特許第5698828号(P5698828)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5698828波長変換要素側面保持放熱板を有する照明装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5698828
(24)【登録日】2015年2月20日
(45)【発行日】2015年4月8日
(54)【発明の名称】波長変換要素側面保持放熱板を有する照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20060101AFI20150319BHJP
   F21V 9/08 20060101ALI20150319BHJP
   F21V 9/10 20060101ALI20150319BHJP
   F21V 9/16 20060101ALI20150319BHJP
   F21V 17/00 20060101ALI20150319BHJP
   F21Y 101/02 20060101ALN20150319BHJP
【FI】
   F21S2/00 100
   F21V9/08 100
   F21V9/10
   F21V9/16
   F21V17/00 453
   F21Y101:02
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-254862(P2013-254862)
(22)【出願日】2013年12月10日
(62)【分割の表示】特願2007-230788(P2007-230788)の分割
【原出願日】2007年8月9日
(65)【公開番号】特開2014-44965(P2014-44965A)
(43)【公開日】2014年3月13日
【審査請求日】2013年12月26日
(31)【優先権主張番号】11/463,443
(32)【優先日】2006年8月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】フィリップス ルミレッズ ライティング カンパニー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】セルジュ イェー ビールフイゼン
(72)【発明者】
【氏名】エドウィン デ グロート
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルド ハーバーズ
【審査官】 竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−087770(JP,A)
【文献】 特表2008−523639(JP,A)
【文献】 特開2004−128424(JP,A)
【文献】 米国特許第06734465(US,B1)
【文献】 国際公開第2006/065558(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 9/08
F21V 9/10
F21V 9/16
F21V 17/00
F21Y 101/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光路に沿って第1の波長範囲を有する光を放射する光源と、
入力側面、出力側面並びに前記入力側面及び前記出力側面の間の少なくとも1つの側面を有し、第1の波長範囲を有する前記放射光を前記入力側面で受光するように前記光路に装着され、前記第1の波長範囲を有する前記放射光を第2の波長範囲を有する光に変換し、前記出力側面から前記光を放射する波長変換要素と、
前記波長変換要素に直接に連結された第1の色分離要素と、
前記波長変換要素の前記少なくとも1つの側面に設けられた反射コーティングと、
を含み、
前記波長変換要素及び前記色分離要素は、前記光路に沿って前記光源と直接に接触しない、
ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記第1の色分離要素は、前記波長変換要素に付加されたコーティングであることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記第1の色分離要素は、前記波長変換要素と前記光源の間に位置決めされることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記波長変換要素は、前記光源から第1の波長範囲を有する前記光を受光する入力側面と第2の波長範囲を有する前記光が放射される出力側面とを有し、
第2の色分離要素を更に含み、
前記第1の色分離要素は、前記入力側面と直接に連結され、
前記第2の色分離要素は、前記出力側面に連結されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
前記光源は、少なくとも1つの発光ダイオードを含むことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項6】
前記反射コーティングは、銀及びアルミニウムのうちの一方であることを特徴とする請求項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記波長変換要素の前記出力側面は、粗面化されることを特徴とする請求項に記載の照明装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの側面は、前記入力側面及び前記出力側面が異なる面積を有するように傾斜していることを特徴とする請求項に記載の照明装置。
【請求項9】
入口及び出口を有する集束器要素を更に含み、該入口は、前記波長変換要素から前記第2の波長範囲を有する前記光を受光するために該波長変換要素と光学的に連結され、前記集束器要素は、該入口で受光した該波長変換要素からの該光をほぼ平行化することを特徴とする請求項1に記載の照射装置。
【請求項10】
前記光源から第1の波長範囲を有する前記放射光を受光するために該光源と光学的に連結された入口と、前記波長変換要素が装着された出口とを有し、該入口面で受光した該光を該入口よりも小さい該出口まで集束させる集束器要素と、
前記集束器要素の前記入口に連結された第2の色分離要素と、
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関し、特に、半導体発光装置を含む高輝度光源によって生成される光の波長変換に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)を使用する照明装置は、多くの照明用途において益々一般的になっている。一般的に、LEDは、白色光を発生させるために1次放射の蛍光体変換を使用するが、蛍光体はまた、赤色、緑色、及び黄色のようなより高い飽和度の色をもたらすために使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願出願番号第10/652,348号
【特許文献2】米国特許公開番号第2005/0269582号
【特許文献3】米国特許公開番号第2005/0270775号
【特許文献4】米国特許出願出願番号第11/248,945号
【特許文献5】米国特許出願出願番号第11/104,220号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
蛍光体がLEDと物理的に接触して置かれる従来の装置は、限定された接着温度範囲のような欠点を有する。更に、接着材料の選択は、コストへの影響、並びに例えば熱誘起機械的応力によって引き起こされる信頼性への影響を与える可能性がある。従って、改良が望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの態様によれば、照明装置は、波長変換要素に直接連結された色分離要素を含み、その両方は、光路に沿って光源から分離されている。光源は、例えば、第1の波長範囲を有する光を生成するアレイの状態の1つ又はそれよりも多くの発光ダイオードとすることができる。波長変換要素は、光源によって放射される光を受光するように装着され、光源から物理的に分離されている。波長変換要素は、第1の波長範囲を有する光を第2の波長範囲を有する光に部分的又は完全に変換する。本発明の別の態様では、波長変換要素は、1次光及び2次光のいずれもが放熱板を透過しないように、少なくとも1つの側面で放熱板によって保持されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の一実施形態による照明装置を示す図である。
図2】発光セラミックの調製を概略的に示す流れ図である。
図3】様々な入射角に対する波長の関数としてダイクロイックフィルタコーティングの1つの適切な実施形態の透過特性を示す図である。
図4】ランバート光源に対する波長の関数としての青色ポンプ光の透過に関するダイクロイックフィルタコーティングの1つの適切な実施形態の性能を示す図である。
図5】波長変換光の反射に関するダイクロイックフィルタコーティングの1つの適切な実施形態の性能を示す図である。
図6】波長変換要素のようなn=2.5の媒体内での550nmから660nmの波長について角度に対する平均反射率を示す図である。
図7】遠隔波長変換要素を使用する照明装置を示す図である。
図8】様々な入射角の平均として波長の関数としての第2のダイクロイックフィルタコーティングの1つの適切な実施形態の透過特性を示す図である。
図9A】傾斜側面を有する波長変換要素の実施形態を示す図である。
図9B】傾斜側面を有する波長変換要素の実施形態を示す図である。
図10】粗面を有する波長変換要素の実施形態を示す図である。
図11A】側面で波長変換要素を保持する放熱板の異なる可能な実施形態の1つを示す図である。
図11B】側面で波長変換要素を保持する放熱板の異なる可能な実施形態の1つを示す図である。
図12】波長変換要素を保持する放熱板の別の可能な実施形態の斜視図である。
図13】波長変換要素の熱伝達のグラフを示す図である。
図14】本発明の実施形態による別の照明装置を示す図である。
図15】波長変換要素の詳細図である。
図16】エテンデュ制限出射開口の上面図である。
図17】遠隔波長変換要素及び開口(エテンデュ)再循環光を使用する照明装置を示す図である。
図18図17の照明装置の矩形出射開口の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の実施形態によれば、波長変換要素は、光源から物理的に分離され、色分離コーティングで直接被覆される。この実施形態では、別の色分離要素は必要とされず、従って、後方に放射された波長変換光を再循環させることによって抽出効率が顕著に改善し、付加的要素による損失がないので、外部偏光及び開口再循環もまた増大する。別の実施形態では、効率的なエッジ冷却システムが、波長変換要素を保持するために使用される。
【0008】
図1は、本発明の一実施形態による照明装置100を示している。図1は、光源102を含み、これは、例えば、発光ダイオード(LED)又はLEDのアレイ104のような半導体発光装置、又はキセノンランプ又は水銀ランプのような短波長光を発生することができる他の種類の光源とすることができる。一例として、LED104は、青色又は紫外(UV)LEDであり、本発明の開示と同じ譲受人を有し、参照によって本明細書に組み込まれている、2003年8月29日出願の公開番号第2005/0045901号を有するFrank Wall他による「半導体発光装置のためのパッケージ」という名称の米国特許出願出願番号第10/652,348号に説明した種類のような高輝度装置とすることができる。LED104の角度放射パターンは、ランバート型とすることができ、又は格子構造のようなフォトニック結晶を用いて制御することができる。発光ダイオード104は、放熱板106上に装着されるように示されている。一部の実施形態では、発光ダイオード104は、放熱板106に装着されたサブマウント105上に装着することができる。
【0009】
照明装置100は、光路(一般的に矢印103で示す)に沿って光源105から物理的に分離された波長変換要素110を含み、すなわち、波長変換要素110の入力側面111は、光源102に直接接触しない。光源102と波長変換要素110は、空気、ガス、シリコーン、又は真空のような媒体114によって分離することができる。従って、光源102によって放射された光は、光が波長変換要素110の入力側面で受光される前に媒体114を透過すべきである。光源102と波長変換要素110の間の物理的分離の長さは変えることができるが、一実施形態では、50μm−250μmの範囲内である。一実施形態では、光源102と波長変換要素110の間の分離は、光源102による波長変換要素110の実質的な伝導性加熱を防止するのに十分である。別の実施形態では、波長変換要素110から光源102を分離させるために、充填材又は接着材料を使用することができる。
【0010】
波長変換要素110は、本明細書で「発光セラミック」とも称されるセラミックスラブで形成することができる。セラミックスラブは、一般的に自己支持型の層であり、かつ特定の波長に対して半透明又は透明とすることができ、それは、共形層のような非透過性の波長変換要素に伴う散乱損失を低減することができる。発光セラミック層は、薄膜又は共形蛍光体層よりも頑強とすることができる。一部の実施形態では、結合剤材料内の蛍光体のような発光セラミック以外の材料を波長変換要素110として使用することができる。
【0011】
発光セラミックに形成することができる蛍光体の例としては、0<x<1、0<y<1、0<z≦0.1、0<a≦0.2、及び0<b≦0.1として、黄色−緑色範囲の光を放射するLu3Al512:Ce3+及びY3l512:Ce3+のような一般式(Lu1-x-y-a-bxGdy3(Al1-zGaz512:CeaPrbを有するアルミニウムガーネット蛍光体、及び0≦a<5、0<x≦1、0≦y≦1、及び0<z≦1として、赤色範囲の光を放射するSr2Si58:Eu2+のような(Sr1-x-yBaxCay2-zSi5-aAla8-aa:Eu2+が挙げられる。適切なY3Al512:Ce3+セラミックスラブは、ノースカロライナ州シャルロット所在の「Baikowski InternationalCorporation」から購入することができる。他の緑色、黄色、及び赤色放射蛍光体もまた適切とすることができ、それらには、例えばSrSi222:Eu2+を含む(Sr1-a-bCabBac)Sixy2:Eua2+(a=0.002−0.2、b=0.0−0.25、c=0.0−0.25、x=1.5−2.5、y=1.5−2.5、z=1.5−2.5);例えばSrGa24:Eu2+を含む(Sr1-u-v-x、MguCauBax)(Ga2-y-zAlyInz4):Eu2+;Sr1-xBaxSiO4:Eu2+;並びに0<x≦1として、例えばCaS:Eu2+及びSrS:Eu2+を含む(Ca1-xSrx)S:Eu2+が含まれる。
【0012】
発光セラミックは、蛍光体粒子の表面が共に焼結を開始し、粒子の硬質な凝集体が形成されるまで粉末蛍光体を高圧で加熱することによって形成することができる。光学的不連続性なしで単一の大きい蛍光体粒子として挙動する薄膜とは違って、発光セラミックは、密に充填された個別粒子として作用し、そのために異なる蛍光体粒子の間の境界面での僅かな不連続性が存在する。従って、発光セラミックは、光学的に殆ど均質であり、発光セラミックを形成する蛍光材料と同じ屈折率を有する。共形蛍光体層、又は樹脂のような透明材料内に配置された蛍光体層とは違って、発光セラミックは、蛍光体それ自体以外には結合剤材料(有機樹脂又はエポキシのような)を一般的に必要とせず、そのために個別蛍光体粒子の間の空隙又は異なる屈折率の材料は非常に僅かである。その結果、発光セラミックは、共形蛍光体層とは違って、透明又は半透明である。本発明で使用することができる発光セラミックに関する更に別の情報については、参照によって本明細書に組み込まれている米国特許公開番号第2005/0269582号を参照されたい。
【0013】
一実施形態では、発光セラミックは、eCASであり、これは、5.436gのCa32(>98%純度)、4.099gのAlN(99%)、4.732gのSi34(>98%純度)、及び0.176gのEu23(99.99%純度)から合成されたCa0.99AlSiN3:Eu0.01である。粉末は、遊星ボールミル粉砕によって混合され、H2/N2(5/95%)雰囲気内で1500℃で4時間焼成される。顆粒状粉末は、5kNでの一軸プレスでペレットとされ、3200バールで冷間静水圧プレス(CIP)処理される。ペレットは、H2/N2(5/95%)雰囲気内で1600℃で4時間焼結される。得られたペレットは、閉鎖気孔性を呈し、引き続き2000バール及び1700℃で熱間静水圧プレスされて理論密度の>98%を有する緻密なセラミックが得られる。
【0014】
一実施形態では、発光セラミックは、BSSNEであり、これは、Ba2-x-zxSi5-yAly8-yy:Euz(M=Sr、Ca;0≦x≦1、0≦y≦4、0.0005≦z≦0.05)である。図2に描かれた流れ図は、Ba2-x-zxSi5-yAly8-yy:Eu(M=Sr、Ca;0≦x≦1、0≦y≦4、0.0005≦z≦0.05)が調製される方法を概略的に示している。最初に、Ba2-x-zxSi5-yAly8-yy:Eu(M=Sr、Ca;0≦x≦1、0≦y≦4、0.0005≦z≦0.05)が粉末の形態で調製される。この目的のために、いくつかの方法を適用することができる。図2は、カーボサーマル還元による調製の例を示し、これは、60gのBaCO3、11.221gのSrCO3、及び1.672gのEu23(全て99.99%純度)の分散媒体としての2−プロパノールを使用する遊星ボールミル粉砕(ブロック182)を含む。乾燥の後、混合物は、フォーミングガス雰囲気内で1000℃で4時間焼成され(ブロック184)、このようにして得られたBa0.8Sr0.2O:Eu(2%)のうちの10gは、5.846gのSi34(>98%純度)、0.056gのAlN(99%純度)、及び1.060gのグラファイト(微結晶等級)と混合される(ブロック184)。粉末は、20分間の遊星ボールミル粉砕によって完全に混合されてフォーミングガス雰囲気内で1450℃で4時間焼成され(ブロック188)、Ba2-x-zxSi5-yAly8-yy:Euz(M=Sr、Ca;0≦x≦1、0≦y≦4、0.0005≦z≦0.05)の前駆体粉末が得られる(ブロック190)。粉末は、HClで洗浄され再び粉砕される(ブロック192)。得られた前駆体粉末は、1550℃及び80MPaで熱間プレスされ、緻密なセラミック体が生成される(ブロック194)。これらは、スライス加工され、研磨加工され、かつダイスカットされて、望ましい形状及び光学的表面特性が得られる。必要に応じて、欠陥を除去するために、窒素内での1300℃での焼き鈍しを適用することができる(ブロック198)。
【0015】
一実施形態では、発光セラミックは、SSONEであり、これは、80.36gのSrCO3(99.99%純度)、20.0gのSiN4/3(>98%純度)、及び2.28gのEu23(99.99%)を混合し、N2/H2(93/7)雰囲気内で1200℃で4時間焼成することによって製造される。洗浄の後、前駆体粉末は、10kNで一軸プレスされ、引き続き3200バールで冷間静水圧プレスされる。焼結は、H2/N2(5/95)又は純窒素雰囲気の下で1550℃と1580℃の間の温度で通常行われる。
【0016】
図1に戻れば、一実施形態では、波長変換要素110の入力側面111は、色分離要素116で直接被覆される。色分離要素116は、青色ポンプ光を透過させ波長変換要素110によって変換された光の範囲の波長を反射する。色分離要素116は、波長変換要素110の入力側面111に直接付加される高角度受容性コーティングとすることができ、これは、光源102に対向する。換言すれば、色分離要素116は、光源102と波長変換要素110の間にある。図1に示すように、色分離要素116は、どこでも光源102に直接接触せず、すなわち、色分離要素116と波長変換要素110の両方は、光源102から物理的に分離されている。
【0017】
色分離要素116は、例えば、高角度受容性を有する直接付加ダイクロイックコーティングとすることができる。必要に応じて、特に、光源102の角度放射がフォトニック結晶を有するLEDからのように低減している時に、コレステロール膜、回折又はホログラフィックフィルタを使用することができる。図3は、色分離要素110として使用することができる直接付加ダイクロイックコーティングの1つの適切な実施形態について、様々な入射角での波長の関数としての透過特性を示している。高角度受容性を有するフィルタは、この目的のために具体的に設計することができる。例えば、ダイクロイックコーティングは、より高い屈折率及びより低い屈折率材料の多重層のスタックを用いて波長変換要素110上に形成することができる。より高い屈折率及び最適厚みを有する様々なコーティング材料を適切に選択することによる高角度受容性を有するフィルタが通常望ましい。こうした設計及び製造は、十分に当業者の能力の範囲内である。色分離要素116のための高角度受容性ダイクロイックコーティングの使用は、そのことが色分離要素116の前に光を平行化する付加的な光学要素の使用を排除し、それによって装置のコスト及び寸法を低減するので有利である。
【0018】
図3で理解することができるように、色分離要素116は、例えば、415nmから465nmである青色ポンプ光波長の高い透過率を有する。従って、光源102によって放射された光は、色分離要素116を通過して波長変換要素110に送られることになる。波長変換要素110は、光を内で等方的に放射する。前方に放射された光、すなわち、波長変換要素110の出力側面112に向って放射された光は、直接脱出する機会を有する。しかし、波長変換要素110によって放射された光の大部分は、後方放射、すなわち、入力側面111の方向に放射されるか又は前方に放射されるが、例えば、n=1.7−2.6である波長変換要素110の屈折率と、光がその中に放射される媒体の例えばn=1である屈折率との間の大きい差のため波長変換要素110の出力側面112で後方に反射されることになる。図3で理解することができるように、色分離要素116は、例えば、500nmよりも長波長である変換光の波長で低透過率、すなわち、高反射率を有する。従って、色分離要素116は、後方放射光又は後方反射光が波長変換要素110から光源102に向って脱出しないようにする。
【0019】
上述のように、照明装置100の性能のための2つの重要な判断基準としては、例えば、415nmから465nmのあらゆる波長での青色ポンプ波長の透過率及び例えば橙色、緑色、又は赤色変換光である波長変換光の反射率が挙げられる。図4は、ランバート光源について波長の関数として青色ポンプ光の透過率に関する色分離要素116の1つの適切な実施形態の性能を示している。参照目的のために、図4は、60°ランバートと全半球(±90°)ランバートの両方のそれぞれに関する透過率曲線152及び154を示している。比較のために、露出発光セラミックの透過率が曲線156として示され、一方、青色ポンプ光のスペクトルは、曲線158ように示されている。例えば、フォトニック格子構造がより小さい円錐角でより多くの光を放射する場合のような60°よりも小さい円錐が関連する可能性があるが、図4は、±90°でも依然としてその透過性能が被覆されない発光セラミックよりも顕著に良好とすることができることを示している。図4で理解することができるように、色分離要素116によって効率的に透過する波長は、青色ポンプ波長の範囲が対応することができるような広い範囲に及ばなくてはならず、それは、特に波長変換要素110の吸収スペクトルが同様に広い時に、波長によって発光ダイオード104を選別又は区分けする必要性を低減する。
【0020】
図5は波長変換光の反射率に関する色分離要素116の1つの適切な実施形態の性能を示している。図5は、曲線162として、色分離要素116で被覆した媒体の内での等方的反射率を示し、かつ曲線164として、ランバートを有する外側空気媒体曲線を示し、すなわち、曲線164は、550−660にわたって平均した±90°円錐に関する平均外側ランバート反射率を示している。図5はまた、曲線166としてCaAlSiN蛍光体からの飽和赤色放射を示し、曲線168として、「CIE_Y」アイ・フォトピック感度で重み付けした赤色スペクトル放射を示している。曲線166及び168は、どの波長帯域が大部分の用途について最も重要であるかを示すために提供されている。主要な設計意図は、波長変換要素110の内で正確なカラーポイントと最大の光束を提供する着色光を反射させることである。
【0021】
図6は、波長変換要素110のようなn=2.5の媒体内での550nmから660nmの波長について角度に対する平均反射率を示している。波長変換要素110の内部で放射された光は、等方的な角度分布を有する。図6に示すように、より高角度の光は、全反射(TIR)することになり、通常の脱出円錐内では、反射光は、高角度受容性の色分離要素116によって制御されることになる。こうした特性を有する照明装置100は、波長変換要素110の入力側面での各底部反射で波長変換要素110からの後方放射光の98%よりも多くを反射することになり、それによって光が波長変換要素110の出力側面から放射されると考えられる別の機会が提供される。
【0022】
比較のために、図7は、照明装置800を示し、これは、本出願と同じ譲受人を有し、その全体が本明細書に参照によって組み込まれている、Gerard Harbers他による「照明装置内での遠隔波長変換」という名称の米国特許公開番号第2005/0270775号により詳細に説明されている。照明装置は、青色/UVのLED光源802を含み、これは、コリメータ808によって平行化され、ダイクロイックミラー810によって反射され、別のコリメータ814によって蛍光体要素812に向けて集光される光を発生する。蛍光体要素812は、反射性基板815及び放熱板816上に装着される。輝度増強構造体822(及び/又は偏光回復構成要素)が、蛍光体要素812の上に装着されるように示されている。蛍光体変換光は、コリメータ814によって平行化され、ダイクロイックミラー810を透過する。非変換光は、反射性基板815及びダイクロイックミラー810で反射され、LED802によって再循環される。別の実施形態では、ダイクロイックミラー810は、図17に示すように、青色/UVポンプ光を透過して蛍光体変換光を反射するダイクロイックフィルタと置換される。蛍光体要素は、前方放射光をシステムの外に放出し、後方放射光は、再び平行化され、ダイクロイックフィルタによって反射される。そのような実施形態は、本出願と同じ譲受人を有し、その全体が本明細書に参照によって組み込まれている、2005年10月11日出願のSerge J.Bierhuzen他による「光集束器及び波長変換要素を用いる照明システム」という名称の米国特許出願出願番号第11/248,945号により詳細に説明されている。両方の実施形態では、平行化/集光光学器械が、ダイクロイックミラー/フィルタによる波長フィルタリングの前及び後に使用される。その結果、そのような照明装置の効率は、光平行化及び集光構成要素の効率に大きく依存する。
【0023】
照明装置800と比較すれば、本発明の実施形態による照明装置100は、コスト及び寸法が削減され、一方、後方放射光又は循環される前方放射光の再利用が改善する。更に、照明装置100内の色フィルタ要素の前に光が平行化されることを要しない。更に、照明装置100は、光源に蛍光体が接合されるのを回避し、それは、図7に示す装置と比較して、CTE不一致に起因する熱誘起応力のような悪影響を低減する。
【0024】
図1に戻れば、波長変換要素110内の波長変換材料の厚み及び濃度に応じて、青色ポンプ光が全て変換することができるとは限らないことを理解すべきである。非変換青色ポンプ光は、波長変換要素110の出力側面112を通過して脱出することができる可能性がある。しかし、一実施形態では、第2の色分離要素118は、非変換青色ポンプ光を反射して波長変換要素内に戻すために使用される。図1に示すように、波長変換要素110の出力側面112は、第2の色分離要素118として機能するダイクロイックフィルタで直接被覆することができる。第2の色分離要素118として機能するダイクロイックコーティングの1つの適切な実施形態について様々な入射角の平均として波長の関数としての透過特性を示している。図8に示すように、第2の色分離要素118は、この例においては、青色光の大部分を反射し、橙色/赤色変換光を透過させるように構成される。上述のように、望ましい透過特性を生成する適切な色分離要素118の形成は、十分に当業者の知識の範囲内である。しかし、必要に応じて、第2の色分離要素118は使用しなくてもよい。
【0025】
更に、必要に応じて、波長変換要素110の側面120は、抽出効率の改善のために側面120に達するあらゆる光を反射して波長変換要素110内に戻すように、銀又はアルミニウムのような保護反射コーティングで被覆することができる。側面120は、反射光を散乱させるために粗面化することができる。別の実施形態では、波長変換要素110内の光は、波長変換要素110内でのMIE散乱をもたらす波長変換要素110内の意図的な孔又は微小空隙のような内部散乱領域によって散乱させることができる。一部の実施形態では、波長変換要素110内の側面120は傾斜させることができ、それによって波長変換要素110の入力側面111と出力側面112が異なる面積を有する。図9A及び図9Bは、それぞれ、斜面を有する波長変換要素110a及び110bの実施形態を示している。図9Aに示すように、側面120aは外向きに傾斜し、そのために波長変換要素110aの入力側面111aは、出力側面112aよりも小さい面積を有する。逆に、図9Bに示すように、側面120bは、内向きに傾斜し、そのために波長変換要素110bの入力側面111bは、出力側面112bよりも大きい面積を有する。傾斜角は、放射表面積を増加又は低減することができ、それによって光源の輝度が増加又は低減されるので、側面の最適傾斜角(内向き又は外向きのいずれも)は用途に依存する。
【0026】
別の実施形態では、波長変換要素110の出力側面112は、波長変換要素の出力側面での光抽出を高めるために粗面を有することができる。図10は、波長変換要素110’の入力側面111上に色分離要素116を有し、出力側面112’が粗面である波長変換要素110’の実施形態を一例として示している。波長変換要素110’の出力側面112の表面の粗面化は、湿式化学エッチング、乾式化学エッチング、及び関連技術のような公知の加工方法を用いて実施することができる。
【0027】
図1に示すように、波長変換要素110は、放熱板130に熱的に連結され、かつ1つ又はそれよりも多くの側面120で放熱板130によって保持され、コンパクトかつ廉価な冷却が提供される。波長変換要素110の出力側面112又は入力側面111のいずれか(又は両方)の一部分、すなわち、約30%未満もまた、例えば、安定性のために放熱板130に接触させることができる。従って、波長変換要素110の入力区域、すなわち、光源102から光を受光する入力側面111の区域と、波長変換要素110の出力区域、すなわち、そこから光が波長変換要素110から外部に放射される出力側面112の区域とは、放熱板130によって担持されていない。一部の実施形態では、放熱板130で被覆される出力側面112(又は入力側面111)の一部分に、反射コーティング122を堆積させることができ、再循環が助けられる。代替的に、反射コーティング122は、放熱板130上に堆積されるか、又は例えば放熱板130が反射性材料で製造される場合のように放熱板130それ自体の一部とすることができる。波長変換要素110の出力側面112上の放熱板130及び/又は反射コーティング122は、出力面積かつ従ってシステムのエテンデュを制御するために使用することができる。波長変換要素110として機能することができる発光セラミックスラブは、側面120によって容易に支持することができる。更に、発光セラミックは、約10W/(mK)を超える良好な熱伝導率を有する。少なくとも1つの側面120(及び出力側面112及び/又は入力側面111のできるだけ小さい部分)によってのみ保持される放熱板130の使用は、そのことが出力側面又は入力側面にわたって波長変換要素を担持する従来型の放熱板によって引き起こされる光損失を低減するので有利である。更に、波長変換要素に使用される従来型の放熱板は、サファイア又は他の類似材料で製造されているので、放熱板130を用いればコストが低減される。
【0028】
更に、放熱板130は、光源102の近くに波長変換要素110を機械的に位置決めする機能を提供し、同時に波長変換要素110の温度を制御して、波長変換要素110の効率を改善する。図1に示すように、放熱板130は、光源102の放熱板106に連結することができる。代替的に、放熱板130及び放熱板106は、単一の放熱板とすることができる。代替的に、放熱板130は、放熱板106から分離することができる。更に、放熱板130は、フィン131のような冷却要素を含むことができる。ヒートパイプのような他の冷却又は熱伝達要素を必要に応じて使用することができる。
【0029】
放熱板130は、例えば、銅又はアルミニウム又はグラファイトのような他の伝導性材料を用いて製造することができる。一例として、銅は、約390W/(mK)の高い熱伝導度を有する。底面内のグラファイトの熱伝導度(>1000W/(mK))は、底面にわたるグラファイトの熱伝導度(<100W/(mK))よりも非常に高い。従って、グラファイトを用いて製作された放熱板130は、波長変換要素110から離れて向けられた底面の方向に置かれるべきである。図11A及び図11Bは、波長変換要素110を側面で保持する異なる可能な実施形態の放熱板132及び134の側面図をそれぞれ示している。放熱板132及び134がグラファイトで製作される時の底面を矢印133及び135で示している。図12は、波長変換要素110を側面で保持する別の可能な実施形態の放熱板136の斜視図を示している。
【0030】
図13は、20mm×20mmで14W/(mK)の熱伝導度を有する1mm厚の発光セラミックであり、図12に示されているものに類似した銅で製作された放熱板によって取り囲まれている波長変換要素110の熱伝達を示すグラフである。グラフ内の中心矩形は、熱源の位置、すなわち、波長変換要素に対して中心にあり、7mm×4mmの寸法を有し、かつ7Wの熱を発生する光源102によって加熱される波長変換要素110の区域を示している。図13で理解することができるように、発光セラミック波長変換要素110は、吸収したエネルギを効率的に側面に伝達させ、そこで熱は、放熱板130によって引き出される。
【0031】
図1で示すように、照明装置100は、光を平行化及び/又は再循環するのに使用することができる反射光学器械140を含むことができる。反射光学器械140は、本発明の開示と同じ譲受人を有し、その全体が本明細書に参照によって組み込まれている、2005年4月11日出願のGerard Harbers他による「再循環及び色混合を伴う反射光学器械を使用する照明器」という名称の米国特許出願出願番号第11/104,220号に説明のものと同様である。反射光学器械140は、反射光学器械140の入口を通過する光源102によって放射された光を平行化するための例えば放物面反射鏡を形成する側面部分142を含み、これは、波長変換要素110の出力側面112に光学的に連結される。側面部分142は、必要に応じて放物面以外の形状とすることができる。反射器は、円形又は矩形の断面を通常有する。放物面反射器の側面部分142は、アルミニウム、銀、又は3M製ESR反射フィルム、又はあらゆる他の適切な反射性材料で製造されるか又は被覆される。代替的に、反射光学器械140は、プラスチック又はガラスのような中実透明材料とすることができ、光を平行化するため材料及び空気の屈折率の間の差によってもたらされる全反射(TIR)を使用し、光を反射させ平行化する。
【0032】
反射光学器械140は、反射開口もまた含むことができ、これは、開口146の形態での出口を定める反射性ディスク144で形成される。反射性ディスク144は、反射光学器械140と一体化することができ、又は反射光学器械140に連結された分離部分とすることができる。開口146は、円形、正方形、又はあらゆる他の望ましい形状とすることができる。開口146を通過するように向かわないあらゆる光は、反射光学器械140内に反射して戻される。次に、反射光は、最終的に開口146に向って再反射され、集光されて平行化された光ビームが生成される。開口146は、ある一定の偏光状態を有する光のみが透過し、一方で他の偏光状態を有する光が反射光学器械内に反射して戻されるように偏光ミラーを含むことができる。
【0033】
図14は、本発明の実施形態による別の照明装置200を示している。照明装置200は、照明装置100と同様に、例えば、放熱板206上に装着された1つ又はそれよりも多くのUVのLED204とすることができる光源202を含む。一部の実施形態では、発光装置204は、サブマウント(図示せず)上に装着することができ、これは、放熱板206に装着される。LED204の角度放射パターンは、ランバート型とすることができ、又は例えばフォトニック格子構造を用いて制御することができる。集束器要素210は、集束器要素210の入口又は入力側面212が光源202に接近して保持され、かつ全角度分布の大部分を捕捉するように位置決めされる。高角度受容性色分離要素214が、集束器要素210の入力側面212に直接又は間接的に付加される。色分離要素214は、上述の色分離要素116と同様とすることができる。
【0034】
集束器要素210は、アルミニウム、銀、又は3M製ESR反射フィルム、又はあらゆる他の適切な反射性材料のような反射性材料で製造されるか又は被覆された側面216を有して形成することができる。代替的に、集束器要素210は、プラスチック又はガラスのような中実透明材料とすることができ、光を平行化するために材料及び空気の屈折率の間の差によってもたらされる全反射(TIR)を使用し、光を反射させて平行化する。集束器要素210は、集束器要素210の出口又は出力側面218に配置された波長変換要素220上に光を反射させて集束し、それによって波長変換要素220に入射する光の放射輝度(W/mm2)を増大させる。波長変換要素220は、図1に関して説明した波長変換要素110と同様とすることができる。
【0035】
図15は、波長変換要素220の詳細図を示している。図15で理解することができるように、波長変換要素220の側面は、銀又はアルミニウムのような反射コーティング222で被覆され、開口(エテンデュ)再循環が提供される。反射コーティング222は、図15の矢印で示すように、再循環のために光を反射させて波長変換要素220及び集束器要素210内に戻す。放熱板230は、波長変換要素220を側面で保持する。更に、放熱板230及び反射コーティング222は、波長変換要素220の出力側面の上に拡張され、反射開口として機能する。更に、波長変換要素の出力側面の上の放熱板230の拡張は、能動的冷却面積を増加させ、それは、波長変換要素220でのエネルギ密度の増大のために有利である。図16は、集束器要素210、波長変換要素220、及び放熱板230によって形成された矩形出口開口の上面図を示し、これは、システムの放射面積及びエテンデュをシステム受容性及び以後の光学器械と密接に適合させるように制限する。
【0036】
波長変換要素220内の波長変換素材料の厚み及び濃度によっては、必ずしも全ての光が変換されない可能性がある。第2の色分離要素224は、波長変換要素220の出力側面上に直接被覆することができ、又は代替的に波長変換要素220の出力側面の表面を粗面化することができる。別の実施形態では、第2の色分離要素224は、波長変換要素220上の近くに配置されるが直接には被覆されない。第2の色分離要素224として使用することができる直接付加ダイクロイックコーティングの1つの適切な実施形態について、様々な入射角での波長の関数としての透過特性を図8に示している。
【0037】
比較のために、図17は、両方とも本発明の開示と同じ譲受人を有し、各々の全体が本明細書に参照によって組み込まれている、2005年10月11日出願のSerge J.Bierhuizen他による「光集束器及び波長変換要素を有する照明システム」という名称の米国特許出願出願番号第11/248,945号、及び2005年4月11日出願のGerard Harbers他による「再循環及び色混合を伴う反射光学器械を使用する照明器」という名称の米国特許出願出願番号第11/104,220号により詳細に説明の照明装置850を示している。照明装置850は、青色/UVのLED光源852を含み、これは光を発生させ、その光は、コリメータ854で平行化されてダイクロイックフィルタを透過し、中実集束器858により、傾斜した銀/アルミニウムコーティングのサファイアディスク860上に装着された蛍光体要素862に向けて集束され、サファイアディスクは、蛍光体要素862を冷却するために使用される。蛍光体での変換光は、ダイクロイックフィルタ856によってシステムの外に送られるか又は再循環される。システムの外に送られた変換光は、システム受容性に対するエテンデュを制限する矩形開口を形成する反射開口866を有するコリメータ864で部分的に再循環される。図18は、反射開口866及び再循環コリメータ864によって形成された矩形開口の上面図である。
【0038】
照明装置850と比較すれば、本発明の実施形態による図14の照明装置200は、コスト及び寸法が削減され、一方、後方放射光又は循環される前方放射光の再利用が改善する。更に、開口(エテンデュ)再循環光は、照明装置850の場合のように最初に平行化され次に外側開口で反射されるのではなく、波長変換要素220の境界面で直接再循環されるので、照明装置200の効率が高められる。更に、波長変換要素220を主として側面で保持する放熱板230により、蛍光体要素862を入力表面の上で担持するサファイアディスク860が削除され、それによってコスト及び効率が改良される。
【0039】
その結果、照明装置200は、不必要な損失をもたらすコリメータ864を用いる2次再循環の使用に代わる波長変換要素220上での直接的な開口(エテンデュ)再循環により輝度を高め、寸法及びコストを低下させる。波長変換要素220上の直接開口再循環はまた、冷却表面積の実効増大により銀被覆サファイアディスク860を必要としない改良された廉価な熱的設計を可能にする。
【0040】
本発明を説明目的のために特定的な実施形態に関して示したが、本発明は、これに限定されない。様々な適応及び修正を本発明の範囲を逸脱することなく行うことができる。従って、特許請求の範囲の精神及び範囲は、以上の説明に限定されるべきではない。
【符号の説明】
【0041】
100 照明装置
102 光源
103 光路
104 LED
110 波長変換要素
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18