(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
潤滑粘度の油
潤滑油は軽質留出鉱油から重質潤滑油まで粘度が分布し得る。一般に、油の粘度は、100℃で測定して2〜40mm
2/秒の範囲である。
天然油には、動物油および植物油(例えば、ヒマシ油、ラード油);流動石油、ならびにパラフィン系、ナフテン系および混合パラフィン系−ナフテン系タイプの水素化精製、溶媒処理または酸処理された鉱油が含まれる。石炭または頁岩由来の潤滑粘度の油もまた、有用な基油の役割を果たす。
合成潤滑油には、炭化水素油およびハロ置換炭化水素油、例えば、ポリマー化およびインターポリマー化オレフィン(例えば、ポリブチレン、ポリプロピレン、プロピレン−イソブチレンコポリマー、塩素化ポリブチレン、ポリ(1−ヘキセン)、ポリ(1−オクテン)、ポリ(1−デセン));アルキルベンゼン(alkybenzenes)(例えば、ドデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン、ジノニルベンゼン、ジ(2−エチルヘキシル)ベンゼン);ポリフェニル(例えば、ビフェニル、テルフェニル、アルキル化ポリフェノール);ならびにアルキル化ジフェニルエーテルおよびアルキル化ジフェニルスルフィド、ならびにその誘導体、類似体および相同体が含まれる。
【0010】
末端ヒドロキシル基がエステル化、エーテル化などによって修飾されているアルキレンオキシドのポリマーおよびインターポリマーならびにその誘導体は、公知の合成潤滑油の別のクラスを構成する。これらは、酸化エチレンまたは酸化プロピレンの重合によって調製されるポリオキシアルキレンポリマー、ならびにポリオキシアルキレンポリマーのアルキルおよびアリールエーテル(例えば、1000の分子量を有するメチル−ポリイソ−プロピレングリコールエーテル、または1000〜1500の分子量を有するポリ−エチレングリコールのジフェニルエーテル);ならびにそのモノおよびポリカルボキシルエステル、例えば、テトラエチレングリコールの酢酸エステル、混合C
3−C
8脂肪酸エステルおよびC
13オキソ酸ジエステルによって例示される。
合成潤滑油の別の適切なクラスは、ジカルボン酸(例えば、フタル酸、コハク酸、アルキルコハク酸およびアルケニルコハク酸、マレイン酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸(sebasic acid)、フマル酸、アジピン酸、リノール酸ダイマー、マロン酸、アルキルマロン酸、アルケニルマロン酸)と、種々のアルコール(例えば、ブチルアルコール、ヘキシルアルコール、ドデシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコールモノエーテル、プロピレングリコール)とのエステルを含む。このようなエステルの具体例には、アジピン酸ジブチル、ジ(2−エチルヘキシル)セバケート、ジ−n−ヘキシルフマレート、セバシン酸ジオクチル、アゼライン酸ジイソオクチル、アゼライン酸ジイソデシル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジデシル、セバシン酸ジエイコシル、リノール酸ダイマーの2−エチルヘキシルジエステル、ならびに1モルのセバシン酸および2モルのテトラエチレングリコールおよび2モルの2−エチルヘキサン酸の反応によって形成される複合エステルが含まれる。
【0011】
合成油として有用なエステルにはまた、C
5−C
12モノカルボン酸およびポリオールおよびポリオールエステルから作製されるもの(ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトールおよびトリペンタエリトリトールなど)が含まれる。
ケイ素をベースとする油(ポリアルキル、ポリアリール、ポリアルコキシまたはポリアリールオキシシリコーン油およびシリケート油など)は、合成潤滑剤の別の有用なクラスを含む。このような油には、テトラエチルシリケート、テトライソプロピルシリケート、テトラ−(2−エチルヘキシル)シリケート、テトラ−(4−メチル−2−エチルヘキシル)シリケート、テトラ−(p−tert−ブチル−フェニル)シリケート、ヘキサ−(4−メチル−2−エチルヘキシル)ジシロキサン、ポリ(メチル)シロキサンおよびポリ(メチルフェニル)シロキサンが含まれる。他の合成潤滑油には、リン含有酸の液体エステル(例えば、リン酸トリクレシル、リン酸トリオクチル、デシルホスホン酸のジエチルエステル)およびポリマーテトラヒドロフランが含まれる。
【0012】
未精製油、精製油および再精製油は、本発明の潤滑剤において使用することができる。未精製油は、それ以上精製処理することなく天然または合成源から直接得られるものである。例えば、レトルト採収操作から直接得られるシェール油;蒸留から直接得られる石油;またはエステル化から直接得られ、さらに処理することなしに使用されるエステル油は、未精製油である。精製油は、油が1つまたは複数の精製ステップにおいてさらに処理され、1種または複数の特性を改善すること以外は未精製油と同様である。多くのこのような精製技術(蒸留、溶媒抽出、酸または塩基抽出、濾過および浸出など)は、当業者には公知である。再精製油は、精製油を提供するために使用される方法と同様の方法によって得られるが、既に使用されてきた油から開始する。このような再精製油はまた、再生油または再加工油として知られており、使用済み添加剤および油の分解生成物を除去するための技術を使用したさらなる加工に供されることが多い。
【0013】
米国石油協会(API)の出版物である「Engine Oil Licensing and Certification System」、Industry Services Department、第14版、1996年12月、補遺1、1998年12月は、ベースストックを下記のように分類している。
a)グループIのベースストックは、表E−Iに特定する試験方法を使用して、90パーセント未満の飽和
物および/または0.03パーセント超の硫黄を含有し、80以上および120未満の粘度指数を有する。
b)グループIIのベースストックは、表E−Iに特定する試験方法を使用して、90パーセント以上の飽和
物および0.03パーセント以下の硫黄を含有し、80以上および120未満の粘度指数を有する。
c)グループIIIのベースストックは、表E−Iに特定する試験方法を使用して、90パーセント以上の飽和
物および0.03パーセント以下の硫黄を含有し、120以上の粘度指数を有する。
d)グループIVのベースストックは、ポリαオレフィン(PAO)である。
e)グループVのベースストックには、グループI、II、IIIまたはIVに含まれない全ての他のベースストックが含まれる。
【0014】
ベースストックのための分析法を、下記で一覧表にする。
【表1】
【0015】
例示として、本発明は、グループII、グループIIIおよびグループIVのベースストック、ならびにまたフィッシャートロプシュ法によって合成された炭化水素由来のベースストックを包含する。フィッシャートロプシュ法において、一酸化炭素および水素を含有する合成されたガス(または「合成ガス」)を最初に生じさせ、次いでフィッシャートロプシュ触媒を使用して炭化水素に変換する。これらの炭化水素は典型的には、基油として有用となるためにさらなる加工を必要とする。例えば、これらの炭化水素は、当技術分野において公知の方法によって、水素化異性化;水素化分解および水素化異性化;脱ろう;または水素化異性化および脱ろうし得る。合成ガスは、例えば、ベースストックが気体−液体(「GTL」)基油と称し得るとき、ガス(天然ガスまたは水蒸気改質による他のガス状炭化水素など)から;あるいはベースストックがバイオマス−液体(「BTL」または「BMTL」)基油と称し得るとき、バイオマスのガス化から;あるいはベースストックが石炭−液体(「CTL」)基油と称し得るとき、石炭のガス化から作製し得る。
述べた通り、本発明における潤滑粘度の油は、50質量%以上の定義したベースストックまたはこれらの混合物を含有する。好ましくは、潤滑粘度の油は、60質量%以上(70質量%、80質量%または90質量%など)の定義したベースストックまたはこれらの混合物を含有する。潤滑粘度の油は、実質的に全ての定義したベースストックまたはこれらの混合物でよい。
【0016】
過塩基性金属清浄剤(A)
金属清浄剤は、界面活性剤と称されることがある、酸性有機化合物の金属塩である、いわゆる、金属「石けん」をベースとする添加剤である。金属清浄剤は一般に、長い疎水性尾部を有する極性頭部を含む。金属塩基(例えば、カーボネート)ミセルの外層としての中和された金属清浄剤を含む過塩基性金属清浄剤は、過剰な金属塩基(酸化物または水酸化物など)と酸性ガス(二酸化炭素など)とを反応させることによって大量の金属塩基を含むことによって提供し得る。
本発明において、過塩基性金属清浄剤(A)は、過塩基性金属ヒドロカルビル置換ヒドロキシベンゾエート、好ましくはヒドロカルビル置換サリチレート清浄剤である。
「ヒドロカルビル」は、炭素および水素原子を含有し、炭素原子を介して分子の残部に結合している基またはラジカルを意味する。ヒドロカルビルはヘテロ原子、すなわち、炭素および水素以外の原子を含有してもよく、ただし、ヘテロ原子は基の本質的に炭化水素の性質および特徴を変化させない。ヒドロカルビルの例として、アルキルおよびアルケニルについて言及し得る。過塩基性金属ヒドロカルビル置換ヒドロキシベンゾエートは典型的には、示される構造を有し、
【化1】
式中、Rは、直鎖状または分岐状の脂肪族ヒドロカルビル基、さらに好ましくはアルキル基(直鎖または分岐鎖アルキル基を含めた)である。ベンゼン環に結合している複数のR基があってもよい。Mは、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウムもしくはカリウム)、またはアルカリ土類金属(例えば、カルシウム、マグネシウム、バリウムもしくはストロンチウム)である。カルシウムまたはマグネシウムが好ましい。カルシウムが特に好ましい。COOM基は、ヒドロキシル基に対してオルト、メタまたはパラ位にあってよい。オルト位が好ましい。R基は、ヒドロキシル基に対してオルト、メタまたはパラ位にあってよい。
【0017】
ヒドロキシ安息香酸は典型的には、フェノキシドのカルボキシル化によって、コルベ−シュミット法によって調製され、その場合、非カルボキシル化フェノールとの混合物中で一般に得られる(通常、希釈剤中)。ヒドロキシ安息香酸は、非硫化または硫化でよく、化学修飾されていてもよく、かつ/またはさらなる置換基を含有し得る。ヒドロカルビル置換ヒドロキシ安息香酸を硫化する方法は当業者には周知であり、例えば、US2007/0027057に記載されている。
ヒドロカルビル置換ヒドロキシ安息香酸において、ヒドロカルビル基は、好ましくはアルキル(直鎖または分岐鎖アルキル基を含めた)であり、アルキル基は有利なことには、5〜100個、好ましくは9〜30個、特に14〜24個の炭素原子を含有する。
【0018】
「過塩基性」という用語は一般に、金属部分の当量数と酸部分の当量数の比が1超である金属清浄剤を記載するために使用される。「低塩基性」という用語は、金属部分と酸部分の当量比が1超であり、約2までである金属清浄剤を記載するために使用される。
「界面活性剤の過塩基性カルシウム塩」とは、油不溶性金属塩の金属カチオンが本質的にカルシウムカチオンである、過塩基性清浄剤を意味する。少量の他のカチオンが、油不溶性金属塩中に存在し得るが、典型的には油不溶性金属塩中のカチオンの少なくとも80モル%、より典型的には少なくとも90モル%、例えば、少なくとも95モル%は、カルシウムイオンである。カルシウム以外のカチオンは、例えば、界面活性剤塩の過塩基性清浄剤(カチオンは、カルシウム以外の金属である)の製造における使用に由来し得る。好ましくは、界面活性剤の金属塩はまた、カルシウムである。
【0019】
炭酸ガス飽和過塩基性金属清浄剤は典型的には、アモルファスナノ粒子を含む。さらに、結晶方解石およびファーテライト形態のカーボネートを含むナノ粒子性材料が開示されている。
清浄剤の塩基性は、全アルカリ価(TBN)として表してもよい。全アルカリ価は、過塩基性材料の塩基性の全てを中和するのに必要な酸の量である。TBNは、ASTM標準D2896または同等の手順を使用して測定し得る。清浄剤は、低TBN(すなわち、50未満のTBN)、中TBN(すなわち、50〜150のTBN)または高TBN(すなわち、150〜500などの150超のTBN)を有し得る。本発明において、塩基性指数および炭酸化度を使用し得る。塩基性指数は、過塩基性清浄剤中の全アルカリと全石けんのモル比である。炭酸化度は、清浄剤中の総過剰塩基に対するモル百分率として表した、過塩基性清浄剤中に存在するカーボネートの割合である。
【0020】
過塩基性金属ヒドロカルビル置換ヒトロキシベンゾエートは、当技術分野で用いられた技術のいずれかによって調製することができる。一般法は、下記の通りである。
1.過剰なモル濃度の金属塩基によるヒドロカルビル置換ヒドロキシ安息香酸の中和を行い、揮発性炭化水素、アルコールおよび水からなる溶媒混合物中で、僅かに過塩基性の金属ヒドロカルビル置換ヒトロキシベンゾエート錯体を生成;
2.炭酸化を行い、コロイド状に分散している金属カーボネートを生成、その後、反応後の期間;
3.コロイド状に分散していない残留固体の除去;ならびに
4.ストリッピングを行い、プロセス溶媒を除去。
過塩基性金属ヒドロカルビル置換ヒドロキシベンゾエートは、バッチまたは連続の過塩基工程によって作製することができる。
【0021】
金属塩基(例えば、金属水酸化物、金属酸化物または金属アルコキシド)、好ましくは石灰(水酸化カルシウム)は、1つまたは複数の段階で充填し得る。充填は、それらに続く二酸化炭素充填がそうであっていいように、等しくてもよく、または異なってもよい。さらなる水酸化カルシウム充填を加えるとき、前の段階の二酸化炭素処理は完全である必要はない。炭酸化が進行すると、溶解した水酸化物は、揮発性炭化水素溶剤および不揮発性炭化水素油の混合物に分散しているコロイドカーボネート粒子に変換される。
炭酸化は、アルコールプロモーターの還流温度までの温度の範囲に亘り、1つまたは複数の段階で達成し得る。添加温度は同様もしくは異なってもよく、または各添加段階の間に変化し得る。温度が上昇する、および任意選択で次いで低下する相が、さらなる炭酸化ステップに先行してもよい。
反応混合物の揮発性炭化水素溶剤は、好ましくは約150℃以下の沸点を有する通常液体の芳香族炭化水素である。芳香族炭化水素は、特定の利点、例えば、改善された濾過速度を実現することが見出されてきており、適切な溶媒の例は、トルエン、キシレン、およびエチルベンゼンである。
【0022】
アルカノールは好ましくはメタノールであるが、エタノールなどの他のアルコールを使用することができる。アルカノールと炭化水素溶剤の比、および最初の反応混合物の水分含有量を正しく選択することは、所望の生成物を得るために重要である。
油を反応混合物に加えてもよい。その場合、適切な油には、炭化水素油、特に、鉱物起源のものが含まれる。38℃にて15〜30mm
2/秒の粘度を有する油が非常に適している。
二酸化炭素による最終処理の後、反応混合物を典型的には、高温、例えば、130℃超に加熱して、揮発性材料(水および任意の残留したアルカノールおよび炭化水素溶剤)を除去する。合成が完了すると、未加工生成物は、浮遊土砂が存在するため濁っている。未加工生成物を、例えば、濾過または遠心分離によって透明にする。これらの手段は、溶媒除去の前、または中間点で、または溶媒除去の後に使用し得る。
生成物は一般に、油剤として使用される。反応混合物が揮発性物質の除去の後に油剤を保持するために十分な油を含有していない場合、さらなる油を加えるべきである。これは、溶媒除去の前、または中間点で、または溶媒除去の後に起こり得る。
【0023】
本発明において、(A)は、
(A1)2以上の塩基度指数および80%以上の炭酸化度;または
(A2)2以上の塩基度指数および80%未満の炭酸化度;または
(A3)2未満の塩基度指数および80%未満の炭酸化度
を有し得る。
【0024】
カルボン酸、その無水物、エステルまたはアミド(B)
述べた通り、酸、その無水物、エステルまたはアミドは、潤滑油組成物の少なくとも1質量%を構成する。好ましくは、酸、その無水物、エステルまたはアミドは、1.5〜10質量%(2〜10質量%、例えば、3〜6質量%など)を構成する。(B)は、混合物でよい。
酸は、モノカルボン酸またはポリカルボン酸、好ましくはジカルボン酸でよい。ヒドロカルビル基は、好ましくは8〜400個(8〜100個など)の炭素原子を有する。
(B)として、ジカルボン酸の無水物が好ましい。
酸がジカルボン酸であるとき、エステルは半エステルまたはジエステルでよい。エステル基には、アルキル、アリール、またはアラルキルが含まれてもよく、アミド基は、非置換でよく、または1つもしくは複数のアルキル、アリールまたはアラルキル基を担持してもよい。
【0025】
例示的モノカルボン酸およびジカルボン酸、ならびにその無水物、エステルまたはアミドの一般式は、
【化2】
として示してもよく、
式中、R
1は、C
8−C
100分岐状または直鎖状ヒドロカルビル(ポリアルケニル、アルキルまたはアルカリル基など)を表し、
XおよびYは、各々独立に、OR
2およびOR
3を表し、各R
2およびR
3は、独立に、水素原子、またはアルキル、アリールもしくはアラルキル基を表し、またはXおよびYは一緒になって、−O−を表し、ならびに/あるいは
R
1CH
2COR
4 (H)
として示され、
式中、R
4は、OR
5またはNR
6R
7を表し、各R
5、R
6およびR
7は、独立に、水素原子またはアルキル基を表す。
好ましくは、ヒドロカルビル基は、ポリアルケニル基である。このようなポリアルケニル部分は、200〜3000、好ましくは350〜950の数平均分子量を有し得る。
【0026】
本発明の酸/誘導体の形成において用いられる適切な炭化水素またはポリマーには、ホモポリマー、インターポリマーまたはより低い分子量の炭化水素が含まれる。このようなポリマーの1つのファミリーは、エチレンおよび/または式H
2C=CHR
1(R
1は、1〜26個の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖アルキルラジカルであり、ポリマーは、炭素−炭素不飽和、好ましくは多量の末端エテニリデン不飽和を含有する)を有する少なくとも1種のC
3−C
28α−オレフィンのポリマーを含む。
好ましくは、このようなポリマーは、エチレンおよび上記の式の少なくとも1種のα−オレフィン(R
1は、1〜18個の炭素原子のアルキル、さらに好ましくは1〜8個の炭素原子のアルキル、さらにまた好ましくは1〜2個の炭素原子のアルキルである)のインターポリマーを含む。したがって、有用なα−オレフィンモノマーおよびコモノマーには、例えば、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1、デセン−1、ドデセン−1、トリデセン−1、テトラデセン−1、ペンタデセン−1、ヘキサデセン−1、ヘプタデセン−1、オクタデセン−1、ノナデセン−1、ならびにこれらの混合物(例えば、プロピレンおよびブテン−1などの混合物)が含まれる。このようなポリマーの例示は、プロピレンホモポリマー、ブテン−1ホモポリマー、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−ブテン−1コポリマー、プロピレン−ブテンコポリマーなどであり、ポリマーは、少なくともいくつかの末端および/または内部不飽和を含有する。好ましいポリマーは、エチレンおよびプロピレン、ならびにエチレンおよびブテン−1の不飽和コポリマーである。本発明のインターポリマーは、少量、例えば、0.5〜5モル%のC
4−C
18非共役ジオレフィンコモノマーを含有し得る。しかし、本発明のポリマーは、α−オレフィンホモポリマー、α−オレフィンコモノマーのインターポリマー、およびエチレンのインターポリマー、およびα−オレフィンコモノマーのみを含むことが好ましい。本発明において用いられるポリマーのエチレンモル含量は、好ましくは0〜80%、さらに好ましくは0〜60%の範囲である。プロピレンおよび/またはブテン−1がエチレンと共にコモノマー(複数可)として用いられているとき、このようなコポリマーのエチレン含量は、最も好ましくは15〜50%であるが、より高いまたはより低いエチレン含量が存在してもよい。
【0027】
これらのポリマーは、少なくとも1種のメタロセン(例えば、シクロペンタジエニル−遷移金属化合物)およびアルモキサン化合物を含む触媒系の存在下で、α−オレフィンモノマー、またはα−オレフィンモノマーの混合物、またはエチレンおよび少なくとも1種のC
3−C
28α−オレフィンモノマーを含む混合物を重合することによって調製し得る。この工程を使用して、ポリマー鎖の95%以上が末端エテニリデンタイプの不飽和を有するポリマーを提供することができる。末端エテニリデン不飽和を示すポリマー鎖の割合は、FTIRスペクトル分析、滴定、またはC
13NMRによって決定し得る。この後者のタイプのインターポリマーは、式POLY−C(R1)=CH2(R
1は、C
1−C
26アルキル、好ましくはC
1−C
18アルキル、さらに好ましくはC
1−C
8アルキル、最も好ましくはC
1−C
2アルキル(例えば、メチルまたはエチル)であり、POLYは、ポリマー鎖を表す)によって特性決定し得る。R
1アルキル基の鎖長は、重合において使用するために選択されたコモノマー(複数可)によって変化する。少量のポリマー鎖は、末端エテニル、すなわち、ビニル、不飽和、すなわち、POLY−CH=CH2を含有することができ、ポリマーの一部は、内部一不飽和、例えば、POLY−CH=CH(R1)(R
1は上記定義の通りである)を含有することができる。これらの末端不飽和インターポリマーは、公知のメタロセン化学反応によって調製してもよく、また米国特許第5,498,809号;同第5,663,130号;同第5,705,577号;同第5,814,715号;同第6,022,929号および同第6,030,930号に記載されるように調製し得る。
【0028】
ポリマーの別の有用なクラスは、イソブテン、スチレンなどのカチオン重合によって調製されるポリマーである。このクラスからの一般のポリマーには、ルイス酸触媒(三塩化アルミニウムまたは三フッ化ホウ素など)の存在下で、約35〜約75質量%のブテン含量、および約30〜約60質量%のイソブテン含量を有するC
4精製流の重合によって得られるポリイソブテンが含まれる。ポリ−n−ブテンを作製するためのモノマーの好ましい源は、ラフィネートIIなどの石油供給流である。これらの供給原料は、米国特許第4,952,739号におけるように当技術分野で開示されている。ポリイソブチレンは、ブテン流からのカチオン重合(例えば、AlCl
3またはBF
3触媒を使用した)によって容易に利用できるため、本発明の最も好ましい骨格である。このようなポリイソブチレンは一般に、ポリマー鎖毎に鎖に沿って位置する約1つのエチレン二重結合の量で残留不飽和を含有する。好ましい一実施形態は、純粋なイソブチレン流またはラフィネートI流から調製されるポリイソブチレンを用い、末端ビニリデンオレフィンを有する反応性イソブチレンポリマーを調製する。好ましくは、高反応性ポリイソブチレン(HR−PIB)と称されるこれらのポリマーは、少なくとも65%、例えば、70%、さらに好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも85%の末端ビニリデン含量を有する。このようなポリマーの調製は、例えば、米国特許第4,152,499号に記載されている。HR−PIBは公知であり、HR−PIBは、商品名Glissopal(商標)(BASFから)およびUltravis(商標)(BP−Amocoから)で市販されている。
【0029】
用いてもよいポリイソブチレンポリマーは一般に、400〜3000の炭化水素鎖をベースとする。ポリイソブチレンの作製方法は公知である。ポリイソブチレンは、ハロゲン化(例えば、塩素化)、熱的「エン」反応、または下記のような触媒(例えば、過酸化物)を使用したフリーラジカルグラフトによって官能化し得る。
(B)を生成するために、炭化水素またはポリマー骨格は、上記の3つの方法のいずれか、または任意の順序のこれらの組合せを使用して、選択的にポリマーもしくは炭化水素鎖上の炭素−炭素不飽和の部位で、またはランダムに鎖に沿って、カルボン酸生成部分(酸または無水物部分)で官能化し得る。
【0030】
ポリマー炭化水素と不飽和カルボン酸、無水物またはエステルとを反応させる方法、およびこのような化合物からの誘導体の調製は、米国特許第3,087,936号;同第3,172,892号;同第3,215,707号;同第3,231,587号;同第3,272,746号;同第3,275,554号;同第3,381,022号;同第3,442,808号;同第3,565,804号;同第3,912,764号;同第4,110,349号;同第4,234,435号;同第5,777,025号;同第5,891,953号;ならびにEP0382450Bl;CA−1,335,895およびGB−A−1,440,219に開示されている。ポリマーまたは炭化水素は、ハロゲン補助官能化(例えば、塩素化)工程または熱的「エン」反応を使用して、主に炭素−炭素不飽和(エチレンまたはオレフィン不飽和とまた称される)の部位で、ポリマーまたは炭化水素鎖上への官能基または作用剤(すなわち、酸、無水物、エステル部分など)の付加をもたらす条件下で、ポリマーまたは炭化水素を反応させることによってカルボン酸生成部分(酸または無水物)によって官能化し得る。
【0031】
選択的官能化は、60〜250℃、好ましくは110〜160℃、例えば、120〜140℃の温度で、約0.5〜10時間、好ましくは1〜7時間、塩素または臭素をポリマーに通過させることによって、不飽和α−オレフィンポリマーを、ポリマーまたは炭化水素の質量に基づいて約1〜8質量%、好ましくは3〜7質量%の塩素または臭素にハロゲン化、例えば、塩素化または臭素化することによって達成することができる。次いで、ハロゲン化ポリマーまたは炭化水素(本明細書において下記で、骨格)を、得られた生成物がハロゲン化骨格1モル毎に所望のモル数の一不飽和カルボキシル反応物を含有するように、必要数の官能基を骨格に加えることができる十分な一不飽和反応物、例えば、一不飽和カルボキシル反応物と、100〜250℃、通常約180℃〜235℃で、約0.5〜10時間、例えば、3〜8時間反応させる。代わりに、塩素を熱い材料に加える間に、骨格および一不飽和カルボキシル反応物を混合し、加熱する。
【0032】
塩素化は通常、出発オレフィンポリマーと一不飽和官能化反応物との反応性を増加させることに役立つ一方、本発明における使用が意図されているポリマーまたは炭化水素、特に、高い末端結合含量および反応性を有するそれらの好ましいポリマーまたは炭化水素のいくつかでは必要ない。したがって好ましくは、骨格および一不飽和官能性反応物、例えば、カルボキシル反応物は、高温で接触し、最初の熱的「エン」反応が起きることがもたらされる。エン反応は公知である。
炭化水素またはポリマー骨格は、種々の方法によってポリマー鎖に沿って官能基のランダムな結合によって官能化することができる。例えば、溶液または固体形態のポリマーは、ラジカル開始剤の存在下で、上記のような一不飽和カルボキシル反応物でグラフトし得る。溶液中で行われるとき、グラフトは、約100〜260℃、好ましくは120〜240℃の範囲の温度を上げた状態で行われる。好ましくは、フリーラジカル開始グラフトは、最初の全油剤に基づいて、例えば、1〜50質量%、好ましくは5〜30質量%のポリマーを含有する鉱物潤滑油剤中で行われる。
【0033】
使用し得るラジカル開始剤は、過酸化物、ヒドロ過酸化物、およびアゾ化合物、好ましくは約100℃超の沸点を有し、グラフト温度の範囲内で熱分解し、フリーラジカルを提供するものである。これらのラジカル開始剤の代表例は、アゾブチロニトリル、2,5−ジメチルヘキス−3−エン−2,5−ビス−ターシャリー−ブチル過酸化物およびジクメンペルオキシドである。使用されるとき、開始剤は典型的には、反応混合物溶液の質量に基づいて0.005重量%〜1重量%の量で使用する。典型的には、前述の一不飽和カルボキシル反応物材料およびラジカル開始剤は、約1.0:1から30:1、好ましくは3:1から6:1の質量比範囲で使用される。グラフトは、好ましくは窒素下のブランケッティングなどの不活性雰囲気中で行われる。このように得られたグラフトポリマーは、ポリマー鎖に沿ってランダムに結合されたカルボン酸(または誘導体)部分を有することによって特徴付けられる。ポリマー鎖のいくつかはグラフトされていないままであることが当然ながら理解される。上記のフリーラジカルグラフトは、本発明の他のポリマーおよび炭化水素のために使用することができる。
【0034】
骨格を官能化するために使用される好ましい一不飽和反応物は、(i)一不飽和C
4−C
10ジカルボン酸((a)カルボキシル基はビシニルである(すなわち、隣接する炭素原子上に位置する)および(b)前記の隣接する炭素原子の少なくとも1つ、好ましくは両方は、前記一不飽和の一部である);(ii)(i)の誘導体((i)の無水物またはC
1−C
5アルコール由来のモノまたはジエステルなど);(iii)一不飽和C
3−C
10モノカルボン酸(炭素−炭素二重結合は、すなわち、構造−C=C−CO−のカルボキシ基と共役している);および(iv)(iii)の誘導体((iii)のC
1−C
5アルコール由来のモノまたはジエステルなど)を含めて、モノおよびジカルボン酸材料、すなわち、酸、または酸誘導体材料を含む。一不飽和カルボキシル材料(i)〜(iv)の混合物をまた使用し得る。骨格との反応によって、一不飽和カルボキシル反応物の一不飽和は、飽和となる。したがって、例えば、無水マレイン酸は骨格置換無水コハク酸となり、アクリル酸は骨格置換プロピオン酸となる。このような一不飽和カルボキシル反応物の例示は、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、クロロマレイン酸、無水クロロマレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、および上記の低級アルキル(例えば、C
1−C
4アルキル)酸エステル、例えば、マレイン酸メチル、フマル酸エチル、およびフマル酸メチルである。
【0035】
必要とされる官能性を実現するために、一不飽和カルボキシル反応物、好ましくは無水マレイン酸は典型的には、ポリマーまたは炭化水素のモルに基づいて、約等モル量から約100質量%過剰、好ましくは5〜50質量%過剰の範囲の量で使用される。未反応の過剰な一不飽和カルボキシル反応物は、例えば、必要に応じて通常真空下でストリッピングすることによって、最終的分散剤生成物から除去することができる。
【0036】
潤滑油組成物中に含有される添加剤(A)および(B)の処理率は、例えば、1〜2.5質量%、好ましくは2〜20質量%、さらに好ましくは5〜18質量%の範囲でよい。
添加助剤
本発明の潤滑油組成物は、(A)および(B)と異なり、(A)および(B)に付加的なさらなる添加剤を含み得る。このようなさらなる添加剤は、例えば、無灰分散剤、他の金属清浄剤、耐摩耗性剤(亜鉛ジヒドロカルビルジチオホスフェートなど)、抗酸化剤およびデマルシファイアーを含み得る。
添加剤を含む1種もしくは複数の添加剤パッケージまたは濃縮物を調製し、それによって添加剤(A)および(B)を基油に同時に加え、潤滑油組成物を形成することができることは必要不可欠ではないが望ましいであろう。潤滑油中への添加剤パッケージ(複数可)の溶解は、溶媒によって、および穏やかな加熱を伴う混合によって促進してもよいが、これは必要不可欠ではない。添加剤パッケージ(複数可)は典型的には、添加剤パッケージ(複数可)を所定の量のベース潤滑剤と合わせたときに、所望の濃度を提供し、および/または最終的配合物中で意図する機能を達成するのに適切な量で添加剤(複数可)を含有するように配合される。したがって本発明によると、添加剤(A)および(B)は、他の望ましい添加剤と一緒に、少量の基油または他の適合性の溶媒と混合され、添加剤パッケージに基づいて、例えば、2.5〜90質量%、好ましくは5〜75質量%、最も好ましくは8〜60質量%の適切な割合の添加剤の量で、活性成分を含有する添加剤パッケージを形成してもよく、残りは基油である。
トランクピストンエンジン油としての最終的配合物は典型的には、30質量%、好ましくは10〜28質量%、さらに好ましくは12〜24質量%の添加剤パッケージ(複数可)を含有してもよく、残りは基油である。好ましくは、トランクピストンエンジン油は、20〜60(25〜55など)の組成上のTBN(ASTM D2896を使用した)を有する。
本発明は下記の実施例によって例示されるが、それらに決して限定されない。
【実施例】
【0037】
成分
下記の成分を使用した。
成分(A):
(A1)350のTBNを有するサリチル酸カルシウム清浄剤(2以上の塩基度指数;80%以上の炭酸化度)
(A2)225のTBNを有するサリチル酸カルシウム清浄剤(2以上の塩基度指数;80%未満の炭酸化度)
(A3)65のTBNを有するサリチル酸カルシウム清浄剤(2未満の塩基度指数;80%未満の炭酸化度)
成分(B):
数平均分子量950(72%ai)のポリイソブテン由来のポリイソブテンコハク酸無水物(「PIBSA」)
基油II:ChevronからのAPIグループII600Rベースストック
基油III:XHV182として知られているAPIグループIII基油
基油IV(1):DURASYN82として知られているAPIグループIV基油
基油IV(2):SPECTRAP AO100として知られているAPIグループIV基油
HFO:重油、ISO−F−RMK380
【0038】
潤滑剤
上記の成分から選択したものをブレンドし、一連のトランクピストン船舶用機関潤滑剤を得た。潤滑剤のいくつかは、本発明の実施例である。他は、比較の目的のための参照例である。試験した潤滑剤の組成は、各々がHFOを含有したとき、下記の表において「結果」の見出しの下に示す。
【0039】
試験
パネルコーカー試験
パネルコーカー試験を使用して、試験潤滑剤の性能を評価した。試験法は、油を含有する油だめ内の金属櫛様装置を回転させることによって、試験用油を加熱した金属プレート上にはねかけることを伴った。試験期間の終わりに、形成された沈着物を、質量およびプレートの外観の外観検査によって評価し得る。
吉田科学器械株式会社(大阪、日本)によって供給されたパネルコーカーテスター(モデルPK−S)を使用して試験を行った。試験パネルを、器具中に挿入する前に、完全に浄化および秤量した。試験油を2.5%HFOと混合し、225gのこのように得られた混合物を器具の油だめに加えた。油の温度が100℃、試験プレートが320℃であるとき、金属櫛装置を自動的に回転させ、油を試験プレート上にはねかけた。
一連の試験は120サイクル続き、各サイクルは、油がプレート上にはねかける15秒、およびはねかけることなしの45秒からなった。
試験の終わりに、プレートをn−ヘプタンで洗浄し、乾燥させ、再秤量し、視覚検査した。沈着物質量を報告した。
【0040】
光散乱
試験潤滑剤はまた、アスファルテンの凝集、したがって「ブラックスラッジ」形成を予想する集束ビーム反射法(「FBRM」)によって、光散乱を使用してアスファルテン分散性について評価した。
【0041】
FBRM試験法は、船舶工学の第7回国際シンポジウム(東京、2005年10月24日〜28日)において開示され、会議の予稿集において「The Benefits of Salicylate Detergents in TPEO Applications with a Variety of Base Stocks」として公表された。さらなる詳細は、CTMAC会議(ウィーン、2007年5月21日〜24日)において開示され、会議の予稿集において「Meeting the Challenge of New Base Fluids for the Lubrication of Medium Speed Marine Engines − An Additive Approach」として公表された。後者の論文において、FBRM法を使用することによって、90%超または90%超未満の飽和
物、および0.03%超または0.03%超未満の硫黄を含有するベースストックに基づいて、潤滑剤系について性能を予測するアスファルテン分散性についての定量的結果を得ることが可能であることが開示された。FBRMから得た相対的性能の予測は、船舶用ディーゼル機関の機関試験によって確認された。
FBRMプローブは、光ファイバーケーブルを含有し、それを通ってレーザー光が通過し、プローブチップに達する。チップにおいて、光学部品はレーザー光を小さな点に集中させる。集束ビームがプローブのウィンドウと試料との間の円形のパスをスキャンするように、光学部品は回転する。粒子がウィンドウを流れ過ぎると、粒子はスキャニングパスを交差し、個々の粒子からの後方散乱光を生じさせる。
【0042】
走査レーザービームは、粒子よりも非常に速く移動する。これは、粒子が効果的に定常的であることを意味する。集束ビームが粒子の一縁に到達すると、後方散乱光の量が増加する。集束ビームが粒子の他の縁に達するとき、量は減少する。
この機器は、増加する後方散乱の時間を測定する。1個の粒子からの後方散乱の期間は、スキャンスピードによって増加し、結果は距離または弦長である。弦長は、粒子の縁上の任意の2点の間の直線である。これは、弦長分布、弦長のサイズ(ミクロン)の関数として測定した弦長(粒子)の数のグラフとして表される。測定はリアルタイムで行われるため、分布の統計値は、計算および追跡することができる。FBRMは典型的には、毎秒数万の弦を測定し、ロバストな弦長分布による数をもたらす。この方法によって、アスファルテン粒子の粒度分布の絶対測定値が得られる。
【0043】
集束ビーム反射プローブ(FBRM)、モデルLasentec D600Lは、Mettler Toledo、Leicester、UKによって供給された。この機器は、1μm〜1mmの粒径分解能を与える構成で使用された。FBRMからのデータは、いくつかの方法で表すことができる。毎秒平均カウントは、アスファルテン分散性の定量として使用することができることを研究は示唆してきた。この値は、凝集の平均サイズおよびレベル両方の関数である。本出願において、平均カウント率(全サイズ範囲に亘る)を、試料毎に1秒の測定時間を使用してモニターした。
試験潤滑剤配合物を60℃に加熱し、400rpmで撹拌した。温度が60℃に達したとき、FBRMプローブを試料に挿入し、測定を15分間行った。一定分量の重油(10%w/w)を、4ブレード撹拌機を使用して撹拌しながら潤滑剤配合物中に導入した(400rpmで)。毎秒平均カウントについての値は、カウント率が均衡値に達したとき(典型的には一晩)に取得した。
【0044】
結果
パネルコーカー試験
パネルコーカー試験の結果を、下記の表に要約する(数字は、特に明記しない限り質量%である)。
【0045】
【表2】
各潤滑剤は44.6mMの石けんを含有し、30のTBNを有した。また、各潤滑剤は、0.5質量%のHFOを含有した。
PIBSAを欠いている相当する実施例(各々、実施例XおよびY)よりも、またPIBSAを欠いているグループIV基油における実施例(実施例Y)よりも、本発明の実施例(実施例1および2)が非常により少ない沈着物を生じさせたこと、すなわちアスファルテンの分散性を改善したことを結果は示す。
【0046】
光散乱
FBRM試験の結果を、下記の表(表2〜4)に要約する。
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
【表5】
【0050】
基油II、IIIおよびIV(I)の各々において、(B)と組み合わせた、A1、A2およびA3の各々によって表される(A)は、(A)単独より良好であり、(B)単独より良好であることを、結果は示す。