特許第5698756号(P5698756)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5698756円筒研削によってクランクシャフトの主軸受およびロッド軸受を研削するための方法ならびに当該方法を実行するための研削機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5698756
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】円筒研削によってクランクシャフトの主軸受およびロッド軸受を研削するための方法ならびに当該方法を実行するための研削機
(51)【国際特許分類】
   B24B 5/42 20060101AFI20150319BHJP
   B24B 41/06 20120101ALI20150319BHJP
【FI】
   B24B5/42
   B24B41/06 J
【請求項の数】16
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-537339(P2012-537339)
(86)(22)【出願日】2010年10月21日
(65)【公表番号】特表2013-510009(P2013-510009A)
(43)【公表日】2013年3月21日
(86)【国際出願番号】EP2010065890
(87)【国際公開番号】WO2011054679
(87)【国際公開日】20110512
【審査請求日】2013年7月3日
(31)【優先権主張番号】102009051737.5
(32)【優先日】2009年11月3日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】500271007
【氏名又は名称】エルビン・ユンカー・マシーネンファブリーク・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヒンメルスバッハ,ゲオルク
【審査官】 大山 健
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−510826(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 5/00−5/50
B24B 41/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物回転駆動部とその上に配されるチャックとを有する研削機において円筒研削によってクランクシャフトの主軸受およびロッド軸受を研削するための方法であって、
a)第1のセットアップにおいて、まず前記ロッド軸受が粗研削および仕上げ研削され、
b)次いで、前記クランクシャフトが第2のセットアップへと移されて、前記主軸受が粗研削および仕上げ研削され、
c)両方のセットアップにおいて、軸方向に互いに離れるとともに粗い外形を有する2つの研削されないクランプ点にて前記クランクシャフトがクランプされ、
d)前記第2のセットアップは、回転駆動を行うとともに前記クランクシャフトの幾何学上の規定長手方向軸の周りの回転を引き起こす原理に従って行われる方法ステップを備える方法において、
e)前記第1のセットアップを引き起こすために、前記クランクシャフト(1)の幾何学上の規定長手方向軸(10)は関連する被加工物回転駆動部の回転軸(32)と一致され、
f)次いで、前記第1のセットアップの前記2つのクランプ点のうちの少なくとも1つに、前記関連する回転駆動部の前記チャック(43)上に配置されるとともに半径方向面に移動可能な2つの支持部材(12)がこれらのクランプ点に位置決めされ、この位置で一緒にロックされて前記チャック(43)に動作可能に固定される支持部を形成し、
g)半径方向において前記支持部材(12)の反対側に配される少なくとも1つのクランプ部材(44)は、前記クランプ点に位置決めされ、前記支持部材(12)上の前記クランクシャフト(1)の位置を固定し、
h)前記第1のセットアップにおいても前記クランクシャフト(1)の前記幾何学上の規定長手方向軸(10)の周りを回転するように前記第1のセットアップの前記回転駆動部がセットされるという方法の特徴によって特徴づけられる方法。
【請求項2】
前記クランクシャフト(1)は、第1のセットアップでは、前記支持部材(12)と、対応して形成されるチャック(43)の少なくとも1つのクランプ部材(44)とによって両方のクランプ点にてクランプされることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記クランクシャフトがその端部にて被加工物主軸台と心押し台との間に回転可能にクランプされるとともに回転駆動される研削機において実行される方法において、調節動作の終了の際、前記クランクシャフトの前記幾何学上の規定長手方向軸(10)と前記被加工物主軸台(26)および前記心押し台(27)の回転軸(32)との間に達成された一致状態は、前記クランクシャフト(1)および回転可能な支持部の中心部と、前記被加工物主軸台(26)および前記心押し台(27)の駆動部分との間に確実なロック係合がもたらされるようにロックされることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
円錐形の端部外形を有する中心部(52,53)が回転可能な調心部分として形成されるので前記確実なロック係合がもたらされ、前記中心部(52,53)は前記クランクシャフトの前記端部にて調心孔(8,9)と合致して係合することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記中心部(52,53)は前記被加工物主軸台(26)および/または前記心押し台
(27)の前記チャック(43)内で軸方向に移動可能であることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記クランクシャフト(1)を前記研削機の前記第1のセットアップへ導入するために、その幾何学上の規定長手方向軸(10)を調節するために、かつクランプおよび回転の目的のために、
a)前記中心部(52,53)が引っ込められた状態で前記被加工物主軸台(26)および前記心押し台(27)が、互いに前記クランクシャフト(1)の長さに対応する間隔にセットされ、
b)前記クランクシャフト(1)が搬送装置によって、前記被加工物主軸台(26)と前記心押し台(27)との間のおおよその水平位置に導入され、前記チャック(43)のラッチ肩部(54)にセットされ、前記クランクシャフト(1)の前記幾何学上の規定長手方向軸(10)が前記被加工物主軸台(26)および心押し台(27)の前記回転軸(32)よりも若干低く配置されるように高さ調整が選択され、前記クランクシャフトの前記中心部(52,53)の前記円錐形の端部外形は、前記クランクシャフト(1)の端面において前記合致する調心孔(8,9)の外側に位置するが、前記調心孔(8,9)とはそれらの開口部の幅内で反対側に位置し、
c)前記中心部(52,53)は再び延在し、関連する調心孔(8,9)の中に貫入し、その結果、前記クランクシャフト(1)は持ち上げられその幾何学上の規定長手方向軸(10)が前記被加工物主軸台(26)と前記心押し台(27)の共通の回転軸(32)と安定した一致状態になり、
d)その後、前記支持部材(12)が前記クランクシャフト(1)の前記クランプ点に位置決めされ、前記クランプ部材(44)を位置決めすることにより、前記クランクシャフト(1)は前記支持部材(12)に強固にクランプされ、
e)最後に、回転駆動および研削動作が始められる方法ステップが行われることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記チャック(43)における前記支持部材(12)は、互いに独立して半径方向に移動可能であり、両方の支持部材に等しく作用する油圧流体の作用下において、自動的に適応できる態様で前記クランクシャフト(1)の前記クランプ点に位置決めされることを特徴とする、請求項1〜6の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項8】
クランプ部材(44)は油圧によって作動されることを特徴とする、請求項1〜7の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項9】
クランクシャフトの主軸受およびロッド軸受の円筒研削のための研削機であって、
−2つの研削ステーションを備え、前記研削ステーションの各々には、被加工物主軸台および心押し台と、制御された態様で移動可能な必要な駆動される砥石車と、軸方向に互いに離れるとともに粗い外形を有する2つの研削されないクランプ点にて前記クランクシャフトをクランプするためのチャックとが設けられ、前記研削機はさらに、
−前記クランクシャフトを第1の研削ステーションから第2の研削ステーションに搬送するための搬送装置を備え、
−前記第1の研削ステーションは前記ロッド軸受を粗研磨および仕上げ研磨するようセットアップされ、前記第2の研削ステーションはその後で前記主軸受を粗研磨および仕上げ研磨するようセットアップされ、
−請求項1〜8の少なくとも1項に記載の方法を実行するための研削機において、
−前記第1の研削ステーション(22)では、前記被加工物主軸台(26)および前記心押し台(27)の前記チャック(43)には、2つの半径方向に移動可能な支持部材(12)と、半径方向においてその反対側に少なくとも1つの半径方向に移動可能なクランプ部材(44)とが設けられ、これらのすべては前記クランクシャフト(1)に対して互
いに独立して位置決めされ、前記2つの支持部材(12)は互いに対してV字形状で配され、その結果支持部を形成し、
−前記2つの支持部材(12)を前記チャック(43)上の所望位置にロックして、動作可能に固定された支持部を形成するロック装置が設けられ、
−前記クランクシャフトの前記幾何学上の規定長手方向軸(10)が前記被加工物主軸台(36)および前記心押し台(37)の共通の回転軸(32)と一致した状態で前記2つの支持部材(12)が前記クランクシャフト(1)に対して載置される際に、前記クランプ部材(44)がロックおよび位置決めされるように配置がなされ、
−その結果、前記被加工物主軸台(36)および/または前記心押し台(37)の回転駆動により、前記クランクシャフト(1)がその幾何学上の規定長手方向軸(10)の周りを回転することを特徴とする研削機。
【請求項10】
前記第1の研削ステーション(22)において前記クランクシャフト(1)を微調整するために、前記被加工物主軸台(26)および前記心押し台(27)上の、調心部分として動作する前記中心部(52,53)は、調整および持上作用について前記調心孔(8,9)と相互作用するよう設計されることを特徴とする、請求項9に記載の研削機。
【請求項11】
前記支持部材(12)はボルトの基本形状を有し、前記ボルトは、前記チャック(43)において半径方向に延在するとともに、円錐形にテーパする態様で前記クランクシャフト(1)に面するそれらの領域において形成されることを特徴とする、請求項9または10に記載の研削機。
【請求項12】
前記半径方向に移動可能な支持部材(12)および前記半径方向に移動可能なクランプ部材(44)が、油圧手段、機械的手段、電気的手段、または気圧力学手段によって直接的または間接的に作動されることを特徴とする、請求項9〜11のいずれか1項に記載の研削機。
【請求項13】
各支持部材(12)のロック装置はロッキングピン(16)を有し、前記ロッキングピン(16)は、前記チャック(43)において移動可能な態様でガイドされ、前記支持部材(12)における長手方向溝(19)に係合され、作動されると前記支持部材(12)をそのそれぞれの位置に固くクランプすることを特徴とする、請求項11または12に記載の研削機。
【請求項14】
前記ロッキングピンは、機械的手段、油圧手段、電気的手段、または気圧力学手段によって作動されることを特徴とする、請求項13に記載の研削機。
【請求項15】
前記クランプ部材(44)は旋回部材の形態にあり、その旋回軸(55)は前記被加工物主軸台(26)および前記心押し台(27)の共通の回転軸(32)と平行に延在し、その作動端部(56)は、旋回状態では、前記支持部材(12)とは反対側の前記クランクシャフト(1)の前記クランプ点上に載ることを特徴とする、請求項9〜14の少なくとも1項に記載の研削機。
【請求項16】
前記第2の研削ステーション(23)における前記被加工物主軸台(36)の前記チャックは、油圧により位置決めされた共通の相互クランプ顎部を有し、前記2つの研削ステーション(22,23)における前記クランクシャフト(1)がそれらの幾何学上の規定長手方向軸(10)の周りを回転することを特徴とする、請求項9〜15の少なくとも1項に記載の研削機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研削機において円筒研削によってクランクシャフトの主軸受およびロッド軸受を研削するための、請求項1のプリアンブルに記載の方法と、当該方法を実行するための、請求項8のプリアンブルに記載の研削機とに関する。上記のタイプの方法および研削機は、DE 10 2008 007 175 A1から公知である。
【背景技術】
【0002】
すでにEP 1 181 132 B1において、クランクシャフトの主軸受およびロッド軸受の円筒研削の間に、主軸受の前にロッド軸受を仕上げ研削することが提案されている。この提案は、ロッド軸受の研削の間のクランクシャフトのかなりの変形が、主軸受のその後の仕上げ研削の間に再び少なくとも部分的に除去され得るという知見に基づいている。しかしながらここでは、主軸受の粗研削をロッド軸受の研削の前に行わなければならないことを想定している。したがって、EP 1 181 132 B1によると、必要とされる精度で主軸受を粗研削し得るために、安定的な載置座部がまずクランクシャフトの主軸受に対して基礎とされる。この目的のために、クランクシャフトは正確に規定された回転軸で、具体的には、直径、丸み、実際の運転、および中心性に関するすべての主軸受についての規定する基準軸であるその幾何学上の規定長手方向軸で、クランプされなければならない。この幾何学上の規定長手方向軸はさらに、ロッド軸受の機械加工についての基準軸として利用可能でなければならない。ロッド軸受の粗研削および仕上げ研削に続いて、クランクシャフトの主軸受が最終的に仕上げ研削される。EP 1 181 132 B1から公知である方法には、研削動作のすべてが単一のセットアップで行われるという利点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、研削の間にクランクシャフトをクランプおよび支持することによって発生する制約によって、DE 10 2008 007 175 A1に詳細に記載されるように他の変形のリスクが導入される。したがって、改善策として、上記の文献は、単一のセットアップでクランクシャフトを研削研削することをあきらめることを提案している。正確に言えば、DE 10 2008 007 175 A1によると、単一の研削機内に配置され得る2つの研削ステーションが提案される。まず、第1の研削ステーションにおいてロッド軸受が粗研削および仕上げ研削される。その後、クランクシャフトは、主軸受が粗研削および仕上げ研削される第2の研削ステーションの中へと移送される。この公知の方法には、研削されるべきクランクシャフトが、単に屑取によって機械加工されたその粗い外形によって2つの研削ステーションにおいてクランプされるという特定の特徴がある。この場合、クランクシャフトの円筒状の円周面が、ターニング、ドリリング、またはトロコイドミリングによって初めに機械加工される。すなわち、まだ未研削状態である。この場合、第1の研削ステーションにおいて、クランクシャフトはシェルチャックに搭載される。シェルチャックは、クランクシャフトの端部側の円筒部または2つの外側主軸受に有利に取り付けられる。当然ながら、ロッド軸受の研削の間、クランクシャフトは、幾何学上の規定長手方向軸の周りを回転せず、そこから逸脱するとともにクランプ点にてクランクシャフトの粗い外形によって与えられる回転軸の周りを回転する。しかしながら、ピン−チェイシング研削処理ではロッド軸受はいずれにしても、CNC制御された円筒研削によって研削されなければならないので、DE 10 2008 007 175 A1によると、対応する修正が研削機のコンピュータにおいてなされなければならない。この目的のために、クランクシャフトは研削の前に正確に測定されなければならない。クランクシャフトの幾何学上の規定長手方向軸からの実際の回転軸の偏差が分かる場合、これはコンピュータによって感知され得、CNC研削の間に考慮される。その結果、第1の研削ステーションでの研削の後では、主軸受はまだ研削されていないが、ロッド軸受はクランクシャフトが正確な幾何学上の規定長手方向軸の周りを回転したかのように研削されたクランクシャフトが存在することになる。
【0004】
DE 10 2008 007 175 A1によると、クランクシャフトの端面における通常の調心孔へと貫入する中心部同士の間にクランクシャフトがクランプされるのは、第2の研削ステーションにおいてだけである。これらの調心孔は、ロッド軸受が研削される前にクランクシャフトの製造業者によって作られ、各クランクシャフトの幾何学上の規定長手方向軸を決定する。
【0005】
DE 10 2008 007 175 A1に従った方法は、経済的な態様で、まずロッド軸受のすべてを粗研削および仕上げ研削し、その後、変更されたセットアップで主軸受を粗研削および仕上げ研削することに成功した。しかしながら、DE 10 2008 007 175 A1に従った方法には相当な負担が伴う。なぜならば各クランクシャフトごとに、幾何学上の規定長手方向軸に対する回転軸の位置を正確に測定しなければならないからである。上記の位置は、クランプ点での粗い外形のクランプにより生じる。したがって本発明の目的は、はるかに少ない負担でも同じ高精度の研削結果が達成され得るように請求項1のプリアンブルに係る公知の方法を単純化することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1における特徴のすべてを有する方法によって達成される。この方法は、請求項9に記載の特徴を有する研削機上で実行される。
【0007】
本発明に従った方法によると、第1のセットアップにおいて、研削されるべきクランクシャフトを関連する被加工物回転駆動部の回転軸と一致させる。次いで、関連する回転駆動部のチャックの上に配置されるとともに半径方向の面に移動し得る2つの支持部材が、これらのクランプ点に位置決めされ、当該位置においてともにロックされ、これによりチャックに動作可能に固定される角柱の態様で支持部を形成する。この角柱の支持部の特性は、互いに対して必ずV字型の位置にある支持部材から得られる。支持部材とは半径方向において反対側に位置するクランプ部材が次いで、好ましくは油圧によってクランクシャフトに面して位置決めされ、互いに強固にロックされた上記の2つの支持部材によって与えられる上記の支持部に対してクランクシャフトを押圧する。支持部材およびクランプ部材の主な目的は、研削の間にクランクシャフトの回転駆動を行うことである。これは、クランクシャフトのクランプ位置が回転駆動部の中心部によって決定されるからである。しかしながら支持部材同士の固いロックの結果、特に寸法的に剛性のクランプが得られるので、研削の間に剛性および支持作用もクランクシャフトに対して達成される。その結果、ロッド軸受の研削の間のクランクシャフトの変形が避けられないことが続く場合でも、研削結果の特定の精度が全体に亘って生じる。したがって、安定的な座部の追加を省略することができる。有利なことに、この特定のタイプのクランピングにより、ロッド軸受の研削の間でもクランクシャフトがその幾何学上の規定長手方向軸の周りを回転することになる。したがって、CNC研削の間にコンピュータによる決定の回りくどい道程を省略することが可能になるという利点がある。
【0008】
第2のクランプステーションの場合、DE 10 2008 007 175 A1から公知の方法のような第2のセットアップが保持される。ここで、クランクシャフトは一般に中心部同士の間にクランプされ、補償チャックによって回転するようセットされる。そのクランプ顎部はすべて相互に補償する。これは、第2のセットアップにおいて、可能な限りすべての主軸受が同時に、またはそうでなければ連続して研削されることが意図されるので、クランプ点が従来通りジャーナルおよび/またはフランジ上においてより外側に位置決めされなければならないという理由による。その結果、クランクシャフトにおいて屈曲剛性が低くなることにより、最大でも安定的な座部の追加が必要になる。この結果、第2のセットアップにおいて異なる加工方法が存在することになる。
【0009】
本発明に従った方法の発展例が請求項2〜8に記載される。
請求項2〜5は、クランクシャフトが第1のセットアップ(第1の研削ステーション)においてクランプされる際に、クランクシャフトの幾何学上の規定長手方向軸が被加工物回転駆動部の回転軸と一致するのを達成するための措置を示す。
【0010】
請求項6は、クランクシャフトが研削機の第1のセットアップの中に導入される場合の手順を規定する。この場合、クランクシャフトはまず、チャックに固定される載置肩部上にセットされ、次いで被加工物主軸台および心押し台の中心部による組み合された調節および持上移動で2つの規定する長手方向軸の安定した一致状態へと動かされる。
【0011】
請求項7は、チャックにおける支持部材は互いに独立して半径方向に移動可能であり、両方の支持部材に等しく作用する油圧流体の作用下で自動的に適応可能な態様でクランクシャフトのクランプ点に位置決めされるということが不可欠であると強調する。
【0012】
本発明に従った方法を行うための研削機が請求項9において特定される。
請求項10〜16はこの研削機の有利な設計の詳細に関する。
【0013】
請求項16は、本発明に従った研削機も2つの異なるセットアップ、したがって2つの研削ステーションへの細分化を保持することを特定する。DE 10 2008 007 175 A1のような第2の研削ステーションの構成が保持される。
【0014】
図面に示される例示的な実施例に基づいて、以下の記載において本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に従った方法を実行するための研削機を上から見た図を示す図である。
図2】チャックを有するクランクシャフトの部分断面側面図を示し、ロッド軸受の研削の間にクランクシャフトをクランプする第1の可能な方法を説明する図である。
図2a図2の詳細の拡大図を示す図である。
図3図2に対応する図であって、ロッド軸受の研削の間にクランクシャフトをクランプするさらなる可能な方法の図を示す図である。
図4図2における線B−Bに沿った断面を示す図である。
図5図2における線A−Aに沿った部分断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、研削機の上方から見た図を例示目的で示す。クランクシャフト1は、研削機により本発明に従って研削されるよう意図される。図2は、被加工物主軸台26に配置される関連するチャック43を有する従来の4シリンダのクランクシャフト1の側面図を例示する。クランクシャフト1は、チーク2と、内側主軸受3および外側主軸受4と、さらにロッド軸受5とを有する。例示されるクランクシャフト1の左側の端部はフランジ6において終端し、右側の端部はジャーナル7において終端する。クランクシャフト1は、幾何学上の規定長手方向軸10を有する。長手方向軸10は、主軸受3,4、フランジ6、およびジャーナル7といったクランクシャフト1のすべての調心された部分の中心線を形成するとともに、円筒研削のすべての動作について決定的である。幾何学上の規定長手方向軸10はすでにクランクシャフトブランクの製造者によって、通常は調心孔8および9によって示されている。調心孔8および9は、クランクシャフト1の2つの端面に設けられる。幾何学上の規定長手方向軸10はしたがって、当該2つの調心孔8,9の間の接続直線として、クランクシャフト1の研削の間、利用可能である。
【0017】
このようなクランクシャフト1を研削するために用いられる機械は、個々のサブアセンブリおよび要素が当業者に根本的によく知られているので、図1の概略的な全体図に基づき全体として記載され得る。研削機は、研削セル21を形成する。研削セル21は、第1の研削ステーション22と第2の研削ステーション23とを含む。この場合、第1の研削ステーション22はロッド軸受5を研削するのに独占的に用いられる。その一方、第2の研削ステーション23においては、主軸受3および4が独占的に研削される。研削セルを通過する際のクランクシャフト1の流れ方向を矢印20によって示す。したがって、ロッド軸受5は、主軸受3および4の前に粗研削および仕上げ研削される。これら2つの研削ステーション22,23は、共通の機械ベッド24の上に配される。機械ベッド23はさらに機械テーブル25を含む。
【0018】
第1の研削ステーション22は、被加工物主軸台26と、心押し台27とを含む。被加工物主軸台26と心押し台27とはともに、電気モータによって同期して駆動され得る。クランクシャフト1は、被加工物主軸台26と心押し台27との間にクランプされる。さらに、第1の研削ステーション22は、研削主軸台29を有するクロススライド28を含む。研削主軸台29上には、砥石車31を有する2つの研削スピンドル30が配置される。クロススライド29は全体として、送り方向33に、すなわちクランプされたクランクシャフト1の幾何学上の規定長手方向軸10に対して垂直に動かされ得る。その上に配置される研削スピンドル30は、クロススライド29上で個々にまたは一緒に方向34に、すなわち幾何学上の規定長手方向軸10に対して平行に動かされ得る。さらに、研削スピンドル30同士の間の距離は方向34に変更され得る。これにより、ロッド軸受5を研削するためのすべての通常の動作が、CNC制御を用いておよび用いずに公知のように行われ得る。
【0019】
同様に第2の研削ステーション23は、被加工物主軸台36と心押し台37とを含む。被加工物主軸台36と心押し台37との間に、クランクシャフト1がクランプされ、回転駆動される。第2の研削ステーション23に属するクロススライド38は、共通の駆動スピンドル39上に、砥石車40を有する複数の砥石車集合を保持する。砥石車40は、主軸受3,4の研削の間、主軸受3,4に向かって共に送られる。さらに、上記の複数の砥石車集合は方向34にも動かされ得る。
【0020】
クロススライド28,38の送りスピンドルのための駆動モータを41で指定し、研削ステーション22,23の滑面から切屑を離したままにするカバーを42で指定する。2つの被加工物主軸台26,36のためのクランプおよび駆動装置ならびに2つの心押し台27,37のクランプおよび駆動装置は共通の長手方向軸32に位置する。長手方向軸32は、研削の間は同時にクランクシャフト1の回転軸(C軸)である。測定装置は、詳細には例示されないが、研削動作の間に動作測定のために設けられる。
【0021】
同じ出願人によるDE 10 2008 007 175 A1は、本発明に従った研削機のこれまで記載した特徴を開示しており、クランクシャフト1は、2つの研削ステーション22,23の異なる使用目的に対応した態様で、各研削ステーション22,23において異なってクランプされる必要があるという教示も開示している。本願の場合も、第2の研削ステーション23におけるクランプのために、DE 10 2008 007 175 A1から公知の方法を採用する。したがって、主軸受3,4を研削するために、クランクシャフト1は、第2の研削ステーション23において被加工物主軸台36のスピンドルおよび心押し台37のスピンドルの上に配置される中心部同士の間にクランプされる。これらの中心部の円錐形の端部の外形は、クランクシャフト1の端部にて調心孔8および9と係合する。したがって、クランクシャフト1の幾何学上の規定長手方向軸10は、被加工物主軸台36および心押し台37の共通の長手方向軸32と一致する。上記の軸は、研削の間は同時にクランクシャフト1の回転軸である。
【0022】
中心部同士の間にクランプされるクランクシャフト1は、補償チャックを有する駆動部によって回転駆動される。このようなチャックでは、少なくとも2つのクランプ顎部の群が好ましくは油圧で作動される。すべてのクランプ顎部は、同じ油圧流体補給線に接続され、主軸受3,4の共通の長手方向の範囲に配置されるクランクシャフト1の部分上に半径方向に位置決めされる。特に、フランジ6またはジャーナル7はクランプ点として好適である。なぜならば、結果として主軸受のすべてが研削にさらされるからである。この場合、クランプ点の外側外形は、クランクシャフト1の幾何学上の規定長手方向軸10に対して正確に中心対称となる必要はない。むしろ、研削されていない粗い外形であり得る。これは各々の場合、中心部同士の間のクランプによって、クランクシャフト1がその幾何学上の規定長手方向軸10の周りを回転することが保証されるからである。補償チャックのクランプ顎部は、個々に自身で移動され得るが、油圧媒体を介して相互に補償され得る。したがって、各クランプ顎部は、クランクシャフト1のクランプ点にて同じ力で位置決めされる。この場合、クランプ顎部はクランクシャフト1を回転駆動するのみである。しかしながら、これらのクランプ顎部は、柔軟に補償する態様で位置決めされるので、研削の間、クランクシャフト1に対して剛性クランプ作用を与えないか、ほんのわずかしか与えず、クランクシャフト1の湾曲に対処する。直径、丸み、実際の運転、および中心性に対する誤差を避けるために、主軸受3,4が第2のクランプステーション2において研削されている場合、クランクシャフト1は安定的な座部によって中心部の長手方向領域において支持されることが絶対的に必要である。
【0023】
このような補償チャックの例が、DE 10 2008 007 175 A1において図8により詳細に記載される。上記文献に存在する、第2の研削ステーション23においてクランクシャフト1をクランプおよび回転駆動するための実施例のすべても本願の内容に含まれる。これらの補償チャックが用いられる場合、主軸受3,4は第2の研削ステーション23において確実に粗研削および仕上げ研削され得る。
【0024】
しかしながら、ロッド軸受5を研削するための第1のクランプステーション22では、クランクシャフト1は図2から図5において大きく概略的に例示されるように、DE 10 2008 007 175 A1に係る先行技術から逸脱する態様でクランプおよび回転駆動される。図2の左側の領域における断面図はこの場合、図4における断面線CMCに対応し、Mは幾何学上の規定長手方向軸10上のクランクシャフトの断面の中心点である。図2および図2aは、中心部52が軸方向に移動可能な被加工物主軸台26のチャック43を示す。クランクシャフト1に面する中心部52の前端は、円錐形の端部外形52aとして形成され、したがってクランクシャフト1における関連する調心孔8内への挿入を促進する。心押し台27もこの種類のチャック43を有するよう形成され得る。図3における円錐形の端部外形を有する中心部53と関連する調心孔9とを参照のこと。図4に示すように、図2図2a、および図3によるとクランクシャフト1のフランジ6およびジャーナル7に対して露出するU字型のポケット11が、クランクシャフト1に面するチャック43の端面上に形成される。図2および図3によると、クランクシャフト1は各々の場合、2つの載置肩部54上に載置される。これらの載置肩部54は、ポケット11の基部から突起の形態で突出し、V字形状で傾斜した態様で互いに対して延在し、チャック43に対して静的である支持角柱を一緒に形成する。図4の例示では、載置肩部54は支持部材12の後ろに配置されるので見ることができない。
【0025】
さらにチャック43には、2つの軸方向スライド14が設けられる。軸方向スライド14は、油圧流体の作用下で、軸方向において両矢印15の方向に移動可能である。チャック43の回転軸32について、これら2つの軸方向スライド14は、図4からわかり得るように、互いに約60度から120度の角度でV字形状でオフセットされた態様で配される。軸方向スライド14の端面は支持部材12の後ろに配される。支持部材12は、同様に互いに対してV字形状で配され、クランプ顎部の機能を有し、回転軸32に対して半径方向に移動可能である。両矢印13を参照のこと。各軸方向スライド14は、傾斜面を介して半径方向スライド57に動作可能に接続される。半径方向スライド57は、半径方向に移動可能な態様でチャック43に搭載される。次いで、各半径方向スライド57は、チャック43から突出する支持部材12にねじ込まれる。各半径方向スライド57は、その支持部材12とともに機能ユニットを形成する。この分けられた構成により、クランクシャフト1が異なる直径を有するクランプ点にてクランプされることを意図する場合に、容易に支持部材12を変更することが可能になる。
【0026】
両矢印15は、2つの軸方向スライド14が、油圧流体によって軸方向において2つの正反対の方向に移動され得ることを示す。油圧流体は、両方の軸方向スライド14に等しく作用し、同じ供給線に接続される。図2aにおいて左への移動の場合、半径方向スライド57は、互いに接触する傾斜面を介して、回転軸32の方向において内方に移動される。その結果、半径方向スライド57にねじ込まれた支持部材12も同じ方向に移動し、クランクシャフト1のクランプ点にて、図2の場合は左側に配置される外側主軸受4にて、当接する。軸方向スライド14が反対の方向(図2aでは右)に移動する場合、支持部材12は再び半径方向において外方に移動する。支持部材12上への圧力は、油圧回路におけるさまざまな圧力調整器によって調整され得る。
【0027】
図5に従った断面図を参照して、2つのロッキングピン16が、半径方向内方にオフセットされる態様で軸方向スライド14に対して平行に軸方向延在孔18に設けられる。軸方向延在孔18は回転軸32に対して同じ角度で配される。両矢印17を参照して、ロッキングピン16は、制御された態様で2つの正反対の方向17に変位され得る。その作動位置では、1つのロッキングピン16が、その円錐形の前端部により台形溝19の中に入ることにより係合する。台形溝19は、長手方向および関連する半径方向スライド57の移動方向に配置される。半径方向スライド57は次いで、所望の位置にしっかりとクランプされる。ロッキングピン16は、機械的手段、油圧手段、電気的手段、または気圧力学手段によって作動および復帰され得る。作動のためには油圧手段、復帰のためにはばねといったように、作動および復帰のために異なる手段が好適である。軸方向スライド14についても、同様の可能な調節方法が存在する。
【0028】
図4から特に明らかなように、ピボットアームの形態にある旋回可能なクランプ部材44が、支持部材12に対向するチャック43の側上に設けられる。上記クランプ部材44の旋回軸は55で指定され、その作動端部は56で指定される。図4は、クランプ部材44のクランプ位置を実線で示し、その解放位置を破線で示す。寸法及び設置条件は、作動の際に、クランプ部材44の作動端部56が、支持部材12同士の間の延在する角度二等分線上に位置するクランクシャフト1Lの点に対して載置されるように選択される。ロッキングピン16の場合と同じ手段がクランプ部材44を作動するために問題となる。
【0029】
上記の研削機を用いて、研削方法が以下のように行われる。
研削されるべきクランクシャフト1は、鋼または鋳物材料からなり、鋳造または鍛造され得、研削されていない粗い状態にある。屑を取り除くことにより、すなわち主としてターニング、ドリリング、またはトロコイドミリングにより、粗く機械加工される。クランクシャフト1はまず、搬送装置により第1の研削ステーション22の中へと移動され、被加工物主軸台26と心押し台27との間にクランプされる。図3を参照して、被加工物主
軸台26および心押し台27の両方に図2から図5に従ったチャック43が具備される実施例が示される。したがって、チャック43の各々にも中心部52,53が設けられる。クランクシャフト1が導入される前に、中心部52,53が軸方向内方に引っ込められた状態で被加工物主軸台26および心押し台27が、クランクシャフト1の長さに対応する軸方向間隔にセットされる。チャック43の回転長手方向軸は、支持部材12およびラッチ肩部14がそれらの底部位置にある位置へと移動する。
【0030】
次いで、クランクシャフト1は被加工物主軸台26と心押し台27との間へ好ましくは上から水平位置に下げられ、ともにチャック43に対して静的な角柱を形成するラッチ肩部54の上に載置する。図3の場合、被加工物主軸台26のラッチ肩部54上のフランジ6と、心押し台27のラッチ肩部54上のジャーナル7とによりクランクシャフト1が載置する。回転軸32に配置される中心部52,53とラッチ肩部54との間の半径方向の距離は、クランクシャフト1の幾何学上の規定長手方向軸10が被加工物主軸台26および心押し台27の共通の回転軸よりも若干低くなるように選択される。したがって、中心部52,53は、それらの開口部の幅内で調心孔8,9と反対に位置する。この時点では、2つのチャック43の支持部材12は、2つの外側主軸受の下にてある間隔で位置する。クランクシャフト1は、その研削されない粗い外形がチャックのラッチ肩部54上にある状態で載置するので、このクランピングの段階では、クランクシャフト1の幾何学上の規定長手方向軸10は被加工物主軸台26および心押し台27の共通の回転軸32と十分に正確に平行に延在しない。修正は次の段階で行われる。
【0031】
この目的のために、2つの中心部52,53は、調心孔8,9の中へと延在および貫入する。これは、中心部52,53の円錐形の端部外形52a,53aにより可能になる。中心部52,53は調心孔8,9の内壁に当接し、クランクシャフト1に対して持上および調節作用を加える。したがって、クランクシャフト1の位置は、高さおよび横方向に修正される。中心部5253が完全に延在した場合、クランクシャフト1はラッチ肩部54から離され、その幾何学上の規定長手方向軸10が被加工物主軸台26および心押し台27の共通の回転軸32に正確に延在する(一致の状態)。この段階では、2つのチャック43の支持部材12は、外側主軸受4の下に、まだ距離をおいて位置している。しかしながら、当該距離はとても小さいので、図においては尺度合わせして再現し得ない。
【0032】
その後、2つのチャック43における軸方向スライド14の作動により、支持部材12は2つの外側主軸受4まで動かされる。支持部材12は互いに対してそれらの位置を自動的に補償し得るので、外側主軸受4の粗い外形による支持部材12の位置が互いに異なる場合でも、同じ圧力によってチャックの2つの支持部材12がクランクシャフト1に当接することとなる。圧力の大きさは、クランクシャフト1のターニングの間に、中心部52,53においてクランクシャフト1のセットアップを支持するが危険には晒さず、チャックとしての支持部材12のその後の機能に十分であるように選択される。この当接位置に到達すると、両方のチャック43におけるロッキングピン16が作動され、上記ロッキングピン16が半径方向スライド57上に位置する長手方向溝19に入って、関連する支持部材12とともに当接位置において半径方向スライド57をロックする。
【0033】
なお、クランクシャフト1は、研削ステーション22内に導入される際に、底部の支持部材12へ直接に配置されてから、当該支持部材12がクランクシャフトまで動かされることも可能である。そのため、静的なラッチ肩部54は省略可能である。しかしながら、静的なラッチ肩部54に搬送動作端部を保持させ、移動可能な支持部材12を第1の配置の動作の範囲まで解放するほうがより信頼性があると考えられる。
【0034】
各チャック43の2つの支持部材12はそれらのロック位置では、それらのV字型の配置により同様にクランクシャフト1のための角柱の態様でともに支持部を形成する。この支持部は、さらなる動作の間に支持部材12が解放し得ないようにロッキングピン16の圧力がセットされる状態でチャック43に動作可能に固定される。これは、油圧で生成されるロック力についてもあてはまる。この点において、第1の研削ステーション22のチャック43は、第2の研削ステーション23におけるチャックとは明確に異なる。第2の研削ステーション23の場合、すべてのチャックは研削の間のクランクシャフト1の回転の最中であっても相互に補償する。
【0035】
この状態では各チャック43上の2つの支持部材は、中心部52,53において、載置するクランクシャフト1のセットアップを支持する固定された支持角柱としてのみ作用する。図4を参照して、クランピングを継続するために、旋回可能なクランプ部材44がその解放位置からクランプ位置へと移動される。ここで、旋回可能なクランプ部材44および2つの支持部材12は、クランクシャフト1の回転および支持を保証しなければならないチャックの機能を担う。図4を参照して、クランプ部材44の作動端部56はほぼ支持部材12同士の間の角度二等分線の直線上に存在するので、外側主軸受4の円周部に対する駆動力の作用は大きく均一である。研削の最中にクランクシャフト1が回転する間、支持部材12はチャック43に強固にロックされたままであり、中心部52,53によってもたらされるクランクシャフトの幾何学上の規定長手方向軸10と回転軸12との一致が危険にさらされることなく、旋回可能なクランプ部材44がかける力を確実に吸収する。クランクシャフト1は、この長手方向軸10に正確に沿って延在する態様でクランプされ、中心部から押し出され得ない。
【0036】
これをサポートするのは、クランクシャフト1が外側主軸受4にて第1の研削ステーション22にクランプされるという事実である。これらにより、クランクシャフト1の中心の長手方向の領域に向かってもっとも内方に動かされるクランプ点が形成される。この場合、ロッド軸受5のすべてが1つのセットアップで粗研削および仕上げ研削され得る。クランプ点同士の間のクランクシャフト1の自由長さは、この場合もっとも短くなる。角柱の態様で固くロックされる支持部材12と関連して、これはクランクシャフト1が砥石車の圧力下で湾曲しない事実につながる。したがって、安定的な座部の追加を省略することが可能である。たとえば2または3といった相対的に少ない数のロッド軸受の場合、したがってより短いクランクシャフトの場合、または研削精度について要求が低い場合、第1の研削ステーション22において、クランクシャフト1をフランジおよび/またはジャーナルにてクランプし、上述したのと同じ態様で研削を行うことも原理的に可能である。
【0037】
ロッド軸受5が仕上げ研削されると、クランクシャフト1は、第2のセットアップが実行される第2の研削ステーション23の中へ移動される必要がある。主軸受3,4のすべてが可能な限り同時に粗研削および仕上げ研削されることを意図しているので、クランプはクランクシャフト1の外側端部にてのみ行われ得る。したがって、第2の研削ステーション23では、補償チャックのクランプ顎部はクランクシャフト1Lが回転する際に自動的に個々に曲がることができる必要がある。その結果、被加工物主軸台36および心押し台27の中心部同士の間にクランクシャフト1を確実に保持することが常に保証されるわけではないので、各々の場合、クランクシャフト1の中心領域における安定的な座部の追加が有利である。セットアップの変更にかかわらず、本発明に従った方法の利点は、EP 1 181 132 B1に従った公知の方法の利点に勝る。具体的には、ロッド軸受5の粗研削および仕上げ研削の間にかなりの変形が最初からすぐに発生し、主軸受3,4のその後の粗研削および仕上げ研削の間、再び大きく除去され得るので、各々の場合、研削精度の増加が全体として達成される。
【符号の説明】
【0038】
参照符号のリスト
1 クランクシャフト
2 チーク
3 内側主軸受
4 外側主軸受
5 ロッド軸受
6 フランジ
7 ジャーナル
8 調心孔(フランジ)
9 調心孔(ジャーナル)
10 クランクシャフトの幾何学上の規定長手方向軸
11 U字型のポケット
12 支持部材
13 両矢印、クランプ顎部の移動方向
14 軸方向スライド
15 両矢印、軸方向スライドの移動方向
16 ロッキングピン
17 両矢印、ロッキングピンの移動方向
18 孔
19 長手方向溝
20 流れ方向(クランクシャフトの搬送方向)
21 研削セル
22 第1の研削ステーション
23 第2の研削ステーション
24 共通の機械ベッド
25 機械テーブル
26 被加工物主軸台(第1の研削ステーション)
27 心押し台(第1の研削ステーション)
28 クロススライド
29 研削主軸台
30 研削スピンドル
31 砥石車
32 共通の長手方向軸、クランクシャフトの回転軸
33 砥石車の送り方向
34 方向
36 被加工物主軸台(第2の研削ステーション)
37 心押し台(第2の研削ステーション)
38 クロススライド
39 共通軸
40 砥石車
41 駆動モータ
42 カバー
43 チャック(第1の研削ステーション)
44 旋回可能なクランプ部材
45 旋回可能なクランプ要素の旋回軸
52 被加工物主軸台の中心部
52a 円錐形の端部領域
53 心押し台の中心部
53a 円錐形の端部領域
54 ラッチ肩部
55 クランプ部材の旋回軸
56 作動端部
57 半径方向スライド
図1
図2
図2a
図3
図4
図5