特許第5698824号(P5698824)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5698824
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】ダブルスライドレール
(51)【国際特許分類】
   A47B 88/10 20060101AFI20150319BHJP
【FI】
   A47B88/10 A
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-228251(P2013-228251)
(22)【出願日】2013年11月1日
【審査請求日】2013年12月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】591014271
【氏名又は名称】株式会社スカイ
(74)【代理人】
【識別番号】100074169
【弁理士】
【氏名又は名称】広瀬 文彦
(72)【発明者】
【氏名】高田 剛
【審査官】 榎本 吉孝
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−179293(JP,A)
【文献】 実開昭58−34641(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/04 − 88/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面略C字型の鉤型両腕部分の内側に半円形凹溝からなるボール走行面を長手方向に沿って形成した第一アウターメンバと、前記第一アウターメンバの断面略C字型の開口と向かい合わせに開口が来るように配置した、第一アウターメンバと同形の断面略C字型の鉤型両腕部分の内側に半円形凹溝からなるボール走行面を長手方向に沿って形成した第二アウターメンバと、ボール走行面に介装されるボールと、第一アウターメンバと第二アウターメンバ内に断面略コの字型に立ち上げて前記ボールを抱え込んでアウターメンバ内に摺動自在に介装する凹溝の形成されたインナーメンバと、前記ボールを回動自在に第一アウターメンバと第二アウターメンバ内のボール走行面に整列保持する第一ボールリテーナと第二ボールリテーナと、からなるスライドレールにおいて、
前記インナーメンバは、第一アウターメンバのボール走行面との間でボールを抱え込み、同時に第二アウターメンバのボール走行面との間でボールを抱え込むことにより、第一アウターメンバと第二アウターメンバの両方を併せてインナーメンバに摺動自在に装着するために、金属長板体からなる中央杆の長手方向の略半分の両側端を一方方向に折曲して、半円形凹溝からなる略コの字型の第一アウターメンバの走行面と一対をなすボール走行面となる第一凹溝を形成するとともに、残る長手杆の長手方向の略半分の両側端を他方方向に折曲して略コの字型の第二アウターメンバの走行面と一対をなすボール走行面となる半円形の第二凹溝を形成し、ボールリテーナに保持された回動自在なボールを介装させて摺動可能な構造としたことを特徴とするダブルスライドレール。
【請求項2】
前記インナーメンバは、一枚の金属長板体から形成された中央杆を持つ単一のインナーメンバからなり、第一アウターメンバと第二アウターメンバの両方を摺動自在に装着するために、第一凹溝からなるボール走行面と、第二凹溝からなるボール走行面を一枚の金属長板体の長手方向両側端の略半分を一方方向に折曲し、残りの略半分を他方方向に折曲して半円形凹溝からなるボール走行面を成形した構造であることを特徴とする請求項1記載のダブルスライドレール。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アウターメンバとインナーメンバからなるスライドレールを向い合せに接合したダブルスライド式のスライドレールであって、キャビネット等の引出(抽斗)等の収納されるボックス本体に装着する固定アウターメンバ(第一または第二)と、抽斗等の移動体に装着する移動アウターメンバ(第一または第二)と、内側のボール走行面にボールを介装してスライド可能に装着したインナーメンバと、前記ボールを回動自在に保持したボールリテーナと、からなるダブルスライドレールに関し、特に、単一の金属長板体からなるインナーメンバを介して2つのアウターメンバを向かい合わせに摺動可能に一体的に接合装着したダブルスライドレールに関する。
【背景技術】
【0002】
スライドレールは家庭用や精密機械および扉等の広範囲に渡る製品の可動部に使用されている。スライドレールは抵抗が少ないので、重量がかかる場合や精度の要求される移動体や収納体の摺動手段として多数使用されている。大きな力をかけなくても可動部分である抽斗等を引き出し、または押し戻し出来るところに利点がある。特に、商品陳列機器、精密機械、電子機器、ビジネス機器やオフィス用のファイルボックス、キャビネット、事務用機械器具に高精度のスライドレールが多く使用されている。近年のスライドレールは、ボールとボール走行面の接合面は常に小さくなるように構造的に工夫されており、ボールの回転により摺動抵抗を軽減するように精密に設計されている。
【0003】
スライドレールは前述のような少ない力で荷重により重量のかかった抽斗等の部材を少ない力で容易に往復移動できる利点があることから幅広い用途が認められている。特に、ダブルスライドレールや多段式スライドレールは、可動域が大きく、収納時はコンパクトに収まるため、アウターメンバの大きな移動距離を必要とする場所に設置される器具に積極的に用いられている。従来のダブルスライドレールの基本構成は、長尺のスライドレールの断面略C字型の鉤型両腕部分の内側に半円形凹溝からなるボール走行面を長手方向に沿って形成した第一アウターメンバと、同構造の第二アウターメンバとの間に、第一アウターメンバのボール走行面と一対をなすボール走行面を形成した第一インナーメンバと、第二アウターメンバの走行面と一対をなす第二インナーメンバの背面同士をスポット溶接などで固着させ、二つのスライドレールを向い合せて接合結着して、外側となる二つのアウターメンバを、それぞれ摺動走行自在に固定部材と移動体とに装着して使用する構成が多用されているのが実情である。
【0004】
従来の構造によるダブルスライドレールは、第一アウターメンバ用の第一インナーメンバと、第二アウターメンバ用の第二インナーメンバを別々に製造・形成し、それぞれのシングルスライドレール用のインナーメンバの背面同士を固着させたものであるため、インナーメンバの平面部が二重に重なっており、インナーメンバが二重となるためダブルスライドレール全体の厚みが厚くなってしまうという欠点があった。更に、シングルスライドレール用のインナーメンバを別々に二つ作成してからスポット溶接等で固着させる構造であるため、製造工程が多く、更に部材コストが高くなるという問題もあった。
【0005】
スライドレールの精度、製造技術の向上により、スライドレールの小型化が可能となり、現在ではスライドレールはパチンコ台等の機械中のシステムの一部としても使用されており、パチンコ台等の設置場所からくる機器の厚みの制限などから、可動域が大きく収納時はコンパクトに収める事が可能な、厚みの薄いダブルスライドレールが必要とされるというのが実情である。
【0006】
そこで、ダブルスライドレールのインナーメンバの厚みを少なく抑制し、薄型化・軽量化し、さらに製造工程を減少させることが可能で、部品点数を減らすことによりコスト削減および構造の簡素化が可能となるインナーメンバを備えた新たな形のダブルスライドレールの開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2013−74909号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、上記課題を解決するため、金属長板体からなる中央杆(インナーメンバ)を半分に区分して長手方向の略半分の両側端を一方方向に折曲させ、第一アウターメンバの走行面と一対をなすボール走行面となる第一凹溝を形成し、残る長手杆の長手方向の略半分の両側端を他方方向に折曲して第二アウターメンバの走行面と一対をなすボール走行面を形成し、ボールリテーナに保持された回動自在なボールを介装させて、一枚の中央杆によって第一アウターメンバと第二アウターメンバを摺動可能に結合装着したダブルスライドレールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために本発明に係るダブルスライドレールは、断面略C字型の鉤型両腕部分の内側に半円形凹溝からなるボール走行面を長手方向に沿って形成した第一アウターメンバと、前記第一アウターメンバの断面略C字型の開口と向かい合わせに開口が来るように配置した、第一アウターメンバと同形の断面略C字型の鉤型両腕部分の内側に半円形凹溝からなるボール走行面を長手方向に沿って形成した第二アウターメンバと、ボール走行面に介装されるボールと、第一アウターメンバと第二アウターメンバ内に断面略コの字型に立ち上げて前記ボールを抱え込んでアウターメンバ内に摺動自在に介装する凹溝の形成されたインナーメンバと、前記ボールを回動自在に第一アウターメンバと第二アウターメンバ内のボール走行面に整列保持する第一ボールリテーナと第二ボールリテーナと、からなるスライドレールであって、前記インナーメンバは、第一アウターメンバのボール走行面との間でボールを抱え込み、同時に第二アウターメンバのボール走行面との間でボールを抱え込むことにより、第一アウターメンバと第二アウターメンバの両方を併せてインナーメンバに摺動自在に装着するために、金属長板体からなる中央杆の長手方向の略半分の両側端を一方方向に折曲して、半円形凹溝からなる略コの字型の第一アウターメンバの走行面と一対をなすボール走行面となる第一凹溝を形成するとともに、残る長手杆の長手方向の略半分の両側端を他方方向に折曲して略コの字型の第二アウターメンバの走行面と一対をなすボール走行面となる半円形の第二凹溝を形成し、ボールリテーナに保持された回動自在なボールを介装させて摺動可能な構造とした構成である。
【0010】
前記インナーメンバは、一枚の金属長板体から形成された中央杆を持つ単一のインナーメンバからなり、第一アウターメンバと第二アウターメンバの両方を摺動自在に装着するために、第一凹溝からなるボール走行面と、第二凹溝からなるボール走行面を一枚の金属長板体の長手方向両側端の略半分を一方方向に折曲し、残りの略半分を他方方向に折曲して半円形凹溝からなるボール走行面を成形した構造とした構成である。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るダブルスライドレールは、上記詳述した通りの構成であるので、以下のような効果がある。
1.インナーメンバに半円形凹溝からなる略コの字型の第一アウターメンバの走行面と一対をなすボール走行面となる第一凹溝と、第二アウターメンバの走行面と一対をなすボール走行面となる半円形の第二凹溝を形成したことにより、単一のインナーメンバにより第一アウターメンバと第二アウターメンバが摺動可能に装着できるため、従来の2枚のインナーメンバの背面同士をスポット溶接等で固着したダブルスライドレールに比べ、ダブルスライドレール全体の厚みを薄くすることが可能である。
2.第一凹溝からなるボール走行面と、第二凹溝からなるボール走行面を一枚の金属長板体から成形するため、一枚の金属長板体からなる中央杆により両面のアウターメンバを摺動自在に係合装着する事が出来るため、精度のよいダブルスライドレールを安価に大量生産する事が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係るダブルスライドレールの斜視図
図2】本発明に係るダブルスライドレールの正面図
図3】本発明に係るダブルスライドレールのインナーメンバの斜視図
図4】本発明に係るダブルスライドレールのインナーメンバの正面図
図5】本発明に係るダブルスライドレールのアウターメンバの正面図
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係るダブルスライドレールを図面に示す実施例に基づいて詳細に説明する。
本発明に係るダブルスライドレール10は、第一アウターメンバ20と、インナーメンバ30と、第二アウターメンバ40と、第一ボールリテーナ52と、第二ボールリテーナ54と、ボール60と、からなる構成である。インナーメンバ30には、図3で示すように、第一アウターメンバの走行面と一対をなすボール走行面となる第一凹溝32と、第二アウターメンバの走行面と一対をなすボール走行面となる第二凹溝34が、長手方向の略半分にそれぞれ突設されている。
【0014】
図1は、本発明に係るダブルスライドレールの斜視図であり、第一アウターメンバ20と、第二アウターメンバ40が、ボールリテーナに回転自在に保持されたボール60を抱え込んで、インナーメンバに摺動自在に装着された状態を示すものである。図1は、第一アウターメンバと、第二アウターメンバが完全に収納された状態を示すものである。
【0015】
図2は、本発明に係るダブルスライドレールの正面図であり、インナーメンバには第一凹溝と32と、第二凹溝34が設けられており、第一アウターメンバ20の第一ボール走行面22と、第二アウターメンバ40の第二ボール走行面44で、回動自在にボールリテーナに保持されたボール60を介して、二つのアウターメンバが摺動自在に装着されている構成である。
【0016】
図3は、インナーメンバの斜視図であり、インナーメンバの長手方向の手前略半分に第二凹溝34が折曲形成されており、また、後方略半分に第一凹溝32が折曲形成されている状態を示すものである。
【0017】
図4は、本発明に係るダブルスライドレールのインナーメンバ30を取り出した状態の正面図であり、下方に第二凹溝34が折曲形成されており、また、上方に第一凹溝32が折曲形成されている状態を示すものである。
【0018】
図5は、本発明に係るダブルスライドレールのアウターメンバの正面図であり、インナーメンバ30と、ボールリテーナ52,54と、ボール60を取り除き、第一アウターメンバ20と第二アウターメンバ40の開口部を向い合せにした状態を示すものである。
【0019】
第一アウターメンバ20は、フレーム、壁、梁等の固定側、または、可動棚、抽斗、可動部品等の可動側に装着される部材であり、断面略C字型の鉤型両腕部分の内側に半円形凹溝からなる第一ボール走行面22が長手方向に沿って形成されている。第一アウターメンバ20の第一ボール走行面22と、図3で示すインナーメンバ30の第一凹溝32とで、第一ボールリテーナ52に保持された回動自在なボール60を回転自在に保持介装することにより、第一アウターメンバ20をインナーメンバ30に摺動可能に装着する構成である。
【0020】
インナーメンバ30は、第一アウターメンバと第二アウターメンバの間にボール60を介して摺動可能に装着される部材であり、金属長板体からなる中央杆の長手方向の略半分の両側端を一方方向に折曲して、半円形凹溝からなる略コの字型の第一凹溝32を上方に形成し、残る長手杆の長手方向の略半分の両側端を他方方向に折曲して略コの字型の第二凹溝34を下方に形成した構成である。
【0021】
第一凹溝32は、本実施例ではインナーメンバ30の長手方向の先方略半分の両端を上方に折曲して形成されたボール走行面となる弓形形状の突条であり、第一アウターメンバ20の第一ボール走行面22と一対となって第一ボールリテーナ52に回動自在に保持されたボール60により、第一アウターメンバを摺動自在に係合装着する構成である。
【0022】
第二凹溝34は、本実施例ではインナーメンバ30の長手方向の手前方略半分の両端を下方に折曲して形成されたボール走行面となる弓形形状の突条であり、第二アウターメンバ40の第二ボール走行面44と一対となって第二ボールリテーナ54に回動自在に保持されたボール60により、第一アウターメンバを摺動自在に係合装着する構成である。
【0023】
第二アウターメンバ40は、フレーム、壁、梁等の固定側、または、可動棚、抽斗、可動部品等の可動側に装着される部材であり、断面略C字型の鉤型両腕部分の内側に半円形凹溝からなる第二ボール走行面44が長手方向に沿って形成されている。第二アウターメンバ40の第二ボール走行面44と、図3で示すインナーメンバ30の第二凹溝34とで、第二ボールリテーナ54に保持された回動自在なボール60を回転自在に保持装着することにより、第二アウターメンバ40をインナーメンバ30に摺動可能に装着する構成である。
【0024】
第一ボールリテーナ52、第二ボールリテーナ54は、ボールを回転移動可能な状態でスライドレールの中に保持する部材であり、平板を断面コ字型に長手方向の側縁を直角に折った伸延部が設けられた形状からなり、該伸延部には前記ボールを保持する円形切欠孔が連続して切設されている。複数のボール60を内部に回動自在に介在させることによりインナーメンバ30を、第一アウターメンバ20と第二アウターメンバ40内に摺動自在に保持している。ボールリテーナは、アウターメンバとインナーメンバとの間に一つ、または、複数装備保持される形態を取る事が考えられる。
【0025】
ボール60は、金属製の硬性の完全球体であり、平板を屈曲して形成したボールリテーナの両側の伸延部に設けられた複数の円形切欠孔に複数個、並列にスライドレールの摺動方向に沿って第一アウターメンバ20および/または第二アウターメンバ40とインナーメンバ30との間に回転移動可能に装着保持される。
【0026】
図1に示すように本件発明に係るスライドレール10は、第一アウターメンバ20の開口部と、第一アウターメンバ20と同一構造の第二アウターメンバ40の開口部を向かい合わせに設置し、両アウターメンバをインナーメンバ30で摺動自在に連結装着した構成である。通常のスライドレールでは、アウターメンバがキャビネットや梁などの固定物に装着され、インナーメンバは可動部材に装着されるが、この実施例に係るダブルスライドレールでは、インナーメンバ40を介して装着されている何れかのアウターメンバが、固定部材と可動部材に装着される。
【0027】
従来のダブルスライドレールでは、通常のシングルスライドレールのインナーメンバを二本作成し、互いに背面同士を向い合せてスポット溶接などの従来手段で固着させることで、インナーメンバの両面にボール走行面となる凹溝を設けるという方法が用いられていた。そのため、インナーメンバの背面部分の金属長板が二重になるため、本発明に係るダブルスライドレールのインナーメンバの板厚と比較すると、約二倍の厚さとなっていた。
【0028】
本発明に係るダブルスライドレールは、二つのアウターメンバのボール走行面と対をなす二つの凹溝を備えるインナーメンバが、一枚の金属長板体からなる中央杆から形成されているため、インナーメンバの厚みを従来のダブルスライドレールより薄くすることが可能であり、より小型で軽量なスライドレールを提供することが可能となる。ダブルスライドレールは、二つのアウターメンバが摺動可能に装着されているため、アウターメンバの可動範囲がシングルスライドレールより遥かに長く、取付けられた可動部品を遠くまで移動させることが可能であり、様々な分野において使用することが可能となる。本発明に係る薄型のダブルスライドレールは、インナーメンバの板厚が薄いため、より軽量・コンパクトなスライドレールが実現されたものであり、特にパチンコ台などの複雑な機器であって極めてスペースの限られた機械に組み込むことが可能な効果的な構造となっている。
【0029】
本発明に係るダブルスライドレールは、上記詳述したような構成であるため、従来のダブルスライドレールように二本のアウターメンバを装着するためにインナーメンバを二本作成する必要がなく、更に二本のインナーメンバを固着させる作業も不要となり、従来の製品よりも少ない製造工程で薄型のダブルスライドレールを製造する事が可能となる。また、本発明に係るダブルスライドレールのインナーメンバに必要な金属長板は、従来のダブルスライドレールに必要であったインナーメンバの半分の量で済むため、材料を削減して製造コストを削減する事が可能となった。
【符号の説明】
【0030】
10 ダブルスライドレール
20 第一アウターメンバ
22 第一ボール走行面
30 インナーメンバ
32 第一凹溝
34 第二凹溝
40 第二アウターメンバ
44 第二ボール走行面
52 第一ボールリテーナ
54 第二ボールリテーナ
60 ボール
【要約】

【課題】 一枚の金属長板体からなるインナーメンバに、第一アウターメンバと第二アウターメンバに対応するボール走行面を形成することにより、一枚の中央杆によって二つのアウターメンバを摺動可能に結合装着したダブルスライドレールを提供する。
【解決手段】 断面略C字型の二つのアウターメンバと、ボールと、一枚の金属長板体からなるインナーメンバと、ボールを保持する二つのボールリテーナと、からなるスライドレールにおいて、中央杆(インナーメンバ)の長手方向の略半分の両側端を一方方向に折曲させ、第一アウターメンバの走行面と一対をなすボール走行面を形成し、残る略半分の両側端を他方方向に折曲して第二アウターメンバの走行面と一対をなすボール走行面を形成し、回動自在なボールを介装させて、一枚の中央杆によって第一アウターメンバと第二アウターメンバを摺動可能に結合装着した構造である。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5