特許第5698754号(P5698754)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5698754溶融金属用容器の排出口にあるスライドゲートに用いる耐熱性ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5698754
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】溶融金属用容器の排出口にあるスライドゲートに用いる耐熱性ユニット
(51)【国際特許分類】
   B22D 41/30 20060101AFI20150319BHJP
   B22D 41/34 20060101ALI20150319BHJP
【FI】
   B22D41/30
   B22D41/34 510
【請求項の数】8
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2012-534572(P2012-534572)
(86)(22)【出願日】2010年10月13日
(65)【公表番号】特表2013-508159(P2013-508159A)
(43)【公表日】2013年3月7日
(86)【国際出願番号】EP2010006246
(87)【国際公開番号】WO2011047799
(87)【国際公開日】20110428
【審査請求日】2013年9月26日
(31)【優先権主張番号】1616/09
(32)【優先日】2009年10月21日
(33)【優先権主張国】CH
(73)【特許権者】
【識別番号】597102923
【氏名又は名称】シュトピンク・アクティーエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】シュタイナー,ベンノ
(72)【発明者】
【氏名】ケラー,ヴェルナー
【審査官】 酒井 英夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭50−122429(JP,A)
【文献】 特開2002−160046(JP,A)
【文献】 実開平02−059855(JP,U)
【文献】 特開平05−237609(JP,A)
【文献】 特表2000−502954(JP,A)
【文献】 特開平06−340931(JP,A)
【文献】 実開昭48−056314(JP,U)
【文献】 特開平10−060516(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22D 41/22−41/42,11/10,
C21C 5/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融金属の入った容器の排出口にあるスライドゲートに用いる耐熱性ユニットであって、前記容器の排出口に設けた耐熱性アダプタブロック(21)と、このアダプタブロックに接続した耐熱性ボトムプレートである第1のボトムプレート(10)とを有し、このボトムプレートにはスライド式の耐熱性スライドプレート(18)を押圧することができ、該スライドプレートは前記スライドゲート(1)の開閉を可能にし、前記アダプタブロック(21)に接続した前記第1のボトムプレートのほかに、前記アダプタブロックに隣接する第2のボトムプレートであって、前記アダプタブロックの下をスライドして前記第1のボトムプレートと入れ替わることができる第2のボトムプレートを有する耐熱性ユニットにおいて、前記アダプタブロック(21)は、下方のスライド面(21’)が前記第2のボトムプレート(12)と摺接するように、前記第2のボトムプレート(12)の一部まで延在し、
前記アダプタブロック(21)は、下方のスライド面(21’)のうち少なくとも前記第2のボトムプレート(12)の真上にくる領域に面取り(29)を有することを特徴とする耐熱性ユニット。
【請求項2】
前記アダプタブロック(21)は、前記第2のボトムプレート(12)と摺接していることを特徴とする請求項1に記載の耐熱性ユニット。
【請求項3】
前記アダプタブロック(21)は、外形が円形で、前記第2のボトムプレート(12)の前記上方スライド面(12’)の一部に重なる状態に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の耐熱性ユニット。
【請求項4】
前記第1および第2のボトムプレート(10、12)は同じ外形寸法に設計され、前記第1のボトムプレート(10)は開口部が前記アダプタブロック(21)の開口部と同心となるように配設されることを特徴とする請求項1に記載の耐熱性ユニット。
【請求項5】
全周に設けられた段差形状(10”、12”)は、それぞれハウジングフレーム(30)に挿入するボトムプレート(10、12)に付したものであり、該ボトムプレートはアダプタブロック(21)に対面させて配置することを特徴とする請求項1に記載の耐熱性ユニット。
【請求項6】
請求項1に記載の耐熱性ユニットを備えるスライドゲートであって、耐熱性ボトムプレートである第1のボトムプレート(10)とこのボトムプレート(10)に対して強く押圧することができる耐熱性スライドプレート(18)を備えるスライダユニット(20)とを収容するための容器の排出口に取り付けることができるハウジングフレーム(30)を有し、前記容器の排出口とともに使用することができるアダプタブロック(21)に接続した前記第1のボトムプレート(10)の隣には第2のボトムプレート(12)が位置し、この第2のボトムプレートは前記アダプタブロックの下にスライドして前記第1のボトムプレートと入れ替えることができるスライドゲートにおいて、前記アダプタブロック(21)は、下方スライド面(21’)と前記第2のボトムプレート(12)とが摺動可能に接触するように、長さが前記第2のボトムプレート(12)の一部まで延在しており、ケース(40)は前記ハウジングフレーム(30)内に互いに隣接して収容することができる少なくとも2つのボトムプレートを有し、前記ケース(40)は、作業位置にある前記第1のボトムプレート(10)が前記第2のボトムプレート(12)と入れ替え可能であるように、前記ハウジングフレーム(30)内で移動可能であることを特徴とするスライドゲート。
【請求項7】
前記ケース(40)は、初期位置と最終位置との間を駆動装置(34)によって往復移動することを特徴とする請求項6に記載のスライドゲート。
【請求項8】
前記ケース(40)は、断面が段差形状の縁を有し、前記第1のボトムプレート(10)および前記第2のボトムプレート(12)は前記ケース内にほぼ遊びなしで挿入されることを特徴とする請求項6または7に記載のスライドゲート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶融金属の入った容器の排出口にあるスライドゲートに用いる耐熱性ユニットであって、容器の排出口に設置することができる耐熱性アダプタブロックと、このアダプタブロックに接続した耐熱性ボトムプレートとを有し、このボトムプレートにはスライド式の耐熱性スライドプレートを接続することができる。このスライドプレートはスライドゲートの開・閉を可能にし、アダプタブロックに接続した第1のボトムプレートのほかに、アダプタブロックに隣接する第2のボトムプレートであって、アダプタブロックの下にスライドして第1のボトムプレートと入れ替えることができる第2のボトムプレートを有する耐熱性ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
溶融金属用容器の排出口にあるスライドゲートは、多種多様な形態で知られている。特に、転炉の排出口の開口部を開閉するのに使用するスライドゲートは、例えば特許文献1に開示されている。このスライドゲートは、固定式の耐熱性バルブプレート(いわゆるボトムプレート)と、スライドユニットに収容する耐熱性スライドプレートを内包したハウジングフレームと備え、このハウジングフレームは、前記ボトムプレートに対して移動することができる。スライドプレートは、このプレートの上方スライド面でボトムプレートの下方スライド面の方に強く押圧することができる。ハウジングフレームは、容器に固定したベースプレートに対して解放可能に取り付けるため、耐熱性排出口の頭部をベースプレートに挿入した状態でボトムプレートを上方スライド面の上で支持することができる。注入作業中、耐熱性部分は激しい摩耗損傷を受ける。このため、この耐熱性部分を比較的頻繁に入れ替える必要がある。このために、ハウジングフレームはそれぞれベースプレートから取り外さなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許0819488B1号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、溶融金属用容器の排出口にあるスライドゲートに用いる耐熱性ユニットを提供し、特に、本ユニットの特に耐熱性ボトムプレートを確実かつ容易に交換することができる転炉を提供する目的に基づくものである。
【0005】
この目的は、請求項1に記載の特徴を有するバルブプレートおよび請求項5に記載の特徴を有するスライドゲートにより達成される。
【0006】
本発明によるバルブプレートのさらに好適な形態は、従属請求項の主題を形成するものである。
【0007】
本発明による耐熱性ユニットにより、スライドゲートを設置する際のボトムプレートの入れ替えは、問題なく実施することができる。
【0008】
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明する。図面は以下のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】ケースが初期位置にあり、2つのボトムプレートを備えたスライドゲートの断面図である。
図2図1によるスライドゲートの断面図であり、ケースが初期位置にある図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1によるスライドゲート1は転炉の排出口に配置するのが好ましく、図にはこの排出口のうちスライドゲート1を移動させるベースプレート32のみが示してあり、この排出口には耐熱性アダプタブロック21を設けている。スライドゲート1は、ケース40を備えたハウジングフレーム30を有し、このケース40には耐熱性ボトムプレート10および同じく耐熱性の第2のボトムプレート12が挿入されている。さらに、ハウジングフレーム30には、耐熱性スライドプレート18を備えたスライダユニット20、およびこのスライダユニットに接続されている耐熱性の排出口カバー19が設けられている。
【0011】
スライドゲート1を開閉するのために、スライダユニット20は、スライドプレート18およびこのスライドプレートの下にある排出口カバー19と共に図の平面に対して垂直方向に移動する。これは詳細に図示していない。
【0012】
スライドゲート1において、一方のボトムプレート10は、シリンダユニットとして用意した駆動装置34を用いてケース40を動かすことによって作業位置から移動させて、もう一方のボトムプレート12と入れ替え可能である。したがって、ハウジングフレーム30を分解する必要はない。
【0013】
図2は、容器の排出口に設置することができる耐熱性アダプタブロック21を備えたスライドゲート1に用いる耐熱性ユニット5を示す。この耐熱性ユニットには耐熱性ボトムプレート10を接続し、このボトムプレートには可動式の耐熱性スライドプレート18および排出口カバー19を接続することができる。アダプタブロック21に接続する第1のボトムプレート10の隣には第2のボトムプレート12が位置する。2つのボトムプレート10、12は同じ外形寸法に形成去れており、第1のボトムプレート10は開口部がアダプタブロック21の開口部と同心となるように配置させる。
【0014】
本発明によれば、アダプタブロック21は、下方のスライド面21’と第2のボトムプレート12とが摺接するように、この第2のボトムプレート12の一部まで延在している。アダプタブロック21は、第2のボトムプレート12と少なくとも数ミリメートルの長さにわたって接触してさせていることが有利である。
【0015】
アダプタブロック21は外形が円形で、第2のボトムプレート12の上方のスライド面12’の一部の形状に合致した状態になる。下方スライド面21’のうち少なくともこの第2のボトムプレート12の真上にくる領域に、面取り29が設けられている。ボトムプレート10が反対側からスライドしてくる場合は、このような面取り29を反対側にも設けである。
【0016】
本耐熱性ユニット5の耐熱性部分はそれぞれ、少なくとも1つのジルコン製インサートまたはこれに類似のもの、およびこのインサートを包囲する耐熱性の物質を備える。このほか金属製ケースもあり、それぞれが外周を形成する。全体的に示した斜線部分10”、12”、18’はそれぞれボトムプレートまたはスライドプレートに設けたものである。
図1
図2