砕する。プラスチック廃棄物としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、PETなどの容器、フィルム等が挙げられる。また、食品廃棄物としては、具体的に油脂を含む加工食品が挙げられる。
【0021】
乾燥工程3では、上記の混合廃棄物に温風を供給することにより乾燥する。
【0022】
本実施形態では、粉砕工程2と乾燥工程3を並行して行っている。このように、乾燥しながら粉砕を行うことにより、粉砕効率を上げ、短時間で均一性の高い粉砕が可能となる。
【0023】
本実施形態では、粉砕工程2は、例えば、図2に示すような粉砕乾燥装置7を用いて行うことができる。
粉砕乾燥装置7は、混合廃棄物及び油脂吸着材(木くず)を粉砕するための粉砕槽71と、粉砕槽71内の混合廃棄物を撹拌しながら粉砕するための粉砕翼72と、粉砕槽71に温風を供給するための温風供給装置73と、粉砕槽71内に空気を送り込むためのブロア74と、粉砕槽71内の空気を放出する排気装置75とを備える。
粉砕槽71は、混合廃棄物及び油脂吸着材を投入するための投入口711と、粉砕工程2、乾燥工程3により生成した粉砕乾燥物を粉砕槽71外に排出するための排出口712・712と、温風供給装置73から温風を粉砕槽71内に供給するための温風供給口713と、粉砕槽71内の空気を外部に排出するための排気口714とを備える。
また、粉砕翼72は、モータ721によって、軸方向に回転する構成となっている。
また、温風供給装置73は、空気を加熱するためのボイラー731と、加熱空気を粉砕槽71内に送り込むためのサイクロン732を有している。
【0024】
粉砕工程2、乾燥工程3では、まず、粉砕槽71の投入口711から粉砕槽71内に混合廃棄物と油脂吸着材を投入する。
この際、油脂吸着材の投入は、混合廃棄物を粉砕、乾燥している間、連続的に行うことが好ましい。これにより、油脂吸着材に、混合廃棄物の油脂を効率よく吸着させながら、粉砕を行うことが可能となる。これにより、短時間で、均質な粉砕乾燥物を生成することが可能となる。
【0025】
粉砕槽71内では、混合廃棄物と油脂吸着材が、粉砕翼72によって、破断されながら混合される。その間、温風供給装置73から、温風供給口713を通して、粉砕槽71内に温風が供給され、混合廃棄物中の水分を除去する。水分を含んだ空気は、排気装置75によって排気口714から排気される。
【0026】
粉砕工程2、乾燥工程3により生成された粉砕乾燥物は、排出口712・712から粉砕槽71外に排出され、コンベヤ76により、分別装置(図示しない)に搬送され、分別工程に供される。
【0027】
分別工程4では、粉砕工程2、乾燥工程3を経て生成された乾燥粉砕物を、プラスチック廃棄物由来の乾燥粉砕物(プラスチック乾燥粉砕物)と、有機廃棄物(食品廃棄物)由来の乾燥粉砕物(食品乾燥粉砕物)とに分別する。
本実施形態では、図3に示す通り、分別工程4は、乾燥粉砕物から金属等の重量物を分離する重量物選別工程41と、乾燥粉砕物を、プラスチック乾燥粉砕物と、有機乾燥粉砕物とに分ける篩工程42とを含む。
重量物選別工程41は、風力選別機を用いて行うことができる。重量物としては、鉄、非鉄金属、鉱物等が挙げられる。また、篩工程42は、篩を用いて行うことができる。これらの装置は、既存の装置を適宜用いればよい。乾燥工程2、粉砕工程3を経て得られた混合乾燥粉砕物においては、プラスチック乾燥粉砕物の方が大きいため、食品乾燥粉砕物が篩を通過する。
【0028】
さらに、本実施形態では、篩工程42を経て篩い分けられたプラスチック乾燥粉砕物から更に塩化ビニルを分離する塩化ビニル分離工程43を行う。塩化ビニル分離工程43は、既存の装置を用いて行うことができる。例えば、X線分析装置や近赤外線センサを用いて塩化ビニルを特定し、圧縮空気で当該塩化ビニルを分離する方式の装置などを用いることが可能である。
【0029】
このような各工程を経ることにより、混合乾燥粉砕物は、塩化ビニルを含まないプラスチック乾燥粉砕物と、食品廃棄物由来の乾燥粉砕物(有機乾燥粉砕物)の2種の乾燥粉砕物が生成される。
これらの乾燥粉砕物は、後に製造される固形燃料の出発原料となるものである。
【0030】
これらの乾燥粉砕物は、続いて、混合調製工程5に供される。
混合調製工程5では、図4に示すように、塩化ビニルを含まないプラスチック乾燥粉砕物と、食品廃棄物由来の乾燥粉砕物(有機乾燥粉砕物)の2種の乾燥粉砕物を混合する。
これらの混合比率は、単位熱量、塩素濃度が適正な範囲となるように決定する、熱量調整工程51、塩素調整工程52を含む。
例えば、食品乾燥粉砕物は、通常3,000〜5,000kcal/kgの熱量を有している。また、塩素濃度は1質量%程度である。
一方、プラスチック乾燥粉砕物は、通常8,000〜9,000kcal/kgの熱量を有している。また、塩化ビニルを除去したプラスチック乾燥粉砕物の塩素濃度は、0.3質量%程度である。
【0031】
従って、各粉砕乾燥物の単位熱量、塩素濃度を考慮し、これらを混合した場合に得られる混合物が、所望の単位熱量、塩素濃度となるように、両者の混合割合を決定する。
例えば、本実施形態においては、混合原料の熱量が、6,000〜7,000kcal/kg、塩素濃度が0.5質量%以下となるように両者の混合割合を決定する。
なお、この混合調製工程5において、さらに熱量調整を行うために、他成分を混合しても良い。例えば、ポリエチレンを主体とするプラスチック廃棄物や、木くず、おが屑などの木材廃棄物を、乾燥粉砕物に混合して熱量調整を行ってもよい。
さらに、プラスチック由来成分と食品廃棄物由来成分の比率が異なる他の乾燥原料を組み合わせることにより、熱量を調整することもできる。
このようにして得られた混合原料は、固形燃料の原料となる。
なお、混合調製工程5によって生ずるプラスチック乾燥粉砕物の余剰分は、フラフ燃料として用いることも可能である。
【0032】
固形燃料製造工程6は、既存の成形機を用いて実施することができる。すなわち、当該工程は、混合原料を溶融しながら混練する、溶融・混練工程61、溶融した原料を成形する成形工程62、成形した原料を冷却する冷却工程63を含む。混合原料中のプラスチックは、成形時のバインダーとして機能する。
また、固形燃料は、溶融工程を経ずに、圧縮成形する方法によって成形してもよい。特に、木くずやおが屑を用いる場合には、圧縮成形による固形燃料の製造が可能である。
ここで、製造する固形燃料は、ペレットであることが燃焼効率のコントロールの観点から好ましい。例えば、ペレットは円柱状とすることができ、この場合径が5mm〜30mm、高さが1〜5cm程度のペレットとすることが、上記観点から好ましい。
【0033】
このようにして製造された固形燃料は、様々な場面で燃料として使用することができる。このとき、上記と異なる方法で製造された単位熱量が異なる固形燃料と混合して使用することも可能である。
【0034】
上記のようにして製造された固形燃料は、例えば、工場等の大型ボイラー、店舗等の小型ボイラーの燃料として用いることができる。また、小型発電ボイラーで発電された電気は、例えば、大規模事業者に売電され、さらにコンビニエンスストアやショッピングセンター、スーパー、マンションなどに売電される。このようなシステムにより、プラスチックと食品廃棄物の混合廃棄物を利用したエネルギーの循環を実現することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、コンビニエンスストアや食品工場から排出される、プラスチックと食品廃棄物の混合廃棄物の処理に利用できる。
【符号の説明】
【0036】
1 処理方法
2 粉砕工程
3 乾燥工程
4 分別工程
43 塩化ビニル分離工程
5 混合調製工程
6 固形燃料製造工程
7 粉砕乾燥装置
図1
図2
図3
図4
図5