特許第5698741号(P5698741)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許569874113a−(S)脱酸チロホリニンの塩、医薬組成物と用途
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5698741
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】13a−(S)脱酸チロホリニンの塩、医薬組成物と用途
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20150319BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20150319BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20150319BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20150319BHJP
【FI】
   C07D471/04 102
   C07D471/04CSP
   A61K31/437
   A61P35/00
   A61P29/00
【請求項の数】6
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2012-518745(P2012-518745)
(86)(22)【出願日】2010年7月9日
(65)【公表番号】特表2012-532150(P2012-532150A)
(43)【公表日】2012年12月13日
(86)【国際出願番号】CN2010075083
(87)【国際公開番号】WO2011003362
(87)【国際公開日】20110113
【審査請求日】2012年4月26日
(31)【優先権主張番号】200910089238.5
(32)【優先日】2009年7月9日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】591120284
【氏名又は名称】中国医学科学院葯物研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】▲ゆい▼ 石山
(72)【発明者】
【氏名】陳 暁光
(72)【発明者】
【氏名】呂 海寧
(72)【発明者】
【氏名】李 燕
(72)【発明者】
【氏名】徐 嵩
(72)【発明者】
【氏名】馬 双剛
(72)【発明者】
【氏名】劉 振佳
(72)【発明者】
【氏名】張 翼
(72)【発明者】
【氏名】扈 金萍
【審査官】 東 裕子
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第101189968(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第101058578(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の公式(I)に示した、異なる酸と形成した(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩。
【化1】
(式中のHXは、酒石酸、クエン酸、マレイン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸、コハク酸から選択される
【請求項2】
薬学上受け入れることができるキャリアーに、有効用量の請求項1記載の化合物を含有することを特徴とする医薬組成物。
【請求項3】
剤形が、錠剤、カプセル、丸剤、注射剤、徐放性製剤、放出制御製剤や微粒子投与システムから選択されることを特徴とする請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
癌を予防および/または治療する医薬品を製造するための、請求項1の化合物の使用。
【請求項5】
前記癌が、ヒト大腸がん、ヒト胃がん、ヒト卵巣癌、子宮頸癌、肝臓がん、肺がん、膵臓がん、リンパ腫及び神経膠腫から選択されることを特徴とする請求項4に記載の化合物の使用。
【請求項6】
炎症疾患を予防および/または治療する医薬品を製造するための、請求項1記載の化合物の使用。








【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩、13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩の製造方法、それらを含む薬物の組成物、及びその種類の化合物が癌及び/または炎症性疾患の予防及び/または治療における薬物の製造への応用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
主にガガイモ科チロフォラ属に分布しているフェナントロインドーリジディンアルカロイドは、様々な薬理活性を持っていて、その中で抗腫瘍作用と抗炎症作用は特に注目されている。米国国立がん研究院(NCI)における抗腫瘍スクリーニングにより、この種類のアルカロイドは60種類の腫瘍細胞株に顕著に作用し、成長の半数阻害量(GI50)は10−8Mのレベルであり、悪性腫瘍に重要な役割を果たし、例えば、メラノーマと肺がんの細胞に良好な選択性を持ち、薬剤耐性癌細胞株に対して有効であるうえに、他の抗がん剤に無交差耐性を持っていることが見出された。
【0003】
(+)13a−(S)脱酸チロホリニン(既に化合物の特許を申請。特許文献1参照)は、ガガイモ科チロフォラ属の植物Tylophora atrofolliculata Metcalfから分離されたフェナントロインドーリジディンアルカロイドであり、強い抗腫瘍活性を有し、in vitroで、この化合物のKetr3、HCT−8、A549、BGC−803、Bel−7402、B16BL6、KB、CaSE−17、HL−60などの腫瘍細胞株に対するIC50は0.1―0.3μMの間であることが示された。in vivoで(+)13a−(S)脱酸チロホリニンが、マウス肝癌H22とマウスのLewis肺癌の増殖に顕著な抑制作用を持つことが示された。また、in vivoでも良好な抗腫瘍活性を持つことが示された。初期段階での毒性実験では、この化合物は毒性が低いもので、肝臓毒性と腎臓毒性は示されなかった。
【0004】
この化合物の抗腫瘍活性メカニズムの研究で、細胞のDNAとRNA、及びタンパク質合成への影響が示され(非特許文献1参照)、さらなる分子薬理学の研究では、そのメカニズムは臨床で使用された抗がん剤とは全く異なり、RNAの転写に影響を及ぼすようなNF−κBシグナル伝達経路に選択的に強力な抑制作用を有し、更に、この作用の強さは細胞毒性と対応するが(非特許文献2参照)、具体的に作用するターゲットの特定はまだ検討中である。
【0005】
これらの化合物の抗炎症作用もNF−κBシグナル伝達経路の抑制と関連し、この作用はNF−κBシグナル伝達経路上流のMEKK1の作用と密接に関連するが(非特許文献3参照)、ターゲットの特定は依然として不明である。しかし、(+)13a−(S)−脱酸チロホリニンは脂溶性が強く、水には不溶である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】中国特許出願第200610076298.X号(CN101058578Aとして公開)
【特許文献2】中国特許出願第200910079163.2号
【非特許文献1】Bioorg Med Chem Lett.2006,16: 4300−4304.
【非特許文献2】Mol Cancer Ther.2006,5(10):2484− 2493.
【非特許文献3】Mol Pharm.2006,69(3):749−758.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決すべき技術的な問題点は、提供した公式(I)に示された13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩、及びその薬力学上の許容出来る水和物またはプロドラッグを提供することである。
【0008】
本発明が解決すべきもう一つの技術的な問題点は、提供した公式(I)に示された13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩、及びその薬力学上の許容出来る水和物またはプロドラッグの製造方法を提供することである。
【0009】
本発明が解決すべきもう一つの技術的な問題は一種の医薬組成物で、その中に、少なくとも提供した公式(I)に示された13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩、及びその薬力学上許容出来る水和物またはプロドラッグ、及びその薬用キャリアー及び/または賦形剤を含む組成物を提供することである。
【0010】
本発明が解決すべきもう一つの技術的な問題は提供した公式(I)の13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩、及びその薬力学上の許容出来る水和物またはプロドラッグが癌や炎症の予防及び/または治療に応用する時の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
これらの技術的な問題を解決するために、本発明に使用された技術的な方案は、以下のとおりである。
本発明は公式(I)のような化合物である。
【0012】
【化1】
公式(I)において、HXは有機酸または無機酸を代表する。
【0013】
HXは無機酸を代表するするとき、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、硝酸を含むが、これらに限定されない。HXは有機酸を代表するとき、酒石酸、クエン酸、マレイン酸、乳酸、サリチル酸、リンゴ酸、安息香酸、アジピン酸、フマル酸、コハク酸、スルホン酸、アルギン酸、アミノ酸、アセチル酸、葉酸、N−シクロヘキシル−アミノスルホン酸、ポリ−ガラクツロン酸、スルホン酸、p−トルエンスルホン酸、クエン酸を含むが、これらに限定されない。好ましい有機酸は酒石酸、クエン酸、マレイン酸、乳酸、サリチル酸、リンゴ酸、安息香酸、アジピン酸、フマル酸、コハク酸から選択される。
【0014】
本発明によれば、公式(I)のように示された13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩は含むが、公式(IA)に示された化合物に限定されない。
【0015】
【化2】
(IA)において、HXは酒石酸、クエン酸、マレイン酸、乳酸から選択される。
【0016】
本発明により、優先的に選択される13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩は、例えば以下式の化合物だが、これらに限定されない。
【0017】
【化3】
【発明の効果】
【0018】
(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンは高脂溶性で、水に不溶であり、光や空気中で芳香族になり、不純物が発生しやすくなる。それを塩にすることにより、水溶性が大幅に上がる。(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩について、その抗腫瘍活性は原型化合物(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンに相当し、(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩は後期にて抗腫瘍活性が維持される。(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンが塩になったため、吸収速度は速くなり、ピーク時間が短く、平均滞留時間(MRT)が延長され、生物学的利用能(AUC)が上がるなど、薬物動態学的特性が最適化される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニン及びその塩がH22移植腫瘍の成長への影響
図2】(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニン及びその塩が腫瘍KMマウス体重への影響
図3】(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニン及びその塩がH22移植腫瘍の成長への影響
図4】(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンのマウス血漿の標準曲線
図5】マウスに経口投与した三種類の(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩およびそのプロトタイプの薬物(6mg/kg)の血漿薬物濃度 − 時間曲線
図6】マウスに経口投与した(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンの酒石酸塩(6mg/kg)の脳組織内薬物含有量
図7】マウスに経口投与した(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンのマレイン酸塩(6mg/kg)の脳組織内薬物含有量
図8】マウスに経口投与した(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンのクエン酸塩(6mg/kg)の脳組織内薬物含有量
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の目的を完了するために、以下の反応式に示される手段をとった。
【0021】
【化4】
【0022】
具体的な操作は、次の手順を含む。同等の(+)13a−(S)−脱酸チロホリニン(CAT− 1)と相当する酸HXを無水エタノール中に懸濁し、50℃で30分間撹拌反応させ、反応液は透明になる。その反応液を室温まで冷やし、蒸発後、その塩の固体が得られる。得られた固体をエタノールで再結晶により精製する。
【0023】
本発明において、(+)13a−(S)−脱酸チロホリニンの製造は《右旋性脱酸チロホリニン、その製造法及びその医薬組成物と用途》(特許文献1)と《13a−(S)−脱酸チロホリニンの誘導体,その製造法及びその医薬組成物と用途》(特許文献2)を参照する。
【0024】
本発明はまた、一種の有効薬物用量を含む公式(I)に述べたような13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩と薬学的に許容されるキャリアーからなる医薬組成物に関わる。
【0025】
本発明はまた、活性成分として、13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩と常規薬物賦形剤または補助剤との医薬組成物に関わる。通常、本発明の医薬組成物は13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩を0.1〜95重量%含でいる。13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩は単位投与形態で0.1〜100mg含まれ、優先的に選択された単位剤形では4〜50mgを含む。
【0026】
13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩の医薬組成物は、本分野での公知の方法に従って作ることができる。この目的に使う時、必要に応じて、13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩は一つまたは多種の固体または液体薬物賦形剤及び/または助剤と組み合わせ、人の薬または獣薬に使用する適切なアプリケーションのフォームや剤形にする。
【0027】
13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩、またはそれを含む医薬組成物を単位用量形態で投薬することができる。投与経路は腸または非腸管であり、例えば経口、筋肉、皮下、鼻腔、口腔粘膜、皮膚、腹膜、または直腸に投与することができる。13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩またはそれを含む医薬組成物の投与経路は注射で投薬できる。注射は静脈注射、筋肉内注射、皮下注射、皮内注射と鍼注射などを含む。
【0028】
投薬製剤は、液体製剤、固形製剤にすることができる。例えば液体製剤として、真溶液類、コロイドタイプ、粒子製剤、エマルジョン製剤、懸濁製剤にすることができる。他の剤形として、例えば錠剤、カプセル剤、丸剤、エアゾール剤、錠剤、粉末、溶液、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、坐剤、注射用凍結乾燥粉末などにすることができる。
【0029】
13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩は、普通の製剤、または徐放性製剤、徐放性製剤、標的薬物送達製剤及び様々な粒子投薬システムにすることができる。例えば、単位投薬用量を錠剤にするため、この領域内でよく知られている様々なキャリアーを使用することができる。キャリアーの例としては、希釈剤と吸収剤があり、例えば、デンプン、デキストリン、硫酸カルシウム、乳糖、マンニトール、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶セルロース、ケイ酸アルミなどである。
【0030】
湿潤剤と接着剤としては、例えば、水、グリセリン、ポリエチレングリコール、エタノール、プロパノール、澱粉、デキストリン、シロップ、蜂蜜、グルコース溶液、アラビアゴム、ゼラチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、セラック、などのメチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドンなどである。
【0031】
崩壊剤としては、例えば、乾燥澱粉、アルギン酸塩、寒天、アルギン酸塩、澱粉、炭酸水素ナトリウムとクエン酸、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ドデシル硫酸ナトリウム、メチルセルロース等の、エチルセルロースなどである。
【0032】
崩壊抑制剤としては、例えば、砂糖、モノステアリン酸グリセリン、ココアバター、ヒマシ油などであり;吸収促進剤としては、四級アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウムなどである;滑沢剤としては、例えば、タルク、シリカ、コーンスターチ、ステアリン酸塩、ホウ酸、流動パラフィン、ポリエチレングリコールなどである。
【0033】
錠剤を更にカプセル剤にすることができ、例えば、糖被覆錠剤、フィルムコーティング錠、腸溶コーティング錠剤、または二層コーティング錠錠剤、多層コーティング錠剤にもすることができる。例えば、投薬単位を錠剤にするため、広く本領域内でよく知られる様々なキャリアーを使用することができる。キャリアーの例に関しては、例えば希釈剤と吸収剤は、グルコース、ラクトース、デンプン、カカオバター、植物油、ポリビニルピロリドン、グリセロールモノステアレート、カオリン、タルクなどであり、接着剤としては、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、エタノール、ハチミツ、液糖、米粉で作られた粘液、こう麦粉で作られた粘液などであり、崩壊剤としては、例えば、寒天粉、乾燥澱粉、アルギン酸、ドデシル硫酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロースなどである。
【0034】
例えば、投薬単位をカプセルにするため、有効成分である13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩を上記の様々なキャリアーと混合し、更に、得られた混合物を硬ゼラチンカプセル剤または軟カプセルに入れる。または、有効成分である13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩をマイクロカプセルにし、水性媒体中に懸濁された懸濁液を形成し、または、硬カプセル剤または注射剤などのアプリケーションにすることができる。
【0035】
例えば、13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩を注射用製剤にし、溶液剤、懸濁液溶液剤、乳剤、凍結乾燥粉末、そのような薬剤は水を含むまたは含まないことができ、一種及び/または多種の薬力学的に許容される様々なキャリアー、希釈剤、結合剤、潤滑剤、防腐剤、界面活性または分散剤を含む。例えば、希釈剤として、水、エタノール、ポリエチレングリコール、1,3―プロピレングリコール、ステアリルアルコールエトキシレート、複数の異なる酸化ステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステル、脂肪酸などから選択することができる。また、等張注射液を製造するために、注射剤に適当な量の塩化ナトリウム、グルコースまたはグリセロールを加えることができ、また、通常の助溶剤、緩衝液、pH調整剤などを追加することができる。これらの材料は、本領域内ではよく使用される。
【0036】
他に必要に応じて、医薬製剤に着色剤、防腐剤、香料、風味剤、甘味料、または他の材料を加えることができる。投薬の目的を達成し、治療の効果を向上させるために、本発明は薬剤または薬剤組成物にいずれかの公知られる投薬方法で投与することができる。
【0037】
13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩の医薬組成物の投与量は数多くの要因に左右され、例えば、予防または治療する疾患の性質と重症度、患者または動物の性別、年齢、体重、性格及び個体反応、投与経路、投与頻度、治療目的に関連する。従って、本発明は、投与量の変化が広い範囲を持つことができる。一般的には、本発明の医薬組成物の使用量は本分野の技術スタッフによく知られている用量である。13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩の組成物の最終的量に含まれた実際の薬物の用量により、適切に調整し、治療有効量の要求に達成し、本発明の予防または治療目的を実現する。13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩の日用量の適切な範囲は、13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩の量は0.001〜100mg/Kg体重で、好ましいのは0.1〜60mg/kg体重、より好ましいのは1〜30mg/Kg体重、最適な量は2〜15mg/Kg体重である。成人患者が服用する13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩は毎日10〜500mg で、好ましくは20〜100mgで、一度に服用するか、または2―3回に分けて服用することができる;子供の用量はkg当たり体重に、5〜30mgにし、好ましくは10〜20mg/kg体重である。
【0038】
上記の薬剤の用量は単回投与、または何回に分けて、例えばニ回、三回または四回に分けて投薬剤形にすることができるが、処方する医師の臨床経験及び治療手段の投薬方案に決められる。13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩または組成物は単独服用または他の治療薬物または対症薬物と合併して使用できる。
【0039】
また、本発明は13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩が癌及び/または炎症疾患の薬物の製造に応用できる。特にヒト大腸癌、ヒト胃癌、ヒト卵巣癌、子宮頸がん、肝臓、肺癌、膵臓癌、リンパ腫及び神経膠質腫瘍などの腫瘍に応用できる。
【実施例】
【0040】
以下の実施例は本発明をさらに説明するために使用されたもので、本発明に何の制限もない。
【0041】
(英語略語の説明)
下記の英語略語を使う。
CTX:シクロホスファミド
LC/MS/MS:LC−MS
DMSO:ジメチルスルホキシド
MRT(0−∞):平均滞留時間
AUC(0−∞):生物利用能
t1/2z:半減期
TMAX:ピーク到達時間
Cmax:ピーク濃度
+CAT:(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニン
【0042】
(初期化合物の製造)
本発明の実施例に使われた初期化合物は、本領域内の通常方法及び/または本領域の技術者によく知られる方法で製造することができるが、以下の製造例に従って製造することもできる。
製造例:(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンの製造
【0043】
【化5】
【0044】
《右旋性脱酸チロホリニン,その製造法及びその医薬組成物と用途》(特許文献1)と《13a−(S)−脱酸チロホリニンの誘導体,その製造法及びその医薬組成物と用途》(特許文献2)を参照する。比旋光:[α]20 (c=0.25,CHCl)=+102°,ee=99.1% [キラルAD−Hカラム、移動相:イソプロパノール:ヘキサン(15:85)、0.1%トリエチルアミン;λ=254nm;t(major)=18.79min, t(minor)=26.09min],ESI−MS:364.2 [M+H]+,H−NMR(400MHz,CDCl): 7.92(1H,d,J=9.2Hz,H−1), 7.21(1H,dd,J=9.2Hz,2Hz,H−2), 7.88(1H,d,J=2Hz,H−4), 7.90(1H,s,H−5), 7.12(1H,s,H−8), 4.00(3H,s,MeO),4.04(3H,s,MeO), 4.09(3H,s,MeO), 4.62(1H,d,J=14.8Hz,H−9), 3.71(1H,d,J=14.8Hz,H−9), 3.45(1H,m,H−10), 3.39(1H,m,H−10), 2.98(1H,m,H−14), 2.57(1H,m,H−13a), 2.53(1H,m,H−10), 2.24(1H,m,H−12), 2.04(1H,m,H−11), 1.93(1H,m,H−11), 1.78(1H,m,H−12)。13C−NMR(100MHz,CDCl): 125.11(C−1), 114.83(C−2),157.61(C−3), 104.55(C−4), 103.92(C−5), 149.42(C−6), 148.30(C−7), 103.02(C−8),53.46(C−9), 54.91(C−10), 21.53(C−11), 31.03(C−12), 60.15(C13a), 33.03(C−14),55.48(C3−OMe), 55.96(C6−OMe), 55.90(C7−OMe)及びB環の炭素:123.34, 125.41,125.42, 126.78, 130.39(一つの炭素シグナルを重なる)。HRMS (ESI) calcd for [M]2326NO
363.1834, found 363.1852。
【0045】
(実施例1):(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニン20mgとL−酒石酸塩(CAT−1酒石酸塩)の合成
【0046】
【化6】
【0047】
反応物(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニン20mgとL−酒石酸8.26mgを5mLのエタノールに入れ、反応溶液を還流まで加熱し、10分間攪拌し、室温まで冷却させ、反応液を2mlまで濃縮させ、放置することにより、白っぽい沈殿物が析出し、濾過後を22mgの固体を得られ、mp:216〜218℃で、産物は水に溶解できた。
【0048】
(実施例2):(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンのマレイン酸塩(CAT−1マレイン酸)の合成
【0049】
【化7】
【0050】
反応物(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニン50mgとマレイン酸16mgを10mLのエタノールに加え、反応溶液を還流まで加熱し、10分間攪拌し、溶液が透明になり、室温まで冷却させ、反応液を5mlまで濃縮させ、放置することにより、淡い黄色の沈殿物が析出し、濾過後を45mgの固体を得られ、mp:216〜218℃、産物は水に溶解できた。
【0051】
(実施例3):(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンのクエン酸(CAT−1クエン酸塩)の合成
【0052】
【化8】
【0053】
反応物(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニン50mgとクエン酸29mgを10mLのエタノールに加え、反応溶液を還流まで加熱し、10分間攪拌し、溶液が透明になり、室温まで冷却させ、反応液を5mlまで濃縮させ、放置することにより、淡い黄色の沈殿物が析出し、濾過後を60mgの固体を得られ、mp:142〜144℃で、産物は水に溶解できた。
【0054】
(実施例4):(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンの寧乳酸(CAT−1乳酸)の合成
【0055】
【化9】
【0056】
反応物(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニン50mgと乳酸14mgを10mLのエタノールに加え、反応溶液を還流まで加熱し、10分間攪拌し、溶液が透明になり、室温まで冷却させ、反応液を5mlまで濃縮させ、放置することにより、淡い黄色の沈殿物が析出し、濾過後を45mgの固体を得られ、mp:115〜117℃で、産物は水に溶解できた。
【0057】
(実施例5):(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩酸塩(CAT−1塩酸塩)の合成
【0058】
【化10】
【0059】
反応物(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニン20mgを5mLのジクロロメタンに溶解し、撹拌しながら、乾燥したHClガスを溶液内に通過させ、溶液が淡い黄色になり、持続してHClガスを溶液内に通過させ、30分間反応した後、反応液を乾燥させ、白い固体を20mg得られ、mp:225〜227℃であった。
【0060】
(実施例6):(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンの硫酸(CAT−1硫酸塩)の合成
【0061】
【化11】
【0062】
反応物(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニン1gを5mLのエタノールに加え、撹拌しながら、この溶液内に20%(V/V)の硫酸を含むエタノール溶液を3ml加え、反応溶液を還流まで加熱し、溶液が透明になり、室温まで冷却させ、淡い白っぽい沈殿物が析出し、濾過後、1.1gの固体を得られた。mpは175〜177℃である。
各サンプルの溶解度(水)を以下の表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
(薬理実験)
(実験例1):in vitroでの抗腫瘍活性の測定(MTT法)
1.実験手順
(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩のin vitroでの抗腫瘍活性を測定するために、本発明の実施例では、製造した化合物について測定し、その実験手順は以下のようである。
手順1:正常に成長する腫瘍細胞を培養し、1×10細胞/mLの程度で96ウェルプレート(各ウェル100μL)に接種し、37℃、5%CO2インキュベーターに24時間培養する。
手順2:それぞれの被験化合物を添加し、5%CO2、完全に湿度インキュベーターに5日間培養する。
手順3:培養液を廃棄し、穴毎に0.04%MTTを100μL加え、同じ条件下で培養する。
手順4:培養液を廃棄し、DMSOを(穴毎に150μL)加え、混合後、検出波長570nm及び参照波長450nmでの発色記録光の吸収度を測定し、化合物が腫瘍細胞の増殖阻害率で計算する。
【0065】
2.結果
実験結果を表2に示す。
【0066】
【表2】
【0067】
3.結論
以上の結果から(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンの有機塩は(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンと同じく、in vitroで有意な抗腫瘍活性を持っていることがわかった。
【0068】
(実験例2):(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニン及びその有機酸塩のin vivoでの薬効果学実験
(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニン及びその有機酸塩の薬効果学の特徴を測定するため、(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニン及び三種類の有機酸塩がH22マウスでの腫瘍の成長への影響を観察した。
【0069】
1.実験動物
KM種のクリーンレベルのマウス、雄、体重18〜22g、中国人民解放軍軍事医学科学院実験動物センターから購入し、動物合格証明書番号:SCXK−(軍)2007―004。各実験組に動物を6匹にし、合計10グループで、60匹である。
【0070】
2.薬物と用量
(1)被験サンプル
(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニン(+CAT)、(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンの酒石酸塩(Tartrate)、(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンのマレイン酸塩(Malate)及び(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンのクエン酸塩(Citrate)、すべて中国医学科学院研究所植化室のユイ石山研究者の研究グループにより提供され。陽性対照のシクロホスファミド(CTX)は、北京友好病院から購入した。
各サンプルの分子量は以下のとおりである。
【0071】
(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニン(+CAT)MW:363.45
(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンの酒石酸塩(Tartrate)MW:513.54
(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンのマレイン酸塩(Malate)MW:479.52
(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンのクエン酸塩(Citrate)MW:573.59
【0072】
(2)投薬用量
(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンを高用量の5mg/kgと低用量の2.5mg/kg与え、三種類の(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩を5mg/kgと2.5mg/kgである(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンと同じモル数に換算して与える。(酒石酸塩(Tartrate)は:7.05mg/kgと3.53mg/kgで。マレイン酸塩は6.60mg/kg及び3.30mg/kgで、クエン酸クエン酸は7.90mg/kg及び3.95mg/kgである。)H22に接種してから24時間後、経口投薬し、毎日に一度与え、合計7回である。CTXを100mg/kg腹腔内注射し、H22に接種してから24時間後、一回のみ与える。
【0073】
3.方法
実験動物はSPFレベルの環境で飼育し、24時間観察後、異状なしを認められてから実験に入ることとなる。予めKMマウス腹腔から蘇生したH22腫瘍腹水を、滅菌生理食塩水で1:3の比例で希釈する。希釈腫瘍液を実験マウスの左前肢に皮下接種し、それぞれのマウスに希釈腫瘍液を0.2ml注入する。すべての動物は注射後に実験の要求に応じてランダムに12グループに分けられ、グループ毎に6匹である。
接種24時間後から投与し、4種試薬を毎日1回、胃に注入する。陽性対照薬CTXは腹腔注射され、一度。毎日動物体重を記録する。
【0074】
4.結果
結果を表3に示す。
【0075】
【表3】
【0076】
5.結論
以上の結果から以下のことがわかった。(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンの有機酸塩は高用量投薬の時に、実験動物の腫瘍増殖抑制率は原型薬と比較して、相当するか、またはやや高く、低用量投薬の時に、実験動物の腫瘍増殖抑制率は原型薬と比較して、やや低いが、全て対照薬シクロホスファミド(CTX)より高い。これが示唆したのは(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンが相応の有機酸と塩になり、その抗腫瘍活性を保つことができた。
【0077】
(実験例3):(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニン及びその硫酸塩の体内での薬効学実験
1.目的
脱酸チロホリニンの硫酸塩(Sulfate)がH22腫瘍マウスの腫瘍生長への影響を観察した。
【0078】
2.実験動物
KM種のクリーンレベルのマウス、雄、体重18〜22g、中国人民解放軍軍事医学科学院実験動物センターから購入し、動物合格証明書番号:SCXK−(軍)2007―004。
【0079】
3.薬物と用量
(1)被験サンプル
被験サンプルはすべて中国医学科学院研究所植化室のユイ石山研究者の研究グループにより提供され。陽性対照のシクロホスファミド(CTX)は、北京友好病院から購入した。
(2)投薬用量及び投与方法
すべてのサンプルは経口投与の方法を採用し、毎日一回、投与体積は0.2ml/10gである。
脱酸チロホリニンの硫酸塩(Sulfate)は五つ違う用量グループにし:3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kgと8mg/kgである。
【0080】
4.実験方法
実験動物はSPFレベルの環境で飼育し、24時間観察後、異状なしを認められてから実験に入ることとなる。予めKMマウス腹腔から蘇生したH22腫瘍腹水を、滅菌生理食塩水で1:3の比例で希釈する。希釈腫瘍液を実験マウスの左前肢に皮下接種し、それぞれのマウスに希釈腫瘍液を0.2ml注入する。すべての動物は注射後に実験の要求に応じてランダムに13グループに分けられる。節酒24時間後投薬を始める。
【0081】
5.結果
結果を表4に示す。
【0082】
【表4】
【0083】
CATの硫酸塩を8mg/kgの用量で経口投薬六日目に3匹死亡し、7日目に3匹死亡し、投薬を中止した。本組腫瘍の重量と抑制率は投与7日目に剖解して、取得した腫瘍の重量のデータである。
【0084】
(実験例4): (+)−13a−(S)−脱酸チロホリニン及びその有機酸塩の後血漿薬物動態学及び脳組織での薬物分布研究実験
(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニン及び有機酸塩の薬物動態学の特徴を観察するために、(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニン及びその三種類の有機酸塩の後血漿薬物動態学及び脳組織での薬物分布特性を研究した。
【0085】
1.実験動物
オスICRマウス、体重は20〜22gであり、北京維通利華実験動物技術有限会社が提供した。動物許可証明書番号:SCXK(京都)2007−0001。
【0086】
2.薬物と用量
(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンの酒石酸塩、(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンのマレイン酸塩、(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンのクエン酸塩は中国医学科学院薬物研究所ユイ石山研究グループが提供し、実験時に、ダブル二回蒸留した蒸留水で濃度を0.6mg/mlの溶液に調整する。
【0087】
3.実験方法
マウス72匹を3組に分けられ、一組に24匹である。実験前に16h断食させ、自由に飲水出来る。マウスに違う脱酸チロホリニンの塩(6mg/kg)を経口投与後、それぞれ5、15、30min、1、2、3、4、6hで採血し、血漿を遠心分離する。また、マウスに違う脱酸チロホリニンの塩を経口投与後、それぞれ5、15、2hで脳の組織を取り出し、生理食塩水を加え、25%の組織ホモジナイズを作る。組織ホモジナイズと血漿サンプルく200μlを同体積のアセトニトリルでタンパクを沈澱させ、上澄み液を5μl取り出し、LC/MS/MS分析に使う。
【0088】
4.結果
(1).血漿標準曲線
(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンをDMSOで溶解した後に更にメタノールで希釈し、濃度はそれぞれ10、50、100、500、1000、2500ng/mlである。ネガコン血漿200μlの中に順次に異なる濃度の(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニン標準溶液を10μl加え、(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンの最終濃度をそれぞれ0.5、2.5、5、25、50、125ng/mlにし、190μlのアセトニトリルを加え、タンパクを沈澱させ、上澄み液を5μl取り出し、LC/MS/MS分析に使う。各サンプルマップにより、(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンのピーク面積を縦軸にし、その濃度(ng/ml)を横座標にし、線形回帰をする。結果を表5に示す。0.5−125ng/ml濃度の範囲内で、血漿サンプルの中のチロホリニン濃度と譜表ピーク面積線形の関係は良好で、相関係数は0.999である。
【0089】
【表5】
【0090】
(2)マウスに経口投与した(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンの三種の塩(6mg/g)について後血漿薬物動態
マウスに経口投与した(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンの酒石酸塩、マレイン酸塩及びクエン酸塩(6mg/kg)の後血漿薬物濃度−時間データは、表6〜8を見る。マウスに(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンの三種の塩を経口投与した後、吸収が比較的速く、投与後5minに血中で原型薬を測ることができ、酒石酸塩が15minでピークに到達し、ピーク濃度は34.2±3.1ng/mlであり、マレイン酸塩は5minでピークに到達し、ピーク濃度は35.4±3.5ng/mlであり、クエン酸塩15minでピークに到達し、ピーク濃度は20.1±12.2ng/mlである。薬物はマウス体内で比較的速く消去し、投与後6hに血中濃度は検出最低限界に近い。マウスに経口投与した(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩の薬時曲線は、DASプログラムを応用し、非房室モデルを使い、薬物動態パラメータは表9に示す。(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンの三種の塩のマウス体内でのMRT(0−∞)は1.63〜2.29hで、明らかに原型薬(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニン(0.8h)より長い。酒石酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩のAUC(0−∞)はそれぞれ37.85、49.91と33.08ug/L*hであり、原型薬(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンのAUC(0−∞)は33.67ug/L*hである。マレイン酸塩のAUC(0−∞)は明らかに他の3種類の塩と原型薬(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンより高い。酒石酸塩とクエン酸塩のAUC(0−∞)は原型薬に近い。
【0091】
【表6】
【0092】
【表7】
【0093】
【表8】
【0094】
【表9】
【0095】
(3).マウスに経口投与した三種類の(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩(6mg/kg)の後薬物の脳組織での分布研究
マウスに経口投与した三種類の(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンの酒石酸塩、マレイン酸塩及びクエン酸塩(6mg/kg)の後薬物の脳組織での薬物濃度−時間表データは表10〜12し示す。その結果、マウスに(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンの塩を経口投与した後、薬物が脳組織に比較的に入りやすくなる。投与後5minに、脳組織の中で原型薬が測れる。投与後15minに、脳組織で分布ピークが現れる。投与2h後、脳組織の中である程度の薬物が維持している。チロホリニンの酒石酸塩、マレイン酸塩は三つの時間ポイントで、薬物の含有量は原型薬より高いが、クエン酸塩の含有量は原型薬より低い。
【0096】
【表10】
【0097】
【表11】
【0098】
【表12】
【0099】
5.結論
マウスに(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンの酒石酸塩、マレイン酸塩とクエン酸塩(6mg/kg)を経口投与した後、吸収が比較的速く、ピークに到達する時間は5〜30minであり、ピーク濃度は18.0〜35.4ng/mlであり、(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンの三種の塩のマウス体内でのMRT(0−∞)は1.63〜2.29hで、明らかに原型薬(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニン(0.8h)より長い。酒石酸塩、マレイン酸塩とクエン酸塩のAUC(0−∞)はそれぞれ37.85,49.91と33.08ug/L*hで、原型薬(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンのAUC(0−∞)は33.67ug/L*hであり、そのうち、マレイン酸塩のAUC(0−∞)は明らかに他の2種類の塩及び原型薬(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンより高く、酒石酸塩とクエン酸塩のAUC(0−∞)は原型薬に近い。
【0100】
マウスに(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンの酒石酸塩、マレイン酸塩及びクエン酸塩(6mg/kg)を経口投与後5minで、脳組織の中で原型薬が測れる。投与後15minで、脳組織内での分布がピークに至る。投与2h後、脳組織の中ではまだいっていの薬ぶつレベルを維持する。(+)−13a−(S)−脱酸チロホリニンの酒石酸塩、マレイン酸塩は三つの時間点での薬物の含有量は原型薬より高いが、クエン酸塩は原型薬より下回る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8