特許第5698724号(P5698724)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5698724
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】低電力磁場センサ
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/12 20060101AFI20150319BHJP
【FI】
   G01D5/12 C
【請求項の数】15
【外国語出願】
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2012-256472(P2012-256472)
(22)【出願日】2012年11月22日
(62)【分割の表示】特願2010-513288(P2010-513288)の分割
【原出願日】2008年5月5日
(65)【公開番号】特開2013-40960(P2013-40960A)
(43)【公開日】2013年2月28日
【審査請求日】2012年11月28日
(31)【優先権主張番号】11/767,549
(32)【優先日】2007年6月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501105602
【氏名又は名称】アレグロ・マイクロシステムズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100096013
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100092967
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 修
(74)【代理人】
【識別番号】100107696
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 文俊
(72)【発明者】
【氏名】ドゥーゲ,マイケル・シー
(72)【発明者】
【氏名】ミラノ,ショーン・ディー
(72)【発明者】
【氏名】デヴィッド,ポール
【審査官】 井上 昌宏
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2006/0006864(US,A1)
【文献】 特開平04−320913(JP,A)
【文献】 特開平10−093861(JP,A)
【文献】 特開2002−228611(JP,A)
【文献】 特開2001−012633(JP,A)
【文献】 特開2006−153699(JP,A)
【文献】 特開2002−340620(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R33/00〜33/26
G01D5/00〜5/62
G01B7/00〜7/34;11/00〜11/30
G01P1/00〜3/80
G01D18/00〜21/02
G06F3/033〜3/039
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが磁気物品と結合した被検知磁界に比例する第1の磁界信号と第2の磁界信号を提供する2つの離隔した磁界検知エレメントがその上に設けられた半導体基板と、
前記磁界信号のそれぞれをサンプル速度で発生する個々のクロックサイクルの第1の時間間隔であるサンプル間隔中にのみ処理するように構成され、かつ、前記磁気物品の回転速度を示す第1のセンサ出力信号を生成する速度検出回路および前記磁気物品の回転方向を示す第2のセンサ出力信号を生成する方向検出回路を含回路と、前記回路は、前記サンプル速度で生じるスリープ間隔中に電源を切ることにより不動作にされるよう構成され、
前記回路にクロック信号を提供するクロック回路と、を備え、前記サンプル速度は前記クロック信号によって制御され、且つ第1の所定のサンプル速度または第2のより速い所定のサンプル速度のひとつであり、前記クロック回路は前記第1のセンサ出力信号に応答し、最初は前記第1の所定のサンプル速度に対応する前記クロック信号を提供し、また、前記第1のセンサ出力信号の状態の変化に応答し、前記第2の所定のサンプル速度に対応する前記クロック信号を提供するように構成され、
前記第1の磁界信号あるいは前記第2の磁界信号が第1の閾値レベルより大きいかあるいは第2の閾値レベルより小さい場合、前記磁気物品の回転速度を示す前記第1のセンサ出力信号を生成するための第1のコンパレータ回路および論理回路と、
前記第1の磁界信号が前記第2の磁界信号より進んでいる場合、前記磁気物品の第1の回転方向を示す前記第2のセンサ出力信号を生成し、また、前記第2の磁界信号が前記第1の磁界信号より進んでいる場合、前記磁気物品の第2の回転方向を示す前記第2のセンサ出力信号を生成するための第2のコンパレータ回路および論理回路と、
を備える、磁場センサ。
【請求項2】
前記クロック回路は前記第1のセンサ出力信号の状態の変化後の所定の継続期間の発生に応答して前記第1の所定のサンプル速度に対応する前記クロック信号を再び提供するように構成されている、請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
前記回路は、前記ユーザ指定サンプル速度を示す入力信号に応答して前記回路に前記磁界信号をユーザ指定サンプル速度で処理させる、請求項1に記載のセンサ。
【請求項4】
それぞれが磁気物品と結合した被検知磁界に比例する第1の磁界信号と第2の磁界信号を提供する2つの離隔した磁界検知エレメントがその上に設けられた半導体基板と、
前記磁界信号のそれぞれをサンプル速度で発生するサンプル間隔中にのみ処理し、かつ、前記磁気物品の回転速度を示す第1のセンサ出力信号を生成する速度検出回路および前記磁気物品の回転方向を示す第2のセンサ出力信号を生成する方向検出回路、および前記磁界検知エレメントに対する前記磁気物品の位置を示す第3のセンサ出力信号を生成する位置検出回路を含み、前記サンプル速度で生じるスリープ間隔中に電源を切ることにより不動作にされるように構成された回路と、
を備える磁場センサ。
【請求項5】
第1の磁界信号は第1の閾値レベルより小さく、かつ、第2の閾値レベルより大きい場合、そして、第2の磁界信号が前記第1の閾値レベルより小さく、かつ、前記第2の閾値レベルより大きい場合に、前記磁界検知エレメントへの前記磁気物品の近接を示す前記第3のセンサ出力信号を生成するためのコンパレータ回路および論理回路をさらに備えている、請求項4に記載のセンサ。
【請求項6】
それぞれが磁気物品と結合した被検知磁界に比例する第1の磁界信号と第2の磁界信号を提供する2つの離隔した磁界検知エレメントがその上に設けられた半導体基板と、
前記磁界信号のそれぞれをサンプル速度で発生するサンプル間隔中にのみ処理し、かつ、前記磁気物品の回転速度を示す第1のセンサ出力信号を生成する速度検出回路および前記磁気物品の回転方向を示す第2のセンサ出力信号を生成する方向検出回路、前記サンプル速度で生じるスリープ間隔中に電源を切ることにより不動作にされるように構成された回路と、
前記第1の磁界信号が第1の閾値レベルを超えるか、あるいは第2の閾値レベル未満に低下した場合、また、前記第2の磁界信号が前記第1の閾値レベルを超えるか、あるいは前記第2の閾値レベル未満に低下した場合、常に前記第1のセンサ出力信号を遷移させるためのコンパレータ回路および論理回路と、
を備える磁場センサ。
【請求項7】
それぞれが磁気物品と結合した被検知磁界に比例する第1の磁界信号と第2の磁界信号を提供する2つの離隔した磁界検知エレメントがその上に設けられた半導体基板と、
前記磁界信号のそれぞれをサンプル速度で発生するサンプル間隔中にのみ処理し、かつ、前記磁気物品の回転速度を示す第1のセンサ出力信号を生成する速度検出回路および前記磁気物品の回転方向を示す第2のセンサ出力信号を生成する方向検出回路、前記サンプル速度で生じるスリープ間隔中に電源を切ることにより不動作にされるように構成された回路と、
前記第1の磁界信号が前記第2の磁界信号より進んでいる場合、前記磁気物品の第1の回転方向を示すための前記第2のセンサ出力信号を生成し、また、前記第2の磁界信号が前記第1の磁界信号より進んでいる場合、前記磁気物品の第2の回転方向を示すための前記第2のセンサ出力信号を生成するためのコンパレータ回路および論理回路と、
を備える磁場センサ。
【請求項8】
それぞれが磁気物品と結合した被検知磁界に比例する磁界信号を提供する2つの離隔した磁界検知エレメントがその上に設けられた半導体基板と、
前記磁界信号をサンプル速度で発生するサンプル間隔中にのみ処理し、かつ、前記検知された磁界を示すセンサ出力信号を生成し、前記サンプル速度で生じるスリープ間隔中に電源を切ることにより不動作にされるように構成された回路と、を備え、
前記サンプル速度は、最初は第1の所定のサンプル速度に対応し、また、前記サンプル速度が、前記センサ出力信号の状態の変化に応答して第2のより速い所定のサンプル速度に対応する、
磁場センサ。
【請求項9】
前記回路は、前記磁界信号に応答して前記磁界信号と第1の閾値レベルおよび第2の閾値レベルとを比較し、前記磁界信号が前記第1の閾値レベルより小さく、かつ、前記第2の閾値レベルより大きい場合に、第1の信号レベルの前記センサ出力信号を提供するためのコンパレータ回路を備えている、請求項8に記載のセンサ。
【請求項10】
前記センサ出力信号を受け取る入力を有し、前記コンパレータ回路にクロック信号を提供するクロック回路をさらに備え、最初は前記クロック信号が前記第1の所定のサンプル速度に対応し、また、前記クロック信号が前記センサ出力信号の状態の変化に応答して前記第2の所定のサンプル速度に対応する、請求項9に記載のセンサ。
【請求項11】
前記クロック回路は、前記センサ出力信号の状態の変化後に所定の継続時間の発生に応答して前記第1の所定のサンプル速度に対応する前記クロック信号を再び提供する、請求項10に記載のセンサ。
【請求項12】
外部クロック信号に応答するクロック回路をさらに備え、前記外部クロック信号は、前記回路に前記外部クロック信号に関連するサンプル速度で前記磁界信号をサンプルさせる、請求項8に記載のセンサ。
【請求項13】
それぞれが磁気物品と結合した被検知磁界に比例する磁界信号を提供する2つの離隔した磁界検知エレメントがその上に設けられた半導体基板と、
前記磁界信号をユーザ指定サンプル速度で発生するサンプル間隔中にのみ処理し、かつ、前記磁気物品の特性を示すセンサ出力信号を生成し、前記サンプル速度で生じるスリープ間隔中に電源を切ることにより不動作にされるように構成された回路と、を備え、
前記特性は、前記磁気物品の回転速度または前記磁気物品の回転方向のうちの少なくとも1つであり、前記サンプル速度は、最初は第1の所定のサンプル速度に対応し、また、前記サンプル速度が、前記センサ出力信号の状態の変化に応答して第2のより速い所定のサンプル速度に対応する、
磁場センサ。
【請求項14】
磁気物品と結合した被検知磁界に比例する磁界信号を提供する磁界検知エレメントと、
前記磁界信号およびサンプル速度を有するクロック信号に応答し、前記磁界信号をサンプル速度で発生するサンプル間隔中にのみ処理して前記磁気物品の特性を示すセンサ出力信号を生成し、前記サンプル速度で生じるスリープ間隔中に電源を切ることにより不動作にされるように構成された回路と、を備え、
前記サンプル速度は、最初は第1の所定のサンプル速度に対応し、また、前記サンプル速度が、前記センサ出力信号の状態の変化に応答して第2のより速い所定のサンプル速度に対応し、
ユーザによって提供される少なくとも1つの入力信号に応答し、一定のサンプル速度を有する前記クロック信号を生成するように構成されたクロック回路とを備え、
前記サンプル速度は、(a)最初は第1の所定のサンプル速度で、前記センサ出力信号の状態の変化に所定の時間間隔の間は第2の所定のサンプル速度、(b)ユーザによって画定されるサンプル速度、または(c)所定の固定サンプル速度の中から選択される、
磁場センサ。
【請求項15】
前記特性は、前記磁界検知エレメントに対する前記磁気物品の近接、前記磁気物品の回転速度または前記磁気物品の回転方向のうちの少なくとも1つである、請求項14に記載の磁場センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
適用外
(連邦主唱研究に関する供述書)
適用外
本発明は、一般に、磁場センサを使用して速度、位置および/または方向を検知するための装置および方法に関し、より詳細には、低電力アプリケーションに使用するためのこのような装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
低電力アプリケーションにおける磁界を検知するための磁場センサについては知られている。このようなデバイスの1つは、本発明の譲受人である、Massachusetts州Worcester在所のAllegro Microsystems社がA3211の部品番号で販売している。このデバイスは、磁極には感応しない方法で(つまりホール効果素子に対する磁気物品の配向に無関係に)所定の強度の磁界の存在を検知するためのホール効果素子を備えている。このデバイスは低電力特徴を備えており、デバイスの一部が起動状態になるのは、個々のクロックサイクルの間の短時間の「アウェーク」時間間隔の間のみである。適切な低電力アプリケーションには、セルラ電話および携帯電話、ページャ、パームトップコンピュータまたはハンドヘルドコンピュータ、パーソナル・ディジタル・アシスタント(PDA)、等々などの電池で動作するハンドヘルド機器がある。
【0003】
また、回転輪形磁石などの回転磁気物品の回転方向および回転速度を検知するための磁場センサについても知られている。このようなデバイスの1つは、本発明の譲受人である、Massachusetts州Worcester在所のAllegro Microsystems社が3422の部品番号で販売している。詳細には、このデバイスは、同じシリコン基板上に2つのホール効果素子を備えており、また、磁石の回転速度を示す速度出力信号および磁石の回転方向を示す方向出力信号を提供するための処理回路を備えている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、磁場センサは、半導体基板であって、間隔を隔てて配置された、それぞれ磁気物品と結合した被検知磁界に比例する磁界信号を提供する2つの磁界検知エレメントがその上に形成された半導体基板と、これらの2つの磁界信号を一定のサンプル速度でサンプルし、かつ、磁気物品の回転速度を示す第1のセンサ出力信号および磁気物品の回転方向を示す第2のセンサ出力信号を生成するように構成された回路とを備えている。
【0005】
この構造によれば、2つの磁界信号チャネルのサンプリングが同期し(また、好ましいことには同じクロック信号によって制御される)、したがってこれらの2つのチャネルのサンプリング時間の差によるセンサ方向出力信号のあらゆる不正確性が除去される。また、磁場センサは、サンプル速度を制御する外部クロック信号の提供をユーザが選択することができるユーザ・プログラマブル・サンプル速度機構を備えることも可能である。さらに、磁界信号が第1の所定のサンプル速度でサンプルされ、また、センサ速度出力信号の変化の検出に引き続く所定の間隔の間、第2のより速い所定のサンプル速度でサンプルされる二重サンプル速度機構を提供することも可能である。磁場センサは、さらに、磁界検知エレメントに対する磁気物品の位置を示す第3のセンサ出力信号を生成するように構成することも可能である。
【0006】
また、磁気物品と結合した被検知磁界に比例する磁界信号を提供する磁界検知エレメントと、一定のサンプル速度で磁界信号をサンプルし、かつ、検知された磁界を示すセンサ出力信号を生成するように構成された回路とを備えた磁場センサが記述される。本発明の他の態様によれば、サンプル速度は、最初は第1の所定のサンプル速度に対応し、また、サンプル速度は、センサ出力信号の状態の変化に応答して第2のより速い所定のサンプル速度に対応する。
【0007】
この二重サンプル速度機構によれば、センサは、センサ出力信号が磁界信号のこのような周期的な処理による悪影響を受けない動作時間の間、低電力消費モードで有利に動作する(磁界信号が処理またはサンプルされるのは、個々のクロックサイクルの一部分の間のみである)。出力信号の変化が検出されると、所定の間隔の間、センサ出力信号の精度を高くするためにサンプル速度が高速化される。
【0008】
本発明の他の態様によれば、磁場センサは、磁界信号を提供する磁界検知エレメントと、ユーザが指定するサンプル速度で磁界信号をサンプルし、かつ、磁気物品の特性を示すセンサ出力信号を生成するように構成された回路とを備えている。このユーザ・プログラマブル・サンプル速度機構によれば、有利には、所望のサンプル速度の点でユーザに柔軟性が提供される。実際、この機構により、ユーザは、磁界信号の連続処理(つまり連続サンプル)を選択することができる。
【0009】
他の磁場センサ実施形態は、磁気物品と結合した被検知磁界に比例する磁界信号を提供する磁界検知エレメントと、磁界信号に応答し、磁気物品の特性を示すセンサ出力信号を生成するように構成された回路と、クロック回路とを備えている。クロック回路は、ユーザによって提供される少なくとも1つの入力信号に応答し、該入力信号によって決定されるサンプル速度を有するクロック信号を生成するように構成されている。サンプル速度は、(a)最初は第1の所定のサンプル速度で、センサ出力信号の状態の変化に引き続く所定の時間間隔の間は第2の所定のサンプル速度、(b)ユーザによって画定されるサンプル速度、または(c)所定の固定サンプル速度の中から選択される。この構造によれば、上で言及した二重サンプル速度機構とユーザ・プログラマブル・サンプル速度機構の両方の利点が提供される。
【0010】
本発明の上記の特徴ならびに本発明自体については、図面についての以下の詳細な説明からより完全に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の態様によるユーザ・プログラマブル・サンプル速度機構および/または二重サンプル速度機構を備えた磁場センサを示す図である。
図1A】二重サンプル速度機構を備えた図1のクロック回路の一実施形態を示す図である。
図1B】ユーザ・プログラマブル・サンプル速度機構を備えた図1のクロック回路の代替実施形態を示す図である。
図1C】二重サンプル速度機構およびユーザ・プログラマブル・サンプル速度機構の両方を備えた図1のクロック回路のさらに他の実施形態を示す図である。
図2図1、1Aおよび1Cのセンサの二重サンプル速度機構に関連するいくつかの実例波形を示すグラフである。
図2A図1、1Bおよび1Cのセンサのユーザ・プログラマブル・サンプル速度機構に関連するいくつかの実例波形を示すグラフである。
図3】位置、速度および方向検知を備え、かつ、ユーザ・プログラマブル・サンプル速度機構および二重サンプル速度機構の両方を備えた代替磁場センサ実施形態の簡易略図である。
図4図3の磁場センサを備えたハンドヘルド電子デバイスの平面図である。
図5図3の磁場センサに関連するいくつかの実例波形を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1を参照すると、低電力磁場センサ10は、本発明の態様による二重サンプル速度機構およびユーザ・プログラマブル・サンプル速度機構を備えている。センサ10は、磁気物品14の近傍に配置されており、所定の強度の磁界の存在を示すセンサ出力信号18を提供している。したがってこのセンサは、近接検出器または磁界スイッチとして特性化することができる。
【0013】
「低電力」であるということは、センサ10が、電池式デバイスなどの電力が制限されているアプリケーションに使用するために適していることを意味している。このタイプの実例アプリケーションには、セルラ電話および携帯電話、ページャ、パームトップコンピュータまたはハンドヘルドコンピュータ、パーソナル・ディジタル・アシスタント(PDA)、等々などのハンドヘルド機器がある。
【0014】
磁気物品14およびセンサ10は、互いに対して移動させることができる。磁気物品14を静止型にしてセンサを移動可能にすることができ、また、センサを静止型にして磁気物品を移動可能にすることも可能であり、あるいは磁気物品およびセンサの両方を移動可能にすることも可能である。たとえば、所定の強度の磁界が検出されるかどうかに基づいてカバーが開いているのか、あるいは閉じているのかの指示をセンサ出力信号18が提供するよう、センサ10をセルラ電話の中に使用し、磁石14を「フリップ電話」構造のカバーの中に配置し、また、センサ10をベース部分に配置することができる。
【0015】
センサ10は、半導体基板を備えた集積回路(IC)の形態で提供されており、半導体基板の上には様々な回路エレメントが形成されている。しかしながら、集積回路センサ10のこの特定の境界は、個々のアプリケーションに適合させるために変更することが可能であり、したがってICの中に含まれているかの如くに示され、かつ/または説明されているエレメントは、別法としてICの外部に提供することも可能であり、また、場合によってはICの外部に存在するものとして示され、かつ/または説明されているエレメントを別法としてICの中に提供することも可能であることは当業者には理解されよう。
【0016】
センサ10は、検知される磁界に比例する信号レベルを有する磁界信号22を提供する、磁界−電圧変換器とも呼ばれている磁界検知エレメント20を備えている。実例実施形態では、磁界検知エレメントはホール効果素子である。しかしながら、磁界検知エレメントは、それらに限定されないが、ホール効果素子、垂直ホール効果素子、巨大磁気抵抗(GMR)素子、異方性磁気抵抗(AMR)素子およびトンネル磁気抵抗(TMR)素子を始めとする当分野で知られている様々な形成を取ることができることは理解されよう。また、磁界検知エレメント20は、単一の磁気応答エレメントを備えることができ、あるいは別法として様々な構成で配置された複数のエレメントを備えることも可能である。
【0017】
磁界検知エレメント20は、検知された磁界を処理して磁界信号22を生成するための従来の様々な回路を含むことができる磁界信号処理回路24の中に示されている。通常、回路24には、磁界検知エレメントの出力信号を増幅するための少なくとも増幅器26が含まれている。回路24は、チョッパ安定化を実施することができ、それにより供給電圧が変調スイッチ回路によってホール効果素子のコンタクトに交互に接続され、次に、しばしば半導体ホール効果素子と結合しているオフセット電圧のない磁界信号を提供するために、増幅器によって変調信号が復調される。さらに、あるいは別法として、回路24は、磁界信号をセンサの電源範囲の中心に位置させるオフセット調整機構、および/または磁界信号の利得がクリッピングを伴うことなく電源範囲内のピーク−ピーク信号が最大化されるように調整される利得調整機構を実施することも可能である。
【0018】
センサ10は、さらに、磁界信号22を処理してセンサ出力信号18を生成するためのコンパレータ回路30を備えている。コンパレータ回路30は、磁界信号22と第1の閾値レベルすなわち動作点BOPとを比較するための第1のコンパレータ32、および磁界信号22と第2の閾値レベルすなわち解放点BRPとを比較するための第2のコンパレータ34を備えている。詳細には、コンパレータ32の出力信号は、磁界信号22がBOP閾値レベルより大きい場合は論理ハイレベルにあり、また、磁界信号がBOP閾値レベル未満になると論理ローレベルに変化する。コンパレータ34の出力信号は、磁界信号22がBRP閾値レベルより小さい場合は論理ハイレベルにあり、また、磁界信号がBRP閾値レベルを超えると論理ローレベルに変化する。たとえば磁界信号がBOP閾値レベルを超えると、コンパレータ32の出力がローになる前に磁界信号が必ずBOP閾値レベルより若干低い電圧未満になるよう、コンパレータ32、34(および本明細書において説明されている他のコンパレータ)にはヒステリシスがあることが好ましい。同様に、磁界信号がBRP閾値レベル未満になると、磁界信号は、コンパレータ34の出力がローになる前に必ずBRP閾値レベルより若干高い電圧を超えなければならない。
【0019】
コンパレータ32および34の出力信号は、図に示されているように、比較出力信号38をその出力に提供するORゲート36の入力に結合されている。比較出力信号38は、磁界信号22が第1のBOP閾値レベルより大きいか、あるいは第2のBRP閾値レベルより小さい場合、第1の信号レベル(つまりここでは論理ハイレベル)にある。この構造の場合、センサ10からの磁気物品14の距離が所定の距離内である場合、信号は、磁石14の北極または南極がセンサに近いかどうかには無関係に(つまりセンサに対する磁気物品の配向には無関係に)同じ信号レベルを維持するため、この比較出力信号38は、磁極非感応性または磁極独立型として特性化することができる。
【0020】
ラッチ44は、比較出力信号38に応答し、以下で説明する方法で比較出力信号の状態をラッチする。ここでは、以下で説明するように、高速度アプリケーションにおける低電力動作を可能にしているのはラッチ44である、とだけ言っておくことにする。
【0021】
低平均電力動作を達成するために、個々のクロックサイクルつまり周期の間の第1の時間間隔の間、センサ10を起動状態(つまり「アウェーク」)にすることができ、また、個々の周期の間の第2の時間間隔の間、非起動状態(つまり「アスリープ」)にすることができる。この動作は、本明細書においては低電力動作モードと呼ばれている動作モードの間に生じる。より詳細には、第1の時間間隔の間(つまり「アウェーク間隔」の間)、センサ10の特定の部分に電力が印加され、また、第2の時間間隔の間(つまり「スリープ間隔」の間)、この部分から電力が開放される。アウェーク間隔の間の磁界信号22の処理は、本明細書においては磁界信号の「サンプリング」と呼ばれており、したがってアウェーク時間間隔は、「サンプル間隔」と呼ぶことも可能である。
【0022】
イネーブル回路50、52は、図に示されているように、電源すなわちVccバス54と処理回路24の間、および電源バス54とコンパレータ回路30の間に結合されている。クロック回路60は、イネーブル回路50、52にクロックすなわちイネーブル信号62を提供しており、イネーブル回路は、このクロック信号の制御の下に、電源バス54を処理回路24およびコンパレータ回路30に接続し、また、これらの回路から電源バス54を開放している。一実施形態では、イネーブル回路50、52は、単純なスイッチ構造によって提供されており、クロック信号62が第1の信号レベル(たとえば論理ハイレベル)になると、個々のイネーブル回路50、52のスイッチが閉じて対応する回路24、30にVccが接続され、また、クロック信号62が第2の信号レベル(たとえば論理ローレベル)になると、スイッチが開いて対応する回路24からVccが開放される。
【0023】
本発明の二重サンプル速度機構によれば、クロック信号62は、最初は第1の所定のサンプル速度を有しており(つまり第1の所定の速度でサンプル間隔が生じる)、その後は、比較出力信号38の状態変化の検出に応答して、第2のより速い所定のサンプル速度を有している(つまり第2のより速い所定の速度でサンプル間隔が生じる)。そのために、比較出力信号38は、状態変化を検出するためにクロック回路60に結合されている。二重サンプル速度機構を実施していない実施形態の場合は提供する必要がないため、クロック回路60への信号38の接続は任意選択である。
【0024】
クロック信号62を変更することにより、異なる方法で2つのサンプル速度を達成することができる。一実施形態では、クロック信号62は、アウェークすなわちサンプル間隔に対応する少なくとも所定の最小継続期間のクロックパルスを有しており、また、比較出力信号の状態の変化の検出に応答してスリープ間隔の継続期間(したがって同じくクロック信号周期およびサンプル速度、つまりサンプル間隔が生じる速度)が変化する。通常、所定の最小アウェーク継続期間は、検知エレメント/プロセスによる適切な信号のターンオン、安定化および決定を可能にするのに必要な時間の最小周期に基づいて選択される。しかしながら、さらに、あるいは別法として、比較出力信号の状態の変化の検出に応答してアウェーク間隔を変更することも可能であることは当業者には理解されよう。第1のサンプル速度と第2のサンプル速度とを区別する重要なパラメータ変化は、単純に、サンプルされる磁界信号が多くなればなるほど、同じ継続期間のアウェーク間隔のより頻繁な発生によってこれが達成されるかどうかに無関係に、アウェーク間隔またはそのいくつかの組合せがより長くなることである。
【0025】
ユーザ・プログラマブル・サンプル速度機構によれば、ユーザによって提供される外部クロック信号に基づいてスリープ間隔および/またはアウェーク間隔の継続期間を変更することができる。実際、以下で説明するように、この機構によれば、ユーザは、磁界信号の連続的なサンプルを選択し、それによりスリープ間隔が全く存在しない状態で動作させることさえ可能である。より詳細には、センサIC10への入力、ここでは選択入力70およびクロック入力72のラベルが振られている入力は、図に示されているようにクロック回路60に結合されている。選択入力およびクロック入力70、72は、ユーザによって提供される選択信号およびクロック信号42、46をそれぞれ受け取り、以下で説明するように、このような特徴を備えた実施形態におけるユーザ・プログラマブル・サンプル速度機構を実施するように適合されている。入力70、72および選択信号ならびにクロック信号42、46の各々は、ユーザ・プログラマブル・サンプル速度機構を実施しない実施形態の場合はそれらを提供する必要はないため、任意選択である。
【0026】
ラッチ44は出力ドライバ回路48に結合されている。この出力ドライバ回路48は、ここでは、図に示されているようにトーテムポール・プッシュプル出力構成であり、磁気物品14がセンサ10から所定の距離内に位置している場合は第1の信号レベルでセンサ出力信号18を提供し、また、磁気物品がセンサから所定の距離内に位置していない場合は第2の信号レベルでセンサ出力信号18を提供している。ラッチ44は、個々のアウェーク間隔の終わりに対応する個々のクロック信号パルスの立下り縁で比較出力信号38の状態をラッチするように動作することが好ましい。実例実施形態では、ラッチ44に結合されている、正縁トリガラッチであるインバータ66によってクロック信号62の反転バージョン64が提供されている。有利には、個々のアウェーク間隔の終了時に信号38をラッチすることにより、信号38がラッチされる前に、センサが完全に「ウェークアップ」し、したがって完全性が高く、かつ、精度の高い出力信号を提供するための十分な時間が許容される。センサ出力信号18(および本明細書において説明されている他のセンサ出力信号)は、異なる電流レベルおよび/または異なる電圧レベルを提供することによってその磁界情報を伝えることができることは当業者には理解されよう。ラッチ44は、デバイスが次にウェークアップするまでのスリープ時間間隔の間、比較出力信号38の状態を「記憶」し、したがって同じくセンサ出力信号18の状態を「記憶」しているため、コンパレータ32、34のヒステリシスバンド内における位置を記憶している。そのために、図に示されているように、ラッチ44からコンパレータ回路30へフィードバック信号40が結合されている。
【0027】
図1A、1Bおよび1Cは、クロック回路60の実施形態60a、60b、60cをそれぞれ示したもので、センサ10が二重サンプル速度機構および/またはユーザ・プログラマブル・サンプル速度機構を備えているかどうかに応じてそれぞれ異なっている。詳細には、図1Aには、二重サンプル速度機構のみを備えたセンサに使用するための実例クロック回路60aが示されており、図1Bには、ユーザ・プログラマブル・サンプル速度機構のみを備えたセンサに使用するための実例クロック回路60bが示されている。また、図1Cには、二重サンプル速度機構およびユーザ・プログラマブル・サンプル速度機構の両方を備えたセンサに使用するための実例クロック回路60cが示されている。
【0028】
図1Aを参照すると、二重サンプル速度機構のみを備えたセンサに使用するためのクロック回路実施形態60aが示されている。クロック回路60aは、比較出力信号38に応答し、イネーブル回路50、52(図1)に結合するためのクロック信号62を生成する。より詳細には、エッジストリップ回路78が比較出力信号38に応答し、比較出力信号の個々の変化(すなわち個々の立上り縁および個々の立下り縁)でパルス信号を生成する。エッジストリップ回路78の出力は、スイッチ82を制御するための制御信号76を提供するワンショット74に結合されている。したがって制御信号76は、ワンショット74によって設定される所定の継続期間の間、比較出力信号38の個々のエッジで表明される(たとえば論理ハイレベルになる)。ワンショット間隔は、クロック信号62が比較出力信号38の変化に引き続いて第2の所定のサンプル速度を維持する所定の継続期間に対応している。通常、この所定の継続期間は、そのセンサのための意図するアプリケーションに基づいて選択される。たとえば、サムホイール・アプリケーションまたはスクロール・ホイール・アプリケーションの場合、ユーザが一回につき2秒超にわたってスクロールすることは考えにくい。したがってこのアプリケーションの場合、ワンショット74によって2秒程度の間隔にわたって制御信号76が表明される。
【0029】
動作中、センサ10に電力が印加されると、スイッチ82は、実線で示されている位置に位置し、低速スリープタイマ86をアウェークタイマ84に結合する。このアウェークタイマ84の出力がクロック信号62を提供している。制御信号76が表明されると(たとえば論理ハイレベルになると)、スイッチ82が点線で示されている位置にトグルし、高速スリープタイマ80をアウェークタイマ84に結合する。
【0030】
アウェークタイマ84は、アウェーク、つまりクロック信号62のサンプル間隔を設定する。上で言及したように、アウェーク間隔は、少なくとも所定の最小継続期間を有している。高速スリープタイマ80および低速スリープタイマ86は、クロック信号62のスリープ間隔を設定し、それに応じてタイマ80、86がスイッチ82を介してアウェークタイマ84に結合される。一実例実施形態では、アウェーク間隔は50μs程度であり、低速スリープタイマ86は、250ms程度のスリープ間隔を確立し、また、高速スリープタイマは、50μs程度のスリープ間隔を確立している。したがってこの実施例では、低速スリープタイマ86がアウェークタイマ84に結合された場合に磁界信号22がサンプルされる第1の所定のサンプル速度は4Hz程度であり、また、比較出力信号38の変化に引き続いて磁界信号22がサンプルされる第2の所定のサンプル速度は10KHz程度である。
【0031】
上で説明したクロック信号62を提供するための高速スリープタイマ80、低速スリープタイマ86およびアウェークタイマ84を実施するための様々な回路スキームが可能であることは理解されよう。一実施形態では、タイマ80、84および86は、センサ10のマスタクロックによって制御される18ビットカウンタを使用して実施されている。この構造によれば、スイッチ82は、異なるタップによって、制御信号76によって選択されるカウンタ出力部分に実施される。有利には、この構造は、何倍ものチップクロック周波数でのクロック信号62の提供を容易にしている。
【0032】
図1Aのクロック回路60aを備えた図1のセンサ10の動作について、同じく図2を参照して、実例波形を参照して説明する。クロック信号62は、最初(つまり電力が供給された後の、かつ、比較出力信号38の変化が検出される前)は第1の所定のサンプル速度に対応しており、その後(時間t1が経過した後)は、第2のより速い所定のサンプル速度に対応している。また、図2には、センサ出力信号18および磁界信号22がそれぞれ第1および第2の閾値レベルBOPおよびBRPとの関係で示されている。
【0033】
図から明らかなように、磁界信号22は、約1.0秒の時間に第1の閾値レベルBOPを交差している。しかしながら、クロック信号のサンプル速度のため(つまりコンパレータ回路30は、時間t=1.0秒ではアウェークではないため)、センサ出力信号18は、約1.1秒の時間まで変化しない。クロック回路60aは出力信号の変化を検出し、それに応答して、1.1秒の時間の直後に開始される第2のより速い所定のサンプル速度に対応するクロック信号62を提供する。その後、センサがこの第2の所定のサンプル速度で動作すると、出力信号18の変化が、有利には、磁界信号22が対応する閾値レベルを交差する時間により近づくことは明らかである。たとえば磁界信号22は、時間1.4秒で第1の閾値レベルをもう一度交差し、出力信号18は、1.45秒で論理ハイレベルに変化する。
【0034】
実例実施形態では、時間t1の前のクロック信号パルス幅(つまりアウェーク時間)は50μsであり、また、信号周期は300msであり、したがって第1の所定のサンプル速度は4Hzである。時間t1が経過すると、クロック信号パルス幅は依然として50μsであり、また、信号周期は100μsであり、したがって第2の所定のサンプル速度は10KHzである。しかしながら、アウェーク時間、スリープ時間および/またはクロック信号周期は、特定のアプリケーションに適合させるべく容易に変更することができることは当業者には理解されよう。たとえば、タイマ80、84および86を提供するために使用される18ビットカウンタ上の異なるタップを使用して、異なるアウェーク時間、スリープ時間およびクロック信号周期を選択することができる。
【0035】
クロック信号62は、約4.3秒の時間に、ワンショット74(図1A)がタイムアウトした場合と同様、第1の所定のサンプル速度に復帰し、それにより制御信号76が変化し、スイッチ82がその最初の実線の位置に復帰する。
【0036】
次に図1Bを参照すると、ユーザ・プログラマブル・サンプル速度機構のみを備えたセンサに使用するためのクロック回路実施形態60bが示されている。クロック回路60bは、クロック信号62のスリープ間隔を設定するスリープタイマ90、およびクロック信号62のアウェーク間隔を設定するアウェークタイマ92を備えている。ここでは、スリープ間隔およびアウェーク間隔は、所定の固定時間間隔である。
【0037】
センサの対応する選択入力およびクロック入力70、72に適切な選択入力信号42およびクロック入力信号46を提供することにより、ユーザは、アウェークタイマ92の出力に提供される内部固定クロック信号を使用するか、あるいはクロック入力72を介して外部クロック信号46を提供するかのいずれかを選択することができる。そのために、クロック回路60bは、選択入力70に結合された第1の反転入力およびアウェークタイマ92の出力に結合された第2の入力を有するANDゲート96を備えている。ANDゲート96の出力は、ORゲート98の第1の入力に結合されており、また、ORゲート98への第2の入力は、クロック入力72に結合されている。クロック信号62は、ORゲート98の出力に提供されている。
【0038】
動作中、ユーザが外部クロック信号の提供を希望する場合、論理ハイ選択信号42が選択入力70に結合され、かつ、外部クロック信号46がクロック信号入力72に供給される。この構造によれば、クロック入力72に印加される外部クロック信号46によってクロック信号62が提供される。
【0039】
さらに、上で言及したように、ユーザは、中断されることなく(つまりスリープ間隔が存在することなく)連続的に磁界が処理される連続サンプリングによる動作を選択することができる。この動作は、論理ハイ選択信号42を選択入力70に供給かつ、論理ハイクロック信号46をクロック入力72に印加することによって達成される。この構造の場合、イネーブル回路50、52は、それぞれVccバス54を常に処理回路24およびコンパレータ回路30に接続するため、磁界信号の周期サンプリングによる低電力の利点は達成されない。したがってユーザ・プログラマブル サンプル速度機構のこの使用は、全電力動作モードと呼ぶことができる。
【0040】
ユーザが内部で生成されたクロック信号の使用を希望する場合、論理ロー選択信号が選択入力70に提供され、かつ、論理ロー信号46が同じくクロック入力72に提供される。この構造によれば、クロック信号62は、アウェークタイマ92の出力に提供され、それぞれスリープタイマ90およびアウェークタイマ92によって確立される所定の固定スリープ間隔およびアウェーク間隔を有している。
【0041】
同じく図2Aを参照すると、図1Bのクロック回路60bを備えた図1のセンサのユーザ・プログラマブル外部クロック特徴に関連する実例波形が示されている。詳細には、図1Bのクロック回路60bのクロック入力72に供給される実例外部クロック信号46が示されており、また、クロック回路60bの選択入力70に供給される選択信号42が示されている。さらに、クロック回路60bによって提供されるクロック信号62、センサ出力信号18および磁界信号22がそれぞれ第1および第2の閾値レベルBOPおよびBRPとの関係で示されている。
【0042】
これらの実例波形によれば、ユーザは、最初に、センサ10による内部固定サンプル速度クロック信号を使用した動作を許容し、時間t1で、選択入力70の選択信号42を論理ハイレベルにすることにより、クロック入力72に供給される外部クロック信号46の使用を選択する。したがって、時間t1に先立って、クロック信号62がスリープタイマ90およびアウェークタイマ92によって所定のサンプル速度で提供される。一実施例では、タイマ90および92によって提供される内部サンプル速度は、50μsのアウェーク間隔および700μsのスリープ間隔に対応している。図に示されているように、時間t1で選択入力信号42が変化し、外部クロック信号46によってクロック信号62が提供される。実例外部クロック信号46は、50μsのアウェーク間隔および50μsのスリープ間隔を有している。しかしながら、より一般的には、アウェーク間隔、スリープ間隔および/または外部クロック信号46の周期は、特定のアプリケーションに適合させるべく変更することができる。外部クロック信号46がアウェーク間隔およびスリープ間隔の両方を有するアプリケーションの場合、アウェーク間隔は少なくとも所定の最小継続期間を有していなければならない。
【0043】
外部クロック信号46を提供することができる様々なスキームが企図されている。たとえば、内部コンデンサ(図示せず)を充電するために抵抗器および電流源をクロック入力72に結合することができ、プログラマブル発振器を入力72に結合することができ、あるいはマイクロコントローラによって提供される場合のようにパルス幅変調(PWM)信号を入力72に結合することができる。
【0044】
他の代替として、所定の時間間隔内におけるセンサ出力信号18の変化の数を検出し、かつ、たとえば出力信号変化の数が所定の数未満である場合に、外部クロック信号46の印加を選択する回路(図示せず)を提供することも可能であり、それにより出力信号変化が紛失したことを示すことができる。説明のための一例として、磁気物品14が、4つの磁極対を有し、かつ、100rpmで回転する輪形磁石であるアプリケーションの場合、センサ出力信号18は、少なくとも1msに一回変化することが期待される。このような期待出力信号変化が検出されない場合、外部クロック信号46を供給することができる。
【0045】
図から明らかなように、時間t1の以前には、磁界信号22が閾値レベルBOP、BRPのいずれかを交差しても、本来はその都度変化すべき出力信号18は変化していない。しかしながら、外部クロック信号46の制御の下で、時間t1が経過すると、必要に応じて出力信号が変化する。
【0046】
図1Cを参照すると、図1のセンサ10に使用するための他の代替クロック回路実施形態60cは、二重サンプル速度機構およびユーザ・プログラマブル・サンプル速度機構の両方を備えている。この構造の場合、センサ10は、ユーザによって提供される選択入力信号42およびクロック入力信号46の制御の下で、次の3つの異なるモードのうちの1つで動作することができる。(1)図1Aに関連して上で説明した、磁界信号22が第1または第2の所定のサンプル速度でサンプルされる二重サンプル速度モード、(2)図1Bに関連して上で説明した、磁界信号がユーザ指定速度でサンプルされるユーザ・プログラマブル・サンプル速度モード、または(3)同じく図1Bに関連して上で説明した、磁界信号が所定の固定サンプル速度でサンプルされる内部固定サンプル速度モード。
【0047】
クロック回路60cは、比較出力信号38(図1)に応答し、ワンショット108にエッジストリップ信号を提供するエッジストリップ回路106を備えている。ワンショット108の出力は、比較出力信号が変化する毎にワンショットによって設定される継続期間の間、ハイ論理レベルの信号を提供する。ワンショット108の出力およびクロック入力信号46は、図に示されているようにANDゲート112のそれぞれ対応する入力に結合されている。ANDゲート112の出力は、スイッチ118に制御信号116を提供している。この二重サンプル速度機構によれば、スイッチ118は、低速スリープタイマ120をアウェークタイマ126に結合する第1の位置(実線で示されている)か、あるいは高速スリープタイマ122をアウェークタイマ126に結合する第2の位置(点線で示されている)のいずれかに位置している。より詳細には、最初(つまりセンサに電力が供給された後の、かつ、比較出力信号38が変化する前)は、制御信号116によって低速スリープタイマ120がアウェークタイマ126に結合され、したがって低速スリープタイマ120およびアウェークタイマ126によって設定される第1の所定のサンプル速度で磁界信号22がサンプルされる。比較出力信号38が変化すると、制御信号116によってスイッチ118は高速スリープタイマ122をアウェークタイマ126に結合し、したがって高速スリープタイマ122およびアウェークタイマ126によって設定される第2のより速い所定のサンプル速度で磁界信号がサンプルされる。
【0048】
クロック回路60cは、さらに、ユーザによって提供される選択入力信号42およびクロック入力信号46がクロック信号62を制御することができる追加ゲートを備えている。選択入力70は、ANDゲート130の入力およびANDゲート132の反転入力に結合されている。ANDゲート130への第2の入力は、図に示されているようにクロック入力信号46によって提供されている。また、ANDゲート132の第2の入力はアウェークタイマ126によって提供されている。ANDゲート130の出力およびANDゲート132の出力は、クロック信号62をその出力に提供しているORゲート136のそれぞれ対応する入力に結合されている。
【0049】
動作中、ユーザが内部固定サンプル速度を使用したセンサ10の動作を希望すると、選択信号42およびクロック信号46が論理ローレベルにされる。この構造によれば、ANDゲート112の出力はローであり、したがって制御信号116はスイッチ118を実線の位置に維持し、したがって低速スリープタイマ120がアウェークタイマ126に結合される。また、ANDゲート130の出力もローである。選択入力信号42も同じくローであるため、アウェークタイマ126の出力がハイになるとANDゲート132の出力がハイになり、また、アウェークタイマ126の出力がローになるとANDゲート132の出力もローになる(つまりANDゲート132の出力およびORゲート136の出力は、アウェークタイマ126の出力を追従する)。したがってクロック信号62は、アウェークタイマ126の出力によって、低速スリープタイマ120とアウェークタイマ126の組合せによって確立される固定サンプル速度で提供される。
【0050】
ユーザが二重サンプル速度モードでのセンサ10の動作を希望すると、選択入力信号42が論理ローレベルに設定され、かつ、外部クロック信号46が論理ハイレベルに設定される。この構造によれば、ANDゲート130の出力はローであり、ANDゲート132の出力はアウェークタイマ126の出力を追従する。外部クロック信号46は、比較出力信号38の変化に応答してハイであるため、ANDゲート112の出力もハイになり、したがってスイッチ116は点線の位置にトグルして高速スリープタイマ122をアウェークタイマ126に結合する。比較出力信号の変化に引き続く所定の間隔(この間隔はワンショット108によって設定される)で、制御信号116はその実線位置にトグルし、したがってアウェークタイマ126の出力部分の信号は、低速スリープタイマ120によって設定されるスリープ間隔を有することになる。この方法によれば、センサ10は、選択入力信号42をローにし、かつ、クロック入力信号46をハイにすることによって二重サンプル速度モードで動作する。
【0051】
最後に、ユーザが、外部クロック信号を所望のサンプル速度で(または全電力動作モードの間、固定ハイ論理レベルで)提供することによってユーザ・プログラマブル・サンプル速度モードでのセンサの動作を希望する場合、選択入力信号42が論理ハイレベルにされる。この構造によれば、ANDゲート130の出力は外部クロック信号46を追従し(つまり外部クロック信号46がハイになるとハイになり、また、外部クロック信号46がローになるとローになる)、また、ANDゲート132の出力は、選択入力信号42が論理ハイであるため、ローになる。ORゲート136の出力はANDゲート130の出力を追従し、したがって、必要に応じてクロック入力72に印加される外部クロック信号46を追従する。
【0052】
図3を参照すると、所定の強度の磁界の存在の検知(つまり磁気物品154の近傍の位置または磁気物品154の位置の検知)に加えて、磁気物品154の回転速度および回転方向を検知するための代替磁場センサ150が提供されている。図1のセンサ10と同様、センサ150は、電力が制限されているアプリケーションで動作させることができる低電力センサである。
【0053】
同じく図4を参照すると、このようなアプリケーションの1つは、センサ150および磁気物品154を備え、該磁気物品がサムホイールまたは単純な回転制御エレメント158の一部に結合されているか、あるいはそれらの一部を形成している無線ハンドヘルドデバイス160である。サムホイール158およびキーパッド156などの様々な入力デバイスを駆動して、デバイスの様々な機能を制御することができる。たとえば、サムホイール158を一方向に回転させることによって1つの機能を達成することができ、サムホイール158を反対方向に回転させる(矢印154aで示されているような回転)ことによって他の機能を達成することができ、かつ/またはサムホイールを押しボタン方式で(矢印154bで示されている軸に沿って)押し込み、あるいは解放することによってさらに他の機能を達成することができる。いくつかのこのようなデバイス160は、電池電力を節約するために、特定の条件(たとえばサムホイール158などの複数の入力デバイスのうちの1つまたは複数が所定の継続期間にわたって駆動されない場合など)の下で低電力モードすなわちスリープモードにすることができる。
【0054】
センサ150は、所望の機能に作用するための、サムホイール158と、デバイスの制御エレメント、たとえばマイクロプロセッサ164などとの間のインタフェースを提供している。そのために、センサ150は、磁気物品154と結合している磁界を検出し、センサ150に対するサムホイールの位置を示す第1の位置出力信号170、サムホイールの回転速度を示す第2の速度出力信号174、およびサムホイールの回転方向を示す第3の方向出力信号178を提供している。
【0055】
低電力動作を達成するために、センサ150は、上で説明した二重サンプル速度機構およびユーザ・プログラマブル・サンプル速度機構のうちのいずれか一方または両方を備えている。そのために、センサは、速度信号182、センサIC150の選択入力186に提供される、ユーザによって提供される選択入力信号184、およびICのクロック入力192に提供される、ユーザによって提供されるクロック入力信号190に応答するクロック回路180を備えている。センサは、さらに、以下で説明するように、クロック回路によって提供されるクロック信号188に応答するイネーブル回路194および204を備えている。
【0056】
センサ150は、半導体基板の上に間隔を隔てて配置された2つの磁界検知エレメント196、198を備えており、これらの磁界検知エレメントの各々は、検知される磁界に比例する信号レベルを有する磁界信号200、202をそれぞれ提供している。検知エレメント196およびその関連回路は、1つのチャネルを提供するものとして参照することができ、また、検知エレメント198およびその関連回路は、第2のチャネルを提供するものとして参照することができる。磁界検知エレメント196、198の各々は、図1の検知エレメント20と同様、それらに限定されないが、ホール効果素子を始めとする従来の様々な磁界−電圧変換器の形態を取ることができ、また、チョッパ安定化、信号増幅、オフセット調整および/または利得調整などの信号コンディショニング回路を備えた対応する個々の処理回路206、208の一部を形成することができる。
【0057】
検出回路210は、位置信号214を提供する位置または押しボタン検出回路212、速度信号182を提供する速度検出回路216、および方向信号220を提供する方向検出回路218を備えており、速度検出回路および方向検出回路は、以下で説明するように共通コンパレータ回路224を共有している。検出回路210の出力信号214、182および220の各々は、センサスリープ間隔の間、クロック信号188(より詳細には、インバータ222によって提供されるクロック信号188の反転バージョン226)の制御の下で、ラッチ44(図1)と同じ方法で、対応する個々の出力信号をラッチするように動作する個々のラッチ230、232、234に結合されている。個々のラッチは、たとえば図4のデバイス160のプロセッサ164に提供することができるセンサ出力信号170、174、178をそれぞれ提供している対応する出力ドライバ240、242、244に結合されている。さらに、ラッチ230は、フィードバック信号236を介してコンパレータ回路212に結合されており、また、ラッチ232は、フィードバック信号238を介してコンパレータ回路224に結合されており、したがって次のサンプル間隔で、センサには、対応する個々のコンパレータのヒステリシスバンドに対する磁界信号の位置が分かる。
【0058】
磁気物品154の近接、たとえば図4のサムホイール158の位置を検出するために、押しボタン検出回路212は、第1および第2の閾値レベルBOP1、BRP1に応答する第1の対のコンパレータ250a、250bを備えている。この第1の対のコンパレータ250a、250bは、磁界信号200が第1の閾値レベルBOP1と第2の閾値レベルBRP1の間の電圧範囲内である場合にのみANDゲート256の出力がハイになるようにANDゲート256の入力に結合された出力を有している。同様に、第2の対のコンパレータ252a、252bは、磁界信号202が第1の閾値レベルBOP1と第2の閾値レベルBRP1の間の電圧範囲内である場合にのみANDゲート258の出力がハイになるようにANDゲート258の入力に出力信号を提供している。ANDゲート256、258の出力は、磁界信号200および202の両方が第1の閾値レベルと第2の閾値レベルの間の電圧範囲内にある場合にのみANDゲート260の出力(つまり位置信号214)がハイになるようにANDゲート260の入力に結合されている。別の言い方をすると、位置信号214がアクティブハイであることは、所定の強度の磁界が存在していないことを示している。磁界がごくわずかしか存在していない、あるいは磁界が全く存在していないこのような状態は、場合によっては、サムホイール158(図4)がハンドヘルドデバイスのハウジングに向かって内側に押し込まれ、このような運動によってサムホイールに結合されている磁気物品154が磁気検知エレメント196、198から遠ざかる方向に移動する構成の場合に対応していることは当業者には理解されよう。実例実施形態では、コンパレータ250a、252aに結合されている第1の閾値レベルBOP1は、10ガウス程度にすることができ、また、コンパレータ250b、252bに結合されている第2の閾値レベルBRP1は、−10ガウス程度にすることができる。
【0059】
速度信号182を提供している速度検出回路216は、コンパレータ回路224および排他的OR(XOR)ゲート270を備えている。コンパレータ回路224は、磁界信号200が対応する第1の閾値レベルBOP2より大きいか、あるいは対応する第2の閾値レベルBRP2より小さい場合に検出するための第1の対のコンパレータ272a、272bおよび該コンパレータ272a、272bの出力に結合された入力を有するORゲート276を備えている。したがってORゲート276の出力信号は、磁界信号200が第1の閾値レベルより大きいか、あるいは第2の閾値レベルより小さい場合にハイになる。コンパレータ回路224は、さらに、磁界信号202が第1の閾値レベルBOP2より大きいか、あるいは第2の閾値レベルBRP2より小さい場合に検出するための第2の対のコンパレータ274a、274bおよび該コンパレータ274a、274bの出力に結合された入力を有するORゲート278を備えている。したがってORゲート278の出力信号は、磁界信号202が第1の閾値レベルより大きいか、あるいは第2の閾値レベルより小さい場合にハイになる。ORゲート276および278の出力は、XORゲート270の入力に結合されており、XORゲート270の出力に速度信号182が提供される。したがって、磁界信号200が第1の閾値レベルより大きいか、あるいは第2の閾値レベルより小さい場合、もしくは磁界信号202が第1の閾値レベルより大きいか、あるいは第2の閾値レベルより小さい場合は、常に速度信号182は論理ハイレベルに変化する。この構造によれば、XORゲート270の出力に提供される速度信号182は、磁界信号200、202のいずれかの周波数の2倍の周波数を有している。実例実施形態では、コンパレータ272a、274aに結合されている第1の閾値レベルBOP2は、40ガウス程度にすることができ、また、コンパレータ272b、274bに結合されている第2の閾値レベルBRP2は、−40ガウス程度にすることができる。
【0060】
方向信号220を提供している方向検出回路218は、コンパレータ回路224およびDフリップ−フロップ280を備えている。図に示されているように、ORゲート276の出力は、フリップ−フロップ280のD入力に結合されており、また、ORゲート278の出力は、フリップ−フロップ280のクロック入力に結合されている。磁界信号200、202は、磁界検知エレメント196、198が間隔を隔てて配置されているため、互いに対して位相がシフトしている。したがって1つの信号の変化(ハイからローまたはローからハイ)を使用して他の信号の状態をクロックすることができる。この結果を使用して、2つの信号の互いに対する位相を決定することができる。図に示されている実施例の場合、信号278がハイにクロックすると、信号276の状態が方向信号220として提供されることになる。たとえば時計方向に回転する例の場合、方向信号220はローであり、したがって方向出力信号178は0Vである。それとは逆に、反時計方向に回転する場合、信号278がハイにクロックする際の信号276はハイであり、したがって方向信号220はハイであり、方向出力信号178はVddである。
【0061】
検出回路210は単なる実例にすぎず、この検出回路は、様々な回路エレメントおよび構成を使用して様々な方法で実施することができることは当業者には理解されよう。
本発明によれば、センサ150は、二重サンプル速度機構およびユーザ・プログラマブル・サンプル速度機構を備えている。そのために、イネーブル回路194は、Vccすなわち電源バス176と処理回路206、208の間に結合されており、また、イネーブル回路204は、Vccバス176と検出回路210の間に結合されている。図1のイネーブル回路に関連して上で説明したように、イネーブル回路206、208はクロック信号188に応答し、電源バス176を対応する回路206、208および210に接続し、また、それらから電源バス176を開放している。したがって、クロック信号188がアウェーク間隔すなわちサンプル間隔に対応する第1の状態(たとえば論理ハイ状態)にある場合、処理回路206、208および検出回路210に電力が提供され、また、クロック信号がスリープ間隔に対応する第2の状態(たとえば論理ロー状態)にある場合、処理回路206および検出回路210から電力が開放される。処理回路206、208および検出回路210(両方のチャネルを処理している)は、イネーブル回路のクロック信号制御を介して同時に電力が提供されるため、有利には両方のチャネルが同時にサンプルされる(つまりそれらのサンプリングが同期している)。したがって磁界信号200および202の検出、ならびに結果として得られるORゲート276および278の出力信号は、デバイスが置かれている環境で生じている事象、つまり磁石154の回転方向を正確に反映することができる。この同期サンプリングの利点は、方向出力信号178に関して最も顕著であるが、速度出力信号174に対しても同じ利点が提供される。
【0062】
クロック回路180がクロック信号188を生成する特定の方法は、図1A〜1Cのクロック回路実施形態60a、60b、60cのうちの任意の1つに関連して上で説明した方法であってもよい。したがってセンサ150は単に二重サンプル速度機構のみを備えることができ、その場合、図1Aの実施形態60aによってクロック回路180を提供することができる。また、センサ150は単にユーザ・プログラマブル・サンプル速度機構のみを備えることも可能であり、その場合は図1Bの実施形態60bによってクロック回路180を提供することができる。あるいはセンサ150は、二重サンプル速度機構およびユーザ・プログラマブル・サンプル速度機構の両方を備えることができ、その場合、図1Cの実施形態60cによってクロック回路180を提供することができる。
【0063】
次に図5を参照して、図3のセンサ150の動作について、位置信号214、ANDゲート256の出力信号262、ANDゲート258の出力信号264、方向信号220、速度信号182、ORゲート276の出力信号282、ORゲート178の出力信号284および磁界信号200、202を、コンパレータ250a、250b、252aおよび252bに結合されたそれぞれ第1および第2の閾値レベルBOP1およびBRP1との関係、およびコンパレータ272a、272b、274aおよび274bに結合されたそれぞれ第1および第2の閾値レベルBOP2およびBRP2との関係で含んだ実例波形を参照して説明する。
【0064】
「A」のラベルが振られた時間では、磁界信号200、202の両方が、磁気物品がセンサ150から遠ざかる方向に移動する際に生じることになる(たとえばサムホイールが押し込まれ、このような押込みによって磁気物品154がホール効果素子196、198から遠ざかる方向に移動する際に生じることになる)、BOP1およびBRP1の閾値レベルによって確立される電圧範囲内に存在している。一度この状態が生じると、図に示されているように、ANDゲート256、258の出力信号262、264がそれぞれローになり、それにより位置信号214がローに変化する。上で言及したように、位置信号214はアクティブローであり、したがって位置信号214のローに向かうパルスは、検知された磁界が所定のレベルすなわち強度未満に低下したことを示している。
【0065】
また、図5には、磁気物品154の回転方向の変化の発生、たとえば図4のサムホイール158の回転方向の変化と一致した変化の発生が示されている。回転方向の変化は、「B」のラベルが振られた時間で発生している。この状態が生じると、ORゲート276の出力信号282は、このようなクロック縁の発生によって論理ハイレベルになるため、負縁トリガフリップ−フロップ280のクロック入力に結合されているORゲート278の出力信号284の次の負への立下り縁で方向信号220の状態が変化する。次の回転方向の変化は、「C」のラベルが振られた時間で発生している。ORゲート276の出力信号282は、このようなクロック縁の発生によって論理ローレベルになるため、この変化によって、ORゲート278の出力信号284の次の負への立下り縁で方向信号220の状態が再び変化する。
【0066】
上で言及したように、センサ150のクロック回路180は、それぞれ図1A、1B、1Cのクロック回路実施形態60a、60b、60cのうちの任意のクロック回路実施形態によって提供することができる。しかしながら、クロック回路180の場合、二重サンプル速度機構に関連してサンプル速度を第1の所定のサンプル速度から第2の所定のサンプル速度へ変化させるフィードバック信号は、比較信号38(たとえば図1A)によってではなく、速度信号182によって提供される。一例として、図1Aのクロック回路実施形態60aによってクロック回路180が提供される場合、クロック信号188は、図2の実例クロック信号62によって示されている信号にすることができ、また、速度信号182は、図2の実例信号18によって示されている信号にすることができる。したがって、図5にはクロック信号は示されていないが、この例の場合、クロック信号188は、最初(電力が供給された後の、かつ、速度信号182の変化が検出される前)は第1の所定のサンプル速度に対応し、その後は、速度信号182の変化(たとえば個々の正に向かう変化)の検出に引き続いてワンショット74(図1A)によって確立される所定の継続期間の間、第2のより速い所定のサンプル速度に対応することは理解されよう。
【0067】
本明細書において引用されている参考文献は、すべて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、これらの実施形態の概念を組み込んだ他の実施形態を使用することが可能であることは、当業者には明らかになったことと思われる。
【0068】
たとえば、本発明による二重サンプル速度機構およびユーザ・プログラマブル・サンプル速度機構は、センサの少なくとも一部が特定の時間間隔にわたって「アスリープ」である低電力サンプリング動作モードの利点を利用することができる低電力アプリケーションのための他のタイプのセンサに使用することができることは当業者には理解されよう。
【0069】
したがってこれらの実施形態を開示した実施形態に限定してはならず、これらの実施形態は特許請求の範囲の精神および範囲によってのみ限定されるものとする。
図1
図1A
図1B
図1C
図2
図2A
図3
図4
図5