(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5698746
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】データ送信モード間における遷移のためのシグナリング
(51)【国際特許分類】
H04L 29/06 20060101AFI20150319BHJP
H04L 29/08 20060101ALI20150319BHJP
H04L 1/16 20060101ALI20150319BHJP
G06F 13/38 20060101ALI20150319BHJP
【FI】
H04L13/00 305C
H04L13/00 307D
H04L1/16
G06F13/38 320A
【請求項の数】28
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2012-522848(P2012-522848)
(86)(22)【出願日】2010年7月7日
(65)【公表番号】特表2013-500682(P2013-500682A)
(43)【公表日】2013年1月7日
(86)【国際出願番号】US2010041246
(87)【国際公開番号】WO2011014339
(87)【国際公開日】20110203
【審査請求日】2013年7月2日
(31)【優先権主張番号】12/512,877
(32)【優先日】2009年7月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504441048
【氏名又は名称】シリコン イメージ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【弁理士】
【氏名又は名称】天城 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100149696
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 俊夫
(72)【発明者】
【氏名】アルトマン ウィリアム コンラッド
【審査官】
森谷 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2008/069050(WO,A1)
【文献】
特開2008−294533(JP,A)
【文献】
特開平07−105110(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 29/06
G06F 13/38
H04L 1/16
H04L 29/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のモードのデータストリームを、少なくとも1つのデータ線を介して第1の装置から第2の装置へ送信するステップと、
前記第1の装置が、前記データストリームを前記第1のモードから第2のモードに変更すべきであることを決定するステップと、
前記第1の装置が前記データストリームを前記第1のモードから前記第2のモードに変更するつもりである旨を示すメッセージを、前記第2のモードへの変更前に少なくとも1つの制御線を介して前記第1の装置から前記第2の装置へ送信するステップと、
少なくとも1つの前記制御線上にある前記第2の装置からの応答メッセージを待つステップと、
前記第2の装置からの肯定応答を受信しない一定時間の経過時に、前記データストリームの送信を前記第2のモードに切り換えるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
第1のモードのデータストリームを、少なくとも1つのデータ線を介して第1の装置から第2の装置へ送信するステップと、
前記第1の装置が、前記データストリームを前記第1のモードから第2のモードに変更すべきであることを決定するステップと、
前記第1の装置が前記データストリームを前記第1のモードから前記第2のモードに変更するつもりである旨を示すメッセージを、前記第2のモードへの変更前に少なくとも1つの制御線を介して前記第1の装置から前記第2の装置へ送信するステップと、
少なくとも1つの前記制御線上にある前記第2の装置からの応答メッセージを待つステップと、
前記第2の装置からの否定応答メッセージの受信時に、前記データストリームを前記第2のモードに遷移させることを控えるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
前記データストリームを前記第1のモードから第2のモードに変更すべきであることを決定するステップが、データモードの変更要求を受信するステップを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の装置による前記第2の装置への送信前に、前記データストリームを暗号化するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の装置が、前記受信したデータストリームを第3の装置へ再送信するためのブリッジ装置である、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第3の装置が、前記データストリームを使用するためのシンク装置である、
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第3の装置が、第2のブリッジ装置である、
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
第1のモードのデータストリームを第1の方法で解釈する第2の装置において、第1の装置から少なくとも1つのデータ線を介して前記データストリームを受信するステップと、
前記第2の装置において、前記第1の装置が前記データストリームを前記第1のモードから第2のモードに変更するつもりである旨を示すメッセージを、前記第2のモードへの変更前に前記第1の装置から少なくとも1つの制御線を介して受信するステップと、
前記データストリームの前記第2のモードへの遷移に備える動作を行うステップと、
前記第2の装置が前記第2のモードの前記データストリームを受け入れられないと判断し、少なくとも1つの前記制御線を介して前記メッセージの否定応答を前記第1の装置へ送信するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記第2の装置が、前記受信したデータストリームを第3の装置へ再送信するためのブリッジ装置である、
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記受信したデータストリームを解読し、前記データストリームを再暗号化して前記第3の装置へ送信するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のモードから前記第2のモードへの遷移中に、前記第3の装置のための前記データストリームの同期を維持するための追加データを送信するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記第3の装置が、前記メッセージのプロトコルをサポートしない、
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項13】
第1のモードのデータストリームを第1の方法で解釈する第2の装置において、第1の装置から少なくとも1つのデータ線を介して前記データストリームを受信するステップと、
前記第1のモードの前記受信したデータストリームを前記第2の装置内にある第1のデータ経路上で送信するステップと、
前記第2の装置において、前記第1の装置が前記データストリームを前記第1のモードから第2のモードに変更するつもりである旨を示すメッセージを、前記第2のモードへの変更前に前記第1の装置から少なくとも1つの制御線を介して受信するステップと、
前記データストリームの前記第2のモードへの遷移に備える動作を行うステップと、
前記第2の装置において、前記第2のモードの前記データストリームを受信し、前記データストリームを第2の方法で解釈するステップと、
前記第2の装置が、前記メッセージの受信に応答して、前記第2のモードの前記データストリームを受信することを見越して、前記受信したデータストリームを前記第2の装置内にある第2のデータ経路に切り換えるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
前記制御線を介して前記メッセージの肯定応答を前記第1の装置へ送信するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記遷移に備える動作が、前記モードが変更されるまで前記データストリームを消音し、遷移中に無効なデータストリームを送信することなく前記第2のモードで再開するステップを含む、
ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
第1のモードのデータストリームを第1の方法で解釈する第2の装置において、
第1の装置から少なくとも1つのデータ線を介して前記データストリームを受信するステップと、
前記第2の装置において、前記第1の装置が前記データストリームを前記第1のモードから第2のモードに変更するつもりである旨を示すメッセージを、前記第2のモードへの変更前に前記第1の装置から少なくとも1つの制御線を介して受信するステップと、
前記データストリームの前記第2のモードへの遷移に備える動作を行うステップと、
前記第2の装置が、前記第2のモードへの遷移が一定時間内に検出されなかった場合に、前記第1のモードから前記第2のモードへの遷移をやめるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
送信側装置であって、
前記送信側装置からのデータストリームの送信を制御するためのコントローラと、
少なくとも一つのデータ線を介して前記データストリームを受信側装置へ送信するための送信機と、を備え、
前記送信機は、少なくとも1つの前記データ線上で、第1のモード及び第2のモードを含む複数のモードの前記データストリームを送信し、
前記コントローラは、前記送信側装置が前記データストリームの送信を前記第1のモードから前記第2のモードに変更するつもりである旨を前記受信側装置に通知するためのコマンド信号を、少なくとも1つの制御線を介して前記受信側装置に送信するとともに、前記送信機に前記第2のモードのデータストリームを送信するように指示し、
前記送信機は、前記送信側装置が前記第2のモードに切り換える前に前記コマンド信号を前記受信側装置へ送信し、
前記コントローラが、少なくとも1つの前記制御線上で前記受信側装置から肯定応答を受信するまで、又は前記肯定応答を受信せずに一定時間が経過するまで、前記第1のモードから前記第2のモードへの遷移を遅らせる、
ことを特徴とする送信側装置。
【請求項18】
前記受信側装置への送信前に前記データストリームを暗号化するための暗号化エンジンをさらに備える、
ことを特徴とする請求項17に記載の送信側装置。
【請求項19】
前記データストリームが、ビデオデータ、オーディオデータ、及び制御データのうちの1又はそれ以上を含む、
ことを特徴とする請求項17に記載の送信側装置。
【請求項20】
送信側装置であって、
前記送信側装置からのデータストリームの送信を制御するためのコントローラと、
少なくとも一つのデータ線を介して前記データストリームを受信側装置へ送信するための送信機と、を備え、
前記送信機は、少なくとも1つの前記データ線上で、第1のモード及び第2のモードを含む複数のモードの前記データストリームを送信し、
前記コントローラは、前記送信側装置が前記データストリームの送信を前記第1のモードから前記第2のモードに変更するつもりである旨を前記受信側装置に通知するためのコマンド信号を、少なくとも1つの制御線を介して前記受信側装置に送信するとともに、前記送信機に前記第2のモードのデータストリームを送信するように指示し、
前記送信機は、前記送信側装置が前記第2のモードに切り換える前に前記コマンド信号を前記受信側装置へ送信し、
前記コントローラが、前記受信側装置が前記第2のモードへの遷移を受け入れられない旨を示す否定応答メッセージを少なくとも1つの前記制御線上で前記受信側装置から受信したときに、前記第1のモードから前記第2のモードへの遷移を控える、
ことを特徴とする送信側装置。
【請求項21】
送信側装置から受信したデータストリームの処理を制御するためのコントローラと、
少なくとも1つのデータ線を介して前記送信側装置から前記データストリームを受信するための受信機と、を備えた装置であって、
当該装置は、少なくとも1つの制御線上で、第1のモード及び第2のモードを含む複数のモードの前記データストリームを受信するとともに、前記送信側装置が前記データストリームの送信を第1のモードから第2のモードに変更するつもりである旨を当該装置に通知するためのコマンド信号を、少なくとも1つの前記制御線を介して前記送信側装置から受信し、
前記コントローラは、前記第2のモードのデータストリームに備える動作を指示し、
前記コマンド信号は、前記データストリームが前記第2のモードに変更される前に受信され、
当該装置が、前記第2のモードのデータストリームを受け入れられないと判断したときに、少なくとも1つの前記制御線を介して前記コマンド信号の否定応答信号を前記送信側装置に提供する、
ことを特徴とする装置。
【請求項22】
当該装置は、前記データストリームを第3の装置へ再送信するためのブリッジ装置であり、前記データストリームを送信するための送信機をさらに備える、
ことを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記送信側装置から受信した前記データストリームを解読するための解読エンジンと、再送信前にデータストリームを再暗号化するための暗号化エンジンとをさらに備える、
ことを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記第2のモードのデータストリームに備えるための前記動作が、前記第2のモードへの遷移中に前記データストリームの同期を維持するための追加データを第3の装置に提供するように前記コントローラによって指示することを含む、
ことを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項25】
前記コントローラが、前記データストリームを、前記第1のモードの場合には当該装置内にある第1のデータ経路上で、及び前記第2のモードの場合には当該装置内にある第2のデータ経路上で送信する、
ことを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項26】
送信側装置から受信したデータストリームの処理を制御するためのコントローラと、
少なくとも1つのデータ線を介して前記送信側装置から前記データストリームを受信するための受信機と、を備えた装置であって、
当該装置は、少なくとも1つの制御線上で、第1のモード及び第2のモードを含む複数のモードの前記データストリームを受信するとともに、前記送信側装置が前記データストリームの送信を第1のモードから第2のモードに変更するつもりである旨を当該装置に通知するためのコマンド信号を、少なくとも1つの前記制御線を介して前記送信側装置から受信し、
前記コントローラは、前記第2のモードのデータストリームに備える動作を指示し、
前記コマンド信号は、前記データストリームが前記第2のモードに変更される前に受信され、
前記コントローラが、前記データストリームの前記第2のモードへの遷移が一定時間内に検出されなかった場合、前記装置を前記第1のモードのデータストリームを受信する状態に戻す、
ことを特徴とする装置。
【請求項27】
当該装置が、少なくとも1つの前記制御線を介して前記コマンド信号の肯定応答を前記送信側装置に提供する、
ことを特徴とする請求項26に記載の装置。
【請求項28】
当該装置が、前記コマンド信号の肯定応答を一定時間内に提供するように要求される、
ことを特徴とする請求項27に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般にデータ通信の分野に関し、より詳細には、データ送信モード間における遷移のためのシグナリングの提供に関する。
【背景技術】
【0002】
一部のシステムでは、第1の装置と第2の装置の間でデータリンクを介してデータを送信することができる。例えば、データは、第1の装置から第2の装置へ送信されるオーディオ/ビデオデータ又はその他のコンテンツデータのデータストリームを含むことができ、この場合、第2の装置は、このコンテンツデータを利用すること、又はこのようなデータを別の装置へ再送信することのいずれかを行うことができる。このデータストリームを、コンテンツデータの送信上のセキュリティのためにさらに暗号化することができる。
【0003】
データ転送動作では、送信しているデータストリームを第1のデータモードから第2のデータモードに変更することができ、この場合、受信側装置は、第2のモードのデータを第1のモードのデータとは異なる形で解釈して処理する必要がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「高性能シリアルバスの規格(Standard for a High Performance Serial Bus)」1394〜1995頁、IEEE、1996年8月30日発行、及び補足
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のシステムでは、データストリームを受信している装置が、第1のモードから第2のモードへのモードの変更を検出し、これに応じて動作を変更することができる。しかしながら、受信側装置がモードを切り換える時点まで、一定量のデータは第1のモードに従って解釈される可能性がある。例えば、ストリーミングデータがビデオ及びオーディオデータを含む場合、第2の装置が第2のモードに遷移できるようになるまでの時間にわたり、データが不適切に表示又は提示されることがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は、一般にデータ送信モード間における遷移のためのシグナリングに関する。
【0007】
本発明の第1の態様では、方法の実施形態が、第1のモードで動作するデータストリームを、データリンクを介して第1の装置から第2の装置へ送信するステップと、データストリームを第1のモードから第2のモードに変更すべきであることを決定するステップと、第1の装置がデータストリームを第1のモードから第2のモードに変更するつもりである旨を示すメッセージを、第2のモードへの変更前に制御リンクを介して第1の装置から受信機へ送信するステップとを含む。
【0008】
本発明の第2の態様では、方法の実施形態が、第1のモードを第1の方法で解釈する第2の装置において、第1の装置からデータリンクを介してデータストリームを受信するステップと、第2の装置において、第1の装置がデータストリームを第1のモードから第2のモードに変更するつもりである旨を示すメッセージを、第2のモードへの変更前に第1の装置から制御リンクを介して受信するステップと、データストリームの第2のモードへの遷移に備える動作を行うステップとを含む。
【0009】
本発明の実施形態を、同じ参照数字が同様の要素を示す添付図面の図に限定ではなく一例として示す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】装置間で複数のモードのデータを転送するためのシステムの実施形態を示す図である。
【
図4】複数の装置間のデータ送信の実施形態を示す図である。
【
図5】複数の異なるモードのデータを送信する処理を示すフロー図である。
【
図6】複数の異なるモードのデータを受信する処理を示すフロー図である。
【
図7】ある実施形態における、モード間で切り換えられるデータストリームを示す図である。
【
図8】システムの実施形態の装置間のインターフェイスを示す図である。
【
図9】ソース装置、ブリッジ装置、又はシンク装置の実施形態の要素を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態は、一般にデータ送信モード間における遷移のためのシグナリングに関する。
【0012】
いくつかの実施形態では、システムが、データ送信モード間における遷移のためのシグナリングを行うことができる。システム内では、第1の装置が、コンテンツデータのストリームを第2の装置へ送信することができる。例えば、このデータは、HDM(商標)(高解像度マルチメディアインターフェイス)データ、及び(モバイル装置などの装置に利用できる修正プロトコルを示す)HDMI−mデータを含むオーディオ/ビデオデータを含むことができ、HDMI及びHDMI−mは、未圧縮のデジタルデータを送信するためのオーディオ/ビデオインターフェイスを提供する。このデータは、送信前に、HDCP(商標)(高帯域デジタルコンテンツ保護)を利用した暗号化などによって暗号化することができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、送信機ユニットが、サイド制御チャネルを利用して受信機ユニットへ信号を送信した後に、送信機がデータストリームに変更を加えることができる。様々な実施構成では、送信機自体などの様々な要素、又は動作変更要求を入力するユーザなどのユーザによってモードの変更を開始することができる。データストリームへの変更は、データストリームのモードを変更するステップを含むことができ、このステップは、データストリームに割り込みを行うステップを含むことができる。モードストリームの変更は、ユーザからの要求、送信機が行う変更、又は他の出来事の結果として行うことができる。いくつかの実施形態では、実際にモード変更が行われる前に送信機ユニットがモード変更要求を認識するシナリオでは、送信機ユニットが、まだデータリンクを介して受信機へ安定したコヒーレントなストリームを送出しているうちに、制御チャネルを介して受信機ユニットへコマンド又はその他の信号などの側波帯メッセージを送信することができる。いくつかの実施形態では、受信機がメッセージを受信し、このメッセージを解釈し、データストリームの変更を受け取ることを見越して、例えばコマンド又は信号によって前もって知らされるモード変更を見越して受信機のデータ経路を再構成することなどの対策を行うことができる。いくつかの実施形態では、データストリームの変更前に受信機が行うことができる対策が、ビデオ又はオーディオデータを消音すること、解読エンジンの状態を保留すること、又はモード変更を認識して処理するまでポート切り替えを止めることを含むことができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、送信機が、受信機へメッセージを送信するための制御バス又はチャネルを利用する。送信機から受信機への制御チャネルは、コマンド又はその他の信号を過度の遅延なく送信するのに十分な高帯域幅のチャネルとすることができる。例えば、オーディオ/ビデオデータのユーザがビデオモードの変更を要求する場合、コマンドを送信した後に受信機からの肯定応答を待つのに複数秒を要する送信機は、異なるモードに遷移する前に有意かつ顕著な遅延を生じる。いくつかの実施形態では、受信機への「警告」メッセージが、ユーザに気付かれないようにほんの秒数などのわずかな間に完了する。HDMIの制御チャネル(家電制御バス(CEC))を利用することもできるが、遷移に遅延が生じる可能性がある。いくつかの実施形態では、HDMI−mインターフェイスなどのインターフェイスが、HDMIよりも大幅に高い(約1000倍の)帯域幅の制御バス(CBus)を含むことができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、閉ループフィードバックなどのコマンドが、何の通知もなく提供される。いくつかの実施形態では、このコマンドが、チェックサム、又は受信機が無効なコマンドコードを読み取らないようにするためのその他の方法を含むことができる。受信機は、コードを受信するとモード変更に備え、その後モード変更が確認できなかった場合、「タイムアウト」することができる。このような動作では、送信機からの追加コマンドは不要である。
【0016】
いくつかの実施形態では、メッセージに利用される双方向制御チャネルを使用して、受信機が、警告メッセージの受信及び実行に対して肯定応答することができる。一般に、AVI情報フレームの送信などの、モード変更の帯域内シグナリングでは、受信機が新たなモードに対する準備を送信機に通知することはできない。いくつかの実施形態では、異なる受信機システムが、警告メッセージに対処するために異なる時間量を必要とする場合があり、従って送信機システムは、肯定応答により、肯定応答を受け取るまで送信機システムのモード変更を遅らせることができるという利点を得ることができる。ある例では、1つのプログレッシブビデオモードから別のビデオモードへの(比較的単純かつ高速な)モード変更の処理と、インタレースビデオからプログレッシブビデオへの(デインタレーサのフラッシングを必要とする)モード変更の処理では、受信機システムで必要とされる時間が異なる。いくつかの実施形態では、受信機が、警告メッセージで示されるモード変更に対処すること又はこれを承認することができない場合、「否定応答」メッセージ(NACK)を返送することができる。いくつかの実施形態では、NACKメッセージが、NACK応答の理由を示すコード又は信号を含むことができる。いくつかの実施形態では、送信機が、否定応答メッセージの受信時にモード変更を控える。
【0017】
いくつかの実施形態では、あるデータストリームを処理して渡す介入装置が存在する場合、一般にモード変更を行う最初の送信機からコンテンツを表示する最終的な受信機までを全て接続するために制御チャネルが必要となることがシステムの限界と考えられる。この相互接続が、制御チャネル、或いはコマンド又は信号の処理をいずれもサポートしないプロトコルの変更によって途切れた場合、警告メッセージは失われ、ユーザには、警告が行われないモード間遷移の影響が残るようになる。いくつかの実施形態では、相互接続における(警告メッセージの転送をサポートする)1つのプロトコルから(このようなサポートがない)別のプロトコルに移る地点に、警告コマンド自体に対処するタスクを与えることができる。例えば、HDMI−mとHDMIの間の「ブリッジ」チップは、上流のHDMI−mソースからの着信警告コマンドを認識し、発信ビデオ及びオーディオストリームが消音されるようにし、その後新たな着信モードが安定するのを待つことができる。本明細書で使用する消音とは、例えば、オーディオ信号の音量を下げることによって消音されるオーディオ信号のような、信号レベルの低下を意味する。1つの特定の用途では、ソースシステムが暗号化を行い、シンクシステムが解読を行う場合、システムが、データストリームへの割り込みに対処する。HDCPなどの暗号化プロトコルでは、安定した一連の同期信号及びクロックへの何らかの割り込みにより、解読エンジンが暗号化エンジンと位相ずれを起こすことがある。場合によっては、この「位相ずれ」状態をシンクにおいて検出できずに解読が失敗に終わる。いくつかの実施形態では、HDCP又はその他の暗号化プロトコルを撹乱するはずのモード変更前に、送信機から受信機へ警告コマンドを送信した場合、相互接続された受信機論理又は介入チップなどの装置を利用して、データストリームの中断に見事に対処することができる。いくつかの実施形態では、プロトコル変更が、この概念の適用を含む。いくつかの実施形態では、送信機により暗号化された着信HDMI−mストリームを受信するブリッジ装置が、警告メッセージを検出することができる。いくつかの実施形態では、ブリッジ装置が、着信データストリームを解読して、下流の受信機へ向かうデータストリームを再暗号化することができる。いくつかの実施形態では、着信ストリームに割り込みが行われた場合、ブリッジが、安定した下流の暗号化ストリームを維持するように動作する。ある例では、下流のプロトコルにわたって低速の警告メッセージを送信し、最終的な受信機段階が、同期の欠如によって動かなくなることなく、受信機自体をリセットできるようにすることができる。このようにして、ブリッジ装置により、モード変更を通じて相互接続が「惰性進行」できるようにすることができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、変更可能な高速モードを有するHDMI−m及び将来的なリンク技術が、側波帯によるモード遷移の警告を利用することができる。本明細書で提供する例はHDCPに対処するものであるが、実施形態はいずれのプロトコルにも限定されず、このモード変更シグナリングの強化を他の暗号化/解読プログラムに取り入れることもできる。
【0019】
いくつかの実施形態では、差し迫ったデータモードの変更に対する応答の種類が、モード変更の種類に依存することができる。例えば、重大なモード変更では、遷移の問題に対処するために、より重大な応答を必要とすることができる。1つの例では、より長い実施時間を要するモード変更では、遷移対策を行うための時間を長くする必要があり得る。
【0020】
図1は、装置間で複数のモードのデータを転送するためのシステムの実施形態を示す図である。この図では、第1の装置が、データチャネル150を介して第2の装置125へデータストリームを送信し、このことを、例えば第1の装置110のデータポート115から第2の装置125のデータポート130への送信として示している。第1の装置110は、制御チャネル170を介して第2の装置125の制御ポート135へ何らかのコマンドを送信するための制御ポート120をさらに含むことができる。1つの実施形態では、データチャネルをHDMI−mデータチャネルとすることができ、コマンドチャネルをHDMI−m制御バス(CBus)とすることができる。いくつかの実施形態では、データチャネル150及び制御チャネル170を単一のケーブル190に含めることができる。
【0021】
図1では、第1の装置110が、ここでは第1のモードのデータストリーム要素D1 155、及び第2のモードのデータストリーム要素D2 160として示す複数の異なるモードのデータストリームを送信することができる。動作中、第1の装置はモードを変更することができ、これにより送信をデータ要素D1 155からデータ要素D2 160に変更することができる。異なるモードは、様々な異なる種類のデータを表すことができ、個々のこのようなモードのデータを異なる方法で解釈することができる。1つの例では、モードが、第1のプログレッシブビデオモードを表す第1のモード、及び次に第2のプログレッシブビデオモードを表すモードなどの異なる種類のビデオデータを含むことができ、これらは、比較的迅速に実現できる遷移を表すことができる。第2の例では、第1のモードが、インタレースビデオモードを表して、第2のモードが、プログレッシブビデオモードを表すことができ、これらは、デインタレーサのフラッシングにより多くの時間を必要とする遷移を表すことができる。1つの例では、第2のモードへの遷移が、データの送信が行われない送信の中断を含むことができ、この後に別のフォーマットのデータが続くことができる。
図1には、第1のモード及び第2のモードを示しているが、第1の装置及び第2の装置は、あらゆる数の異なるモードのデータを装置間で転送することができる。
【0022】
図示のように、第1の装置110は、時刻T
1に第1のモードのデータの送信を開始することができる。いくつかの実施形態では、第1の装置110が、時刻T
2に、第1の装置が第1のモードから第2のモードに遷移しようとしている旨を第2の装置125に通知するためのコマンド175をコマンドチャネル170を介して転送する。いくつかの実施形態では、このコマンドが転送されて、データストリームのデータ要素160がデータポート130に到着する前に第2の装置125が警告を受けるように、意図するモード変更前に制御ポートに到着する。
【0023】
いくつかの実施形態では、第2の装置125が、コマンド175を受信した後に、コマンド175の受信を確認するための肯定応答メッセージ(ACK180)を時刻T
3に返信する。いくつかの実施形態では、第2の装置125が、モード変更を受け入れられない旨を示す否定応答メッセージ(NACK185)を代わりに返送することができる。いくつかの実施形態では、NACK185が、モード変更を受け入れられない理由を示すコード又は信号を含むことができる。いくつかの実施形態では、第2の装置に、ある所定の時間内に肯定応答又は否定応答を行うように要求することができる。いくつかの実施形態では、第1の装置110が、第2のモードへの遷移を進める前に肯定応答を受信するまで待機することができ、又は一定時間後に進めることができる。第2の装置がNACK185を返送した場合、第1の装置は、モード変更を控えることができる。いくつかの実施形態では、第2の装置125が、時刻T
4に行われ得る第2のモードへの遷移に備える動作を行うことができ、一定時間内に遷移が行われなかった場合、第2の装置は、タイムアウトして第1のモードに戻ることができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、第1及び第2の装置が、モード間の遷移が行われる前に第2の装置が遷移に備えるのに十分な時間を有することを確実にするような形で、コマンド、肯定応答、又は遷移の時刻を定めることができる。いくつかの実施形態では、第2の装置125が、モードの変更に対する何らかの準備を行った後に肯定応答を送信することができる。いくつかの実施形態では、第1の装置が、モード遷移に十分であると判断された時点でコマンド175を転送することができ、従ってモード間の遷移にとって必要であれば、コマンドを早めに転送することができる。他の実施形態では、第1の装置が、肯定応答を受信した後、第2のモードに遷移する前に一定時間待機し、第2の装置125が、モード間の遷移に備えるのに十分な時間を持てるようにする。
【0025】
図2は、送信側装置の1つの実施形態を示す図である。いくつかの実施形態では、送信側装置210が、データを送信するための送信機214、データ送信を制御するためのコントローラ216、及び送信前にデータを暗号化するための暗号化エンジン218を含む。送信側装置は、送信前にデータを記憶するためのデータ記憶装置、及び送信前に外部データソース240から何らかのデータを受信するための受信機230をさらに含むことができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、送信側装置210が、データポート220及び制御ポート222を含む。いくつかの実施形態では、送信側装置210が、動作中にデータの送信を変更することができる。いくつかの実施形態では、送信側装置が、データポート220を介して複数の異なるモードのデータを送信し、例えば第1のモードから第2のモードに遷移することができる。いくつかの実施形態では、第2のモードが、データの送信が行われないデータ送信の中断を含むことができ、その後に第2のフォーマットのデータを送信することができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、送信側装置120が、送信側装置が第1のモードから第2のモードに遷移しようとしている旨を受信側装置に警告するための警告メッセージを、制御ポート222を介して送信する。その後、送信側装置210は、第2のモードに遷移する前に、制御ポート222において肯定応答(ACK)を受信するまで待機することができ、或いは一定時間内に肯定応答が受信されなかった場合、第2のモードへの遷移を続けることができる。いくつかの実施形態では、否定応答(NACK)メッセージを受信した場合、送信側装置210が第2のモードへの遷移を控えることができる。
【0028】
図3は、受信側装置の実施形態を示す図である。受信側装置は、受信データを利用するシンク装置、又はデータを受信してこれらのデータを別の装置へ転送するブリッジ装置であることができる。いくつかの実施形態では、受信側装置310が、データ操作を制御するためのコントローラ314、データ送信を受信するための受信機316、及び受信したデータを解読するための解読エンジン、並びに送信側装置からデータストリームを受信するためのデータポート340、及び送信側装置とコマンドをやりとりするための制御ポート342を含むことができる。受信側装置310がシンク装置である場合、この受信側装置は、例えば、ビデオディスプレイ350及びオーディオスピーカ360などの、受信データを使用するための1又はそれ以上の装置を含むことができ、又はこれに結合することができる。受信側装置310は、受信データを記憶するためのデータ記憶装置312、データを別の装置へ送信するための送信機318、別の装置へ送信するデータを再暗号化するための暗号化エンジン、及びデータを別の装置へ送信するための第2のデータポート344を含むこともできる。
【0029】
いくつかの実施形態では、受信側装置が、データポート340において受信したデータストリームを送信側装置が第1のモードから第2のモードに変更するつもりである旨を受信側装置310に通知するコマンドを、制御ポート342において送信側装置から受信することができる。受信側装置310は、このようなコマンドを制御ポート342において受信すると、モードの変更に備える動作を行うことができる。受信側装置310は、コマンドを受け取ったことを確認するための肯定応答を、制御ポート342を介して送信側装置へさらに送信することができる。その後、受信側装置310は、第2のモードへの遷移を待つことができ、また一定時間内に遷移が行われなかった場合にはタイムアウトすることができる。いくつかの実施形態では、受信側装置310が、第2のモードへの遷移に対処できない場合、又はこれを受け入れることができない場合、代わりに否定応答メッセージを返送することができる。
【0030】
図4は、複数の装置間におけるデータ送信の実施形態を示す図である。この図では、第1の装置がソース装置410であり、コントローラ412及び暗号化エンジン414を含み、この図ではブリッジ装置420である第2の装置へデータストリームを送信する。そして、第2の装置は、データストリームを利用するシンク装置とすることができる第3の装置430へ受信データを送信することができる。
【0031】
図示のように、第1の装置410は、第1のモードD1のデータを送信することができ、モードを変更して第2のモードD2のデータを送信することができる。第1の装置410は、データリンク440上で送信されているデータストリームのモード変更が近いうちに行われる旨を第2の装置420に通知するためのコマンド452をさらに送信することができる。この図では、第2の装置は、コントローラ、解読エンジン424、及び暗号化エンジン426を含むことができる。いくつかの実施形態では、コントローラ422が、第1の装置410に肯定応答を返送し、モードの変更に対応する対策を行うことによってコマンド452に応答する。いくつかの実施形態では、第2の装置420がモードの変更に対処できない場合、又はこれを受け入れられない場合、コントローラが否定応答を返送することによって応答することができる。ある例では、第2の装置が、受信データを利用するシンク装置である第3の装置430へ、第2のデータリンク460を介して受信データを再送信することができる。図示のように、第3の装置430は、データを解読するための解読エンジン432を含む。図示のように、第2の装置420は、第1のモード462及び第2のモード466のデータストリームを第3の装置へ再送信することができる。いくつかの実施形態では、第2の装置420が、第2の装置420と第3の装置430の間の遷移を可能にするためのデータ修正464を行う。いくつかの実施形態では、このデータ修正が、第1のモードから第2のモードへのより円滑な遷移を可能にするために、データストリームの消音を含むことができる。いくつかの実施形態では、第2の装置420が、第1のモードから第2のモードへの遷移を円滑にするために、必要に応じて第3の装置430へ暗号化データを送信して、例えば、データ送信に中断がある場合に余分なデータを送信することなどの、第3の装置430における同期外れを避けることができる。
【0032】
図5は、複数の異なるモードのデータを送信するための処理を示すフロー図である。この図では、一般に、送信前にデータストリームを暗号化する(502)ことができ、この暗号化した第1のモードのデータストリームを、第1の装置からデータリンクを介して第2の装置へ送信する(504)ことができる。データストリームの送信モードの変更が予想される(506)場合、第1の装置から第2の装置にコマンド又はメッセージ警告を送信する(508)。いくつかの実施形態では、第1の装置が、コマンド又はメッセージの受信を確認するために、第2の装置からの応答を待つ(510)ことができる。いくつかの実施形態では、第1の装置が否定応答メッセージを受信した(511)場合、第2のモードへの遷移は行われない(520)。第1の装置が肯定応答メッセージを受信した(512)場合、又は一定時間が経過した(514)場合、第1の装置は、データストリームの送信を第1のモードから第2のモードに変更する(516)。その後、処理は継続して(518)、データストリームを第3のモードにさらに遷移すること、又は第1のモードに戻すことなどを行うことができる。
【0033】
図6は、複数の異なるモードのデータを受信するための処理を示すフロー図である。この図では、最初に第2の装置において、データリンクを介して第1の装置から第1のモードのデータを受信する(602)ことができる。第2の装置は、このデータストリームを第1の方法で解釈し、この受信したデータストリームを第1のデータ経路へ送る(604)ことができる。いくつかの実施形態では、第2の装置が、このデータストリームを利用する(606)こと、及びこのデータストリームを第3の装置へ送信する(607)ことができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、データストリームのモード変更が予想される旨を示すメッセージを制御線上で受信した(608)ことに応答して、第2の装置は、モードの変更に対処できない場合又はこれを受け入れることができない(609)場合には否定応答NACKを返送し(611)、第1のモードのデータの受信を継続する(602)ことができる。いくつかの実施形態では、そうでない場合、第2の装置は、第1の装置に肯定応答メッセージACKを返送する(610)ことができる。いくつかの実施形態では、第1の装置からのメッセージを受信したときの制御線を介して肯定応答又は否定応答を送信することができ、またメッセージを受信した後のある所定時間内に肯定応答を提供するように第1の装置に要求することができる。いくつかの実施形態では、第2の装置が、例えばこれらのデータを使用又は再送信する前に受信データを消音する(614)こと、又はデータストリームを第3の装置へ再送信する前の時間にデータを解読及び再暗号化する(616)ことを含め、データストリームのモード変更に備える動作を行う(612)。
図6には、データストリームのモード変更に備える動作を行う前に肯定応答を送信するように示しているが、いくつかの実施形態では、この動作の全部又は一部を肯定応答の送信前に行うこともできる。次に、第2の装置が、第2のモードのデータストリームを受信する(618)。第2の装置によってモード変更が検出された(618)場合、第2の装置は、この第2のモードのデータを第2の方法で解釈し、第2の装置のための第2のデータ経路へ送る(620)ことができる。第2の装置によってモード変更が検出されなかった(618)場合、第2の装置は、タイムアウトして第1のモードに戻る(622)ことができる。その後、処理は継続して(624)、データストリームを第3のモードにさらに遷移すること、又は第1のモードに戻すことなどを行うことができる。
【0035】
図7は、ある実施形態においてモードを切り換えられるデータストリームを示す図である。1つの例では、第1のモードが第1のデータ型を表すことができ、第2のモードが第2のデータ型を表すことができる。1つの例では、第1のモードのデータは、データ要素A715、B720、C725、及びD730を含むことができ、第2のモードのデータ710は、データ要素E735、F740、及びG745を含むことができる。第1のモードと第2のモードには互換性がないので、受信側装置が変更を検出している間に第2のモードのデータを第1のモードのデータとして処理し続けると、データの送信又は使用に問題が生じることがある。1つの例では、データがビデオ又はオーディオデータである場合、モード間の遷移によって遷移中に大きなノイズが生じることがある。いくつかの実施形態では、このような問題を避けるために、受信側装置が、モード間の遷移中にデータを消音又は別様に処理するように動作する。
【0036】
図8は、システムの実施形態に関する装置間のインターフェイスを示す図である。いくつかの実施形態では、第1の装置をソース装置810とし、第2の装置を、HDMI−mソース、及びインターフェイスケーブル830などのインターフェイスを介してリンクされたブリッジ装置などのブリッジ装置820とすることができる。そして、このブリッジ装置を、HDMIシンク装置などの受信側装置850にリンクすることができる。いくつかの実施形態では、ソース装置810が、差動信号として送信されるデータストリームを、データ+回線832及びデータ−回線834を介してブリッジ装置820へ送信することができ、ブリッジ装置は、このようなデータストリームを受信側装置850へ再送信することができる。いくつかの実施形態では、ソース装置810が、データストリームの送信を第1のモードから第2のモードに変更することができ、このソース装置810は、第2のモードに遷移する前に、データストリームが第1のモードから第2のモードに遷移されようとしている旨をブリッジ装置820に通知するためのコマンドなどのメッセージを、双方向制御線である単線制御線CBus836を介して送信することができる。ブリッジ装置820は、このメッセージを受信すると、CBus836を介してソース装置810へ肯定応答を送信し、データモード間の遷移に備える動作を行う。インターフェイス830は、接地線838及び5ボルトの電位を運ぶ回線840として示すさらなる追加回線を含むこともできる。
【0037】
図9は、ソース装置、ブリッジ装置、又はシンク装置の実施形態の要素を示す図である。この図では、本説明に関係のない一部の規格及び周知の構成要素は示していない。いくつかの実施形態では、装置900を、送信側装置、受信側装置、又はこれらの両方とすることができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、装置900が、相互接続部又はクロスバー905、又はデータを送信するためのその他の通信手段を含む。データは、オーディオビジュアルデータ及び関連する制御データを含むことができる。装置900は、相互接続部905に結合された、情報を処理するための1又はそれ以上のプロセッサ910などの処理手段を含むことができる。プロセッサ910は、1又はそれ以上の物理プロセッサ及び1又はそれ以上の論理プロセッサを含むことができる。さらに、プロセッサ910の各々は、複数のプロセッサコアを含むことができる。簡略にするために、相互接続部905を単一の相互接続部として示しているが、相互接続部905は、複数の異なる相互接続部又はバスを表すことができ、このような相互接続部への構成要素の接続は様々であってよい。
図9に示す相互接続部905は、いずれか1つ又はそれ以上の別個の物理バス、ポイントツーポイント接続、又は適当なブリッジ、アダプタ、又はコントローラによって接続されたこれらの両方を表す抽象概念である。相互接続部905は、例えば、システムバス、PCI又はPCIeバス、ハイパートランスポート又は業界標準アーキテクチャ(ISA)バス、小型コンピュータシステムインターフェイス(SCSI)バス、IIC(I2C)バス、又は「ファイヤワイヤ」と呼ばれることもある電気電子技術者協会(IEEE)規格1394バスを含むことができる(「高性能シリアルバスの規格(Standard for a High Performance Serial Bus)」1394〜1995頁、IEEE、1996年8月30日発行、及び補足)。装置900は、USBバス970などのシリアルバスをさらに含むことができ、これに1又はそれ以上のUSB互換接続部を取り付けることができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、装置900が、情報、及びプロセッサ910により実行される命令を記憶するためのメインメモリ920として、ランダムアクセスメモリ(RAM)又はその他の動的記憶装置をさらに含む。メインメモリ920は、データストリーム用のデータを記憶するために使用することもできる。RAMメモリは、メモリコンテンツの更新を必要とする動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)、及びコンテンツの更新を必要としないがコストが高い静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)を含む。DRAMメモリは、信号を制御するためのクロック信号を含む同期動的ランダムアクセスメモリ(SDRAM)、及び拡張データ出力動的ランダムアクセスメモリ(EDO DRAM)を含むことができる。いくつかの実施形態では、システムのメモリを、何らかのレジスタ又はその他の専用メモリとすることができる。装置900は、プロセッサ910のための静的情報及び命令を記憶するための読出し専用メモリ(ROM)925又はその他の静的記憶装置を含むこともできる。装置900は、一部の要素を記憶するための1又はそれ以上の不揮発性メモリ要素930を含むこともできる。
【0040】
装置900の相互接続部905には、情報及び命令を記憶するためのデータ記憶装置935を結合することもできる。データ記憶装置935は、磁気ディスク、光学ディスク、及びこれらに対応するドライブ、又は他のメモリ素子を含むことができる。このような要素は、互いに結合することも、又は別個の構成要素とすることもでき、装置900の他の要素の一部を利用することもできる。
【0041】
装置900は、相互接続部905を介してディスプレイ又は表示装置940に結合することもできる。いくつかの実施形態では、ディスプレイが、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、ブラウン管(CRT)ディスプレイ、或いはエンドユーザに情報又はコンテンツを表示するための他のいずれかのディスプレイ技術を含むことができる。いくつかの実施形態では、ディスプレイ940を利用してテレビ番組を表示することができる。いくつかの環境では、ディスプレイ940がタッチスクリーンを含み、これを入力装置の少なくとも一部として利用することもできる。いくつかの環境では、ディスプレイ940を、テレビ番組の音声部分を含む音声情報を提供するためのスピーカなどのオーディオ装置とすることができ、又はディスプレイ940がこのオーディオ装置を含むことができる。相互接続部905には、情報及び/又はコマンドの選択をプロセッサ910に通信するための入力装置945を結合することもできる。様々な実施構成では、入力装置945を、キーボード、キーパッド、タッチスクリーン及びスタイラス、音声起動システム、又はその他の入力装置、或いはこれらの装置の組み合わせとすることができる。含むことができる別の種類のユーザ入力装置には、1又はそれ以上のプロセッサ910に方向情報及びコマンドの選択を通信してディスプレイ940上のカーソルの動きを制御するための、マウス、トラックボール又はカーソル方向キーなどのカーソル制御装置950がある。
【0042】
相互接続部905には、1又はそれ以上の送信機又は受信機955を結合することもできる。いくつかの実施形態では、装置900が、データを受信又は送信するための1又はそれ以上のポート980を含むことができる。受信又は送信できるデータとして、HDMI及びHDMI−mデータなどのビデオデータ又はオーディオビデオデータを挙げることができ、これらは、HDCP暗号化データのように、送信のために暗号化することができる。いくつかの実施形態では、装置が、コンテンツデータ985を転送するための、データを送信及び/又は受信するための1又はそれ以上のポート980、及びコマンドデータ995などの制御データを送信及び/又は受信するための1又はそれ以上のポート990を含む。コマンドデータ995は、データ送信のモード変更に関する1又はそれ以上のメッセージを含むとともに、データ送信のモード変更に関する肯定応答を含むことができる。また、装置900は、USB(ユニバーサルシリアルバス)を含むこともできる。
【0043】
装置900は、無線信号を介してデータを受信するための1又はそれ以上のアンテナ958をさらに含むことができる。装置900は、電源、バッテリ、太陽電池、燃料電池、或いは電力を供給又は生成するためのその他のシステム又は装置などの電源装置又はシステム960を含むこともできる。電源装置又はシステム960により供給される電力は、要求に応じて装置900の要素に分配することができる。
【0044】
上記説明には、本発明を完全に理解できるようにするために、説明目的で数多くの特定の詳細を示している。しかしながら、当業者には、これらの特定の詳細を伴わずに本発明を実施できることが明らかであろう。その他の場合、周知の構造及び装置についてはブロック図形式で示している。図示の構成要素間には中間構造が存在してもよい。本明細書で説明又は例示した構成要素は、例示又は説明していない追加の入力部又は出力部を有することができる。図示の要素又は構成要素は、いずれかのフィールドの並べ替え又はフィールドサイズの修正を含め、異なる配列又は順序で構成することもできる。
【0045】
本発明は、様々な処理を含むことができる。本発明の処理は、ハードウェア構成要素によって実行することができ、或いはコンピュータ可読命令の形で具体化し、これを使用して汎用又は専用プロセッサ、又は命令をプログラムした論理回路に処理を実行させることができる。或いは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって処理を実行することもできる。
【0046】
本発明の一部を、コンピュータプログラム命令を記憶したコンピュータ可読媒体を含むことができるコンピュータプログラム製品として提供し、これを使用して、本発明による処理を実行するようにコンピュータ(又はその他の電子装置)をプログラムすることもできる。コンピュータ可読媒体として、以下に限定されるわけではないが、フロッピー(登録商標)ディスケット、光学ディスク、CD−ROM(コンパクトディスク読出し専用メモリ)、及び磁気光学ディスク、ROM(読出し専用メモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、EPROM(消去可能プログラム可能読出し専用メモリ)、EEPROM(電気的消去可能プログラム可能読出し専用メモリ)、磁気又は光学カード、フラッシュメモリ、又は電子命令を記憶するのに適したその他の種類の媒体/コンピュータ可読媒体を挙げることができる。さらに、本発明をコンピュータプログラム製品としてダウンロードし、このプログラムをリモートコンピュータから要求側コンピュータへ転送することもできる。
【0047】
方法の多くをその最も基本的な形で説明しているが、本発明の基本的範囲から逸脱することなく、これらの方法のいずれかに対して処理の追加又は削除を行うことができ、また説明したメッセージのいずれかに対して情報の追加又は削除を行うことができる。当業者には、多くのさらなる修正及び適合を行い得ることが明らかであろう。特定の実施形態は、本発明を限定するためではなく、例示するために提供したものである。
【0048】
要素「A」が要素「B」に又は要素「B」と結合されると言う場合、要素Aを要素Bに直接結合することもでき、又は要素Cなどを介して間接的に結合することもできる。本明細書に、構成要素、特徴、構造、処理、又は特性Aが、構成要素、特徴、構造、処理、又は特性Bを「もたらす(causes)」と記載している場合、これは、「A」が「B」の少なくとも部分的な原因ではあるが、「B」をもたらす上で支援となる少なくとも1つの他の構成要素、特徴、構造、処理、又は特性も存在できることを意味する。本明細書に、構成要素、特徴、構造、処理、又は特性を含めることが「できる(may、might、又はcould)」と示している場合、この特定の構成要素、特徴、構造、処理、又は特性を含める必要性はない。本明細書において、「1つの(英文不定冠詞)」要素について言及している場合、これは、記載する要素が1つしか存在しないことを意味するものではない。
【0049】
実施形態は、本発明の実施構成又は実施例である。本明細書における、「ある実施形態」、「1つの実施形態」、「いくつかの実施形態」、又は「他の実施形態」についての言及は、実施形態に関連して説明する特定の特徴、構造、又は特性が少なくともいくつかの実施形態に含まれるが、必ずしも全ての実施形態には含まれるわけではないことを意味する。様々な箇所で出現する「ある実施形態」、「1つの実施形態」、又は「いくつかの実施形態」は、必ずしも全てが同じ実施形態を示すものではない。上述の本発明の例示的な実施形態についての説明では、本開示を簡素化するとともに様々な本発明の態様の1又はそれ以上についての理解を助長する目的で、1つの実施形態、図、又はその説明内で本発明の様々な特徴を1つにまとめていることがあると理解されたい。
【符号の説明】
【0050】
410 第1の装置−ソース装置
412 コントローラ
414 暗号化エンジン
420 第2の装置−ブリッジ装置
422 コントローラ
424 解読エンジン
426 暗号化エンジン
430 第3の装置−シンク装置
432 解読エンジン
440 データリンク
442 データ1
444 データ2
450 制御バス
452 コマンド
460 データリンク
462 データ1
464 データ修正
466 データ2