特許第5698726号(P5698726)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5698726
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】トング
(51)【国際特許分類】
   A47G 21/10 20060101AFI20150319BHJP
   A47J 43/28 20060101ALI20150319BHJP
【FI】
   A47G21/10 Z
   A47J43/28
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2012-270130(P2012-270130)
(22)【出願日】2012年12月11日
(65)【公開番号】特開2014-113351(P2014-113351A)
(43)【公開日】2014年6月26日
【審査請求日】2013年3月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】512319841
【氏名又は名称】岩渕 厚志
(74)【代理人】
【識別番号】100092989
【弁理士】
【氏名又は名称】片伯部 敏
(72)【発明者】
【氏名】岩渕 厚志
【審査官】 平田 慎二
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第5447351(US,A)
【文献】 実開平05−074296(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 21/10
A47J 43/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バネ性によって開方向へ付勢され、手でつかんで開閉できる2つのアームと、各アームの先端に形成され、串に刺す食品を把持するための凹みを有する把持部と、この凹みの中央に形成され前後方向に長く、前記食品より小さく前記串よりも大きな一つの孔と、この孔の前方部と前記把持部の前縁部とを連通して形成され、前記串よりも大きな切り込みと、を有してなり、把持した前記食品に、2つの前記把持部の前記孔を通して、前記串を容易に貫通させられることを特徴とするトング。
【請求項2】
前記孔の後方部に形成され、前記串よりも大きな第2切り込み、を有してなることを特徴とする請求項1に記載のトング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、食品などを挟んで扱うトングと呼ばれる道具の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば屋外でバーベキューを行う際に、炭に熱せられた網の上で、肉や野菜を扱うのにトングと呼ばれる道具を使用する。このトングは、2つのアームがバネ性によって開方向へ付勢され、手でつかんで開閉できる。各アームの先端は、物を把持するための把持部となる。
【0003】
また、下記の特許文献1には、トングの先端の把持部に、複数の小さな孔が形成されているものが開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許和文抄録5447351
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明者は、煮て味付けされた熱い1つまたは複数の菎蒻玉を、串に刺して、販売する際に、あるいは、既に串に刺した菎蒻玉を外して提供する際に、トングを使用して、菎蒻玉を把持することを工夫した。このトングを使用する前は、割箸を用いて、熱い菎蒻玉を押さえ、串を刺したり外したりする作業をしていたが、能率が上がらなかった。
【0006】
しかしながら、通常の形状をしたトングでは、それほど能率が上がらないので、トングの形状を、食品に串を刺す作業に適した形状とすることで、より以上の能率を得ることが求められる。なお、串に刺す食品としては、菎蒻玉以外にも、焼鳥やおでん等いろいろの物があり、トングを使用するには、同様な、形状の工夫が望まれる。
【0007】
この発明は、以上の問題点を解決するために、把持部に食品を把持して、串を刺したり外したりするのに適したトングを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するために、第一発明は、バネ性によって開方向へ付勢され、手でつかんで開閉できる2つのアームと、各アームの先端に形成され、物を把持するための凹みを有する把持部と、この凹みの中央に形成され前後方向に長い孔と、この孔の前方部と前記把持部の前縁部とを連通して形成される切り込みと、を有してなるトングである。
【0009】
第2発明は、さらに、前記孔の後方部に形成される第2切り込み、を有してなるトングである。
【発明の効果】
【0010】
第一、又は第二発明によれば、両把持部の両凹みで、食品を挟んで把持し、孔を通して串を刺すことができる。または、孔を通して串を抜いて外すことができる。
そして、串を刺すときに、両凹みの両孔が一致していることを、目視で確認する。両孔の不一致は、トングのねじれによる左右の動きによって、左右方向の不一致として生じるが、孔は前後方向に長い孔なので、左右方向の一致、不一致を確認しやすく、したがって容易に一致させることができる。
【0011】
さらに、作業者の両腕の動きにより、串を抜くときに、串との摩擦で、食品は、凹みの中を前方へ移動する。この移動に追従して串は、孔から切込みへ移動できるので、無理なく、串を抜く作業が行える。
第二発明によれば、さらに、作業者の両腕の動きにより、串を刺すときに、串との摩擦で、食品は、凹みの中を後方へ移動する。この移動に追従して串は、孔から第2切込みへ移動できるので、無理なく、串を刺す作業が行える。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】(A)は、この発明の一実施形態を示すトングの斜視図、(B)(C)は、(A)のトングの凹みと切込みの機能を、一部を点線にして示す側面図である。
図2】(A)は、図1(A)に示すトングの長い孔の機能を、一部を点線にして示す平面図、(B)は、(A)の要部を取り出して示す拡大図、(C)は、(B)の機能を説明するための比較例を示す拡大図である。
図3】この発明の一実施形態を示すトングの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
この発明の実施形態を、図1及び図2に示す。
このトング1の2つのアーム3は木製で、後端が、U字状の金属板5の両端に連結されている。この金属板5のバネ性により、2つのアーム3は開方向へ付勢される。2つのアーム3を、作業者が手強くつかめば閉じ、緩くつかめば開く。
このようにして開閉できる2つのアーム3の各先端には、広がった把持部7が形成され、食品を把持する。把持部7は、全体的に、卵形の一部の曲面に似た凹み9を有する。2つの凹み9が食品を包むようにして把持が行われる。この凹み9の周囲には、植物のヤツデの葉に似た複数の指部11が形成され、食品を把持する際に摩擦を大きくし、把持しやすくなる。
【0014】
また、凹み9の中央には、前後方向に長い孔13が形成される。この孔13は、楕円形に近い形状をなし、把持する食品より小さく、串よりも大きい。この孔13の前方部には、切込み15が形成され、把持部7の前縁部17と連通する。
さらに、孔13の後方部には、第2切り込み19が形成される。この第2切り込み19、孔13、切込み15は、前後方向に、直線的に配置され、串の横方向の移動を可能にする。
「実施形態の効果」
以上の実施形態によれば、作業者は一方の手でトング1をつかみ、他方の手で串21を持ち、図1(C)に示すように、トング1の両把持部が有する両凹み9で、食品である菎蒻玉23を挟んで把持し、両孔13を通して、串21を菎蒻玉23に刺し貫通させることができる。または、図1(B)に示すように、貫通していた串21を、孔13を通して抜いて外すことができる。
【0015】
その際に、図1(B)に示すように、串21を抜くときには、作業者の両腕の動きは左右に広がるように動き、このため、串21との摩擦で、食品は引っ張られて、凹み9の中を前方へ移動する。この前方の移動に追従して串21は、孔13から前方の切込み15へ移動できるので、無理なく、串21を抜く作業が続けられ、容易に抜くことができる。
【0016】
さらに、図1(C)に示すように、串21を刺すときには、作業者の両腕の動きは左右から中央へ狭まるように動き、このため、串21との摩擦で、食品は、凹み9の中を後方へ、すなわち奥側へ移動する。この移動に追従して串21は、孔13から第2切込み19へ移動できるので、無理なく、串21を刺す作業が続けられ、容易に貫通させることができる。
【0017】
そして、串21を刺すときに、図2(A)に示すように、両凹みの両孔19が一致していることを、目視で確認する。この図において、一方を実線で、他方を一点鎖線で表す。もともと両孔19の不一致は、トング1のねじれ、特に金属板5のねじれによる左右の動きによって、左右方向の不一致として生じる。しかし、図2(B)に示すように、孔13は前後方向に長い孔13なので、左右方向の一致、不一致が、孔13の左右縁の長い部分L1に表われる。このため、左右方向の一致、不一致を確認しやすい。不一致であれば、作業者がつかんでいる2つのアーム3を微妙に左右にずらすことで、容易に一致させることができる。
これに対し、仮に、図2(C)に示すように、孔が前後方向に短い孔14であったならば、左右方向の一致、不一致は、孔14の左右縁の短い部分L2にだけ表われる。このため、左右方向の一致、不一致を確認しにくい。
【0018】
このように容易に食品に串21を刺し、または食品から串21を外すことができ、子供や女性、さらには手の不柔な人にも、作業が行える。
「他の実施形態」
以上の実施形態では、バネ性はU字状の金属板5によるものであったが、他の実施形態では、他の手段でバネ性を発揮するいろいろのものが採用できる。たとえば、コイルバネや、アーム3と一体の金属部分などでも良い。
【0019】
以上の実施形態では、把持部7は、植物のヤツデの葉に似た複数の指部11が形成されるものであったが、他の実施形態では、図3に示すように、そのような指部11がないものでも、本発明を実施できる。
また、以上の実施形態では、両把持部は、ほぼ同じ形状であったが、他の実施形態では、別々の形状でも構わない。
【符号の説明】
【0020】
1…トング、3…アーム、5…金属板、7…把持部、9…凹み、11…指部、13…孔、15…切込み、17…前縁部、19…第2切り込み、21…串、23…菎蒻玉。
図1
図2
図3